以下、この発明の実施の形態について図を参照して説明するが、この発明は以下の実施の形態に限定されない。また、この発明の実施の形態は発明の最も好ましい形態を示すものであり、発明の範囲を限定するものではない。
先ず、本実施の形態の装置構成を説明する。図1に示すように、ネットワークシステム1は、サーバ装置としての情報センタサーバ10と、端末装置としてのECR(Electronic Cash Resister:電子式金銭登録機)20A、20B、20C…及びそれら各々に接続する電子決済端末30A、30B、30C…と、決済センタサーバ50と、カード会社サーバ60と、を備えて構成される。情報センタサーバ10は、通信ネットワークNを介してECR20A、20B、20C…と通信可能に接続されている。決済センタサーバ50は、情報センタサーバ10及びカード会社サーバ60と通信可能に接続されている。
ECR20A、電子決済端末30Aは、第1のオーナーが経営する会社の第1の店舗に所属するものとする。ECR20B、電子決済端末30Bは、第1のオーナーとは別の第2のオーナーが経営する会社の第2の店舗に所属するものとする。ECR20C、電子決済端末30Cは、第1、2のオーナーとは別の第3のオーナーが経営する第3の店舗に所属するものとする。
また、ECR20A、電子決済端末30Aが、第1の店舗に設置されているものとする。また、ECR20B、電子決済端末30Bが、第2の店舗に設置されているものとする。また、ECR20C、電子決済端末30Cが、第3の店舗に設置されているものとする。すなわち、情報センタサーバ10と通信可能に接続する端末装置は各店舗に設置される。なお、オーナー数、一人のオーナーが経営する店舗数、店舗に設置されるECR及び電子決済端末の台数などについては図1の例に限定されない。
ECR20A、20B、20C…は、各店舗の売上データ処理を行う。ECR20A、20B、20C…は、売上データ処理で入力された売上データを保存するとともに、例えば1日の営業時間終了ごとに情報センタサーバ10に当該売上データを送信する。
電子決済端末30A、30B、30C…は、それぞれECR20A、30B、30C…と通信可能に接続されている。電子決済端末30A、30B、30C…は、後述する顧客のクレジットカード又は携帯電話機などからカード情報を読み取り、そのカード情報を含む決済データ及び決済承認要求をカード会社サーバ60宛に送信する。クレジットカードとしては、磁気ストライプ(MS:Magnetic Stripe)を有する磁気カード、IC(Integrated Circuit)チップを有するICカード等の接触式又は非接触式に通信を行うカードである。携帯電話機は、例えば、非接触式に通信を行う機能を有する。
上述したECR20Aとそれに接続する電子決済端末30Aの組み合わせ、ECR20Bとそれに接続する電子決済端末30Bの組み合わせ、ECR20Cとそれに接続する電子決済端末30Cの組み合わせ…の各々の組み合わせが、いわゆる端末装置である。この端末装置について、現金決済のみを行い、電子決済を行わない場合は、ECRのみの構成であってもよい。
情報センタサーバ10は、ECR20A、20B、20C…から送信された売上データを記憶する。また、情報センタサーバ10は、ECR20A、20B、20C…からの集計、分析要求に応じて、自機に記憶している売上データを集計、分析して、その集計、分析結果のデータを返信する売上データ管理機能を有する。さらに、情報センタサーバ10は、電子決済端末30A、30B、30C…から送信された決済の承認要求等をカード会社サーバ60へ送信し、カード会社サーバ60から送信された承認結果を電子決済端末30A、30B、30C…へ送信し、その決済に関する情報を売上データに関連付けて記憶する決済管理機能を有する。
決済センタサーバ50は、カード会社サーバ60と情報センタサーバ10との間の決済に関する情報の通信を管理する。カード会社サーバ60は、各カード会社に所属するサーバ装置である。図1では、カード会社サーバ60を1台でまとめて表現したが、実際は、複数のカード会社それぞれに設けられている。
決済センタサーバ50は、情報センタサーバ10から電子決済端末30A、30B、30C…の決済データ及び承認要求を受信し、この決済データ及び承認要求を、対応するカード会社のカード会社サーバ60に送信する。カード会社サーバ60は、決済センタサーバ50から電子決済端末30A、30B、30C…の決済データ及び承認要求を受信し、当該決済データ及び承認要求に応じて承認の可否を判別し、その結果に承認番号を付与して承認結果を生成して決済センタサーバ50に送信する。決済センタサーバ50は、カード会社サーバ60から承認結果を受信して情報センタサーバ10に送信する。
通信ネットワークNは、例えば、WAN(Wide Area Network)やインターネット等の通信ネットワークにより構成されているが、LAN(Local Area Network)等を含めてもよく、電話回線、専用線、移動体通信網、通信衛星網、CATV(Cable Television)回線、インターネットプロバイダ等を含めてもよい。
