JP2009058799A - 車両用報知装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の安全な運行を維持しつつ、効果的な宣伝・広告を実現する広告表示装置を提供する。
【解決手段】広告表示装置10は、通信装置30により、車両100の外部から配信される宣伝・広告情報を受信し、駐停車時に、その受信した宣伝・広告情報のうち、車両100から所定範囲内にある近い箇所についての宣伝・広告情報を、投影装置40により、車両100のリアガラス102に設けられた調光ガラス50に表示する。これにより、車両100の後方の車両の運転手等に対し、効果的に宣伝・広告ができると共に、その運転手等にとっては、車両運転中は、前方の車両100の位置や状況も同時に確認できるため、安全である。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両に搭載されて使用される車両用報知装置に関し、特に車両の周囲に宣伝・広告するのに好適なものである。
従来より、宣伝・広告のための車両用の表示装置、及び表示方法が知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1は、広告主から提供(配信)される宣伝・広告情報を受信して、その受信した宣伝・広告情報をリアルタイムで表示装置に表示する方法に関するものである。
特許文献2には、停車中の車両に関する情報を車両の外部に伝達することを目的とした表示装置が記載されている。この表示装置は、車両が、介護サービス、訪問医療等の特別な理由により停車している旨を表示するものである。
特開2004−279509号公報 特開2002−91359号公報
ところで、車両の運転中において、運転手は、事故防止のため、自車両の前方の車両に特に注意する。この点、上記特許文献1の表示方法では、リアルタイムで放送をおこなうため、表示をおこなう後方、周辺で走行をおこなう運転手の意識が広告に集中してしまうおそれがあり、この場合、車両運転の注意の意識が薄れてしまうことになりかねないため、好ましくない。
また、次に、特許文献2では、予め定められた情報を表示するのみであり、効果的に宣伝・広告することができない。
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、車両の安全な運行を維持しつつ、効果的な宣伝・広告を実現する車両用報知装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の車両用報知装置は、車両に搭載され、宣伝・広告情報を車両の周囲に報知するものである。ここで、宣伝・広告情報は車両の外に設けられる配信設備から配信されるようになっている。
そして、この車両用報知装置は、情報を受信する受信手段と、配信設備から配信される宣伝・広告情報を、受信手段に受信させる受信制御手段と、車両の現在位置を検出する位置検出手段と、受信手段により受信される宣伝・広告情報のうち、位置検出手段により検出される車両の現在位置から所定範囲内にある配信設備から配信された宣伝・広告情報を取得する取得手段と、車両の駐停車状態を検出する駐停車検出手段と、情報を報知する報知手段と、報知手段に、取得手段により取得された宣伝・広告情報を車両の周囲に報知させる報知制御手段と、駐停車検出手段の検出結果に基づき車両の状態を判断し、車両の状態が駐停車状態でない間、報知制御手段に、報知手段が宣伝・広告情報を報知することを禁止させる禁止手段とを備えている。
尚、配信設備は、ITS(Intelligent Transport Systems)において、各種情報を車両に配信する設備である。より具体的には、例えばDSRC(Dedicated Short Range Communications)システムにおける路側機等がある。DSRCシステムは、路側機から車両(車載機)に無線通信により各種情報を送信することで、様々なサービスの提供を実現するものである。サービスとしては、例えば、料金の電子決算、周辺の施設・店舗情報や道路交通情報の提供、駐車場の入退場管理などがある。そして、宣伝・広告情報は、一例としては、周辺の施設・店舗情報、施設におけるイベント情報、或いは店舗で扱う商品情報等がある。
また、駐停車とは、駐車場における駐車、路肩における駐車及び停車、さらには、信号待ちのための停車などを含む趣旨である。尚、駐車とは、運転手が車から離れていてすぐに運転できない状態の停止のことを指し、停車とは、運転手がすぐに運転できる状態での短時間の停止のことを指す。
