JP2008160579A - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基地局からの送信信号の歪みを低減しつつ、複数の基地局が同一のブロードキャスト信号を送信する環境においても端末において高い受信性能を得る。
【解決手段】複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成し、第1〜第kのグループに対して第1〜第kのウェイトを設定し、前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成し、前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算し、前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成し、前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択し、選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する。
【選択図】図4
【解決手段】複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成し、第1〜第kのグループに対して第1〜第kのウェイトを設定し、前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成し、前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算し、前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成し、前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択し、選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する。
【選択図】図4
Description
本発明は、無線通信装置および無線通信方法に関し、例えばマルチキャリア信号の送信装置に関する。
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)通信における一つの課題として、平均信号電力に対するピーク信号電力の値が大きくなり、アナログ部においてピーク部分の信号を増幅しきれず、ピーク抑圧や位相回転といった信号波形の歪みを生じるという問題がある。そこで、OFDM通信において、平均信号電力に対するピーク電力の比、つまり、PAPR(Peak-to-Average Power Ratio)を削減する方法として、いくつかの方法が知られている。非特許文献1が示す方法は、OFDM信号を形成するサブキャリアをいくつかのブロックに分割し、PAPRが小さくなるようなウェイトを各ブロックについて求める。そして、求めたウェイトを各々のブロックに乗じることにより(同じブロック内のサブキャリアには同じウェイトが乗じられる)、低いPAPRの信号を生成する。この方法はPTS(Partial Transmit Sequence)と呼ばれる方法である。
L. J. Cimini and N. R. Sollenberger, "Peak-to-average power ratio reduction of an OFDM signal using partial transmit sequences," IEEE communication letter, vol. 4, no. 3, pp. 86 - 88 (2000-03)
L. J. Cimini and N. R. Sollenberger, "Peak-to-average power ratio reduction of an OFDM signal using partial transmit sequences," IEEE communication letter, vol. 4, no. 3, pp. 86 - 88 (2000-03)
一方、複数の基地局が同一のブロードキャスト信号を送信するOFDMシステムにおいて、通信性能を向上させる手段として、本件出願人の先願に係る特願2006−7918号に示すグループスクランブルと呼ばれる方法がある。この方法では、サブキャリアをグループ化するとともに、基地局で異なるウェイトをグループに対して乗じる。すると受信信号において、グループ間の伝送路応答が不連続となり、複数のグループに渡るバースト誤りが生じにくくなる。バースト誤りは誤り生成符号化の効果を著しく劣化させる要因であることから、グループスクランブリングによりバースト性を解消することで、受信性能を向上させることができる。
ここで、同一のブロードキャスト信号を複数の基地局が送信する状況において、各基地局の送信信号へ上記PTSを適用することを考える。PTSにおいて用いられる、各グループに乗じられるウェイトは、送信信号のPAPRが最小になるようなウェイトである。従って、各基地局が同一のブロードキャスト信号を送信する場合は、PAPRが最小になるようなウェイトは、すべての基地局で同一となってしまう。上述のようにグループスクランブリングの効果は、各基地局が異なるウェイトを利用することで初めて得ることができる。したがって複数の基地局がブロードキャスト信号を送信する場合にPTSを用いると、グループスクランブリングのような高い受信性能は得られないことが分かる。
以上のように、従来においてはPTSを用いた場合、複数の基地局が同一のブロードキャスト信号を送信する環境においては高い受信性能を得ることができない問題があった。一方、グループスクラングリングを用いた場合、複数の基地局が同一のブロードキャスト信号を送信する環境において、高い受信性能を得ることができるものの、送信信号のPAPRが高くなり、アナログ部において送信信号が歪んでしまう問題があった。
