JP2006194476A - 室外熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】二酸化炭素を主な冷媒とするヒートポンプ式給湯機用と、使用冷媒を限定しないヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器として、現状に比べ熱交換器の奥行きは変えずに細径・厚肉の伝熱管を使用する条件で、製作性等の問題は少なく抑えながら大幅な高性能化が図れる改良型の室外熱交換器を提供する。
【解決手段】
二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用の、コルゲートフィンと分割フィン構造を適用したクロスフィンチューブ型の室外熱交換器において、伝熱管の外径Doを4.5〜6.0mmとし、かつ室外熱交換器全体を3列とし、かつ前記伝熱管の最小肉厚Tを外径Doの6.0〜11.3%とした
【選択図】 図1

Description

本発明は、空気と熱交換するクロスフィンチューブ型の室外熱交換器に関する。
地球環境保護を目的として、空調機ではフロン系で環境負荷の小さいHFC等が、給湯機では高温給湯に適した二酸化炭素が主な冷媒として近年用いられるようになっており、運転時の省エネルギー化を図るため、室外熱交換器も含めた構成機器の性能改善が求められている。
ヒートポンプ式の給湯機や空調機の室外熱交換器は、空気流に対し平行なフィン群と空気流に対し直交する段方向に並べられた伝熱管が固定され、空気流に沿う列方向に複数列となったクロスフィンチューブ型の熱交換器が用いられ、室外空気と冷媒との熱交換により冷媒を蒸発又は凝縮させて室外空気から吸熱又は放熱する役割を受け持っている。これらの室外熱交換器では、ユニットの省エネルギー化に対応させて限られた設置スペースで大きな熱交換能力を得るために、箱型のユニットの2面や3面に開口するように全体を曲げて大形化したり、室外熱交換器の伝熱管の管径や空気流に沿う方向の列ピッチ、空気流と直交する方向の段ピッチ及び伝熱管内面への溝形成(溝付管化)等の適正化により高性能化することが行われている。
室外熱交換器は複数列であり、大形化のために全体をL字やU字に曲げるには、フィン群と段方向に並んだ伝熱管とが固定された単列の熱交換器を複数並べるという、分割フィン構造が採られる。
また室外熱交換器は氷点付近やそれ以下の空気から吸熱する役割でも使用されることがあるため、耐着霜性能を保持しながら熱交換性能を高められる横断面が波形のコルゲートフィンとするのが一般的である。コルゲートフィンは、剛性向上により単列の熱交換器の製作性や精度の改善にも役立つ。
室外熱交換器の高性能化策として、伝熱管内を流れる二酸化炭素冷媒を蒸発させる蒸発器で、伝熱管断面形状が円形で、伝熱管内壁には中心側に突出した複数個の突起部を有し、伝熱管の通路長さLと平均内直径dとの関係を数式(0.5×d1.2682≦L≦2.09×d1.2682)とすることにより、伝熱管内の冷媒熱伝達率を高めたものが提案されている(特許文献1参照)。
また、HFC系・HC系及び二酸化炭素を主体とする冷凍空調機器用の熱交換器で、冷媒伝熱管の外径DAを4.0mm以上、5.8mm以下とし、伝熱管の空気流に沿う方向の列ピッチLA、空気流と直交する方向の段ピッチLBとの関係を、それぞれ、数式(1.2DA≦LA≦1.8DA)、数式(2.6DA≦LB≦3.5DA)とすることにより、空気側熱伝達率を高めたとするクロスフィンチューブ型の熱交換器が提案されている(特許文献2参照)。
特開2003−343942号公報
特開2001−91183号公報
特許文献1の蒸発器は、伝熱管に溝付管を使用して二酸化炭素冷媒を流した場合の質量流束に対する圧力損失、蒸発伝達率や冷媒過熱度の特性から、伝熱管の通路長さLと平均内直径dとの間に最適性能範囲があるとするものである。しかしながら、同文献の図5・図6の冷媒の圧力損失と熱伝達率は質量流束に対し単調増加であり、圧力損失を抑制しつつ熱伝達率を増大させる最適な質量流束が一意に決まるとは考えられない。また仮に最適な質量流束を指定できたとしても、冷媒と空気の温度も一定(空気流の熱伝達率は指定なし)で蒸発器出口での過熱度が0になる適正な伝熱管の通路長さLが4倍近くもの広い範囲になるというのは現実的でない。もし前述の最適な質量流束が一意に決まるのでないならば、伝熱管の通路長さL・平均内直径d等と最適な質量流束との関係を詳細に指定する必要がある。従って、この文献のように伝熱管の通路長さLと平均内直径dだけで最適性能範囲を特定することは、普遍性がない。
