JP2009054601A - 燃料電池スタックおよび燃料電池スタックの運転方法 - Google Patents

燃料電池スタックおよび燃料電池スタックの運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で、各単位セルの発電性能を有効に向上させることを可能にする。
【解決手段】セルアセンブリ10は、第1および第2単位セル14、16を重ね合わせて構成されるとともに、前記第1および第2単位セル14、16は、第1および第2接合体18、20を備える。セルアセンブリ10内では、第1および第2単位セル14、16が互いに異なる構造に設定されている。
【選択図】図3

Description

本発明は、固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有する単位セルを備え、複数個の前記単位セルを重ね合わせてセルアセンブリを一体的に構成する固体高分子型セルアセンブリ、燃料電池スタックおよび燃料電池の運転方法に関する。
通常、固体高分子型燃料電池(PEFC)は、高分子イオン交換膜(陽イオン交換膜)からなる電解質膜を採用しており、この電解質膜の両側に、それぞれカーボンを主体とするアノード側電極およびカソード側電極を対設して構成される接合体(電解質・電極接合体)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより構成される単位セル(単位発電セル)を備えており、通常、この単位セルを所定数だけ積層して燃料電池スタックとして使用されている。
この種の燃料電池において、アノード側電極に供給された燃料ガス、例えば、主に水素を含有するガス(以下、水素含有ガスともいう)は、触媒電極上で水素がイオン化され、電解質を介してカソード側電極側へと移動する。その間に生じた電子が外部回路に取り出され、直流の電気エネルギとして利用される。なお、カソード側電極には、酸化剤ガス、例えば、主に酸素を含有するガスあるいは空気(以下、酸素含有ガスともいう)が供給されているために、このカソード側電極において、水素イオン、電子および酸素が反応して水が生成される。
ところで、燃料電池スタックでは、例えば、車載用として使用する際には、比較的大きな出力が要求されている。このため、単位セルの反応面(発電面)の寸法を大きく設定する構造や、多数個の前記単位セルを積層する構造等が採用されている(特許文献1参照)。
特開2000−30730号公報
しかしながら、単位セル自体の寸法を大きく設定すると、燃料電池スタック全体が大型化してしまい、車載用に適さないという問題が指摘されている。従って、通常、比較的コンパクトな単位セルを多数個積層した燃料電池スタックが使用されているが、積層個数が増加するのに伴って積層方向に温度分布が発生し易くなるとともに、電気化学反応により発生した生成水の排水性等が低下して所望の発電性能を得ることができないという不具合がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、簡単な構成で、各単位セルの発電性能を有効に向上させることができるとともに、小型化に適する固体高分子型セルアセンブリおよび燃料電池スタックを提供することを目的とする。
また、本発明は、単位セルを有効に発電させるとともに、排水性等の向上を図ることが可能な燃料電池の運転方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に係る固体高分子型セルアセンブリでは、固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有する単位セルを備え、複数個の前記単位セルを重ね合わせてセルアセンブリを一体的に構成するとともに、少なくとも2つの前記単位セルが互いに異なる構造に設定されている。このため、各単位セル毎に反応に最適な構造を採用することが可能になり、発電機能を有効に向上させることができる。
その際、少なくとも2個の単位セルに設けられ、燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方の反応ガスを流す反応ガス流路は、それぞれの流路断面積が異なっている(請求項2)。これにより、電気化学反応により反応ガス量が減少しても、各単位セルの反応面での反応が均一化される。
具体的には、それぞれの流路断面積は、それぞれ流路深さ、流路幅または流路本数の少なくとも1つが異なることにより設定される(請求項3)。流路深さが浅く設定されることにより、単位セルの薄肉化が図られ、セルアセンブリ全体の小型化が可能になる。流路幅を狭く設定したり、流路本数を減少させたりすると、各単位セル同士の接触面積が増加し、接触抵抗を低下させることができる。
さらに、少なくとも2個の単位セルは、それぞれの反応ガス流路長が異なっている(請求項4)。このため、反応ガス流路長が長尺に設定される単位セルでは、反応ガスの圧力降下が惹起され、生成水の排水性を向上させることが可能になる。
ここで、少なくとも2個の単位セルは、それぞれの反応ガス流路形状が異なっている(請求項5)。例えば、一方を直線状に設定するとともに、他方を蛇行形状に設定することにより、各単位セル毎に反応に最適な構造を採用することができる。