次いで、情報センタサーバ10の構成を説明する。図2に示すように、情報センタサーバ10は、CPU11(Central Processing Unit)、入力部12、RAM13(Random Access Memory)、表示部14、記憶部15、通信部16、計時部17を備えて構成され、各部がバス18を介して接続される。
CPU11は、情報センタサーバ10の各部を中央制御する。CPU11は、記憶部15に記憶されているシステムプログラム及び各種アプリケーションプログラムの中から指定されたプログラムをRAM13に展開し、RAM13に展開されたプログラムとの協働で、各種処理を実行する。具体的には、CPU11は、前述したプログラムとの協働により、後述する情報センタサーバ10側の処理を実行する(検索手段)。
入力部12は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーボード、マウスなどのポインティングデバイスを含む構成である。入力部12は、操作者による各キーの押下やポインティングデバイスの操作による操作信号をCPU11に出力する。
RAM13は、揮発性のメモリである。また、RAM13は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
表示部14は、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)等で構成され、CPU11からの表示制御信号に従った画面表示を行う。
記憶手段としての記憶部15は、磁気記憶媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)等により構成され、各種プログラム及び各種データを記憶媒体から読み出し及び書き込み可能に記憶する。具体的には、記憶部15は、後述するファイルデータや電子決済端末30A、30B、30C…とのデータ通信に使用する鍵データを記憶する。この鍵データは、共通鍵方式、公開鍵方式などにより、データの暗号化/復号化を行うデータである。
通信部16は、モデム、TA(Terminal Adapter)、ルータ、ネットワークカード等により構成される。通信部16は、接続される通信ネットワークN上のECR20A、20B、20C…等の外部機器、決済センタサーバ50と情報を送受信する(受信手段、送信手段)。計時部17は、計時回路を内蔵し、現在時刻及び現在日時を計時して出力する。
次いで、ECR(Electronic Cash Resister:電子式金銭登録機)20A、20B、20C…の構成を説明する。ここでは、ECR20Aを代表して説明するが、ECR20B、20C…も同様である。
図3に示すように、ECR20Aは、CPU21、入力部22、RAM23、表示部24、記憶部25、通信部26、接続部27、ドロア28、プリント部29a、計時部29bを備えて構成され、各部がバス29cを介して接続される。
CPU21、RAM23、通信部26については、それぞれ、情報センタサーバ10のCPU11、RAM13、通信部16の構成と同様であり、異なる部分を主として説明する。
CPU21は、記憶部25に記憶されたECRプログラムとの協働で、売上データ処理を行い、電子決済を行う場合に、電子決済端末30Aから受信した暗号化決済データを情報センタサーバ10へ送信し、情報センタサーバ10から受信した承認結果を電子決済端末30Aへ送信し、暗号化決済データ及び売上データを記憶部25に記憶する。また、CPU21は、ECRプログラムとの協働で、現金等決済を行う場合に、売上データを記憶部25に記憶する。また、CPU21は、ECRプログラムとの協働で、売上データを情報センタサーバ10へ送信する。この売上データの送信により、情報センタサーバ10側でECR20Aの売り上げを管理することができる。
また、CPU21は、ECRプログラムとの協働で、情報センタサーバ10から送信された商品情報、端末装置の操作ガイド情報、メッセージ情報などを受け付け、当該受け付けられた情報に基づいた各種店舗支援機能を実現する。具体的には、情報センタサーバ10から送信された商品情報を受け付けて記憶部25に記憶される商品情報を更新し、ECR20Aで取り扱う商品の金額などの設定変更を行う。また、情報センタサーバ10から送信された操作ガイド情報を受け付けて表示部24に操作ガイド画面を表示する。また、情報センタサーバ10から送信されたメッセージ情報を受け付けて表示部24によるメッセージの画面表示やプリント部29aによるメッセージの印刷を行う。
なお、CPU21がECRプログラムとの協働により実現する電子決済端末30Aを用いた電子決済、売上データの送信による情報センタサーバ10側での売上管理、情報センタサーバ10から送信された情報による各種店舗支援機能など、ECR20Aにおける各機能の実行の有無は、後述する記憶部25に記憶された設定ファイルに基づいて行われる(制御手段)。