特許文献2の熱交換器については、伝熱管の外径DAを変化させた場合(列・段ピッチLA・LBと外径DAの比率はほぼ一定に保持)に騒音一定となる風速点での熱交換能力を説明した図3を見ると、外径DAの増加と共に風量は急減し、静圧は急増する傾向なので、熱交換器は列数が同じで外径DAと共に列方向の奥行きが増減する仕様どおしで比較していることがわかる。従って、外径DAが異なる場合は熱交換器の奥行き、言い換えればサイズの違うものを前提として外径DAの最適性能範囲が決められている。実際の冷凍空調機器や給湯機では、熱交換器の奥行きは変えない前提で、多くの場合は列数も同一(従って、列ピッチの絶対値も同一)で外径DAと同時に段ピッチ等を増減させて高性能化を図るので、この文献で定義している伝熱管の外径だけでなく列ピッチ・段ピッチの最適性能範囲も基本的に当てはまらないことがわかる。
またさらに、最適としている列ピッチの範囲は、文献でもエアコン用の室内熱交換器のデータで説明しているように小さい数値となっており、分割フィン構造を通常採用する室外熱交換器では、単列の熱交換器の幅(列ピッチLAと一致)から外径DAを引いて二等分したフィンの最小幅が0.1DA〜0.4DAとなってしまう。このようなフィンの最小幅では、コルゲートフィンにしたとしてもフィンの剛性が不足で熱交換器の製作性や精度が低下する可能性が大きい。
また、着霜量の多い空気流の上流側のフィン端面でフィンの最小幅に近い部分では、伝熱管が近くてフィン端面が低温になるので耐着霜性能も低下する、というように種々の問題が発生する。従って、ヒートポンプ式の冷凍空調機器や給湯機用のクロスフィンチューブ型の室外熱交換器の実際の高性能化には、この文献で論じている最適性能範囲は有効でないことがわかる。
以上の従来技術の蒸発器や熱交換器では、二酸化炭素やHFC系冷媒等の従来より高圧な冷媒に対応して伝熱管を従来より細径化することは考えられているが、信頼性確保に必要な伝熱管の他の仕様、特に肉厚の増加については考慮されていない。また、細径・厚肉管化に伴って、伝熱管やフィン等の点数増加やサイズ縮小による剛性低下、フィン群と伝熱管の固定(通常、拡管による)の難度増加等により性能や製作性等が低下する可能性が実際にはあるが、この問題も考慮されていない。
従って、室外熱交換器の高性能化策として実際に有効となるのは、熱交換器の奥行き、言い換えればサイズをあまり変えない条件で、二酸化炭素やHFC系冷媒等の従来より高圧な冷媒に対応した細径で厚肉の伝熱管を使用しながら、高性能化が図れる構造である。そしてその際には、細径・厚肉管化に伴う伝熱管やフィン等の点数増加や剛性低下、フィン群と伝熱管の固定の難度増加等が性能や製作性に及ぼす影響と、実用化されている熱交換器・伝熱管・フィンのサイズ等も考慮した上で、製作性等への悪影響は許容範囲にとどめながら性能向上が大きくなる仕様を見出さなければならない。
本発明の目的は、二酸化炭素を主な冷媒とするヒートポンプ式給湯機用と、使用冷媒を限定しないヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器として、現状に比べ熱交換器の奥行きは変えずに細径・厚肉の伝熱管を使用する条件で、製作性等の問題は少なく抑えながら大幅な高性能化が図れる改良型の室外熱交換器を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の請求項の室外熱交換器は、空気流に対し平行で互いに一定間隔をとって並べられた横断面が波形のフィン群と、空気流に対し直交する方向に互いに一定間隔をとって並べられた1列の伝熱管とをほぼ直角に貫通するように固定した単列の熱交換器を複数列並べた、二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用の室外熱交換器であって、前記伝熱管の外径Doを4.6〜6.0mmとし、かつ室外熱交換器全体を3列とし、かつ前記伝熱管の最小肉厚Tを外径Doの6.0〜11.3%としたことを特徴としている。
