JP2009056515A - 義手用アクチュエータユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】ねじれ紐式アクチュエータを複数組備えた義手用アクチュエータユニットにおいて、駆動機構部を含む複数のねじれ紐アクチュエータを空間的に効率よく配置することができる構造を提供する。
【解決手段】ねじり紐アクチュエータは、2本の紐を互いにねじり合わせた構造のねじれ紐1と、ねじれ紐1の基端側に接続された駆動機構部20と、ねじれ紐の先端側に接続されたスライド部材32とを備え、駆動機構部の作動に伴いねじれ紐1を構成する2本の紐のねじれが強められたり緩められたりすることによりねじれ紐1の長さが変化し、その結果、スライド部材32がねじれ紐1の長手方向に変位する。複数組の長尺状のねじり紐アクチュエータが、略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が略円筒形状の軸方向に沿うように配置されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、モータ駆動義手、ロボットハンド等に応用可能な義手用アクチュエータユニットに関し、詳しくは、2本の紐を互いにねじり合わせた構造のねじれ紐とモータを含む複数組のねじれ紐式アクチュエータからなる義手用アクチュエータユニットに関する。
従来、ワイヤとモータを用いたアクチュエータ(以下、ワイヤ式アクチュエータという)として、例えば特許文献1又は2に記載されているようなものが知られている。図12に、ワイヤ又は紐(以下、単に紐という)とモータを用いた指関節用のワイヤ式アクチュエータの従来技術の基本的な構造を示す。
図12に示すワイヤ式アクチュエータでは、モータ101の回転軸101aに減速機を介してプーリーのような回転体102が接続されている。あるいは、減速機内蔵型モータ101の回転軸101aに回転体102が直接接続されている。回転体102の径方向に対向する2箇所に紐103、104が1本ずつ接続され、それぞれの紐103、104の他端は指関節105に接続されている。
モータ101の回転軸101aが回転すると、回転体102がゆっくり回転し、2本の紐103、104が互いに逆方向に駆動される。つまり、一方は引っ張られ、他方は緩められる。その結果、指関節105は軸心AXを中心として回転駆動される。
多くの関節を有するモータ駆動義手やロボットハンド等に上記のようなワイヤ式アクチュエータを使用する場合は各関節に1つのモータが必要であり、装置全体の重量を抑えるためには小型モータ又は超小型モータを使用する必要がある。他方、モータ駆動義手やロボットハンド等に要求される一定以上の把持力を確保するためには、モータ及び減速機を含む駆動系に最低限必要な出力トルクが要求される。
小さなモータであっても減速機を使用することによって大きなトルクを得ることが可能となるが、減速機それ自体が装置の重量を増加させるので、例えば義手(ハンド)の先端部分が重くなってしまう問題が生ずる。さらに、減速機を組み込むスペースが必要であるので、小形軽量のモータ駆動義手やロボットハンドを実現することが困難になる。
また、複数段の減速ギアが組み込まれたギア式の減速機を用いる場合は、その重量及びスペースの問題に加えて、ギアが回転する際にギア同士の噛合部で発生する騒音の問題もある。
このような問題を解決し得るワイヤ式アクチュエータとして、本出願人は先に、ねじれ紐式アクチュエータに関する発明の特許出願を行った。このねじれ紐式アクチュエータでは、2本の紐を互いにねじり合わせた構造のねじれ紐の基端側がモータを含む駆動機構部に接続され、ねじれ紐の先端側がスライド部材を介して駆動対象物に接続されている。駆動機構部の作動に伴って、ねじれ紐を構成する2本の紐のねじれが強められ、又は緩められることにより、ねじれ紐の長さが伸縮するので、その結果、駆動対象物が駆動される。
特開平06−008178号公報 特開平07−096485号公報
上記のようなねじれ紐式アクチュエータを複数組用いてモータ駆動義手やロボットハンド等を構成する場合に、各指に少なくとも1個の関節が必要であり、きめ細かい動作を可能にするためには各指に2個の関節が必要である。例えば、親指に3個の関節、他の4本の指に2個の関節、手首に2個の関節を設ける場合は、合計13個の関節が必要となる。したがって、13組のねじれ紐式アクチュエータが必要になる。
1組のねじれ紐式アクチュエータは1個の駆動機構部と、その2本の出力軸にそれぞれ接続された2本のねじり紐と、その先端側に接続された2個のスライド部材を有する。これらの構成部材のうち、駆動機構部が最も大きなスペースを占める。例えば13組のねじれ紐式アクチュエータを使用する場合に、13のモータを含む駆動機構部を空間的に効率よく配置する必要がある。特に、義手(又は人の)の腕部にアクチュエータを取り付ける場合は、取付対象の形状が自由曲面となる。腕の太さや形状等は人によって異なるので、取付方法や寸法にある程度の自由度を持たせることができる構造が必要となる。
本発明は、上記のような従来の課題に鑑み、ねじれ紐式アクチュエータを複数組備えた義手用アクチュエータユニットにおいて、駆動機構部を含む複数のねじれ紐アクチュエータを空間的に効率よく配置することができる構造を提供することを目的とする。また、取付方法や寸法にある程度の自由度を持たせることができる構造を提供することも本発明の目的である。
本発明による義手用アクチュエータユニットは、ねじり紐アクチュエータを複数組用いた義手用アクチュエータユニットであって、前記ねじり紐アクチュエータは、2本の紐を互いにねじり合わせた構造のねじれ紐と、当該ねじれ紐の基端側に接続された駆動機構部と、前記ねじれ紐の先端側に接続されたスライド部材とを備え、前記駆動機構部の作動に伴い前記ねじれ紐を構成する2本の紐のねじれが強められたり緩められたりすることにより前記ねじれ紐の長さが変化し、その結果、前記スライド部材が前記ねじれ紐の長手方向に変位するように構成され、前記駆動機構部、前記ねじり紐及び前記スライド部材を含む長尺状のねじり紐アクチュエータが複数組、略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が前記略円筒形状の軸方向に沿うように配置されていることを特徴とする(請求項1、2)。
