JP2009051263A - 動力出力装置 - Google Patents

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Hideaki Komada
英明 駒田
Yoshihiro Iijima
祥浩 飯島
Takeshi Kitahata
剛 北畑
Tomohito Ono
智仁 大野
Hidehiro Oba
秀洋 大庭
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Abstract

【課題】コンパクトで車載性に優れ、しかも多様な駆動モードを設定して動力性能を向上させることのできる動力出力装置を提供する。
【解決手段】第1電動機MG1と第2電動機MG2と内燃機関2とが連結される三つの要素が互いに差動回転できる動力分配機構4と、動力分配機構の第1要素に接続される第1入力要素と、駆動軸に接続される第1出力要素と、第1固定要素とが互いに差動回転できる第1変速用差動回転機構32と、動力分配機構の第2要素に接続される第2入力要素と、駆動軸に接続される第2出力要素と、第2固定要素とが互いに差動回転できる第2変速用差動回転機構33と、第1変速用差動回転機構の第1固定要素を固定する第1固定手段と、第2変速用差動回転機構の第2固定要素を固定する第2固定手段と、動力分配機構における少なくとも二つの要素を選択的に連結するロック手段K0とを備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は、内燃機関が出力した動力を発電機能のある電動機に分配するとともに駆動軸に出力することの可能な動力出力装置に関し、特に内燃機関と電動機とを動力源とするハイブリッド車に使用することのできる動力出力装置に関するものである。
この種の動力出力装置は、内燃機関の回転数を電動機によって制御して、内燃機関を最適燃費点もしくはそれに近い運転点で運転でき、また電動機によってエネルギ回生できるなど、車両に使用した場合にはエネルギ効率や燃費を向上させることができ、また排ガスを少なくして地球環境に対する負荷を低減することができる。その一方で、駆動軸に対する動力の伝達に電力変換が伴うことがあり、その場合には、電力への変換および電力から機械的動力への変換の際の損失を避けられないので、その点での改善の余地がある。
そこで例えば特許文献1には、動力分配機構を遊星歯車機構によって構成するとともに、そのキャリヤに内燃機関を連結し、かつそのサンギヤとリングギヤとにモータ・ジェネレータをそれぞれ連結し、それらのサンギヤとリングギヤとを出力軸などの出力部材に、クラッチ機構を介して選択的に連結するように構成したハイブリッド駆動装置が記載されている。この特許文献1に記載された装置では、一方のモータ・ジェネレータをエンジンからの入力トルクに対する反力トルクのための機構として動作させ、かつ他方のモータ・ジェネレータを前記一方のモータ・ジェネレータで発電した電力によって動作するモータとして機能させることができる。すなわち、各モータ・ジェネレータを反力手段といわゆるトルクアシスト手段とに選択的に切り替えて機能させることができる。そのため、アクセル開度などによって表される駆動力要求量や車速などに応じて、反力手段となるモータ・ジェネレータおよびトルクアシスト手段となるモータ・ジェネレータを選択することにより、電力への変換を伴う動力の伝達割合を相対的に少なくしてエネルギ効率を改善することができる。
しかしながら、特許文献1に記載された装置は、内燃機関や各モータ・ジェネレータが配置されている軸線に対して平行に配置された出力軸に動力を出力するように構成されているので、いわゆるエンジン前置き後輪駆動車(FR車)に搭載することは困難であり、またエンジン前置き後輪駆動車に適するように配列を変更した場合には、全体としての構造が大型化する可能性がある。
また、特許文献1に記載されている装置では、各モータ・ジェネレータが連結されている回転要素を、共に、出力のための駆動ギヤに連結すれば、動力分配機構の全体が一体となって回転するので、電力への変換を伴うことなく、出力軸に動力を出力できる。しかしながら、このような電力変換のない動力伝達を行うモードが一種類に限られるので、動力の伝達効率が良くても、内燃機関の燃費が必ずしも良好ではなく、また必要十分な駆動力を得られない場合が多くなる。
特開2005−125876号公報
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、全体としての構成を小型化でき、また動力伝達効率の良好な動力出力装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、動力を入出力可能な第1電動機と、動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1電動機の回転軸に接続される第1要素と前記第2電動機から動力が伝達される第2要素と前記内燃機関から動力が伝達される第3要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された動力分配機構と、前記動力分配機構における前記第1要素に接続される第1入力要素と、前記駆動軸に接続される第2出力要素と、選択的に固定される第1固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第1変速用差動回転機構と、前記動力分配機構における前記第2要素に接続される第2入力要素と、前記駆動軸に接続される第2出力要素と、選択的に固定される第2固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第2変速用差動回転機構と、前記第1変速用差動回転機構における前記第1固定要素を選択的に固定する第1固定手段と、前記第2変速用差動回転機構における前記第2固定要素を選択的に固定する第2固定手段と、前記動力分配機構における少なくとも二つの要素を選択的に連結して動力分配機構の全体が一体的に回転可能な状態にするロック手段とを備えている動力出力装置である。
また、この発明の動力出力装置は、好ましくは、前記動力分配機構における第1要素に一体化されている回転部材と前記第1電動機の回転軸に一体化されている他の回転部材とを選択的に連結するクラッチ手段を更に備え、前記ロック手段は、前記動力分配機構における第1要素に一体化されている前記回転部材と、前記動力分配機構における前記第2要素とを選択的に連結する他のクラッチ手段を含んで構成されている。
この発明の動力出力装置は、好ましくは、前記クラッチ手段は、前記動力分配機構の外周側を軸線方向に前後動して前記各回転部材に選択的に係合して前記各回転部材を連結するスリーブを備えている。
また一方、この発明は、駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、内燃機関と、動力を入出力可能な第1電動機と、動力を入出力可能な第2電動機と、前記第1電動機の回転軸に接続される第1要素と前記第2電動機から動力が伝達される第2要素と前記内燃機関から動力が伝達される第3要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された動力分配機構と、前記動力分配機構における前記第1要素に接続される第1入力要素と、前記駆動軸に接続される第2出力要素と、選択的に固定される第1固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第1変速用差動回転機構と、前記動力分配機構における前記第2要素に接続される第2入力要素と、前記駆動軸に接続される第2出力要素と、選択的に固定される第2固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第2変速用差動回転機構と、前記第1変速用差動回転機構における前記第1固定要素を選択的に固定する第1固定手段と、前記第2変速用差動回転機構における前記第2固定要素を選択的に固定する第2固定手段と、前記動力分配機構における第1要素に一体化されている回転部材と前記第1電動機の回転軸に一体化されている他の回転部材とを、軸線方向に前後動してこれらの回転部材に回転方向で係合するスリーブによって選択的に連結するクラッチ手段と、前記スリーブよりも外周側に固定された固定部を備えるとともに、前記スリーブが前記第1電動機の回転軸に一体化されている前記他の回転部材と前記固定部とに回転方向で係合することにより、前記第1電動機の回転軸を選択的に固定する第3固定手段とを備えている動力出力装置である。
さらに、この発明は、好ましくは、前記内燃機関、前記第2電動機、前記動力分配機構、前記第1電動機、前記第1変速用差動回転機構、前記第2変速用差動回転機構、前記駆動軸が同一軸線上に配列されている。
この発明によれば、上記のロック手段を備えているので、装置の全体としての構成を大型化することなく、動力分配機構をいわゆるロックした駆動モードを設定でき、しかもその駆動モードでは、内燃機関の回転数と駆動軸の回転数との比である変速比を複数に切り替えることができる。そのため、上記のロック手段を設けていることにより、電力変換を伴わない多様な駆動モードを設定でき、エネルギ効率や車両に使用した場合の動力性能などを向上させることができる。
また、この発明は、上記のクラッチ手段および第3固定手段を備えていることにより、第1電動機を固定したモードを選択的に設定することができ、しかもそのための上記の第3固定手段は、構成部材の一部をクラッチ手段と共用したものであるから、部品点数の削減などによって装置の全体としての構成を小型化することができる。
この発明に係る動力出力装置は、駆動軸に対して動力を出力するように構成されている。その駆動軸は、車両においては、プロペラシャフトや終減速機などを介して駆動輪に動力を出力する軸である。また、この発明に係る動力出力装置は、内燃機関と第1および第2の電動機を備えている。その内燃機関は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、ガソリンとアルコールとの混合物やアルコールを燃料とするエンジン、ガスを燃料するガスエンジンなどがその例であり、要は、燃料の燃焼による熱エネルギを機械的な動力に変換して出力する熱機関である。また、各電動機は、トルクを出力するモータとしての機能と、外力によって強制的に回転させられて起電力を生じる発電機としての機能とを備えたモータ・ジェネレータによって構成することが好ましく、具体的には、ロータに永久磁石を備えた同期電動機を用いることができる。
