JP2009053528A - レンズユニット、レンズモジュール及びカメラモジュール - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レンズユニット2は、略円板形状を有し、可視光の透過に良好なシリコーン樹脂で構成される第1及び第2のレンズ4,6と、第1及び第2のレンズ4,6を所定位置に収納する円筒形状のレンズ収納部2eを有し、第1及び第2のレンズ4,6を構成するシリコーン樹脂よりも線膨張係数が小さい材料で構成されるバレル2aとを含み、第1及び第2のレンズ4,6の外縁とバレル2aが有するレンズ収納部2eの内周壁との間にはクリアランス7a,7bが設けられ、第1のレンズ4がバレル2aのレンズ収納部2eに収納された際に係合して第1のレンズ4をバレル2aに調芯する凸部2dと凹部4aが形成されている。
【選択図】図3
Description
レンズ等の光学素子を鏡筒等に収納して固定するものとして、例えば、光学素子を収納部材に収納し積層体押さえ部材を用いて背面から押さえる技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。
レンズの材料に着目したとき、可視光の透過に良好で耐熱性を有する材料として、例えば、シリコーン樹脂(シリコーンレジン)が挙げられる。また、レンズを収納するバレル(鏡筒)に採用される材料には、耐熱性を有する材料として、例えば、LCP(液晶ポリマー)が挙げられる。
ここで、シリコーン樹脂は、耐熱性を有する一般的な他の樹脂材料(LCPを含む)に比して、線膨張係数が大きいという特徴がある。それゆえに、仮に、シリコーン樹脂製のレンズをLCP製のバレルに収納し、内外径を接触させることでレンズの調芯を行うと、リフローの際にレンズがバレルの内壁を押し広げて膨張し、バレルが永久変形(元に戻らない)してしまう。その結果、常温に戻った際にレンズの外縁とバレルの内壁との間にガタができ光軸ズレとなって、解像度が低下する恐れがあった。
また、バレルの収納部に収納されたレンズを保持するレンズ押さえを更に有し、レンズ押さえは、レンズの径方向の膨張を阻害しない形状を有していることを特徴とすれば、レンズをバレルの収納部に収納・保持できる。
図1は、本実施の形態にかかるレンズモジュール1を示す外観斜視図であり、図2は、本実施の形態にかかるレンズモジュール1の分解斜視図である。
図1及び図2に示すように、レンズモジュール1は、第1のレンズ4と第2のレンズ6とを保持し、センサ16(図5参照)の受光部(撮像エリア)16a上に入射光を結像するレンズユニット2と、レンズユニット2を保持する台座3とを備えている。
第1及び第2のレンズ4,6は、外光を透過してセンサ16(図5参照)の受光部(撮像エリア)16aに結像させるための撮像素子である。即ち、開口部2bから入射した外光が、第1及び第2のレンズ4,6によってセンサ16の受光部16aに結像するように、第1及び第2のレンズ4,6は所定の光学系を形成している。尚、本実施の形態では、レンズユニット2は第1及び第2のレンズ4,6で構成されているが、レンズは1枚或いは3枚であっても構わない。所定の光学系は、単一のレンズ又は複数枚のレンズ群で構成される。
バレル2a及び台座3は、例えば、黒色の液晶ポリマー(LCP)、ポリフタルアミド樹脂(PFA)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等の遮光性を有し、且つ、リフロー温度に耐えられる耐熱性を有する合成樹脂により構成されるのが好ましい。ここで、耐熱温度は200℃以上が望ましく、より好ましくは260〜300℃であることが望ましい。
バレル2aには、外光が入射するバレル2aの端面側に開口部2bが形成されている。また、バレル2aの外周面には、雄ねじ2cが形成されている。この点については後述する。
中間環5は、薄板円環形状を有している。中間環5は、例えば、SUS304に黒色塗料を焼き付けたもので構成されている。中間環5は、厚みによって第1のレンズ4と第2のレンズ6との面間距離を一定に保つと共に、通過光量を制限する絞り機能を有している。即ち、中間環5は、光学系の開口径を決定する光学絞り、或いは、ゴースト、フレア等の不要光を遮光する遮光絞りとして使われる。
レンズ押さえ9は、略円環形状を有している。レンズ押さえ9は、例えば、黒色の液晶ポリマー(LCP)等リフロー温度に耐えられる耐熱性を有する合成樹脂により構成される。耐熱温度は、200℃以上が望ましく、より好ましくは260〜300℃である。レンズ押さえ9は、バレル2aと同一の材料が好ましい。第1及び第2のレンズ4,6は、レンズ押さえ9により、径方向の膨張及び収縮を阻害されることはなく、また、光軸方向のズレを抑制される。
