JP2009051872A - 多孔質膜の製造方法、高分子電解質の製造方法、多孔質膜、高分子電解質膜、及び固体高分子型燃料電池 - Google Patents

多孔質膜の製造方法、高分子電解質の製造方法、多孔質膜、高分子電解質膜、及び固体高分子型燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高分子フィルム又は高分子シートの溶け・ダレを抑制しながら孔開け加工を行うことが出来るので、緻密に貫通細孔を生じさせて多孔質膜を提供し、この多孔質膜を固体高分子電解質膜として用いることによって、出力電圧及び電流密度が向上された燃料電池を提供する。
【解決手段】高分子フィルム又は高分子シートをその融点以下に維持するように冷却しながら、該高分子フィルム又は高分子シートに、パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーを照射させ、該高分子フィルム又は高分子シートの厚さ方向に同時に複数の貫通細孔を生じさせた多孔質膜の該貫通細孔に電解質生成モノマーを充填させ、次いで該電解質生成モノマーを重合させて複合高分子電解質膜とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、各種機能性膜、特に固体高分子型燃料電池、水電解装置などに用いる高分子多孔質膜、及びその製造方法、高分子電解質膜、さらに高分子電解質膜を用いた固体高分子型燃料電池に関する。特に、100μm以下、好ましくは10μm以下の孔径の貫通孔をもつ高分子フィルムまたはシートを、容易に物性設計で作製できる多孔質膜及びその製造方法に関する。また、燃料電池に用いた時に、運転状況の繰り返し変化に対する破損のない耐久性に優れた固体高分子電解質膜及びその製造方法に関する。
固体高分子電解質型燃料電池は、電解質として固体高分子電解質膜を用い、この膜の両面に電極を接合した構造を有する。
燃料電池として使用する際に高分子固体電解質膜は、それ自体の膜抵抗が低い必要があり、その為には膜厚はできるだけ薄い方が望ましい。しかしながら、膜厚を余り薄くすると、製膜時にピンホールが生じたり、電極成形時に膜が破れてしまったり、電極間の短絡が発生したりしやすいという問題点があった。また、燃料電池使用される高分子固体電解質膜は、常に湿潤状態で使用されるため、湿潤による高分子膜の膨潤、変形等による差圧運転時の耐圧性やクロスリーク等、信頼性に問題が生じるようになる。
そこで、下記特許文献1には、イオン交換樹脂の含水量の変化が繰り返し生じても破損せず、かつイオン交換樹脂とフッ素樹脂等の多孔膜が互いに密着し、ピンホールができ難いイオン交換膜を目的として、延伸により作製されたフッ素樹脂等の多孔膜の少なくとも孔中に、溶媒に溶解したポリマーを含浸させ、乾燥することにより多孔膜に付着させた後、イオン交換基を導入してイオン交換膜を製造する方法が開示されている。
また、高分子材料に微細な孔を穿孔する方法として、下記特許文献2には、YAGに代表されるレーザーを用いて、特定の光吸収率を持った高分子フィルムの一部を溶融させて貫通孔を形成し多孔フィルムを作製する手法が開示されている。具体的には、高精度で、効率よく貫通孔を穿孔する製造方法を提供すること、また出力の安定した高性能な燃料電池を提供することを目的として、波長330〜500nmにおける光線吸収率が60%以上である基材にレーザー照射して貫通孔を作製し、該貫通孔を複数個有する多孔基材にプロトン伝導体を充填して高分子電解質膜を製造する方法が開示されている。
また、下記特許文献3には、イオンビームをフィルムの特定部分に照射/改質した後、当該特定部分をエッチング液により除去することで、高分子フィルムに貫通孔を形成し多孔フィルムを作製する技術が開示されている。具体的には、広い範囲のイオン交換容量を有するフッ素系高分子イオン交換膜で耐酸化性が高く、特に燃料電池に適したイオン交換膜を提供することを目的として、ポリテトラフルオロエチレン膜を300〜365℃の温度範囲、10−3〜10Torrの減圧下、または、不活性ガス雰囲気下で、電子線やγ線の放射線を5〜500kGy照射して長鎖分岐型ポリテトラフルオロエチレン膜を作製し、当該膜に再び電子線やγ線を室温、不活性ガス中で5〜500kGy照射した後、不活性ガス下、ハイドロフルオロビニルエーテルモノマーを−78℃〜100℃あるいは溶媒の沸点以下の温度範囲でグラフト反応させて長鎖分岐型ポリテトラフルオロエチレン膜に該モノマーによるグラフト鎖を導入し、さらに、このグラフト鎖にスルホン酸基を導入してフッ素系高分子イオン交換膜の製造方法が開示されている。
また、下記特許文献4には、厚さ方向に複数個の貫通孔が設けられている厚さ20〜200μmの高分子フィルムの該貫通孔に、プロトン伝導体が充填された高分子電解質膜が開示されている。ここでは、貫通孔の孔径が30〜500μm、開孔率が5%以上とされ、貫通孔は、機械的加工方法または熱的加工方法で作製されるとされている。熱的加工方法として、炭酸ガスレーザーまたはエキシマレーザーのレーザー照射方法が挙げられている。