これらの内燃機関と、第1および第2の各電動機は、動力分配機構に連結されている。その動力分配機構は、互いに差動回転する第1ないし第3の回転要素を備えており、一例としてダブルピニオン型やシングルピニオン型の遊星歯車機構もしくは遊星ローラ機構によって構成することができる。これらの例は、いわゆる三要素の差動機構であるが、この発明では、三つ以上の回転要素を備えた差動機構によって動力分配機構を構成することもでき、したがって動力分配機構は、複数のシンプル差動機構を組み合わせた複合差動機構によって構成してもよい。
動力分配機構における第1要素には、第1電動機の回転軸が接続される。好ましくは、第1要素と第1電動機の回転軸とが選択的に連結されるように構成される。このように構成することにより、設定可能な駆動モードが多くなる。また、第2要素には、第2電動機が出力した動力が伝達される。すなわち、第2要素と第2電動機の回転軸とは直接連結されていてもよく、あるいは両者の間に減速機構や増速機構あるいは適宜の伝動機構が介在していてもよい。さらに、動力分配機構の第3要素には、内燃機関が出力した動力が伝達される。すなわち、第3要素と内燃機関の出力軸とが直接連結されていてもよいが、両者の間に、ダンパー機構やトルクコンバータなどが介在していてもよい。
したがって、動力分配機構は、その第1要素と第2要素とが、出力のための要素および内燃機関から入力されるトルクに対して反力を作用させるため要素になるように構成されている。したがって、その第1要素が第1変速用差動回転機構に連結され、また第2要素が第2変速用差動回転機構に連結されている。
第1変速用差動回転機構は、第1入力要素と、第1出力要素と、第1固定要素との三つの回転要素を備えた差動機構であり、一例としてダブルピニオン型やシングルピニオン型の遊星歯車機構もしくは遊星ローラ機構によって構成することができる。その第1入力要素は前述した動力分配機構における第1要素に接続されるようになっている。その動力分配機構における第1要素は、前述したように第1電動機の回転軸に接続されているから、第1入力要素は第1電動機の回転軸にも接続される。なお、第1入力要素と動力分配機構における第1要素とは、常時連結されている以外に、適宜のクラッチ機構によって選択的に連結されるように構成されていてもよい。そのクラッチ機構は、動力分配機構の第1要素と第1電動機の回転軸との間に介在させた機構であってよい。
また、第1変速用差動回転機構における第1出力要素は、前記駆動軸に接続されている。これら第1出力要素と駆動軸とは直接連結されている以外に、トルク伝達可能な機構を介在させて連結されていてもよい。さらに、第1変速用差動回転機構における第1固定要素は、ケーシングなどの固定部に対して選択的に連結されて固定されるようになっている。その固定のために第1固定手段が設けられており、これは、噛み合い式のクラッチ機構であってよく、そのような機構であれば、固定のために特に動力を消費することがない。なお、多板ブレーキやバンドブレーキなどのブレーキ機構を使用することもできる。
他方、第2変速用差動回転機構は、上記の第1変速用差動回転機構とほぼ同様の構成であってよく、第2入力要素と、第2出力要素と、第2固定要素との三つの回転要素を備えた差動機構であり、一例としてダブルピニオン型やシングルピニオン型の遊星歯車機構もしくは遊星ローラ機構によって構成することができる。その第2入力要素は前述した動力分配機構における第2要素に接続されるようになっている。その動力分配機構における第2要素は、前述したように第2電動機の回転軸に接続されているから、第2入力要素は第2電動機から動力が伝達される。なお、第2入力要素と動力分配機構における第2要素とは、常時連結されている以外に、適宜のクラッチ機構によって選択的に連結されるように構成されていてもよい。
また、第2変速用差動回転機構における第2出力要素は、前記駆動軸に接続されている。したがってこの第2出力要素は、前述した第1変速用差動回転機構における第1出力要素にも連結されている。これら第2出力要素と駆動軸とは直接連結されている以外に、トルク伝達可能な機構を介在させて連結されていてもよい。さらに、第2変速用差動回転機構における第2固定要素は、ケーシングなどの固定部に連結されて固定されるようになっている。すなわち、第2固定要素と固定部との間に第2固定手段が設けられ、その第2固定手段によって第2固定要素を選択的に固定するようになっている。その第2固定手段は、噛み合い式のクラッチ機構であってよく、あるいは多板ブレーキやバンドブレーキなどのブレーキ機構であってもよい。
さらに、この発明に係る動力出力装置は、動力分配機構の全体を一体となって回転させるためのロック手段を備えている。そのロック手段は、動力分配機構における少なくとも二つの要素を連結する機構であり、それら少なくとも二つの要素の差動回転を阻止することにより、動力分配機構の全体を一体化させる機構である。具体的には、噛み合い式のクラッチ機構や摩擦式のクラッチ機構によって構成されている。このロック手段によって動力分配機構がいわゆるロックされてその全体が一体的に回転すると、動力分配機構に連結されている内燃機関の出力が、そのまま第1要素もしくは第2要素から出力される。その第1要素は第1変速用差動回転機構を介して駆動軸に連結され、また第2要素は第2変速用差動回転機構を介して駆動軸に連結されているから、それらの変速用差動回転機構のいずれかもしくは両方をトルク伝達可能な状態とすることにより、内燃機関が出力した動力を変速して、もしくは変速することなく駆動軸に伝達することができる。すなわち、いずれの電動機を駆動させることなく、内燃機関の出力を駆動軸に伝達できる複数のモードを設定することが可能になる。
また、ロック手段は、前記第1要素を第1電動機の回転軸に選択的に連結するクラッチ手段の一部の部材、すなわち第1要素に一体化されている回転部材をケーシングなどの固定部に選択的に連結する構成とすることが好ましい。このような構成であれば、いわゆる部品の共通化によって、必要部品数を削減でき、また装置の全体としての構成を小型化することができ、特に全長の短縮化を図ることができる。
その場合、クラッチ手段は、スリーブを軸線方向に移動させることにより、第1要素と第1電動機の回転軸との連結およびその遮断を行うように構成することが好ましい。このような構成であれば、軸線方向に並べて配置する部材の数が少なくなって全長の短縮化を図ることができる。また、スリーブが回転部材にスプライン嵌合するように構成することができ、そのように構成すれば、係合状態すなわち連結状態を維持するために特に動力を消費しないので、動力損失を少なくすることができる。あるいはエネルギ効率を向上させることができる。
なお、この発明では、上記のロック手段に替えて、もしくはロック手段と併せて第3固定手段を設けることができる。この第3固定手段は、第1電動機の回転軸を選択的に固定するための手段であって、前記クラッチ手段の一部を構成している第1電動機の回転軸に一体の回転部材を、ケーシングなどの固定部に選択的に連結する構成とすることができる。このような構成であれば、いわゆる部品の共通化によって、必要部品数を削減でき、また装置の全体としての構成を小型化することができ、特に全長の短縮化を図ることができる。
また一方、前記内燃機関、前記第2電動機、前記動力分配機構、前記第1電動機、前記第1変速用差動回転機構、前記第2変速用差動回転機構、前記駆動軸は、ここに挙げた順に、同一軸線上に配列することが好ましい。このような構成であれば、内燃機関の中心軸線上に駆動軸を配置できるので、いわゆるエンジン前置き後輪駆動車に適した動力出力装置とすることができる。また、半径方向にオーバーラップさせて配置する部材の数が少なくなるので、全体としての外径を小さくすることができる。
より具体化した構成の一例を図1に示してある。図1はこの発明に係る動力出力装置1を車両に搭載した例を模式的に示しており、ここに示す動力出力装置1は、車両前部に配置されるエンジン2と、エンジン2の出力軸であるクランクシャフト3に接続された動力分配機構(差動回転機構)4と、動力分配機構4に接続された発電可能なモータ(モータ・ジェネレータ)MG1と、このモータMG1と同一軸線上に配置されるとともに減速機構5を介して動力分配機構4に接続された発電可能なモータ(モータ・ジェネレータ)MG2と、動力分配機構4からの動力を駆動軸6に伝達する変速機7と、動力出力装置1の全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「ハイブリッドECU」という)8などとを備えている。
上記のエンジン2を制御するための電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」と記す)9が設けられている。このエンジンECU9は、一例としてマイクロコンピュータを主体として構成され、入力されたデータおよび予め記憶しているデータに基づいて演算を行い、エンジン2の燃料噴射量や点火時期、吸入空気量などを制御する指令信号を出力するように構成されている。そして、エンジンECU9は、ハイブリッドECU8と通信しており、ハイブリッドECU8からの制御信号や上記センサからの信号等に基づいてエンジン2を運転制御するとともに必要に応じてエンジン2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU8に出力するようになっている。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として動作するとともに電動機として動作可能な周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ10,11を介して二次電池であるバッテリ12に接続されている。インバータ10,11とバッテリ12とを接続する電力ライン13は、各インバータ10,11が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれか一方により発電された電力を他方のモータに供給してこれを電動機として動作させるようになっている。したがって、バッテリ12は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力で充電され、またいずれかで電力が不足する場合には放電する。さらに、各モータMG1,MG2での電力収支のバランスが取れている場合には、バッテリ12は充放電されないことになる。