本発明は、基地局からの送信信号の歪みを低減しつつ、複数の基地局が同一のブロードキャスト信号を送信する環境においても端末において高い受信性能を得ることを可能とした無線通信装置(基地局)および無線通信方法を提供する。
本発明の一態様としての無線通信装置は、
複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにそれぞれデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成するサブキャリア信号生成手段と、
第1〜第k(kはnより小さい整数)のグループに対して第1〜第kのウェイトを設定するウェイト設定手段と、
前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成する生成手段と、
前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算するウェイト乗算手段と、
前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成するOFDM変調手段と、
前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択する選択手段と、
選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する送信手段と、
を備えた無線通信装置。
複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにそれぞれデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成するサブキャリア信号生成手段と、
第1〜第k(kはnより小さい整数)のグループに対して第1〜第kのウェイトを設定するウェイト設定手段と、
前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成する生成手段と、
前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算するウェイト乗算手段と、
前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成するOFDM変調手段と、
前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択する選択手段と、
選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する送信手段と、
を備えた無線通信装置。
本発明の一態様としての無線通信方法は、
複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにそれぞれデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成し、
第1〜第k(kはnより小さい整数)のグループに対して第1〜第kのウェイトを設定し、
前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成し、
前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算し、
前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成し、
前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択し、
選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する、
ことを特徴とする。
複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにそれぞれデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成し、
第1〜第k(kはnより小さい整数)のグループに対して第1〜第kのウェイトを設定し、
前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成し、
前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算し、
前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成し、
前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択し、
選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する、
ことを特徴とする。
本発明により、基地局からの送信信号の歪みを低減しつつ、複数の基地局が同一のブロードキャスト信号を送信する環境においても端末において高い受信性能を得ることができる。
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す。無線通信システム100は、基地局(無線通信装置)105及び106と端末101〜104とから構成される。端末101、102は、基地局105からの無線信号が届く範囲、つまりセル108に位置している。基地局105から各端末101、102への無線信号伝送を下りリンク110と呼ぶこととする。同様に基地局106により構成されるセル109も存在する。セル109には端末101、103、及び104が含まれ、端末101は基地局105及び基地局106の双方の信号を受信できる。基地局106から各端末101、103、104への無線信号伝送を下りリンク111と呼ぶこととする。