上記構成によれば、現状に比べ熱交換器の奥行きは変えずに、二酸化炭素対応の耐圧性の高い細径・厚肉の伝熱管を使用する条件で、製作性等の問題は少なく抑えながら大幅な高性能化を図ることができる。
また、本発明の第2の請求項の室外熱交換器は、請求項1に記載の二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用の室外熱交換器において、前記単列の熱交換器の列ピッチP1から外径Dを差し引いた値を二等分して定義したフィンの最小幅Wを、外径Doの0.5〜1.0倍としたことを特徴としている。
上記構成によれば、第1の請求項による効果を得ながら、室外熱交換器で必要となる分割フィン構造でも、製作性や耐着霜性能等の低下に十分な対策をすることができる。
上記目的を達成するために、本発明の第3の請求項の室外熱交換器は、空気流に対し平行で互いに一定間隔をとって並べられた横断面が波形のフィン群と、空気流に対し直交する方向に互いに一定間隔をとって並べられた1列の伝熱管とをほぼ直角に貫通するように固定した単列の熱交換器を複数列並べた、ヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器であって、前記伝熱管の外径Doを4.6〜6.0mmとし、かつ室外熱交換器全体を3列としたことを特徴としている。
上記構成によれば、現状に比べ熱交換器の奥行きは変えずに細径・厚肉の伝熱管を使用する条件で、製作性等の問題は少なく抑えながら大幅な高性能化を図ることができる。
また、本発明の第4の請求項の室外熱交換器は、請求項3に記載のヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器において、前記単列の熱交換器の列ピッチP1から外径Dを差し引いた値を二等分して定義したフィンの最小幅Wを、外径Doの0.5〜1.0倍としたことを特徴としている。
上記構成によれば、第3の請求項による効果を得ながら、室外熱交換器で必要となる分割フィン構造でも、製作性や耐着霜性能等の低下に十分な対策をすることができる。
また、本発明の第5の請求項の室外熱交換器は、請求項2に記載の二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用あるいは請求項4に記載のヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器において、前記単列の熱交換器の前記フィン群が、波形の横断面をもつものとスリットをもつものとの組合せ、あるいはスリットをもつものだけとしたことを特徴としている。
上記構成によれば、第2及び第4の請求項の室外熱交換器において、製作性等の問題は少なく抑えながら高性能化の効果をさらに大きくすることができる。
本発明によれば、二酸化炭素を主な冷媒とするヒートポンプ式給湯機用と、使用冷媒を限定しないヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器において、現状に比べ熱交換器の奥行きは変えずに細径・厚肉の伝熱管を使用する条件で、製作性等の問題を少なく抑えながら大幅な高性能化を図ることができる。
以下に本発明の具体的な実施形態を図面を用いて説明する。本実施形態は、二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用の室外熱交換器に本発明に係る室外熱交換器を適用したものであって、図1は室外熱交換器の斜視図、図2は室外熱交換器の部分断面図、図3は図2のA−A断面図、図4は室外熱交換器の伝熱管の断面図である。
特に図示しないが、二酸化炭素を主な冷媒とするヒートポンプ式給湯機においては、圧縮機、ガスクーラ、減圧器、室外熱交換器から冷凍サイクルが構成され、圧縮機により高温高圧になった冷媒はガスクーラで給湯用の水と熱交換して放熱(水は湯に加熱される)して液状態になり、続いて減圧器により低圧低温になった冷媒は室外熱交換器で外部の空気から吸熱・蒸発してガス状態になり、再び圧縮機に戻るというように動作する。二酸化炭素を主な冷媒とするヒートポンプ式給湯機では従来のフロン系冷媒よりサイクル全体が高圧となるので、室外熱交換器も含めた各構成要素の配管は、従来より細径・厚肉のものが用いられる。