さらにまた、少なくとも2個の単位セルが、それぞれ異なる接合体を備えている(請求項6)。例えば、反応ガス流路の流れ方向上流側の接合体は、流れ方向下流側の接合体に比べて耐熱性が高く設定される(請求項7)。流れ方向下流側の接合体は、流れ方向上流側の接合体よりも高温になるからである。具体的には、反応ガス流路の流れ方向上流側の接合体は、フッ素系の膜を備える一方、流れ方向下流側の接合体は、炭化水素系の膜を備えている(請求項8)。流れ方向上流側の接合体に比べて温度が高くなる流れ方向下流側の接合体は、耐熱性を有する炭化水素系の膜を使用することによって、耐用性の向上が図られる。
また、セルアセンブリ内では、複数個の単位セルに燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方の反応ガスを流す反応ガス流路が、少なくとも一部分を各単位セルにわたって直列的に連通している(請求項9)。ここで、少なくとも一部分とは、複数の反応ガス流路の中の少なくとも一部分である場合と、反応ガス流路自体の少なくとも一部分である場合とをいう。
このため、セルアセンブリ内に供給される反応ガスの流量を増加させるだけで、各単位セルの湿度を均一化することができ、複数個の単位セルの電流密度分布を均一にして濃度過電圧を低減することが可能になる。しかも、セルアセンブリ内に供給される反応ガスの流速を増加させるだけで、各単位セルの生成水を有効に排出することができ、前記セルアセンブリ全体の排水性が向上される。
また、本発明の請求項10に係る燃料電池スタックでは、固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有する単位セルが、複数個重ね合わされるとともに、少なくとも2つの前記単位セルが互いに異なる構造に設定されるセルアセンブリを備え、複数組の前記セルアセンブリを重ね合わせて構成している。
また、本発明の請求項11および請求項16に係る燃料電池の運転方法では、複数個重ね合わされてセルアセンブリを構成する各単位セルは、少なくとも2つが互いに異なる条件で運転されている。具体的には、反応ガスの流れ方向上流側(または一方)の単位セルの温度に対して、流れ方向下流側(または他方)の単位セルの温度を高温にしている(請求項12および請求項17)。流れ方向下流側に多量の生成水が発生するため、下流側の単位セルの温度を上げることにより、排水性が有能に向上するからである。
さらに、反応ガスの流れ方向上流側(または一方)の単位セルを流れる前記反応ガスの流速に対して、流れ方向下流側(または他方)の単位セルを流れる前記反応ガスの流速を高くしている(請求項13および請求項18)。従って、流れ方向下流側に多量に発生する生成水を確実に排出させることが可能になる。
さらにまた、反応ガスの流れ方向上流側(または一方)の単位セルの反応ガス出口での湿度に対して、流れ方向下流側(または他方)の単位セルの反応ガス入口での湿度を低くしている(請求項14および請求項19)。このため、流れ方向下流側からの生成水の排出が円滑に遂行される。
さらに、反応ガスの流れ方向上流側(または一方)の単位セルの反応ガスの利用率に対して、流れ方向下流側(または他方)の単位セルの反応ガスの利用率を高くしている(請求項15および請求項20)。これにより、セルアセンブリ全体としての反応ガスの利用率を向上させることができる。
本発明に係る固体高分子型セルアセンブリおよび燃料電池スタックでは、複数個の単位セルを重ね合わせてセルアセンブリが構成されるとともに、少なくとも2つの前記単位セルが互いに異なる構造に設定されており、各単位セル毎に反応に最適な構造を採用することが可能になって、発電機能を有効に向上させることができる。
また、本発明に係る燃料電池の運転方法では、各単位セルが互いに異なる条件で運転されるため、各単位セル毎に最適な運転条件が設定され、発電性能や排水性の向上が容易に遂行可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリ10の要部分解斜視図であり、図2は、複数組の前記セルアセンブリ10が重ね合わされて(積層されて)構成される燃料電池スタック12の概略斜視図である。
図1に示すように、セルアセンブリ10は、第1単位セル14と第2単位セル16とを重ね合わせて構成されており、前記第1および第2単位セル14、16は、第1および第2接合体18、20を備える。
第1および第2接合体18、20は、固体高分子電解質膜22a、22bと、前記電解質膜22a、22bを挟んで配設されるカソード側電極24a、24bおよびアノード側電極26a、26bとを有する。カソード側電極24a、24bおよびアノード側電極26a、26bは、カーボンを主体とする基材に貴金属系の触媒電極層を接合して構成されており、その面には、例えば、多孔質層である多孔質カーボンペーパ等からなるガス拡散層が配設されている。
図1および図3に示すように、第1接合体18のカソード側電極24a側に第1セパレータ28が配設され、第2接合体20のアノード側電極26b側に第2セパレータ30が配設されるとともに、前記第1および第2接合体18、20間に中間セパレータ32が配設される。第1および第2セパレータ28、30の外側の面側には、薄板状の壁板(隔壁部材)34が設けられる。
図1に示すように、第1および第2接合体18、20、第1および第2セパレータ28、30並びに中間セパレータ32の長辺側の一端縁部には、第1および第2単位セル14、16の重ね合わせ方向(矢印A方向)に互いに連通して、酸素含有ガスまたは空気である酸化剤ガス(反応ガス)を通過させるための酸化剤ガス入口36aと、酸化剤ガス出口36bと、水素含有ガス等の燃料ガス(反応ガス)を通過させるための燃料ガス中間連通孔38とが設けられる。