指示手段としての入力部22は、カーソルキー、文字、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたレジ用のキーボードを含む構成である。入力部22は、操作者により各キーが押下された操作信号をCPU21に出力する。表示部24は、LCD等による表示画面を備えた構成である。表示部24は、CPU21からの表示制御信号に従って画面表示を行う。
なお、入力部22は、表示部24と一体的にタッチパネルを構成することとしてもよい。また、入力部22は、商品に設けられたバーコードなどを読み取るバーコードリーダやスキャナ等を備えることとしてもよい。
記憶部25は、ROMやフラッシュメモリ等により構成される。記憶部25は、各種プログラム及び後述する各種データを、ROMから読み出し可能に、フラッシュメモリから読み出し及び書き込み可能に記憶する。なお、記憶部25は、HDD等であってもよい。
通信部26は、通信ネットワークN上の情報センタサーバ10等の外部機器と通信を行う。接続部27は、電子決済端末30Aと有線又は無線で通信接続され、情報を送受信する。なお、ECR20Bの接続部は電子決済端末30Bと接続され、ECR20Cの接続部は、電子決済端末30Cと接続される。
ドロア28は、硬貨や紙幣等の現金を収納する引出しである。ドロア28は、例えば、CPU21からの信号により解放される。
プリント部29aは、例えばサーマルプリンタであり、レシート用、ジャーナル用のロール紙を有し、CPU21から入力される指示に従って、各ロール紙に対して金額等のデータをプリントアウトする。計時部29bは、計時回路を内蔵し、現在時刻及び現在日時を計時して出力する。
次いで、電子決済端末30A、30B、30C…の構成を説明する。ここでは、電子決済端末30Aを代表して説明するが、電子決済端末30B、30C…も同様である。
図4に示すように、電子決済端末30Aは、CPU31、入力部32、RAM33、表示部34、記憶部35、接続部36、カードリーダ37を備えて構成され、各部がバス38を介して接続される。
CPU31は、記憶部35に記憶された電子決済端末プログラムとの協働で、電子決済時に、カード情報を読み取り、決済データを暗号化し、暗号化決済データをECR20Aに送信し、承認結果をECR20Aから受信し、承認結果とともに暗号化決済データを記憶部35に記憶する。具体的には、CPU31は、上述したプログラムとの協働により、クレジットカード40aなどのICカードや磁気カードからカード情報を読み取って電子決済を行うMS決済や、携帯電話機40bなどからID情報を読み取って電子決済を行うID決済などを行う。
入力部32は、数字入力キー及び各種機能キーなどを備えたキーパッドを含む構成である。入力部32は、操作者により各キーが押下された操作信号をCPU31に出力する。表示部34は、LCD等による表示画面を備えた構成である。表示部34は、CPU31からの表示制御信号に従って画面表示を行う。なお、入力部32は、表示部34と一体的にタッチパネルを構成することとしてもよい。
記憶部35は、自装置を識別するための決済端末コード、電子決済端末プログラム、情報センタサーバ10と対の鍵データを記憶する。
接続部36は、有線又は無線でECR20Aと通信接続され、情報を送受信する。なお、電子決済端末30Bの接続部はECR20Bと接続され、電子決済端末30Cの接続部はECR20Cと接続される。
カードリーダ37は、CPU、RAM、ROM、フラッシュメモリ、情報読取部等を備える(いずれも図示しない)。カードリーダ37において、ROMから読み出され、RAMに展開されたプログラムとCPUとの協働で各種処理を実行する。また、情報読取部は、接触式又は非接触式で接続されたクレジットカード40a又は携帯電話機40bの情報を読み取る。
次に、記憶部15に記憶されるファイルデータについて説明する。図5に示すように、記憶部15には、認証設定ファイル151、店舗設定マスタファイル152が予め記憶される。
認証設定ファイル151は、通信ネットワークNを介して情報センタサーバ10と通信接続する端末装置の各々をパスワードなどで認証する認証情報を記憶するファイルデータである。具体的には、図6に示すように、ECR20A、20B、20C…の各々を示すECRコードと、電子決済端末30A、30B、30C…の各々を示す決済端末コードと、それらのコードで識別される端末の開設パスワードと、が記憶される。
例えば、ECR20Aとそれに接続する電子決済端末30Aについては、ECRコード「ECR1234−5678」、決済端末コード「ABCDEFGH」、開設パスワード「12345678」が記憶されている。このため、情報センタサーバ10は、通信ネットワークNを介してECR20A、電子決済端末30Aが接続した際に、ECRコード、決済端末コードとともに接続元から送信されるパスワードが「12345678」であるか否かを判定することで、接続元が正規のECR20A、電子決済端末30Aであるか否かの認証を行うことができる。
