JP2009052870A - 二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器 - Google Patents

二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器 Download PDF

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Abstract

【課題】二酸化炭素の低圧冷媒のドライアウトを抑制し、かつ伝熱性能を向上でき、コンパクト化が図れる二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器を提供する。
【解決手段】二酸化炭素の高温高圧冷媒と低温低圧冷媒との間で熱交換を行う冷凍サイクルの二重管式の内部熱交換器20であって、低温低圧冷媒が流れる前記二重管の内管22の内面には、1条または多条のフィンが設けられ、前記フィンはネジレ角が45°以上であり、かつ前記フィンの先端部には空洞部が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器に関し、更に詳しくは、二酸化炭素を冷媒として用いるヒートポンプ式給湯機やヒートポンプ式空調機等(本明細書において、ヒートポンプ式給湯機やヒートポンプ式空調機等の総称として「ヒートポンプ式熱交換機器」を用いる)に好適な二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器及びこれを用いたヒートポンプ式熱交換機器に関する。
ヒートポンプとは、熱源(通常、大気や地下水、海水など安価で豊富にある資源)からの熱を圧縮機(コンプレッサ)を利用して汲み上げ、この熱を移動させることにより加熱や冷却を行うシステムをいう。例えば、電動ヒートポンプでは、電気エネルギーを熱エネルギーに直接変換するのではなく、熱を移動させる動力源として利用することにより、消費電力(消費エネルギー)の3倍近くの熱エネルギーが利用できると言われている。これは、石油などの化石燃料を燃焼させて熱エネルギーとする従来のシステムに比しても効率がよく、環境への負荷が小さいシステムといえる。このことから、ヒートポンプ式熱交換機器が近年広く利用されている。
一方、冷凍サイクルを利用した一般的な熱交換機器(空調機、冷蔵庫、冷凍機、給湯機など)には、従来からフロン系の冷媒が使用されていた。しかし、フロン系の冷媒は地球温暖化への影響が懸念される等の理由から、環境への負荷が小さい自然冷媒、特に二酸化炭素が最近注目されている。そして、経済的・環境的理由により、例えば、自然冷媒ヒートポンプ給湯機やカーエアコン用として、上述のピートポンプと組み合わせた自然冷媒(特に二酸化炭素)ヒートポンプ式熱交換機器への期待が急速に高まっている。
冷凍空調機に適用される内部熱交換器の多くは、膨張弁等の減圧器に流入する高圧側冷媒と圧縮機等に吸引される低圧側冷媒とを熱交換することにより、減圧器に流入する冷媒の温度及びエンタルピを低下させて蒸発器での吸熱量、つまり蒸発器でのエンタルピの上昇量を増大させてヒートポンプ式熱交換機器の冷凍能力を向上させるものとして用いられている。
また、給湯機に適用される内部熱交換器は、圧縮機に吸入される冷媒温度を高めることで圧縮機の吐出温度を高め、結果として貯湯温度を高める手段として用いられている。
二酸化炭素を冷媒として用いる冷凍サイクルの内部熱交換器としては、大径管内に中径管を同心状に配設し、中径管の内部には低温低圧の冷媒を流し、大径管と中径管との間には高温高圧の冷媒を流す小径管を中径管を囲むように配置し、高温高圧の冷媒管路を内部熱交換器の外周側に配置することで、高温高圧の冷媒を外気とも熱交換させることで放熱量を増加させたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、二酸化炭素を冷媒とする冷凍サイクル装置においては、圧縮機の潤滑油として難溶性オイルを用い、内部熱交換器への潤滑油の付着による影響を少なくして内部熱交換器の熱交換効率を高めるために、高圧冷媒が流れる第一伝熱管を低圧冷媒が流れる第二伝熱管内に配置したものが提案されている(特許文献2参照)。