室外熱交換器1は、図1〜4に示すように、空気2の流れに対し平行で(流れに沿う方向を列方向という)互いに一定間隔をとって並べられた複数枚のフィン3と、空気2の流れに対し直交する方向に互いに一定間隔をとって1列に並べられた伝熱管4(図中で伝熱管が並ぶ上下の方向を段方向という)とをほぼ直角に貫通するように固定した単列の熱交換器5が分割フィン構造を採りながら、熱交換器全体としてはユニット内の限られた設置スペースでも大形化できるように全体がL字に曲げられている。
分割フィン構造と曲げ熱交換器は、既に述べたように通常の室外熱交換器でも採用されていることである。冷媒6は室外熱交換器1の幅方向の一方の端面から複数の伝熱管4毎のパスに分けて供給され、空気2からフィン3表面と空気2の熱伝達→フィン3・(伝熱管4とフィン3の接触・固定部である)フィンカラー7と伝熱管4との熱伝導→伝熱管4の内面の熱伝達を経て、空気2からの熱を得る。その熱交換の効率を高めるため、これも通常で採用されているように、氷点以下での熱交換での耐着霜性能も考慮してフィン3は横断面が波形となったコルゲートフィンとされ、また伝熱管4の内面には冷媒との熱伝達を向上させるための内面溝8が形成されている。
既に述べた発明の効果を得るためにこの室外熱交換器1で最も特徴としていることは、伝熱管4を細径管の中でも外径Doを4.6〜6.0mmとし、かつ列数を3列とし、かつ伝熱管4の最小肉厚Tを外径Doの6.0〜11.3%と厚肉なものに設定していることである。また、単列の熱交換器5のフィン3の幅(列方向の単列の熱交換器5の配置間隔である列ピッチP1と一致)から外径Doを差し引いた値を二等分して定義したフィンの最小幅Wを、外径Doの0.5〜1.0倍に設定していることも特徴としている。
上記の最も発明に関連した特徴のうちの外径Doと列数の範囲は、次のような室外熱交換器1の典型的な仕様での熱交換性能試験により求められた。その性能試験に用いた室外熱交換器の仕様を図5に、それらの室外熱交換器の熱交換性能の特性を図6に示す。
一般的な給湯機や空調機の室外熱交換器の仕様では、サイズのうちの高さと幅や全体形状は能力や設置スペースに合わせて種々の設定がなされるが、奥行きについては通風抵抗や実用的な伝熱管の外径・列数等が考慮されるためほぼ30〜50mmの範囲となっている。このような熱交換器の奥行きに対して伝熱管4には外径Doが8mm、7mm、6.35mm(拡管前の呼び径で拡管後の値とは異なる)のものが使用されてきたので、実用的な列数は2列に限定されていた。
二酸化炭素を冷媒として使用する場合、従来より高圧ながら蒸発時の圧力損失が小さい特性があるために伝熱管4は細径・厚肉なものが好適である。熱交換器の奥行きをあまり変えずに細径な伝熱管4を使用しても熱交換性能を向上させる方法のひとつは、列ピッチP1や列数は変えずに、段ピッチP2やフィン3どおしの間隔であるフィンピッチを調整・縮小することである。
この方法はフロン系冷媒が主流で細径化の進展が緩やかだった最近まで使われてきたが、性能向上を大きくすると段ピッチの縮小では通風抵抗の急増、フィンピッチの縮小では通風抵抗の増加や耐着霜性能の悪化が伴うので、共に大幅な縮小ができず性能向上も実際には限られていた。また、既に背景技術で述べたように、特許文献2のように細径管化と共に列ピッチP1と段ピッチP2を調整・縮小するが、(列数が同じのため)列ピッチP1と共に熱交換器の奥行きも変わる方法では、熱交換器の奥行きを変えない条件での高性能化には適用できない。
そこで、熱交換器の奥行きをあまり変えずに細径な伝熱管4を使用しても熱交換性能を向上させる新たな方法として、伝熱管4の細径管化と共に、列ピッチP1・段ピッチP2をほぼ比例的に縮小すると共に列数も段階的に増加させることを考案した。この場合、フィンピッチ等の他の仕様は基本的に変えない。
新たに考案した熱交換器の奥行きを変えずに細径管化で高性能化を図る方法の有効性を具体的に検証するため、図5に示す典型的な仕様の室外熱交換器を用いて性能試験を行った。供試した室外熱交換器は、従来の仕様に相当するφ8・φ7(既に述べた呼び径)で2列のもの、細径管化仕様となるφ5.2で3列とφ4で4列のものである。
熱交換器の奥行きは何れもほぼ34.6mmと同じであるが、列ピッチP1と段ピッチP2は外径Doに対しほぼ比例的に縮小させおり、フィンピッチは何れも同じにしている。性能試験は冷媒の代わりに温水を流す温水試験とし、熱交換性能として伝熱管側の影響を除いて空気側熱伝達と熱伝導分の性能である相当熱伝達率を、また同時に通風抵抗を、風速を変化させた求めた。
