JP2009054994A - 圧電素子及び液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧電体膜を備えた圧電素子において、圧電性能及び動作安定性を高める。
【解決手段】圧電素子1は、基板11上に、第1の電極21と、第1の圧電体膜13と、第2の圧電体膜14と、第2の電極23とを順次有し、第1の圧電体膜13と第2の圧電体膜14との間に中間電極22を備える。第1の圧電体膜13及び第2の圧電体膜14の膜厚は10μm以下であり、第1の圧電体膜13及び第2の圧電体膜14の、基板11と反対側の表面及び/又は基板11側の表面の表面粗さRaは0.5μm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電素子及び圧電素子を用いた液体吐出装置に関するものである。
近年、微細加工技術の進展と相まって、半導体素子のみならず圧電素子に関しても小型化のニーズが高まっている。例えば、電界強度の増減に伴って伸縮する圧電性を有する圧電体と、圧電体に対して電界を印加する電極とを備えた圧電素子が、インクジェット式記録ヘッドに搭載されるアクチュエータ等として使用されている。インクジェット式記録ヘッドにおいて、より高画質化するためには圧電素子の高密度化が必要である。そのためには、加工精度の関係から、圧電素子に用いられる圧電体はできるだけ薄い方が好ましく、従って、膜厚の薄い圧電体膜を備え、且つ圧電性の良好な圧電素子が求められている。特に、高粘度のインクを吐出する用途に用いる場合等は、より高い圧電性能が要求される。
バルク焼結体の圧電体を備えた圧電素子では、2枚の圧電体により中間電極を挟持した構造を有するバイモルフ型の圧電素子が、既存の圧電材料を用いて圧電性能を高めることのできる圧電素子として利用されている。バイモルフ型圧電素子は、所定の電圧を印加することによりそれぞれの圧電体において電圧に比例した歪みを発生するため、圧電体が1枚である通常の圧電素子に比して大きな変位量を得ることができる。このようなバイモルフ型の圧電素子の薄型化においては、圧電性能の安定性や製造効率、信頼性の改善が必要とされている。
特許文献1には、下層圧電体層と上層圧電体層との間に駆動電極を設けたバイモルフ型の圧電素子を振動板の表面に形成された圧電アクチュエータにおいて、上層圧電体層の膜厚を下層圧電体層の膜厚より厚くした圧電アクチュエータが開示されており、圧電体層の層厚が約20μmのバイモルフ型の圧電素子を用いて得られた圧電アクチュエータにおいて、変形安定性が高められることが記載されている。また、この圧電素子において駆動電極を上層圧電体層で覆う構成にすることにより、空中放電を防止して短絡等による誤動作を防止して信頼性を向上させることが記載されている。
また、特許文献2には、側壁部を含む複数の面によって形成された複数の圧力室の一面を圧電体素子の振動面にて構成し、この圧電素子を振動させることにより圧力室内のインクの圧力を制御して圧力室に連続するノズルから外部にインクを吐出させるインクジェットヘッドの製造方法において、圧電素子が、駆動用内部電極が配置された板状の圧電体の積層体であるインクジェットヘッドの製造方法が開示されている。
特開2004−96069号公報 特開2002−205410号公報
特許文献1に記載の圧電アクチュエータにおいて、圧電素子の圧電体層は段落[0002]に記載されているように、焼結体を対象としており、[0022]には、電極まで形成した後に一括焼成することにより製造されることが記載されている。焼結体は、表面粗さが大きく特に特許文献1に記載の圧電体層のように、10μm程度の膜厚になると均一性のよい焼結体を得ることが難しく、また、焼結体の粒サイズは数μm程度あるため表面粗さは大きくなりやすい。
また特許文献2に記載の製造方法により得られる圧電体層も焼結体であり、同様に表面粗さが大きくなりやすい。
圧電体表面の表面粗さが大きい場合には、電界印加時に電極との接触点に電界集中を生じやすく、それにより圧電体が劣化して動作寿命や動作安定性が悪くなる恐れがある。特に膜厚が薄い場合は圧電体劣化による素子動作への影響が生じやすいため、表面粗さはできるだけ小さい値を有していることが好ましく、膜厚10μm以下においては算術平均表面粗さRaが0.5μm以下、好ましくは0.1μm以下、さらに好ましくは500nm以下である。従って、特許文献1に記載の圧電アクチュエータの圧電素子は、電圧印加により電界集中を生じやすく安定した圧電性能及び信頼性を提供できない恐れがある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、圧電体膜を備えた、圧電性能及び動作安定性の高い圧電素子を提供することを目的とするものである。
本発明の圧電素子は、基板上に、第1の電極と、第1の圧電体膜と、第2の圧電体膜と、第2の電極とを順次有し、第1の圧電体膜と第2の圧電体膜との間に中間電極を備えてなる圧電素子であって、第1の圧電体膜及び第2の圧電体膜の膜厚が10μm以下であり、第1の圧電体膜及び第2の圧電体膜の、前記基板と反対側の表面及び/又は前記基板側の表面の表面粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とするものである。