上記のような車両用報知装置では、車両から所定範囲内にある配信設備から配信された宣伝・広告情報を周囲に報知するため、例えば自車両から近い施設・店舗等についての宣伝・広告情報を周囲に報知できるようになる。このため、車両の周囲の人(例えば、周囲の通行人、或いは周囲車両の運転手)は、自身から近い施設・店舗等についての宣伝・広告情報を得ることができる。よって、宣伝・広告効果が向上する。しかも、宣伝・広告情報を報知する車両の周囲の車両にとっては、報知元の車両の駐停車時にのみ、宣伝・広告情報を得ることができるので、運転を安全におこなうことができる。また、発進時には、宣伝・広告情報が報知されなくなるため、周囲の車両の運転手(以下、周囲運転手と記載する)にとっては、報知元の車両が発進したことが分かりやすくなる。例えば、車両の走行時には宣伝・広告情報が報知されないことが周囲運転手にとっても周知のことであれば、宣伝・広告情報が報知されなくなることで、周囲運転手は、報知元の車両が動き出したことが分かる。また、宣伝・広告情報が報知されなくなることで、例えば周囲運転手の注意が、信号や報知元の車両の動作に向けられ、周囲運転手は、報知元の車両が動き出したことが容易に分かる。尚、車両が駐停車状態であっても、車両のイグニションスイッチがオフされている場合は、宣伝・広告情報が報知されない(車両用報知装置が動作しない)ようにすることが現実的である。
ここで、請求項1においては、具体的に、請求項2のように構成すると良い。
請求項2の車両用報知装置は、請求項1の車両用報知装置において、宣伝・広告情報には、配信元の配信設備の位置を表す情報(以下、設備位置情報と言う)が含まれており、取得手段は、位置検出手段により検出される車両の現在位置の情報と、受信手段が受信した宣伝・広告情報に含まれる設備位置情報とに基づき、車両の現在位置から所定範囲内にある配信設備から配信された宣伝・広告情報を認識して取得するようになっている。
この請求項2の車両用報知装置では、配信設備と車両との相対位置に基づき所望の宣伝・広告情報(つまり、車両の現在位置から所定範囲内にある配信設備から配信された宣伝・広告情報)を容易に取得できるため、請求項1の宣伝・広告効果が向上するという効果をより確実に得ることができる。
そして、請求項2では、請求項3のようにするとより好ましい。
請求項3の車両用報知装置では、請求項2の車両用報知装置において、道路地図データを記憶する地図データ記憶手段と、位置検出手段により検出される車両の現在位置を表す情報及び設備位置情報と、地図データ記憶手段に記憶された道路地図データとを照合する照合手段とを備え、取得手段は、受信手段により受信される宣伝・広告情報のうち、照合手段の照合結果に基づき、車両の現在位置から所定範囲内にある配信設備であって、道路の交差点に設けられた配信設備から配信された宣伝・広告情報を取得するようになっている。
交差点付近には、施設や店舗が連なっていることが多く、そのような交差点付近に設けられた配信設備からは、その施設や店舗についての宣伝・広告情報が配信されることが考えられる。この点、請求項3の車両用報知装置によれば、その交差点付近の施設・店舗の宣伝・広告情報を報知できるようになり、宣伝・広告効果のより一層の向上が期待できる。
そして、請求項1〜3では、請求項4のようにするとより好ましい。
請求項4の車両用報知装置では、請求項1〜3の車両用報知装置において、駐停車検出手段の検出結果に基づき車両の状態を判断し、車両の状態が駐停車状態でない間、受信制御手段に、受信手段が宣伝・広告情報を受信することを禁止させる受信禁止手段を備えている。
通常の無線通信では、通信速度が限られている。特に、DSRCでは、通信速度が1Mbit/S(1メガビット/セカンド)と低速であるため、車両走行中に、受信領域を通過するだけでは、文字情報などの通信データの少ないものに限られる。したがって、車両が停止した状態で交差点付近の配信設備と通信をおこなった場合、停車期間中に動画等の大容量データを受信、表示することができるようになり、宣伝・広告効果のより一層の向上が期待できる。
この点、請求項4の車両用報知装置では、駐停車中にのみ宣伝・広告情報を受信するようになり、大容量の情報を確実に受信できるようになる。
またここで、請求項1〜4の車両用報知装置では、請求項5のように構成することもできる。
請求項5の車両用報知装置は、請求項1〜4の車両用報知装置において、宣伝・広告情報には、配信時刻を表す情報が含まれており、取得手段は、受信手段により受信される宣伝・広告情報のうち、その配信時刻の古さが、現在時刻からみて所定範囲内にある宣伝・広告情報を取得するようになっている。
車両が所定の目的地に向かって走行していることを考慮すると、宣伝・広告情報の配信時刻が古いほど、その宣伝・広告情報が表す施設・店舗等は、車両からみて既に遠い位置にあることが考えられる。
この点、請求項5の車両用報知装置では、既に遠い位置にあるかもしれない施設・店舗等の宣伝・広告情報は報知せず、近くにあると思われる施設・店舗等の宣伝・広告情報を報知できるようになる。このため、宣伝・広告効果を向上させることができるようになる。
次に、請求項6の車両用報知装置は、請求項1〜5の車両用報知装置において、車両の駐停車状態を検出する駐停車検出手段を備え、位置検出手段は、駐停車検出手段の検出結果に基づき車両の状態を判断し、車両の状態が駐停車状態である際のその駐停車位置を、車両の現在位置として検出する。