このような構成によれば、駆動機構部の回転運動がねじり紐の長手方向に沿うスライド部材の変位に変換されるので、各ねじり紐アクチュエータは減速機構を含む動力伝達手段として機能する。これにより、多段ギア等を用いた減速機で発生するような騒音の発生が無く、静音アクチュエータを実現することができる。また、ねじり紐は、両端に生ずる張力に応じて同じねじれ量でも長さが多少の範囲内で変動可能であることから、いわゆるコンプライアンス機能を有するアクチュエータを容易に実現できる。しかも、複数組(例えば13組)のねじり紐アクチュエータを略円筒形状の周方向に沿って並ぶように配置するので、例えば義手の腕の周囲に効率良くアクチュエータを配置して、スペースを有効に使用することができる。
複数のねじり紐アクチュエータを円筒形状の全周ではなく、その一部(例えば半周)に沿って、つまり半円筒形状に配置してもよい。また、1列配置に限らず、例えば2列に配置してもよい。
より具体的な形態として、円環形状又はその周方向一部である形状を有する一対の枠部材と、所定の間隔で対向するように配置された前記一対の枠部材を連結する複数本の連結部材とを備え、前記一対の枠部材のうちの第1枠部材の周方向に沿って前記駆動機構部が複数個配置され、前記一対の枠部材のうちの第2枠部材の周方向に沿って前記スライド部材が複数個配置され、複数の前記駆動機構部と複数の前記スライド部材との間に複数の前記ねじり紐がそれぞれ掛け渡されている構造が好ましい(請求項3)。
このような構成によれば、円環形状又はその周方向一部である形状(例えば半円環形状)を有する一対の枠部材と連結部材とで構成される枠構造体を用いて、上記のようなねじり紐アクチュエータを複数組用いた義手用アクチュエータユニットを容易に構成することができる。一対の枠部材の中央孔又は凹部の空間に、義手の腕部やロボットハンドの腕部を配置する合理的な構造が可能になる。
また、本発明の好ましい実施形態では、1つの駆動機構部と、当該駆動機構部の2本の出力軸にそれぞれ基端側が接続された2本の前記ねじり紐と、当該2本のねじり紐の先端側に接続された2個のスライド部材を含むねじり紐アクチュエータが2個1組として、かつ、互いに長手方向にずれた状態で長手板状の固定台に配置されたねじり紐アクチュエータ組を使用し、前記固定台を径方向内側として略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が前記略円筒形状の軸方向に沿うように前記複数のねじり紐アクチュエータ組を配置する(請求項4)。
このような構成によれば、2個のねじり紐アクチュエータを互いに長手方向にずらせて長手板状の固定台に配置するので、ねじり紐アクチュエータ組の幅方向寸法を小さくして省スペース化を図ることが可能になる。つまり、駆動機構部、ねじり紐及びスライド部材が長手方向につながっているねじり紐アクチュエータにおいて、駆動機構部の幅が最も大きいので、2個のねじり紐アクチュエータを互いに長手方向にずらせて配置すれば、幅の広い駆動機構部が幅方向に並ばないように(ずれるように)配置することができる。その結果、ねじり紐アクチュエータ組の全体の幅を小さくすることができる。したがって、駆動機構部の幅を小さくすることが困難であっても、より多くのねじり紐アクチュエータを略円筒形状の周方向に沿って並べることが可能になる。
なお、義手用アクチュエータユニットとして必要なねじり紐アクチュエータの数が奇数の場合は、複数の固定台のうちの1つに、ねじり紐アクチュエータを1個だけ装着すればよい。例えば13個のねじり紐アクチュエータが必要な場合は、2個1組のねじり紐アクチュエータが装着された固定台6枚と、1個のみのねじり紐アクチュエータが装着された固定台1枚、計7枚の固定台を使用すればよい。
本発明の更に好ましい実施形態では、複数の前記ねじり紐アクチュエータ組の固定台が、幅方向にヒンジ部で連結されている。この構成によれば、複数のねじり紐アクチュエータからなる義手用アクチュエータユニットを義手やロボットハンドに巻き付けるように装着することができる。したがって、腕部の太さや形状に合わせて柔軟に複数のねじり紐アクチュエータを配置することができると共に、義手用アクチュエータユニットの着脱作業が容易になる(請求項5)。
本発明の更に好ましい実施形態では、前記固定台がヒンジ部で着脱自在である(請求項6)。この構成によれば、義手やロボットハンドの関節の数に応じて、必要なねじり紐アクチュエータの数を容易に変更することが可能となる。例えば2個(又は1個)のねじり紐アクチュエータを単位として、必要な数だけ固定台を連結して使用することが容易になる。不要になったねじり紐アクチュエータや動作不良のねじり紐アクチュエータの固定台を取り外すといったメンテナンス作業も容易になる。
着脱自在なヒンジ部は、例えば、スプリングプランジャーとその受け部とで構成することができる(請求項7)。例えば長手方向に離間して配置した1対のヒンジ部の両方をスプリングプランジャーとその受け部とで構成してもよいし、一方のみをスプリングプランジャーとその受け部とで構成してもよい。
本発明の更に好ましい実施形態では、前記ヒンジ部で連結された複数の固定台の内側に、可撓性のバンド部材が配置され、前記複数の固定台が前記バンド部材にそれぞれ固定されている(請求項8)。このような構成によれば、ヒンジ部で連結された複数の固定台を有する義手用アクチュエータユニットを義手等の腕部の周りに巻き付けるように装着する作業を容易かつ安全に行うことができる。腕部に直接触れるのは可撓性のバンド部材であるから、義手用アクチュエータユニットの装着によって腕部の表面が傷つくおそれもなくなる。例えばマジックファスナー(登録商標)等を用いてバンド部材の端部を固定することにより、義手用アクチュエータユニットの着脱が容易になると共に、腕部の太さが変わる場合にある程度対応することができる。
