JP2009060391A - コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン - Google Patents

コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン Download PDF

Info

Publication number
JP2009060391A
JP2009060391A JP2007226106A JP2007226106A JP2009060391A JP 2009060391 A JP2009060391 A JP 2009060391A JP 2007226106 A JP2007226106 A JP 2007226106A JP 2007226106 A JP2007226106 A JP 2007226106A JP 2009060391 A JP2009060391 A JP 2009060391A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
condenser microphone
microphone unit
fixed electrode
piezoelectric element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007226106A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4921289B2 (ja
Inventor
Yutaka Akino
裕 秋野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Audio Technica KK
Original Assignee
Audio Technica KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Audio Technica KK filed Critical Audio Technica KK
Priority to JP2007226106A priority Critical patent/JP4921289B2/ja
Publication of JP2009060391A publication Critical patent/JP2009060391A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4921289B2 publication Critical patent/JP4921289B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic, Electromagnetic, Magneto- Strictive, And Variable-Resistance Transducers (AREA)

Abstract

【課題】振動板に静電吸引力が働いている状態であっても、振動板は固定電極との関係において本来あるべき位置にあり、振動板が音波を受けて固定電極に近づく場合と固定電極から離れる場合とで移動量の対称性を確保し、電気音響変換出力信号の歪みを防止するコンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホンを得る。
【解決手段】音波を受けて振動する振動板11,21と、振動板に所定の間隙をおいて対向し振動板との間でコンデンサーを構成する固定電極13,23と、固定電極の背後に形成された後部空気室17,27を備え、後部空気室の圧力を高める圧電ポンプ5を有し、圧電ポンプ5は、静電吸引力による振動板11,21の固定電極13,23への変位に対応して後部空気室17,27の圧力を高める。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホンに関するもので、特に、静電吸引力による振動板の変位を圧縮空気でキャンセルするように構成したことを特徴とするものである。
固定電極が振動板の片側だけにあるコンデンサーマイクロホンユニットでは、直流バイアス電圧によって発生する静電吸引力で振動板が固定電極に接近する向きに変位する。エレクトレット型コンデンサーマイクロホンユニットにおいても、固定電極が振動板の片側だけにある構造になっている場合は同様の現象が生じる。このように、振動板が変位している状態で音波が到来すると、振動板は固定電極に接近する向きには静電吸引力が作用している分動きやすいことから大きく変位し、固定電極から遠ざかる向きには変位しにくい。このように、振動板は振動の向きによって移動量が非対称であることから、電気音響変換出力信号が音波に忠実にならず、出力信号に歪みが生じる。前後一対のコンデンサーマイクロホンエレメントを背中合わせ状に配置し、この一対のコンデンサーマイクロホンエレメントが共通の絶縁座によって一体に保持された可変指向性マイクロホンユニットにおいても、一つの振動板に対してはどの片側だけに固定電極があるので、同様の問題が生じる。