第1および第2接合体18、20、第1および第2セパレータ28、30、並びに中間セパレータ32の長辺側の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガスを通過させるための酸化剤ガス中間連通孔40と、燃料ガスを通過させるための燃料ガス入口42aと、燃料ガス出口42bと、冷却媒体を通過させるための冷却媒体入口44aと、冷却媒体出口44bとが設けられる。
第1セパレータ28は、金属薄板で構成されるとともに、第1接合体18の反応面(発電面)に対応する部位が凹凸形状、例えば、波形状に設定される。図3および図4に示すように、第1セパレータ28は、第1接合体18のカソード側電極24aに対向する側に複数本の酸化剤ガス流路(反応ガス流路)46を設けるとともに、前記酸化剤ガス流路46は、長辺方向(矢印B方向)に直線状に延在してそれぞれの両端が酸化剤ガス入口36aと酸化剤ガス中間連通孔40とに連通する。
図1および図3に示すように、第1セパレータ28は、壁板34の一方の面に対向する側に複数本の冷却媒体流路48を設ける。冷却媒体流路48は、長辺方向(矢印B方向)に直線状に延在しており、一端が冷却媒体入口44aに連通するとともに、他端側が壁板34に形成された、あるいは、別部材に形成された中間折り返し部である孔部50を介して前記壁板34の他方の面側から冷却媒体出口44bに連通する。
第2セパレータ30は、上記の第1セパレータ28と略同様に構成されており、第2接合体20のアノード側電極26bに対向する側に複数本の燃料ガス流路(反応ガス流路)52を設けるとともに、前記燃料ガス流路52は、長辺方向(矢印B方向)に直線状に延在してそれぞれの両端が燃料ガス中間連通孔38と燃料ガス出口42bとに連通する。第2セパレータ30は、壁板34に対向する側に複数本の冷却媒体流路54を設ける。冷却媒体流路54は、長辺方向(矢印B方向)に直線状に延在しており、終端が冷却媒体出口44bに連通する。
中間セパレータ32は、上記の第1および第2セパレータ28、30と略同様に構成されており、第1接合体18のアノード側電極26aに対向する側に複数本の燃料ガス流路(反応ガス流路)56を設けるとともに、前記燃料ガス流路56は、長辺方向(矢印B方向)に直線状に延在してそれぞれの両端が燃料ガス入口42aと燃料ガス中間連通孔38とに連通する。
図3に示すように、中間セパレータ32は、第2接合体20のカソード側電極24bに対向する側に複数本の酸化剤ガス流路(反応ガス流路)58を設けるとともに、前記酸化剤ガス流路58は、長辺方向(矢印B方向)に直線状に延在してそれぞれの両端が酸化剤ガス中間連通孔40と酸化剤ガス出口36bとに連通する。
第1および第2単位セル14、16に直列的に設けられる酸化剤ガス流路46、58と、燃料ガス流路56、52とは、それぞれの流路断面積が異なっている。図3に示すように、出口側の酸化剤ガス流路58および燃料ガス流路52は、入口側の酸化剤ガス流路46および燃料ガス流路56よりも小さな流路断面積に設定されている。
このように構成されるセルアセンブリ10は、図示しない固定手段を介して一体的に保持された状態で、図2に示すように、所定の組数だけ矢印A方向に重ね合わされる。セルアセンブリ10の矢印A方向両端には、集電用電極60a、60bを介してエンドプレート62a、62bが配置され、前記エンドプレート62a、62bが図示しないタイロッド等により締め付けられることにより、燃料電池スタック12が構成される。
エンドプレート62aの長辺側の一端縁部には、酸化剤ガス入口36aおよび酸化剤ガス出口36bに連通する酸化剤ガス供給口64aおよび酸化剤ガス排出口64bが形成される。エンドプレート62aの長辺側の他端縁部には、燃料ガス入口42a、燃料ガス出口42b、冷却媒体入口44aおよび冷却媒体出口44bに連通する燃料ガス供給口66a、燃料ガス排出口66b、冷却媒体供給口68aおよび冷却媒体排出口68bが形成される。
このように構成される燃料電池スタック12およびセルアセンブリ10の動作について、以下に説明する。
燃料電池スタック12内には、燃料ガス供給口66aから水素含有ガス等の燃料ガスが供給されるとともに、酸化剤ガス供給口64aから空気または酸素含有ガスである酸化剤ガスが供給され、さらに冷却媒体供給口68aから純水やエチレングリコールやオイル等の冷却媒体が供給される。このため、燃料電池スタック12では、矢印A方向に重ね合わされた複数組のセルアセンブリ10に対し、燃料ガス、酸化剤ガスおよび冷却媒体が、順次、供給される。
図5に示すように、矢印A方向に連通している酸化剤ガス入口36aに供給された酸化剤ガスは、第1セパレータ28に設けられている複数本の酸化剤ガス流路46に導入され、第1接合体18を構成するカソード側電極24aに沿って移動する。一方、燃料ガス入口42aに供給された燃料ガスは、中間セパレータ32に設けられている複数本の燃料ガス流路56に導入され、第1接合体18を構成するアノード側電極26aに沿って移動する。従って、第1接合体18では、カソード側電極24aに供給される酸化剤ガスと、アノード側電極26aに供給される燃料ガスとが、触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。
第1接合体18に一部が消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路46から酸化剤ガス中間連通孔40に導入され、この酸化剤ガス中間連通孔40に沿って矢印A方向に移動した後、中間セパレータ32に設けられている酸化剤ガス流路58に導入される。この酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路58を介して第2接合体20を構成するカソード側電極24bに沿って移動する。