本明細書において、表面粗さRaとは、JIS B 0601-2001で示される算術平均表面粗さである。
本発明の圧電素子において、第1の圧電体膜及び第2の圧電体膜は、基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状結晶体からなる柱状構造膜からなることが好ましく、また、(100)配向又は(111)配向の結晶配向性を有することが好ましい。
また、第1の圧電体膜及び第2の圧電体膜は、気相成長法により成膜されたものであることが好ましい。
本発明の圧電素子において、第1の電極及び第2の電極は印加電圧が固定されるグランド電極であり、中間電極は印加電圧が変動されるアドレス電極であることが好ましい。
本発明の圧電アクチュエータは、本発明の圧電素子と、その圧電素子の前記第1の圧電体膜及び第2の圧電体膜に電界を印加して圧電素子を駆動する駆動ドライバとを備えたことを特徴とするものである。
本発明の圧電アクチュエータは、第1の圧電体膜の下層に、圧電素子を駆動することにより第1の圧電体膜及び第2の圧電体膜に生じる変位を外部に伝える振動板を備えてもよいし、第1の圧電体膜が、この振動板として機能するものであってもよい。
また本発明の圧電アクチュエータは、前記駆動ドライバの出力電圧を20V以下とすることができる。
本発明の液体吐出装置は、上記本発明の圧電アクチュエータと、その圧電アクチュエータの基板に一体的にまたは別体として設けられた液体吐出部材とを備え、この液体吐出部材が、液体が貯留される液体貯留室と、液体貯留室から外部に液体が吐出される液体吐出口とを有するものであることを特徴とするものである。
本発明の圧電素子は、膜厚が10μm以下の圧電体膜を用いたバイモルフ型の圧電素子であって、圧電体膜の表面の表面粗さRaが0.5μm以下のものである。かかる構成によれば、圧電体膜の電極との接触面の表面粗さRaが0.5μm以下と小さいため、電界印加時に電界集中を生じにくく、電界集中による圧電体の劣化を抑制することができる。従って、本発明によれば、膜厚が10μm以下の圧電体膜により圧電性能及び動作安定性の高い圧電素子を提供することができる。
また、気相成長法により成膜された圧電体膜を備えた構成では、圧電体膜の分極方向がasdepo状態において下部から上部に分極されているものが多い。本発明の圧電素子は、バイモルフ型であるため、中間電極をアドレス電極としてプラスドライバによりパラレル駆動させることが可能である。従って、圧電体膜に逆分極処理を施すことなく駆動させることができる。
「圧電素子、インクジェット式記録ヘッド」
図面を参照して本発明に係る実施形態の圧電素子及びインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造について説明する。図1は、インクジェット式記録ヘッドの要部断面図、図2は製造工程図である。視認しやすくするため、構成要素の縮尺は実際のものとは適宜異ならせてある。本実施形態では、中間電極をアドレス電極としてパラレル駆動により駆動させるバイモルフ型の圧電素子を例に説明する。
図1に示されるように、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)3は、概略、圧電アクチュエータ2の裏面に、インクが貯留されるインク室(液体貯留室)31及びインク室31から外部にインクが吐出されるインク吐出口(液体吐出口)32を有するインクノズル(液体貯留吐出部材)30が取り付けられたものである。
インクジェット式記録ヘッド3では、圧電素子1に印加する電界強度を増減させて圧電素子1を伸縮させ、これによってインク室31からのインクの吐出や吐出量の制御が行われる。
通常、圧電アクチュエータは圧電素子の基板の裏面に、圧電体層の伸縮により振動する振動板を設けた構成としているが、本実施形態では、振動板を設けずに圧電素子1に駆動ドライバ40を備えた構成としている。本実施形態の圧電素子1は、第1の圧電体膜13と第2の圧電体膜14の2枚の圧電体膜により構成されているので、下層の第1の圧電体膜13が振動板の機能を兼ねることができる。圧電体膜13に加えて、電極や基板11の一部(例えば、Si基板上に形成されたSi熱酸化膜やSi膜)が振動板機能を有していても構わない。
基板11とは独立した部材のインクノズル30を取り付ける代わりに、基板11の一部を加工して基板11と一体的にインクノズル30を設けた構成としてもよい。例えば、基板11を裏面側からエッチングしてインク室31を形成した後(図2(h))、インク吐出口32を取り付けることによりインクノズル30を形成することができる(図2(i))。例えば、基板11として表面に熱酸化膜(SiO膜)が形成されたSi基板を用いる場合は、SiO膜がエッチングストッパ層として機能して良好にエッチングすることができる。基板11のエッチングは、基板11の裏面にAl等の金属によりマスクを形成し、そのマスクを用いて行えばよい。