さらに、二酸化炭素冷媒の蒸発熱伝達の促進方法を検討するために、水平平滑管内における二酸化炭素冷媒の蒸発熱伝達率の計測結果が報告されている(非特許文献1参照)。
特開2001−56188号公報 特開2006−300488号公報 橋本克巳ら、「水平平滑管内CO2蒸発熱伝達率の計測と予想値との比較」、第42回日本伝熱シンポジウム講演論文集、2005−6
ところで、内部熱交換器において、低圧ガス冷媒と高圧ガス冷媒の熱伝達率比率は、圧縮機の潤滑油が圧縮機外に流出しない理想的な状態では、約1:4であり、上記特許文献1のように低圧冷媒の性能向上の対策が採られていない場合は、所期の性能を得るのに必要な熱交換長さ(管路長)が長くなるという問題がある。
低圧冷媒が、ガス化していない気液二相流であっても、伝熱管の内面が平滑である平滑管の場合、高乾き度冷媒はドライアウトするため、蒸発による熱伝達率の向上が見込めない。
上記特許文献2では、二酸化炭素冷媒に特有の、圧縮機の潤滑油が冷凍サイクル内を循環する場合の性能低下について考慮されている。冷媒とともに冷凍サイクル内を循環する圧縮機の潤滑油の、冷媒に対する割合(以下、油濃度という)が多くなると、熱伝達率は大きく低下するという報告もあるが、特許文献2はこれを改善するものである。しかしながら、低圧冷媒が二重管の内管と外管との間の環状部を流れると、その濡れ縁長さは、伝熱面となる内管外表面と伝熱に寄与しない外管内表面を合わせたものとなるため、性能に対する圧損比は大きくなり、冷凍サイクル性能を低下させてしまうという問題がある。また、前述したように、圧縮機から流出して冷凍サイクル内を循環する潤滑油がない理想的な場合(油濃度0の場合)でも、低圧冷媒の熱伝達率は高圧冷媒に比べて小さいため、熱交換長さが長くなるという問題は解決されない。
一般的に内部熱交換器では、熱交換効率を上げるために1パスにして冷媒の流速を上げるが、非特許文献1によれば、平滑管内で二酸化炭素冷媒が蒸発する際には、従来のフロン系冷媒と比較して低乾き度でもドライアウトと呼ばれる現象が発生して、著しく性能が低下するという問題がある。
しかし、特許文献1、2に記載の熱交換器では、いずれも低圧冷媒の熱伝達率が小さく、しかもドライアウト対策がとられていないため、熱交換長さが長くなるという課題を解決することは困難である。
本発明は、上記課題を解決し、二酸化炭素の低圧冷媒のドライアウトを抑制し、かつ伝熱性能を向上でき、コンパクト化が図れる二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器及びヒートポンプ式熱交換機器を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、二酸化炭素の高温高圧冷媒と低温低圧冷媒との間で熱交換を行う冷凍サイクルの二重管式の内部熱交換器であって、前記低温低圧冷媒が流れる前記二重管の内管の内面には、1条または多条のフィンが設けられ、前記フィンはネジレ角が45°以上であり、かつ前記フィンの先端部には空洞部が形成されている二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器である。
本発明の第2の態様は、二酸化炭素の高温高圧冷媒と低温低圧冷媒との間で熱交換を行う冷凍サイクルの内部熱交換器であって、前記高温高圧冷媒が流れる管と前記低温低圧冷媒が流れる管とが接合され、前記低温低圧冷媒が流れる管の内面には、1条または多条のフィンが設けられ、前記フィンはネジレ角が45°以上であり、かつ前記フィンの先端部には空洞部が形成されている二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器である。
本発明の第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の前記二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器を用いたヒートポンプ式熱交換機器である。
