JP2009055958A - 薬液カートリッジ及びこれを用いた薬液注入装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】高濃度の薬剤を1mL/h以下の微小流量で患者に精度よく投与可能な薬液カートリッジおよび薬液注入装置の提供。
【解決手段】 薬液注入装置は、薬液収容部、薬液収容部に連通された送液手段、送液手段に連通されたバッファタンク部、送出された薬液の流量を計測する流量計測手段、送液手段と流量計測手段を外部より制御するための電気的接点とで構成される薬液カートリッジを着脱自在に装着可能な装着部、薬液カートリッジが装着されたときに電気的接点と相対する位置にある圧接型のコネクタ部、薬液注入流量等の各種設定を行なう設定手段、設定された薬液注入流量にコネクタ部を介して薬液カートリッジから得られる薬液流量情報をフィードバックし薬液カートリッジを制御する制御手段を備え、コネクタ部および電気的接点を介して前記圧電素子を制御することで、薬液カートリッジから薬液を吐出させ、患者に薬液を注入することを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】 薬液注入装置は、薬液収容部、薬液収容部に連通された送液手段、送液手段に連通されたバッファタンク部、送出された薬液の流量を計測する流量計測手段、送液手段と流量計測手段を外部より制御するための電気的接点とで構成される薬液カートリッジを着脱自在に装着可能な装着部、薬液カートリッジが装着されたときに電気的接点と相対する位置にある圧接型のコネクタ部、薬液注入流量等の各種設定を行なう設定手段、設定された薬液注入流量にコネクタ部を介して薬液カートリッジから得られる薬液流量情報をフィードバックし薬液カートリッジを制御する制御手段を備え、コネクタ部および電気的接点を介して前記圧電素子を制御することで、薬液カートリッジから薬液を吐出させ、患者に薬液を注入することを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
本発明は、薬液または栄養剤などを患者に微量注入する装置に関するものであり、薬液収容部、送液部(ポンプ)、流量計測部を一体化した薬液カートリッジとそれを制御する薬液注入装置に関するものである。
患者に薬液または栄養剤などを注入する装置において、送液方法について多くの種類が存在し、例えば、輸液チューブの蠕動運動を行なうように構成されたペリスタリックフィンガ方式の蠕動式輸液ポンプ、回転ローラを備えたローラ式輸液ポンプ等の各種の医療用ポンプ、シリンジの押し子を直線的に押すシリンジポンプがある。
しかしながら、これらの送液方式は1mL/h以上の流量を対象にしたものであり、0.1mL/h以下の微小流量を実現するには非常に高精度かつガタツキのない駆動部構造が要求され、現実的に実現するには多くの費用と管理が必要となる。
また、微小流量を対象としたものとして圧電素子の振動を利用した圧電ポンプが提案されている。
圧電素子は、セラミックス系または高分子系の電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電効果を有する材料を板状に成形し、その両面に電極を設けたものである。その電極に電圧を正負交互に印加することにより、圧電素子を振動させることができる。
この圧電素子を柔軟性の有る材料からなるポンプ室の少なくとも1面の壁面を覆うように設け、圧電素子の振動によりポンプ室に圧力を加え液体を吐出させるポンプが圧電ポンプである。
この圧電ポンプは、インクジェットプリンタのプリンタヘッドや燃料電池の送液ポンプなど、微小流量送液および装置の小型化が要求される機器に採用されている。
圧電素子を用いた圧電ポンプに関わる技術として、ポンプ室が柔軟性材料からなる壁面と吸入用逆止弁および吐出用逆止弁とを有し、圧電素子によりポンプ室を駆動することで、給液供給量を精密に一定にできる定量供給ポンプが提案されている(特許文献1)。
特開平08−193579号公報
しかしながら、ポンプ室に圧電素子により圧力を加え液体を送り出す方法は、ポンプ室に設けられている吐出用逆止弁より下流の圧力(背圧)が大きくなるにつれて送液性能が著しく悪化するという課題があり、さらに圧電素子の振動を利用した送液方法であるため送液の際の脈動が発生し、患者の容態に影響を与えてしまうという課題がある。