一方、レーザー微細加工に適したレーザービームとして、パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーが注目されている。特にフェムト秒(fs:10−12sec)パルスレーザービームは、金属や透明材料などの各種材料の加工に用いた場合、これまでの炭酸ガスレーザーやYAGレーザーによる加工とは全く異なり、レーザービームの照射部位周辺に熱的、化学的な損傷(変形、変質)をほとんど与えないという特徴がある。
これは、従来のレーザー加工では被加工材料に照射された光エネルギーのほとんどが熱エネルギーに変換され、この熱によって融解、分解、飛散による加工が進行するのに対し、超短パルスレーザーを用いた場合には、極めて短時間にエネルギーが被加工材料に集中するため、ナノプラズマ、ナノショック、ブレークダウン、格子歪み、衝撃波が超高速で発生し、熱が発生する前にアブレーション(飛散)による加工が進行するために、照射部位のみの加工が誘起され周囲に損傷が及ばず、きれいな加工がなされると考えられている。
また、フェムト秒パルスレーザーなどの超短パルスレーザービームを用いた透明材料に対する加工では、多光子吸収による加工が進むため、材料表面を損傷することなく、内部のみを3次元的にリモート加工することも可能である。さらに、多光子吸収など非線形現象を利用した加工であるため、光を用いているにもかかわらず、照射光の波長の回折限界を超える加工分解能が得られる。
このように、フェムト秒パルスレーザーなどの超短パルスレーザービームを用いたレーザー加工においては、従来のレーザー加工とは加工のメカニズムが全く異なり、分解能も遙かに高く、かつ、被加工材料の内部に加工領域を限定することもできるので、従来のレーザー加工の常識を遥かに越えたサブミクロン以下の超微細加工技術を実現することができる。
そこで、本発明者は、薄膜化が可能で、強度が高く、かつ燃料ガスのクロスリーク量が少ない高耐久性多孔質膜を提供し、この多孔質膜を固体高分子電解質膜として用いることによって、出力電圧及び電流密度が向上された燃料電池を提供することを目的として、下記特許文献5に、パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーを焦点部出力が0.001〜10Wで照射されて生じる多数の細孔を有し、該細孔の孔径が0.1〜100μmであることを特徴とする高分子からなるフィルム又はシートからなる多孔質膜、及び該細孔に高分子電解質を充填した高分子電解質膜を先に出願した。同様に、下記特許文献6に、パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーが照射されて生じる繊維状フィラーが露出した多数の細孔を有することを特徴とする繊維状フィラー含有高分子フィルム又はシートからなる複合多孔質膜、及び該細孔に高分子電解質を充填した高分子電解質膜を先に出願した。
特開平9−194609号公報 特開2004−247123号公報 特開2002−348389号公報 特開2005−108661号公報 特開2007−23183号公報 特開2007−26917号公報
これまで貫通孔を持つ多孔膜の作製技術においては、延伸法、溶液流延法、化学処理によるエッチング法など種々の方法が開発されてきたが、これらの手法では生産技術上の制約から容易に材料が変更できない。そのため、膜の広い設計要求に応じるという意味ではいずれも根本的な解決策とはなり得ていない。そこで、無機又は有機の材料に依らずに貫通孔を形成できる多孔膜を作製する技術が求められていた。
上記特許文献1に開示された方法では、ポリマーは親水性であるのに対し延伸多孔膜は疎水性であり、溶媒にて馴染み易くしてはいるが、耐久性の高い複合化は行われていない。したがって、使用中に電解質とPTFEが分離するという懸念がもたれている。
又、上記特許文献2に開示された方法では、(1)作製できる多孔膜の孔径が大きいものに留まるという問題点がある。これは、作製できる貫通孔の孔径が10μm〜100μmと大きいため。従来レーザーを用いた微細孔加工では焦点サイズが大きく熱に関連する影響(伝熱等)が出るため、孔径を低くすることが原理的に困難であることに因る。また、(2)膜強度等多孔膜の設計できる幅が狭いという問題点があって。これは、フィルムに使用できる高分子材料が限られるためである。従来、レーザーを用いた加工ではフィルムが吸光性を持っていないと孔が空かないという問題がある。また、吸光性を上げるため顔料を添加しても、使用時に溶出する危険性がある。
更に、上記特許文献3に開示された方法では、(1)コストがかかると言う問題点があった。これは、穿孔を作製するための重イオンビームを得るには巨大なイオン加速器が必要であるためである。また、(2)工程が多いのも問題点である。これは、イオンビームを透過させたのみでは穿孔が形成できず、変性した(低分子になり溶出しやすくなった)部分を取り除くための化学処理(酸処理/溶剤処理等)が必要になることに因る。