本発明によれば、伝熱性能を向上させることができ、二酸化炭素冷媒用の熱交換器及びヒートポンプ式熱交換機器をコンパクト化できる。
以下、本発明に係る二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器及びヒートポンプ式熱交換機器の実施形態を図面を用いて説明する。
本実施形態では、二酸化炭素を冷媒としたヒートポンプ式熱交換機器として、二酸化炭素冷媒ヒートポンプ式給湯機を例にとって説明する。
(二酸化炭素冷媒ヒートポンプ式給湯機の構成)
図1は、本発明の一実施形態における二酸化炭素冷媒ヒートポンプ式給湯機の概略構成図である。
図1に示すように、二酸化炭素冷媒ヒートポンプ式給湯機10は、圧縮機11と、ガスクーラ(放熱器)12と、膨張弁・膨張機等の減圧器13と、吸熱器(蒸発器)14と、内部熱交換器15とを備えており、これらを配管16で接続することにより冷凍サイクルが構成されている。冷凍サイクル内には二酸化炭素冷媒が封入されている。圧縮機11の潤滑油としては、例えば、ポリアルキレングリコール油(PAG油)が用いられる。
ガスクーラ12が水熱交換器の場合には、圧縮機11で圧縮された二酸化炭素の高温高圧冷媒が配管16を通じて供給されると共に、貯湯ユニット(図示せず)から配管17を通じて水が供給され、高温高圧冷媒と水との熱交換が行われる。この熱交換により加熱された水(温水)は、ガスクーラ12から貯湯ユニットに戻され、更に種々な場所に給湯されて利用される。
内部熱交換器15では、ガスクーラ12からの高温高圧冷媒と、吸熱器14からの低温低圧冷媒との間で熱交換が行われる。吸熱器14には、通常、大気からの吸熱量を増大させるために、吸熱器14に送風するための送風用ファン(図示せず)が設けられる。
(二酸化炭素冷媒ヒートポンプ式給湯機の動作)
次に、二酸化炭素冷媒ヒートポンプ式給湯機10の動作について説明する。
圧縮機11で圧縮された二酸化炭素冷媒(本実施形態では、例えば、約10MPa)は、臨界圧力(約7.4MPa)を超える高温高圧の状態(超臨界状態)でガスクーラ(水
熱交換器)12へ導入され、水などと熱交換(高温高圧冷媒からの放熱)が行われる。ついで、高温高圧冷媒は、内部熱交換器15において吸熱器14からの低温低圧冷媒に放熱した後、減圧器13で減圧されて(本実施の形態では、例えば、約3.5MPa)、低圧
の気液二相状態となり、吸熱器14へ導入される。
気液二相状態となった二酸化炭素冷媒は、吸熱器14において、空気(大気)から吸熱してガス状態(気相の単相状態)、または、乾き度の高い気液二相状態となり、更に、内部熱交換器15にて過熱度の高いガス状態になり、再び圧縮機11に吸入される。このようなサイクルを繰り返すことにより、ガスクーラ12における冷媒からの放熱による加熱作用と、吸熱器14における冷媒の吸熱による冷却作用とが行われる。
(内部熱交換器の構成)
次に、本実施形態に係る内部熱交換器15の構成について述べる。
図2は、内部熱交換器の第一の実施形態を示す縦断面図である。
図2に示すように、第一の実施形態の内部熱交換器20は二重管構造のものであり、直管の内管22が、外管21の中心部を貫通して設けられている。内管22内には二酸化炭素の低温低圧冷媒が流され、外管21と内管22との間の環状部23には二酸化炭素の高温高圧冷媒が流される。外管21の一方の端部には、その側方に冷媒導入口を有し、環状部23に高温高圧冷媒を導入する導入部材24が設けられ、また外管21の他方の端部には、その側方に冷媒導出口を有し、環状部23を流れた高温高圧冷媒を導出する導出部材25が設けられている。低温低圧冷媒は、内管22の一方の開口22aから他方の開口22bへと1パスで流れ、環状部23を流れる高温高圧冷媒は、内管22内の低温低圧冷媒の流れに逆向きに向流させている。