各モータMG1,MG2を制御するためのモータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)14が設けられている。モータECU14には、モータMG1,MG2を制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ(レゾルバー)15,16からの信号や、図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流等が入力されており、モータECU14からは、インバータ10,11へのスイッチング制御信号等が出力される。モータECU14は、回転位置検出センサ15,16から入力した信号に基づいて図示しない回転数算出ルーチンを実行し、モータMG1,MG2の回転子の回転数Nm1,Nm2を計算している。また、モータECU14は、ハイブリッドECU8と通信しており、ハイブリッドECU8からの制御信号等に基づいてモータMG1,MG2を制御するとともに、必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッドECU8に出力するようになっている。
バッテリ12は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)17によって管理されている。バッテリECU17には、バッテリ12を管理するために必要な信号、例えば、バッテリ12の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧、バッテリ12の出力端子に接続された電力ライン13に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流、バッテリ12に取り付けられた温度センサ18からのバッテリ温度Tb等が入力されている。バッテリECU17は、必要に応じてバッテリ12の状態に関するデータを通信によりハイブリッドECU8やエンジンECU9に出力するように構成されている。さらに、バッテリECU17は、バッテリ12を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量SOCを算出するようになっている。
動力分配機構4は、モータMG1,MG2、減速機構5、変速機7と共に図示しないトランスミッションケースに収容され、エンジン2から所定距離を隔ててクランクシャフト3と同一軸線上に配置されている。図1に示す例では、動力分配機構4はダブルピニオン型の遊星歯車機構(ギヤ比=ρ)によって構成されている。すなわち、外歯歯車であるサンギヤS1と、このサンギヤS1と同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤR1と、互いに噛合するとともに一方がサンギヤS1と噛合しかつ他方がリングギヤR1と噛合する二つのピニオンギヤP11,P12を自転かつ公転自在に少なくとも1組保持するキャリヤC1とを有している。そして、そのサンギヤS1と、リングギヤR1と、キャリヤC1との三つの要素が互いに差動回転できるように構成されている。
動力分配機構4におけるサンギヤS1は、エンジン2とは反対側(車両後方)に延びる中空のサンギヤ軸19に一体化されており、このサンギヤ軸19を、モータMG1のロータに一体化されている第1モータ軸20に選択的に連結することにより、モータMG1に連結されるようになっている。また、リングギヤR1には、エンジン2が出力した動力が伝達されるようになっている。すなわち、リングギヤR1と一体のリングギヤ軸21がエンジン2のクランクシャフト3と同一の軸線上に配置され、これらリングギヤ軸21とクランクシャフト3とがダンパ22を介して連結されている。
さらに、キャリヤC1はモータMG2との間で動力を伝達できるようになっている。すなわち、動力分配機構4に隣接して減速機構5が同一軸線上に配置され、その減速機構5とエンジン2との間にモータMG2が同一軸線上に配置されている。その減速機構5は、要は、モータMG2が出力した動力を減速してキャリヤC1に伝達する機構であり、一例として遊星歯車機構や遊星ローラ機構などによって構成することができる。図1に示す例ではシングルピニオン型の遊星歯車機構(ギヤ比=ρ0)によって減速機構5が構成されており、そのキャリヤC0がケーシングなどの固定部23に固定されており、またサンギヤS0がモータMG2のロータに連結されている。そして、リングギヤR0がコネクティングドラム24によって、動力分配機構4のキャリヤC1に連結されている。
したがって、モータMG1がこの発明の第1電動機に相当し、またモータMG2がこの発明の第2電動機に相当している。一方、動力分配機構4におけるサンギヤS1がこの発明における第1要素に相当し、キャリヤC1がこの発明の第2要素に相当し、さらにリングギヤR1がこの発明の第3要素に相当している。
また、図1に示すように、サンギヤ軸19と第1モータ軸20との間には、両者を接続し、またその接続を解除する切替機構(クラッチ手段)K1が設けられている。この切替機構K1は、要は、サンギヤ軸19(サンギヤS1)と第1モータ軸20(モータMG1)とをトルク伝達可能な状態に連結し、またその連結を解除するように動作する機構であり、ドグクラッチや多板クラッチなどによって構成することができる。
図1にはドグクラッチによって構成した例を示してあり、サンギヤ軸19に一体化されたハブ25と第1モータ軸20に一体化されたハブ26とが、軸線方向で互いに隣接した状態に配置されている。これらのハブ25,26の外周面には、スプライン歯が形成されており、そのスプライン歯に噛み合うスプライン歯が内周面に形成されたスリーブ27が軸線方向に前後動できるようにハブ25,26に嵌合している。そのスリーブ27のストローク範囲は、両方のハブ25,26にスプライン嵌合する位置と、第1モータ軸20側のハブ26のみにスプライン嵌合する位置との間であり、その往復動は、電気式もしくは電磁式あるいは油圧式のアクチュエータ28によって行うように構成されている。
したがって、切替機構K1は、スリーブ27が両方のハブ25,26にスプライン嵌合することによりサンギヤ軸19(サンギヤS1)と第1モータ軸20(モータMG1)とをトルク伝達可能な状態に連結し、スリーブ27が第1モータ軸20側のハブ26のみにスプライン嵌合することにより、その連結を解除するように構成されている。なお、切替機構K1がサンギヤ軸19と第1モータ軸20との連結を解除した状態では、サンギヤS1が他の部材に連結されずに自由に回転できる状態になるので、動力分配機構4の全体がいわゆるフリー状態となり、その結果、動力分配機構4を介してトルクの伝達が生じないので、エンジン2が変速機7から実質的に切り離された状態となる。
上記の切替機構K1の一部を利用して動力分配機構4の全体を一体化させるロック機構(ロック手段)K0が設けられている。このロック機構K0は、動力分配機構4における少なくとも二つの回転要素を連結することにより、動力分配機構4の全体を一体となって回転させるための機構であり、図1に示す例では、サンギヤS1とキャリヤC1とを選択的に連結するように構成されている。具体的に説明すると、キャリヤC1と一体の前記コネクティングドラム24の外周面には、サンギヤ軸19に連結されている前記ハブ25と同一の外径で、かつ前記スリーブ27のスプラインが噛み合うスプライン歯29が形成されている。このスプライン歯29と前記ハブ25との外周側には、前記アクチュエータ28によって軸線方向に前後動させられるスリーブ30が配置されており、そのスリーブ30の内周面に、前記スプライン歯29とハブ25のスプライン歯とに噛み合うスプラインが形成されている。そして、このスリーブ30は、キャリヤC1と一体のスプライン歯29にのみ噛み合う位置と、そのスプライン歯29およびハブ25のスプライン歯の両方に噛み合う位置とに移動させられるように構成されている。すなわち、ここに示す例は、ドグクラッチによってロック機構K0を構成した例であり、スリーブ30がキャリヤC1と一体のスプライン歯29にのみ噛み合う位置にある状態では、キャリヤC1とサンギヤS1との連結を解き、またスリーブ30が前述したスプライン歯29およびハブ25のスプライン歯の両方に噛み合う位置にある状態では、キャリヤC1とサンギヤS1とを連結して動力分配機構4の全体を一体回転させるように構成されている。
上記の第1モータ軸20は、モータMG1からエンジン2とは反対側(車両後方)に延びており、変速機7に接続されるように構成されている。また、その第1モータ軸20の内部には、その中心軸線に沿ってキャリヤ軸31が配置されており、そのエンジン2側の端部は、中空軸であるサンギヤ軸19の内部を貫通して前記キャリヤC1に連結されている。
したがって、図1に示す構成では、動力分配機構4は、同一軸線上に配置されたモータMG1およびモータMG2の間にこれらのモータMG1,MG2と同一軸線上に配置され、またエンジン2はモータMG2に同一軸線上に配置されるとともに動力分配機構4を挟んで変速機7と対向することになる。すなわち、図1に示す構成では、エンジン2、各モータMG1,MG2、動力分配機構4および変速機7などの構成部材もしくは機器が、車両前方から、エンジン2、モータMG2、(減速機構5)、動力分配機構4、モータMG1、変速機7の順に配置されることになる。その結果、動力出力装置をコンパクトで車載性に優れ、特にいわゆるエンジン前置き後輪駆動車への車載性に優れた動力出力装置1とすることができる。
上述した動力出力装置1では、動力分配機構4のサンギヤS1がサンギヤ軸19および切替機構K1ならびに第1モータ軸20を介して変速機7に接続され、また動力分配機構4のキャリヤC1がキャリア軸31を介して変速機7に接続される。そのため、上述した動力出力装置1では、動力分配機構4のサンギヤS1およびキャリヤC1のいずれか一方をエンジン2から出力されるトルクの反力を受け持つ反力要素とするとともに、他方を変速機7に動力を出力する出力要素とすることができる。
例えば、モータMG1を発電機として機能させることによりサンギヤS1を反力要素とした場合、動力分配機構4は、リングギヤR1を介して入力されるエンジン2からの動力をサンギヤS1側とキャリヤC1側とにそのギヤ比(サンギヤS1の歯数とリングギヤR1の歯数との比)に応じて分配する。また、モータMG1の起電力を他のモータMG2に供給してこれを電動機として機能させることにより、エンジン2からの動力と電動機として機能するモータMG2からの動力とを統合してキャリヤC1から出力する。これに対して、モータMG2を発電機として機能させることによりキャリヤC1を反力要素とした場合には、動力分配機構4は、リングギヤR1を介して入力されるエンジン2からの動力をサンギヤS1側とキャリヤC1側とにそのギヤ比に応じて分配する。また、モータMG2の起電力を一方のモータMG1に供給してこれを電動機として機能させることにより、エンジン2からの動力と電動機として機能するモータMG1からの動力とを統合してサンギヤS1から出力する。