また、コンデンサーマイクロホンの感度を高めるために、バイアス電圧を高くすることが一般に行われている。しかし、バイアス電圧を高くすると、上記のように振動板の移動量が大きくなり、この移動量の非対称性がさらに顕著になり、出力信号に歪みが生じやすくなるとともに、静電吸引力が強くなることによって、振動板が固定電極に吸着されてしまい、マイクロホンとして機能しなくなることがある。したがって、静電吸引力があっても、振動板は本来の位置にあることが望ましい。
コンデンサーマイクロホンにおける静電吸引力の問題に関しては従前より着目されていて、静電吸引力の影響を無くすための工夫が各種提案されている。特許文献1記載の発明は、振動板組立体の製造方法を工夫することにより、振動板が固定電極に吸着されにくい形に仕上がるようにしたものである。すなわち、片面に金属蒸着膜を有する樹脂フィルムからなる振動板は、特定の工程を経ることにより、金属蒸着膜側が凸となるような張力が加えられた状態で支持リングに支持されるようにしたものである。そして、金属蒸着膜側を固定電極とは反対側に配置して、樹脂フィルムに残っている内部応力が、バイアス電圧により固定極と振動板との間で生ずる静電吸引力に対向することができるようにしたものである。
特許文献2記載の発明は、エレクトレットコンデンサーマイクロホンに関するもので、振動板の中央部と対向する固定電極の中央部に貫通孔を形成してエレクトレット不存在領域とすることにより、振動板が固定電極に吸着されるのを防止するものである。
特許文献3記載の発明は、固定電極の振動板との対向面を凹状に湾曲させ、この湾曲部の最大深さ部分を振動板の最大振幅位置近傍とすることにより、振動板が固定電極に吸着されにくくしたものである。
特開2006−332930号公報 特開2005−45410号公報 特開2003−174696号公報
特許文献1ないし特許文献3の発明はいずれも、振動板とこれに対向する固定電極の中央部分を遠ざけることにより、静電吸引力による振動板の固定電極への吸着を防止しようとするものである。したがって、先に述べた従来技術の問題点と同様に、振動板が固定電極に向かって移動する場合は動きやすく、固定電極から離れる向きには動きにくく、移動量が非対称であり、電気音響変換出力信号に歪みが生じるという難点がある。
本発明は、振動板に静電吸引力が働いている状態であっても、振動板は固定電極との関係において本来あるべき位置にあり、振動板が音波を受けて固定電極に近づく場合と固定電極から離れる場合とで移動量の対称性を確保し、電気音響変換出力信号の歪みを防止することができるコンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明はまた、感度を高めるためにバイアス電圧を高くしても、かつ、振動板と固定電極を特別な形状にしなくても、振動板が固定電極に吸着されることを防止することができるコンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホンを提供することを目的とする。
本発明は、音波を受けて振動する振動板と、振動板に所定の間隙をおいて対向し振動板との間でコンデンサーを構成する固定電極と、固定電極の背後に形成された後部空気室を備えたコンデンサーマイクロホンユニットであって、上記後部空気室の圧力を高める圧電ポンプを有し、上記圧電ポンプは、静電吸引力による上記振動板の上記固定電極への変位に対応して上記後部空気室の圧力を高めることを最も主要な特徴とする。
後部空気室に連通して後部空気室を外部に開放する空気孔と、この空気孔を開閉する圧電バルブをさらに有し、この圧電バルブが上記空気孔を閉止している状態において圧電ポンプが上記後部空気室の圧力を高めるようにしてもよい。
振動板と固定電極との間にはバイアス電圧の印加によって静電吸着力が働き、振動板は固定電極に接近する。圧電ポンプを駆動すると、後部空気室の圧力が高まり、振動板は固定電極から離れる向きに押される。振動板が本来あるべき位置に至るように圧電ポンプによる加圧を制御する。この状態では、振動板の固定電極に接近する向きへの動きやすさと固定電極から離間する向けへの動きやすさが等しく、運動の対称性が保たれ、振動板が音波を受け、振動することによって出力される信号の歪みを無くすことができる。
また、バイアス電圧を高くした場合も、そのときの静電吸着力に対応した圧力を圧電ポンプにより後部空気室に加え、振動板を本来あるべき位置にすることができるため、マイクロホンユニットの感度を高めつつ、振動板の固定電極への吸着を防止することができる。
以下、本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホンの実施例について図面を参照しながら説明する。図に示す実施例は単一指向性コンデンサーマイクロホンユニットの例であるが、本発明は、無指向性コンデンサーマイクロホンユニット、その他のコンデンサーマイクロホンユニットにも適用可能である。