本発明の別の好ましい実施形態では、断面多角形又はその一部である外周面を有する筒状枠部材の外周面を構成する複数の平面のそれぞれに、前記ねじり紐アクチュエータ組の固定台が固定されている(請求項9)。このような構成は、義手用アクチュエータユニットの装着対象が決まっている場合、つまり装着する腕部の寸法や形状が変化しない場合に適しており、シンプルで低コストの構成を実現することができる。
上記のように、本発明によれば、ねじれ紐式アクチュエータを複数組備えた義手用アクチュエータユニットにおいて、駆動機構部を含む複数のねじれ紐アクチュエータを空間的に効率よく配置することができる。また、取付方法や寸法にある程度の自由度を持たせることも可能になる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明において各部材の位置関係や方向を上下左右で説明するときは、あくまで図面における位置関係や方向を意味し、実際の機器に組み込まれたときの位置関係や方向を意味するわけではない。
図1は、本発明の義手用アクチュエータユニットを構成するねじれ紐式アクチュエータの概念を示す模式図である。図1に示すねじれ紐式アクチュエータは、2本の紐又はワイヤ(以下、単に紐という)11、12を互いに緩くねじり合わせた構造のねじれ紐1とモータ2とを用いて構成される。図1(a)は2本の紐11、12のねじれ合わせが緩められて2本の平行な紐になった状態を模式的に示しており、図1(b)は2本の紐11、12が互いにねじれ合わされた状態を模式的に示している。ねじれ紐1、すなわち2本の紐11、12の一端側は駆動対象物OBに接続(固定)され、他端側はモータ2の回転軸21に接続(固定)されている。
図1(a)に示す状態でのねじれ紐1の長さをLとし、この状態からモータ2の回転軸21が回転して、図1(b)に示すように、ねじれ紐1を構成する2本の紐11、12が互いにねじれ合わされた状態になると、ねじれ紐1の長さはL−ΔLとなる。つまり、2本の紐11、12がねじれ合わされることにより、ねじれ紐1の長さがΔLだけ短縮される。その結果、駆動対象物OBには、ねじれ紐1の張力によってモータ2へ引き寄せられる方向(右方向)の駆動力Fが働く。したがって、ねじれ紐1は、そのねじれ方向の回転運動(モータ2の回転力)を長さ方向の直線運動(張力)に変換する機能を有することになる。
また、図1(b)の状態からモータ2の回転軸21が上記と逆方向に回転すると、ねじれ紐1を構成する2本の紐11、12のねじれが緩められる。このとき、図1には示していないが、引っ張りバネのような付勢手段で物体OBが左方向に付勢されていると仮定すると、その付勢力によって物体OBはモータ2から遠ざかる方向(左方向)へ移動し、ねじれ紐1の長さが伸張する。2本の紐11、12のねじれ合わせが緩められて2本の平行な紐になった図1(a)の状態で、ねじれ紐1の長さが最も長い値(L)になることが分かる。
したがって、2本の紐11、12を互いに緩くねじり合わせた構造のねじれ紐1とモータ2とを用いた上記のねじれ紐式アクチュエータによれば、モータ2の回転軸21の回転方向に応じてねじれ紐1を構成する2本の紐11、12のねじれが強められ、又は緩められることにより、ねじれ紐1の長さが短縮され、又は伸張され、その結果、駆動対象物OBを所定の範囲内で駆動することが可能である。
ねじれ紐1は減速機構を含む動力伝達手段として機能するので、多段ギア等を用いた減速機が不要となり、装置全体の小型化、軽量化に大きく貢献することができる。また、多段ギア等を用いた減速機で発生するような騒音の発生が無く、静音アクチュエータを実現することができる。また、一般にねじれ紐は多段ギア等を用いた減速機に比べて安価であるので、アクチュエータのコスト低減が可能になる。
さらに、ねじれ紐1のねじれ方向の回転運動と長さ方向の直線運動との間にある程度の柔軟性(フレキシビリティ)及び弾性が存在するので、バネやエアシリンダ等の弾性付勢手段を用いなくても、いわゆるソフトアクチュエータを実現することが可能である。これにより、例えば人の手のようなコンプライアンス機能を容易に実現することが可能になる。
図2は、ねじれ紐式アクチュエータを用いて指関節を駆動する適用例を示す模式図である。この模式図では、軸心AXを中心として回転可能な指関節FJが駆動対象物に相当する。図2に示すように、駆動対象物としての指関節FJの駆動方向及び駆動範囲を規制するために、スライドガイド31に沿って所定範囲内で移動可能なスライド部材32が設けられ、ねじれ紐1の一端側がスライド部材32を介して指関節FJに接続されている。
また、ねじれ紐1及びスライド部材32を含むアクチュエータキットが2組設けられ、指関節FJの軸心AXを挟んで対向する2箇所P1及びP2に、2組のアクチュエータキットのねじれ紐1の一端側がスライド部材32を介してそれぞれ接続されている。
図2の構成では、スライドガイド31及びスライド部材32によって、駆動対象物である指関節FJの駆動方向及び駆動範囲を容易に規制することができる。また、モータ2と指関節FJとの距離や方向に関する設計上のフレキシビリティを確保することができるので、アクチュエータが実装されるスペースの制限に対応することが容易になると共に、スペースの有効活用が可能になる。図2では、指関節FJの駆動方向とモータ2の回転軸21の軸心方向とがほぼ一致しているが、例えばプーリー等を用いて柔軟なねじれ紐1を曲げることにより、両者の方向が90度異なるように構成することも可能である。また、指関節FJとモータ2とを互いに近づけたり、離したりすることも可能である。
また、2組のアクチュエータキットのねじれ紐1を互いに逆方向に駆動することにより、例えば図2に示すように、上側のねじれ紐1を短縮させる方向に駆動し、かつ、下側のねじれ紐1を伸張させる方向に駆動する。これにより、指関節FJを容易かつ正確に駆動することができる。図2に示す構成では、2個のモータ2を用いて2組のアクチュエータキットのねじれ紐1を個別に駆動している。この構成では、2個のモータ2を同期させて駆動制御することが必要である。また、一方のモータ2のみが動作することを防ぐインターロック回路を設けることが好ましい。そのような制御や回路を簡素化するために、後述するように、1個のモータを用いて2組のアクチュエータキットのねじれ紐1を同時に駆動するように構成してもよい。