更に、上記特許文献4〜6に開示された方法では、レーザー照射により高分子フィルムに貫通孔を設ける際、加工部分でプラズマが発生する前に高分子フィルムが溶融してしまうため、溶け・ダレが発生し、貫通孔の緻密化が困難となっている。
そこで、本発明は、高分子フィルムの溶け・ダレの発生を抑制しつつ、レーザー照射により、高分子フィルムや高分子シートに緻密な孔開け加工を行うことを目的とする。また、高分子フィルムや高分子シートに開けた緻密な多数の貫通孔を利用した複合電解質膜を提供することを目的とする。
本発明者は、特定の条件化で、超短パルスレーザーなどのレーザー照射によって高分子フィルムや高分子シートに貫通細孔を穿孔することにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
即ち、第1に、本発明は、多孔質膜の製造方法の発明であり、高分子フィルム又は高分子シートをその融点以下に維持するように冷却しながら、該高分子フィルム又は高分子シートに、パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーを照射させ、該高分子フィルム又は高分子シートの厚さ方向に同時に複数の貫通細孔を生じさせることを特徴とする。高分子フィルム又は高分子シートをその融点以下に維持するように冷却しながら、超短パルスレーザーを照射させることによって、高分子フィルム又は高分子シートの溶け・ダレを抑制しながら孔開け加工を行うことが出来るので、緻密に貫通細孔を生じさせることが出来る。
前記冷却は、高分子フィルム又は高分子シートのレーザー照射面とは異なる面からを行うことが好ましい。冷却を、高分子フィルム又は高分子シートのレーザー照射面から行うと、温度差や乱流によりレーザー光が散乱して緻密な貫通細孔が得られないおそれがある。
高分子フィルム又は高分子シートをその融点以下に維持するように冷却する方法としては、
(1)20℃以下の気体の吹き付けにより成る冷却システム、
(2)10℃以下の冷却媒体を流して被加工物を10℃以下に保つ土台(ステージ)により成る冷却システム、
(3)超短パルスレーザーのパルス繰返し周波数を低くすること(100Hz以下)で自然空冷を促進する冷却システム、
(4)(1)〜(3)の組み合わせにより成る冷却システム、
等が具体的に例示される。
前記パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーとしては、ナノ秒パルスレーザー、ピコ秒パルスレーザー又はフェムト秒パルスレーザーが好ましく例示される。
これらパルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザー照射の中でも、パルス幅が10−12秒以下のフェムト秒パルスレーザーが好ましく、フェムト秒パルスレーザーを総エネルギー密度0.01〜10mJ/cmで、平均波長域が500〜1000nm、繰返し周波数が1Hz〜10kHzで照射することが好ましい。
多数の貫通細孔を規則的に穿孔するために、前記レーザーを照射させる際に、回折格子により多点焦点光に変換する光学系を用いことが好ましい。
回折格子により多点焦点光に変換する光学系としては、レーザー光を回折格子又はそれに順ずるスリットにより多点焦点光に変換する光学系であって、
(1)回折格子のグレーティング周期が1μm〜50μmである光学系、
(2)回折格子透過後に複数のレンズなどの光学素子を経由し、その結果の倍率Mが0.01〜1である光学系、
(3)多点焦点光の焦点径の平均値が0.5μm〜100μmである光学系、
が好ましく例示される。
本発明の多孔質膜の製造方法によって、前記高分子フィルム又は高分子シートに孔径が0.5〜100μm、好ましくは孔径が0.5〜10μmである複数の貫通細孔を生じさせることが可能である。
本発明において、フィルム又はシートの基材としては、公知の種々の高分子材料が用いられる。この中で、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)又は共重合成分を10モル%以下含むテトラフルオロエチレン共重合体、メチル基、フェニル基、水素基または水酸基のうちから選択される少なくとも1種以上の基を置換基として有するポリシロキサンが好ましく例示されるが、これらに限定されるものではない。
本発明の複合多孔質膜をイオン交換性機能膜として用いるには、細孔に充填される高分子電解質がスルホン酸基を有することが好ましい。
本発明の多孔質膜の製造方法において、前記高分子フィルム又は高分子シートに予め繊維状フィラーを含有させておくと、繊維状フィラーが露出した複数の貫通細孔を生じさせることが可能である。繊維状フィラーとしては無機繊維状フィラーであっても、基材である高分子材料と凝集エネルギーが相違する有機繊維状フィラー、例えばアラミド繊維などでも良い。