本発明は、流量計測部を有しフィードバック制御することにより背圧による影響を極小にし、かつ脈動を抑えることにより、高濃度の薬剤を1mL/h以下の微小流量、特に0.1mL/h以下の微小流量で患者に投与可能な薬液カートリッジおよび薬液注入装置を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の薬液カートリッジは、患者に投与される薬液を収容する薬液収容部と、薬液収容部(薬液タンク)に連通された送液手段と、送液手段に連通されたバッファタンク部と、送液手段により送出された薬液の流量を計測する流量計測手段と、送液手段と流量計測手段を外部より制御するための電気的接点とで構成されることを特徴とする。
また、送液手段は電気信号を機械エネルギーに変換する圧電素子と、薬液吸入側および薬液吐出側に夫々薬液の逆流を妨げる弁体を有する薬液圧力室からなり、圧電素子が印加される駆動電圧により変位することを利用して薬液圧力室を加圧することで薬液圧力室から薬液が吐出される圧電ポンプであって、少なくとも3つの圧電ポンプがバッファタンク部に対して並列配置されていることを特徴とする。
また、薬液収容部は、大気に連通された大気連通部と、薬液を充填するための薬液充填口とを備えることで、薬液収容部内の圧力が一定となることを特徴とする。
また、薬液収容部は、柔軟な樹脂材料からなる袋状収容部(袋状タンク)であり、薬液残量に合わせて自在に変形可能であることで、薬液収容部内の圧力が一定となることを特徴とする。
また、薬液収容部と前記送液手段とを連通する領域において、毛細管力が発現する切り込みが形成されていることで、薬液収容部から送液手段まで薬液がスムーズに供給されることを特徴とする。
また、流量計測手段は、薬液の流れにともなう物理力を利用する方式、熱を利用する方式、光を利用する方式、磁気を利用する方式、音を利用する方式であることを特徴とする。
また、本発明の薬液注入装置は、薬液カートリッジを着脱自在に装着可能な装着部と、薬液カートリッジが装着されたときに電気的接点と相対する位置にある圧接型のコネクタ部と、薬液注入流量等の各種設定を行う設定手段と、設定された薬液注入流量をもとに前記薬液カートリッジを制御する制御手段とを備え、コネクタ部および電気的接点を介して圧電素子を制御することで、薬液カートリッジから薬液を吐出させ、患者に薬液を注入することを特徴とする。
また、本発明の薬液注入装置は、患者に投与される薬液を収容する薬液収容部、薬液タンクに連通された送液手段、送液手段に連通されたバッファタンク部、送液手段により送出された薬液の流量を計測する流量計測手段、送液手段と流量計測手段を外部より制御するための電気的接点とで構成される薬液カートリッジを着脱自在に装着可能な装着部と、薬液カートリッジが装着されたときに電気的接点と相対する位置にある圧接型のコネクタ部と、薬液注入流量等の各種設定を行なう設定手段と、設定された薬液注入流量にコネクタ部を介して薬液カートリッジから得られる薬液流量情報をフィードバックし、薬液カートリッジを制御する制御手段とを備え、コネクタ部および電気的接点を介して前記圧電素子を制御することで、薬液カートリッジから薬液を吐出させ、患者に薬液を注入することを特徴とする。
本発明の薬液カートリッジ(薬液収納カートリッジ)及びそれを用いた薬液注入装置によれば、背圧による影響を極小にし、かつ脈動を抑えることができ、高濃度の薬剤を1mL/h以下の微小流量、特に0.1mL/h以下の微小流量で患者に投与可能な薬液カートリッジおよび薬液注入装置を提供することができる。
以下に本発明の好適な一実施形態について、添付の図面を参照して説明する。なお、本発明は以下に説明する実施例に限定されるものではない。図1において、(a)は本発明である薬液カートリッジとそれを用いる薬液注入装置の外観斜視図であり、(b)概略ブロック図である。図2は、本発明である薬液カートリッジの断面図および斜視図であり、図3は、薬液カートリッジの内部構造を模式化して示す断面図であり、図4は、本実施形態の送液ポンプに用いている圧電ポンプの構造を模式化して示す図である。
[ 薬液注入装置の構造 ]