台座3の円筒部3aにおける内周面には雌ねじ3cが形成され、レンズユニット2の外周面に形成された雄ねじ2cに螺合する。これにより、レンズユニット2は、台座3の円筒部3aに取り付けられる。
図3に示すように、レンズユニット2は、レンズユニット2本体を構成するバレル2a内に第1のレンズ4と第2のレンズ6とを保持し収容している。
第1のレンズ4は、外光が入射する側の面の中央に凸状の光学機能面を有し、その反対側の面(第2のレンズ6側の面)に凹状の光学機能面を有している。また、第1のレンズ4は、光学機能面の周囲に環状にフランジ部が形成されている。更に、第1のレンズ4は、外光が入射する側のフランジ部の面に凹部4aが形成され、その反対側の面(第2のレンズ6側の面)に凸部4bが形成されている。凹部4aの内周面及び凸部4bの外周面は、傾斜を有している。
第2のレンズ6も、第1のレンズ4側の面の中央に凹状の光学機能面を有し、その反対側の面(出射側の面)に凸状の光学機能面を有している。第2のレンズ6も、光学機能面の周囲に環状にフランジ部が形成されている。第2のレンズ6は、第1のレンズ4側のフランジ部の面に凹部6aが形成されている。凹部6aの内周面は、傾斜を有している。
バレル2aのレンズ収納部2eの内径は、第1のレンズ4の外径より大きく形成されている。バレル2aの内周壁と第1のレンズ4の外縁とは離間し、クリアランス7aが設けられている。このクリアランス7aは、リフロー温度(約260℃以上)におけるバレル2aと第1のレンズ4との膨張差によって、第1のレンズ4のフランジ部の外縁がバレル2aの内周壁に接触しない大きさに設定されている。
同様にして、バレル2aの内周壁と第2のレンズ6のフランジ部の外縁との間にも、クリアランス7bが形成されている。
バレル2aのレンズ収納部2eの内底面には凸部2dが形成されている。凸部2dの外周面は、傾斜を有している。そして、バレル2aの内底面に接触する第1のレンズ4のフランジ部の面に、この凸部2dの外周面に、内周面が接触する凹部4aが形成されている。凸部2dと凹部4aとが接触して係合する係合部分の面は傾斜を有している。
レンズモジュール1がリフロー温度に昇温されたとき、材料の線膨張係数の相違によって、第1のレンズ4はバレル2aよりも膨張する。即ち、係合部分において、第1のレンズ4の凹部4aの内周面はバレル2aの凸部2dの外周面から離間する。リフロー炉から取り出され降温されて第1のレンズ4とバレル2aとが収縮したとき、バレル2aの凸部2dと第1のレンズ4の凹部4aとは係合して、第1のレンズ4はバレル2aに対して調芯され所定位置に配置される。即ち、バレル2aの凸部2dと第1のレンズ4の凹部4aとは本願の調芯部の一例を構成する。これにより、バレル2aの内周壁と第1のレンズ4の外縁との間にクリアランス7aを設けてあっても、第1のレンズ4は、所定位置に配置される。昇温及び降温による光軸方向のズレも、凸部2dと凹部4aとが係合する係合部分の傾斜によって吸収され、第1のレンズ4は、所定位置に配置される。
第2のレンズ6もリフロー時に膨張するが、第1のレンズ4との間に凸部4bと凹部6aが形成されて係合しているので、第1のレンズ4がバレル2aに対して所定位置に配されると、第2のレンズ6も所定位置に配置される。バレル2aと第1及び第2のレンズ4,6との材料の線膨張係数の相違によって昇温時に生じる光軸方向のズレは、降温時に凸部4bと凹部6aとの係合部分の傾斜に沿って第2のレンズ6が移動して所定位置に戻るので、吸収される。
尚、バレル2aと第1のレンズ4との係合部分は、バレル2aに形成された凸部2dと第1のレンズ4に形成された凹部4aとが係合すると説明したが、本発明はこれに限定されない。バレル2aの凹部と第1のレンズ4の凸部とが係合部分を構成するようにしても良い。同様に、第1のレンズ4と第2のレンズ6との係合部分も凹凸が逆であっても良い。
図4は、本発明の他の実施形態にかかるレンズユニット10,20,30を示す図である。
図4(a)に示すレンズユニット10は、第2のレンズ6が接着剤8によって直接バレル2aの内周壁に接着されている点が、図3に示したレンズユニット2と相違する。接着剤8は、例えば、シリコーン系接着剤など、リフロー温度における第2のレンズ6とバレル2aとの膨張差を吸収できる程度の弾性を有する接着剤が好ましい。
図4(c)に示すレンズユニット30は、第2のレンズ6の下面(第1のレンズ4の側とは反対の面)に形成された凹部にレンズ押さえ9が係合する点が、図3に示したレンズユニット2と相違する。リフロー温度における第2のレンズ6の膨張及び収縮を阻害しない形状となっている。よって、第1及び第2のレンズ4,6をバレル2aのレンズ収納部2eに収納保持できる。