本発明の多孔質膜は、貫通細孔内の高分子材料が超短パルスレーザーの照射エネルギーによって飛散しているが、高分子材料に含有されていた繊維はその凝集エネルギーが大であることから飛散されずに細孔内に残存する。このため、細孔は所望の形状で穿孔することができるとともに、繊維強化プラスチックが有する初期の強度も維持される。
第2に、本発明は、高分子電解質膜の製造方法の発明であり、その1つ目の方法は、上記の多孔質膜の前記貫通細孔に電解質生成モノマーを充填させ、次いで該電解質生成モノマーを重合させて複合高分子電解質膜とすることを特徴とする。ここで、電解質生成モノマーに架橋剤を充填させることによって、重合時に架橋反応を生じさせ、細孔内の電解質部分の強度、耐溶媒性、耐熱性等を付与することができる。また、電解質生成モノマー及び所望により架橋剤を充填させ際に、超音波処理及び/又は脱法処理を行なって電解質生成モノマー及び所望により架橋剤を細孔内に十分浸透させることが好ましい。
細孔内の電解質生成モノマーの重合法は特に制限されず、光重合、熱重合、触媒開始重合から選択される1種以上が好ましく例示され、当該重合法を繰り返し行なうことが好ましい。この中で、光重合が操作性等の点で好ましい。
その2つ目の方法は、上記の多孔質膜の前記貫通細孔に高分子電解質を充填させて複合高分子電解質膜とすることを特徴とする。貫通細孔に高分子電解質を充填させるには、該高分子電解質を無溶媒又は溶媒に溶解させて充填する。例えば、高分子電解質溶液を用い、後に溶媒を蒸発させることができる。前記溶媒の沸点が90℃〜180°と高いことが好ましい。又、細孔に高分子電解質を充填させ際に、加熱及び/又は加圧することも効果的である。
ここで、前記高分子電解質としては、下記一般式(1)で表される(式中、a:b=0:1〜9:1、n=0,1,2)パーフルオロ系高分子電解質が好ましく例示される。
Figure 2009051872
第3に、本発明は、上記の方法で製造された多孔質膜である。本発明によって製造された多孔質膜は高分子材料が超短パルスレーザーの照射エネルギーによって、所望の形状で穿孔することができるとともに、高分子材料が有する初期の強度等の諸物性も維持される。本発明によって製造された多孔質膜は多数の細孔を有することを利用して各種機能性膜として用いることができる。
第4に、本発明は、上記の方法で製造された高分子電解質膜である。本発明によって製造された高分子電解質膜は、サブミクロンオーダーの貫通細孔に高分子電解質が充填されているために、高分子材料からなるフィルム又はシート基材と高分子電解質の密着性が高く、種々の用途に用いられて高耐久性を示す。
第5に、本発明は、上記の高分子電解質膜を有する固体高分子型燃料電池である。
本発明によれば、固体高分子電解質膜の厚さを薄くすることが可能であり、また、高分子材料からなるフィルム又はシート基材を電解質膜の支持体として用いるため、電解質膜の強度を補強することができるので、本発明に係る固体高分子電解質膜を備えた燃料電池は、高耐久性であるとともに、燃料ガスのクロスリーク量が少なく、電流−電圧特性を向上することができる。
高分子フィルム又は高分子シートをその融点以下に維持するように冷却しながら、超短パルスレーザーを照射させることによって、高分子フィルム又は高分子シートの溶け・ダレを抑制しながら孔開け加工を行うことが出来るので、緻密に貫通細孔を生じさせることが出来る。
超短パルスレーザーによると熱伝導の影響を受け難いため、本技術では0.1μmまでの加工が可能である。しかも、貫通細孔の孔径を制御でき、ばらつきのない細孔を形成できる。これは、従来技術では熱溶融による溶け・ダレが発生していたためである。
これらに加えて、高分子電解質として以下の作用・効果が期待できる。
(1)高分子材料からなるフィルム又はシート基材に高分子電解質が良く含浸して、屈曲のない直線的なプロトンパスを形成することができる。これにより、伝導率が向上する。
(2)細孔径が小さくても補強効果が大きいために、複合膜の機械的耐久性が維持できる。
(3)電解質モノマーを含浸させ重合させると、水系または非水系の電解質が無溶媒で直接得られる。
(4)穿孔された細孔径が小さいため、高分子材料からなるフィルム又はシート基材への親和性が高く、高分子電解質膜として強度に優れている。
又、本発明によれば、高分子材料からなるフィルム又はシート基材を電解質膜の支持体として用いるため、電解質膜の強度を補強することができる。固体高分子電解質膜は、電解質膜の厚さをフィルム又はシート基材の厚さで調節することができるので、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を膜状に成形した電解質膜に比べて、強度を補強することができる。これにより、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸樹脂を膜状に成形した電解質に比べて厚さを例えば1μm〜100μm程度に薄くしても使用可能である。