店舗設定マスタファイル152は、通信ネットワークNを介して情報センタサーバ10と通信接続する端末装置の各々の機能設定に係る設定情報を記憶するファイルデータである。具体的には、図7に示すように、端末装置を示すECRコード及び決済端末コードごとに、端末管理ポート接続プロパティ、電子決済ポート接続プロパティ、電子決済MS決済機能プロパティ、電子決済ID決済機能プロパティ、電子決済レポート機能プロパティ、店舗支援ポート接続プロパティ、店舗支援レジ設定機能プロパティ、店舗支援商品情報機能プロパティ、店舗支援操作ガイド機能プロパティ、店舗支援メッセージ機能プロパティなどが記憶されている。
端末管理ポート接続プロパティは、情報センタサーバ10などの外部機器との間で売上データの送受信を行うための通信ポート接続の可否を設定する。端末装置は、この端末管理ポート接続プロパティにより接続を許可された場合、売上データを送信して情報センタサーバ10側での売上管理を行うことができる。
電子決済ポート接続プロパティは、情報センタサーバ10や決済センタサーバ50などとの間で電子決済に係るデータ通信を行うための通信ポート接続の可否を設定する。端末装置は、この電子決済ポート接続プロパティにより接続を許可された場合、前述した決済センタサーバ50による電子決済を行うことができる。
電子決済MS決済機能プロパティは、磁気ストライプを有する磁気カードを用いた電子決済の可否を設定する。端末装置は、この電子決済MS決済機能プロパティにより磁気カードによる電子決済を許可された場合、磁気カードを電子決済端末で読み取る電子決済を実施できる。
電子決済ID決済機能プロパティは、携帯電話機などからID情報を読み取って行う電子決済の可否を設定する。端末装置は、この電子決済ID決済機能プロパティによりID情報による電子決済を許可された場合、電子決済端末により携帯電話機などから読み取られたID情報による電子決済を実施できる。
電子決済レポート機能プロパティは、電子決済に係るレポート出力の可否などのレポート機能を設定する。端末装置は、この電子決済レポート機能プロパティによりレポート機能を許可された場合、電子決済に関するレポートの画面表示やプリント出力を実施できる。
店舗支援ポート接続プロパティは、情報センタサーバ10などとの間で店舗支援に係るデータ通信を行うための通信ポート接続の可否を設定する。端末装置は、この店舗支援ポート接続プロパティにより接続を許可された場合、情報センタサーバ10から送信された商品情報、操作ガイド情報、メッセージ情報などの店舗支援に係る情報を受け付けることができる。
店舗支援レジ設定機能プロパティは、店舗支援に係るデータ通信による税率設定、演算機能の追加設定などのレジ設定の可否を設定する。端末装置は、この店舗支援レジ設定機能プロパティによりレジ設定を許可された場合、情報センタサーバ10から送信された税率や演算プログラムデータなどのデータを受け付けてレジ設定を実施できる。
店舗支援商品情報機能プロパティは、店舗支援に係るデータ通信により送信される商品情報を利用した機能の可否を設定する。端末装置は、この店舗支援商品情報機能プロパティにより商品情報を利用した機能が許可された場合、情報センタサーバ10から送信された商品情報に基づいて記憶部25に記憶される商品情報を更新して新しい商品に対応するなど、情報センタサーバ10から送信される商品情報を利用した機能を実施できる。
店舗支援操作ガイド機能プロパティは、店舗支援に係るデータ通信により送信される操作ガイド情報を利用した機能の可否を設定する。端末装置は、この店舗支援操作ガイド機能プロパティにより操作ガイド情報を利用した機能が許可された場合、情報センタサーバ10から送信された操作ガイド情報に基づいて表示部24に操作ガイド画面を表示するなど、情報センタサーバ10から送信された操作ガイド情報を利用した機能を実施できる。
店舗支援メッセージ機能プロパティは、店舗支援に係るデータ通信により送信されるメッセージ情報を利用した機能の可否を設定する。端末装置は、この店舗支援メッセージ機能プロパティによりメッセージ情報を利用した機能が許可された場合、情報センタサーバ10から送信されるメッセージ情報に基づいて表示部24によるメッセージの画面表示やプリント部29aによるメッセージの印刷など、情報センタサーバ10から送信されたメッセージ情報を利用した機能を実施できる。
例えば、ECR20Aとそれに接続する電子決済端末30Aについては、端末管理ポート接続プロパティ「接続可」、電子決済ポート接続プロパティ「接続可」、電子決済MS決済機能プロパティ「利用可」、電子決済ID決済機能プロパティ「利用可」、電子決済レポート機能プロパティ「不可」、店舗支援ポート接続プロパティ「接続可」、店舗支援レジ設定機能プロパティ「不可」、店舗支援商品情報機能プロパティ「利用可」、店舗支援操作ガイド機能プロパティ「利用可」、店舗支援メッセージ機能プロパティ「不可」が記憶されている。
これにより、ECR20Aと電子決済端末30Aとにより構成される端末装置については、情報センタサーバ10側での売上管理、決済センタサーバ50による電子決済、磁気カードによる電子決済、ID情報による電子決済、店舗支援に係る情報の受付、情報センタサーバ10から送信される商品情報、操作ガイド情報を利用する機能を実行することができる。なお、電子決済に関するレポートの画面表示やプリント出力、情報センタサーバ10からのデータ通信によるレジ設定やメッセージ情報の利用は実行することができない。