つぎに、変速機7について説明すると、図1に示す変速機7は、変速比を複数段階に設定できるように構成されており、特に単一の軸線上に構成部材を配列した構成とされている。この種の変速機は、少なくとも三つの回転要素が相互に差動回転する遊星歯車機構もしくは遊星ローラ機構によって構成することができ、図1に示す例では、二組の遊星歯車機構を組み合わせた複合遊星歯車機構として構成されている。
具体的に説明すると、二組のシングルピニオン型遊星歯車機構32,33が互いに隣接して同一軸線上に配置されており、モータMG1寄りに配置されている第1の変速用の遊星歯車機構32はこの発明の第1変速用差動回転機構に相当し、前述した第1モータ軸20に接続されたサンギヤS2と、このサンギヤS2と同心円上に配置されている内歯歯車であるリングギヤR2と、サンギヤS2およびリングギヤR2に噛合するピニオンギヤP2を自転自在かつ公転自在に保持しているキャリアC2とを有している。また、第2の変速用の遊星歯車機構33はこの発明の第2変速用差動回転機構に相当し、前述したキャリヤ軸31に連結されているサンギヤS3と、このサンギヤS3に対して同心円上に配置された内歯歯車であるリングギヤR3と、これらサンギヤS3およびリングギヤR3の間に配置されてそれぞれに噛み合っているピニオンギヤP3を自転自在かつ公転自在に保持しているキャリヤC3とを有している。そして、各遊星歯車機構32,33におけるキャリヤC2,C3と互いに連結され、あるいは共用されており、さらにこれらのキャリヤC2,C3は両者一体となって駆動軸6に連結されている。
そして、第1の遊星歯車機構32および第2の遊星歯車機構33のそれぞれに対応して切替機構K2,K3が設けられている。これらの切替機構K2,K3は、各遊星歯車機構32,33におけるリングギヤR2,R3の連結箇所もしくは連結する相手部材を切り替えるための機構であり、この発明における第1固定手段および第2固定手段に相当している。また、これらの切替機構K2,K3は、噛み合い式あるいは摩擦式などの適宜の形式の係合機構によって構成することができ、図1に示す例では、ドグクラッチによって構成されている。
先ず、一方の切替機構K2について説明すると、第1の遊星歯車機構32におけるリングギヤR2の外周部にスプライン歯34が設けられており、その外周側にはケーシングなどの固定部23に一体化された固定スプライン35が設けられている。これらスプライン歯34と固定スプライン35とは、相互に軸線方向にずれて位置している。そして、これらのスプライン歯34と固定スプライン35との間にスリーブ36が、前記アクチュエータ28によって軸線方向に往復動させられるように配置されている。そのスリーブ36の内周面と外周面とのそれぞれには、リングギヤR2に一体のスプライン歯34と固定スプライン35とに噛み合うスプライン歯が形成されている。したがって、スリーブ36が、スプライン歯34と固定スプライン35とのいずれか一方にのみ噛み合う位置に移動させられている状態では、リングギヤR2が回転可能であり、またスリーブ36がスプライン歯34と固定スプライン35との両方に係合している状態では、リングギヤR2が固定部23に連結されて回転が阻止されるように、すなわち固定されるように構成されている。したがって、この切替機構K2がこの発明の第1固定手段に相当している。
つぎに他方の切替機構K3について説明すると、第2の遊星歯車機構33におけるリングギヤR3の外周部にスプライン歯37が設けられており、その外周側にはケーシングなどの固定部23に一体化された固定スプライン38が設けられている。これらのスプライン歯37と固定スプライン38との間にスリーブ39が、前記アクチュエータ28によって軸線方向に往復動させられるように配置されている。そのスリーブ39の内周面と外周面とのそれぞれには、リングギヤR3に一体のスプライン歯37と固定スプライン38とに噛み合うスプライン歯が形成されている。したがって、スリーブ39が、スプライン歯37と固定スプライン38との何れか一方にのみ噛み合う位置に移動させられている状態では、リングギヤR3が回転可能であり、またスリーブ39がスプライン歯37と固定スプライン38との両方に係合している状態では、リングギヤR3が固定部23に連結されて回転が阻止されるように、すなわち固定されるように構成されている。したがって、この切替機構K3がこの発明の第2固定手段に相当している。
また、この発明の第2固定手段に相当する切替機構K3は、リンクギヤR3をキャリヤC3に連結して第2の遊星歯車機構33の全体を一体化させるクラッチ機構を兼ねている。すなわち、キャリヤC3もしくは駆動軸6には、リングギヤR3に一体のスプライン歯37と同一外径のスプライン歯40が設けられており、これらのスプライン歯37,40は互いに隣接して配置されている。そして、スリーブ39がこれら両方のスプライン歯37,40に係合する位置に移動した状態では、スリーブ39が固定スプライン38から外れてリングギヤR3およびキャリヤC3が回転できるように構成されている。
さらに、第1の遊星歯車機構32におけるリングギヤR2を選択的に固定する切替機構K2は、モータMG1の第1モータ軸20を選択的に固定するブレーキ機構を兼ねている。すなわち、第1モータ軸20には、リングギヤR2に一体のスプライン歯34と同一外径のスプライン歯41が設けられており、これらのスプライン歯34,41は互いに隣接して配置されている。そして、スリーブ36が第1サンギヤ軸20と一体のスプライン歯41側に移動した場合にスリーブ36がそのスプライン歯41と固定スプライン35とに係合して第1サンギヤ軸20の回転を阻止するように、すなわち第1サンギヤ軸20を固定するように構成されている。
上記のように構成された変速機7から動力が伝達される駆動軸6は終減速機であるデファレンシャルDFに連結されており、このデファレンシャルDFから左右の後輪RWa,RWbに動力が出力されるようになっている。
このように構成される変速機7は、例えば平行軸式の変速機に比べて軸方向および径方向の寸法を大幅に小さくすることが可能である。また、第1の変速用の遊星歯車機構32および第2の変速用の遊星歯車機構33は、エンジン2、モータMG1,MG2および動力分配機構4の下流側にこれらと同一軸線上に配置可能であるから、上記の変速機7を用いれば、軸受を簡素化できるとともに軸受の数を減らすことができる。
そして、この変速機7では、次のようにして変速比を複数段階に設定することができる。すなわち、切替機構K3により第2の遊星歯車機構33のリングギヤR3を回転不能に固定すれば、キャリア軸31からの動力を第2の変速用の遊星歯車機構33のギヤ比ρ2に基づく変速比((1+ρ2)/ρ2)で変速して駆動軸6に伝達することができる。また、切替機構K2により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を回転不能に固定すれば、第1モータ軸20からの動力を第1の変速用の遊星歯車機構32のギヤ比ρ1に基づく変速比((1+ρ1)/ρ1)で変速して駆動軸6に伝達することができる。さらに、切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33のキャリヤC3とリングギヤR3とを連結すれば、第2の変速用の遊星歯車機構33を構成するサンギヤS3、リングギヤR3およびキャリヤC3が実質的に一体化されることになるので、キャリア軸31からの動力を変速比が「1」で駆動軸6に伝達することができる。
以下、切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33のリングギヤR3を回転不能に固定する状態を変速機7の「第1変速状態(1速)」という。また、切替機構K2により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を回転不能に固定する状態を変速機7の「第2変速状態(2速)」という。さらに、切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33を構成するキャリヤC3とリングギヤR3とを接続する状態を変速機7の「第3変速状態(3速)」という。
そして、ハイブリッドECU8は、CPU42を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU42の他に処理プログラムを記憶するROM43と、データを一時的に記憶するRAM44と、図示しない入出カボートおよび通信ポートとを備えている。ハイブリッドECU8には、イグニッションスイッチ(スタートスイッチ)45からのイグニッション信号、シフトレバー46の操作位置であるシフトポジションSPを検出するシフトポジションセンサ47からのシフトポジションSP、アクセルペダル48の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ49からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル50の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ51からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ52からの車速Vが入力ポートを介して入力される。そして、ハイブリッドECU8は、上述したように、エンジンECU9やモータECU14、バッテリECU17と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU9やモータECU14、バッテリECU17と各種制御信号やデータを相互に通信している。また、切替機構K1や変速機7の切替機構K2,K3を駆動するアクチュエータ28もハイブリッドECU8により制御されている。
つぎに、上述のように構成された動力出力装置1の動作について説明する。図2から図7は、エンジン2の運転を伴って動力出力装置1を動作させる場合に車速に応じて変速機7の変速比をシフトアップ方向に変化させていくときの動力分配機構4および変速機7における主たる要素の回転数やトルクの関係を例示する説明図であり、各機構を構成している遊星歯車機構についての共線図で示してある。動力出力装置1が図2から図7に示す状態で動作する際には、アクセルペダル48の踏み込み量や車速Vに基づくハイブリッドECU8の統括的な制御に基づいて、エンジンECU9によりエンジン2が、またモータECU14によりモータMG1,MG2がそれぞれ制御され、さらにアクチュエータ28(切替機構K1、変速機7の切替機構K2,K3)はハイブリッドECU8により直接制御される。