圧電素子1は、基板11の表面に、下部電極(第1の電極)21と第1の圧電体膜13と第2の圧電体膜14と上部電極(第2の電極)23とが順次積層された素子であり、第1の圧電体膜13と第2の圧電体膜14との間には中間電極22がパターン形成されている。
第1の圧電体膜13及び第2の圧電体膜14は、下部電極21と中間電極22と上部電極23とにより膜厚方向に電界が印加されるようになっている。圧電アクチュエータ2はたわみ振動モードのアクチュエータであるので、中間電極22はインク室31毎に駆動電圧を変動可能なように、各圧電体膜と共にパターニングされている。圧電アクチュエータ2には、中間電極22の印加電圧を変動させる駆動制御を行う駆動ドライバ40も備えられている。
本実施形態において、第1の圧電体膜13及び第2の圧電体膜14は、いずれも自発分極のマイナス側が下部電極21側であり、自発分極のプラス側が上部電極23側(=自発分極が上向き)であるパラレル型である。下部電極21及び上部電極23を印加電圧が固定されるグランド(GND)電極とし、中間電極22を印加電圧が変動されるアドレス電極とすることにより、パラレル駆動させることが可能である。
バイモルフ型ではない通常の圧電素子では、従来下部電極のパターニングが難しいため、下部電極をベタ膜構造としてパターニングを行わず、圧電体層及び上部電極を複数のインク室に応じた分離パターンとし、下部電極をグランド電極とし、上部電極をアドレス電極として駆動することが一般的である。
スパッタ法等の気相成長法により成膜された圧電体膜、特にPZT系圧電体膜は、組成や添加物の材料によっても異なるが、成膜直後の特段の分極処理を行わない状態で通常、自発分極が上向きとなりやすい。一方、駆動ドライバとしては、プラス電圧を印加するプラス出力ドライバが一般的であり、そのため、圧電体層の自発分極が下向き(自発分極のマイナス側が上部電極側であり、自発分極のプラス側が下部電極側)となるように逆分極処理を行い、上部電極をプラス出力ドライバで駆動することが一般になされている。
しかしながら逆分極処理は、圧電体が本来持っている圧電性能が充分に引き出されない恐れがある上、元々上向きの分極を有する圧電体膜に逆分極処理を行うことは非効率的である。
本実施形態の圧電素子1は、上記のように中間電極22をアドレス電極としてパラレル駆動が可能である。従って気相成長法により得られた上向きの自発分極を有する圧電体膜を、逆分極処理を施すことなく、かつ、プラス出力の駆動ドライバにより駆動可能とすることができる。
また、下部電極21はインク室31に近接して形成されているため、グランド電極であることが好ましい。下部電極21がアドレス電極であると、高周波電界をかけた場合にインク室31の周りに電界がかかりやすくインク室31内のインクが電気分解する恐れがある。かかる構成とすることにより、インクを変質させることなく駆動させることができる。
以下に、本実施形態の圧電素子1及び圧電アクチュエータ2の製造工程の一例を示す。
まず、基板11を用意し、基板11上に下部電極21、その上に第1の圧電体膜13を形成する(図2(a))。
基板11としては特に制限なく、シリコン,ガラス,ステンレス(SUS),イットリウム安定化ジルコニア(YSZ),SrTiO,アルミナ,サファイヤ,及びシリコンカーバイド等の基板が挙げられる。振動板を有する構成とする場合は、シリコン基板上にSiO膜とSi活性層とが順次積層された高価なSOI基板を用い、Si層を振動板とする構成が多いが、本実施形態では、振動板を必要としないためSOI基板を用いる必要がなく、また、あらたに振動板を設ける必要もないことから、小型化及び低コスト化ができ好ましい。
また、基板11を、格子整合性を良好にするためのバッファ層12を設けたものとしてもよい。例えば、熱酸化膜つきSi基板を用いれば、熱酸化膜がバッファ層12として機能し、格子不整合等による欠陥を抑制することができる。
下部電極21としては、特に制限なく、Au,Pt,Ir,IrO,RuO,LaNiO,及びSrRuO等の金属又は金属酸化物及びこれらの組み合わせ、また、Cr,W,Ti,Al,Fe,Mo,In,Sn,Ni,Cu,Co,Ta等の非貴金属及びこれらの合金からなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を主成分とするもの、及びこれらの組合せ等が挙げられる。
下部電極21の成膜方法は特に制限なく、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、イオンプレーティング法、及びプラズマCVD法等のプラズマを用いる気相成長法等が挙げられる。
下部電極21の厚みは特に制限ないが、厚すぎると電極自体に剛性を有して圧電体膜の変位を制限してしまう恐れがあるため、300nm以下であることが好ましい。
また、下部電極21を形成する前に、電極と基板との密着性を良好にするための密着層を設けても構わない。例えば、Si基板上にIr電極を形成する場合には、密着層としてはTi密着層を用いることができる。