図1において、薬液注入装置1は、ICU、CCU、NICUでの、栄養補給や輸血、化学療法剤、麻酔剤などの薬液注入を目的とした微量持続注入ポンプであり、表示手段である表示部10を図示のように上面においてほぼ集中するように上記の操作部11と併設しており、操作性をよくしている。また、後述する少なくとも1つの薬液カートリッジ20を着脱可能であり、かつ薬液カートリッジ20の下面に設けられている外部接続部(電気的接点)27に対応する位置に圧接タイプの外部接続部(信号コネクタ)13が配設された薬液カートリッジ装着部12が設けられている。17はRAMであり、CPU(制御部)15において処理されるプログラムのワークエリアとして機能するとともに、プログラム処理時にデータ等を一時的に記憶する記憶手段としても機能する。16はROMであり、CPU15にて処理されるプログラムが格納されている。なお、表示部10は好ましくは薬液注入装置1の動作状態を表示する動作インジケータ10aを含む。また、流量(mL/h)、注入量(mL)等も表示する。好ましくは薬液カートリッジ20の薬剤情報(薬剤名等)も表示する。また、セットされたまた操作部11は、電源ON/OFFスイッチ、流量(mL/h)設定スイッチ、注入量(mL)設定スイッチ、送益開始/停止スイッチ等を含む。18は外部通信部で、LAN等により病院内のホストコンピュータ,ナースセンターのホストコンピュータ等と相互に通信できるようになっていて、動作状態をモニタできるようになっている。また、薬液カートリッジ20に設けられたICQタグ29の情報を読取るICタグリーダー46も備えている。このICタグリーダー46は、薬液カートリッジ20が薬液注入装置1の所定位置に装着されて、電源ON/OFFスイッチがONされると、ICタグリーダー46のアンテナ部から電磁波が発信され、下記に説明するICタグ29との送受信が可能となり、薬剤名,流量(mL/h)の上限/下限値、注入量(mL)の上限/下限値等の情報,患者名,患者ID等の情報を読み取り可能になっている。
図1において、薬液注入装置1は、ICU、CCU、NICUでの、栄養補給や輸血、化学療法剤、麻酔剤などの薬液注入を目的とした微量持続注入ポンプであり、表示手段である表示部10を図示のように上面においてほぼ集中するように上記の操作部11と併設しており、操作性をよくしている。また、後述する少なくとも1つの薬液カートリッジ20を着脱可能であり、かつ薬液カートリッジ20の下面に設けられている外部接続部(電気的接点)27に対応する位置に圧接タイプの外部接続部(信号コネクタ)13が配設された薬液カートリッジ装着部12が設けられている。17はRAMであり、CPU(制御部)15において処理されるプログラムのワークエリアとして機能するとともに、プログラム処理時にデータ等を一時的に記憶する記憶手段としても機能する。16はROMであり、CPU15にて処理されるプログラムが格納されている。なお、表示部10は好ましくは薬液注入装置1の動作状態を表示する動作インジケータ10aを含む。また、流量(mL/h)、注入量(mL)等も表示する。好ましくは薬液カートリッジ20の薬剤情報(薬剤名等)も表示する。また、セットされたまた操作部11は、電源ON/OFFスイッチ、流量(mL/h)設定スイッチ、注入量(mL)設定スイッチ、送益開始/停止スイッチ等を含む。18は外部通信部で、LAN等により病院内のホストコンピュータ,ナースセンターのホストコンピュータ等と相互に通信できるようになっていて、動作状態をモニタできるようになっている。また、薬液カートリッジ20に設けられたICQタグ29の情報を読取るICタグリーダー46も備えている。このICタグリーダー46は、薬液カートリッジ20が薬液注入装置1の所定位置に装着されて、電源ON/OFFスイッチがONされると、ICタグリーダー46のアンテナ部から電磁波が発信され、下記に説明するICタグ29との送受信が可能となり、薬剤名,流量(mL/h)の上限/下限値、注入量(mL)の上限/下限値等の情報,患者名,患者ID等の情報を読み取り可能になっている。
[ 薬液カートリッジの構造 ]