図1は、本発明の実施の形態に係る無線通信システムの構成を示す。無線通信システム100は、基地局(無線通信装置)105及び106と端末101〜104とから構成される。端末101、102は、基地局105からの無線信号が届く範囲、つまりセル108に位置している。基地局105から各端末101、102への無線信号伝送を下りリンク110と呼ぶこととする。同様に基地局106により構成されるセル109も存在する。セル109には端末101、103、及び104が含まれ、端末101は基地局105及び基地局106の双方の信号を受信できる。基地局106から各端末101、103、104への無線信号伝送を下りリンク111と呼ぶこととする。
図2は、本発明の実施の形態に係る下りリンクのサブキャリア配置の例を示す。図2に示すようにN本のサブキャリアが直交周波数分割多重されており、各々K本(ここでは4本)のサブキャリアからなるM個のサブキャリアグループ(第1〜第Mサブキャリアグループ)に分割されている。これらのサブキャリアグループに対して複数の端末、ユーザ、あるいは回線が割り当てられる。サブキャリアは周波数の低い方から順に、第1サブキャリア、第2サブキャリア・・・第Nサブキャリアと呼ばれる。サブキャリアグループも同様に周波数の低い方から順に、第1サブキャリアグループ、第2サブキャリアグループ・・・第Mサブキャリアグループと呼ばれる。ただし、サブキャリアグループの呼び方は必ずしも周波数の低い順に第1〜第Mとする必要はなく、ここでは説明の簡単のため、そのようにしているだけである。例えば周波数の高い順に第1サブキャリアグループ、第2サブキャリアグループ、第3サブキャリアグループ・・・と呼ぶようにしてもよい。
図3に示すように、一つのサブキャリアグループには、2本のパイロットサブキャリアがサブキャリアグループ内の両端に配置され、これら2本のパイロットサブキャリアの間に2本のデータサブキャリアが配置される。第iサブキャリアグループにおいては、第[k×(i-1)+1]サブキャリアと、第[k×i]サブキャリアがパイロットサブキャリアとなる。
図4は基地局における送信機の構成を示す図である。送信機は、送信データ生成部11、変調部12、シリアルパラレル変換部(S/P)13、ウェイト乗算部14、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)部15、スイッチ部16、無線送信部17、送信アンテナ18、PAPR計測部19、最適ウェイト設定部20、及び定数ウェイト設定部21からなる。送信データ生成部11、変調部12、シリアルパラレル変換部(S/P)13の集合は、例えばサブキャリア信号生成手段に相当する。最適ウェイト設定手段は、例えば生成手段および選択手段に相当する。
送信データ生成部11では、送信機から受信機へ送る送信データを生成する。送信データは、変調部12へ送られ、一次変調を受ける。ここでの変調と例えばBPSK、QPSK、16QAM、64QAMなどの従来から用いられている一般的なシングルキャリア変調方式である。一次変調された信号は、シリアルパラレル変換部13へ入力される。シリアルパラレル変換部13では、一次変調された信号をバッファリングし、サブキャリア数だけバッファされたところで、全てを同時に出力する。
シリアルパラレル変換部13から出力された各サブキャリアの信号は、ウェイト乗算部14へ入力される。ウェイト乗算部14では、シリアルパラレル変換部13から出力された各サブキャリアの信号に対して、後述する最適ウェイト設定部20及び定数ウェイト設定部21から入力されるウェイトを乗じる。ウェイトが乗じられた信号は、IFFT部15へ入力されてOFDM変調を受け、ベースバンド信号(OFDM信号)に変換される。
ベースバンド信号は、スイッチ部16を介して、無線送信部17またはPAPR計測部19のいずれかに送られる。このスイッチ部16の制御は、後述する最適ウェイト設定部20が行なう。ベースバンド信号が無線送信部17へ送られた場合は、無線送信部17においてベースバンド信号が無線信号に変換されて、送信アンテナ18から送信される。
一方、ベースバンド信号がPAPR計測部19に送られた場合は、PAPR計測部19がベースバンド信号の平均電力及びピーク電力を求め、その比率(ピーク電力/平均電力)であるPAPRを求める。得られたPAPRは最適ウェイト設定部20へと送られる。
定数ウェイト設定部21は、逆高速フーリエ変換が施される前の各サブキャリアのうち、一部のサブキャリアに乗じるべきウェイトを設定する。一部のサブキャリアとは、例えば全N本のサブキャリアのうち、第(N/2+1)から第NキャリアまでのN/2本とする。より詳細には、定数ウェイト設定部21では、複数のサブキャリアグループ(第1〜第Mサブキャリアグループ)のうち、一部のサブキャリアグループ(第(M/2+1)〜第Mサブキャリアグループ)に対して乗じるウェイト(第(M/2+1)〜第Mウェイト)を設定する。すなわちウェイトはサブキャリアグループ単位で設定される。同一のサブキャリアグループに属する各サブキャリアには同一のウェイトが乗じられる。定数ウェイト設定部21では、後述の最適ウェイト設定部20とは無関係に、常に各サブキャリアグループに対して一定のウェイトを出力する。これらのウェイトは、予め無線通信装置(基地局)に対して設定されたものであり、異なる基地局間、あるいは近接する基地局間では異なる系列となるものとする。定数ウェイト設定部21により設定されるウェイトは定数ウェイトと称される場合もある。
最適ウェイト設定部20では、逆高速フーリエ変換が施される前の各サブキャリアのうち、一部のサブキャリアに対して乗じるウェイトを設定する。一部のサブキャリアとは本例では全N本のサブキャリアのうち、第1から第N/2キャリアまでのN/2本とする。より詳細には、最適ウェイト設定部20では、複数のサブキャリアグループ(第1〜第Mサブキャリアグループ)のうち、一部のサブキャリアグループ(第1〜第M/2サブキャリアグループ)に対して乗じるウェイト(第1〜第M/2ウェイト)を設定する。ウェイトはサブキャリアグループ単位で求められ、同一のサブキャリアグループに属するサブキャリアには同一のウェイトが乗ぜられる。最適ウェイト設定部20は一度ウェイトを設定した後は、PAPR測定部19から新しいPAPRが入力される度に、新たにウェイトを設定する。新たにウェイトを設定する目的は、PAPRが最小となるようなウェイトの組み合わせを見出すことである。つまり、最適ウェイト設定部20は、一部のサブキャリアグループに設定したウェイトと、そのウェイトを乗じた結果として得られるベースバンド信号のPAPRとの組を逐次記憶し、PAPRが最小となるウェイトを検出する。