第1の圧電体膜13としては特に制限なく、ペロブスカイト型酸化物からなるもの(不可避不純物を含んでいてもよい。)が挙げられ、下記一般式(P)で表される1種又は複数種のペロブスカイト型酸化物からなるものが好ましい。
一般式A・・・(P)
(式中、A:Aサイト元素であり、Pbを含む少なくとも1種の元素、
B:Bサイトの元素であり、Ti,Zr,V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Sc,Co,Cu,In,Sn,Ga,Zn,Cd,Fe及びNiからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素、
O:酸素元素。
a=1.0かつb=1.0である場合が標準であるが、これらの数値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1.0からずれてもよい。)
上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物としては、チタン酸鉛、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ジルコニウム酸鉛、チタン酸鉛ランタン、ジルコン酸チタン酸鉛ランタン、マグネシウムニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛、ニッケルニオブ酸ジルコニウムチタン酸鉛等の鉛含有化合物;
及び、チタン酸バリウム、チタン酸ビスマスナトリウム、チタン酸ビスマスカリウム、ニオブ酸ナトリウム、ニオブ酸カリウム、ニオブ酸リチウム等の非鉛含有化合物が挙げられる。
第1の圧電体膜13は、これら上記一般式(P)で表されるペロブスカイト型酸化物の混晶系であってもよい。
本発明は、下記一般式(P−1)で表されるPZT又はそのBサイト置換系、及びこれらの混晶系に好ましく適用できる。
Pb(Zrb1Tib2b3)O・・・(P−1)
(式(P−1)中、XはV族及びVI族の元素群より選ばれた少なくとも1種の金属元素である。a>0、b1>0、b2>0、b3≧0。a=1.0であり、かつb1+b2+b3=1.0である場合が標準であるが、これらの数値はペロブスカイト構造を取り得る範囲内で1.0からずれてもよい。)
圧電素子の小型化という点で、圧電体膜13の膜厚は薄い方が好ましく、本実施形態では10μm以下である。例えばピエゾ素子の用途では、実質上1μm以上5μm以下であることが好ましい。圧電体膜13の成膜方法は特に限定されないが、スパッタ法、イオンビームスパッタ法、イオンプレーティング法、及びプラズマCVD法等のプラズマを用いる気相成長法が好ましい。
膜厚が10μm以下の圧電体膜13は、例えばスクリーン印刷法によっても作製可能であるが、かかる膜厚の場合は、均一性が悪く、圧電体膜表面の表面粗さRaが大きくなりやすい。図3は、スクリーン印刷により作製された厚さ7μm程度のPZT焼結体を圧電体膜として用いたバイモルフ型の圧電素子の厚み方向のSEM像であり、図からもその均一性の悪さを確認することができる。
背景技術の項において述べたように、圧電体膜表面の表面粗さRaが大きい場合には、電界印加時に電極との接触点に電界集中を生じやすく、それにより圧電体が劣化して動作寿命や動作安定性が悪くなる恐れがある。特に膜厚が薄い場合は圧電体劣化による素子動作への影響が生じやすいため、表面粗さはできるだけ小さい値を有していることが好ましい。本実施形態において、圧電体膜13の基板11側の表面及び基板11と反対側の表面の両方の表面粗さができるだけ小さい値を有していることが好ましいが、少なくとも基板11と反対側の表面の表面粗さができるだけ小さい値を有していればよい。
圧電素子1は、膜厚を10μm以下としているので、表面粗さRaが0.5μm以下であれば動作特性に影響を与えるような電界集中を生じる恐れがない。気相成長法によって成膜された圧電体膜は、膜厚が10μm以下であっても高い均一性を有し、また表面粗さRaも0.5μm以下のものを容易に得ることが可能であるため好ましい。
圧電体膜では、自発分極軸のベクトル成分と電界印加方向とが一致するときに、電界印加強度の増減に伴う伸縮が効果的に起こり、電界誘起歪による圧電効果が効果的に得られる。したがって、第1の圧電体膜13としては自発分極軸方向のばらつきの少ない結晶配向膜が好ましい。
第1の圧電体膜13の結晶構造は特に制限なく、PZT系では、正方晶系、菱面体晶系、及びこれらの混晶系が挙げられる。例えば、MPB組成のPb1.3Zr0.52Ti0.48であれば、成膜条件によって、正方晶単晶構造、正方晶と菱面体晶との混晶構造、あるいは菱面体単晶構造が得られる。
本実施形態において、第1の圧電体膜13は、自発分極が上向きであることを述べた。逆分極処理は圧電性能を充分に引き出せない恐れがあるため、成膜直後の特段の分極処理を行わない状態で、圧電体層13は、自発分極が上向きであることが好ましい。
