JP2009049882A - 伝搬路推定装置及び受信装置 - Google Patents

伝搬路推定装置及び受信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009049882A
JP2009049882A JP2007215835A JP2007215835A JP2009049882A JP 2009049882 A JP2009049882 A JP 2009049882A JP 2007215835 A JP2007215835 A JP 2007215835A JP 2007215835 A JP2007215835 A JP 2007215835A JP 2009049882 A JP2009049882 A JP 2009049882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
propagation path
value
frequency domain
processing unit
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007215835A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5249541B2 (ja
Inventor
Akira Koizumi
亮 小泉
Hiroki Terashima
裕樹 寺島
Taiji Amazawa
泰治 雨澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mobile Techno Corp
Original Assignee
Mobile Techno Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mobile Techno Corp filed Critical Mobile Techno Corp
Priority to JP2007215835A priority Critical patent/JP5249541B2/ja
Publication of JP2009049882A publication Critical patent/JP2009049882A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5249541B2 publication Critical patent/JP5249541B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 移動機の移動速度が速い場合や、人などの反射物体が移動する場合や、送信機及び受信機間の周波数誤差が大きい場合などでも、より正確な伝搬路推定値を適用できて良好な通信を実現できるようにする。
【解決手段】 本発明の伝搬路推定装置は、既知の情報であるトレーニングシンボルに続いて未知の情報であるデータシンボルを有する信号を受信する受信装置に設けられる。本発明の伝搬路推定装置は、トレーニングシンボルを用いて伝搬路を推定する初期伝搬路推定手段と、推定された伝搬路推定値を適用し、データシンボルの硬判定値を得、その硬判定値に基づいて、伝搬路の推定をデータシンボル期間においても継続する追従手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、伝搬路推定装置及び受信装置に関し、例えば、既知の情報であるトレーニングシンボルに続いて未知の情報であるデータシンボルを通信するマルチキャリア通信システムに適用し得るものである。
非特許文献1で説明されているように、IEEE802.11n標準規格では、トレーニングシンボル(プリアンブル信号)で伝搬路を推定し、トレーニングシンボルに続くデータシンボルでは、トレーニングシンボルで推定された伝搬路推定値を用いて復調を行うように規定されている。
守倉正博、久保田周治監修、「改訂版802.11高速無線LAN教科書」、株式会社インプレス2005年1月発行、9.6章pp.212−214、
しかしながら、従来の伝搬路推定方法では、例えば、通信に供している移動機の移動速度が速い場合や、伝搬路の構成要素となっている反射物体(例えば人間など)が移動する場合など、通信中の伝搬路の変動によって振幅及び位相が大きく変動し、トレーニングシンボルを用いた伝搬路推定の精度が低くなって、良好な通信(データ復調)が行えないという問題が生じる。
また、送信機におけるローカル周波数と受信機におけるローカル周波数とに誤差がある場合は、伝搬路において位相変動が生じた場合と同様であり、従来のトレーニングシンボルを用いた伝搬路推定の精度が低くなって、良好な通信(復調)が行えないという問題が生じる。