ウェイトの設定方法は幾つかの方法が知られている。単純な方法として知られている方法は、ウェイトのとりうる値を例えば1と-1に限定し、各サブキャリアグループに対するウェイトの組み合わせを、毎回異なるものとする方法である。つまり、設定の度にこれまで用いたことの無いウェイトの組み合わせを設定する。すべての組み合わせを試した後に、得られたPAPRのうち、最も値が小さいものを探索し、その値が得られた際のウェイトの組み合わせを、最適ウェイトとして取得する。最適ウェイトが得られたら、最適ウェイト設定部20は、最適ウェイトをウェイト乗算部14へ送ると共に、スイッチ部16へ、IFFT部15からのベースバンド信号を無線送信部17へ送る指示、即ちウェイト設定完了通知を出す。なお、最適ウェイト設定部20は、ウェイト設定完了通知を送るまでの間は、IFFT部15からPAPR測定部19へとベースバンド信号が流れるように、スイッチ部16に指示を送る。最適ウェイト設定部20により最終的に設定(選択)されるウェイトは最適ウェイトと称される場合もある。
上記説明ではPAPRが最小となるウェイトを検出することとしたが、この代わりに、PAPRが第1の閾値以下となるウェイトを検出するようにしてもよい。この場合、第1の閾値以下となるウェイトが得られた時点で処理を終了し、このときのウェイトを採用するようにしてもよい。
図5は、ウェイト乗算部14の詳細な構成を示す。ウェイト乗算部14へは、シリアルパラレル変換部13からの第1〜第Nサブキャリアの信号と、最適ウェイト設定部20からの第1〜第M/2サブキャリアグループに対するウェイトと、定数ウェイト設定部21からの第(M/2+1)〜第Mサブキャリアグループに対するウェイトとが入力される。第1〜第M/2サブキャリアグループに含まれるサブキャリア信号に対しては最適ウェイト設定部20により設定される第1〜第M/2ウェイトがグループ乗算器22(1)〜22(M/2)において乗じられる。また第(M/2+1)〜第Mサブキャリアグループに含まれるサブキャリア信号に対しては定数ウェイト設定部21により設定された第(M/2+1)〜第Mウェイトがグループ乗算器22(M/2)〜22(M)において乗じられる。サブキャリア信号およびウェイトは複素数であり、乗算により各サブキャリアの振幅および位相が変化させられる。
なお、比較のために従来のPTSを用いた送信機の構成を図22に示す。PTSでは基本的に全サブキャリアのウェイトを最適ウェイト設定部110にて求め、全サブキャリアの振幅および位相をウェイト乗算部104により操作する。従って、送信機におけるウェイト乗算部104の構成は図23のようになる。
以下、図4の送信機の動作について詳細に説明する。
図6は送信機の動作を説明するためのフローチャートである。具体例として、図7に示すように、サブキャリア数Nは32とし、4個のサブキャリアが1個のサブキャリアグループを形成するものとする。従ってサブキャリアグループは、周波数の低い方から順に、第1〜第8サブキャリアグループとなる。また、各サブキャリアグループに乗じられるウェイトを、W1〜W8とする。ウェイトは如何なる値をとることも可能であるが、本例では、QPSK変調を構成する4つの信号点に対応する複素数のいずれかが用いられるものとする。W1〜W8のうち、W1〜W4は最適ウェイト設定部20が設定するウェイト、そしてW5〜W8は定数ウェイト設定部21が設定するウェイトであるとする。
送信データ生成部11によって生成されたユーザデータが変調部12により変調され、変調後の信号はシリアルパラレル変換部13によってシリアルからパラレルに変換される(S11)。
次いで、定数ウェイト設定部21が、定数ウェイトであるW5〜W8を設定する(S12)。この4つの定数ウェイトの組み合わせは基地局間で極力異なることが望ましい。従って本実施の形態ではW5〜W8に対して、QPSKの4つの信号点の中から、ランダムな点に対応する複素数を設定する。この設定は、図6のフローチャート上ではシリアルパラレル変換部13がパラレル信号を出力した後に行っているが、必ずしも出力の度に定数ウェイト設定部が設定を行う必要は無く、数回に1回であっても、送信機の起動時に1回のみであっても構わない。但し、後続の最適ウェイト設定部20に処理が移るより前には定数ウェイトが設定されている必要がある。
最適ウェイト設定部20は、上述したように、ウェイトW1〜W4の取りうる値の全ての組み合わせを順次生成し、各組み合わせに対して測定されたPAPRを記憶する。従ってまずは、最適ウェイト設定部20は、試していないウェイトの組み合わせが存在するかどうか検査する(S13)。現時点はシリアルパラレル変換部13からパラレル出力が得られた直後でありこれから各組み合わせを試験し始める段階なので、PAPRを測定していないウェイトの組み合わせが存在すると判断される(S13のNO)。
最適化ウェイト設定部20は、未だいずれのW1〜W4も試していないので、これまで試していないウェイトW1〜W4に設定する複素数として、QPSK変調に用いられる4つの信号点の中から任意の値を設定する(S14)。
次に、最適ウェイト設定部20が設定したW1〜W4と、定数数ウェイト設定部21が設定したW5〜W8を、ウェイト乗算部14にてシリアルパラレル変換部13からの出力信号に対して乗じ(S15)、さらにIFFT部15において逆高速フーリエ変換する(S16)。得られたOFDMの波形信号はスイッチ部16を経てPAPR計測部19へ入力されて、PAPRが計算されると共に、得られたPAPRは最適ウェイト設定部20へ送られ、記憶される(S17)。