例えば、菱面体晶相を含む系(正方晶と菱面体晶との混晶系、あるいは菱面体晶系)であれば、第1の圧電体膜13は(100)配向又は(111)配向の結晶配向性を有することが好ましい。菱面体晶の自発分極軸方向は<111>であるため、(100)配向のときでも自発分極は上向きのベクトル成分を有することとなる。気相成長法により成膜された圧電体膜13は、ある成膜条件では基板面に対して略垂直方向に延びる多数の柱状結晶体からなる柱状構造膜となり、既に述べたように上向きの自発分極を有するものとなりやすく、好ましい。
次に、中間電極22をパターン形成する。中間電極22としては、上記下部電極21と同様のものが例示できるが、中間電極22はパターニング性の良好なものであることが好ましい。中間電極22のパターニング方法は制限されないが、本実施形態ではリフトオフ法により形成する。
まず電極材料を成膜する前に、中間電極22の非パターン形成領域に、リフトオフによって選択的に除去可能な犠牲層22sを転写成型法等によりパターン形成し(図2(b))、その上に中間電極22の構成材料を全面成膜(22x)した後(図2(c))、リフトオフにより犠牲層22s上の不要部分を除去して中間電極22を得る(図2(d))。
本実施形態において中間電極22の成膜方法は、下部電極21と同様の方法が挙げられる。気相成長法により成膜された中間電極22は、第1の圧電体膜13と同様、ある成膜条件では基板面に対して略垂直方向に延びる多数の柱状体からなる柱状構造膜となる。柱状構造膜は、リフトオフによるパターニングにおいて隣接する柱状体同士が機械的に分離されやすいため、柱状体の側面で切れやすい。従って、リフトオフ法により、切断面の形状が良好で均一性の高いパターニングをすることができる。
リフトオフは、熱処理により犠牲層22sを酸化して剥離する方法、あるいは犠牲層22sが可溶な有機溶剤により溶解させる方法等により実施することができる。リフトオフ条件は、犠牲層の構成材料に応じて適宜設計すればよい。
次に、第2の圧電体膜14を形成し(図2(e))、更に上部電極23をパターン形成した後(図2(f))、アクセスホール14hを形成して圧電素子1を得る。第2の圧電体膜14としては、第1の圧電体膜13と同様のものが挙げられ、好ましい膜厚や表面粗さ、成膜方法も第1の圧電体膜13と同様である。
上部電極23としては、中間電極22と同様のものが挙げられ、好ましい厚みや成膜方法も中間電極22と同様である。上部電極23は、所定の場所にパターン形成され、パターニング方法等は中間電極22と同様の方法が挙げられる。
アクセスホール14hは、第1の圧電体膜13を駆動させるために中間電極22への配線可能とするものであり、後記する上部電極23を形成した後、アクセスホール14hのエッチングパターンをフォトリソグラフィにより形成し、そのエッチングパターンを利用してウエットエッチング等により形成すればよい(図2(g))。
最後に、配線を施して駆動ドライバ40を設けて圧電アクチュエータ2とする。駆動ドライバ40は、プラス出力ドライバである。本実施形態では、圧電体膜13,14はいずれも上向きの分極方向を有しているパラレル型であり、抗電界を超えない範囲で駆動ドライバ40を駆動させて電界を印加させると、下部電極21と中間電極22との間には分極方向に対して逆方向の電界がかかるため、下層の第1の圧電体膜13は厚み方向に対して縮み、一方、上部電極23と中間電極22との間には、順方向の電界がかかるため、上層の第2の圧電体膜14は厚み方向に延びる。従って、圧電体素子1では、圧電体膜13,14の2層分の変位の合計の変位を得ることができる。
このように、圧電素子1は1層構造の圧電素子において得られる変位より大きな変位が得られるため、圧電素子1を備えた圧電アクチュエータ2は、駆動ドライバ40を安価な低電圧ドライバとすることができ、例えば、出力電圧が20V以下のドライバを用いても、高い圧電性能を得ることが可能である。出力電圧を低くすることができれば、圧電体膜の疲労を抑制し、耐久性も向上させることができる。
本実施形態の圧電素子1は、膜厚が10μm以下の圧電体膜13,14を用いたバイモルフ型の圧電素子であり、圧電体膜13及び14の表面の表面粗さRaが0.5μm以下のものである。かかる構成によれば、圧電体膜13,14の電極との接触面の表面粗さRaが0.5μm以下と小さいため、電界印加時に電界集中を生じにくく、電界集中による圧電体膜13,14の劣化を抑制することができる。従って、本発明によれば、膜厚が10μm以下の圧電体膜により圧電性能及び動作安定性の高い圧電素子1を提供することができる。
また、気相成長法により成膜された圧電体膜13,14を備えた構成では、圧電体膜13,14の分極方向がasdepo状態(as-deposited:成膜直後の状態)において下部から上部に分極されているものが多い。本実施形態の圧電素子1は、バイモルフ型であるため、中間電極22をアドレス電極としてプラスドライバによりパラレル駆動させることが可能である。従って、圧電体膜13,14に逆分極処理を施すことなく駆動させることができる。
「インクジェット式記録装置」
図4及び図5を参照して、上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3を備えたインクジェット式記録装置の構成例について説明する。図4は装置全体図であり、図5は部分上面図である。