この請求項6の装置では、駐停車位置から所定範囲内にある配信設備から配信された宣伝・広告情報を取得し得るようになる。例えば、交差点では信号機等により停車する場合が多く、停車した場合にその交差点付近における施設・店舗等の宣伝・広告情報を取得して報知し得るようになる。このため、宣伝・広告効果の向上が期待できる。
このような請求項1〜6の車両用報知装置では、請求項7のように構成すると良い。
請求項7の車両用報知装置は、請求項1〜6の車両用報知装置において、車両の周囲に存在する車両(以下、周囲車両と言う)を検出する周囲車両検出手段と、周囲車両検出手段により検出される周囲車両の駐停車状態を検出する周囲車両駐停車検出手段と、周囲車両駐停車検出手段の検出結果に基づき周囲車両の状態を判断し、周囲車両の状態が走行状態である間、報知制御手段に、報知手段が宣伝・広告情報を報知することを禁止させる周囲走行時報知禁止手段とを備えている。
この請求項7の車両用報知装置では、周囲車両が走行中であれば宣伝・広告情報が報知されないようにし、周囲車両が走行中でなければ(つまり、駐停車中であれば)宣伝・広告情報が報知されるようにすることができる。このため、周囲車両の運転手にとって、運転により集中できるようになり、安全である。
次に、請求項1〜7の車両用報知装置では、具体的に、請求項8のように構成すると良い。
請求項8の車両用報知装置は、請求項1〜7の車両用報知装置において、報知手段は、車両に設けられて情報を表示する表示部と、取得手段により取得された宣伝・広告情報を、報知制御手段の制御の下、表示部に表示させる表示装置とを備えている。
これによれば、車両の周囲の人は、宣伝・広告情報を視覚的に認識できるようになるため、その宣伝・広告情報の内容をより理解し易くなる。このため、宣伝・広告効果が向上する。尚、この場合、宣伝・広告情報は、文字を表す情報であっても良いし、イラストや絵を表す画像(動画を含む)の情報であっても良い。
次に、請求項9の車両用報知装置は、請求項8の車両用報知装置において、表示装置は、情報を表す照射光を表示部に照射して、その表示部にその情報を表示するようになっており、報知手段は、表示装置からの照射光を、その照射光の表す宣伝・広告情報が表示部に表示されるようにその表示部に向けて反射する反射境を備えている。
このような請求項9の車両用報知装置によれば、例えば表示装置の設置スペースが限られており、表示装置から表示部に直接宣伝・広告情報を照射することが難しい場合でも、反射境を介して宣伝・広告情報を表示できるようになる。つまり、表示装置の設置の自由度が向上する。このため、車両における貴重なスペースをより有効に活用することができるようになる。
次に、請求項10の車両用報知装置は、請求項8,9の車両用報知装置において、表示部は、車両のリアガラスに設けられていることを特徴としている。
具体的に、表示部をリアガラスと一体的に設けることが考えられる。
このような請求項10の車両用報知装置によれば、特に、車両後方の他の車両の運転手(及び同乗者)に対して、効果的に宣伝・広告することができるようになる。車両後方の他の車両の運転手等にとっては、宣伝・広告情報を見つつ、前方の車両の位置や状況を確認できるようになり、安全である。
次に、請求項11の車両用報知装置では、請求項8〜10の車両用報知装置において、表示装置は、車両の天井部のうち、その車両後方部に設けられている。
これによれば、表示装置はリアガラスに近い場所に設置されることとなるため、そのリアガラスに宣伝・広告情報を表示し易くなる。
そして、表示装置は、車両の内と外の何れに設けられても良いことは勿論であるが、請求項12の車両用報知装置では特に、表示装置は、車両の内部に設けられることを特徴としている。
これによれば、表示装置を車両外部に設ける場合と比較して設置が容易となるため好ましい。また、盗難防止につながる。
次に、請求項13の車両用報知装置は、請求項8〜12の車両用報知装置において、表示部は、電圧が印加されないと曇った状態であり、電圧を印加する印加手段により電圧を印加されると、曇った状態から透明な状態に切り替わる調光ガラスからなり、報知手段は、表示装置により宣伝・広告情報を表示部に表示する際に、報知制御手段の制御の下、印加手段が表示部に電圧を印加することを禁止するようになっている。
このような車両用報知装置によれば、簡単に、表示部をスクリーンとして利用したり、表示部を透明にして運転手の視認性を向上させたりすることができるようになる。このため、宣伝・広告効果を向上させることができ、安全性にも配慮された車両用報知装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、道路の交差点付近の様子を表す図であり、車両100,200が、信号待ちをしている状態を表す。
交差点付近には、その交差点周辺の施設・店舗情報、道路交通情報、など、様々な情報を無線で車両に配信するための路側機300が設けられている。この路側機300は、DSRC(Dedicated Short Range Communications)システムを構成するものであり、交差点付近に限らず、道路に沿って適宜設けられ、車両に各種情報を配信する。