図6に上記の性能試験で確認された室外熱交換器の熱交換特性を示す。横軸は拡管後の外径Do(外径と共に列ピッチ、段ピッチは比例的に縮小させ、列数は段階的に増加している)であり、縦軸は得られたデータから算出した、通風抵抗が同一となる風速点での相当熱伝達率と外表面積の積の基準(φ8・2列)との比率である。
この特性図から、従来の仕様から熱交換器の奥行きを変えずに外径Doと共に列ピッチP1と段ピッチP2を縮小、列数を段階的に増加させた場合、外径Doが4.6〜6.0mmとするのが最も熱交換性能が良いことになる。この外径Doの範囲には供試した室外熱交換器ではφ5.2(呼び径)が対応しており、室外熱交換器の奥行きを考慮した実用的な列数は3列となる。
以上のような熱交換器の奥行きを変えずに外径と共に列ピッチと段ピッチを縮小、列数を段階的に増加させた場合の熱交換特性は、例えば日本機械学会基準「熱交換器の熱的設計法JSME S 011」(1996年7月15日発行)の27ページと59・60ページに示されたクロスフィンチューブ型熱交換器の空気側熱伝達と熱伝導分の性能評価法で概略の予測は可能である。その場合、上記のような細径管化と共に熱交換性能は単調に増加する傾向になる。
しかしながら、拡管による固定の前にフィンカラー7の内径と伝熱管4の外径との隙間は挿入可能なように従来並みに保つ必要があるが、細径・厚肉管化に伴って拡管による伝熱管4の外径の拡大量を従来並とするのが難しくなり(伝熱管の長さ変化や内面溝の変形の悪影響が発生)確実な固定ができなくなること、フィン3や伝熱管4が小さくなって点数増加や剛性低下により精度が低下すること等により、想定外の性能低下が実際には発生してくる。そのため、上記の性能試験での特性のように、極端に細径管化しても熱交換性能は改善されず、実用上は細径管化の最適レベルが存在する。それが、上記の性能試験で確認された最適性能となる外径と列数の範囲である。
このことは、細径管化といってもこの程度の外径と列数であれば、これまでのφ6.35(呼び径)以上で2列の場合から伝熱管やフィン等の点数増加やサイズ縮小による剛性低下、フィン群と伝熱管の固定の難度増加に起因する想定外の性能低下は少なく、細径管化による熱交換性能の向上を実用的に図れることを示している。また、この程度の細径管化であれば、伝熱管やフィン等の点数増加やサイズ縮小による剛性低下による製作性への悪影響もそれほど大きくはないので、性能向上の効果から見れば許容範囲にあると言える。
最も発明に関連した特徴のうちの残りの伝熱管の肉厚に関しては、次のように検討により定めた。二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機の室外熱交換器では、高圧条件での信頼性確保と共にフィンと伝熱管の固定等での製作性保持のために、細径管化に伴う肉厚の適正化が必要となるが、従来は指定されたものがなかった。そのため、日本工業規格「JIS B 8265(2000)圧力容器の構造―一般事項」の「附属書1(規定)圧力容器の胴及び鏡板」の2.2円筒胴に示された次の計算厚さt[mm]に関する数式(t=PDo/[2σaη+0.8P]、ここでP:設計圧力[MPa]、Do:外径[mm]、σa:材料の許容応力[N/mm]、η:継ぎ手効率)を用いて検討した。
設計圧力Pはサイクル停止時の方が動作時の蒸発圧力より高いので臨界圧力を上回る8MPaとし、伝熱管の外径Doは前述の性能試験で最適となった供試熱交換器の5.6mmとし、許容応力σaは通常用いられる銅管の例として「JIS H3300 銅及び銅合金継目無管」の種別1100のH材・50℃のデータから64N/mm、そして継ぎ手効率ηは溶接のない部分なので1と仮定した。これらの値を上記の数式に代入して計算すると、肉厚の下限として許容応力σaを1倍のままとすると計算厚さtは0.336mmが妥当である。
一方、肉厚の上限としては、あまり余裕を持たせて厚くしても重量・コストがかさんで問題となるので、許容応力σaを2倍にとるとtは0.642mmとなる。これは、代表として選んだ外径Do=5.6mmに対し5.95%と11.36%であり、外径Do=5.6mm付近の伝熱管に対しても最適な肉厚の範囲は同様であると考えられる。従って、前述の最適性能範囲となる外径・列数をもつ二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機の室外熱交換器では、伝熱管の適正な最小肉厚としては外径Doの6.0〜11.3%と指定するのが妥当となる。