なお、図2から図7において、「S1」の符号を付してある縦軸は動力分配機構4のサンギヤS1の回転数(モータMG1すなわち第1モータ軸20の回転数Nm1)を示し、「R1」の符号を付してある縦軸は動力分配機構4のリングギヤR1の回転数(エンジン2の回転数Ne)を示し、「C1,R0」の符号を付してある縦軸は動力分配機構4のキャリヤC1(キャリア軸31および減速機構5のリングギヤR0)の回転数を示し、「C0」の符号を付してある縦軸は減速機構5のキャリヤC0の回転数を示し、「S0」の符号を付してある縦軸は減速機構5のサンギヤS0の回転数(モータMG2すなわち第2モータ軸53の回転数Nm2)を示している。また、「S2,S3」の符号を付してある縦軸は変速機7における第2の変速用の遊星歯車機構33のサンギヤS3および第1の変速用の遊星歯車機構32のサンギヤS2の回転数を示し、「C2,C3」の符号を付してある縦軸は変速機7におけるキャリヤC3(駆動軸6)の回転数を示し、「R3」の符号を付してある縦軸は第2の変速用の遊星歯車機構33におけるリングギヤR3の回転数を示し、「R2」の符号を付してある縦軸は第1の変速用の遊星歯車機構32におけるリングギヤR2の回転数を示している。
動力出力装置1を搭載した車両が発進する際には、図2に示すように、切替機構K1によって、動力分配機構4のサンギヤS1と第1のモータMG1とが連結される。また、切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33におけるリングギヤR3が固定部23に連結されて回転不能に固定され、その結果、変速機7が第1変速状態に設定される。さらに、第1のモータMG1が発電機として機能するように制御され、そのモータMG1を駆動するトルクTm1がサンギヤS1にいわゆる負のトルクとして作用し、サンギヤS1が反力要素となる。また、第1のモータMG2は電動機として機能するように制御され、そのトルクTm2が減速機構5によって増幅された後、キャリヤC1に伝達され、いわゆるトルクアシストを行う。このように、モータMG1が発電機として機能するとともにモータMG2が電動機として機能するモードを、以下、「第1トルク変換モード」という。
この第1トルク変換モードを設定している状態でエンジン2を駆動すると、その動力が動力分配機構4によってそのサンギヤS1側とキャリヤC1側とに分配される。そのキャリヤC1には、変速機7を介して車両の負荷が掛かっており、またサンギヤS1には第1のモータMG1が連結されているので、そのモータMG1の回転数に応じてエンジン2の回転数が変化する。すなわち、エンジン回転数をモータMG1によって制御でき、エンジン2を燃費の良い運転点で駆動することができる。言い換えれば、駆動軸6もしくは後輪RWaの回転数とエンジン回転数との比である変速比を無段階に、あるいは連続的に変化させることができる。
一方、サンギヤS1に連結されている第1のモータMG1は、エンジン2から伝達されるトルクTeで回転させられて発電機として機能しており、その起電力は、第2のモータMG2に供給され、このモータMG2が電動機として機能し、そのトルクが減速機構5によって増幅された後、キャリヤC1に伝達される。すなわち、エンジン2が出力した動力の一部は、電力に変換させた後、モータMG2によって機械的な動力に再変換され、キャリヤC1に加えられる。
キャリヤC1から第2の変速用の遊星歯車機構33におけるサンギヤS3にトルクが伝達される。その遊星歯車機構33におけるリングギヤR3が切替機構K3によって固定されているので、出力要素であるキャリヤC3は、入力要素であるサンギヤS3より低速で回転する。すなわち、第2の変速用遊星歯車機構33は減速機として機能し、サンギヤS3に入力されたトルクが、その遊星歯車機構33のギヤ比ρ2に応じて増幅されてキャリヤC1から駆動軸6に出力される。なお、この場合の変速機7による変速比は、((1+ρ2)/ρ2)である。
図2に示す状態すなわち変速機7が第1変速状態にあり、かつトルク変換モードが第1トルク変換モードである状態で車速Vが増大すると、やがて、モータMG1(およびサンギヤS1ならびに第1モータ軸20)の回転数Nm1の低下に伴い、それまで負の値を示していた第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2の回転数がほぼゼロになる。この状態は、リングギヤR2が固定スプライン35あるいは第2の変速用遊星歯車機構33におけるリングギヤR3に回転同期した状態であり、したがって切替機構K2におけるスリーブ36を固定スプライン35に噛み合わせることが可能になる。図3には、各切替機構K2,K3をいわゆる係合状態にして各リングギヤR2,R3を固定している状態を示してある。
このようにして各切替機構K2,K3により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2と第2の変速用の遊星歯車機構33のリングギヤR3との両方を回転不能に固定した状態で、各モータMG1,MG2に対するトルク指令を値0に設定すれば、各モータMG1,MG2は、力行および回生のいずれをも行わずに空転する。その結果、エンジン2が出力した動力(トルク)は、電気エネルギヘの変換を伴うことなく、固定された(一定の)変速比(第1変速状態の変速比と第2変速状態の変速比との間の値)で機械的(直接)に駆動軸6に伝達される。したがって、この場合には、電力への変換および電力から機械的動力への変換に伴うエネルギ損失を回避できるので、動力の伝達効率あるいはエネルギ効率が良好になる。このように、切替機構K2,K3により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2と変速機7の第2の変速用の遊星歯車機構33のリングギヤR3との両方を回転不能に固定するモードを、以下、「同時係合モード」といい、特に、図3に示す状態を「1−2速同時係合状態」という。
図3に示す1−2速同時係合状態の状態から切替機構K3を解放状態とすることにより第2の変速用の遊星歯車機構33におけるリングギヤR3の固定を解除し、そのリングギヤR3を回転できるようにすれば、変速機7の変速段(変速比)は第2変速状態となる。すなわち、変速機7では、第1の変速用の遊星歯車機構32におけるリングギヤR2が固定され、その状態でサンギヤS2からトルクが入力されるので、第2の変速用の遊星歯車機構32が変速作用を行う。その場合、第2の変速用遊星歯車機構32のギヤ比ρ1が、第1変速状態で変速作用を行う第2の変速用遊星歯車機構33のギヤ比ρ2より小さいので、第2変速状態での変速機7の変速比は、前述した第1変速状態での変速比より小さくなる。この状態を図4に示してある。
この第2変速状態では、第2のモータMG2が発電機として機能するように制御される。したがって、動力分配機構4では、そのリングギヤR1にエンジン2から動力が入力されてこれが入力要素となり、またキャリヤC1に第2のモータMG2を発電機として機能させることに伴う反力が作用してこれが反力要素となる。そして、サンギヤS1が出力要素となり、サンギヤ軸19および切替機構K1ならびに第1モータ軸20を介して、前記第1の変速用の遊星歯車機構32におけるサンギヤS2にトルクが伝達される。その場合、第2のモータMG2による起電力が第1のモータMG1に供給されてこれが電動機として機能し、その出力されたトルクが第1モータ軸20を介してサンギヤS2に伝達される。すなわち、エンジン2が出力した動力の一部が電力への変換を伴って変速機7に伝達される。このようにモータMG2が発電機として機能するとともにモータMG1が電動機として機能するモードを、以下、「第2トルク変換モード」という。
この第2トルク変換モードは、前述した第1トルク変換モードにおいて反力を発生させるモータとトルクアシストを行うモータとを入れ替え、かつ変速機7を第1変速状態から第2変速状態に切り替えたモードであるから、第1トルク変換モードと同様に、モータMG2の回転数を制御することにより、エンジン2の回転数と出力要素となっているサンギヤS1の回転数との比を無段階に、あるいは連続的に変化させることができる。そして、サンギヤS1あるいは第1モータ軸20に出力された動力は、第1の変速用の遊星歯車機構32のギヤ比ρ1に基づく変速比((1+ρ1)/ρ1)で変速(減速)された後、駆動軸6に出力される。
図4に示す状態すなわち変速機7が第2変速状態にあり、かつトルク変換モードが第2トルク変換モードである状態で車速Vが増大すると、第2の変速用の遊星歯車機構33においてはそのキャリヤC3の回転数が相対的に増大するので、サンギヤS3およびリングギヤR3ならびにキャリヤC3の回転数が互いにほぼ一致し、これらの要素が一体となって回転するようになる。その状態を図5に示してあり、キャリヤC3とリングギヤR3とがいわゆる回転同期し、その結果、ドグクラッチによって構成されている切替機構K3を切替動作させて第2の変速用の遊星歯車機構33のキャリヤC3とリングギヤR3とを接続することが可能になる。
このようにして、切替機構K2により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を回転不能に固定したまま切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33のキャリヤC3とリングギヤR3とを連結した状態で、モータMG1およびモータMG2に対するトルク指令値をゼロに設定すれば、各モータMG1,MG2は、力行および回生のいずれをも実行せずに空転する。その結果、エンジン2からの動力(トルク)は、電気エネルギヘの変換を伴うことなく、固定された(一定の)変速比(第2変速状態の変速比と第3変速状態での変速比との間の値)で機械的(直接)に駆動軸6に伝達される。したがって、この場合には、電力への変換および電力から機械的動力への変換に伴うエネルギ損失を回避できるので、動力の伝達効率あるいはエネルギ効率が良好になる。このように、切替機構K2により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を回転不能に固定したまま第2の変速用の遊星歯車機構33のキャリヤC3とリングギヤR3とを切替機構K3により接続するモードを、以下、「同時係合モード」といい、特に、図5に示す状態を「2−3速同時係合状態」という。
図5に示す2−3速同時係合状態から切替機構K2を解放状態とすることにより第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2の固定を解除し、そのリングギヤR2を回転できるようにすれば、図6に示すように、変速機7の変速段(変速比)は第3変速状態になる。