図示するインクジェット式記録装置100は、インクの色ごとに設けられた複数のインクジェット式記録ヘッド(以下、単に「ヘッド」という)3K,3C,3M,3Yを有する印字部102と、各ヘッド3K,3C,3M,3Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部114と、記録紙116を供給する給紙部118と、記録紙116のカールを除去するデカール処理部120と、印字部102のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙116の平面性を保持しながら記録紙116を搬送する吸着ベルト搬送部122と、印字部102による印字結果を読み取る印字検出部124と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部126とから概略構成されている。
印字部102をなすヘッド3K,3C,3M,3Yが、各々上記実施形態のインクジェット式記録ヘッド3である。
デカール処理部120では、巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム130により記録紙116に熱が与えられて、デカール処理が実施される。
ロール紙を使用する装置では、図4のように、デカール処理部120の後段に裁断用のカッター128が設けられ、このカッターによってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター128は、記録紙116の搬送路幅以上の長さを有する固定刃128Aと、該固定刃128Aに沿って移動する丸刃128Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃128Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃128Bが配置される。カット紙を使用する装置では、カッター128は不要である。
デカール処理され、カットされた記録紙116は、吸着ベルト搬送部122へと送られる。吸着ベルト搬送部122は、ローラ131、132間に無端状のベルト133が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)となるよう構成されている。
ベルト133は、記録紙116の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(図示略)が形成されている。ローラ131、132間に掛け渡されたベルト133の内側において印字部102のノズル面及び印字検出部124のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ134が設けられており、この吸着チャンバ134をファン135で吸引して負圧にすることによってベルト133上の記録紙116が吸着保持される。
ベルト133が巻かれているローラ131、132の少なくとも一方にモータ(図示略)の動力が伝達されることにより、ベルト133は図4上の時計回り方向に駆動され、ベルト133上に保持された記録紙116は図4の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト133上にもインクが付着するので、ベルト133の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部136が設けられている。
吸着ベルト搬送部122により形成される用紙搬送路上において印字部102の上流側に、加熱ファン140が設けられている。加熱ファン140は、印字前の記録紙116に加熱空気を吹き付け、記録紙116を加熱する。印字直前に記録紙116を加熱しておくことにより、インクが着弾後に乾きやすくなる。
印字部102は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図5を参照)。各印字ヘッド3K,3C,3M,3Yは、インクジェット式記録装置100が対象とする最大サイズの記録紙116の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙116の送り方向に沿って上流側から、黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応したヘッド3K,3C,3M,3Yが配置されている。記録紙116を搬送しつつ各ヘッド3K,3C,3M,3Yからそれぞれ色インクを吐出することにより、記録紙116上にカラー画像が記録される。
印字検出部124は、印字部102の打滴結果を撮像するラインセンサ等からなり、ラインセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まり等の吐出不良を検出する。
