JP2009054548A - プラズマ処理装置用の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常の有無及び原因を容易に判別することができるプラズマ処理装置の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法を提供する。
【解決手段】プラズマ処理システム1では、マッチングボックス30を介して取得したRF反射波の出力信号の波形をモニタリングし、この波形に予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分が現れたか否かを検出する。そして、ピーク部分が検出された場合には、さらに、ピーク部分が閾値を超えている持続時間の検出、及び予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数の計数を行う。このように、RF反射波の波形におけるピーク部分の持続時間及び検出回数を検出することにより、アークモードと故障モードとで異なるRF反射波の波形の挙動を互いに区別でき、異常の有無及び原因を容易に判断することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】プラズマ処理システム1では、マッチングボックス30を介して取得したRF反射波の出力信号の波形をモニタリングし、この波形に予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分が現れたか否かを検出する。そして、ピーク部分が検出された場合には、さらに、ピーク部分が閾値を超えている持続時間の検出、及び予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数の計数を行う。このように、RF反射波の波形におけるピーク部分の持続時間及び検出回数を検出することにより、アークモードと故障モードとで異なるRF反射波の波形の挙動を互いに区別でき、異常の有無及び原因を容易に判断することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラズマ処理装置の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法に関する。
スパッタリングなどに用いられるプラズマ処理装置では、プロセス中にプロセスチャンバ内で瞬間的な異常放電(アーキング)が生じることがある。アーキングが頻繁に生じると、瞬間的な大量のスパッタが原因で基板がパーティクルに汚染され、最終的な製品の特性が劣化してしまうおそれがある。
このようなプラズマ処理装置の異常を検出する技術として、プロセスチャンバからの高周波電力の反射波(RF反射波)をモニタリングするものがある。例えば特許文献1に記載のプラズマ処理装置では、RF反射波の強度を測定するセンサを設け、このセンサ出力の微分値に基づいて、アーキングの有無を判断している。
特開2003−173973号公報
ところで、プラズマ処理装置には、高周波電源のインピータンスとプロセスチャンバ内で発生するプラズマのインピータンスとの整合を取るための整合手段が設けられたものがある。プロセス中に整合手段に不具合が生じ、高周波電源とプラズマとの間のインピータンスの整合が取れなくなると、アーキングが生じたときと同様に、RF反射波の強度が変化することとなる。そのため、上述した従来のプラズマ処理装置のように、センサ出力の微分値のみをモニタリングしているのでは、異常の原因までを判断することは困難である。
本発明は、上記課題の解決のためになされたものであり、異常の有無及び原因を容易に判別することができるプラズマ処理装置の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法を提供することを目的とする。
上記課題の解決のため、本願発明者は、鋭意研究を行う過程で、整合手段を介して取得したRF反射波をモニタリングすると、プロセスチャンバ内でアーキングが生じたときと、整合手段に不具合が生じたときとでは、RF反射波の変化の挙動が互いに異なることを見出した。そこで、本願発明者は、プロセス中のPF反射波のモニタリングにあたって、その変化の挙動を互いに区別できるような処理を行えば、異常の有無及び原因を容易に判別することができるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。