この第3変速状態では、切替機構K3によって第2の変速用の遊星歯車機構33におけるサンギヤS3およびリングギヤR3ならびにキャリヤC3がいわゆるロックされてその全体が一体となって回転するので、変速機7の変速比は「1」になる。したがって、図6に示すように、動力分配機構4のキャリヤC1からキャリヤ軸31を介して変速機7に伝達された動力は、第1の変速用の遊星歯車機構32を介してそのまま駆動軸6に出力される。そして、この場合、動力分配機構4のキャリヤC1が出力要素となるとともにサンギヤS1が反力要素となるので、トルク変換モードは上述した第1トルク変換モードとなる。したがって、モータMG1の回転数を制御することにより、エンジン2の回転数と出力要素となっているキャリアC2に直結された駆動軸6の回転数との比を無段階に、あるいは連続的に変化させることができる。
図6に示す状態すなわち変速機7が第3変速状態にあり、かつトルク変換モードが第1トルク変換モードである状態で車速Vが増大すると、エンジン回転数を燃費の良い回転数に維持するために、発電機として機能して反力を発生している第1のモータMG1の回転数が次第に低下させられ、ついにはその回転数がゼロになる。その状態を図7に示してあり、モータMG1の回転が止まることにより、第1モータ軸20、サンギヤS1および第1の変速用の遊星歯車機構32のサンギヤS2の回転数がゼロになる。その結果、第1モータ軸20に一体に設けてあるスプライン歯41の回転が止まるので、言い換えれば切替機構K2のスリーブ36と回転同期するので、そのスリーブ36を軸線方向に移動させてスプライン歯41に係合させ、第1モータ軸20すなわちモータMG1ならびに動力分配機構4のサンギヤS1を固定することができる。
このようにして動力分配機構4のサンギヤS1を切替機構K2によって機械的に固定した場合、動力分配機構4はリングギヤR1にエンジン2から動力が入力されてこれが入力要素となり、またサンギヤS1が固定要素となるので、動力分配機構4は増速機として機能し、したがってリングギヤR1に動力は増速されてキャリヤC1から変速機7に出力される。一方、変速機7ではその第2の変速用の遊星歯車機構33が、そのキャリヤC3とリングギヤR3とが連結されて一体となって回転しているので、変速機7に入力された動力はそのまま駆動軸6に出力される。すなわち、各モータMG1,MG2に対するトルク指令値をゼロに制御することにより、各モータMG1,MG2は、力行および回生のいずれをも行わずに空転する。その結果、エンジン2からの動力は、電気エネルギヘの変換を伴うことなく、固定された(一定の)変速比(第3変速状態の変速比よりも増速側の値)で変速された後に駆動軸6に直接伝達される。
したがって、この場合には、電力への変換および電力から機械的動力への変換に伴うエネルギ損失を回避できるので、動力の伝達効率あるいはエネルギ効率が良好になる。このように、切替機構K3によりキャリヤC3とリングギヤR3とを連結して変速機7における第2の変速用の遊星歯車機構33を実質的にロックしたまま、切替機構K2により第1モータ軸20(モータMG1)を回転不能に固定するモードを、以下、「同時係合モード」といい、特に、図7に示す状態を「3速固定状態」という。なお、変速機7の変速比を低速側に変化させる場合には、基本的には、上述した制御とは逆の順序で変速制御を行えばよい。
この発明に係る上記の動力出力装置1では、更に、エンジン2が出力した動力を、電力変換を伴わずに駆動軸6に出力できる三つの駆動状態(もしくはモード)を設定することができる。すなわち、上述した構成では、前述したロック機構K0によって動力分配機構4におけるサンギヤS1とキャリヤC1とを連結すると、動力分配機構4の全体が一体となって回転するので、エンジン2から入力された動力がそのままサンギヤ軸19とキャリヤ軸31とに出力される。こうして出力された動力は、変速機7に入力される。その変速機7は前述したように、第1速状態および第2速状態ならびに第3速状態の三つの変速段(変速比)を設定できるから、結局、動力分配機構4をいわゆるロックした状態に対して三つの変速状態を設定できるので、電力変換を伴わない駆動モードとして、更に三つのモードを設定できる。
図8は動力分配機構4をその全体が一体となるようにロックし、かつ変速機7を第1速状態にした場合の共線図であり、この状態では、前記ロック機構K0が係合状態に制御されて動力分配機構4におけるサンギヤS1とキャリヤC1とが連結される。したがって、サンギヤS1およびキャリヤC1ならびにリングギヤR1の各要素の回転数は同じになる。一方、変速機7では、一方の切替機構K2がいわゆる解放状態に制御されて第1の変速用の遊星歯車機構32におけるリングギヤR2および第1モータ軸20の固定が解除されてこれらが自由に回転できる状態に設定され、かつ他方の切替機構K3がいわゆる係合状態に制御されて第2の変速用の遊星歯車機構33におけるリングギヤR3が固定され、その結果、変速機7は第1変速状態になる。
このような駆動状態は、「差動ロック・第1変速状態」と称することができ、その差動ロック・第1変速状態では、エンジン2から動力分配機構4のリングギヤR1に入力された動力が、そのまま第2の変速用遊星歯車機構33におけるサンギヤS3に入力される。その第2の変速用遊星歯車機構33はリングギヤR3が固定されていることにより減速機として機能するから、サンギヤS3に入力されたトルクが増幅されてキャリヤC3から駆動軸6に出力される。したがって、エンジン回転数と駆動軸6の回転数との比である変速比は、第2の変速用の遊星歯車機構33におけるギヤ比ρ2に応じた値となり、具体的に、((1+ρ2)/ρ2)となる。したがって、この差動ロック・第1変速状態では、いずれのモータMG1,MG2も電動機および発電機として機能する必要がないので、電力変換を伴わずに、エンジン2から駆動軸6に動力を伝達でき、その結果、動力伝達効率を向上させ、また燃費を向上させることができる。なお、この場合、サンギヤ軸19と第1モータ軸20とは、切替機構K0をいわゆる解放状態とすることにより切り離しておくことが好ましい。モータMG1の連れ回りによる損失を防止するためである。
図9はいわゆる差動ロック・第2変速状態を示している。これは、ロック手段K0をいわゆる係合状態に設定して動力分配機構4の全体を一体回転するようにし、かつ変速機7を第2変速状態にして設定される。すなわち、変速機7における一方の切替機構K3を解放状態に制御して第2の変速用の遊星歯車機構33におけるリングギヤR3の固定を解除し、かつ他の切替機構K2によって第1の変速用遊星歯車機構32におけるリングギヤR2を固定する。さらに、動力分配機構4のサンギヤS1から第1の変速用遊星歯車機構32におけるサンギヤS2に動力を伝達するために、切替機構K0を係合状態に制御してサンギヤ軸19と第1モータ軸20とを連結する。
このいわゆる差動ロック・第2変速状態では、エンジン2から動力分配機構4のリングギヤR1に入力された動力が、そのまま第1の変速用遊星歯車機構32におけるサンギヤS2に入力される。その第1の変速用遊星歯車機構32はリングギヤR2が固定されていることにより減速機として機能するから、サンギヤS2に入力されたトルクが増幅されてキャリヤC2から駆動軸6に出力される。したがって、エンジン回転数と駆動軸6の回転数との比である変速比は、第1の変速用の遊星歯車機構32におけるギヤ比ρ1に応じた値となり、具体的に、((1+ρ1)/ρ1)となる。したがって、この差動ロック・第2変速状態では、いずれのモータMG1,MG2も電動機および発電機として機能する必要がないので、電力変換を伴わずに、エンジン2から駆動軸6に動力を伝達でき、その結果、動力伝達効率を向上させ、また燃費を向上させることができる。
図10はいわゆる差動ロック・第3変速状態を示している。これは、ロック手段K0をいわゆる係合状態に設定して動力分配機構4の全体を一体回転するようにし、かつ変速機7を第3変速状態にして設定される。すなわち、変速機7における一方の切替機構K3によって第2の変速用の遊星歯車機構33におけるキャリヤC3とリングギヤR3とを連結して第2の変速用の遊星歯車機構33を一体回転するように設定し、かつ他の切替機構K2を解放状態に制御して第1の変速用の遊星歯車機構32におけるリングギヤR2の固定を解除し、その自由な回転を許容する。なお、この場合、サンギヤ軸19と第1モータ軸20とは、切替機構K0をいわゆる解放状態とすることにより切り離しておくことが好ましい。モータMG1の連れ回りによる損失を防止するためである。
このいわゆる差動ロック・第3変速状態では、エンジン2から動力分配機構4のリングギヤR1に入力された動力が、そのまま第2の変速用遊星歯車機構33におけるサンギヤS3に入力される。その第2の変速用遊星歯車機構33はリングギヤR3とキャリヤC3とが連結されてその全体が一体となって回転するので、サンギヤS3に入力されたトルクがそのまま駆動軸6に出力される。したがって、エンジン2が出力した動力は、そのまま駆動軸6に出力され、エンジン回転数と駆動軸6の回転数との比である変速比は「1」になる。この差動ロック・第3変速状態においても、いずれのモータMG1,MG2も電動機および発電機として機能する必要がないので、電力変換を伴わずに、エンジン2から駆動軸6に動力を伝達でき、その結果、動力伝達効率を向上させ、また燃費を向上させることができる。
このように差動ロック・第1変速状態ないし差動ロック・第3変速状態のいずれもエンジン2を駆動軸6に機械的な手段で直結した駆動モードになるので、燃費効率の良好なエンジン回転数となる車速で設定することにより、車両の全体としての燃費を向上させることができる。また、これら三つの駆動モードを設定するための新たな機構は上記のロック機構K0であるが、これは、図1に示すように、動力分配機構4を構成している遊星歯車機構もしくは遊星ローラ機構の外周側にオーバーラップして設けることができるので、動力出力装置1の全長を長くする要因にはならず、したがって図1に示すように構成することにより、いわゆるエンジン直結モードが多く、しかも全体としてコンパクトで、特にエンジン前置き後輪駆動車に対する車載性の良好な動力出力装置1を得ることができる。
上述したように、この発明に係る動力出力装置1では、変速機7の変速比の変更すなわち第1変速状態ないし第3変速状態への切り替えに伴って、第1トルク変換モードと第2トルク変換モードとに交互に切り替えられるので、電動機として機能するモータMG2,MG1の回転数Nm2,Nm1が増大した場合に、発電機として機能するモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2が負の値にならないように制御することができる。したがって、この発明に係る動力出力装置1によれば、いずれかのトルク変換モードにおいて、車速が増大した場合に、燃費効率を考慮したエンジン回転数に維持するために、反力を発生するべきモータMG1,MG2が負方向に回転して電動機として機能し、かつその電力をいわゆるトルクアシストを行うべきモータMG2,MG1に供給してこれが発電機として機能する動力循環を防止もしくは抑制することができる。