次に、記憶部25に記憶されるデータについて説明する。図8に示すように、記憶部25には、設定ファイル251、売上データファイル252、ECRコード253、決済端末コード254、開設パスワード255が記憶される。
設定ファイル251は、CPU21がECRプログラムとの協働により実現する各種機能に係る設定情報を記憶するファイルデータである。例えば、設定ファイル251は、各種機能の利用の可否を設定する。具体的には、図9に示すように、設定ファイル251は、端末管理ポート接続、電子決済ポート接続、電子決済MS決済機能、電子決済ID決済機能、電子決済レポート機能、店舗支援ポート接続、店舗支援レジ設定機能、店舗支援商品情報機能、店舗支援操作ガイド機能、店舗支援メッセージ機能などの機能について、その利用の可否を設定している。なお、この設定ファイル251は、後述する処理により、情報センタサーバ10から送信されたデータ(設定ファイル又は設定データ)に基づいて更新される。
売上データファイル252は、売上データを格納するファイルデータである。ECRコード253は、自装置を識別可能に割り当てられたコードデータである。決済端末コード254は、ECR20Aと接続する電子決済端末30Aから所得されたコードデータである。開設パスワード255は、自装置に対応するパスワードとして操作者により入力部22から入力されたデータである。
次に、ネットワークシステム1の動作処理について説明する。なお、以下の説明において、ECR20A、20B、20C…のCPU21が制御して行う処理については符号の頭に「A」を付して説明する。また、情報センタサーバ10のCPU11が制御して行う処理については符号の頭に「B」を付して説明する。また、ECR20A、20B、20C…と、情報センタサーバ10と、の装置間において、互いの制御部の制御の下で行われるデータ通信については符号の頭に「C」を付して説明する。
先ず、ネットワークシステム1における処理の概要を説明する。図10に示すように、ネットワークシステム1では、ECR20A、20B、20C…及び情報センタサーバ10の間で通信接続が開始される(ステップC1)。次いで、ECR20A、20B、20C…から情報センタサーバ10へECRコード、決済端末コード、開設パスワードが送信され、端末装置の認証要求が行われる(ステップC2)。
次いで、ネットワークシステム1では、ECR20A、20B、20C…から情報センタサーバ10へ送信されたデータに基づいた認証が情報センタサーバ10で行われ、情報センタサーバ10から送信元へ通信接続の可否を示す端末装置の認証応答が送信される(ステップC3)。この認証応答では、正規の送信元として認証された場合、接続可が応答される。なお、正規の送信元でないと判定された場合は、接続不可が応答されて直ちに接続が終了される。
正規の送信元として認証された場合、ネットワークシステム1では、ECR20A、20B、20C…から情報センタサーバ10へ設定ファイルが要求され(ステップC4)、情報センタサーバ10から送信元へ要求された設定ファイルの応答が行われて(ステップC5)、通信接続が終了される(ステップC6)。
次に、端末装置であるECR20A、20B、20C…において、CPU21の制御の下で行われる処理を詳細に説明する。図11に示すように、処理が開始されると、サーバ装置である情報センタサーバ10への通信接続が行われ(ステップA11)、記憶部25に記憶された認証用データ(ECRコード253、決済端末コード254、開設パスワード255)の読み出しが行われる(ステップA12)。次いで、読み出された認証用データが情報センタサーバ10へ送信され(ステップA13)、情報センタサーバ10からの認証応答データが受信される(ステップA14)。
次いで、情報センタサーバ10からの認証応答データが接続可であるか否かが判定される(ステップA15)。この判定において、接続不可であると判定された場合、すなわち、情報センタサーバ10において正規の送信元でないと判定された場合は、表示部24に情報センタサーバ10による認証が失敗したことを示す画面表示を行い、情報センタサーバ10との通信を切断するなどのエラー処理が行われて(ステップA16)、終了する。
ステップA15において、接続可であると判定された場合、すなわち、情報センタサーバ10において正規の送信元であると認証された場合は、情報センタサーバ10へ設定ファイルが要求され(ステップA17)、その要求により情報センタサーバ10から送信される設定ファイルが受信される(ステップA18)。次いで、受信した設定ファイルが記憶部25に格納され(ステップA19)、情報センタサーバ10との通信が切断されて(ステップA20)、その記憶部25に格納された設定ファイルに基づいた処理が行われる(ステップA21)。すなわち、ECRでは、情報センタサーバ10で認証された場合に当該情報センタサーバ10から送信される設定ファイルに基づいて、自装置における動作を制御する。