本発明に係るプラズマ処理装置の異常検出器は、プロセスチャンバと、プロセスチャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、プロセスチャンバで発生するプラズマと高周波電源との間のインピータンス整合を行う整合手段とを備えたプラズマ処理装置の異常検出に用いるプラズマ処理装置用の異常検出器であって、プロセスチャンバからの高周波電力の反射波を整合手段から取得する取得手段と、取得手段によって取得された反射波のうち、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の有無を検出すると共に、ピーク部分が検出された場合に、当該ピーク部分が閾値を超えている持続時間を検出する検波手段と、ピーク部分の持続時間に基づいて、異常の有無及び原因を判断する判断手段とを備えたことを特徴としている。
また、本発明に係るプラズマ処理システムは、プロセスチャンバと、プロセスチャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、プロセスチャンバで発生するプラズマと高周波電源との間のインピータンス整合を行う整合手段と、プロセスチャンバからの高周波電力の反射波を整合手段から取得する取得手段と、取得手段によって取得された反射波のうち、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の有無を検出すると共に、ピーク部分が検出された場合に、当該ピーク部分が閾値を超えている持続時間を検出する検波手段と、ピーク部分の持続時間に基づいて、異常の有無及び原因を判断する判断手段とを備えたことを特徴としている。
このプラズマ処理装置の異常検出器及びプラズマ処理システムでは、整合手段を介して取得した高周波電力の反射波をモニタリングし、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分が現れたか否かに基づいて、まず異常の有無を検出する。ここで、プロセスチャンバ内でアーキングが生じたときに現れるピーク部分の持続時間は、整合手段に不具合が生じたときに現れるピーク部分の持続時間に比べて極めて短いという傾向がある。そこで、ピーク部分が現れた場合、当該ピーク部分が閾値を超えている持続時間を検出することにより、異常の有無及び原因を容易に判別することができる。
また、予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数を計数する計数手段を更に備え、判断手段は、ピーク部分の持続時間と検出回数とに基づいて異常の有無及び原因を判断することが好ましい。プロセスチャンバ内でアーキングが生じたときに現れるピーク部分は、散発的に現れる傾向があるのに対し、整合手段に不具合が生じたときに現れるピーク部分は、一定の周期性を有する傾向がある。したがって、予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数を計数することにより、異常の原因をより確実に判別することができる。
また、判断手段によって異常が判断された場合に、プラズマ処理の動作を停止させる停止手段を更に備えたことが好ましい。これにより、異常が発生する環境下でのプロセスの進行を防止できる。
本発明に係るプラズマ処理装置の異常検出方法は、プロセスチャンバと、プロセスチャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、プロセスチャンバで発生するプラズマと高周波電源との間のインピータンス整合を行う整合手段とを備えたプラズマ処理装置の異常検出方法であって、プロセスチャンバからの高周波電力の反射波を整合手段から取得する取得ステップと、取得ステップにおいて取得された反射波のうち、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の有無を検出すると共に、ピーク部分が検出された場合に、当該ピーク部分が閾値を超えている持続時間を検出する検波ステップと、ピーク部分の持続時間に基づいて、異常の有無及び原因を判断する判断ステップとを備えたことを特徴としている。
このプラズマ処理装置の異常検出方法では、整合手段を介して取得した高周波電力の反射波をモニタリングし、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分が現れたか否かに基づいて、まず異常の有無を検出する。ここで、プロセスチャンバ内でアーキングが生じたときに現れるピーク部分の持続時間は、整合手段に不具合が生じたときに現れるピーク部分の持続時間に比べて極めて短いという傾向がある。そこで、ピーク部分が現れた場合、当該ピーク部分が閾値を超えている持続時間を検出することにより、異常の有無及び原因を容易に判別することができる。