例えば、第1トルク変換モードを設定している状態で、第1のモータMG1の回転数が負になることに伴い、キャリア軸31に出力される動力の一部を用いてモータMG2が発電し、かつそのモータMG2で発電された電力をモータMG1が消費して動力を出力するという動力循環や、第2トルク変換モードが設定されている状態で、第2のモータMG2の回転数が負になることに伴い、第1モータ軸20に出力される動力の一部を用いてモータMG1が発電し、かつそのモータMG1で発電された電力をモータMG2が消費して動力を出力するという動力循環の発生を抑制することが可能となる。その結果、より広範な運転領域において動力の伝達効率を向上させることができる。また、動力循環を抑制できることに伴いモータMG1,MG2の最高回転数を抑えることができるので、モータMG1,MG2を小型化することが可能となる。
さらに、上述した同時係合モードを設定した状態では、1−2速同時係合状態、2−3速同時係合状態および3速固定状態、ならびにロック機構K0によって差動ロックした第1変速状態ないし第3変速状態のそれぞれに固有の変速比でエンジン2からの動力を機械的(直接)に駆動軸6に伝達することができるので、電気エネルギヘの変換を伴うことなくエンジン2から駆動軸6に動力を機械的に出力する機会を増やして、より広範な運転領域において動力の伝達効率をより一層向上させることができる。
一般に、エンジンと二つの電動機と動力分配機構とを用いた動力出力装置では、エンジンと駆動軸との間の減速比が比較的大きいときにエンジンの動力が電気エネルギにより多く変換されるので、動力の伝達効率が悪化するとともにモータMG1,MG2の発熱を招く傾向にある。しかしながら、上述の同時係合モードや差動ロックした第1変速状態ないし第3変速状態は、特にエンジン2と駆動軸6との間の減速比が比較的大きい場合に特に有利なものとなる。また、実施例の動力出力装置1では、変速機7の変速比を変更する際に、第1トルク変換モードと第2トルク変換モードとの間で一旦、同時係合モードを設定できるので、変速比の変更時におけるいわゆるトルク抜けを生じることはなく、変速比の変更すなわち第1トルク変換モードと第2トルク変換モードとの切り替えを行うことができ、しかもその切り替えを極めてスムースかつショック無く実行することが可能となる。
この発明に係る動力出力装置1は、少なくともいずれか一方のモータMG1,MG2を動力源とすることができる。これは、エンジン2を停止させた状態でバッテリ12からの電力を用いてモータMG1やモータMG2に動力を出力させ、その動力で車両を走行させるモータ走行モードである。図1に示す動力出力装置1でモータ走行する場合は、モータMG2のみに動力を出力させる第1モータ走行モードと、モータMG1のみに動力を出力させる第2モータ走行モードと、モータMG1およびMG2の両方に動力を出力させる第3モータモードとが可能である。これら第1ないし第3のモータ走行モードを実行する際には、切替機構K1が解放状態とされ、サンギヤ軸19と第1モータ軸20との接続が解除される。動力を出力しないモータMG1,MG2やエンジン2の連れ回りによる損失を回避するためである。
第1モータ走行モードを実行する際には、例えば切替機構K1を解放状態とすると共に切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33のリングギヤR3を回転不能に固定することにより、変速機7を第1変速状態に設定する。あるいは切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33を構成するキャリヤC3とリングギヤR3とを連結することにより、変速機7を第3変速状態に設定し、モータMG2のみを駆動制御する。これにより、図11において一点鎖線で示すように、モータMG2からキャリヤC1に対して動力が伝達され、この動力はキャリア軸31から第1変速状態あるいは第3変速状態にある変速機7を介して駆動軸6に伝達される。その場合、切替機構K1が解放状態とされてサンギヤS1と第1モータ軸20との接続が解除されているので、動力分配機構4がいわゆるフリー状態になってエンジン2との間のトルクの伝達を行わず、その結果、エンジン2の連れ回りが回避される。また、同様に、第1の変速用の遊星歯車機構32がいわゆるフリー状態になってトルクの伝達を行わないから、モータMG1の連れ回しが回避され(図11参照)、その結果、動力の伝達効率の低下を抑制することができる。
また、第2モータ走行モードは、例えば切替機構K1を解放するとともに、切替機構K2により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を回転不能に固定して変速機7を第2変速状態にして設定される。この第2モータ走行モードでは、モータMG1のみを駆動制御する。したがって、この第2モータ走行モードでは、図11に二点鎖線で示すように、モータMG1からサンギヤS1に対して動力が出力され、この動力はサンギヤ軸19や第1モータ軸20、第2変速状態にある変速機7を介して駆動軸6に伝達されることになる。その場合、切替機構K1が解放状態とされてサンギヤS1と第1モータ軸20との接続が解除されているから、動力分配機構4がいわゆるフリー状態になってエンジン2との間のトルクの伝達を行わず、その結果、エンジン2の連れ回りが回避される。また、同様に、第2の変速用の遊星歯車機構33がいわゆるフリー状態になってトルクの伝達を行わないから、モータMG1の連れ回しが回避され(図11参照)、その結果、動力の伝達効率の低下を抑制することができる。
さらに、第3モータ走行モードは、切替機構K2,K3のいずれかを用いて変速機7を前述した1−2速同時係合状態または2−3速同時係合状態に設定し、モータMG1,MG2の両方を駆動制御する。両方のモータMG1,MG2が動力を出力すれば、モータ走行モードにおいて大きな動力を駆動軸6に伝達することが可能となるので、モータ走行時における登坂性能や加速性能あるいはトーイング性能などを向上させることができる。なお、第1モータ走行モードおよび第2モータ走行モードにおいて、切替機構K1を繋いたまま、停止している一方のモータMG1,MG2を連れ回した状態で他方のモータMG1,MG2に動力を出力させてもよい。
ところで、この発明に係る上記の動力出力装置1では、第1ないし第3のモータ走行モード相互の間でのモード変更を行うことにより、モータ走行に際して変速機7の変速比を変更しながら動力を効率よく駆動軸6に伝達することができる。すなわち、切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33のリングギヤR3を固定して変速機7を第1変速状態に設定するとともに、モータMG2のみを駆動させる第1モータ走行モードにおいて変速機7の変速比をシフトアップ側に変更する場合、まずモータMG1を駆動制御して第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2の回転数をゼロに近づける。次いで、切替機構K2により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を固定すれば、上述の第3モータ走行モードすなわち上述の1−2速同時係合状態に移行することができる。その後、切替機構K3を解放状態として第2の変速用の遊星歯車機構33のリングギヤR3を回転自在とすれば、モータMG1のみを駆動制御する第2モータ走行モードに移行するとともに変速機7を第2変速状態に設定してその変速比をシフトアップ側(2速)に変更することができる。
また、切替機構K2により第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を固定して変速機7を第2変速状態に設定するとともにモータMG1のみを駆動制御する第2モータ走行モードにおいて変速機7の変速比をシフトアップ側に変更する場合、まずモータMG2を駆動制御して第2の変速用の遊星歯車機構33のリングギヤR3の回転数をキャリヤC3(駆動軸6)の回転数と同期させる。次いで、切替機構K3により第2の変速用の遊星歯車機構33のキャリヤC3とリングギヤR3とを接続すれば、第3モータ走行モードすなわち上述の2−3速同時係合状態に移行することができる。その後、切替機構K2を解放状態として第1の変速用の遊星歯車機構32のリングギヤR2を回転自在とすれば、モータMG2のみを駆動制御する第1モータ走行モードに移行するとともに変速機7を第3変速状態に設定してその変速比をシフトアップ側(3速)に変更することができる。
その結果、図1に示す動力出力装置1では、モータ走行モードで、変速機7を用いてキャリア軸31または第1モータ軸20の回転数を減速してトルクを増幅することができるので、モータMG1,MG2に要求される最大トルクを低下させることが可能となり、モータMG1,MG2の小型化を図ることができる。また、このようなモータ走行中における変速機7の変速比の変更に際しても、一旦、第3モータ走行モードすなわち同時係合モードを設定できるから、変速比の変更時におけるいわゆるトルク抜けを生じることはなく、変速比の変更を極めてスムースかつショック無く実行することが可能となる。
なお、モータ走行モードにおいて変速機7の変速比をシフトダウン方向に変化させる場合には、基本的に上述したアップシフトの制御とは逆の手順を実行すればよい。また、モータMG2のみに動力を出力させる第1モータ走行モードまたはモータMG1のみに動力を出力させる第2モータ走行モードにおいて、要求駆動力が増大したり、バッテリ12の残容量SOCが低下したりしたような場合には、それまで動力を出力していなかったモータMG1またはMG2を駆動制御してその回転数Nm1またはNm2を動力分配機構4のサンギヤS1またはキャリヤC1の回転数と同期させた上で切替機構K1を繋ぎ、当該モータMG1またはMG2によるエンジン2のモータリングを実行してエンジン2を始動させればよい。これにより、駆動軸6に動力を滑らかに伝達しながら、エンジン2を始動させることが可能となる。