本発明で用いられるパルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーの具体例としては、チタン・サファイア結晶を媒質とするレーザーや色素レーザーを再生・増幅して得られたパルス幅が10−9秒以下のパルスレーザー、エキシマレーザーやYAGレーザー(Nd−YAGレーザー等)の倍波によるパルス幅が10−9秒以下のパルスレーザーなどを用いることができ、特に、チタン・サファイア結晶を媒質とするレーザーや色素レーザーを再生・増幅して得られたパルス幅が10−12秒〜10−15秒のフェムト秒のオーダーのパルスレーザー(フェムト秒パルスレーザー)を好適に用いることができる。もちろん、超短パルスレーザーにおけるパルス幅は、10−9秒以下であれば特に制限されず、例えば、10−9秒から10−12秒のピコ秒オーダーや、10−12秒から10−15秒のフェムト秒のオーダーであり、通常は、100フェムト秒(10−13秒)程度である。このようなチタン・サファイア結晶を媒質とするレーザーや色素レーザーを再生・増幅して得られたパルス幅が10−9秒以下のパルスレーザーや、エキシマレーザーやYAGレーザー(Nd−YAGレーザー等)の倍波によるパルス幅が10−9秒以下のパルスレーザーなどの超短パルスレーザーを用いると、パルスエネルギーが高いので、多光子吸収過程を利用したレーザー加工を行うことができ、そのパワーにより波長より狭い幅の微細加工を行うことができるようになる。従って、超短パルスレーザーを用いて多光子吸収過程を利用したレーザー加工により、最小の径又は幅が200μm以下である微小貫通孔を形成することができるようになる。なお、断面形状は、円形、楕円形に限らず、長径が長い場合には直線状、曲線、折れ曲がり線等の任意な形状であっても良い。
本発明において、超短パルスレーザーの波長は、特に制限されず、多光子吸収過程を利用しているので、高分子材料からなるフィルム又はシート基材の吸収波長よりも長い波長であってもよく、フィルム又はシート基材の種類又はその吸収波長に応じて適宜選択することができる。具体的には、超短パルスレーザーの波長としては、例えば、紫外線領域〜近赤外線領域の領域内の波長であってもよく、従って、200nmから1000nmの範囲内から適宜選択することができる。なお、超短パルスレーザーの波長としては、フィルム又はシート基材の吸収波長(吸収のピーク波長)の倍波(2倍波、3倍波など)となる波長であることが好ましい。
また、超短パルスレーザーの繰り返し加工頻度としては、1Hzから10kHzの範囲程度である。
フィルム又はシート基材に対して、内部における単位体積当たりに照射されるエネルギーは、超短パルスレーザーの照射エネルギー、フィルム又はシート基材に照射する際に用いられる対物レンズの開口数(光源の絞り込み)、被加工プラスチック基材への照射位置又は焦点の深さ、レーザーの焦点の移動速度などに応じて適宜決めることができる。
本発明で用いられる、フィルム又はシート基材として用いられる高分子材料としては、共重合体を含めた単一化学構造のポリマー材料からなるものだけでなく、異なる化学構造を有する複数のポリマー材料からなるポリマーアロイやポリマーブレンドも用いることができる。また、高分子フィルム又はシート基材としては、無機化合物や金属などの他の材料を分散状態で含んだ複合体であってもよく、異なるプラスチックや他の材料からなる層を含んだ2以上の層構造からなる積層体であってもよい。例えば、高分子フィルム又はシートに導電性を付与するために、カーボンブラックが分散された高分子フィルム又はシート基材を用いると、レーザー光の吸収効率が上がり、加工しやすくなる効果も発現する。又、光学的な加工精度を上げる目的で、フィルム加工表面にマッチングオイルを塗布しても良い。これは、フィルム表面の微細な欠陥による光の散乱を抑え、貫通孔の形状や位置精度を向上させるためのものである。
高分子フィルム又はシートとしては、コスト上炭化水素系材料(エンプラ材料を含む)が望ましいが、フッ化物系材料でもよい。具体的には、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリイミド(PI)、PAI、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、PPSU、PAR、PBI、PA、ポリフェニレンエーテル(PPO)、ポリカーボネート(PC)、PP、ポリエーテルスルホン(PES)、PVDC、PSF、PAN、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PVDF等の材料が使用可能である。