続いて再度全てのウェイトの組み合わせを試したかどうかを判定し(S13)、まだPAPRを測定していないW1〜W4の組み合わせがあることから(S13のNO)、最適ウェイト設定部20により新たな組み合わせを設定し(S14)、ウェイト乗算からPAPR値の記憶までを行う(S15〜S17)。以上を、すべてのウェイトw1〜w4の組み合わせを試しつくしたと判定されるまで繰り返す。
全てのウェイトW1〜W4の組み合わせを試した後は(S13のYES)、最適ウェイト設定部に記憶されているPAPRのうち最小のものを探索し、これに対応するウェイトW1〜W4をウェイト乗算部14に与える(S18)。
そしてウェイト乗算部14は、最適ウェイト設定部20から与えられたウェイトW1〜W4と、定数ウェイト設定部21により設定されるウェイトW5〜W8とを、シリアルパラレル変換部13から出力される第1〜第8サブキャリアグループのサブキャリア信号へ乗じ(S19)、さらにIFFT部15において逆高速フーリエ変換する(S20)。そして逆高速フーリエ変換により得られるOFDM信号を無線送信部17において無線信号に変換して、アンテナ18から送信する(S21)。
図8は、図4の無線送信部17の構成例を示す。本構成は、スーパーヘテロダイン送信機における一般的な構成である。
IFFT部15からスイッチ部16を介して入力されたベースバンドディジタル信号(複素数信号)は、DA(Digital Analog)コンバータ41において同相成分と直交成分に分解され、それぞれアナログ信号へ変換される。この時、DAコンバータ41に入力される信号のPAPRが高いと送信信号が歪んだり、消費電力が大きくなったりするなどの問題が生じる。すなわち、入力信号のPAPRが高い場合、DAコンバータ41の入力が飽和しないようにすると、出力のアナログ信号の平均電力が相対的に小さくなる。このため後段のパワーアンプ50などにより大幅に増幅する必要が生じ、結果として、送信信号が歪んだり、消費電力が大きくなったりするなどの問題が発生することとなる。この点、本実施の形態では、最適ウェイト設定部20において算出された最適ウェイトをサブキャリア信号に乗じることによりPAPRの小さいベースバンド信号が生成されるためこのような問題は可及的に低減される。
続くローパスフィルタ42、43にて、DAコンバータ41により生じる高調波を切り落とし、さらに発信器51が生成するIF(Intermediate Frequency)周波数(中間周波数)にて、ミキサ44、45が90度位相器52を用いて直交変調を行なう。ミキサ44、45の出力信号は合成された後、ドライバアンプ47へと入力される。ドライバアンプ47の出力信号は、続くミキサ48にて、発信器53が生成する無線周波数(RF:Radio Frequency)へ変換される。そして帯域外への輻射を抑えるためのバンドパスフィルタ49を経てから、パワーアンプ50により増幅されて、アンテナ18から送信される。ドライバアンプ47およびパワーアンプ50は、高レベルの信号が入力されると、利得が飽和してしまい、出力信号が歪む原因となる。歪みを抑えるためには、消費電流を増やさなければならず、従って、ドライバアンプ47およびパワーアンプ50の入力信号のPAPRは低いことが望まれる。この点、本実施の形態では、上述のように最適ウェイト設定部20において算出された最適ウェイトをサブキャリア信号に乗じることによりPAPRの小さいベースバンド信号が生成されるため結果としてこのような問題も可及的に低減される。
図9は、端末における受信機の構成を示す。受信機として、本件出願人の先願に係る特願2006−7918号に示す受信機をそのまま利用できる。図8に示す受信機は、受信アンテナ31、無線受信部32、FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)部33、歪み推定部34、歪み補正部35、パラレルシリアル変換部(P/S部)36、復調部37、及び受信データ再生部38からなる。
受信アンテナ31から入力された無線信号は、無線受信部32へと入力される。無線受信部32では、無線信号からベースバンドの信号への変換を行なう。得られたベースバンド信号はFFT部33へと送られる。FFT部33では、ベースバンド信号に対して高速フーリエ変換処理を施し、各サブキャリアの信号を取り出す。取り出された各サブキャリアの信号は、歪み推定部34および歪み補正部35へ送られる。
歪み推定部34では、受信したパイロットサブキャリア信号から、伝送路応答を推定する。伝送路応答の推定(伝送路推定)の仕組みを図10を用いて説明する。伝送路応答はサブキャリアグループ内で閉じて求められる。直接伝送路応答を求めることができるのは、既知信号が送信されているパイロットサブキャリアのみであるが、サブキャリアグループ内であれば、伝送路の周波数応答の変化は緩やかであることから、パイロットサブキャリアの伝送路応答の推定値を用いて、データサブキャリアの伝送路応答推定値も求めることができる。本実施の形態では、サブキャリアグループの両端にパイロットサブキャリアが配置されており、図10では、第4m-3サブキャリアと第4mサブキャリアがパイロットサブキャリアである。このパイロットサブキャリアは既知信号であるため、基地局が送信したであろうパイロット信号と、伝送路により変形した後に受信したパイロット信号との差を求めることにより、伝送路において受けた変形を推定することができる。また、サブキャリアグループ内のパイロットサブキャリアに挟まれたデータサブキャリアの伝送路応答は、パイロットサブキャリアによる伝送路推定値を内挿補間することにより求めることができる。図10では、第4m-2及び第4m-1サブキャリアの伝送路推定値は、第4m-3及び第4mサブキャリアにおける伝送路推定値を内挿補間することにより得る。この様子を図11に示す。補間には線形1次補間やスプライン補間などを用いることができることが知られている。得られた伝送路応答の逆変換が歪み補正信号となる。得られた歪み補正信号は歪み補正部35へ送られる。