図1、図2において、符号10,20はそれぞれ第1、第2のコンデンサーマイクロホンエレメントを示している。第1、第2のコンデンサーマイクロホンエレメント10,20は絶縁座30の介在のもとに、絶縁座30の前後(図1において左右)両端に互いに平行をなして対称に組み立てられ、第1、第2のコンデンサーマイクロホンエレメント10,20が背中合わせ状に配置されている。第1のコンデンサーマイクロホンエレメント10は、フィルム状でダイヤフラムともいわれる振動板11を有している。振動板11はその外周縁部がリング状の振動板保持体12の一方の端面に固着され、振動板保持体12によって保持されている。振動板11は、所定の微小な間隙をおいて固定電極13に対向している。固定電極13は絶縁座30に固定されている。
絶縁座30は全体として円盤状の部材で、絶縁座30の前後には2段階にわたって円形の凹陥部が形成され、この2段階の凹陥部間に段部36,38が形成され、また、前後端外周縁部に円形の突堤31,32が形成されている。絶縁座30の前側の突堤31の内周側には上記固定電極13が嵌められ、固定電極13の後端外周縁部は、絶縁座30の上記前側の段部36に当接している。上記突堤31の上記段部36からの突出寸法は固定電極13の板厚寸法よりも小さく、したがって、固定電極13の前部は絶縁座30の前側に突出している。固定電極13の前面側には薄いフィルムなどからなるリング状のスペーサ16が重ねられ、このスペーサ16の上には、振動板11が振動板保持体12で保持された状態で重ねられている。したがって、振動板11と固定電極13との間には、スペーサ16の厚さ寸法に対応した微小な隙間が形成されている。図1では、振動板11と固定電極13を明確に区別するために、スペーサ16の厚みを実際よりも厚く描いて、振動板11と固定電極13との間の隙間を実際よりも誇張している。振動板保持体12は振動板11を後ろ側にして配置され、振動板保持体12の前面にはリング状の端子板14が重ねられている。端子板14は、内周側の一部から前方に突出した端子14Aを有している。
以上のような各部材の配置関係において、絶縁座30の前側外周に押さえリング15が嵌められ、絶縁座30に一体に固定されている。押さえリング15は前側に内向きのフランジを一体に有し、この内向きのフランジが端子板14を後方に向かって押し、この端子板14に加わる押圧力で、振動板保持体12、振動板11、固定電極13をこの順に後方に向かって押し、固定電極13が絶縁座30に押圧されている。このように、各部材に加わる押圧力によって各部材が絶縁座30に実質一体に固定されている。固定電極13の背後には、絶縁座30に前記凹陥部が形成されることによって後部空気室17が形成されている。絶縁座30の中心部には絶縁座30を厚さ方向(前後方向)に貫通する孔39が形成され、孔39は後部空気室17に連通している。孔39には、第1のコンデンサーマイクロホンエレメント10の後部音響抵抗体18が配置されている。
前記第2のコンデンサーマイクロホンエレメント20も、第1のコンデンサーマイクロホンエレメント10と同様に構成されている。ただし、第1、第2のコンデンサーマイクロホンエレメント10、20は前後の配置関係が互いに逆向きになっているので、第2のコンデンサーマイクロホンエレメント20に関しては、図1の右側を前、左側を後として説明する。第2のコンデンサーマイクロホンエレメント20は、フィルム状の振動板21を有している。振動板21はその外周縁部がリング状の振動板保持体22の一方の端面に固着され、振動板保持体22によって保持されている。振動板21は、所定の微小な間隙をおいて固定電極23に対向している。固定電極23は絶縁座30に固定されている。
絶縁座30の後ろ側(図1において右側)の突堤32の内周側には上記固定電極23が嵌められ、固定電極23の後端外周縁部は、絶縁座30の上記後ろ側の段部38に当接している。上記突堤32の上記段部38からの突出寸法は固定電極23の板厚寸法よりも小さく、したがって、固定電極23の前部は絶縁座30から突出している。固定電極23の前面側には薄いフィルムなどからなるリング状のスペーサ26が重ねられ、このスペーサ26の上には、振動板21が振動板保持体22で保持された状態で重ねられている。したがって、振動板21と固定電極23との間には、スペーサ26の厚さ寸法に対応した微小な隙間が形成されている。この隙間も実際より誇張して大きく描かれている。振動板保持体22は振動板21を後ろ側にして配置され、振動板保持体22の前面にはリング状の端子板24が重ねられている。端子板24は、内周側の一部から前方に突出した端子24Aを有している。
以上のような各部材の配置関係において、絶縁座30の後ろ側(図1において右側)外周に押さえリング25が嵌められ、絶縁座30に一体に固定されている。押さえリング25は前側に内向きのフランジを一体に有し、この内向きのフランジが端子板24を後方に向かって押し、この端子板24に加わる押圧力で、振動板保持体22、振動板21、固定電極23をこの順に後方に向かって押し、固定電極23が絶縁座30に押圧されている。このように、各部材に加わる押圧力によって各部材が絶縁座30に実質一体に固定されている。固定電極23の背後には、絶縁座30に前記凹陥部が形成されることによって後部空気室27が形成されている。後部空気室27は前記孔39に連通している。孔39には、第1のコンデンサーマイクロホンエレメント20の後部音響抵抗体28が配置されている。