印字検出部124の後段には、印字された画像面を乾燥させる加熱ファン等からなる後乾燥部142が設けられている。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けた方が好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部142の後段には、画像表面の光沢度を制御するために、加熱・加圧部144が設けられている。加熱・加圧部144では、画像面を加熱しながら、所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ145で画像面を加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして得られたプリント物は、排紙部126から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット式記録装置100では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部126A、126Bへと送るために排紙経路を切り替える選別手段(図示略)が設けられている。
大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列にプリントする場合には、カッター148を設けて、テスト印字の部分を切り離す構成とすればよい。
インクジェット記記録装置100は、以上のように構成されている。
「設計変更」
上記実施形態では、第1の圧電体膜13及び第2の圧電体膜14の分極方向が上向きであるパラレル駆動の圧電素子について説明したが、圧電体の分極方向及び駆動方法はこれに制限されない。例えば、図6に示されるように、中間電極22をGND電極とした構成とすることもできる。このように、下部電極、中間電極、上部電極に印加する電圧と圧電体の分極方向を選ぶことで適切な駆動方向を選ぶことが可能となる。
また、中間電極22等のパターニングをリフトオフ法により実施したが、フォトリソグラフィ法等を用いてもよい。フォトリソグラフィ法も用いる場合は、エッチング性が良好であり、ウエットエッチングにより容易にパターニングが可能であることが好ましい。かかる中間電極22としては、Fe及び/又はFe合金を主成分とするものが挙げられ、ステンレス(SUS)が特に好ましい。
また、上記実施形態では、第1の電極を下部電極とし、第2の電極を上部電極とした構成の圧電素子としたが、第1の電極を上部電極とし、第2の電極を下部電極としても構わない。
圧電アクチュエータ2において振動板を設けない構成としたが、振動板を設けた構成としてもよい。
本発明に係る実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)
熱酸化膜つきSi基板を用意し、スパッタ法によりTi密着層(膜厚10nm)、次いでIr下部電極(膜厚150nm)を基板温度150℃にて成膜した。次に、真空度0.5Pa、Ar/O混合雰囲気(O体積分率1.0%)、基板温度480℃、rfパワー500Wの条件下で、Pb1.3((Zr0.52Ti0.480.9Nb0.1)Oのターゲット(120φ)を用いて、膜厚5μmのNbドープPZT(以下、Nb−PZTとする)からなる第1の圧電体膜の成膜を行った。得られた膜のXRDパターンを図7に示す。図7に示されるように、得られた膜は(100)配向の結晶配向性を有する膜(配向度90%以上)であった。
このPZT膜の圧電定数d31を片持ち梁にて測定したところ、d31=250pm/Vであった。また、分極方向を調べたところ、自発分極のマイナス側が下部電極側であり、プラス側が上部電極側である分極方向を有していた。
次いで、得られた膜上の中間電極の非パターン形成部分に犠牲層としてリフトオフ用レジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ製、AZ-5214)を形成し、その上にTi密着層(膜厚10nm)Ir電極層(膜厚150nm)を基板温度120℃にて成膜した後、リフトオフ法にて不要部分を除去してIr中間電極を得た。
次に、第1の圧電体膜と同様に第2の圧電体膜を成膜し、中間電極と同様にリフトオフ法によりTi密着層及びIr上部電極をパターン形成した。上部電極のサイズは130×680μmとした。
最後に、Si基板の裏面に膜厚300nmのAl膜を形成してフォトリソグラフィ法によりパターニングしてインク室のパターニングマスクとし、RIE(リアクティブ・イオン・エッチング)により、Si基板を熱酸化膜に到達するまでエッチングしてインク室を形成し、更にインク吐出口を有するインクノズルとを形成して、180×720μmのダイアフラム構造のインクジェット式記録ヘッドを得た。
得られたインクジェット式記録ヘッドを、中間電極をアドレス電極、下部電極及び上部電極をグランド電極として、出力電圧16Vのプラス出力ドライバを用いて30KHzの矩形波を印加して駆動したところ、約200nmの変位が観測され、良好に駆動することが確認された。
(比較例1)
基板としてSOI基板を用いた以外は実施例1と同様にして下部電極及びNb−PZT膜を成膜し、この膜の上にTi密着層(膜厚10nm)及びIr上部電極(膜厚150nm)を実施例1の中間電極と同様にしてリフトオフ法によりパターン形成した。