また、図1において、情報センター400は、路側機300と同様に、各種情報を車両に無線で配信するものである。特に、情報センター400は、より広いエリアについての施設・店舗情報や、道路交通情報などを配信する。施設・店舗情報としては、具体的に、その施設・店舗の場所の情報、施設で行われるイベント情報、店舗で扱う商品情報、といったような宣伝・広告を目的とした情報(以下、宣伝・広告情報と記載する)がある。
次に、図2に示すが、車両100は、本発明が適用された広告表示装置10を搭載している。この広告表示装置10は、車両100のリアガラスに宣伝・広告情報を表示して、その車両100の後方の車両(車両200)の運転手(及び同乗者)に宣伝・広告するためのものである。
広告表示装置10について、図3〜図8を用いて説明する。
図3は、広告表示装置10の概略構成を示す図である。
広告表示装置10は、図3に示すように、投影制御装置20と、通信装置30と、投影装置40と、を備えている。このような広告表示装置10は、車両100の後部座席110の後方に格納されている。尚、図3において、図面右側が車両後方であり、図面左側が車両前方である。
通信装置30は、前述の路側機300或いは情報センター400から配信される宣伝・広告情報を受信するためのものである。
投影装置40は、調光ガラス50に宣伝・広告情報を投影する装置である。投影装置40は、その設置場所に応じて、投影画像の大きさを変更したり、画像を反転したりできる機能を備えている。ここで、調光ガラス50は、電圧を加えると透明な状態になり、電圧を加えないと曇った状態になるように構成されたものでる。この調光ガラス50は、車両100のリアガラス102と一体的に設けられている。
投影制御装置20は、調光ガラス50への電圧の印加を制御したり、投影装置40を制御したりする。
そして、通信装置30により受信された宣伝・広告情報は、投影制御装置20が制御する投影装置40により調光ガラス50に投影される。これにより、主に車両100の後方の車両200(図1,2参照)の運転手(及び同乗者)に対し、宣伝・広告する。
広告表示装置10について、図4を用いてさらに詳しく説明する。
図4は、広告表示装置10の構成をより詳細に示すブロック図である。尚、図4に示すように、広告表示装置10は、前述の投影制御装置20、通信装置30及び投影装置40に加え、車両状態検出装置60を備えている。
まず、通信装置30は、DSRC送受信機31と、携帯電話送受信機32とを備えている。DSRC送受信機31は、DSRCシステムを構成する路側機300(図1参照)と通信を行うためのものである。携帯電話送受信機32は、情報センター400と通信を行うためのものである。
投影制御装置20は、所定のプログラムに従い動作するCPU5と、CPU5が実行するプログラムを格納するROM6と、CPU5による演算結果等が記憶されるRAM7と、道路地図データを記憶するハードディスク(HDD)8と、CPU5の指令に従い動作して通信装置30を制御する通信制御部2と、同じくCPU5の指令に従い動作して調光ガラス50への印加電圧を制御する電圧制御部4と、車両状態検出装置60とデータ通信可能に接続するための入出力インタフェース(I/F)3とを備えている。
この投影制御装置20は、通信装置30及び通信制御部2を介して受信できた宣伝・広告情報を投影装置40に転送するとともに、その投影装置40の動作を制御して、その宣伝・広告情報が調光ガラス50に投影されるようにする。
車両状態検出装置60は、GPS(Global Positioning System)装置61と、車両100の速度を検出するための車速センサ62と、車両100の進行方向を検出するための方位センサ63とを備えている。GPS装置61は、周知の通り、天空上を航行する衛星からの電波を受信して、自身の位置(車両100の位置)を検出する装置である。
次に、図5は、広告表示装置10のCPU5が実行する通信制御処理を表すフローチャートである。
この処理は定期的に実行され、まずS110で、通信装置30の状態を確認する。具体的に、通信装置30の状態が正常か否か、及び路側機300,情報センター400と通信可能か否かを確認する。
次に、S120に進み、路側機300と通信可能か否かを判定する。ここでは、例えば、S110の確認結果に基づき、通信装置30(DSRC送受信機31)の状態が正常でなければ(異常であれば)、通信不可と判定する。また、通信装置30(DSRC送受信機31)の状態が正常であり、路側機300からの所定の電波を検出できれば、通信可能と判定する。
S120で路側機300と通信可能であると判定すると(S120:YES)、S130に移行し、路側機300から受信した宣伝・広告情報(以下、路側機データと記載する)を、RAM7に書き込む。そしてその後、当該処理を終了する。