絶縁座30の下部には、上記孔39に連通する空気孔35が絶縁座30を半径方向に貫通して形成され、空気孔35は絶縁座30の下端部外周面において開口している。絶縁座30の下端部外周面には、上記空気孔35の開口位置に圧電素子支持体40が固着されている。圧電素子支持体40は断面形状が逆T字状になっている。圧電素子支持体40はこれを上下方向に貫通しかつ絶縁座30の空気孔35に連通する空気孔41を有し、空気孔41は圧電素子支持体40の下端面に開口している。圧電素子支持体40の下部は前後方向(図1では左右方向)に翼状に広がっていて、この圧電素子支持体40の下面には、前後に対をなすスペーサ43,43の介在のもとに圧電素子8が圧電素子支持体40の下面と平行に取り付けられている。圧電素子支持体40の下面と圧電素子8との間にはスペーサ43,43の厚さに相当する隙間が形成され、この隙間は、圧電素子支持体40の左右両翼にこれを厚さ方向に貫通して形成された入排気孔42,42に連通している。
上記圧電素子8としては、周知のバイモルフ型振動子を用いることができる。バイモルフ型振動子は、長さ方向に伸縮する2枚の圧電素子を重ねて接合し、双方の圧電素子間に電圧をかけることにより、一方の圧電素子が伸びると他方の圧電素子が縮むように構成したものである。いずれの圧電素子も分極方向は厚さ方向である。バイモルフ型振動子にはパラレル型とシリーズ型がある。いずれにせよ、電圧をかけることにより、一方の圧電素子が伸び、他方の圧電素子が縮むことにより、圧電素子8としては図1において上または下に向かって反曲する。図1に示す圧電素子8の態様では、上に向かって反曲することにより空気孔35の開口を閉止している。圧電素子8への電圧印加を停止すると、圧電素子8は空気孔35の開口から離間してこれを開放する。このように、圧電素子8は空気孔35の開口を開閉する圧電バルブを構成している。
図1、図2において、絶縁座30の上部にも、前記孔39に連通する空気孔37が絶縁座30を半径方向に貫通して形成され、空気孔37は絶縁座30の外周面上端において開口している。絶縁座30の上端部外周面には、上記空気孔37の開口位置に圧電素子支持体50が固着されている。圧電素子支持体50はこれを上下方向に貫通しかつ絶縁座30の空気孔37に連通する空気孔51を有し、空気孔51は圧電素子支持体50の上端面に開口している。圧電素子支持体50は断面形状がT字状になっていて、その上部は前後方向(図1では左右方向)に翼状に広がっている。この圧電素子支持体50の上面には、前後に対をなすスペーサ52,52の介在のもとに圧電素子5が圧電素子支持体50の下面と平行に取り付けられている。圧電素子支持体50の上面と圧電素子5との間にはスペーサ52,52の厚さに相当する密閉空間55が形成されている。この密閉空間55は、上記圧電バルブ側の圧電素子8と圧電素子支持体40との間に形成される空間よりも間隔が広くなっている。圧電素子5は前記圧電素子8と同様、バイモルフ型振動子を用いることができ、圧電素子5の端子間に電圧を印加すると、圧電素子支持体50に接近する向きに反曲し、上記密閉空間55の容積が小さくなるように構成されている。したがって、圧電素子5は圧電ポンプを構成しており、上記圧電バルブが空気孔41の開口を閉止している状態で圧電素子5に電圧を印加することにより、空気孔51,37、孔39を介して上記密閉空間55と連通している前記振動板11,21の後部空気室17、27の圧力を高めるようになっている。
圧電ポンプを構成する圧電素子5の端子間には、振動板11の位置を検出する変位量検出手段からの検出信号に応じた電圧が印加されるようになっている。上記振動板の変位量検出手段は、図1において、振動板11の前面中央に対向して配置された静電容量検出電極60と、静電容量計61、さらには増幅器62を含む。静電容量検出電極60と振動板11との間の静電容量は、これらの間隔に応じて変化する。振動板11の前面はコンデンサーの電極となっているので、この電極と静電容量検出電極60とを出力端子とし、これを静電容量計61の入力端子に接続することにより、静電容量計61で静電容量検出電極60と振動板11との間の静電容量を測定することができる。静電容量計61の出力を増幅器62で増幅し、その出力電圧を圧電素子5の端子間に印加するように構成されている。図1の例では、左側のコンデンサーマイクロホンエレメントの振動板の変位を検出するようになっているが、右側のコンデンサーマイクロホンエレメントの振動板の変位を検出して圧電素子5に印加するようにしてもよい。符号70は、右側のコンデンサーマイクロホンエレメントの静電容量検出電極を示している。
前述のように、バイアス電圧の印加により振動板11,21は固定電極13,23側に変位する。図4は振動板11,21が変位した様子を示している。この変位量は上記変位量検出手段で検出される。圧電バルブを構成する圧電素子8に電圧を印加し、圧電素子8で前記空気孔41の開口を閉止している状態において、上記変位量検出手段の検出信号に応じた電圧が圧電素子5に印加される。圧電素子5は印加電圧に応じて圧電素子支持体50に接近する向きに反曲する。図1、図5は圧電素子5が反曲した状態を示している。この反曲により、上記のように後部空気室17、27の圧力を高めるため、振動板11,21は本来あるべき位置まで押し戻される。図5は振動板11,21が押し戻された状態を示している。この状態を維持させてマイクロホンユニットとして動作させると、振動板11,21が音波を受けて固定電極13,23に近づく場合と固定電極13,23から離れる場合とで移動量の対象性を確保することができ、電気音響変換出力信号の歪みを防止することができる。
