JP2009057863A - 尿素水供給管 - Google Patents

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浩 漆原
Hiroyuki Sugihara
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Abstract

【課題】管本体内で凍結した尿素水を冷却水管側のエンジン冷却水により効率良く加熱して短時間のうちに解凍することが可能で且つ耐候性に優れて長期間に亘る連続使用に耐えることが可能な尿素水供給管を提供する。
【解決手段】選択還元型触媒に尿素水6を還元剤として導く管本体7に、エンジンを経て昇温したエンジン冷却水11を導く冷却水管10を沿わせて構成した尿素水供給管14に関し、管本体7と冷却水管10とを耐食性金属管により半月状断面を成すように形成し且つ夫々の平坦面を成す背面7a,10a同士を背中合わせで緊密に接合する。
【選択図】図2

Description

本発明は、NOxを還元浄化するための選択還元型触媒に対し還元剤として尿素水を導く尿素水供給管に関するものである。
従来より、ディーゼルエンジンにおいては、排気ガスが流通する排気管の途中に、酸素共存下でも選択的にNOxを還元剤と反応させる性質を備えた選択還元型触媒(選択還元型触媒)を装備し、該選択還元型触媒の上流側に必要量の還元剤を添加して該還元剤を選択還元型触媒上で排気ガス中のNOx(窒素酸化物)と還元反応させ、これによりNOxの排出濃度を低減し得るようにしたものがある。
他方、プラント等における工業的な排煙脱硝処理の分野では、還元剤にアンモニア(NH3)を用いてNOxを還元浄化する手法の有効性が既に広く知られているところであるが、自動車の場合には、アンモニアそのものを搭載して走行することに関し安全確保が困難であるため、近年においては、毒性のない尿素水を還元剤として使用することが研究されている。
即ち、尿素水を選択還元型触媒の上流側で排出ガス中に添加すれば、約170℃以上の温度条件下で前記尿素水がアンモニアと炭酸ガスに分解され、選択還元型触媒上で排出ガス中のNOxがアンモニアにより良好に還元浄化されることになる。
このように尿素水を還元剤として使用する場合、尿素水を車両搭載のタンクから尿素水供給管を介して選択還元型触媒の上流側へ送り出すことになるが、この種の尿素水は約−11℃以下で凍ってしまうため、寒冷地での使用にあたっては、前記尿素水供給管が尿素水の凍結により閉塞しないよう何らかの凍結対策を施す必要がある。
そこで、従来においては、図3に示す如く、選択還元型触媒に尿素水aを還元剤として導く管本体bと、エンジンを経て昇温したエンジン冷却水cを導く冷却水管dとをゴムホースにより構成し、該冷却水管dを前記管本体bに沿わせてテープeにより一本のラインとして束ねるようにしており、冷却水管dを通るエンジン冷却水cの熱で管本体b内で凍結した尿素水aを解凍するようにしていた。
尚、この種の尿素水の凍結対策に関連する先行技術文献情報としては、本発明と同じ出願人による下記の特許文献1や特許文献2等が既に存在している。
特開2005−248823号公報 特開2005−248824号公報
しかしながら、図3の如きゴムホースから成る管本体bと冷却水管dとをテープeにより束ねたものでは、ゴムホースが材質的に伝熱性の高い素材ではないため、冷却水管d側の熱が管本体b側へ伝わり難く、管本体b内で凍結した尿素水aを解凍するのに時間がかかるという問題があり、また、二本のゴムホースをテープで束ねた構成は、耐候性の面からしても好ましいものではなく、短期間のうちに劣化してしまって長期間に亘る連続使用に耐えられないという問題もあった。
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、管本体内で凍結した尿素水を冷却水管側のエンジン冷却水により効率良く加熱して短時間のうちに解凍することが可能で且つ耐候性に優れて長期間に亘る連続使用に耐えることが可能な尿素水供給管を提供することを目的としている。
本発明は、選択還元型触媒に尿素水を還元剤として導く管本体に、エンジンを経て昇温したエンジン冷却水を導く冷却水管を沿わせて構成した尿素水供給管であって、管本体と冷却水管とを耐食性金属管により半月状断面を成すように形成し且つ夫々の平坦面を成す背面同士を背中合わせで緊密に接合したことを特徴とするものである。
而して、このようにすれば、耐食性金属管を素材としたことで従来のゴムホースよりも管本体と冷却水管の伝熱性が格段に高まり、しかも、夫々の平坦面を成す背面同士を背中合わせで緊密に接合したことで相互の熱交換面積も大幅に増加するので、管本体内で凍結した尿素水が、冷却水管側を流れるエンジン冷却水により効率良く加熱されて短時間のうちに解凍されることになる。