更に、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などのメタクリレート系樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリエステルイミド;ポリアセタール;ポリアリレート;ポリアリール;ポリスルホン;ポリウレタン類;ポリエーテルケトン類;ポリアクリル酸ブチル、ポリアクリル酸エチルなどのポリアクリル酸エステル類;ポリブトオキシメチレンなどのポリビニルエステル類;ポリシロキサン類;ポリサルファイド類;ポリフォスファゼン類;ポリトリアジン類;ポリカーボラン類;ポリノルボルネン;エポキシ系樹脂;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリイソプレンやポリブタジエンなどのポリジエン類;ポリイソブチレンなどのポリアルケン類;フッ化ビニリデン系樹脂、ヘキサフルオロプロピレン系樹脂、ヘキサフルオロアセトン系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂などのフッ素系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などのポリオレフィン樹脂などの樹脂(熱可塑性樹脂など)が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらフィルム又はシート基材は、細孔を有する複合多孔質膜の用途に応じて適宜選択することができ、例えば、フィルター、セパレータ等の用途では、化学安定性等を考慮して、フッ素系樹脂またはオレフィン系樹脂を好適に用いることができる。
高分子フィルム又はシート基材としては、その厚みは特に制限されず、細孔を有する多孔質膜の用途に応じて適宜選択することができ、例えば、1μm以上であってよい。なお、基材がプラスチックフィルムである場合、多光子吸収過程を利用したレーザー加工により、細孔を有するプラスチックフィルムが得られる。本発明では、被加工基材が高分子フィルムであっても(すなわち、その厚みが薄くても)、優れた精度でレーザー加工を行うことができる。被加工基材が高分子フィルムである場合、その厚みは、例えば、1〜100μm(好ましくは10〜150μm)であってもよい。
本発明で用いられる電解質生成モノマーとしては公知の種々のものを用いることができる。例えば、化学構造中にスルホン酸等の強酸基を有する化合物である、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、アリルスルホン酸、アリルホスホン酸、スチレンスルホン酸、スチレンホスホン酸が好ましいが、本発明ではこれらに限定されるものではない。
又、本発明では、上記のイオン性官能基を有するモノマー自体だけでなく、後工程の反応によりイオン性官能基に変換する基を有するモノマーも含まれる。例えば、本発明では、高分子フィルム又はシート基材中に電解質生成モノマーを含浸させ、重合させ、さらに、分子鎖内のスルホニルハライド基[−SO]、スルホン酸エステル基[−SO]、又はハロゲン基[−X]をスルホン酸基[−SOH]とすることにより製造する。また、高分子フィルム又はシート基材中に存在する電解質生成モノマー単位に存在するフェニル基、ケトン、エーテル基などはクロルスルホン酸又は発煙硫酸でスルホン酸基を導入して製造することができる。
本発明において、電解質生成モノマーは、以下の(1)〜(6)に示すモノマーが代表的である。
(1)スルホニルハライド基を有するモノマーである、CF=CF(SO)(式中、Xはハロゲン基で−Fまたは−Clである。以下同じ。)、CH=CF(SO)、及びCF=CF(OCH(CFSO)(式中、mは1〜4である。以下同じ。)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(2)スルホン酸エステル基を有するモノマーである、CF=CF(SO)(式中、Rはアルキル基で−CH、−Cまたは−C(CHである。以下同じ。)、CH2=CF(SO)、及びCF=CF(OCH(CFSO)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(3)CF=CF(O(CH)(式中、Xはハロゲン基で−Br又は−Clである。以下同じ。)、及びCF=CF(OCH(CF)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(4)アクリルモノマーである、CF=CR(COOR)(式中、Rは−CH又は−Fであり、Rは−H、−CH、−C又は−C(CHである。以下同じ。)、及びCH=CR(COOR)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(5)スチレン、スチレン誘導体モノマーである2,4−ジメチルスチレン、ビニルトルエン、及び4−tertブチルスチレンからなる群から選択される1種類以上のモノマー。
(6)アセチルナフチレン、ビニルケトンCH=CH(COR)(式中、Rは−CH、−C又はフェニル基(−C)である。)、及びビニルエーテルCH=CH(OR)(式中、Rは−C2n+1(n=1〜5)、−CH(CH、−C(CH、又はフェニル基である。)からなる群から選択される1種類以上のモノマー。