また、予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数を計数する計数ステップを更に備え、判断ステップにおいて、ピーク部分の持続時間と検出回数とに基づいて異常の有無及び原因を判断することが好ましい。プロセスチャンバ内でアーキングが生じたときに現れるピーク部分は、単独で現れる傾向があるのに対し、整合手段に不具合が生じたときに現れるピーク部分は、一定の周期性を有する傾向がある。したがって、予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数を計数することにより、異常の原因をより確実に判別することができる。
また、判断ステップにおいて異常が判断された場合に、プラズマ処理を停止させる停止ステップを更に備えたことが好ましい。これにより、異常が発生する環境下でのプロセスの進行を防止できる。
本発明に係るプラズマ処理装置の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法によれば、異常の有無及び原因を容易に判別することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明に係るプラズマ処理装置用の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプラズマ処理システムの構成を示す図である。図1に示すように、プラズマ処理システム1は、プロセスチャンバ10と、高周波電源(RF電源)20と、マッチングボックス(整合手段)30と、異常検出器40とを備え、例えば半導体ウエハのスパッタリングを行うシステムとして構成されている。
プロセスチャンバ10は、半導体ウエハのプラズマ処理が行われるチャンバである。プロセスチャンバ10には、例えばArガスといったプロセスガスの導入及び排出を行う手段が設けられ、プロセスチャンバ10の内部には、半導体ウエハを載置するステージや、ターゲットを保持する保持機構などが設けられている。
RF電源20は、プロセスチャンバ10に高周波電力を供給することにより、プロセスチャンバ10内にプラズマを発生させる、或いはRFによるDCバイアス電圧を発生させるための装置である。RF電源20は、例えば13.56MHzの高周波信号(RF信号)を発生させ、このRF信号を例えば1kW程度にまで増幅させる。RF電源20は、マッチングボックス30を介してプロセスチャンバ10側に高周波電力を供給する。これにより、プロセスチャンバ10に供給されるプロセスガスがプラズマ化し、プラズマ中のイオンがターゲットに衝突することによって飛び出た原子が半導体ウエハの表面に付着することとなる。
マッチングボックス30は、インピータンス整合部301と、バイアス電圧出力部302と、RF反射波出力部303とを備えている。インピータンス整合部301は、例えばバリアブルコンデンサを有している。インピータンス整合部301は、プロセス開始の際に、プロセスチャンバ10からの高周波電力の反射波(RF反射波)が0になるようにバリアブルコンデンサの静電容量を制御し、RF電源20のインピータンスと、プロセスチャンバ10内で発生するプラズマのインピータンスとを整合させる。
バイアス電圧出力部302は、RF電源20からプロセスチャンバ10に印加されるバイアス電圧の電圧値を検出及び出力する部分である。バイアス電圧出力部302は、バイアス電圧の電圧値に応じた出力信号を生成し、異常検出器40のRF出力検出部401に出力する。
RF反射波出力部303は、プロセスチャンバ10から反射するRF反射波の強度を検出及び出力する部分である。RF反射波出力部303は、RF反射波の強度に応じた出力信号を生成し、異常検出器40のRF反射波取得部403に出力する。
異常検出器40は、機能的な構成要素として、RF出力検出部401と、主制御部402と、RF反射波取得部(取得手段)403と、RF反射波検波部(検波手段、計数手段)404と、異常判断部(判断手段)405と、出力遅延部406と、インターロック信号出力部(停止手段)407と、報知部408とを備えている。異常検出器40は、例えばコンピュータ、PLC(プログラマブルコントローラ)、或いはその他のディスクリート部品などによって構成される。
RF出力検出部401は、マッチングボックス30におけるバイアス電圧出力部302からの出力信号を検出する部分である。RF出力検出部401は、出力信号の検出によってRF電源20のON・OFFを認識し、その認識情報を主制御部402に出力する。
主制御部402は、異常判断部405、出力遅延部406、及びインターロック信号出力部407といった各構成要素の動作を制御する上位の制御部である。主制御部402には、図示しないインターフェイスによって、後述する閾値や遅延時間などの動作条件情報が入力される。主制御部402は、RF出力検出部401からの認識情報を受け取ると、入力された動作条件情報に従って各構成要素に動作の開始を指示する。