次に、CPU11の制御の下で行われる情報センタサーバ10の処理を詳細に説明する。図12に示すように、処理が開始されると、ECR20A、20B、20C…などの端末装置からの通信接続が受け付けられ(ステップB11)、端末装置の認証用データ(ECRコード、決済端末コード、開設パスワード)が受信される(ステップB12)。
次いで、受信された認証用データと認証設定ファイル151との照合が行われる(ステップB13)。具体的には、受信された認証用データに含まれるECRコード、決済端末コードに基づいて識別される端末の開設パスワードが認証設定ファイル151から取得される。次いで、その取得された開設パスワードと受信された認証用データに含まれる開設パスワードとが照合される。
次いで、照合結果に基づいた認証応答データ(接続可/接続不可)が生成されて(ステップB14)、その生成された認証応答データが送信元へ送信される(ステップB15)。例えば、前述した開設パスワードの照合結果が一致する場合は、正規の送信元として接続を許可する認証応答データ(接続可)が送信される。また、開設パスワードの照合結果が一致しない場合は、接続を許可しない認証応答データ(接続不可)が送信される。
次いで、ステップB15において送信された認証応答データが接続可であるか否かが判定される(ステップB16)。この判定において、接続不可である場合は、端末装置からの通信接続が切断され(ステップB21)、当該端末装置から送信されてRAM13などに一時的に格納された保持情報が削除されて(ステップB22)、終了する。
ステップB16において、接続可であると判定された場合、すなわち、正規の送信元として認証された場合は、通信接続された端末装置からの設定ファイル要求が受け付けられ(ステップB17)、認証証データに含まれるECRコード、決済端末コードに基づいて店舗設定マスタファイル152から該当端末装置の設定情報が検索されて取得される(ステップB18)。具体的には、店舗設定マスタファイル152において、要求元のECRコード、決済端末コードに該当する各プロパティが検索されて設定情報として取得される。
次いで、取得された設定情報に基づいた設定ファイルが生成され(ステップB19)、その生成された設定ファイルが要求元の端末装置へ送信され(ステップB20)、端末装置との通信接続が切断され(ステップB21)、RAM13に格納された保持情報が削除されて(ステップB22)、終了する。
すなわち、情報センタサーバ10では、認証設定ファイル151に記憶された認証情報に基づいて送信元の認証を行い、正規の送信元として認証された端末装置からの設定ファイル要求に対して、当該端末装置の設定ファイルを送信する。
次に、ECR20A、20B、20C…において、CPU21の制御の下で行われる設定ファイルに基づいた処理(ステップA21)の詳細について説明する。図13に示すように、処理が開始されると、入力部22において操作キーが押下されるまで待機される(ステップA211)。
次いで、操作キーが押下されることで、記憶部25に記憶された設定ファイル251が参照され(ステップA212)、押下された操作キーに対応する機能の設定が取得される(ステップA213)。例えば、情報センタサーバ10側に売上データを送信するための操作キーが押下された場合は、設定ファイル251の端末管理ポート接続が参照されてその設定が取得される。同様に、決済センタサーバ50による電子決済、磁気カードによる電子決済、ID情報による電子決済、店舗支援に係る各種機能など、いずれかの機能を実行するための操作キーが押下された場合は、その機能に対応する設定が設定ファイル251から取得される。
次いで、ステップA213により取得された設定に基づいて機能の利用の可否(通信ポートの場合は接続の可否)が判定される(ステップA214)。この判定において、利用不可/接続不可であると判定された場合は、押下された操作キーに係る機能が利用できないことを表示部24に画面表示するエラー表示が行われて(ステップA215)終了する。また、利用可/接続可であると判定された場合は、押下された操作キーに係る機能が実行されて(ステップA216)終了する。
具体的には、情報センタサーバ10側に売上データを送信するための操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、記憶部25から売上データファイル252が読み出されて情報センタサーバ10へ送信される。これにより、各店舗の売り上げ管理を情報センタサーバ10側で行うことができる。また、電子決済MS決済機能に係る操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、クレジットカードを電子決済端末で読み取って暗号化決済データを送信する電子決済(MS決済)を行うことができる。
また、電子決済ID決済機能に係る操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、携帯電話機を電子決済端末で読み取って暗号化決済データを送信する電子決済(ID決済)を行うことができる。また、電子決済レポート機能に係る操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、電子決済に関するレポートの画面表示やプリント出力を行うことができる。