内管22の内面には、盛上タップによって1条または多条のフィンが設けられており、内管22は内面フィン付管(ないし内面溝付管)となっている。低温低圧冷媒が流れる伝熱管である内管22には、具体的には、図4に示す伝熱管40のような構造を有する管(以下、MT管ともいう)が用いられる。
図4の伝熱管40の内面には、盛上タップによって1条のフィン41が設けられている。フィン41のネジレ角βは45°以上であり、フィン41の先端部には空洞部42が形成されている。盛上タップによるフィン41の形成は、下穴をあけた伝熱管40の内周面部を、盛上タップによって塑性加工でフィン41を盛り上げて成形するものである。盛上タップで形成されたフィン41の特徴としては、ネジレ角βを非常に大きくできること、及びフィン41の先端部に空洞部42が形成されることがある。伝熱管40の材料としては、例えば、銅及び銅合金、アルミニウム、鉄、ステンレスが挙げられる。
図9に、内面フィンの形成に用いられる盛上タップ(田野井製作所製、ITタフレットIT-TF-T(商品名) M6 P7)の一例を示す。図9(a)に示すように、盛上タップ91は
、柄部(シャンク部)92とねじ部93とを備え、ねじ部93は、先細りのテーパ状になっている食付き部94とこれに連続する平行ねじ部95とを有すると共に、図示省略の油溝が周方向に配されている。食付き部94の谷の深さは、図9(b)にねじ部93の一部断面を拡大して示すように、平行ねじ部95の谷の深さと等しく一定に形成され、また食付き部94の山頂は同一ピッチで傾斜させて形成されている。
なお、伝熱管内面のフィン形成は、盛上タップに限らず、他の機械的加工方法により形成してもよい。
また、盛上タップによる加工の後に、空洞部42を所望の形状・寸法に変更・修正する加工を行ってもよい。図4の伝熱管40において、ODは外径、IDは内径、HFはフィン高さ、TWは底肉厚を表す。
図3は、内部熱交換器の第二の実施形態を示す縦断面図である。
第二の実施形態の内部熱交換器30は、図3に示すように、高温高圧冷媒が流れる管31と低温低圧冷媒が流れる管32とが、互いに平行な状態で両管の外面がろう付け等で接合されたものである。低温低圧冷媒が流れる管32は、図4の伝熱管40と同様な内面フィン付管構造を有し、管32の内面には、盛上タップによって1条または多条のフィンが設けられ、フィンはネジレ角が45°以上であり、かつフィンの先端部には空洞部が形成されている。低温低圧冷媒は、直管である管32内をその一方の開口32aから他方の開口32bへと1パスで流れ、高温高圧冷媒は、直管状の管31内をその一方の開口31aから他方の開口31bへと低温低圧冷媒の流れとは逆向きに流れる。
(内部熱交換器の伝熱作用)
低温低圧冷媒と高温高圧冷媒との熱交換は、第一の実施形態の内部熱交換器20では、伝熱管である内管22を介して、また第二の実施形態の内部熱交換器30では、伝熱管で
ある管32及び管31を介してなされる。
低温低圧冷媒が流れる内管22及び管32の内面には、図4に示すような盛上タップで形成されるフィン41が形成されており、盛上タップで形成されるフィンは、容易に45°以上の高いネジレ角とすることができる。高ネジレ角のフィン41は冷媒に対する攪拌効果が大きく、低温低圧冷媒が完全に気化した単相状態であっても優れた伝熱性能が得られる。
また、内管22及び管32内面のフィン41は、1条または多条の連続した連続フィン(連続溝)であり、且つネジレ角が45°以上と大きいため、気液二相状態の低温低圧冷媒はフィン41を乗り越える流れとなる。このとき、空洞部42内は速度境界層の中にあるため、液膜が生じやすくドライアウトを抑制でき、さらに空洞部42はフィン41先端部にあるため、圧縮機の潤滑油の影響を受けにくく、空洞部42での核沸騰の発生により、二相域においても優れた伝熱性能が得られる。
なお、上記第一の実施形態の内部熱交換器20は、低温低圧冷媒が流れる内管22が1本の二重管構造であるが、内管22が複数のシェルアンドチュ−ブ形の多管式構造の内部熱交換器としてもよい。また、上記第二の実施形態の内部熱交換器30において、低温低圧冷媒が流れる管32の外周に高温高圧冷媒が流れる管31を複数本設けたり、螺旋状等に形成したりして接合してもよい。