図3は、図2に示したねじれ紐式アクチュエータの複数指関節への適用例を示す模式図である。2個の指関節FJ1及びFJ2が軸心AX1で枢支連結された状態が示されている。指関節FJ1は軸心AX1を中心として回転可能であり、指関節FJ2は軸心AX2を中心として回転可能である。図3では省略しているが、指関節FJ2についても、指関節FJ1と同様に、ねじれ紐1及びスライド部材32を含むアクチュエータキットが2組設けられ、軸心AX2を挟んで対向する2箇所に、2組のアクチュエータキットのねじれ紐1の一端側がスライド部材32を介してそれぞれ接続されるように構成されている。このように、1関節に対して2本のねじれ紐1が使用され、n関節の場合は2n本のねじれ紐1が使用されることになる。
図4は、1個のモータで2本のねじれ紐を同時に駆動する構成例を示す模式図である。この構成例は、図2又は図3に示した構成において、1個のモータを用いて2組のアクチュエータキットのねじれ紐1を同時に駆動するように構成したものである。すなわち、2組のアクチュエータキットのねじれ紐1の他端側(モータ側)が、モータ2の回転軸21に接続された動力伝達機構4の互いに異なる2本の出力軸41、42に接続されている。モータ2の回転軸21が回転すると、上側の第1出力軸41はそれに接続されたねじれ紐1のねじれを強める方向に回転し、かつ、下側の第2出力軸42はそれに接続されたねじれ紐のねじれを緩める方向に回転するように構成されている。
この構成では、1個の指関節FJ1について2組のねじれ紐1を含むアクチュエータキットを使用しながら、1個のモータ2でそれらのねじれ紐1を同時に駆動するので、2個のモータで個別に駆動する場合に比べて、駆動制御が簡単になる。また、指関節FJ1の迅速な駆動が可能になる。
図4に示した構成では、動力伝達機構4として、1個のピニオンギア43及び2個の平ギア44、45を用いた減速反転機構が使用されている。ピニオンギア43はモータ2の回転軸21に固定され、上側の平ギア44は上側のねじれ紐1が接続された第1出力軸41に固定され、下側の平ギア45は、下側のねじれ紐1が接続された第2出力軸42に固定されている。上側の平ギア44と下側の平ギア45は同一方向(共にピニオンギア43と反対方向)に回転するので、2組のアクチュエータキットのねじれ紐1のねじれ方向を互いに逆の方向にしておく必要がある。
つまり、モータ2の回転軸21が回転すると、第1出力軸41と第2出力軸42は同一方向(共にモータ2の回転軸21と逆方向)に回転するが、2本のねじれ紐1のねじれ方向が互いに逆の方向であるので、例えば図4に示すように、上側のねじれ紐1はねじれを強める方向(長さが短縮する方向)に駆動され、下側のねじれ紐1はねじれを緩める方向(長さが伸張する方向)に駆動される。
動力伝達機構4を構成するギアの数や組合せを変えることにより、2本の出力軸41、42の回転方向が互いに逆方向になるように動力伝達機構4を構成し、上下2本のねじれ紐1のねじれ方向が互いに同一方向になるようにしてもよい。要するに、モータ2の回転軸21が回転したときに、第1出力軸41及び第2出力軸42の一方はねじれ紐1のねじれを強める方向に回転し、他方はねじれ紐のねじれを緩める方向に回転するように、動力伝達機構4及びねじれ紐1を構成すればよい。但し、第1出力軸41と第2出力軸42の出力トルクが等しくなるように、あるいは両者のバランスがとれるように、動力伝達機構4を構成することが望ましい。
また、ギア同士の噛合部における騒音の発生を回避するために、ギアに代えて、接触面の摩擦力で動力を伝達する複数のローラ、あるいはローラ及びベルトを用いて動力伝達機構4を構成してもよい。また、モータ2として、DCブラシレスモータを使用することにより、モータ2から発生する騒音を低減することも望ましい。
図5は、本発明の実施形態に係る義手用アクチュエータユニットを構成するねじれ紐式アクチュエータのモータ2及びギアボックス4の構造を示す断面図である。ギアボックス4は、上記の説明における動力伝達機構4に相当するものである。このギアボックス4とモータ2とが一体に結合して駆動機構部20を構成している。ギアボックス4は、基端側プレート46、先端側プレート47及び側面プレート48で囲まれた箱形形状を有し、その内部空間に上述のピニオンギア43及び平ギア44、45等が収容されている。
ギアボックス4の基端側プレート46の中央部には、モータ2の回転軸21とそれに固定されたピニオンギア43とが挿通される貫通孔が形成され、その周囲の外側面(下面)にはモータ2のケース先端部を受け入れる段状凹部が形成されている。基端側プレート46の段状凹部とモータ2のケース先端部とが嵌入、接着、ねじ止め等の手段によって互いに固定される。
また、基端側プレート46の内側面(上面)には、その中心の貫通孔から所定距離を隔てた両側に、平ギア44、45を回転自在に支持するための固定軸部材49が2本立設されている。平ギア44、45の上下には、筒状部441、451が一体に設けられ、その中心部に固定軸部材49に外嵌するスリーブ軸受が設けられている。これにより、平ギア44、45は、固定軸部材49に支持されて遊転することができる。また、平ギア44、45はピニオンギア43に螺合し、モータ2の回転軸2の回転に伴って回転駆動される。
平ギア44、45の上部の中央部から上方(先端側)に向かって突出するように、出力軸41、42がそれぞれ一体に設けられ、ギアボックス4の先端側プレート47には出力軸41、42が挿通される2個の貫通孔が形成されている。なお、出力軸41(42)、筒状部441(451)及び平ギア44(45)は、個別の部材として形成され、それらが一体に結合していてもよいし、それらの全て又は一部(3個のうちの2個)が初めから一体の部材として形成されていてもよい。