歪み補正部35では、FFT部33で得られた各サブキャリア信号に対し、歪み推定部34から得た各サブキャリアの歪み補正信号を乗じる。歪み補正信号は、伝送路において受けたと思われる歪みの逆応答であることから、この乗算処理により、各サブキャリアの伝送路歪みを補正することができる。伝送路補正された信号は、パラレルシリアル変換部36を介して、復調部37へ送られる。復調部37では、一次変調、つまりBPSK、QPSK、16QAM、64QAMといった、送信機で用いられた変調方式に対応する復調方式を用いて復調する。復調によって得られたデータ系列は受信データ再生部38へ送られ、ユーザデータが取り出される。
以上に述べた伝送路推定処理で得られた伝送路推定値は、伝送路にて受けたひずみと、基地局における送信機において乗じたウェイトとを含んでいる。すなわち、送信側で利用したパイロット信号に対し、送信側でウェイトが乗じられ、さらに伝送路歪みが乗じられた上で受信機に信号が到来する。しかも到来する信号は1つの基地局のみならず、複数の基地局から到来し、受信アンテナ端にて混合されたものとなる。従って受信した各サブキャリアの信号と、送信側でウェイトを乗じる前の信号とでは、著しく形状が異なっている場合がある。しかし同じサブキャリアグループ内では等しいウェイトが乗じられており伝送路歪みの差は僅かであることから、パイロット信号が受けた変形の分だけデータサブキャリアの歪みを戻す、あるいはパイロット信号の振幅および位相を基準にデータサブキャリア信号を復調すれば、正しいユーザデータを取り出すことが可能である。これは複数の基地局から信号が送信されていても同様である。
以上のように、本実施の形態では、最適ウェイトを乗じるサブキャリアを半分のサブキャリアに限定し、さらに残りのサブキャリアに対しては定数ウェイトを乗じている。しかも定数ウェイトは基地局間で異なるものとしており、さらに各基地局間で定数ウェイトが異なる状態にて最適ウェイトが求められるため、基地局間で最適ウェイトが異なる可能性も高い。従って、送信信号の歪みを低減しつつも、グループスクランブルの効果を得ることができる。
ここでグループスクランブルおよびその効果について説明する。
図12〜図14は、グループスクランブルを用いない場合の基地局105及び基地局106と、端末101との間の通信を示す。
基地局105及び基地局106は、各サブキャリアにおいて同一の信号を送信するものとし、ここでは、隣接する4サブキャリア(第pサブキャリア〜第p+3サブキャリア)の送信信号を示している。
図12および図13に示すように、基地局105と端末101の間の下りリンク110の伝送路応答と、基地局106と端末101の間の下りリンク111の伝送路応答とは、異なるものである。また一般的に、OFDMシンボル長に比べ、伝送路のインパルス応答の長さ、あるいは遅延スプレッド長は短いことから、各伝送路におけるサブキャリア方向(p→p+3の方向あるいはこの逆)の応答の変化は、比較的小さなものとなる。従って図12および図13では各サブキャリアの伝送路応答の一般性を失わない一例として、サブキャリア間では比較的類似した応答値を記してある。また、図12および図13では、基地局105と端末101の間の下りリンク110の伝送路応答と、基地局106と端末101の間の下りリンク111の伝送路応答とでは、位相が180度近くずれている状態を示してある。
基地局105及び106から送信された同一の送信信号は、それぞれ異なる伝送路応答の伝送路を経て、端末101へ到達する。下りリンク110及び下りリンク111を経たそれぞれの信号が図12および図13の最下段に示されており、双方の下りリンクの間で伝送路の位相が180度近くずれているため、送信時に同一の信号であったものが、端末の受信時には180度近くずれてしまっていることが判る。
これらの信号は、端末101の受信アンテナ端では、加算された信号として受信される。位相が180度近くずれているため、基地局105、106からの信号は互いに弱めあう結果となる。すなわち、図14の最下段に示されるように、端末101が受信する隣接する4つのサブキャリアの信号は送信時よりも小さなものとなってしまう。従ってビット誤りを引き起こし、受信性能を劣化させることとなる。
図15〜図17は、グループスクランブルを用いた場合の基地局105及び基地局106と、端末101との間の通信を示す。なお図15は図12と同じである。
グループスクランブルを用いた場合と用いない場合との大きな違いは、図16に示されるように、基地局106の送信の際に、各サブキャリアにスクランブル(ウェイト)を乗じていることである。4本のサブキャリア(第pサブキャリア〜第p+3サブキャリア)は2つのサブキャリアグループA、Bへ分割されており、各サブキャリアグループには、互いに異なるスクランブル(ウェイト)が乗じられている。ここでは、一例として、サブキャリアグループAには1が乗じられ、サブキャリアグループBには−1が乗じられている。
このため、基地局106から下りリンク111を経て端末101へ到達する信号のうちサブキャリアグループBの信号の位相は、グループスクランブルを用いない場合と比べて、反転する。
端末101のアンテナ端では基地局105からの信号と、基地局106からの信号とが加算され、この結果、図17の最下段に示すように、サブキャリアグループAの信号については図14の場合と同様に小さな信号となるが、サブキャリアグループBの信号については、ほぼ同位相にて加算され、互いに強めあい、大きな信号が得られる。
よってサブキャリアグループAの信号には誤りが多く発生するが、サブキャリアグループBの信号では誤りが発生する可能性が低い。誤り訂正符号化を仮定したシステムでは、一部の信号に誤りを生じても訂正可能であることから、4つのサブキャリア全てが誤りやすいグループスクランブルを用いない場合(図12〜図14)に比べ、2つのサブキャリアでは誤りが発生しにくいグループスクランブルを用いた場合(図15〜図17)の方が、高い性能を得ることができる。