そのため、伝搬路推定精度を高くし、復調精度を向上させることができる伝搬路推定装置、伝搬路推定方法及び受信装置が望まれている。
第1の本発明は、既知の情報であるトレーニングシンボルに続いて未知の情報であるデータシンボルを有する信号を受信する受信装置に設けられた伝搬路推定装置において、トレーニングシンボルを用いて伝搬路を推定する初期伝搬路推定手段と、推定された伝搬路推定値を適用し、データシンボルの硬判定値を得、その硬判定値に基づいて、伝搬路の推定をデータシンボル期間においても継続する追従手段とを備えたことを特徴とする。
第2の本発明の受信装置は、第1の本発明の伝搬路推定装置を有することを特徴とする。
本発明によれば、未知の情報を伝送しているデータシンボル期間においても、伝搬路を推定することにより、送信機又は受信機が該当する移動機の移動速度が速い場合や、人などの反射物体が移動した場合や、送信機及び受信機間の周波数誤差が大きい場合などでも、より正確な伝搬路推定値が得られ、良好な通信を提供することが可能となる。
(A)主たる実施形態
以下、本発明による伝搬路推定装置及び受信装置の一実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
(A−1)伝搬路推定装置の全体構成及び動作
図1は、実施形態の伝搬路推定装置1の構成を示すブロック図である。なお、実施形態の受信装置は、実施形態の伝搬路推定装置を利用したものである。
図1において、伝搬路推定装置1は、ビット硬判定部2、伝搬路仮判定部3、周波数領域繰り返し処理部4、時間領域処理部5及び伝搬路平滑化部6を有する。図1では、省略しているが、トレーニングシンボルかデータシンボルかに応じて、各部2〜6の動作を適宜切り替えさせる制御手段も設けられている。
伝搬路推定装置1には、FFT(高速フーリエ変換)により周波数領域に変換された受信信号が入力される。
ビット硬判定部2は、入力された受信信号が既知のトレーニングシンボルであった場合には、なんらの処理も行われず、入力された受信信号がデータシンボルの場合、先に推定され、伝搬路平滑化部6から与えられた伝搬路推定値を用いて、未知の送信ビットを判定(硬判定)するものである。
このビット硬判定部2によって判定されたデータシンボルは、伝搬路仮判定部3、周波数領域繰り返し処理部4、時間領域処理部5及び伝搬路平滑化部6においては、既知のトレーニングシンボルと同様に処理される。そのため、伝搬路仮判定部3、周波数領域繰り返し処理部4、時間領域処理部5及び伝搬路平滑化部6の機能については、入力された受信信号が既知のトレーニングシンボルである場合を例に説明する。
伝搬路仮判定部3は、既知のトレーニングシンボル情報を用いて伝搬路の特性(以下では、伝搬路の特性を適宜、伝搬路と略する)を仮判定するものである。
周波数領域繰り返し処理部4は、仮判定された伝搬路に対して補間関数を用いた繰り返し処理を施し、特定のサブキャリア情報を補間するものである。
時間領域処理部5は、補間された伝搬路推定値を、IFFT(逆高速フーリエ変換)処理により時間領域に変換した後、窓関数をかけることにより、雑音や干渉等の不必要な情報を除去するものである。
伝搬路平滑化部6は、時間領域処理部5の出力をFFT処理により周波数領域に変換した後、過去の伝搬路推定値と平滑化し、出力する伝搬路推定値を形成するものである。
受信信号(FFTにより周波数領域に変換された受信信号)が既知のトレーニングシンボルである場合には、ビット硬判定部2は機能せず、伝搬路仮判定部3によって、既知のトレーニングシンボル情報から伝搬路が仮判定される。仮判定された伝搬路は、周波数領域繰り返し処理部4によって、補間関数を用いた繰り返し処理が施され、特定のサブキャリア情報が補間される。補間された伝搬路推定値は、時間領域処理部5によって、IFFT処理により時間領域に変換された後、窓関数がかけられることにより、雑音や干渉等の不必要な情報が除去される。時間領域処理部5の出力は、伝搬路平滑化部6によって、FFT処理により周波数領域に変換された後、過去の伝搬路推定値と平滑化された後、出力される。
一方、受信信号がデータシンボルの場合、ビット硬判定部2において、伝搬路平滑化部6から与えられた、先に推定された伝搬路推定値が適用されて、未知の送信ビットが硬判定される。これにより、未知の送信ビット(データシンボル)は、伝搬路推定動作上、既知のシンボルとして取り扱うことができ、伝搬路仮判定部3、周波数領域繰り返し処理部4、時間領域処理部5及び伝搬路平滑化部6によって、トレーニングシンボルの場合と同様な処理が施され、伝搬路が推定される。