一方、S120で路側機300と通信可能でないと判定すると(S120:NO)、S140に移行し、情報センター400と通信可能か否かを判定する。ここでは、例えば、S110の確認結果に基づき、通信装置30(携帯電話送受信機32)の状態が正常でなければ(異常であれば)、通信不可と判定する。また、通信装置30(携帯電話送受信機32)の状態が正常であり、情報センター400からの所定の電波を検出できれば、通信可能と判定する。
情報センター400と通信可能でないと判定すると(S140:NO)、そのまま当該処理を終了し、一方、情報センター400と通信可能と判定すると(S140:YES)、S150に移行する。
S150では、情報センター400から受信した宣伝・広告情報(以下、広域データと記載する)を、RAM7に書き込む。そしてその後、当該処理を終了する。
次に、図6は、広告表示装置10のCPU10が実行するメイン処理を表すフローチャートである。このメイン処理は、所定のタイミングで実行される。
この処理では、まずS210で、車両状態検出装置60からデータを読み込んで、そのデータに基づき車両100の現在の状態を取得する。
次に、S220に進み、S210で取得した情報に基づき車両100が停車中か否かを判定する。具体的に、車速センサ62のデータに基づき車速が0であれば停車中と判定でき、逆に車速が0でなければ停車中でないと判定できる。停車中でないと判定すると(S220:NO)、S230に移行する。
S230では、電圧制御部4を制御して調光ガラス50に電圧を印加し、調光ガラス50の状態を透明な状態にする。そしてその後、S210に戻る。
一方、S220で停車中であると判定すると(S220:YES)、S240に移行し、調光ガラス50への電圧を遮断(オフ)し、調光ガラス50の状態を曇った状態にする。
そして次に、S250に進み、投影制御処理を実行する。尚、投影制御処理については、図7に示している。そしてその後、S210に戻る。
次に、投影制御処理について、図7を用いて説明する。
この処理では、まず、S310で、RAM7に記憶されている蓄積データを参照する。RAM7には、前述のS130で路側機データが蓄積され、S150で広域データが蓄積される。
ここで、図8は、RAM7における記憶構成を表す図面である。
RAM7には、宣伝・広告情報の所定の単位毎に、固有の識別符号である蓄積データIDと、路側機データ・広域データ・標準データの別を表すデータ種別と、データの内容(例えば文字データ、動画データの別)と、データのステータス(未受信、受信中、受信済の別)と、データが格納されているアドレスを表すデータアドレスと、データの配信時刻(具体的に、送信された時刻)を表す時間情報と、配信元の位置を表す位置情報と、を有したテーブル情報が記憶されている。尚、位置情報は、経度・緯度で表される。また、時間情報及び位置情報は、路側機300や情報センター400から配信される宣伝・広告情報に含まれている。
図7に戻り、S310の後は、S320に進み、RAM7の蓄積データの参照結果に基づき、路側機データを受信済みか否かを判定し、受信済みであると判定すると(S320:YES)、S330に移行する。
S330では、その受信済みの路側機データを、調光ガラス50に投影する。具体的に、投影装置40の動作を制御して、その投影装置40により路側機データを表す照射光を調光ガラス50に照射する。尚、前述のS240の処理で調光ガラス50の状態は曇った状態であるため、調光ガラス50に情報を投影することができるようになっている。調光ガラス50は、その調光ガラス50に投影された情報が車両100の外側から視認できるように、その曇り具合が調整されている。S330の後は、そのまま当該処理を終了する。
ところで、S330では、受信済みの路側機データのうち、車両100から所定範囲内にある路側機300から受信できた路側機データを投影する。具体的に、GPS装置61により検出される車両100の現在位置と、図8のテーブル情報に含まれる位置情報とに基づき、車両100から所定範囲内にある路側機300から受信できた路側機データを認識して投影する。例えば、図1の例で言えば、車両100から近い位置にある(交差点付近にある)路側機300から配信された路側機データを投影する。
一方、S320で路側機データを受信済みでないと判定すると(S320:NO)、S340に移行し、情報センター400からの広域データを受信済みであるか否かを判定する。
広域データを受信済みであると判定すると(S340:YES)、S350に移行し、その受信済みの広域データを調光ガラス50に投影する。そしてその後、当該処理を終了する。
一方、S340で広域データを受信済みでないと判定すると(S340:NO)、S360に移行し、標準データを調光ガラス50に投影する。ここで、標準データとは、デフォルトでROM6に予め記憶されている宣伝・広告情報である。S360の後は、当該処理を終了する。
次に、図9は、本実施形態の作用を表す図面である。