また、感度を高めるためにバイアス電圧を高くすると、振動板11,21の変位量が大きくなるが、この変位量に応じて振動板11,21と固定電極13,23との間の静電容量が変化し、これに応じて圧電素子5に印加する電圧が高くなり、後部空気室17、27の圧力が高くなるため、振動板11,21は本来あるべき位置まで押し戻される。したがって、コンデンサーマイクロホンとしての感度を高めつつ、振動板11,21が固定電極13,23に吸着されることを防止することができる。
なお、図示の実施例によれば、圧電素子8に印加する電圧を制御することによって、各コンデンサーマイクロホンエレメント10、20の後部音響抵抗を可変とすることができる。図4はコンデンサーマイクロホンエレメント10、20の後部音響抵抗を高くする場合の例を示すもので、圧電素子8の端子間に直流電圧を印加することにより、圧電素子8が上記空気孔41の開口に接近し、空気孔41の空気流通度合いを低くしている。この状態では、各コンデンサーマイクロホンエレメント10、20の後部空気室17,27と外部との間での空気の流れが制限され、各コンデンサーマイクロホンエレメント10、20後部音響端子の音響抵抗は高くなる。図示の実施例は、前後一対のコンデンサーマイクロホンエレメントを背中合わせ状に配置した可変指向性マイクロホンユニットであって、上記空気孔41を圧電素子8で閉止し、双方のエレメント10,20の後部音響端子の音響抵抗を最大に高めることによって、極めて低域の音波も収音することができる。
しかしながら、上記空気孔41が閉止されると、外気の気圧が変動することによって、振動板11,21が前後の気圧差で変形するので、圧力等価が必要になる。この圧力等価は、圧電素子8に印加する直流電圧の制御により、上記空気孔41の開口と圧電素子8との間に僅かな隙間が生じるようにするとよい。外気圧の変化は緩やかであるから、空気孔41の開口と圧電素子8との間に僅かな隙間が生じているだけで圧力等価が行なわれるからである。
マイクロホンの使用条件によっては、外気圧が急激に変化することがある。例えば、風雑音、振動雑音、ドアの開閉などが行なわれると、気圧が急激に変化する。このように気圧が急激に変化した場合に、これらを適宜のセンサで検知して制御部に入力し、制御部では、圧電素子8が空気孔41の開口を開く向きに作動するように圧電素子8に印加する電圧を制御し、周波数応答の低域限界を低下させるようにするとよい。こうすることにより、振動板11,21の前後の圧力等価が行なわれ、振動板11,21の変形を防止することができる。
図示の実施例は可変指向性コンデンサーマイクロホンユニットの例であるが、本発明は、一つのマイクロホンエレメントを有していて、後部空気室を密閉した無指向性コンデンサーマイクロホンユニットにも適用することができる。無指向性コンデンサーマイクロホンユニットを用いたマイクロホンを使用するときに、振動板の位置を本来あるべき位置に戻す機能を持たせるのであれば、圧電ポンプを備えていればよく、圧電バルブはあえて設ける必要はない。
無指向性コンデンサーマイクロホンユニットは、後部空気室が密閉されているため、外気圧が変動すると振動板の前後で気圧差を生じ、振動板が変形する。そこで、後部空気室に連通する空気孔を設け、この空気孔の外気への開口に対向させて圧電素子からなる圧電バルブを配置し、通常の使用状態では圧電素子で空気孔の開口を閉止するかまたはごく僅かずつ空気が流通できるようにしておく。振動板の前後の気圧を検出するセンサを配置し、前後の気圧差を検出すると、制御部が圧電素子に印加する直流電圧を制御するようにすれば、上記空気孔の開口を開いて振動板の前後の気圧差を解消することができる。
本発明に係るコンデンサーマイクロホンユニットをマイクロホンケースに組み込み、マイクロホンコネクタ、回路基板などの必要な電装品をマイクロホンケースに組み込むことによって、これまで説明してきた効果を奏するコンデンサーマイクロホンを得ることができる。
本発明にかかるコンデンサーマイクロホンユニットの実施例を示す中央縦断面図である。 上記実施例の正面図である。 上記実施例の一動作態様を示す中央縦断面図である。 上記実施例の別の動作態様を示す中央縦断面図である。 上記実施例のさらに別の動作態様を示す中央縦断面図である。
符号の説明
5 圧電ポンプを構成する圧電素子
8 圧電バルブを構成する圧電素子
10 マイクロホンエレメント
11 振動板
12 振動板保持体
13 固定電極
17 後部空気室
20 マイクロホンエレメント
21 振動板
22 振動板保持体
23 固定電極
27 後部空気室
30 絶縁座
35 空気孔
40 圧電素子支持体
41 空気孔
51 空気孔
55 密閉空間
60 静電容量検出電極
61 静電容量計