次に上述の薬液カートリッジ20の一実施例を説明する。図2において、薬液カートリッジ20は、患者に投与する化学療法剤、麻酔剤、栄養補給や輸血などの薬液を収容し、薬液注入装置1からの指示に従って薬液を送出するポンプ手段と、送出する薬液の流量を計測し、計測結果を薬液注入装置1にフィードバックする機能を有するものであって、薬液を収容する薬液収容部21、薬液を送り出す送液部22、バッファタンク23、流量計測部24および薬液吐出口25が本体ケース26に包含されるように構成されている。好ましくは、薬剤名,流量(mL/h)の上限/下限値、注入量(mL)の上限/下限値等の情報を不揮発,書換え不可能に記憶し、患者名,患者ID等を書込み可能なICタグ29を含む。このICタグ29は、ICタグリーダー46からの信号を受け、ロジック部を所定のフローで動作させるプログラムが記憶され、コンピュータで読取り可能な記憶媒体であるRAM,EEPROM,ICタグリーダー46との送受信を行なうアンテナ部等を備えている。ICタグ29は、アンテナ部を含めて5mm×5mm、厚さ1.5mm程度の大きさである。なお、ICタグ29は、どのような周波数でもよいが、好ましくは13.56MHzの電磁波でICタグリーダー46との送受信可能になっている。
次に上述の薬液カートリッジ20の一実施例を説明する。図2において、薬液カートリッジ20は、患者に投与する化学療法剤、麻酔剤、栄養補給や輸血などの薬液を収容し、薬液注入装置1からの指示に従って薬液を送出するポンプ手段と、送出する薬液の流量を計測し、計測結果を薬液注入装置1にフィードバックする機能を有するものであって、薬液を収容する薬液収容部21、薬液を送り出す送液部22、バッファタンク23、流量計測部24および薬液吐出口25が本体ケース26に包含されるように構成されている。好ましくは、薬剤名,流量(mL/h)の上限/下限値、注入量(mL)の上限/下限値等の情報を不揮発,書換え不可能に記憶し、患者名,患者ID等を書込み可能なICタグ29を含む。このICタグ29は、ICタグリーダー46からの信号を受け、ロジック部を所定のフローで動作させるプログラムが記憶され、コンピュータで読取り可能な記憶媒体であるRAM,EEPROM,ICタグリーダー46との送受信を行なうアンテナ部等を備えている。ICタグ29は、アンテナ部を含めて5mm×5mm、厚さ1.5mm程度の大きさである。なお、ICタグ29は、どのような周波数でもよいが、好ましくは13.56MHzの電磁波でICタグリーダー46との送受信可能になっている。
前記本体ケース26の下面には、薬液注入装置1に着脱可能な係止部(不図示)と、薬液注入装置1に設けられている外部接続部(信号コネクタ)13と対応する位置に外部接続部(電気的接点)27が配設されている。
次に、薬液カートリッジ20の内部構造について、図3の模式図を用いて説明する。薬液を収容する薬液収容部21は、薬液流路の最上流部に配置されており、フィルター等を介して無菌的に大気と連通している大気連通部30を通して内部圧力が大気圧と同等に保持され得る。また、薬液収容部21の下流側には毛細管現象が発現し得る切り込み(不図示)が内壁に形成されている下方流通口31を介して、送液部22に連通していることにより薬液が送液部22に供給される。
送液部22は、少なくとも3つの後述する圧電ポンプ33を含むポンプ手段により薬液を送り出す機能を有し、これらの圧電ポンプ33は、送液部22の下流側に連通する一定容積をもったバッファタンク23に対して並列配置されている。また、バッファタンク23の下流側は、内径0.5〜3.0mmの管32になっており、管32に沿って流量計測部24が配設されている。また、流量計測部24の下流側には患者に留置される薬液投与カテーテル14や三方活栓(不図示)に係合可能な構造をした薬液吐出口25が設けられている。
[ 送液の原理 ]
次に、圧電ポンプ33の構造について、図4を用いて説明する。圧電ポンプ33は、セラミックス系または高分子系の電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電効果を有する材料を板状に成形し、その両面に電極を設けた圧電素子41を用いたポンプであり、圧電素子41が電圧を印加されることにより変位する特徴と、印加する電圧の正負により変位方向が反転する特徴を利用し、圧電素子41に電圧を正負交互に連続的に印加し、圧電素子41を振動させることで送液を行うポンプである。本実施例においては、柔軟性のある材料にて形成されたポンプ室40の1面を覆うように圧電素子41を設け、薬液の流れ方向を一方向に制御するためにポンプ室の吸入口42と吐出口43にそれぞれ逆止弁44a,44bを設けた構造である(図4(a))。圧電素子41が黒色矢印45aの方向に変位することにより、ポンプ室40に圧力が加わり、吸入口42に設けられた逆止弁44aが閉じ、吐出口43に設けられた逆止弁44bが開き、ポンプ室40の薬液が白色矢印で示すように吐出口43から下流に送り出される(図4(b))。次に、圧電素子41が黒色矢印45bの方向に変位することにより、吐出口43に設けられた逆止弁44bが閉じ、吸入口42に設けられた逆止弁44aが開くことで薬液が白色矢印で示すようにポンプ室40に導入される(図4(c))。図4(a),図4(b)に示す動作を繰り返すことにより薬液を吐出口43から設定された所定の流量(mL/h)で送出する。