また、店舗支援レジ設定機能に係る操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、情報センタサーバ10から送信された税率や演算プログラムデータなどのデータを受け付けてレジ設定を行うことができる。また、店舗支援商品情報機能に係る操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、情報センタサーバ10から送信された商品情報に基づいた更新処理などの機能を実行することができる。
また、店舗支援操作ガイド機能に係る操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、情報センタサーバ10から送信された操作ガイド情報に基づいて表示部24に操作画面を表示するなどの機能を実行することができる。また、店舗支援メッセージ機能に係る操作キーが押下され、当該機能の利用が許可されている場合は、情報センタサーバ10から送信されたメッセージ情報を利用した機能を実行することができる。
[変形例]
ここで、ネットワークシステム1の動作処理の変形例について説明する。前述したネットワークシステム1の動作処理は、ECR20A、20B、20C…などの端末装置からサーバ装置である情報センタサーバ10へ設定ファイルを要求し、その要求に応じて返信される設定ファイルにより、端末装置側で自装置が有する各種機能の設定を一括して行うものであった。ここで説明する変形例は、端末装置側からサーバ装置へ個別に機能の設定情報を要求し、その要求に応じて返信される設定情報により、端末装置側で自装置が有する各種機能の動作を制御する処理構成である。なお、簡略化のために前述と同様の処理については説明を省略する。
先ず、処理の概要を説明する。図14に示すように、ネットワークシステム1では、前述したステップC1〜C3が行われて、端末装置が認証される。次いで、正規の送信元として認証された場合、ネットワークシステム1では、端末装置から情報センタサーバ10へいずれかの機能に関する設定データが要求され(ステップC4a)、情報センタサーバ10から送信元へ要求された設定データの応答が行われて(ステップC5a)、通信接続が終了される(ステップC6)。
次に、上述した変形例において、端末装置であるECR20A、20B、20C…で行われる処理を詳細に説明する。図15に示すように、処理が開始されると、前述したステップA11〜A14と同様の処理が行われ(ステップA31〜A34)、情報センタサーバ10からの認証応答データが受信される。
次いで、ステップA15と同様に認容応答データの判定が行われ(ステップA35)、この判定において、接続不可であると判定された場合はステップA16と同様のエラー処理が行われて(ステップA36)、終了する。
ステップA35において、接続可であると判定された場合は、入力部22において操作キーが押下されるまで待機される(ステップA37)。次いで、操作キーが押下されることで、この押下された操作キーに対応する機能の設定データが情報センタサーバ10に要求される(ステップA38)。例えば、情報センタサーバ10側に売上データを送信するための操作キーが押下された場合は、端末管理ポート接続の設定が情報センタサーバ10に要求される。同様に、決済センタサーバ50による電子決済、磁気カードによる電子決済、ID情報による電子決済、店舗支援に係る各種機能など、いずれかの機能を実行するための操作キーが押下された場合は、その機能に対応する設定が情報センタサーバ10に要求される。
次いで、ステップA38の要求により情報センタサーバ10から送信される設定データが受信され(ステップA39)、その受信された設定データに基づいて機能の利用の可否(通信ポートの場合は接続の可否)が前述したステップA214と同様に判定される(ステップA40)。この判定において、利用不可/接続不可であると判定された場合は、前述したステップA215と同様のエラー表示が行われる(ステップA41)。また、利用可/接続可であると判定された場合は、前述したステップA216と同様、押下された操作キーに係る機能が実行される(ステップA42)。
次いで、入力部22の操作キー等の終了指示による処理の終了の有無が判定される(ステップA43)。この判定において、処理を終了しないと判定された場合は、ステップA37に戻り、次の操作キーの押下を受け付ける。また、処理を終了すると判定された場合は、情報センタサーバ10との通信が切断されて(ステップA44)、終了する。
次に、上述した変形例において、サーバ装置である情報センタサーバ10で行われる処理を詳細に説明する。図16に示すように、処理が開始されると、前述したステップB11〜B15と同様の処理が行われ(ステップB31〜B35)、認証応答データが送信元へ送信される。