本実施形態の広告表示装置10によれば、図9に示すように、車両100のリアガラス102に設けられた調光ガラス50に、宣伝・広告情報が表示される。例えば、図9に示すように、店舗の位置を表す情報が表示される。これによれば、車両100の後方の車両200の運転手(及び同乗者)への宣伝・広告を実現できる。また、宣伝・広告情報としては、他には、イベントの情報、商品の情報、などがある。
以上説明したように、本実施形態の広告表示装置10は、その広告表示装置10が搭載された車両から所定範囲内の近い位置にある路側機300から受信できた宣伝・広告情報を、車両100のリアガラス102に設けられた調光ガラス50に表示する。このため、車両100の後方の車両200の運転手(及び同乗者)に対し、現在位置から近い施設・店舗等についての宣伝・広告を実現することができ、宣伝・広告効果が向上する。また、路側機300から配信される宣伝・広告情報の他、情報センター400から配信されるより広域をカバーした宣伝・広告情報も表示し得るため、宣伝・広告効果のより一層の向上を期待できる。
また、上記実施形態では、車両100の停車中に宣伝・広告情報を表示するため、より安全である。
尚、上記実施形態において、通信装置30が受信手段に相当し、通信制御部2が受信制御手段に相当し、車両状態検出装置60の特にGPS装置61が位置検出手段に相当し、S330の処理が取得手段、及び報知手段に相当し、また、投影装置40が報知手段に相当すると共に、特に表示装置に相当し、HDD8が地図データ記憶手段に相当し、CPU5が照合手段に相当し、車速センサ62が駐停車検出手段に相当し、S220及びS230(S220:NO→S230)の処理が禁止手段に相当し、CPU5及び電圧制御部4が印加手段に相当し、投影制御装置20が報知制御手段に相当し、調光ガラス50が表示部に相当し、テーブル情報に含まれる位置情報が設備位置情報に相当し、テーブル情報に含まれる時間情報が配信時刻を表す情報に相当している5。
ここで、上記実施形態では、以下に説明する変形例のように変形することができる。
〈変形例1〉
まず、変形例1について、図10を用いて説明する。
変形例1では、第1実施形態と比較して、投影装置40の設置の仕方が異なっている。具体的に、図10に示すように、投影装置40は、車両100の内部(車室内)の天井部のうち、後部座席110側に設けられている。そして、投影装置40からの照射光が、後部座席110の後方側に向かうようになっている。
さらに、この変形例1では、後部座席110の後方側に、投影装置40からの照射光をリアガラス102に設けられた調光ガラス50に向けて反射するための反射境70を備えている。つまり、投影装置40からの照射光を、反射鏡70を介してリアガラス102に設けられた調光ガラス50に照射するようにしている。
このような変形例1によれば、後部座席110の裏側に投影装置40を設置するスペースを確保できない場合にも対応できる。つまり、後部座席110の天井部に存在するデッドスペースを有効に活用することができるようになる。
〈変形例2〉
次に、変形例2について、図11を用いて説明する。
変形例2では、第1実施形態と比較して、投影装置40の設置の仕方が異なっている。具体的に、図11に示すように、投影装置40は、車両100の外部の天井部のうち、車両後方側(リアガラス102と接続する部分のさらに後方側)に、その天井部に組み込まれるように設けられている。そして、投影装置40からの照射光が、リアガラス102の外側面に照射されるようになっている。
このような変形例2によれば、リアガラス102に直接宣伝・広告情報が写し出されるようになり、調光ガラス50に宣伝・広告情報を投影する場合と比較して、構成を簡単にできる。また、車両100内部のスペースの消費を抑えることができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態では、宣伝・広告情報を表示するようにしているが、宣伝・広告情報を報知する方法としては、どのような方法を用いてもよい。例えば、音声で周囲に報知するようにしても良い。
また、上記実施形態において、図8のテーブル情報における時間情報は、宣伝・広告情報が送信された時刻を表すが、宣伝・広告情報が受信された時刻を表すものであっても良い。この場合、広告表示装置10側で、宣伝・広告情報を受信した時刻を表す時間情報を図8のテーブル情報に付加すれば良い。
また、上記実施形態のS330において、車両100から所定範囲内にある路側機300から受信できたデータか否かを、図8のテーブル情報に含まれる時間情報と現在時刻とに基づき判定するようにしてもよい。具体的に、時間情報が表す配信時刻(送信時刻)の古さが、現在時刻からみて所定範囲内にあるか否かを判定するようにすれば良い。
また、上記実施形態のS330において、車両状態検出装置60の方位センサ63から取得できる車両の進行方向とテーブル情報に含まれる位置情報とに基づき、車両が進行している方向にある路側機300から受信した路側機データを投影するようにしても良い。