次に、圧電ポンプ33の構造について、図4を用いて説明する。圧電ポンプ33は、セラミックス系または高分子系の電気エネルギーを機械エネルギーに変換する圧電効果を有する材料を板状に成形し、その両面に電極を設けた圧電素子41を用いたポンプであり、圧電素子41が電圧を印加されることにより変位する特徴と、印加する電圧の正負により変位方向が反転する特徴を利用し、圧電素子41に電圧を正負交互に連続的に印加し、圧電素子41を振動させることで送液を行うポンプである。本実施例においては、柔軟性のある材料にて形成されたポンプ室40の1面を覆うように圧電素子41を設け、薬液の流れ方向を一方向に制御するためにポンプ室の吸入口42と吐出口43にそれぞれ逆止弁44a,44bを設けた構造である(図4(a))。圧電素子41が黒色矢印45aの方向に変位することにより、ポンプ室40に圧力が加わり、吸入口42に設けられた逆止弁44aが閉じ、吐出口43に設けられた逆止弁44bが開き、ポンプ室40の薬液が白色矢印で示すように吐出口43から下流に送り出される(図4(b))。次に、圧電素子41が黒色矢印45bの方向に変位することにより、吐出口43に設けられた逆止弁44bが閉じ、吸入口42に設けられた逆止弁44aが開くことで薬液が白色矢印で示すようにポンプ室40に導入される(図4(c))。図4(a),図4(b)に示す動作を繰り返すことにより薬液を吐出口43から設定された所定の流量(mL/h)で送出する。
圧電ポンプ33は、上述したような構造で送液を行なうため、圧電素子41の振動の影響により薬液の流れに脈動が発生する。そこで、本実施例においては、脈動を抑えるバッファタンク23を送液部22の下流側に設けることに加えて、少なくとも3つの圧電ポンプ33を並列配置し、かつ後述する制御手法により送液することにより脈動を極小にしている。
尚、本実施例においては、送液手段として圧電素子を用いた圧電ポンプについてのみ説明したが、圧電素子のかわりに電歪ポリマー、導電性ポリマーに代表される高分子材料や、形状記憶合金等の電気エネルギーを機械エネルギーに変換するその他の材料を利用することも可能であることは言うまでもない。
[ 送液制御方法 ]
次に、脈動を抑えることを可能にする送液制御の手法について説明する。本実施例において説明している圧電ポンプ33は、圧電素子41の振動によるポンプ室40の容積変化によって、薬液の吸入及び吐出を行うため、吐出される薬液は、図5に示す正弦曲線(サインカーブ)の上半分に似たような流れとなり、その面積が送液量(吐出量)であり、脈動が発生している。なお、横軸は時間軸である。
次に、脈動を抑えることを可能にする送液制御の手法について説明する。本実施例において説明している圧電ポンプ33は、圧電素子41の振動によるポンプ室40の容積変化によって、薬液の吸入及び吐出を行うため、吐出される薬液は、図5に示す正弦曲線(サインカーブ)の上半分に似たような流れとなり、その面積が送液量(吐出量)であり、脈動が発生している。なお、横軸は時間軸である。
そこで、本実施例においては、少なくとも3つの圧電ポンプ33を並列配置し、各圧電ポンプ33より吐出される流量の和が常に一定になるように位相をずらして制御することで、図6に示すように脈動を大幅に軽減することを実現し、さらに圧電ポンプ33の下流側にバッファタンク23を設けることにより、高濃度の薬剤を1mL/h以下の微小流量でほぼ無脈動に近い送液を実現する。なお、横軸は時間軸である。
[ 流量計測の原理 ]
次に、流量計測部24の一実施例について説明する。流量計測部24は管32に密着するように発熱エレメント34と2つの温度センサー35が配置されており、発熱エレメント34により管32内部の液体(薬液)が熱せられる。このとき、管32内に液体流量が存在するとき熱伝達の対称性が妨げられ、その非対称性を温度センサー35により測定することにより、液体質量流量が測定される。