次いで、前述したステップB16と同様に送信された認証応答データが判定される(ステップB36)。この判定において、接続不可である場合は、前述したステップB21、B22と同様に端末装置との通信接続が切断され(ステップB42)、保持情報が削除されて(ステップB43)、終了する。
ステップB36において、接続可であると判定された場合は、通信接続された端末装置からの設定要求が受け付けられ(ステップB37)、前述したステップB18と同様、認証証データに含まれるECRコード、決済端末コードに基づいて店舗設定マスタファイル152から該当端末装置の設定情報が検索されて取得される(ステップB38)。
次いで、取得された設定情報に基づいて要求があった設定に関する設定データが生成されて(ステップB39)、その生成された設定データが要求元の端末装置へ送信される(ステップB40)。具体的には、店舗設定マスタファイル152において、要求元のECRコード、決済端末コードに該当する各プロパティから要求された設定が取得されて、設定データが生成される。例えば、端末管理ポート接続の設定が要求された場合は、端末管理ポート接続プロパティの設定が取得されて、設定データが生成される。なお、他の機能の設定が要求された場合についても同様に、要求されたプロパティの設定が取得されて設定データが生成される。
次いで、端末装置からの通信切断の有無が判定される(ステップB41)。この判定において、通信切断が行われない(NO)と判定された場合は、ステップB37に戻り、次の設定要求が受け付けられる。また、通信切断が行われる(YES)と判定された場合は、端末装置との通信接続が切断され(ステップB42)、保持情報が削除されて(ステップB43)、終了する。
以上のように、ネットワークシステム1は、サーバ装置(情報センタサーバ10)と各店舗に設置された端末装置(例えばECR20A及び電子決済端末30A)とが互いに通信可能に接続されている。端末装置は、CPUとプログラムとの協働による制御の下、自装置が有する機能に係る設定情報の配信要求をサーバ装置に送信し、サーバ装置が送信する設定情報を受信して、この受信された設定情報に基づいて自装置が有する機能の動作を制御する。サーバ装置は、CPUとプログラムとの協働による制御の下、端末装置毎の設定情報(店舗設定マスタファイル152)を記憶しており、端末装置から送信された設定情報の配信要求を受信し、記憶された端末装置毎の設定情報から送信元の端末装置の設定情報を検索し、この検索された設定情報を送信元の端末装置に送信する。
このため、ネットワークシステム1は、各店舗の端末装置の各々のアプリケーションプログラムを変更することなく、サーバ装置で一括して設定することができるため、各店舗に設置された端末装置の仕様の変更や多種多様な取引への対応を低コストで行うことができる。
また、端末装置は、受信された設定情報に基づいて、決済に関する決済データのサーバ装置との送受信を制御(例えば、電気決済ポート接続、電子決済MS決済機能、電子決済ID決済機能などの制御)する構成である。このため、ネットワークシステム1は、サーバ装置と各店舗の端末装置との間における決済データの送受信による電子決済について、サーバ装置で一括して各端末装置の設定を行うことができる。
また、端末装置は、送受信された設定情報に基づいて、売上に関する売上データのサーバ装置との送受信を制御(例えば端末管理ポート接続などの制御)する構成である。このため、ネットワークシステム1は、サーバ装置と各店舗の端末装置との間における売上データの送受信による売上管理について、サーバ装置で一括して各端末装置の設定を行うことができる。
また、端末装置は、設定情報の配信要求を送信する際に、自装置の認証に係る認証情報(ECRコード、決済端末コード、開設パスワード)をサーバ装置に送信する。サーバ装置は、端末装置毎の認証情報(認証設定ファイル151)を予め記憶しており、端末装置から送信された認証情報を受信し、予め記憶された送信元の端末装置の認証情報を検索し、この検索された認証情報と受信された認証情報との照合結果に基づいて配信要求があった設定情報を送信元の端末装置に送信する。このため、ネットワークシステム1は、端末装置からサーバ装置に設定情報を配信する際に、当該端末装置の正当性を検証することができ、不正な端末装置への設定情報の配信を防止することができる。
また、端末装置は、自装置のいずれかの機能の動作指示を行う指示手段(入力部22)を更に備え、この指示手段により動作指示された機能に係る設定情報の配信要求をサーバ装置に送信し、この配信要求に応じて受信された設定情報に基づいて、動作指示された機能の動作を制御する。このため、ネットワークシステム1は、サーバ装置から送信された設定情報による端末装置の各種機能の設定を一括して行うのではなく、端末装置で動作指示された機能について、その都度サーバ装置に設定を確認して動作制御することができ、サーバ装置での設定情報をよりリアルタイムに端末装置側に反映させることができる。
なお、上述した実施の形態における記述は、一例を示すものであり、これに限定するものではない。上述した実施の形態における構成及び動作に関しては、適宜変更が可能である。