同様に、第1接合体18を構成するアノード側電極26aで一部が消費された燃料ガスは、燃料ガス中間連通孔38に導入された後、矢印A方向に移動し、第2セパレータ30に設けられている燃料ガス流路52に導入され、第2接合体20を構成するアノード側電極26bに沿って移動する。このため、第2接合体20では、酸化剤ガスおよび燃料ガスが触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。酸素が消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス出口36bに排出されるとともに、水素が消費された燃料ガスは、燃料ガス出口42bに排出される。
一方、冷却媒体入口44aに供給された冷却媒体は、第1セパレータ28に設けられている冷却媒体流路48に沿って移動した後、壁板34に形成された孔部50で折り返し、第2セパレータ30に設けられている冷却媒体流路54に沿って移動し、冷却媒体出口44bに排出される。
この場合、第1の実施形態では、酸化剤ガス流路46、58と、燃料ガス流路56、52とは、それぞれの流路断面積が異なっている。具体的には、出口側の酸化剤ガス流路58および燃料ガス流路52が、入口側の酸化剤ガス流路46および燃料ガス流路56よりも小さな流路断面積に設定されている(図3参照)。酸化剤ガスおよび燃料ガスは、出口側に移動するに従って、酸素ガスおよび水素ガスが反応により消費されて減少する。このため、出口側の酸化剤ガス流路58および燃料ガス流路52の流路断面積を小さくすることにより、第2接合体20の反応面における反応が均一化されることになる。
ここで、酸化剤ガス流路46、58と燃料ガス流路56、52とにおいて、それぞれの流路断面積を変更する際には、それぞれ流路深さ、流路幅、あるいは流路本数を変更することにより設定することができる。
具体的には、図6に示すように、板状の第1セパレータ28aに設けられる酸化剤ガス流路46aの流路深さに対し、板状の中間セパレータ32aに設けられる酸化剤ガス流路58aの流路深さが浅く設定されるとともに、前記中間セパレータ32aの燃料ガス流路56aの流路深さに対して、板状の第2セパレータ30aに設けられている燃料ガス流路52aの流路深さが小さく設定される。これにより、第1および第2単位セル14、16の薄肉化が図られ、セルアセンブリ10全体の小型化が容易に可能になる。
また、図7に示すように、中間セパレータ32bおよび第2セパレータ30bにおいて、入口側の燃料ガス流路56bの流路幅よりも、出口側の燃料ガス流路52bの流路幅が小さく設定される。このため、第1および第2単位セル14、16同士の接触面積が増大し、接触抵抗の低減を図ることができる。なお、図示しないが、酸化剤ガス流路も同様である。
さらに、図8に示すように、板状の第1セパレータ28c、中間セパレータ32cおよび第2セパレータ30cにおいて、入口側の酸化剤ガス流路46cおよび燃料ガス流路56cの流路本数よりも、出口側の酸化剤ガス流路58cおよび燃料ガス流路52cの流路本数が減少される。これにより、上記と同様に、第1および第2単位セル14、16同士の接触面積を有効に増加させることが可能になる。
さらにまた、第1および第2単位セル14、16内における排水性の向上を図るためには、出口側である第2単位セル16内のガス流路長を入口側の第1単位セル14のガス流路長よりも長く設定すればよい。出口側ほど生成水の量が増加し、この出口側のガス流路長を長尺化させることによって圧力降下を惹起させ、生成水の排水性を向上させることができるからである。
具体的には、図9に示すように、例えば、中間セパレータ32に直線状の燃料ガス流路56が設けられる一方、第2セパレータ30dには、蛇行する燃料ガス流路52dが設けられている。従って、出口側の燃料ガス流路52dのガス流路長は、入口側の燃料ガス流路56のガス流路長よりも有効に長尺化される。なお、この蛇行形状の燃料ガス流路52dに代替して、屈曲乃至湾曲する燃料ガス流路を採用することもできる。
また、第1の実施形態では、セルアセンブリ10が複数個、例えば、2個の単位セル14、16から一体的に構成されるため、このセルアセンブリ10として取り扱うことにより、各単位セル毎に取り扱われる従来構成に比べて、燃料電池スタック12を組み立てる際の作業性が有効に簡素化する。
さらに、第1の実施形態では、第1および第2単位セル14、16によりセルアセンブリ10が一体的に構成されるとともに、前記第1および第2単位セル14、16にわたって酸化剤ガス流路46、58および燃料ガス流路56、52が、酸化剤ガス中間連通孔40および燃料ガス中間連通孔38を介して、少なくとも一部分を直列的に連通している。これにより、入口側の酸化剤ガス流路46および燃料ガス流路56には、第1および第2単位セル14、16全体の反応に必要な量の酸化剤ガスおよび燃料ガスが供給され、前記酸化剤ガス流路46および前記燃料ガス流路56には、通常の単位セルの2倍の流量が流されることになる。
従って、特に、生成水が発生する酸化剤ガス流路46、58での排水性が向上し、第1および第2単位セル14、16における湿度の均一化を図ることができる。このため、第1および第2単位セル14、16の電流密度分布を均一にして、濃度過電圧を低減することが可能になるという効果が得られる。