RF反射波取得部403は、マッチングボックス30のRF反射波出力部303からの出力信号を受け取る部分である。RF反射波取得部403は、受け取った出力信号をRF反射波検波部404に出力する。
RF反射波検波部404は、RF反射波取得部403からの出力信号の波形をモニタリングする部分である。より具体的には、RF反射波検波部404は、まず、RF反射波の波形において、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の有無を検出する。図2に示すように、RF反射波の波形Sにおいて、閾値Thを超えるピーク部分Pが検出された場合、RF反射波検波部404は、次に、ピーク部分Pが閾値Thを超えている持続時間Tcを検出する。
また、RF反射波検波部404は、RF反射波の波形Sにピーク部分Pが検出された場合、さらに、予め設定された所定時間Ts内におけるピーク部分Pの検出回数を計数する。所定時間Tsは、例えば100msに設定される。RF反射波検波部404は、RF反射波の波形Sのピーク部分Pの持続時間Tc、及び所定時間Ts内におけるピーク部分Pの検出回数についての検出結果を示す検出結果情報を生成し、異常判断部405に出力する。
異常判断部405は、RF反射波検波部404から受け取った検出結果情報に基づいて、異常の有無及び原因を判断する部分である。ここで、図3は、プロセス中にプロセスチャンバ10内で瞬間的な異常放電(アーキング)が生じた場合のRF反射波の波形の一例を示す図である。図3に示す例では、プロセスの開始から終了までの間に、閾値Thを超える5つのピーク部分P(P1〜P5)が出現している。
このようなRF反射波の波形Sの挙動は、アーキングの発生によるプラズマのインピータンスの変動により、RF電源20のインピータンスとプラズマのインピータンスとが瞬間的に不整合となることで生じる。したがって、アーキングが原因で生じるRF反射波の波形Sのピーク部分Pは、散発的に出現する傾向にあり、ピーク部分Pの持続時間Tcは、例えば30ms程度となっている。
一方、図4及び図5は、プロセス中にマッチングボックス30に異常が生じた場合のRF反射波の波形の一例を示す図である。マッチングボックス30に異常がある場合、マッチングボックス30が完全に故障する前に、RF反射波の波形Sに故障の予兆が現れる。マッチングボックス30が完全に故障する数日前では、図4(a)に示すように、RF反射波の波形Sはほぼ平坦であるのに対し、マッチングボックス30が完全に故障する前日では、図4(b)に示すように、RF反射波の波形Sに周期的なピーク部分が出現する。
そして、マッチングボックス30が完全に故障する数十分前では、図5(a)に示すように、RF反射波の波形Sのピーク強度が急増し、マッチングボックス30が完全に故障すると、図5(b)に示すように、一時的にRF反射波の波形Sが大きく乱れるようになる。なお、図5(b)において、マッチングボックス30が完全に故障した後、RF反射波が検出されない状態となっているのは、外部装置からの別のインターロック信号により、RF電源20が停止したことに起因するものである。
このようなRF反射波の波形Sの挙動は、例えばバリアブルコンデンサの静電容量を調整する回転摺動部材の磨耗により、インピータンス整合部301におけるインピータンス整合機能が徐々に劣化していくことで生じる。したがって、マッチングボックス30の異常が原因で生じるRF反射波の波形Sのピーク部分Pは、例えばバリアブルコンデンサの応答速度に応じて周期的に出現する傾向にあり、ピーク部分Pの持続時間Tcは、例えば100ms以上となっている。
以上のようなRF反射波の波形Sのピーク部分Pの傾向に基づいて、図6に示すような判断チャートが得られる。判断チャートでは、RF反射波の波形Sにおけるピーク部分Pの持続時間Tcに基づいて、2つの異常モードに大別される。すなわち、ピーク部分Pの持続時間Tcが50msに満たない場合は、プロセスチャンバ10にアーキングが発生しているアークモードであると判断され、ピーク部分Pの持続時間Tcが50ms以上である場合は、マッチングボックス30に故障あるいは故障の予兆が生じている故障モードであると判断される
また、故障モードと判断された場合、ピーク部分Pの持続時間Tc及び
所定時間におけるピーク部分Pの検出回数に基づいて、故障の程度が判断される。例えば持続時間Tcが50ms以上〜100ms未満であり、検出回数が10回未満であれば劣化小と判断され、持続時間Tcが100ms以上〜数100ms未満程度の範囲で、検出回数が10回以上〜20回未満程度であれば劣化大と判断される。また、例えば持続時間Tcが数100ms以上に達する場合、又は検出回数が20回を超える場合は、完全故障と判断される。異常判断部405は、異常の有無及び原因の判断結果を示す判断結果情報を生成し、出力遅延部406及び報知部408にそれぞれ出力する。