また、上記実施形態において、GPS装置61により検出される車両100の現在位置とHDD8に記憶される道路地図データとに基づき、交差点付近に設置された路側機300から配信される宣伝・広告情報を調光ガラス50に投影(表示)するようにしても良い。交差点付近には、施設・店舗等が連なる場合が多く、そのような交差点付近に設置された路側機300からは、その施設・店舗等についての宣伝・広告情報が配信されることが考えられる。このため、より多くの施設・店舗についての宣伝・広告をすることができ、宣伝・広告の効果が向上する。
また、上記実施形態において、駐停車時に、路側機から宣伝・広告情報を受信するように構成しても良い。逆に言えば、駐停車時でなければ、路側機から宣伝・広告情報を受信しないようにしても良い(受信禁止手段に相当)。駐停車時に、路側機と通信することで、長期間データの送信が可能であるので、動画データなど大容量のデータを送信可能である。よって、宣伝・広告の効果が向上する。
また、上記実施形態において、周囲車両(例えば車両200)の駐停車状態を検出し、周囲車両が駐停車状態のときに、宣伝・広告情報が表示されるようにしても良い。言い換えれば、周囲車両が走行状態のときは、宣伝・広告情報が表示されないようにしても良い。この場合、周囲車両を検出する検出センサ(周囲車両検出手段に相当)、及びその周囲車両の速度を検出する速度センサ(周囲車両駐停車検出手段に相当)を設ければ良い。そして、CPU5は、周囲車両が走行中であれば、宣伝・広告情報の表示(報知)しないようにすればよい(周囲走行時報知禁止手段に相当)。
また、上記実施形態において、図8のテーブル情報における位置情報が表す位置と、車両100の現在位置とを比較して、両者の位置が所定範囲よりもずれている場合、その位置情報を有する路側機データ(或いは広域データ)をテーブル情報から削除するようにしても良い。
また、上記実施形態では、路側機データが最も優先的に表示され、次いで、広域データ、標準データの順となるが、その優先度は、ユーザが自由に変更できるようにしても良い。また、標準データは、ユーザが自由に設定できるようにしても良い。例えば、自ら標準データを作成しても良いし、複数のデータから、所望のデータを標準データとして選択しても良い。
また、上記実施形態において、液晶ディスプレイ等に宣伝・広告情報が表示されるようにしても良い。
道路の交差点付近を表す図である。 車両100,200を表す図である。 広告表示装置10の概略を表す図である。 広告表示装置10の構成を示すブロック図である。 広告表示装置10において実行される通信制御処理を表すフローチャートである。 広告表示装置10において実行されるメイン処理を表すフローチャートである。 広告表示装置10において実行される投影制御処理を表すフローチャートである。 広告表示装置10が備えるRAM7における記憶構成を表す図である。 本実施形態の作用を表す図である。 変形例1を表す図である。 変形例2を表す図である。
符号の説明
2…通信制御部、3…入出力I/F、4…電圧制御部、5…CPU、6…ROM、7…RAM、8…HDD、10…広告表示装置、20…投影制御装置、30…通信装置、31…DSRC送受信機、32…携帯電話送受信機、40…投影装置、50…調光ガラス、60…車両状態検出装置、61…GPS装置、62…車速センサ、63…方位センサ、70…反射鏡、100,200…車両、300…路側機、400…情報センター。

Claims (13)

  1. 車両に搭載され、宣伝・広告情報を前記車両の周囲に報知する車両用報知装置であって、
    前記宣伝・広告情報は前記車両の外に設けられる配信設備から配信されるようになっており、
    情報を受信する受信手段と、
    前記配信設備から配信される前記宣伝・広告情報を、前記受信手段に受信させる受信制御手段と、
    前記車両の現在位置を検出する位置検出手段と、
    前記受信手段により受信される前記宣伝・広告情報のうち、前記位置検出手段により検出される前記車両の現在位置から、所定範囲内にある前記配信設備から配信された前記宣伝・広告情報を取得する取得手段と、
    前記車両の駐停車状態を検出する駐停車検出手段と、
    情報を報知する報知手段と、
    前記報知手段に、前記取得手段により取得された前記宣伝・広告情報を前記車両の周囲に報知させる報知制御手段と、
    前記駐停車検出手段の検出結果に基づき前記車両の状態を判断し、前記車両の状態が駐停車状態でない間、前記報知制御手段に、前記報知手段が前記宣伝・広告情報を報知することを禁止させる禁止手段と、
    を備えていることを特徴とする車両用報知装置。
  2. 請求項1に記載の車両用報知装置において、
    前記宣伝・広告情報には、配信元の前記配信設備の位置を表す情報(以下、設備位置情報と言う)が含まれており、