さらに、第1および第2単位セル14、16にわたって酸化剤ガス流路46、58および燃料ガス流路56、52が直列的に連通するため、酸化剤ガス入口36aおよび燃料ガス入口42aに供給される酸化剤ガスおよび燃料ガスの流速は、従来の単位セルに比べて増加する。従って、第1および第2単位セル14、16内で発生する生成水を有効に排出することができ、セルアセンブリ10全体の排水性が大幅に向上する。
次に、上記のセルアセンブリ10および燃料電池スタック12を用いて、本発明に係る運転方法について説明する。なお、基本的な動作については、セルアセンブリ10および燃料電池スタック12の動作で説明しており、以下に概略的に説明する。
本発明の運転方法では、第1および第2単位セル14、16を互いに異なる条件で運転しており、具体的には、以下の第1乃至第4の方法が採用されている。
まず、第1の方法では、上流側の第1単位セル14の温度に対して、下流側の第2単位セル16の温度を高温にしている。例えば、カソード側電極24a、24bにおいて説明すると、図10に示すように、第1単位セル14側に比べて第2単位セル16側のガス流路内温度を高くすることにより、前記第1および第2単位セル14、16のガス流路内相対湿度が、図11に示す状態となる。第1単位セル14では、2セル分の酸化剤ガスが供給されるために湿度変化が低減される一方、第2単位セル16では、セル温度が高くなって相対湿度が低減されるからである。
これにより、第1および第2単位セル14、16における相対湿度を均一化することができ、電解質膜22a、22bのイオン導電性を向上させ、濃度過電圧の低減を図ることが可能となる。
また、本発明の第2の方法では、第1単位セル14を流れる酸化剤ガスおよび燃料ガスの流速に対して、第2単位セル16を流れる前記酸化剤ガスおよび前記燃料ガスの流速を高くしている。特に、酸化剤ガスの出口側に向かうほど生成水が多量に発生しており、流れ方向下流側の第2単位セル16を流れる酸化剤ガスの流速を高く設定することにより、前記生成水の排水性が向上するという利点がある。
さらに、本発明の第3の方法では、第1単位セル14の反応ガス出口である酸化剤ガス中間連通孔40での湿度に対して、第2単位セル16の反応ガス入口である酸化剤ガス入口36aでの湿度を低くしている(図11中、実線参照)。
さらにまた、本発明の第4の方法では、第1単位セル14での反応ガスの利用率に対して第2単位セル16の反応ガスの利用率を高くしている。このため、セルアセンブリ10全体としての利用率が向上し、反応ガスの使用量を有効に削減させることが可能になる。
図12は、本発明の第2の実施形態に係るセルアセンブリ80の要部分解斜視図である。なお、第1の実施形態に係るセルアセンブリ10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。以下に示す第3の実施形態以降も同様である。
このセルアセンブリ80は、第1および第2接合体82、84を備える。第1接合体82は、フッ素系の電解質膜86を有するとともに、第2接合体84は、炭化水素系の電解質膜88を有している。
このように構成される第2の実施形態では、反応ガスの流れ方向下流側の第2接合体84が流れ方向上流側の第1接合体82に比べて高温となるため、前記第2接合体84に耐熱性を有する炭化水素系の電解質膜88が設けられている。これにより、第2接合体84の耐用性が向上し、長期間にわたって使用することができ、経済的なものとなる。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリ100の要部分解斜視図である。
セルアセンブリ100は、第1および第2単位セル102、104を矢印A方向に重ね合わせて構成される。第1および第2単位セル102、104は、第1および第2接合体106、108を備えるとともに、前記第1および第2接合体106、108が、第1セパレータ110、第2セパレータ112および中間セパレータ114で挟持されている。
第1および第2単位セル102、104の長辺側の一端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス入口36a、燃料ガス出口42bおよび冷却媒体入口44aが設けられるとともに、長辺側の他端縁部には、同様に、矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス出口36b、燃料ガス入口42aおよび冷却媒体出口44bが設けられる。
第1セパレータ110の一方の面には、複数本の冷却媒体流路48が設けられている。この冷却媒体流路48は、一端が冷却媒体入口44aに連通するとともに、他端が冷却媒体出口44bに連通して、矢印B方向に直線状に延在している。
第1セパレータ110の他方の面には、図14に示すように、複数本の燃料ガス流路56が矢印B方向に直線状に設けられており、前記燃料ガス流路56は、燃料ガス入口42aと燃料ガス出口42bとに両端が連通している。この燃料ガス流路56は、例えば、溝深さが燃料ガス出口42b側に向かって浅くなるように構成されている。
第2セパレータ112は、第2接合体108を構成するカソード側電極24bに対向する面側に、複数本の酸化剤ガス流路58が矢印B方向に直線状に設けられている。この酸化剤ガス流路58は、酸化剤ガス入口36aと酸化剤ガス出口36bとに両端が連通している。