所望により、本発明で用いられる電解質生成モノマーに対し架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、3,5−ビス(トリフルオロビニル)フェノール、及び3,5−ビス(トリフルオロビニロキシ)フェノール等が挙げられる。これら1種類以上の架橋剤を、全モノマー基準で30モル%以下の量加えて架橋重合させる。
本発明では、多孔質膜に薬液、プラズマ、放射線などを用いて表面処理を行ない、該多孔質膜の表面に官能基を導入しても良い。また、前記の通り導入された官能基と電解質生成モノマーとが直接結合または架橋基を介して結合されていても良い。
本発明の貫通細孔を有する多孔質膜は、表面や内部に精密に制御された貫通細孔を有しているので、精密に制御して形成された貫通細孔を利用した各種機能を効果的に発揮することができる。特に、細孔を有する多孔質膜は、微小貫通孔を有している場合には、フィルター機能、メンブレン機能、セパレータ機能、霧化機能、ガス拡散化機能、ノズル機能や流路調整機能などを発揮することができる。
本発明の貫通細孔を有する多孔質膜の具体的用途としては、精密な空間や流路などを形成するスペーサー機能を利用したマイクロマシーンやセンサー、バイオ機器、マイクロリアクターチップ、埋め込み型人工臓器の他、マイクロフィルター、精密ろ過膜(マイクロメンブレン)、電池用セパレータ(例えば、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池等の各種電池で利用される電池用セパレータ)、燃料電池の部材(例えば、ガス拡散層、集電層、透湿層、保湿層などの燃料電池で用いられる各種部材)、マイクロノズル(例えば、プリンター用マイクロノズル、噴射用マイクロノズル、噴霧用マイクロノズル、隙間用マイクロノズルなど)、ディストリビュータ、ガス拡散層、マイクロ流路などの各種機能部材に用いることができる。
本発明の貫通細孔を有する電解質膜を燃料電池に用いると、固体高分子電解質膜の厚さを薄くすることが可能であり、また、高分子材料からなるフィルム又はシート基材を電解質膜の支持体として用いるため、電解質膜の強度を補強することができるので、本発明に係る固体高分子電解質膜を備えた燃料電池は、高耐久性であるとともに、燃料ガスのクロスリーク量が少なく、電流−電圧特性を向上することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示す。
[実施例1]
図1に、本実施例で用いた光学系を示す。住友ベークライト製ポリエーテルスルホンフィルム(膜厚50μm)30mm角品に、パルス幅:100fsec、照射エネルギー密度:約4mJ、繰返し数:50Hz、ガウシアンビームの超短パルスレーザーを、グレーティングレート:17μmの回折格子を用い干渉光に変換し、2枚の凸レンズ(1枚目焦点長:50mm、2枚目焦点長300mm)を通した後、上記フィルム上で集光させたものを10min照射した。本実施例では、繰返し数を50Hzと低くすることによって、基材に用いたポリエーテルスルホンフィルムをその溶融温度以下に自然冷却できた。
図2に実施例1の加工後の電子顕微鏡写真を示す。図3は、図2の解像度(倍率)を拡大した写真である。図2、図3のように周期的に近接した貫通された微細孔(〜0.8μm)を加工することができた。
[実施例2]
図1に示した光学系において、ステージ中に冷却媒体を通して実施例2を行った。住友ベークライト製ポリエーテルスルホンフィルム(膜厚50μm)30mm角品に、パルス幅:100fsec、照射エネルギー密度:約4mJ、繰返し数:1kHz、ガウシアンビームの超短パルスレーザーを、グレーティングレート:17μmの回折格子を用い干渉光に変換し、2枚の凸レンズ(1枚目焦点長:50mm、2枚目焦点長300mm)を通した後、上記フィルム上で集光させたものを1min照射した。本実施例では、ステージを冷却することによって、基材に用いたポリエーテルスルホンフィルムをその溶融温度以下に自然冷却できた。
その結果、実施例1と同様に、周期的に近接した貫通された微細孔(〜0.8μm)を加工することができた。
[比較例]
住友ベークライト製ポリエーテルスルホンフィルム(膜厚50μm)30mm角品に、パルス幅:100fsec、照射エネルギー密度:約4mJ、繰返し数:1kHz、ガウシアンビームの超短パルスレーザーを、実施例と同様に、グレーティングレート:17μmの回折格子を用い干渉光に変換し、2枚の凸レンズ(1枚目焦点長:50mm、2枚目焦点長300mm)を通した後、上記フィルム上で集光させたものを1min照射した。本実施例では、繰返し数を1kHzと高いままであるため、基材に用いたポリエーテルスルホンフィルムはその溶融温度以上に温度上昇した。
図4に比較例の加工後の電子顕微鏡写真を示す。図5は、図4の解像度(倍率)を拡大した写真である。図4、図5のように、加工部分が溶融してしまった。
[燃料電池用電解質膜]