所定時間におけるピーク部分Pの検出回数に基づいて、故障の程度が判断される。例えば持続時間Tcが50ms以上〜100ms未満であり、検出回数が10回未満であれば劣化小と判断され、持続時間Tcが100ms以上〜数100ms未満程度の範囲で、検出回数が10回以上〜20回未満程度であれば劣化大と判断される。また、例えば持続時間Tcが数100ms以上に達する場合、又は検出回数が20回を超える場合は、完全故障と判断される。異常判断部405は、異常の有無及び原因の判断結果を示す判断結果情報を生成し、出力遅延部406及び報知部408にそれぞれ出力する。
出力遅延部406は、異常判断部405の判断時期と、インターロック信号出力部407の動作時期とを調整する部分である。出力遅延部406は、異常判断部405から判断結果情報を受け取ると、待機状態となる。そして、RF電源20がOFF状態になった旨の情報を主制御部402から受け取ると、予め入力された任意の遅延時間の経過後、インターロック信号の出力を指示する指示情報をインターロック信号出力部407に出力する。
インターロック信号出力部407は、異常判断部405によって異常が判断された場合に、プラズマ処理の動作を停止させる部分である。インターロック信号出力部407は、出力遅延部406から指示情報を受け取ると、インターロック信号を外部装置に出力する。インターロック信号出力部407及び出力遅延部406の協働により、プロセス中に異常判断部405によって異常が検出された場合であっても、プラズマ処理が継続される。そして、当該プロセスが終了した後の次プロセスの実行が禁止される。インターロック信号出力部407は、インターロック信号の出力後、報知部408に動作指示情報を出力する。
報知部408は、異常の有無及び原因をユーザ側に報知する部分である。報知部408としては、例えばランプ、ブザー、ディスプレイなどが用いられる。報知部408は、異常判断部405から判断結果情報を受け取った場合、及びインターロック信号出力部407から動作指示情報を受け取った場合に動作する。報知部408の動作は、異常の原因ごとに異なるようにしてもよい。
続いて、上述した構成を有するプラズマ処理システム1の動作について説明する。図7は、プラズマ処理システムの動作を示すフローチャートである。
まず、RF電源20がオン状態となり、プロセスチャンバ10へのプロセスガスの導入、及びマッチングボックス30によるインピータンス整合等がなされると、プロセスチャンバ10内でプラズマ処理のプロセスが開始される(ステップS01)。
プロセスが開始すると、マッチングボックス30から異常検出器40にRF反射波の出力信号が順次出力され、異常検出器40によるRF反射波の波形のモニタリングが行われる(ステップS02)。このモニタリングでは、まず、RF反射波の波形において、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の検出が行われる(ステップS03)。
ステップS03において、RF反射波の波形にピーク部分が検出された場合、次に、ピーク部分が閾値を超えている持続時間の検出が行われ(ステップS04)、さらに、予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数の計数が行われる(ステップS05)。そして、このピーク部分の持続時間及び所定時間内における検出回数に基づいて、判断チャート(図6参照)を用いた異常の有無及び原因の判断がなされ(ステップS06)、異常の原因を示す報知が行われる(ステップS07)。
ステップS03において、RF反射波の波形にピーク部分が検出されなかった場合、又は、ステップS07において、異常の原因を示す報知が行われた後、プロセスが終了したか否かの判断がなされる(ステップS08)。プロセスが終了していない場合には、ステップS03〜ステップS08までの各ステップが繰り返し実行される。
プロセスが終了した場合、当該プロセス中に異常が生じたか否かによって処理が異なる(ステップS09)。プロセス中に異常が生じなかった場合には、特段の処理は行われず、そのまま処理が終了する。一方、プロセス中に異常が生じた場合には、外部装置にインターロック信号が出力され、次プロセスの実行が禁止される(ステップS10)。
以上説明したように、プラズマ処理システム1では、マッチングボックス30を介して取得したRF反射波の出力信号の波形をモニタリングし、この波形に予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分が現れたか否かを検出する。そして、ピーク部分が検出された場合には、さらに、ピーク部分が閾値を超えている持続時間の検出、及び予め設定された所定時間内におけるピーク部分の検出回数の計数を行うようになっている。このように、RF反射波の波形におけるピーク部分の持続時間及び検出回数を検出することにより、アークモードと故障モードとで異なるRF反射波の波形の挙動を互いに区別でき、異常の有無及び原因を容易に判断することが可能となる。