中間セパレータ114は、第1接合体106を構成するカソード側電極24aに対向する面側に酸化剤ガス流路46が直線状に設けられるとともに、前記酸化剤ガス流路46の両端が酸化剤ガス入口36aおよび酸化剤ガス出口36bに連通する部位には、絞り部116a、116bが形成される。中間セパレータ114の第2接合体108を構成するアノード側電極26bに対向する面側には、第1セパレータ110と同様に、燃料ガス流路52が形成されている(図15参照)。
このように構成されるセルアセンブリ100では、冷却媒体流路48が第2セパレータ112の酸化剤ガス流路58とは反対側の面に設けられている。このため、第2セパレータ112の酸化剤ガス流路58が冷却媒体を介して冷却されて低温側となる一方、中間セパレータ114の酸化剤ガス流路46は、冷却され難く高温側となり、第1および第2単位セル102、104間で異なる温度環境が発生する。その際、低温側の第2セパレータ112では、酸化剤ガス流路58に生成水が存在し、流路または拡散層や触媒層に水が溜まり、前記酸化剤ガス流路58が閉塞されるおそれがある。
そこで、第3の実施形態では、第2セパレータ112に設けられている酸化剤ガス流路58における流量の増加による湿度の均一化や、流速の増加による生成水排水性の向上を図る構造を採用している。すなわち、高温側の中間セパレータ114に設けられている酸化剤ガス流路46の酸化剤ガス入口36aおよび酸化剤ガス出口36bに連通する部位には、絞り部116a、116bが設けられる(図13参照)。これにより、中間セパレータ114の酸化剤ガス流路46での酸化剤ガス流量に比べ、第2セパレータ112の酸化剤ガス流路58での酸化剤ガス流量が増加している。
このため、第3の実施形態では、低温側の第2セパレータ112から生成水を確実に排出し、湿度の均一化を図るとともに、高温側の中間セパレータ114を流れる酸化剤ガスの流量および流速が減少することによって、第1接合体106の乾燥を防ぐことが可能になるという効果が得られる。
なお、第3の実施形態では、高温側の酸化剤ガス流路46の両端側に絞り部116a、116bを設けているが、これに代替して、低温側の酸化剤ガス流路58の溝深さを前記高温側の酸化剤ガス流路46の溝深さよりも浅くすることにより、容易に対応することができる。
図16は、本発明の第4の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリ120の要部分解斜視図である。なお、第3の実施形態に係るセルアセンブリ100と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
セルアセンブリ120は、第1単位セル122と第2単位セル124と第3単位セル126とを、互いに矢印A方向に重ね合わせて構成されている。第1乃至第3単位セル122、124および126は、第1乃至第3接合体106、108および128を備え、この第1乃至第3接合体106、108および128が、第1セパレータ110、第2セパレータ112並びに第1および第2中間セパレータ114a、114bで挟持されている。
セルアセンブリ120内では、第1乃至第3単位セル122、124および126においてそれぞれ異なる温度環境が発生し、特に、第2接合体108が、第1および第3接合体106、128に比べて高温となり易い。
そこで、比較的低温の第1および第3接合体106、128は、低温域で安定した性能が得られるフッ素系の電解質膜86を備える一方、比較的高温となる第2接合体108は、高温に耐え得る炭化水素系の電解質膜88を備えている。さらに、第1および第3接合体106、128では湿度が高くなるため、排水性にすぐれた触媒層や拡散層を使用する一方、第2接合体108では湿度が低くなるため、自己加湿膜や保水性のある拡散層を使用する。
このように構成されるセルスタック120では、異なる種類の第1乃至第3接合体106、108および128を使用することにより、異なる温度環境に対応して性能の向上を図ることができるという効果が得られる。
図17は、本発明の第5の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリ140の要部分解斜視図である。
セルアセンブリ140は、第1および第2単位セル142、144を重ね合わせて構成されており、前記第1および第2単位セル142、144は、第1および第2接合体146、148を備える。第1および第2接合体146、148は、第1および第2セパレータ150、152と第1および第2中間セパレータ154、156とにより挟持されるとともに、前記第1および第2中間セパレータ154、156間には平板状の整流板158が介装される。
セルアセンブリ140の長辺側の一端縁部には、燃料ガス入口42a、酸化剤ガス中間連通孔40および燃料ガス出口42bが矢印A方向に連通して設けられるとともに、前記セルアセンブリ140の長辺側の他端縁部には、酸化剤ガス入口36a、冷却媒体入口44a、燃料ガス中間連通孔38、冷却媒体出口44bおよび酸化剤ガス出口36bが矢印A方向に連通して設けられている。
第1および第2中間セパレータ154、156の互いに整流板158に対向する面には、冷却媒体流路54が直線状に設けられており、前記第1中間セパレータ154では、冷却媒体入口44aに前記冷却媒体流路54の一端が連通するとともに、該冷却媒体流路54の他端が整流板158で折り返して第2中間セパレータ156に設けられている冷却媒体流路54に連通している。この冷却媒体流路54は、第2中間セパレータ156の冷却媒体出口44bに連通している。