Claims (7)

  1. 音波を受けて振動する振動板と、振動板に所定の間隙をおいて対向し振動板との間でコンデンサーを構成する固定電極と、固定電極の背後に形成された後部空気室を備えたコンデンサーマイクロホンユニットであって、
    上記後部空気室の圧力を高める圧電ポンプを有し、
    上記圧電ポンプは、静電吸引力による上記振動板の上記固定電極への変位に対応して上記後部空気室の圧力を高めることを特徴とするコンデンサーマイクロホンユニット。
  2. 後部空気室に連通して後部空気室を外部に開放する空気孔と、この空気孔を開閉する圧電バルブをさらに有し、この圧電バルブが上記空気孔を閉止している状態において圧電ポンプが上記後部空気室の圧力を高めることを特徴とする請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  3. 静電吸引力による振動板の変位量検出手段を備え、この変位量検出手段の出力信号に応じて圧電ポンプが後部空気室の圧力を高める請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  4. 振動板の変位量検出手段は、振動板を挟み固定電極の反対側に配置された検出電極と、この検出電極と振動板との間の静電容量変化を検出する静電容量計を含む請求項3記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  5. 前後一対のコンデンサーマイクロホンエレメントを背中合わせ状に配置し、この一対のコンデンサーマイクロホンエレメントが共通の絶縁座によって一体に保持された可変指向性マイクロホンユニットが構成され、上記絶縁座に、後部空気室と圧電バルブに連通する空気孔および後部空気室と圧電ポンプに連通する空気孔が形成されている請求項1記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  6. 圧電ポンプは、電極間に電圧を印加することにより反曲する圧電素子と、この圧電素子を支持する圧電素子支持体を備え、圧電素子と圧電素子支持体との間に空間が形成され、この空間は後部空気室に連通する請求項1から5のいずれかに記載のコンデンサーマイクロホンユニット。
  7. コンデンサーマイクロホンユニットをマイクロホンケースに組み込んでなるコンデンサーマイクロホンであって、コンデンサーマイクロホンユニットは請求項1ないし5のいずれかに記載のコンデンサーマイクロホンユニットであるコンデンサーマイクロホン。
JP2007226106A 2007-08-31 2007-08-31 コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン Expired - Fee Related JP4921289B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007226106A JP4921289B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007226106A JP4921289B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009060391A true JP2009060391A (ja) 2009-03-19
JP4921289B2 JP4921289B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=40555713