故障モードにおいては、故障の程度を把握することができる。RF反射波の波形Sに現れる故障の予兆を捉えることで、マッチングボックス30が完全に故障する前にマッチングボックス30の交換・修繕を行うことが可能となる。この結果、プロセス中にインピータンス整合が取れなくなることを防止でき、システムの稼働率を良好に維持できる。なお、アークモードにおいても、RF反射波の波形におけるピーク部分の持続時間及び検出回数を検出することにより、プロセスチャンバ10やRF電源20の異常の程度の把握が可能である。従来のように、RF反射波の波形のピーク強度のみを検出する場合に比べると、より正確に異常の程度を判断できる。
また、プラズマ処理システム1では、異常が検出された場合であってもプラズマ処理が継続され、当該プロセスの終了を待ってインターロック信号が出力される。プロセス中に異常が認められた場合であっても、必ずしも成膜に影響を与えるとは限られず、程度によっては許容可能な場合がある。したがって、異常の判断時期に対してインターロック信号の出力時期を遅延させることで、プロセス中に異常が生じた場合の半導体ウエハにおける成膜結果を確認することができ、半導体ウエハの無駄を抑えることができる。
本発明は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上述した異常判断部405において、RF反射波の波形のピーク部分を検出するための閾値、持続時間、検出回数は、許容する異常の程度によって適宜変更してもよい。また、例えば異常判断部405において、プラズマ処理システム1が稼動してから現在までの異常の発生回数を積算し、発生回数が所定回数を超えた場合に、その旨を報知部408で報知するようにしてもよい。このような処理は、プラズマ処理システム1の寿命やメンテナンス時期を測る目安となる。
なお、プラズマ処理システム1が、プロセスチャンバ10、RF電源20、及びマッチングボックス30を調整するためのメンテナンスモードを搭載している場合には、インターロック信号出力部407からのインターロック信号の出力を禁止するようにしてもよい。こうすると、異常判断部405によるRF反射波の異常判断によってメンテナンスモードにおける調整作業が中断されてしまうことを防止できる。
1…プラズマ処理装置、10…プロセスチャンバ、20…RF電源、30…マッチングボックス(整合手段)、40…異常検出器、403…RF反射波取得部(取得手段)、404…RF反射波検波部(検波手段、計数手段)、405…異常判断部(異常判断手段)、407…インターロック信号出力部(停止手段)、P…ピーク部分、Tc…持続時間、Th…閾値。
Claims (9)
- プロセスチャンバと、前記プロセスチャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、前記プロセスチャンバで発生するプラズマと前記高周波電源との間のインピータンス整合を行う整合手段とを備えたプラズマ処理装置の異常検出に用いるプラズマ処理装置用の異常検出器であって、
前記プロセスチャンバに供給される前記高周波電力の反射波を前記整合手段から取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記反射波のうち、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の有無を検出すると共に、前記ピーク部分が検出された場合に、当該ピーク部分が前記閾値を超えている持続時間を検出する検波手段と、
前記ピーク部分の前記持続時間に基づいて、異常の有無及び原因を判断する判断手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置用の異常検出器。 - 予め設定された所定時間内における前記ピーク部分の検出回数を計数する計数手段を更に備え、
前記判断手段は、前記ピーク部分の前記持続時間と前記検出回数とに基づいて異常の有無及び原因を判断することを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置用の異常検出器。 - 前記判断手段によって異常が判断された場合に、プラズマ処理の動作を停止させる停止手段を更に備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマ処理装置用の異常検出器。
- プロセスチャンバと、
前記プロセスチャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、