また、先端側プレート47の内側面(下面)において、出力軸41、42が挿通される貫通孔の周りに円環状の溝が形成されており、この溝に含油焼結合金からなる円環状部材51が嵌め込まれ接着等の手段で固定されている。また、この円環状部材51に当接して摺動可能な円環状摺動面442、452が筒状部441、451の先端側に形成されている。
図5の上部において二点鎖線の長方形で囲んだ部分は、円環状部材51の軸方向から見た平面図を示している。この平面図から分かるように、円環状部材51の、回転側の円環状摺動面442、452に対向する円環状の面に12個の半球状突起部511が周方向に離間して設けられ、この半球状突起部511の先端部が円環状摺動面442、452に当接するように構成されている。
円環状部材51は、出力軸41、42の軸心方向への移動を規制して保持するスラストベアリングの働きを有する。つまり、出力軸41、42の先端部に接続されるねじれ紐のねじれが強められ、ねじれ紐の長さが短縮されるときに、駆動対象物を引き寄せる駆動力の反作用として、出力軸41、42が駆動対象物の方向へ引っ張られる力(以下、スラスト力という)が大きくなる。このスラスト力は、筒状部441、451の先端側の円環状摺動面442、452と円環状部材51の半球状突起部511(の先端部)とが当接することによって受け止められる。
円環状部材51は含油焼結合金からなり、回転側の円環状摺動面442、452との円滑な摺動を実現するので、スラスト力が大きくなっても回転駆動出力が低下しにくい。しかも、ボールベアリングを使用する場合に比べて、省スペースで安価なスラストベアリングを実現することができる。これにより、小形で安価なねじれ紐式アクチュエータを実現することができる。
また、円環状部材51に設けられた12個の半球状突起部511の先端部が回転側の円環状摺動面442、452に当接するので、円環状部材51の面全体で円環状摺動面442、452に当接する場合に比べて接触面(摺動面)の面積が小さくなるので、接触面での摺動摩擦に起因する出力ロスが低減される。これにより、スラスト力が大きくなっても回転駆動出力が一層低下しにくい安価なねじれ紐式アクチュエータを実現することができる。なお、円環状部材51に設けた半球状突起部511の数を12個に限定する必要はなく、少なくとも3個あればスラストベアリングとして安定した動作が得られる。
以上に説明したような駆動機構部20、一対のねじれ紐1及びスライド部材32等からなるねじれ紐式アクチュエータを複数組用いて本発明の義手用アクチュエータユニットを構成する場合の具体的な構造等について、次に説明する。なお、本発明の義手用アクチュエータユニットは、義手の他に、ロボットハンド等にも適用可能である。例えば義手において、各指に少なくとも1個の関節が必要であり、きめ細かい動作を可能にするためには各指に2個の関節が必要である。仮に、親指に3個の関節、他の4本の指に2個の関節、手首に2個の関節を設けとすると、合計13個の関節が必要となる。したがって、13組のねじれ紐式アクチュエータが必要になる。
義手用アクチュエータユニットの全体をコンパクトに構成するために、13組のねじれ紐式アクチュエータ、特に13個の駆動機構部20を効率よく配置する必要がある。また、腕の太さや形状等は人によって異なるので、取付方法や寸法にある程度の自由度を持たせることができる構造が必要となる。
図6は、本発明の第1実施形態に係る義手用アクチュエータユニットにおける13組のねじれ紐式アクチュエータの配置例を示す斜視図である。この配置例では、一対の円環形状を有する第1枠部材61及び第2枠部材62が所定の間隔で対向するように配置され、両者が3本の棒状の連結部材63で連結固定されている。第1枠部材61の基端側の面には、周方向に沿って13個の駆動機構部20が配置され、固定されている。それぞれの駆動機構部20は、図4及び図5を用いて説明したように、モータ2及びギアボックス(動力伝達機構)4からなり、2本の出力軸41、42を有する。
図6には示されていないが、2本の出力軸41、42が第1枠部材61の内側の面から突出し、ねじれ紐1の基端側がそれぞれの出力軸41、42に接続されている。なお、図6では、2本の紐11、12からなるねじり紐1(図4参照)が1本の実線で描かれている。また、図4に示すように、一対のねじり紐1が1組のねじれ紐式アクチュエータを構成している。
図6において、第2枠部材62には、周方向に沿って13組のスライド部材32が配置されている。図4に示したように、1組のねじれ紐式アクチュエータには、2個のスライド部材32が設けられ、2本のねじり紐1にそれぞれ接続されている。図6では、2個1組のスライド部材32が2個並んだ長方形で描かれている。各スライド部材32は、各ねじり紐1の先端側に接続され、ねじり紐1の長手方向でのスライド変位のみが許容されている。つまり、第2枠部材62を貫通するように形成された角孔にスライド部材32が内嵌しており、第2枠部材62の周方向及び径方向への変位及び回転(自転)は規制され、軸方向(ねじり紐1の長手方向)の変位のみが許容されている。
これにより、駆動機構部20の作動に伴って前述のようにねじり紐1が伸縮すると、スライド部材32がねじり紐1の長手方向に変位することができる。なお、図6では図示を省略しているが、図4に示したように、スライド部材32はワイヤを介して駆動対象である指関節に接続されているので、スライド部材32がねじり紐1の長手方向に変位することによって指関節を動かすことができる。
この実施形態によれば、駆動機構部20、ねじり紐1及びスライド部材32を含む長尺状のねじり紐アクチュエータが複数組(13組)、略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が略円筒形状の軸方向に沿うように配置されている。より具体的には、円環形状を有する一対の枠部材61、62が所定の間隔で対向するように配置され、複数本の連結部材63でと一対の枠部材61、62が連結固定され、一対の枠部材のうちの第1枠部材61の周方向に沿って駆動機構部20が複数個配置され、一対の枠部材のうちの第2枠部材62の周方向に沿ってスライド部材32が複数個配置され、複数の駆動機構部20と複数のスライド部材32との間に複数のねじり紐1がそれぞれ掛け渡されている。