このように構成されるセルアセンブリ140内では、酸化剤ガス、燃料ガスおよび冷却媒体は、図18に示す流れ方向に沿って直列的に第1および第2単位セル142、144に送られる。その際、第1および第2単位セル142、144間には、整流板158を介して冷却媒体流路54が形成されている。これにより、特に、セルアセンブリ140の内部で過度に温度が上昇することを確実に阻止することができる。
図19は、本発明の第6の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリ160の要部分解斜視図である。なお、図17に示す第5の実施形態に係るセルアセンブリ140と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
セルアセンブリ160は、第1および第2単位セル162、164を矢印A方向に重ね合わせて構成されており、酸化剤ガス中間連通孔40を設けていない。このため、セルアセンブリ160内では、図20に示すように、燃料ガスが第1単位セル162から第2単位セル164に直列的に連通される燃料ガス流路56、52に沿って流れる一方、酸化剤ガスが酸化剤ガス流路46、58を介して前記第1および第2単位セル162、164に個別に、すなわち、並列的に流されている。
このように、粘度の小さい燃料ガスが直列的に連通される燃料ガス流路56、52に沿って流されるため、流量長が長尺化されて十分な圧力損失を与えることができ、アノード側電極26a、26bからの生成水を有効に排出することが可能になるという利点がある。
本発明の第1の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリの要部分解斜視図である。 燃料電池スタックの概略斜視図である。 前記セルアセンブリの一部断面説明図である。 前記セルアセンブリを構成する第1セパレータの正面図である。 前記セルアセンブリ内の流れ図である。 流路断面積を、流路深さを異にして設定する際の説明図である。 前記流路断面積を、流路幅を異ならせて設定する際の説明図である。 前記流路断面積を、流路本数を異ならせて設定する際の説明図である。 流路長を変更した前記セルアセンブリの分解斜視説明図である。 第1および第2単位セル内のカソード温度の説明図である。 前記第1および第2単位セル内のカソード相対湿度の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリの要部分解斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリの要部分解斜視図である。 前記セルアセンブリを構成する第1セパレータの正面図である。 前記第3の実施形態に係るセルアセンブリの流れ図である。 本発明の第4の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリの要部分解斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリの要部分解斜視図である。 前記第5の実施形態に係るセルアセンブリの流れ図である。 本発明の第6の実施形態に係る固体高分子型セルアセンブリの要部分解斜視図である。 前記第6の実施形態に係るセルアセンブリの流れ図である。
符号の説明
10、80、100、120、140、160…セルアセンブリ
12…燃料電池スタック
14、16、102、104、122、124、126、142、144、162、164…単位セル
18、20、82、84、106、108、128、146、148…接合体
22a、22b、86、88…電解質膜
24a、24b…カソード側電極 26a、26b…アノード側電極
28、28a〜28c、30、30a〜30d、110、112、150、152…セパレータ
32、32a〜32c、114、154、156…中間セパレータ
36a…酸化剤ガス入口 36b…酸化剤ガス出口
38…燃料ガス中間連通孔 40…酸化剤ガス中間連通孔
42a…燃料ガス入口 42b…燃料ガス出口
44a…冷却媒体入口 44b…冷却媒体出口
46、46a〜46c、58、58a〜58c…酸化剤ガス流路
48、54…冷却媒体流路 50…孔部
52、52a〜52d、56、56a〜56c…燃料ガス流路
64a…酸化剤ガス供給口 64b…酸化剤ガス排出口
116a、116b…絞り部 158…整流板

Claims (20)

  1. 固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有する単位セルを備え、
    複数個の前記単位セルを重ね合わせてセルアセンブリを一体的に構成するとともに、
    複数個の前記単位セルは、少なくとも2つが互いに異なる構造に設定されることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  2. 請求項1記載のセルアセンブリにおいて、少なくとも2個の前記単位セルに設けられ、燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方の反応ガスを流す反応ガス流路は、それぞれの流路断面積が異なることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  3. 請求項2記載のセルアセンブリにおいて、それぞれの流路断面積は、それぞれ流路深さ、流路幅または流路本数の少なくとも1つが異なることにより設定されることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  4. 