なお、図12〜図14及び図15〜図17では、4つのサブキャリア(第p〜第p+3サブキャリア)のうち、両端のサブキャリアをパイロットサブキャリアとしている。このパイロットサブキャリアは、基地局および端末間で既知な信号である。従って端末では、基地局から送信されたであろうパイロットサブキャリアと、実際に受信したパイロットサブキャリアとを比較することで、伝送路にて如何なる歪みを受けたかを知ることができる。グループスクランブリングにおいては、基地局が送信信号に加えるスクランブル(ウェイト)も伝送路の歪みと見なすことで、端末はスクランブル系列を知らなくても、受信パイロットサブキャリアを用いてデータを復調することが可能となる。つまり図17の例では、第pサブキャリアに配置されたパイロット信号の位相と振幅を基準に、第p+1サブキャリアのデータを復調することができる。また第p+3サブキャリアに配置されたパイロット信号を基準に、第p+2サブキャリアのデータを復調することができる。
図18は、本実施の形態の効果を説明する図である。より詳細には、一部のサブキャリアグループのウェイトをプリセットし、他のサブキャリアグループのみウェイトを最適化したときの、PAPRを測定したものである。512個のサブキャリアから成るOFDM信号を対象としており、32個のサブキャリアを1個のサブキャリアグループとした。即ち、16個のサブキャリアグループ(図18ではブロックと呼んでいる)が形成された上で、各サブキャリアグループにウェイトを乗じた際のPAPRを測定した。16個のグループのうち、1個のサブキャリアグループのウェイトのみを固定した上でウェイトを最適化すると8.0dBのPAPRが得られている。約半分の7個のサブキャリアグループのウェイトを固定すると、8.4dBが得られる。また15個のサブキャリアグループのウェイトを固定すると、9.9dBが得られる。以上より、約半分(7個)のサブキャリアグループのウェイトを固定しても、PAPRの劣化はさほど大きくないことがわかる。約半数のサブキャリアグループのウェイトを最適化することで、逆に15個のサブキャリアグループのウェイトを固定した場合に比べ約1.5dBのPAPR改善が図れることが分かる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、サブキャリアグループが8個、各サブキャリアグループに対するウェイトがW1〜W8であったとすると、W1〜W4が最適ウェイト、そしてW5〜W8が定数ウェイトに割り当てられていた。しかしこの割り当ては、基地局間で異なっていても良い。この例を図19に示す。
第1の実施の形態では、サブキャリアグループが8個、各サブキャリアグループに対するウェイトがW1〜W8であったとすると、W1〜W4が最適ウェイト、そしてW5〜W8が定数ウェイトに割り当てられていた。しかしこの割り当ては、基地局間で異なっていても良い。この例を図19に示す。
図19では、基地局105のウェイトの割り当てとして、W1〜W4を最適ウェイト、そしてW5〜W8を定数ウェイトとしている。また基地局106のウェイトの割り当てとして、インデックス番号が偶数のW2、W4、W6、W8を最適ウェイト、そしてインデックス番号が奇数のW1、W3、W5、W7を定数ウェイトとしている。
要するに、定数ウェイトを乗ずるサブキャリアグループと最適ウェイトを乗ずるサブキャリアグループの周波数軸上での配置が基地局105と基地局106とで異なっている。
第1の実施の形態では定数ウェイトに乱数を用いることで、ウェイト最適化後のw1〜w8の組み合わせを基地局間で異なるようにしたが、本実施の形態のように、最適ウェイトと定数ウェイトの位置を異ならせることでも、同様にウェイトの組み合わせを変えることができる。このとき、各定数ウェイトは任意の値を取ることができる。例えばQPSK変調に利用される4つの信号点の中からランダムに選択できる。
(第3の実施の形態)
第1および第2の実施の形態ではウェイトの半数は定数ウェイトとしたため、PAPRを下げるために用いる最適ウェイトの個数も全体の半分であった。従って、PAPRを下げるためにウェイト全てを最適ウェイトとして最適化した場合にくらべ、結果として得られる送信信号のPAPRは高いものとなってしまう。基本的に最適ウェイトの数が多いほどPAPRが下がる傾向がある。そこで、本実施の形態では、所望のPAPRに合わせて最適ウェイトの個数を変化させる。
第1および第2の実施の形態ではウェイトの半数は定数ウェイトとしたため、PAPRを下げるために用いる最適ウェイトの個数も全体の半分であった。従って、PAPRを下げるためにウェイト全てを最適ウェイトとして最適化した場合にくらべ、結果として得られる送信信号のPAPRは高いものとなってしまう。基本的に最適ウェイトの数が多いほどPAPRが下がる傾向がある。そこで、本実施の形態では、所望のPAPRに合わせて最適ウェイトの個数を変化させる。
図20は本実施の形態を説明するフローチャートである。
最適ウェイト設定部には、送信信号として許容できる最大のPAPRであるPAPR0(第2の閾値)が設定されているものとする。
最初、最適ウェイトはW1のみであり、W2〜W8は定数ウェイトとなっているものとする(S01)。すなわち最適ウェイトの個数Noptを1に設定する。図21の左に示す状態がこれに相当する。
定数ウェイト設定部21は、複素数の乱数を8−Nopt個生成し、WNopt+1〜W8として出力する(S02)。
最適ウェイト設定部20は、この状態で第1および2の実施の形態で示したようにしてPAPRが最小となる最適ウェイトの探索を行なう(S03)。この結果、PAPRが最小となるウェイトの組み合わせをW1〜WNoptとして取得し、またこのときのPAPRを記憶する(S04)。
最適ウェイト設定部20は、得られたPAPRと予め設定されたPAPR0とを比較し(S05)、得られたPAPRの方が小さければ(S05のYES)、ウェイト乗算部14が、得られたウェイトW1〜W8を各々対応するサブキャリアグループに乗じる(S09)。そして、これにより得られた各サブキャリア信号をIFFT部15、スイッチ部16、無線送信部17を介してアンテナ18から送信する(S09)。