なお、また上記実施形態の内部熱交換器において、端末の分岐部や集合部の構造は、上記実施形態に限定されるものではなく、適宜変更しても勿論よい。また、低温低圧冷媒と高温高圧冷媒とを同じ向きに並流させて熱交換を行うようにしてもよい。
次に、本発明の実施例を説明する。
この実施例では、図2に示す上記第一の実施形態の内部熱交換器20と同様な二重管構造の内部熱交換器を用いて、伝熱性能を測定した。図8に伝熱性能を評価するための二重管式熱交換器の模式図を示す。図8に示すように、二酸化炭素冷媒用の伝熱管81を内管とし、該内管の外側に冷媒から熱を除去する水を環状(ジャケット状)に流すための水管82を有した二重管式熱交換器80を構成した。また、本実施例では、伝熱性能を、後述の式(7)で算出される管内熱伝達率で評価した。
二重管式熱交換器80の内管である伝熱管81に、実施例では図4に示すような内面フィン付管(MT管)を用い、比較例では内面が平滑な平滑管を用いた。表1に、実施例及び比較例の伝熱管の仕様を示す。なお、実施例及び比較例の伝熱管の材料は、りん脱酸銅である。
Figure 2009052870
図5は、低温低圧冷媒が完全に気化した状態(単相)を模擬し、伝熱管81内に水を流して試験した結果である。盛上タップで形成されるフィンは、容易に高ネジレ化すること
ができ、フィンの攪拌効果により、実施例では、比較例の平滑管比で2.6倍以上の伝熱
性能(熱伝達率)が得られた。
図6は、油濃度0.1%、低温低圧冷媒の乾き度0.6〜0.9における比較例(平滑管
)の熱伝達率の測定結果である。一般的に内部熱交換器では、性能を上げるために1パスにして冷媒の流速を上げるが、図6に示すように流速を上げると、乾き度0.6〜0.9でもドライアウトが発生し、性能が逆に低下している。ちなみに、二酸化炭素を冷媒とした家庭用ヒートポンプ式給湯機では、定格仕様における冷媒循環量が約60kg/hであるので、比較例の平滑管内の冷媒流速は570[kg/m・s]となり、ドライアウトによる熱伝達率の低下は避けられない。
図7は、油濃度0.1%と3%のときに、低温低圧冷媒の乾き度0.6〜0.9での、実
施例の熱伝達率の測定結果である。連続フィン(連続溝)の効果により、平滑管と異なりドライアウトを抑止できる。また、実施例のMT管はネジレ角βが大きいため、冷媒はフィンを乗り越える流れとなる。このとき、空洞部内は速度境界層の中にあるため液膜が生じやすく、さらに、空洞部はフィン先端にあるため、油濃度の影響を受けにくく、いずれの油濃度においても核沸騰の発生により、平滑管比3.5倍以上と単相域以上の性能向上
効果が得られた。
以上により、内面フィン付管(MT管)を内部熱交換器の低圧冷媒用の伝熱管として用いることで、乾き度の高い二相域及び単相域での性能向上が図れることが確認された。
(管内熱伝達率の求め方)
上記管内熱伝達率(熱伝達率)は、以下のようにして求めた。
図8に示す二重管式熱交換器における冷媒温度範囲ごとの冷媒入口温度Tr2[単位:K]、冷媒出口温度Tr2[単位:K]、水管82の入口温度TW1[単位:K]、水管82の出口温度TW2[単位:K]、および水の質量流量G[単位:kg/s]を計測する。なお、冷媒入口温度Tr2は、冷媒用伝熱管81の冷媒入口圧力Pr2から換算される飽和温度であり、冷媒出口温度Tr2は、冷媒出口状態が気相である場合、冷媒温度そのものだが、二相である場合、冷媒用伝熱管81の冷媒出口圧力Pr1から換算される飽和温度である。なお、Gは冷媒質量流量[単位:kg/s]である。
水の入口温度TW1、出口温度TW2から算出される代表温度(平均温度T[単位:K])より、測定区間の水の定圧比熱Cpが求まり、次式(1)、(2)の関係から熱流速q[単位:kW/m]および対数平均温度差△T[単位:K]が求まる。
q=GCp×(TW2−TW1)/A …… 式(1)
ここで、Aは熱交換面積(前記二重管式熱交換器80において、水と接する冷媒用伝熱管81の表面積)[単位:m]である。
ΔT=|ΔT−ΔT|/(lnΔT−lnΔT) …… 式(2)
ここで、