さらに、モータMG1およびMG2の両方に動力を出力させる第3モータモードにおいてエンジン2を始動させる場合には、まず変速機7の目標変速比等に応じて継続して動力を出力させる一方のモータMG1,MG2を選択したうえで、継続して動力を出力させない他方のモータMG1,MG2による動力を上記一方のモータMG1,MG2に出力させる動力移換処理を実行する。そして、動力移換処理の完了後に切替機構K2を解放状態とすることにより継続して動力を出力させない他方のモータMG2,MG1を変速機7から切り離し、当該他方のモータMG2,MG1を駆動制御してその回転数Nm2,Nm1を動力分配機構4のキャリヤC1またはサンギヤS1の回転数と同期させた上で切替機構K1を繋ぎ、当該モータMG2,MG1によるエンジン2のモータリングを実行してエンジン2を始動させればよい。これにより、駆動軸6に動力を滑らかに伝達しながら、エンジン2を始動させることが可能となる。また、第1モータ走行モードおよび第2モータ走行モードにおいて、切替機構K1を繋いだまま、停止している一方のモータMG1,MG2を連れ回した状態で他方のモータMG1,MG2に動力を出力させているときには、停止していた一方のモータMG1,MG2によるエンジン2のモータリングを実行すれば、エンジン2を始動させることができる。
つぎに、部品の共通化により、全体としての構成を小型化し、また全長を短縮できるように構成した動力出力装置の例を説明する。図12はその例を示すスケルトン図であって、ここに示す動力出力装置1では、サンギヤ軸19と第1モータ軸20とを連結する切替機構K1に、第1のモータMG1の回転を止めておく機能が付与され、それに伴って第1モータ軸20に一体化されていたスプライン歯41が省かれ、さらに図1に示す構成では設けられていたロック機構K0が省かれている。
すなわち、切替機構K1におけるハブ25,26の外周側には軸線方向に前号動作せられるスリーブ27Aが設けられており、このスリーブ27Aの内周面と外周面との両方にスプラインが形成されている。さらに、このスリーブ27Aの外周側には、ケーシングなどの固定部23に一体化された固定スプライン54が設けられている。そして、この固定スプライン54は、スリーブ27Aが第1モータ軸20と一体のハブ26に係合している状態でそのスリーブ27Aの外周面のスプラインが係合する位置に配置されている。そして、スリーブ27Aは、サンギヤ軸19に一体のハブ25のみに係合するフリー位置(図13の(a))と、サンギヤ軸19に一体のハブ25と第1モータ軸20に一体のハブ26との両方に係合する第1モータ連結位置(図13の(b))と、これらのハブ25,26と固定スプライン54との三者に係合する第1モータロック位置(図13の(c))とに移動させられるように構成されている。
したがって、スリーブ27Aを図13の(a)に示すフリー位置および図13の(b)に示す第1モータ連結位置に選択的に移動させることにより、図1に示す構成における切替機構K1と同様に機能する。これに加えて、スリーブ27Aを図13の(c)に示す第1モータロック位置に移動させれば、動力分配機構4におけるサンギヤS1と第1のモータMG1とを連結した状態で、これらを固定部23に連結して固定することができる。この機能は、図1に示すスプライン歯41を介して第1モータ軸20を固定部23に連結して固定する機能と同様であり、したがってスプライン歯41に替えて図12および図13に示す切替機構K1により図7に共線図で示す「3速固定状態」を設定することができる。
このように図12に示す構成では、図1に示す構成では必要としていたスプライン歯41を必要としないので、軸線方向に配列する構成部材を少なくすることができ、前述したようなモードを設定できることに加えて、全長を短縮することができ、さらには全体としての構成を小型化することが可能になる。
なお、前述したロック機構K0は、図12および図13に示す切替機構K1と特に干渉したり、矛盾するものではないから、図12に示す構成に、前記ロック機構K0を追加して設けてもよい。
この発明に係る動力出力装置の一例を模式的に示す概略構成図である。 第1トルク変換モードでの第1変速状態における動作状態を説明するための共線図である。 1−2速同時係合状態での動作状態を説明するための共線図である。 第2トルク変換モードでの第2変速状態における動作状態を説明するための共線図である。 2−3速同時係合状態での動作状態を説明するための共線図である。 第1トルク変換モードでの第3変速状態における動作状態を説明するための共線図である。 3速固定状態での動作状態を説明するための共線図である。 差動ロック・第1変速状態での動作状態を説明するための共線図である。 差動ロック・第2変速状態での動作状態を説明するための共線図である。 差動ロック・第3変速状態での動作状態を説明するための共線図である。 モータ走行モードでの動作状態を説明するための共線図である。 この発明に係る動力出力装置の他の例を模式的に示す概略構成図である。 図12に示すサンギヤ軸と第1モータ軸とを選択的に連結する切替機構におけるスリーブの動作位置を示す模式図である。
符号の説明
1…動力出力装置、 2…エンジン、 3…クランクシャフト、 4…動力分配機構(差動回転機構)、 5…減速機構、 6…駆動軸、 7…変速機、 14…モータ用電子制御ユニット、 19…サンギヤ軸、 20…第1モータ軸、 21…リングギヤ軸、 23…固定部、 25,26…ハブ、 27,27A,30…スリーブ、 28…アクチュエータ、 29…スプライン歯、 31…キャリヤ軸、 32,33…変速用遊星歯車機構、 34…スプライン歯、 35…固定スプライン、 36…スリーブ、 37…スプライン歯、 38…固定スプライン、 39…スリーブ、 40…スプライン歯、 41…スプライン歯、 53…第2モータ軸、 54…固定スプライン、 MG1,MG2…モータ(モータ・ジェネレータ)、 S0,S1,S2,S3…サンギヤ、 R0,R1,R2,R3…リングギヤ、 C0,C1,C2,C3…キャリヤ、 K1,K2,K3…切替機構、 K0…ロック機構(ロック手段)。

Claims (5)

  1. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    動力を入出力可能な第1電動機と、
    動力を入出力可能な第2電動機と、
    前記第1電動機の回転軸に接続される第1要素と前記第2電動機から動力が伝達される第2要素と前記内燃機関から動力が伝達される第3要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された動力分配機構と、
    前記動力分配機構における前記第1要素に接続される第1入力要素と、前記駆動軸に接続される第1出力要素と、選択的に固定される第1固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第1変速用差動回転機構と、
    前記動力分配機構における前記第2要素に接続される第2入力要素と、前記駆動軸に接続される第2出力要素と、選択的に固定される第2固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第2変速用差動回転機構と、
    前記第1変速用差動回転機構における前記第1固定要素を選択的に固定する第1固定手段と、
    前記第2変速用差動回転機構における前記第2固定要素を選択的に固定する第2固定手段と、
    前記動力分配機構における少なくとも二つの要素を選択的に連結して動力分配機構の全体が一体的に回転可能な状態にするロック手段と
    を備えている動力出力装置。
  2. 前記動力分配機構における第1要素に一体化されている回転部材と前記第1電動機の回転軸に一体化されている他の回転部材とを選択的に連結するクラッチ手段を更に備え、
    前記ロック手段は、前記動力分配機構における第1要素に一体化されている前記回転部材と、前記動力分配機構における前記第2要素とを選択的に連結する他のクラッチ手段を含む
    請求項1に記載の動力出力装置。
  3. 前記クラッチ手段は、前記動力分配機構の外周側を軸線方向に前後動して前記各回転部材に選択的に係合して前記各回転部材を連結するスリーブを備えている請求項2に記載の動力出力装置。
  4. 駆動軸に動力を出力する動力出力装置であって、
    内燃機関と、
    動力を入出力可能な第1電動機と、
    動力を入出力可能な第2電動機と、
    前記第1電動機の回転軸に接続される第1要素と前記第2電動機から動力が伝達される第2要素と前記内燃機関から動力が伝達される第3要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された動力分配機構と、
    前記動力分配機構における前記第1要素に接続される第1入力要素と、前記駆動軸に接続される第1出力要素と、選択的に固定される第1固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第1変速用差動回転機構と、
    前記動力分配機構における前記第2要素に接続される第2入力要素と、前記駆動軸に接続される第2出力要素と、選択的に固定される第2固定要素とを有するとともにこれら三つの要素が互いに差動回転できるように構成された第2変速用差動回転機構と、
    前記第1変速用差動回転機構における前記第1固定要素を選択的に固定する第1固定手段と、
    前記第2変速用差動回転機構における前記第2固定要素を選択的に固定する第2固定手段と、
    前記動力分配機構における第1要素に一体化されている回転部材と前記第1電動機の回転軸に一体化されている他の回転部材とを、軸線方向に前後動してこれらの回転部材に回転方向で係合するスリーブによって選択的に連結するクラッチ手段と、
    前記スリーブよりも外周側に固定された固定部を備えるとともに、前記スリーブが前記第1電動機の回転軸に一体化されている前記他の回転部材と前記固定部とに回転方向で係合することにより、前記第1電動機の回転軸を選択的に固定する第3固定手段と
    を備えている動力出力装置。
  5. 前記内燃機関、前記第2電動機、前記動力分配機構、前記第1電動機、前記第1変速用差動回転機構、前記第2変速用差動回転機構、前記駆動軸が同一軸線上に配列されている請求項1ないし5のいずれかに記載の動力出力装置。
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JP2007217584A Pending JP2009051263A (ja) 2007-08-23 2007-08-23 動力出力装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013146176A1 (ja) * 2012-03-26 2013-10-03 ジヤトコ株式会社 ハイブリッド車両用モータ駆動系の制御装置
CN103895492A (zh) * 2014-04-14 2014-07-02 苏州绿控传动科技有限公司 混联式混合动力系统、车辆及其控制方法

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