発明に関連した特徴のフィンの最小幅については、既に特許文献2の分割フィン構造の室外熱交換器への適用性の説明と同様な理由から適正範囲を決定した。分割フィン構造でも製作性や耐着霜性能を落とさないためには、単列の熱交換器5のフィンの最小幅Tは特許文献2の値以上が少なくとも必要である。しかしながら、必要以上に大きくしてもフィンの熱伝導の効率低下や通風抵抗の増加により、熱交換器の奥行きをあまり変えない条件で効果的な性能向上を実現できなくなる。
従って、以上のことから、細径管化する前の従来の場合より下限を大きくして、単列の熱交換器5のフィンの最小幅Tは外径Doの0.5〜1.0倍とするのが適当と好ましい。このようなフィンの最小幅Tの範囲では、単列の熱交換器5の奥行き又は幅(列ピッチP1)は外径Doの2.0〜3.0倍となり、実用的な室外熱交換器の奥行き30〜50mmに対し最適性能範囲となる外径・列数を整合性をもたせた設定が可能となる。
以上の本発明の実施例は、二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機の室外熱交換器に関してであったが、フロン系冷媒を使用するヒートポンプ式空調機の室外熱交換器の場合には、伝熱管の最小肉厚は従来の蓄積データが豊富で細系管化に際してもそれらに基づいて指定可能なので、熱交換器の奥行きをあまり変えない条件で効果的な性能向上を図るためには伝熱管の外径と熱交換器の列数を既に説明した最適性能範囲に設定することが重要となる。またこの場合も、製作性・耐着霜性能の問題を少なく抑えるためにはフィンの最小幅も既に説明したと同様な最適範囲とすることが望ましい。
本発明の実施例の室外熱交換器の斜視図。 本発明の実施例の室外熱交換器の断面図。 図2のA−A断面図。 本発明の実施例の室外熱交換器の伝熱管の断面図。 性能試験用の室外熱交換器仕様を示す模式図。 図5の室外熱交換器による熱交換特性図。
符号の説明
1…室外熱交換器、2…空気、3…フィン、4…伝熱管、5…単列の熱交換器、6…冷媒、7…フインカラー。

Claims (4)

  1. 空気流に対し平行で互いに一定間隔をとって並べられた横断面が波形のフィン群と、空気流に対し直交する方向に互いに一定間隔をとって並べられた1列の伝熱管とをほぼ直角に貫通するように固定した単列の熱交換器を複数列並べた、二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用の室外熱交換器であって、前記伝熱管の外径Doを4.6〜6.0mmとし、かつ室外熱交換器全体を3列とし、かつ前記伝熱管の最小肉厚Tを外径Doの6.0〜11.3%としたことを特徴とする二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用の室外熱交換器。
  2. 単列の熱交換器の列ピッチP1から外径Doを差し引いた値を二等分して定義したフィンの最小幅Wを、外径Doの0.5〜1.0倍としたことを特徴とする、請求項1に記載の二酸化炭素を主な冷媒として使用するヒートポンプ式給湯機用の室外熱交換器。
  3. 空気流に対し平行で互いに一定間隔をとって並べられた横断面が波形のフィン群と、空気流に対し直交する方向に互いに一定間隔をとって並べられた1列の伝熱管とをほぼ直角に貫通するように固定した単列の熱交換器を複数列並べた、ヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器であって、前記伝熱管の外径Doを4.6〜6.0mmとし、かつ室外熱交換器全体を3列としたことを特徴とするヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器。
  4. 単列の熱交換器の列ピッチP1から外径Doを差し引いた値を二等分して定義したフィンの最小幅Wを、外径Doの0.5〜1.0倍としたことを特徴とする、請求項3に記載のヒートポンプ式空調機用の室外熱交換器。
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