次に、流量計測部24の一実施例について説明する。流量計測部24は管32に密着するように発熱エレメント34と2つの温度センサー35が配置されており、発熱エレメント34により管32内部の液体(薬液)が熱せられる。このとき、管32内に液体流量が存在するとき熱伝達の対称性が妨げられ、その非対称性を温度センサー35により測定することにより、液体質量流量が測定される。
尚、本実施例においては、流量計測手段として熱伝達の原理を利用したもののみ説明したが、液体の流れによる物理力や、ドップラー効果、コリオリ力などを利用することも可能であることはいうまでもない。
1 薬剤注入装置、20 薬剤カートリッジ、24 流量計測部、33 圧電ポンプ、44a,4
4b 逆止弁
4b 逆止弁
Claims (8)
- 患者に投与される薬液を収容する薬液収容部と、
前記薬液収容部に連通された送液手段と、
前記送液手段に連通されたバッファタンク部と、
前記送液手段により送出された薬液の流量を計測する流量計測手段と、
前記送液手段と前記流量計測手段を外部より制御するための電気的接点と、で構成されることを特徴とする薬液カートリッジ。 - 前記送液手段は電気信号を機械エネルギーに変換する圧電素子と、薬液吸入側および薬液吐出側に夫々薬液の逆流を妨げる弁体を有する薬液圧力室からなり、前記圧電素子が印加される駆動電圧により変位することを利用して前記薬液圧力室を加圧することで前記薬液圧力室から薬液が吐出される圧電ポンプであって、少なくとも3つの前記圧電ポンプが前記バッファタンク部に対して並列配置されていることを特徴とする、請求項1記載の薬液カートリッジ。
- 前記薬液収容部は、大気に連通された大気連通部と、薬液を充填するための薬液充填口と、を備えることを特徴とする、請求項1記載の薬液カートリッジ。
- 前記薬液収容部は、柔軟な樹脂材料からなる袋状収容部であり、薬液残量に合わせて自在に変形可能であることを特徴とする、請求項1記載の薬液カートリッジ。
- 前記薬液収容部と前記送液手段とを連通する領域において、毛細管力が発現する切り込みが形成されていることを特徴とする、請求項1記載の薬液カートリッジ。
- 前記流量計測手段は、薬液の流れにともなう物理力を利用する方式、熱を利用する方式、光を利用する方式、磁気を利用する方式、音を利用する方式であることを特徴とする、請求項1記載の薬液カートリッジ。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の薬液カートリッジを着脱自在に装着可能な装着部と、
前記薬液カートリッジが装着されたときに前記電気的接点と相対する位置にある圧接型のコネクタ部と、
薬液注入流量等の各種設定を行なう設定手段と、
設定された薬液注入流量をもとに前記薬液カートリッジを制御する制御手段と、を備える薬液注入装置であって、
前記コネクタ部および前記電気的接点を介して前記圧電素子を制御することで、前記薬液カートリッジから薬液を吐出させ、患者に薬液を注入することを特徴とする薬液注入装置。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の薬液カートリッジを着脱自在に装着可能な装着部と、
前記薬液カートリッジが装着されたときに前記電気的接点と相対する位置にある圧接型のコネクタ部と、
薬液注入流量等の各種設定を行なう設定手段と、
設定された薬液注入流量に前記コネクタ部を介して前記薬液カートリッジから得られる薬液流量情報をフィードバックし、前記薬液カートリッジを制御する制御手段と、を備える薬液注入装置であって、
前記コネクタ部および前記電気的接点を介して前記圧電素子を制御することで、前記薬液カートリッジから薬液を吐出させ、患者に薬液を注入することを特徴とする薬液注入装置。
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- 2007-08-30 JP JP2007223426A patent/JP2009055958A/ja active Pending
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