したがって、例えば義手の腕の周囲に複数組のねじり紐アクチュエータを効率良く配置して、スペースを有効に使用することができる。一対の枠部材61、62の中央の開口部をつなぐ空間に、義手の腕部やロボットハンドの腕部を通すように配置することができる。なお、図6の例では13組のねじり紐アクチュエータが円筒形状の周方向に1列に並んでいるが、ねじり紐アクチュエータの数が多くなれば、2列以上に並べるようにしてもよい。
また、複数のねじり紐アクチュエータを円筒形状の全周ではなく、その一部(例えば半周)に沿って、つまり半円筒形状に配置してもよい。そのような構成の一例を変形例として図7に示す。図7において、図6の構成と同じ機能を有する構成要素には同じ参照番号を付している。
図7に示す変形例が図6の実施形態と異なる部分のみについて説明すると、一対の枠部材61、62は円環形状ではなく、その周方向一部である半円環形状を有する。そして、13個の駆動機構部20が、第1枠部材61の基端側の面に、周方向に沿って1列ではなく2列に配置され、固定されている。それに対向するように、第2枠部材62には、13組(13×2個)のスライド部材32が周方向に2列に配置されている。そして、13個の駆動機構部20と13組のスライド部材32との間に13組のねじり紐1がそれぞれ掛け渡されている。
したがって、図7の構成では、駆動機構部20、ねじり紐1及びスライド部材32を含む長尺状のねじり紐アクチュエータが複数組(13組)、半円筒形状の周方向に沿って2列に並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が略円筒形状の軸方向に沿うように配置されている。この構成でも、図6の構成と同様に、義手の腕部やロボットハンドの腕部の周囲に効率よく複数のねじり紐アクチュエータを配置することができる。
半円環形状の枠部材61、62の中央の半円形凹部に義手の腕部やロボットハンドの腕部を配置することが可能である。この構成は、特にロボットハンドのアクチュエータとして適していると考えられる。なお、図7の例では13組のねじり紐アクチュエータが半円筒形状の周方向に2列に並んでいるが、ねじり紐アクチュエータの数が少ない場合、あるいは装着対象の腕部の太さに比べて駆動機構部20及びスライド部材32の大きさを十分小さくすることができる場合は、ねじり紐アクチュエータを1列に並べてもよい。
次に、本発明の第2実施形態に係る義手用アクチュエータユニットの構成例を図8から図10を参照しながら説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る義手用アクチュエータユニットを構成するねじり紐アクチュエータ組の平面図(a)及び側面図(b)である。図9は、図8のねじり紐アクチュエータ組を複数組連結した状態を示す平面図である。図10は、図8のねじり紐アクチュエータ組を複数組連結した義手用アクチュエータユニットを略円筒形状に沿って巻き付けた状態を示す図である。
本実施形態の義手用アクチュエータユニットは、図8に示すように、1つの駆動機構部20と、当該駆動機構部20の2本の出力軸41、42にそれぞれ基端側が接続された2本のねじり紐1と、当該2本のねじり紐の先端側に接続された2個のスライド部材32を含むねじり紐アクチュエータが2個1組として、かつ、互いに長手方向にずれた状態で長手板状の固定台65に配置されたねじり紐アクチュエータ組を使用する。このような固定台65を径方向内側として略円筒形状の周方向に沿って並ぶように配置(連結)することにより、実施形態1と同様に、複数のねじり紐アクチュエータが略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が略円筒形状の軸方向に沿うように配置された構造が実現する。
図8(a)の平面図及び図8(b)の側面図に示すように、駆動機構部20は、その2本の出力軸41、42が固定台65に対して垂直な方向(上下方向)に並ぶように配置されている。したがって、出力軸41、42に接続される一対のねじり紐1と、その先端側に接続される一対のスライド部材32も上下方向に並ぶように配置されている。一対のスライド部材32をスライド自在に保持するスライド部材保持台66が、固定台65に対して垂直に立つように固定されている。一対のスライド部材32は、スライド部材保持台66の上下方向に離間して形成された一対の角孔にそれぞれ内嵌し、ねじり紐1の長手方向に沿うスライド動作のみが許容される。
スライド部材32の先端側は、駆動対象である指関節に接続された(図3参照)ワイヤ67に接続されている。また、ワイヤ67のアウターチューブ68の基端側を固定するアウターチューブホルダー69が固定台65に対して垂直に立つように固定されている。ワイヤ67は、アウターチューブ68の内部を長手方向に摺動することができる。また、固定台65を後述のバンド部材等に固定するための螺子又はリベット等が挿通される固定孔71が固定台65の4箇所に設けられている。また、複数の固定台65を幅方向に連結するために、一対のスプリングプランジャー72とその受け部73とが固定台65の長手方向に離間するように、また、幅方向端部から突出するように設けられている。
図8(a)の平面図からよくわかるように、上記のような駆動機構部20、ねじり紐1、スライド部材32を含むねじり紐アクチュエータが2個1組として、かつ、互いに長手方向にずれた状態で固定台65に配置されている。つまり、ねじり紐アクチュエータを構成する部材のうちの幅の広い駆動機構部20が幅方向に重ならないようにずれて配置されているので、2個のねじり紐アクチュエータを1組としたねじり紐アクチュエータ組の幅(すなわち固定台65の幅)を小さくすることができる。したがって、駆動機構部20の幅を小さくすることが困難であっても、スペースを有効に用いて、より多くのねじり紐アクチュエータを幅方向に沿って並べることが可能になる。