図5は、本実施の形態にかかるカメラモジュール50の分解斜視図である。
赤外線をカットするための多層膜が蒸着されたフィルタ15が、台座3の矩形部3b(図3参照)に収納され、接着される。センサ16の周辺部16bには半田ボール16cが配され、受光部16aがガラスカバー17と向き合う方向で、CSP(Chip Size Package)と呼ばれる技術を使ってガラスカバー17に取り付けられている。
ガラスカバー17のセンサ16側の面には半田バンプ22が形成され、半田バンプ22とセンサ16とはガラスカバー17上に形成された電気回路(図示省略)で電気的に導通している。また、ガラスカバー17はセンサ16の受光部16aを覆っており、受光部16aに異物が進入することを防ぐ役割を担っている。センサ16が取り付けられたガラスカバー17は、フィルタ15と同様に台座3の矩形部3b(図3参照)に収納され、接着される。
回路基板21は、携帯電話機などの情報通信端末に使われる電子部品が搭載された実装基板である。ここで、回路基板21上の他の電子部品や回路パターンは省略して図示してある。回路基板21上の半田付け部(図示省略)に半田ペーストをスクリーン印刷機等を使って塗布し、カメラモジュール50を他の電子部品と共に回路基板21上の指定位置に搭載する。次いで、回路基板21をリフロー炉に入れることによってガラスカバー17に形成した半田バンプ22が溶融し、回路基板21の回路パターン(図示省略)と電気的に導通する。
また、カメラモジュール50の回路基板21への搭載をマウンタに行わせることができる。よって、搭載の作業性を向上させることができる。
マウンタによる自動実装をすることで実装領域の縮小化を実現できる。よって、カメラモジュール50の小型化が実現できる。電子部品を回路基板21に実装した後に、カメラモジュールが搭載されたFPC基板をコネクタ接続する従来品に比べて、部品の実装面積比を従来の約50%に削減できた。
Claims (5)
- 略円板形状を有し、可視光の透過に良好なシリコーン樹脂で構成されるレンズと、
前記レンズを所定位置に収納する円筒形状の収納部を有し、当該レンズを構成するシリコーン樹脂よりも線膨張係数が小さい材料で構成されるバレルと
を含み、
前記レンズの外縁と前記バレルが有する前記収納部の内周壁との間にはクリアランスが設けられ、
前記レンズが前記バレルの前記収納部に収納された際に係合して当該レンズを当該バレルに調芯する調芯部が形成されることを特徴とするレンズユニット。 - 前記調芯部は、前記バレルの前記収納部に形成された凸部が前記レンズに形成された凹部に係合して実現されることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
- 前記バレルの前記収納部に収納された前記レンズを保持するレンズ押さえを更に有し、
前記レンズ押さえは、前記レンズの径方向の膨張を阻害しない形状を有していることを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。 - レンズユニットと、
前記レンズユニットが取り付けられる台座マウントと
を含み、
前記レンズユニットは、
略円板形状を有し、可視光の透過に良好なシリコーン樹脂で構成されるレンズと、
前記レンズを所定位置に収納する円筒形状の収納部を有し、当該レンズを構成するシリコーン樹脂よりも線膨張係数が小さい材料で構成されるバレルと
を含み、
前記レンズの外縁と前記バレルが有する前記収納部の内周壁との間には熱膨張差を吸収するクリアランスが設けられ、
前記レンズが前記バレルの前記収納部に収納された際に係合して当該レンズを当該バレルに調芯する調芯部が形成されることを特徴とするレンズモジュール。 - レンズユニットと、
前記レンズユニットにて結像された光を電気信号に変換する撮像素子と、
前記撮像素子を収納し、前記レンズユニットが取り付けられる台座マウントと
を含み、
前記レンズユニットは、
略円板形状を有し、可視光の透過に良好なシリコーン樹脂で構成されるレンズと、
前記レンズを所定位置に収納する円筒形状の収納部を有し、当該レンズを構成するシリコーン樹脂よりも線膨張係数が小さい材料で構成されるバレルと
を含み、
前記レンズの外縁と前記バレルが有する前記収納部の内周壁との間には熱膨張差を吸収するクリアランスが設けられ、
前記レンズが前記バレルの前記収納部に収納された際に係合して当該レンズを当該バレルに調芯する調芯部が形成されることを特徴とするカメラモジュール。
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