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007226106A Expired - Fee Related JP4921289B2 (ja) 2007-08-31 2007-08-31 コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4921289B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9699547B2 (en) 2015-06-09 2017-07-04 Kabushiki Kaisha Audio-Technica Non-directional microphone

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5019471Y1 (ja) * 1970-01-30 1975-06-13
JPS6180996A (ja) * 1984-09-28 1986-04-24 Hitachi Ltd 水中送波器
JPS6431480A (en) * 1987-07-27 1989-02-01 Nec Corp Piezoelectric vibration plate
JPH05145997A (ja) * 1991-11-20 1993-06-11 Ono Sokki Co Ltd コンデンサマイクロフオン
JPH06339192A (ja) * 1993-05-27 1994-12-06 Atsuden Kk マイクロホンユニット
JP2000106699A (ja) * 1998-09-29 2000-04-11 Audio Technica Corp コンデンサマイクロホン
JP2006165911A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Audio Technica Corp コンデンサマイクロホンユニットの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5019471Y1 (ja) * 1970-01-30 1975-06-13
JPS6180996A (ja) * 1984-09-28 1986-04-24 Hitachi Ltd 水中送波器
JPS6431480A (en) * 1987-07-27 1989-02-01 Nec Corp Piezoelectric vibration plate
JPH05145997A (ja) * 1991-11-20 1993-06-11 Ono Sokki Co Ltd コンデンサマイクロフオン
JPH06339192A (ja) * 1993-05-27 1994-12-06 Atsuden Kk マイクロホンユニット
JP2000106699A (ja) * 1998-09-29 2000-04-11 Audio Technica Corp コンデンサマイクロホン
JP2006165911A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Audio Technica Corp コンデンサマイクロホンユニットの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9699547B2 (en) 2015-06-09 2017-07-04 Kabushiki Kaisha Audio-Technica Non-directional microphone

Also Published As

Publication number Publication date
JP4921289B2 (ja) 2012-04-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7303121B2 (ja) マイクロメカニカル音響変換器
JP4979345B2 (ja) マイクロホン
JP4103877B2 (ja) 静電型超音波トランスデューサ及び超音波スピーカ
US8848962B2 (en) Unidirective condenser microphone unit and condenser microphone
US7493821B2 (en) Micromachined acoustic transducer and method of operating the same
US9359188B1 (en) MEMS microphone with tensioned membrane
US8901683B2 (en) Micro electro mechanical system (MEMS) microphone and fabrication method thereof
US20120091546A1 (en) Microphone
Stoppel et al. Novel membrane-less two-way MEMS loudspeaker based on piezoelectric dual-concentric actuators
KR100977826B1 (ko) 멤스 마이크로폰 및 그 제조 방법
US8081782B2 (en) Acoustic-electric transducer, electronic device, method, and computer program product
US20180002161A1 (en) Mems device and process
WO2020140573A1 (zh) Mems麦克风
TW201216723A (en) Microphone
JP4921289B2 (ja) コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン
JP5053626B2 (ja) コンデンサーマイクロホンユニットおよびコンデンサーマイクロホン
US9066187B2 (en) Dual transducer with shared diaphragm
JP7349090B2 (ja) 圧電素子
KR101417018B1 (ko) 마이크로폰 및 그의 제조 방법
JP5152906B2 (ja) 無指向性コンデンサーマイクロホンユニットおよび無指向性コンデンサーマイクロホン
US10244330B2 (en) Lateral mode capacitive microphone with acceleration compensation
JP2016144046A (ja) 音響センサ
CN217335911U (zh) Mems麦克风芯片
CN115334428B (zh) 一种麦克风组件及电子设备
KR20180067400A (ko) 멤스 음향센서

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100825

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120131

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120202

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees