JP2009055453A - デジタル放送受信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】放送信号がフェージング等の伝送路歪みの影響を受ける環境下においても、放送信号を高精度にシンボル判定し、より正確に伝送路歪みを補償することが可能なデジタル放送受信装置を提供する。
【解決手段】合成部17からの合成信号を、シンボル判定部19でシンボル判定する。この際、シンボル判定部19には、補償部16−1〜16−nで伝送路歪みを補償した複素ベースバンドデジタル信号が、選択部18により選択されて出力される。そして、シンボル判定の際、合成信号のみではシンボル判定できない場合、選択部18から出力される複素ベースバンドデジタル信号を参照し、合成信号と複素ベースバンドデジタル信号との多数決によりシンボル判定する。
【選択図】 図1
【解決手段】合成部17からの合成信号を、シンボル判定部19でシンボル判定する。この際、シンボル判定部19には、補償部16−1〜16−nで伝送路歪みを補償した複素ベースバンドデジタル信号が、選択部18により選択されて出力される。そして、シンボル判定の際、合成信号のみではシンボル判定できない場合、選択部18から出力される複素ベースバンドデジタル信号を参照し、合成信号と複素ベースバンドデジタル信号との多数決によりシンボル判定する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、例えば地上デジタル放送システムにおいて放送信号を中継伝送するデジタル放送中継装置に用いられるデジタル放送受信装置に関する。
地上デジタル放送システムでは、放送サービスエリアの拡大および難視聴地域の解消を目的として、多数の中継装置を所定のエリアに分散配置し、各中継装置にてOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)方式による放送波信号を多段中継する方式が採用されている。このシステムにおいて放送信号を中継する際、マルチパスやマルチパスフェージング等の伝送路歪みの影響により、中継装置が基地局からの放送信号を正確に中継できない場合がある。これは、伝送路歪みにより、基地局からの放送信号のCN(Carrier to Noise)比が劣化し、中継装置における受信装置が基地局からの放送信号を正確に受信できなくなることに起因する。そこで、FIR(Finite Impulse Response:FIR)フィルタによるマルチパスの抑圧機能(例えば、特許文献1参照。)や、ダイバーシチによるマルチパスフェージングの抑圧機能(例えば、特許文献2参照。)を備えた受信装置が提案されている。
ところで、受信装置で受信される放送信号のさらなる特性改善方法として、シンボル判定がある。シンボル判定では、基地局における放送信号のコンスタレーション、つまり伝送路歪みの影響を受ける前のコンスタレーションと、受信装置で受信された放送信号、つまり伝送路歪みの影響を受けた後の放送信号とを比較することにより、伝送路歪みの影響を修正する。このため、シンボル判定は、地上デジタル放送システムにおいて伝送路歪みを補償するのに有効な手段であるといえる。
しかしながら、従来の受信装置に用いられるシンボル判定では、放送信号の被判定シンボルがコンスタレーションの未確定領域に位置する場合、コンスタレーションを正確に確定することができない場合があった。
特開2002−158632号公報
特開2002−330112号公報
以上のように、シンボル判定は、地上デジタル放送システムにおいて伝送路歪みを補償するのに有効な手段であるが、放送信号の被判定シンボルがコンスタレーションの未確定領域に位置する場合、正確に伝送路歪みを補償できない場合があった。
この発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、放送信号がフェージング等の伝送路歪みの影響を受ける環境下においても、放送信号を高精度にシンボル判定することができ、これによってより正確に伝送路歪みを補償することが可能なデジタル放送受信装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係るデジタル放送受信装置は、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)方式の放送信号を互いに独立して受信する複数系統の受信手段と、前記複数系統の受信手段で受信された放送信号それぞれを、複素ベースバンドデジタル信号に変換する複数の変換手段と、前記複数の変換手段それぞれから出力される前記複素ベースバンドデジタル信号を高速フーリエ変換(First Fourier Transform:FFT)することで、サブキャリア毎の複素ベースバンドデジタル信号に変換する複数のFFT部と、前記複数のFFT部それぞれから出力される前記複素ベースバンドデジタル信号の伝送路歪みを補償する複数の補償部と、前記複数の補償部それぞれの出力をダイバーシチ合成し、この結果得られる合成信号を出力する合成部と、前記複数の補償部それぞれから出力される前記複数系統の複素ベースバンドデジタル信号のうち、当該信号の受信電力が規定の閾値を超えるものを選択的に出力する選択部と、前記合成信号を前記放送信号のシンボルマッピングに用いられるコンスタレーションとの比較によってシンボル判定するもので、当該シンボル判定で被判定シンボルの位置がコンスタレーションの位置を確定できない未確定領域にある場合、前記選択部で選択された複素ベースバンドデジタル信号の対応シンボル位置を参照して多数決により前記被判定シンボルのコンスタレーションの位置を確定するシンボル判定部とを具備する。
上記構成によるデジタル放送受信装置では、合成信号のみではコンスタレーションの位置を確定できない場合、選択部から選択的に出力される信号を参照し、合成信号と選択部からの信号とを用いた多数決によりコンスタレーションの位置を確定する。これにより、合成信号と受信電力特性のよい信号との多数決によってコンスタレーションの位置を確定することができるため、伝送路歪みをより正確に補償することが可能となる。
この発明によれば、放送信号がフェージング等の伝送路歪みの影響を受ける環境下においても、放送信号を高精度にシンボル判定することができ、これによってより正確に伝送路歪みを補償することが可能なデジタル放送受信装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタル放送受信装置を用いたデジタル放送中継装置の機能構成を示すブロック図である。なお、本実施形態では、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation:QAM)方式で変調された放送信号を、直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)方式により伝送する場合を例に説明する。
図1に示すデジタル放送中継装置において、デジタル放送受信装置10は、受信アンテナ11−1〜11−nと、受信部12−1〜12−nと、アナログ−デジタル変換部(A/D)13−1〜13−nと、直交復調部14−1〜14−nと、FFT(Fast Fourier Transform:FFT)部15−1〜15−nと、補償部16−1〜16−nと、合成部17と、選択部18と、シンボル判定部19とを備える。
OFDM方式の放送信号は、受信アンテナ11−1〜11−nで互いに独立して受信される。受信された放送信号は、受信部12−1〜12−nでRF(Radio Frequency)帯の信号からIF(Intermediate Frequency)帯の信号に変換され、アナログ−デジタル変換部13−1〜13−nでデジタル信号に変換され、直交復調部14−1〜14−nで複素ベースバンドデジタル信号に変換される。
FFT部15−1〜15−Nは、複素ベースバンドデジタル信号を高速フーリエ変換することで、サブキャリア毎の複素ベースバンドデジタル信号に変換する。
補償部16−1〜16−nは、信号に挿入されているパイロット信号であるSP(Scattered Pilot)信号及びCP(Continual Pilot)信号を用いることにより、複素ベースバンドデジタル信号のマルチパスによる伝送路歪みを補償する。
合成部17は、伝送路歪みが補償された複素ベースバンド信号を、各信号間で同期を取った後、サブキャリア単位でダイバーシチ合成する。ここでのダイバーシチ合成のアルゴリズムには、等利得合成、最大比合成等が用いられる。
選択部18は、規定の電力値を予め閾値として設定している。そして、補償部16−1〜16−nからの複素ベースバンドデジタル信号を受け取り、これらの信号のうち、受信電力が閾値を超える信号のみを選択的に出力する。
シンボル判定部19は、合成信号を放送信号のシンボルマッピングに用いられるコンスタレーションとの比較によってシンボル判定する。
図2は、本発明の一実施形態に係るシンボル判定部19によるシンボル判定の手順を示したフローチャートである。また、図3は、本発明の一実施形態に係るシンボル判定部19におけるコンスタレーションを示す模式図である。なお、図3における太線は未確定領域を示す。
まず、シンボル判定部19は、合成信号をシンボル判定する(ステップS1)。そして、合成信号の被判定シンボルの位置がコンスタレーションの位置を確定できない未確定領域にあるか否かを判断する(ステップS2)。合成信号の被判定シンボルが図3のaに位置する場合、つまり、被判定シンボルの位置が未確定領域にない場合(ステップS2のNo)、ユークリッド距離の最も近いコンスタレーションは(1,1)であることが明白であり、合成信号のコンスタレーションの位置を(1,1)に確定する(ステップS3)。
合成信号の被判定シンボルが図3のbに位置する場合、つまり、被判定シンボルの位置が未確定領域にある場合(ステップS2のYes)、ユークリッド距離の最も近いコンスタレーションは(−1,−1)と(−3,−1)とのいずれかであり、合成信号のコンスタレーションの位置は確定しない。そこで、シンボル判定部19は、選択部18から出力される複素ベースバンドデジタル信号の対応シンボル位置を参照する(ステップS4)。
ここで、受信電力が閾値以上となる信号が3つ有り、選択部18から出力された信号の対応シンボルが、図3のc1、c2、c3に示される位置にあったとする。この場合、被判定シンボルb、対応シンボルc1〜c3の位置からコンスタレーションを多数決で判定し(ステップS5)、コンスタレーションを(−1,−1)に確定する(ステップS6)。
シンボル判定部19は、以上のようにシンボル判定を行い、シンボル判定された複素ベースバンドデジタル信号をパイロット挿入部21に出力する。
デジタル放送受信装置10から出力された複素ベースバンドデジタル信号は、パイロット挿入部21でパイロット信号が挿入され、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:IFFT)部22で周波数軸の信号から時間軸の信号に戻される。時間軸の信号に戻された複素ベースバンドデジタル信号は、直交変調部23で直交変調され、デジタル−アナログ変換部(D/A)24でアナログIF信号に変換され、送信部25で所定のRF帯のRF信号に周波数変換される。所定のRF帯のRF信号は、チャンネルフィルタ(CH−FIL)26を通過して送信アンテナ27から再送信される。
以上のように、上記実施形態では、補償部16−1〜16−nでパイロット信号を用いて伝送路歪みを補償した複素ベースバンドデジタル信号を、選択部18でその受信電力に基づいて選択的に出力する。そして、シンボル判定の際、合成信号のみではシンボル判定できない場合、選択部18から出力される複素ベースバンドデジタル信号を参照し、合成信号と複素ベースバンドデジタル信号との多数決によりシンボル判定する。これにより、合成信号の判定により送信された放送信号を一意的に推定できない場合でも、合成信号に使われた各ブランチの信号のうち、信頼性の高い複数個の信号を参照し、多数決判定により放送信号を推定することができるので、推定精度を向上することが可能となる。
したがって、デジタル放送中継装置において、フェージングによる受信波の等化エラーを小さくすることが可能である等、伝送路歪みを補償できる。その結果、放送信号を正確に中継することが可能なデジタル放送中継装置を提供することができる。これにより、放送信号がフェージング等の伝送路歪みの影響を受ける環境下においても、放送信号をシンボル判定することでより正確に伝送路歪みを補償することが可能なデジタル放送受信装置を提供することができる。
なお、この発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、16QAM方式で変調された放送信号のシンボル判定を行う例について説明しているが、変調方式は16QAMに制限されず、例えば、QPSKでも64QAMでも同様に実施可能である。図4は、放送信号の変調方式がQPSKのときのコンスタレーションの一例を示し、図5は、放送信号の変調方式が64QAMのときのコンスタレーションの一例を示す。
また、上記実施形態では、受信電力が閾値を超える複素ベースバンドデジタル信号が3つある例について説明しているが、この個数は3つに制限されず、1つ以上が存在する場合であれば同様に実施可能である。
さらに、この発明は、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10…デジタル放送受信装置、11−1〜11−n…受信アンテナ、12−1〜12−n…受信部、13−1〜13−n…A/D、14−1〜14−n…直交復調部、15−1〜15−n…FFT部、16−1〜16−n…補償部、17…合成部、18…選択部、19…シンボル判定部、21…パイロット挿入部、22…IFFT部、23…直交変調部、24…D/A、25…送信部、26…CH−FIL、27…送信アンテナ。
Claims (3)
- 直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:OFDM)方式の放送信号を互いに独立して受信する複数系統の受信手段と、
前記複数系統の受信手段で受信された放送信号それぞれを、複素ベースバンドデジタル信号に変換する複数の変換手段と、
前記複数の変換手段それぞれから出力される前記複素ベースバンドデジタル信号を高速フーリエ変換(First Fourier Transform:FFT)することで、サブキャリア毎の複素ベースバンドデジタル信号に変換する複数のFFT部と、
前記複数のFFT部それぞれから出力される前記複素ベースバンドデジタル信号の伝送路歪みを補償する複数の補償部と、
前記複数の補償部それぞれの出力をダイバーシチ合成し、この結果得られる合成信号を出力する合成部と、
前記複数の補償部それぞれから出力される前記複数系統の複素ベースバンドデジタル信号のうち、当該信号の受信電力が規定の閾値を超えるものを選択的に出力する選択部と、
前記合成信号を前記放送信号のシンボルマッピングに用いられるコンスタレーションとの比較によってシンボル判定するもので、当該シンボル判定で被判定シンボルの位置がコンスタレーションの位置を確定できない未確定領域にある場合、前記選択部で選択された複素ベースバンドデジタル信号の対応シンボル位置を参照して多数決により前記被判定シンボルのコンスタレーションの位置を確定するシンボル判定部と
を具備することを特徴とするデジタル放送受信装置。 - 前記補償部は、前記複素ベースバンドデジタル信号に挿入されるパイロット信号を用いて前記伝送路歪みを補償することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
- 前記合成部は、前記複素ベースバンドデジタル信号を当該信号のサブキャリア単位でダイバーシチ合成することを特徴とする請求項1に記載のデジタル放送受信装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007221495A JP2009055453A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | デジタル放送受信装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007221495A JP2009055453A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | デジタル放送受信装置 |
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JP2007221495A Pending JP2009055453A (ja) | 2007-08-28 | 2007-08-28 | デジタル放送受信装置 |
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Cited By (2)
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EP2228094A1 (en) | 2009-03-09 | 2010-09-15 | Terumo Kabushiki Kaisha | A guide wire |
JP2012114601A (ja) * | 2010-11-24 | 2012-06-14 | Nec Corp | ダイバーシティ受信装置、ダイバーシティ受信システム及びそれらに用いるダイバーシティ受信方法 |
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2007
- 2007-08-28 JP JP2007221495A patent/JP2009055453A/ja active Pending
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