また、ゴムホースを素材として採用した場合と比較して、耐食性金属管を素材として採用した場合の方が格段に耐候性に優れたものとなり、管本体と冷却水管が短期間のうちに劣化してしまう心配がなくなる。
更に、本発明をより具体的に実施するに際しては、例えば、管本体と冷却水管の背面同士をロウ付けにより接合することが好ましく、このようにすれば、管本体と冷却水管の隣接部分がロウ付けにより伝熱性の高い接合状態となる。
上記した本発明の尿素水供給管によれば、管本体と冷却水管の伝熱性を従来よりも格段に高め且つ相互の熱交換面積も大幅に増加することができるので、管本体内で凍結した尿素水を冷却水管側のエンジン冷却水により効率良く加熱して短時間のうちに解凍することができ、しかも、管本体及び冷却水管を耐候性に優れたものとして長期間に亘る連続使用を実現することができるという優れた効果を奏し得る。
以下本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明を実施する形態の一例を模式的に示す全体系統図であり、エンジン1からの排気ガス2が流通する排気管3の途中に選択還元型触媒4が装備されており、この選択還元型触媒4は、フロースルー方式のハニカム構造物等として形成され、酸素共存下でも選択的にNOxをアンモニアと反応させ得るような性質を有している。
また、この選択還元型触媒4の入側に装備された尿素水添加用インジェクタ5と、所要場所に設けられて尿素水6を貯蔵しているタンク8との間が管本体7により接続されていて、該管本体7の途中に装備したポンプ9の駆動によりタンク8内の尿素水6が吸い上げられるようになっている。
ここで、前記管本体7には、エンジン1を経て昇温したエンジン冷却水11を遮断弁12を介して導く冷却水管10が沿わされており、図2に拡大して示す如く、管本体7と冷却水管10とがステンレス管等の耐食性金属管により半月状断面を成すように形成され且つ夫々の平坦面を成す背面7a,10a同士が背中合わせでロウ付け13により緊密に接合されて尿素水供給管14が構成されるようになっている。
而して、このように構成すれば、耐食性金属管を素材としたことで従来のゴムホースよりも管本体7と冷却水管10の伝熱性が格段に高まり、しかも、夫々の平坦面を成す背面7a,10a同士を背中合わせで緊密に接合したことで相互の熱交換面積も大幅に増加し、更には、管本体7と冷却水管10の背面7a,10a同士をロウ付け13により接合したことで管本体7と冷却水管10の隣接部分が伝熱性の高い接合状態となるので、管本体7内で凍結した尿素水が、冷却水管10側を流れるエンジン冷却水11により効率良く加熱されて短時間のうちに解凍されることになる。
また、管本体7及び冷却水管10の素材としてゴムホースを採用した場合と比較して、耐食性金属管を素材として採用した場合の方が格段に耐候性に優れたものとなり、管本体7と冷却水管10が短期間のうちに劣化してしまう心配がなくなる。
従って、上記形態例によれば、管本体7と冷却水管10の伝熱性を従来よりも格段に高め且つ相互の熱交換面積も大幅に増加することができるので、管本体7内で凍結した尿素水を冷却水管10側のエンジン冷却水11により効率良く加熱して短時間のうちに解凍することができ、しかも、管本体7及び冷却水管10を耐候性に優れたものとして長期間に亘る連続使用を実現することができる。
尚、本発明の尿素水供給管は、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明を実施する形態の一例を模式的に示す全体系統図である。 図1の尿素水供給管の詳細を示す一部を破断した斜視図である。 従来例を示す一部を破断した斜視図である。
符号の説明
1 エンジン
3 排気管
4 選択還元型触媒
6 尿素水
7 管本体
7a 背面
10 冷却水管
10a 背面
11 エンジン冷却水
13 ロウ付け
14 尿素水供給管

Claims (2)

  1. 選択還元型触媒に尿素水を還元剤として導く管本体に、エンジンを経て昇温したエンジン冷却水を導く冷却水管を沿わせて構成した尿素水供給管であって、管本体と冷却水管とを耐食性金属管により半月状断面を成すように形成し且つ夫々の平坦面を成す背面同士を背中合わせで緊密に接合したことを特徴とする尿素水供給管。
  2. 管本体と冷却水管の背面同士をロウ付けにより接合したことを特徴とする請求項1に記載の尿素水供給管。
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