前記プロセスチャンバで発生するプラズマと前記高周波電源との間のインピータンス整合を行う整合手段と、
前記プロセスチャンバに供給される前記高周波電力の反射波を前記整合手段から取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記反射波のうち、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の有無を検出すると共に、前記ピーク部分が検出された場合に、当該ピーク部分が前記閾値を超えている持続時間を検出する検波手段と、
前記ピーク部分の前記持続時間に基づいて、異常の有無及び原因を判断する判断手段とを備えたことを特徴とするプラズマ処理システム。 - 予め設定された所定時間内における前記ピーク部分の検出回数を計数する計数手段を更に備え、
前記判断手段は、前記ピーク部分の前記持続時間と前記検出回数とに基づいて異常の有無及び原因を判断することを特徴とする請求項4記載のプラズマ処理システム。 - 前記判断手段によって異常が判断された場合に、プラズマ処理を停止させる停止手段を更に備えたことを特徴とする請求項4又は5記載のプラズマ処理システム。
- プロセスチャンバと、前記プロセスチャンバに高周波電力を供給する高周波電源と、前記プロセスチャンバで発生するプラズマと前記高周波電源との間のインピータンス整合を行う整合手段とを備えたプラズマ処理装置の異常検出方法であって、
前記プロセスチャンバに供給される前記高周波電力の反射波を前記整合手段から取得する取得ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記反射波のうち、予め設定された所定の閾値を超えるピーク部分の有無を検出すると共に、前記ピーク部分が検出された場合に、当該ピーク部分が前記閾値を超えている持続時間を検出する検波ステップと、
前記ピーク部分の前記持続時間に基づいて、異常の有無及び原因を判断する判断ステップとを備えたことを特徴とするプラズマ処理装置の異常検出方法。 - 予め設定された所定時間内における前記ピーク部分の検出回数を計数する計数ステップを更に備え、
前記判断ステップにおいて、前記ピーク部分の前記持続時間と前記検出回数とに基づいて異常の有無及び原因を判断することを特徴とする請求項7記載のプラズマ処理装置の異常検出方法。 - 前記判断ステップにおいて異常が判断された場合に、プラズマ処理を停止させる停止ステップを更に備えたことを特徴とする請求項7又は8記載のプラズマ処理装置の異常検出方法。
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JP2007222853A JP2009054548A (ja) | 2007-08-29 | 2007-08-29 | プラズマ処理装置用の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009054548A true JP2009054548A (ja) | 2009-03-12 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007222853A Withdrawn JP2009054548A (ja) | 2007-08-29 | 2007-08-29 | プラズマ処理装置用の異常検出器、プラズマ処理システム、及びプラズマ処理装置の異常検出方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009054548A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101020076B1 (ko) | 2010-04-09 | 2011-03-09 | (주)화백엔지니어링 | 플라즈마 검출 시스템 및 방법 |
KR102058105B1 (ko) * | 2015-07-20 | 2019-12-20 | 주식회사 원익아이피에스 | 플라즈마 처리 장치 및 이를 이용한 플라즈마 처리 제어방법 |
-
2007
- 2007-08-29 JP JP2007222853A patent/JP2009054548A/ja not_active Withdrawn
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KR102058105B1 (ko) * | 2015-07-20 | 2019-12-20 | 주식회사 원익아이피에스 | 플라즈마 처리 장치 및 이를 이용한 플라즈마 처리 제어방법 |
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