    前記取得手段は、前記位置検出手段により検出される前記車両の現在位置の情報と、前記受信手段が受信した前記宣伝・広告情報に含まれる前記設備位置情報とに基づき、前記車両の現在位置から所定範囲内にある前記配信設備から配信された前記宣伝・広告情報を認識して取得するようになっていることを特徴とする車両用報知装置。
  3. 請求項2に記載の車両用報知装置において、
    道路地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
    前記位置検出手段により検出される前記車両の現在位置を表す情報及び前記設備位置情報と、前記地図データ記憶手段に記憶された道路地図データとを照合する照合手段とを備え、
    前記取得手段は、前記受信手段により受信される前記宣伝・広告情報のうち、前記照合手段の照合結果に基づき、前記車両の現在位置から所定範囲内にある前記配信設備であって、道路の交差点に設けられた配信設備から配信された前記宣伝・広告情報を取得するようになっていることを特徴とする車両用報知装置。
  4. 請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記駐停車検出手段の検出結果に基づき前記車両の状態を判断し、前記車両の状態が駐停車状態でない間、前記受信制御手段に、前記受信手段が前記宣伝・広告情報を受信することを禁止させる受信禁止手段を備えていることを特徴とする車両用報知装置。
  5. 請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記宣伝・広告情報には、配信時刻を表す情報が含まれており、
    前記取得手段は、前記受信手段により受信される前記宣伝・広告情報のうち、その配信時刻の古さが、現在時刻からみて所定範囲内にある宣伝・広告情報を取得するようになっていることを特徴とする車両用報知装置。
  6. 請求項1ないし請求項5の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記位置検出手段は、前記駐停車検出手段の検出結果に基づき前記車両の状態を判断し、前記車両の状態が駐停車状態である際のその駐停車位置を、前記車両の現在位置として検出することを特徴とする車両用報知装置。
  7. 請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記車両の周囲に存在する車両(以下、周囲車両と言う)を検出する周囲車両検出手段と、
    前記周囲車両検出手段により検出される前記周囲車両の駐停車状態を検出する周囲車両駐停車検出手段と、
    前記周囲車両駐停車検出手段の検出結果に基づき前記周囲車両の状態を判断し、前記周囲車両の状態が走行状態である間、前記報知制御手段に、前記報知手段が前記宣伝・広告情報を報知することを禁止させる周囲走行時報知禁止手段と、
    を備えていることを車両用報知装置。
  8. 請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記報知手段は、
    前記車両に設けられて情報を表示する表示部と、
    前記取得手段により取得された前記宣伝・広告情報を、前記報知制御手段の制御の下、前記表示部に表示させる表示装置とを備えていること
    を特徴とする車両用報知装置。
  9. 請求項8に記載の車両用報知装置において、
    前記表示装置は、情報を表す照射光を前記表示部に照射して、その表示部にその情報を表示するようになっており、
    前記報知手段は、前記表示装置からの照射光を、その照射光の表す宣伝・広告情報が前記表示部に表示されるようにその表示部に向けて反射する反射境を備えていることを特徴とする車両用報知装置。
  10. 請求項8又は請求項9に記載の車両用報知装置において、
    前記表示部は、前記車両のリアガラスに設けられていることを特徴とする車両用報知装置。
  11. 請求項8ないし請求項10の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記表示装置は、前記車両の天井部のうち、その車両後方部に設けられることを特徴とする車両用報知装置。
  12. 請求項8ないし請求項11の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記表示装置は、前記車両の内部に設けられることを特徴とする車両用報知装置。
  13. 請求項8ないし請求項12の何れか1項に記載の車両用報知装置において、
    前記表示部は、電圧が印加されないと曇った状態であり、電圧を印加する印加手段により電圧を印加されると、曇った状態から透明な状態に切り替わる調光ガラスからなり、
    前記報知手段は、前記表示装置により前記宣伝・広告情報を前記表示部に表示する際に、前記報知制御手段の制御の下、前記印加手段が前記表示部に電圧を印加することを禁止するようになっていることを特徴とする車両用報知装置。
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