ΔT=Tr1−TW1 …… 式(3)
ΔT=Tr2−TW2 …… 式(4)
である。
また、熱流速qを対数平均温度差△Tで除すことにより、二重管式熱交換器80の熱通過率K[単位:kW/(m・K)]を次式(5)から算出できる。
K=q/ΔT …… 式(5)
一方、水管82の入口温度TW1、出口温度TW2から算出される代表温度(平均温度T)から、その温度における水の各物性値(密度、比熱、粘度、熱伝導率λ)が定まり、プラントル数Prが求まる。
また、水の物性値と質量流量によりレイノルズ数Reが求まり、次式(6)の関係によ
り、水の熱伝達率α[単位:kW/(m・K)]が算出できる。
α=0.02×(λ/d)・(d/OD)0.53×Re0.8×Pr1/3 …式(6)
ここで、dは水の環状流通部分の相当直径(流路面積の4倍を濡れ縁長さで除したもの)[単位:m]、dは水管82の内径[単位:m]、ODは冷媒用伝熱管81の外径[単位:m]である。
管内熱伝達率α[単位:kW/(m・K)]は、上記熱通過率Kと水の熱伝達率α、及び冷媒用伝熱管81の外径OD、内径ID[単位:m]を用いて、次式(7)のように算出できる。
1/α=(ID/OD)×{(1/K)−(1/α)} …… 式(7)
本発明のヒートポンプ式熱交換機器の一実施形態に係るヒートポンプ式給湯機の概略構成図である。 本発明の内部熱交換器の一実施形態を示す縦断面図である。 本発明の内部熱交換器の他の実施形態を示す縦断面図である。 本発明の内部熱交換器に適用される内面フィン付管の縦断面図である。 単相域での図4の内面フィン付管の伝熱性能測定結果である。 二相域高乾き度での平滑管の伝熱性能測定結果である。 二相域高乾き度での図4の内面フィン付管の伝熱性能測定結果である。 伝熱性能を評価するための二重管式熱交換器の模式図である。 伝熱管の内面フィンの形成に用いられる盛上タップの一例を示すもので、(a)は側面図、(b)は(a)のねじ部の一部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
10 ヒートポンプ式給湯機
11 圧縮機
12 ガスクーラ(放熱器)
13 減圧器
14 吸熱機(蒸発器)
15 内部熱交換器
16 配管
20 内部熱交換器
21 外管
22 内管
30 内部熱交換器
31 高温高圧冷媒が流れる管
32 低温低圧冷媒が流れる管
40 伝熱管
41 フィン
42 空洞部
80 二重管式熱交換器
81 冷媒用伝熱管
82 水管
β ネジレ角

Claims (3)

  1. 二酸化炭素の高温高圧冷媒と低温低圧冷媒との間で熱交換を行う冷凍サイクルの二重管式の内部熱交換器であって、前記低温低圧冷媒が流れる前記二重管の内管の内面には、1条または多条のフィンが設けられ、前記フィンはネジレ角が45°以上であり、かつ前記フィンの先端部には空洞部が形成されていることを特徴とする二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器。
  2. 二酸化炭素の高温高圧冷媒と低温低圧冷媒との間で熱交換を行う冷凍サイクルの内部熱交換器であって、前記高温高圧冷媒が流れる管と前記低温低圧冷媒が流れる管とが接合され、前記低温低圧冷媒が流れる管の内面には、1条または多条のフィンが設けられ、前記フィンはネジレ角が45°以上であり、かつ前記フィンの先端部には空洞部が形成されていることを特徴とする二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器。
  3. 請求項1または2に記載の前記二酸化炭素冷媒用の内部熱交換器を用いたことを特徴とするヒートポンプ式熱交換機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019056536A (ja) * 2017-09-22 2019-04-11 パナソニックIpマネジメント株式会社 冷凍サイクル装置

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