図8(a)の平面図において、固定台65の下辺に設けられたスプリングプランジャー72は、下側に連結される別の固定台65上辺に設けられた受け部73と係合してヒンジ部を構成する。スプリングプランジャー72及び受け部73は、固定台65の長手方向(図8では左右方向)に離間する2箇所に設けられている。
左側のスプリングプランジャー72は、内蔵するスプリングによって左方向へ付勢されたボール72aが左端から出ている。これに対応する左側の受け部73には、ボール72aに係合する丸孔(貫通孔)73aが形成されている。また、右側のスプリングプランジャー72は、内蔵するスプリングによって右方向へ付勢されたボール72aが右端から出ている。これに対応する右側の受け部73にも、ボール72aに係合する丸孔(貫通孔)73aが形成されている。
したがって、スプリングプランジャー72と受け部73との係合に際して、スプリングプランジャー72のボール72aが内蔵スプリングの付勢力に抗して後退したのち、内蔵スプリングの付勢力によって再び突出して受け部73の丸孔73aに係合する。この係合状態では、プリングプランジャー72と受け部73とがヒンジ部として機能し、複数の固定台65はヒンジ部で幅方向に連結される。
図9には、4個の固定台65(すなわちねじり紐アクチュエータ組)が幅方向に連結された状態が描かれている。この図からよく分かるように、各ねじり紐アクチュエータを構成する部材のうちの幅の広い駆動機構部20が長手方向に交互にずれるように(ジグザグに)配置される。したがって、駆動機構部20の幅を小さくすることが困難であっても、スペースを有効に用いて、より多くのねじり紐アクチュエータを幅方向に沿って並べることが可能になる。
スプリングプランジャー72と受け部73とからなるヒンジ部で連結された複数の固定台65は、ヒンジ部で互いに枢支されているので、略円筒形状に沿わせるように配置することが可能である。また、ヒンジ部がスプリングプランジャー72と受け部73とで構成されているので、固定台65の連結が容易であると共に、取り外し(連結解除)も容易である。連結解除の操作では、スプリングプランジャー72のボール72aが内蔵スプリングの付勢力に抗して後退することによって、ボール72aと受け部73の丸孔73aとの係合が解除される。
また、本実施形態では、固定台65の長手方向に離間する2箇所の両方にスプリングプランジャー72と受け部73によるヒンジ部を設けたが、一方のみをスプリングプランジャーとその受け部によるヒンジ部とし、他方はピンとその受け部によるヒンジ部としてもよい。
固定台65がヒンジ部で着脱自在である構成を採用したことにより、義手やロボットハンドの関節の数に応じて、必要なねじり紐アクチュエータの数を容易に変更することが可能となる。つまり、2個のねじり紐アクチュエータが搭載された固定台65(ねじり紐アクチュエータ組)を単位として、必要な数だけ固定台65を連結して使用することが容易になる。不要になったねじり紐アクチュエータや動作不良のねじり紐アクチュエータの固定台65を取り外すといったメンテナンス作業も容易になる。例えば13個の関節、つまりねじり紐アクチュエータが必要な場合は、2個のねじり紐アクチュエータが装着された6枚の固定台65と、1個のみのねじり紐アクチュエータが装着された1枚の固定台65、計7枚の固定台65を使用すればよい。
図10は、7枚の固定台65(ねじり紐アクチュエータ組)がヒンジ部72、73で連結され、略円筒形状に沿って巻き付けるように配置された状態を示している。図9及び図10に示すように、各ねじり紐アクチュエータ組の固定台65は、4箇所の固定孔71に挿通される螺子又はリベット等を用いて、可撓性の樹脂や布等で作られたバンド部材75に固定される。
図10に示すように、本実施形態の義手用アクチュエータユニットは、可撓性のバンド部材75を内側にして、その外側にヒンジ部72、73で連結された複数の固定台65が取り付けられ、その外面にねじり紐アクチュエータが搭載された構造を有する。こうすることにより、義手用アクチュエータユニットを義手等の腕部の周りに巻き付けるように装着する作業を容易かつ安全に行うことができる。腕部に直接触れるのは可撓性のバンド部材75であるから、義手用アクチュエータユニットの装着によって腕部の表面が傷つくおそれもなくなる。
また、バンド部材75の端部の互いに重なり合う部分75aは、例えばマジックファスナー(登録商標)等を用いて互いに固定することができる。これにより、義手用アクチュエータユニットの着脱が容易になる。しかも、取付対象の腕部の太さや形状の変化にある程度対応することができる。なお、図10に示す義手用アクチュエータユニットは、7枚の固定台65の全てに2個の駆動機構部20(したがってねじり紐アクチュエータ)が搭載され、計14個のねじり紐アクチュエータを有している。前述のように、13個のねじり紐アクチュエータで足りる場合は、例えば両端のいずれか一方の固定台65に搭載するねじり紐アクチュエータを1個のみとすればよい。
次に、本実施形態の変形例を図11に示す。この変形例では、上記のバンド部材75に代えて、断面多角形(図11の例では7角形)の筒状枠部材76を使用し、その外周面を構成する複数(7個)の平面のそれぞれに、ねじり紐アクチュエータ組の固定台65を固定する。前述のように固定台65の4箇所に設けられた固定孔71に挿通される螺子等を用いて、固定台65が筒状枠部材76の外周面に固定される。
このような構成は、義手用アクチュエータユニットの装着対象が決まっている場合、つまり装着する腕部の寸法や形状が変化しない場合に適しており、シンプルで低コストの構成を実現することができる。なお、複数のねじり紐アクチュエータ組(固定台65)の配置に関して、図11に示すように等角度間隔で配置することが好ましいが、必ずしも等角度間隔でなくてもよい。また、図11では7枚の固定台65の全てに2個の駆動機構部20(ねじり紐アクチュエータ)が搭載され、計14個のねじり紐アクチュエータが設けられているが、13個のねじり紐アクチュエータで足りる場合は、いずれか1枚の固定台65に搭載するねじり紐アクチュエータを1個のみとすればよい。