もし得られたPAPRがPAPR0以上であれば(S05のNO)、最適ウェイトの数Noptをインクリメントする(S06)。ここでは最適ウェイトをW1のみから、W1及びW2の2個に増やすものとする。図21の間中に示す状態がこれに相当する。
Noptが予め決められた上限値X以下であるかどうかを検査し(S07)、上限値Xより大きい場合は(S07のNO)、送信エラーとして処理を終了する(S08)。一方、Noptが上限値X以下である場合は(S07のYES)、上記と同様にしてPAPRが最小と成るウェイトの組み合わせ及びPAPRを求め、PAPR0と比較する(S02〜S05)。そしてPAPR0を下回っていれば(S05のYES)、そのときのウェイトW1〜W8を利用して送信を行い(S09)、PAPR0以上であれば(S05のNO)、さらに最適ウェイトの個数をインクリメントする(S06)。図21の右に示す状態がこれに相当する。
以上のように、送信信号のPAPRがPAPR0を下回るまで、あるいは最適ウェイトの個数Noptが、予め決められた数Xを超えるまで処理を継続する。上限値Xは、M-1を超えない範囲で任意に選択することができるが、少ない方がグループスクランブリングの効果を大きく得ることができる。
なお、本発明は上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
101〜104:端末
105、106:基地局
11:送信データ生成部
12:変調部
13:S/P部
14:ウェイト乗算部
15:IFFT部
16:スイッチ部
17:無線送信部
18:アンテナ
19:PAPR計測部
20:最適ウェイト設定部
21:定数ウェイト設定部
105、106:基地局
11:送信データ生成部
12:変調部
13:S/P部
14:ウェイト乗算部
15:IFFT部
16:スイッチ部
17:無線送信部
18:アンテナ
19:PAPR計測部
20:最適ウェイト設定部
21:定数ウェイト設定部
Claims (7)
- 複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにそれぞれデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成するサブキャリア信号生成手段と、
第1〜第k(kはnより小さい整数)のグループに対して第1〜第kのウェイトを設定するウェイト設定手段と、
前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成する生成手段と、
前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算するウェイト乗算手段と、
前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成するOFDM変調手段と、
前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択する選択手段と、
選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する送信手段と、
を備えた無線通信装置。 - 前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比を計算する計算手段をさらに備え、
前記選択手段は、前記計算手段による計算結果に基づき前記組を選択することを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。 - 前記ウェイト設定手段は、あらかじめ与えられた複数のウェイトの中からランダムに選択することにより前記1〜第kのグループに対する第1〜第kのウェイトを決定することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
- 前記ウェイト設定手段は、前記第1〜第kのウェイトとして他の無線通信装置と異なる値を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の無線通信装置。
- 前記第1〜第nのグループの周波数軸上での配置順序は、他の無線通信装置における第1〜第nのグループの周波数軸上での配置順序と異なることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の無線通信装置。
- 前記選択手段は、
前記kの値をx(xは1以上かつnより小さい整数)とし、
前記計算部により計算された前記比の最小値が第2の閾値未満であるかどうかを判定し、
前記第2の閾値以上である場合は、前記kをインクリメントし、
前記最小値が第2の閾値未満である場合、前記最小値が得られた前記組を選択する、
ことを特徴とする請求項2ないし5のいずれか一項に記載の無線通信装置。 - 複数のサブキャリアを第1〜第nのグループに分割し、前記第1〜第nのグループに属するサブキャリアにそれぞれデータをマッピングすることにより第1〜第nの複数のサブキャリア信号を生成し、
第1〜第k(kはnより小さい整数)のグループに対して第1〜第kのウェイトを設定し、
前記第k+1〜第nのグループに対して第k+1〜第nのウェイトの組を複数生成し、
前記組の各々ごとに前記第1〜第nの複数のサブキャリア信号に前記第1〜第nのウェイトを乗算し、
前記第1〜第nのウェイトが乗算された第1〜第nの複数のサブキャリア信号をOFDM変調することによりOFDM信号を生成し、
前記OFDM信号の平均電力に対するピーク電力の比が最小または第1の閾値以下になる組を選択し、
選択された前記組に対応するOFDM信号を送信する、
ことを特徴とする無線通信方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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