請求項1記載のセルアセンブリにおいて、少なくとも2個の前記単位セルは、それぞれの反応ガス流路長が異なることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  5. 請求項1記載のセルアセンブリにおいて、少なくとも2個の前記単位セルは、それぞれの反応ガス流路形状が異なることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  6. 請求項1記載のセルアセンブリにおいて、少なくとも2個の前記単位セルは、それぞれ異なる接合体を備えることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  7. 請求項6記載のセルアセンブリにおいて、前記反応ガス流路の流れ方向上流側の接合体は、流れ方向下流側の接合体に比べて耐熱性が高く設定されることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  8. 請求項7記載のセルアセンブリにおいて、比較的低温となる接合体は、フッ素系の膜を備える一方、
    比較的高温となる接合体は、炭化水素系の膜を備えることを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のセルアセンブリにおいて、前記セルアセンブリ内では、複数個の前記単位セルに燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方の反応ガスを流す反応ガス流路が、少なくとも一部分を各単位セルにわたって直列的に連通することを特徴とする固体高分子型セルアセンブリ。
  10. 固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有する単位セルが、複数個重ね合わされるとともに、少なくとも2つの前記単位セルが互いに異なる構造に設定されるセルアセンブリを備え、
    複数個の前記セルアセンブリを重ね合わせて構成することを特徴とする燃料電池スタック。
  11. 固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有する単位セルが、複数個重ね合わされて構成される固体高分子型セルアセンブリを運転するための燃料電池の運転方法であって、
    前記単位セルは、少なくとも2つが互いに異なる条件で運転されることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  12. 請求項11記載の運転方法において、一方の単位セルの温度に対して、他方の単位セルの温度を高温にすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  13. 請求項11記載の運転方法において、一方の単位セルを流れる前記反応ガスの流速に対して、他方の単位セルを流れる前記反応ガスの流速を高くすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  14. 請求項11記載の運転方法において、一方の単位セルの反応ガス出口での湿度に対して、他方の単位セルの反応ガス入口での湿度を低くすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  15. 請求項11記載の運転方法において、一方の単位セルの反応ガスの利用率に対して、他方の単位セルの反応ガスの利用率を高くすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  16. 固体高分子電解質膜をアノード側電極とカソード側電極とで挟んで構成される接合体を有する単位セルが、複数個重ね合わされてセルアセンブリを構成するとともに、前記セルアセンブリ内では、複数個の前記単位セルに燃料ガスまたは酸化剤ガスの少なくとも一方の反応ガスを流す複数の反応ガス流路が、少なくとも一部分を各単位セルにわたって直列的に連通している固体高分子型セルアセンブリを運転するための燃料電池の運転方法であって、
    前記単位セルは、少なくとも2つが互いに異なる条件で運転されることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  17. 請求項16記載の運転方法において、前記反応ガスの流れ方向上流側の単位セルの温度に対して、流れ方向下流側の単位セルの温度を高温にすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  18. 請求項16記載の運転方法において、前記反応ガスの流れ方向上流側の単位セルを流れる前記反応ガスの流速に対して、流れ方向下流側の単位セルを流れる前記反応ガスの流速を高くすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  19. 請求項16記載の運転方法において、前記反応ガスの流れ方向上流側の単位セルの反応ガス出口での湿度に対して、流れ方向下流側の単位セルの反応ガス入口での湿度を低くすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
  20. 請求項16記載の運転方法において、前記反応ガスの流れ方向上流側の単位セルの反応ガスの利用率に対して、流れ方向下流側の単位セルの反応ガスの利用率を高くすることを特徴とする燃料電池の運転方法。
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