また、筒状枠部材76は、周方向の一部が開いて(欠けて)いてもよい。すなわち、例えば図11において、筒状枠部材76の7角形の断面のうちの1辺又は2辺が欠けた構成としてもよい。この場合は、搭載される固定台65の数はそれぞれ6枚又は5枚となる。
以上、本発明の複数の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上記の実施形態及び変形例に限らず、種々の形態で実施することが可能である。
本発明の義手用アクチュエータユニットを構成するねじれ紐式アクチュエータの概念を示す模式図である。 ねじれ紐式アクチュエータを用いて指関節を駆動する適用例を示す模式図である。 図2に示したねじれ紐式アクチュエータの複数指関節への適用例を示す模式図である。 1個のモータで2本のねじれ紐を同時に駆動する構成例を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る義手用アクチュエータユニットを構成するねじれ紐式アクチュエータのモータ及びギアボックスの構造を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る義手用アクチュエータユニットにおける13組のねじれ紐式アクチュエータの配置例を示す斜視図である。 図6に示す構成の変形例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態に係る義手用アクチュエータユニットを構成するねじり紐アクチュエータ組の平面図及び側面図である。 図8のねじり紐アクチュエータ組を複数組連結した状態を示す平面図である。 図8のねじり紐アクチュエータ組を複数組連結した義手用アクチュエータユニットを略円筒形状に沿って巻き付けた状態を示す図である。 図10に示す構成の変形例を示す斜視図である。 ワイヤとモータを用いた指関節用のワイヤ式アクチュエータの従来技術の基本的な構造を示す図である。
符号の説明
1 ねじれ紐
20 駆動機構部
32 スライド部材
61、62 枠部材
63 連結部材
65 固定台
72 スプリングプランジャー(ヒンジ部)
73 受け部(ヒンジ部)
75 バンド部材
76 筒状枠部材

Claims (9)

  1. ねじり紐アクチュエータを複数組用いた義手用アクチュエータユニットであって、
    前記ねじり紐アクチュエータは、2本の紐を互いにねじり合わせた構造のねじれ紐と、当該ねじれ紐の基端側に接続された駆動機構部と、前記ねじれ紐の先端側に接続されたスライド部材とを備え、前記駆動機構部の作動に伴い前記ねじれ紐を構成する2本の紐のねじれが強められたり緩められたりすることにより前記ねじれ紐の長さが変化し、その結果、前記スライド部材が前記ねじれ紐の長手方向に変位するように構成され、
    前記駆動機構部、前記ねじり紐及び前記スライド部材を含む長尺状のねじり紐アクチュエータが複数組、略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が前記略円筒形状の軸方向に沿うように配置されていることを特徴とする義手用アクチュエータユニット。
  2. 13組の前記ねじり紐アクチュエータが略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が前記略円筒形状の軸方向に沿うように配置されていることを特徴とする
    請求項1記載の義手用アクチュエータユニット。
  3. 円環形状又はその周方向一部である形状を有する一対の枠部材と、所定の間隔で対向するように配置された前記一対の枠部材を連結する複数本の連結部材とを備え、
    前記一対の枠部材のうちの第1枠部材の周方向に沿って前記駆動機構部が複数個配置され、
    前記一対の枠部材のうちの第2枠部材の周方向に沿って前記スライド部材が複数個配置され、
    複数の前記駆動機構部と複数の前記スライド部材との間に複数の前記ねじり紐がそれぞれ掛け渡されていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の義手用アクチュエータユニット。
  4. 1つの駆動機構部と、当該駆動機構部の2本の出力軸にそれぞれ基端側が接続された2本の前記ねじり紐と、当該2本のねじり紐の先端側に接続された2個のスライド部材を含むねじり紐アクチュエータが2個1組として、かつ、互いに長手方向にずれた状態で長手板状の固定台に配置されたねじり紐アクチュエータ組を使用し、
    前記固定台を径方向内側として略円筒形状の周方向に沿って並ぶように、かつ、各ねじり紐アクチュエータの長手方向が前記略円筒形状の軸方向に沿うように前記複数のねじり紐アクチュエータ組を配置したことを特徴とする
    請求項1又は2記載の義手用アクチュエータユニット。
  5. 複数の前記ねじり紐アクチュエータ組の固定台が、幅方向にヒンジ部で連結されていることを特徴とする
    請求項4記載の義手用アクチュエータユニット。
  6. 前記固定台がヒンジ部で着脱自在であることを特徴とする
    請求項5記載の義手用アクチュエータユニット。
  7. 前記ヒンジ部がスプリングプランジャーとその受け部とで構成されていることを特徴とする
    請求項6記載の義手用アクチュエータユニット。
  8. 前記ヒンジ部で連結された複数の固定台の内側に、可撓性のバンド部材が配置され、前記複数の固定台が前記バンド部材にそれぞれ固定されていることを特徴とする
    請求項5、6又は7記載の義手用アクチュエータユニット。
  9. 断面多角形又はその一部である外周面を有する筒状枠部材の外周面を構成する複数の平面のそれぞれに、前記ねじり紐アクチュエータ組の固定台が固定されていることを特徴とする
    請求項4記載の義手用アクチュエータユニット。
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