実施例で得られたポリエーテルスルホン多孔質フィルムを用いて燃料電池用電解質膜を試作した。Aldrich製ATBS(アクリルアミド−t−ブチルスルホン酸)に同社製N,N−メチレンビスアクリルアミド及び重合開始剤を純水中に50:49.75:0.025:50の重量比率で混合し、当該ポリエーテルスルホン多孔質フィルムに含浸させ、TGK株式会社製紫外光露光機により紫外線を照射して膜内で重合を行った。表面をSEMにより観察したところ、孔は電解質により充填されていることが分かった。これにより、本発明により形成される多孔フィルムは、燃料電池用電解質膜の基材として使用できることが分かった。
本発明により、高分子フィルム又は高分子シートの溶け・ダレを抑制しながら孔開け加工を行うことが出来るので、緻密に貫通細孔を生じさせることが出来る。本発明の多孔質膜は機能性膜として種々の用途に適用される。
又、本発明によれば、高分子電解質膜の耐久性を向上させることが可能であり、本発明に係る固体高分子電解質膜を備えた燃料電池は、高耐久性であるとともに、燃料ガスのクロスリーク量が少なく、電流−電圧特性を向上することができる。これにより、燃料電池の耐久性と発電性能を高め、その実用化及び普及に貢献する。
本実施例で用いた光学系を示す。 実施例1の加工後の電子顕微鏡写真を示す。 図2の解像度を拡大した写真である。 比較例の加工後の電子顕微鏡写真を示す。 図4の解像度を拡大した写真である。

Claims (14)

  1. 高分子フィルム又は高分子シートをその融点以下に維持するように冷却しながら、該高分子フィルム又は高分子シートに、パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーを照射させ、該高分子フィルム又は高分子シートの厚さ方向に同時に複数の貫通細孔を生じさせることを特徴とする多孔質膜の製造方法。
  2. 前記冷却を前記高分子フィルム又は高分子シートのレーザー照射面とは異なる面から行うことを特徴とする請求項1に記載の多孔質膜の製造方法。
  3. 前記パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザーが、ナノ秒パルスレーザー、ピコ秒パルスレーザー又はフェムト秒パルスレーザーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多孔質膜の製造方法。
  4. 前記パルス幅が10−9秒以下の超短パルスレーザー照射が、パルス幅が10−12秒以下のフェムト秒パルスレーザーを、総エネルギー密度0.01〜10mJ/cmで、平均波長域が500〜1000nm、繰返し周波数が1Hz〜10kHzであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の多孔質膜の製造方法。
  5. 前記レーザーを照射させる際に、回折格子により多点焦点光に変換する光学系を用い、同時に多数の貫通細孔を規則的に穿孔することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の多孔質膜の製造方法。
  6. 前記高分子フィルム又は高分子シートに孔径が0.5〜100μmである複数の貫通細孔を生じさせることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の多孔質膜の製造方法。
  7. 前記孔径が0.5〜10μmであることを特徴とする請求項6に記載の多孔質膜の製造方法。
  8. 前記高分子フィルム又は高分子シートに予め繊維状フィラーを含有させておき、繊維状フィラーが露出した複数の貫通細孔を生じさせることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の多孔質膜の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の方法で製造された多孔質膜の前記貫通細孔に電解質生成モノマーを充填させ、次いで該電解質生成モノマーを重合させて複合高分子電解質膜とすることを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
  10. 請求項1乃至8のいずれかに記載の方法で製造された多孔質膜の前記貫通細孔に高分子電解質を充填させて複合高分子電解質膜とすることを特徴とする高分子電解質膜の製造方法。
  11. 前記高分子電解質が、下記一般式(1)で表される(式中、a:b=0:1〜9:1、n=0,1,2)ことを特徴とする請求項10に記載の高分子電解質膜の製造方法。
    Figure 2009051872
  12. 請求項1乃至8のいずれかに記載の方法で製造された多孔質膜。
  13. 請求項9乃至11のいずれかに記載の方法で製造された高分子電解質膜。
  14. 請求項13に記載の高分子電解質膜を有する固体高分子型燃料電池。
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