更に実施例1と同様にしてSOI基板の裏面からRIEによりSiを振動板の厚みまでエッチングして180×720μmのダイアフラム構造のインクジェット式記録ヘッドを得た。
得られたインクジェット式記録ヘッドを、下部電極をアドレス電極、上部電極をグランド電極として、実施例1と同様の条件で駆動したところ、約120nmの変位が観測され、実施例1の60%程度の変位しか得られなかった。
本発明の圧電素子は、インクジェット式記録ヘッド,磁気記録再生ヘッド,MEMS(Micro Electro-Mechanical Systems)デバイス,マイクロポンプ,超音波探触子等に搭載される圧電アクチュエータ、及び振動板等に好ましく利用できる。
本発明に係る実施形態の圧電素子及びこれを備えたインクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)の構造を示す要部断面図 図1のインクジェット式記録ヘッドの製造工程を示す図 スクリーン印刷により作製された厚さ約7μmのPZT焼結体を用いて作製したバイモルフ型圧電素子の厚み方向SEM像 図1のインクジェット式記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置の構成例を示す図 図4のインクジェット式記録装置の部分上面図 中間電極をグランド電極とした場合のインクジェット式記録ヘッドの構成を示す図 実施例1のPZT−Nb膜のXRDパターン
符号の説明
1 圧電素子
2 圧電アクチュエータ
3,3K,3C,3M,3Y インクジェット式記録ヘッド(液体吐出装置)
21 下部電極(第1の電極)
13 第1の圧電体膜
14 第2の圧電体膜
22 中間電極
23 上部電極(第2の電極)
40 駆動ドライバ
30 インクノズル(液体貯留吐出部材)
31 インク室(液体貯留室)
32 インク吐出口(液体吐出口)
100 インクジェット式記録装置

Claims (10)

  1. 基板上に、第1の電極と、第1の圧電体膜と、第2の圧電体膜と、第2の電極とを順次有し、前記第1の圧電体膜と前記第2の圧電体膜との間に中間電極を備えてなる圧電素子であって、
    前記第1の圧電体膜及び前記第2の圧電体膜の膜厚が10μm以下であり、
    該第1の圧電体膜及び該第2の圧電体膜の、前記基板と反対側の表面及び/又は前記基板側の表面の表面粗さRaが0.5μm以下であることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記第1の圧電体膜及び第2の圧電体膜が、前記基板面に対して非平行方向に延びる多数の柱状結晶体からなる柱状構造膜からなることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記第1の圧電体膜及び/又は前記第2の圧電体膜が、(100)配向又は(111)配向の結晶配向性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子。
  4. 前記第1の圧電体膜及び前記第2の圧電体膜は気相成長法により成膜されたものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧電素子。
  5. 前記第1の電極及び前記第2の電極は印加電圧が固定されるグランド電極であり、前記中間電極は印加電圧が変動されるアドレス電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧電素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の圧電素子と、該圧電素子の前記第1の圧電体膜及び前記第2の圧電体膜に電界を印加して前記圧電素子を駆動する駆動ドライバとを備えたことを特徴とする圧電アクチュエータ。
  7. 前記第1の圧電体膜の下層に、前記圧電素子を駆動することにより前記第1の圧電体膜及び前記第2の圧電体膜に生じる変位を外部に伝える振動板を備えたことを特徴とする請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
  8. 前記第1の圧電体膜が、前記圧電素子を駆動することにより前記第1の圧電体膜及び前記第2の圧電体膜に生じる変位を外部に伝える振動板として機能するものであることを特徴とする請求項6に記載の圧電アクチュエータ。
  9. 前記駆動ドライバの出力電圧が20V以下であることを特徴とする請求項6〜8のいずれかに記載の圧電アクチュエータ。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の圧電アクチュエータと、
    該圧電アクチュエータの前記基板に一体的にまたは別体として設けられた液体吐出部材とを備え、
    該液体吐出部材は、液体が貯留される液体貯留室と、該液体貯留室から外部に前記液体が吐出される液体吐出口とを有するものであることを特徴とする液体吐出装置。
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