以上のように、未知の情報を伝送しているデータシンボル期間においても、伝搬路を推定することにより、移動機の移動速度が速い場合や、人などの反射物体が移動した場合や、送信機及び受信機間の周波数誤差が大きい場合などでも、より正確な伝搬路推定値が得られ、良好な通信(データ復調)を提供することが可能となる。
以下では、IEEE802.11n標準規格におけるMIMO(Multi Input Multi Output)通信に適用した場合について、各部2〜6の詳細を説明する。
(A−2−1)ビット硬判定部2
あるサブキャリアf、時刻tの送信信号ベクトル(縦ベクトルとする;以下、同様)をx(f,t)、伝搬路行列をH(f,t)、雑音ベクトルをn(f,t)とすると、受信信号ベクトルy(f,t)は(1)式のように表現できる。
y(f,t)=H(f,t)x(f,t)+n(f,t) …(1)
ビット硬判定部2では、ZF(Zero−Forcing)、MMSE(Minimum Mean−Square Error)、MLD(Maximum Likelihood Detection)等の技術を用いて、送信信号ベクトルx(f,t)を推定し、硬判定する。ここで、送信信号ベクトルx(f,t)は、1シンボル前に、伝搬路平滑化部6によって推定された伝搬路行列(伝搬路推定値)^H(f,t−1)を用いて推定する(なお、^は推定値を表すものとする)。
(A−2−2)伝搬路仮判定部3
ビット硬判定部2で推定された送信信号ベクトル(データシンボル期間の場合)、若しくは、トレーニングシンボルで伝送されている既知の情報(トレーニングシンボル期間の場合)をx’(f,t)と定義する。
伝搬路仮判定部3は、データシンボル期間では、送信アンテナ数分の受信信号ベクトルy(f,t)を列方向に連結した受信信号行列Y(f,t)と、推定された送信信号ベクトルx’(f,t)を列方向に連結した送信信号行列X’(f,t)(若しくはその逆行列X’−1(f,t))とを生成し、サブキャリアf、時刻tの伝搬路仮判定値行列H’(f,t)を(2)式により求める。
H’(f,t)=Y(f,t)X’−1(f,t) …(2)
なお、伝搬路仮判定部3は、トレーニングシンボル期間では、受信アンテナ毎の受信信号を既知情報で割ることにより、複数の送信アンテナからの伝搬路が合成された伝搬路推定値(伝搬路仮判定値H’(f,t))を求める。
(A−2−3)周波数領域繰り返し処理部4
IEEE802.11nでは、複数の送信アンテナを用いた伝送をする場合、送信アンテナ毎に同一のトレーニングシンボルを時間シフトして多重伝送するサイクリックシフトダイバーシティ(Cyclic Shift Diversity;CSD)が採用されている。そのため、受信機では、時間シフトして送信されたトレーニングシンボルから送信アンテナ毎の伝搬路を推定することになる。送信アンテナ毎の伝搬路を推定するには、上述したようにして伝搬路仮判定部3により複数の伝搬路が合成された伝搬路推定値を求めた後、その伝搬路推定値をIFFTで時間領域の合成遅延プロファイルに変換し、送信アンテナ毎に必要な時間領域を窓関数により取り出すことで、遅延プロファイルを分離することを要する。
しかしながら、IEEE802.11nでは、ガードバンド(GB)及び直流成分(DC)に相当するサブキャリア(非有効サブキャリア)は情報を伝送しない仕組みになっている。トレーニングシンボルのFFTサイズと有効サブキャリア数が異なる場合、求められる合成遅延プロファイルは、非有効サブキャリアの伝搬路推定値が0であることに起因したインパルスが時間領域に広がる波形歪みを持つ。このとき、時間窓による遅延プロファイルの切り出しをすると、窓外に広がった情報を切り捨ててしまうために推定精度が劣化する。
そこで、この実施形態では、周波数領域において、情報が伝送されていないサブキャリアの伝搬路を補間することにより、インパルスが時間領域に広がる波形歪を補償することとした。
周波数領域の伝搬路推定値H’(f,t)が存在し、いくつかのサブキャリアの推定情報が欠落しているとする。この欠落した伝搬路推定値を、補間関数F(n)を用いた繰り返し処理により補間する。
伝搬路推定値が欠落しているサブキャリアの数をNlackとする。伝搬路推定値が欠落しているサブキャリアインデックスをm(k=1,2,…,Nlack)とし、伝搬路仮判定部3の出力をH’(f,t)、補間関数F(n)の長さをNとすると、ある欠落した伝搬路推定値H’(m,t)は、(3)式のように更新される。
Figure 2009049882
(3)式によるH’(m,t)の更新をk=1からNlackまで実行することにより、全ての欠落している伝搬路推定値を補間する。また、このH’(m,t)に関するk=1からNlackまでの更新処理を1回の反復(以下、イタレーション(iteration)と呼ぶ)とし、このイタレーションを繰り返し実行することで補間精度を向上させる。
図2は、Niterate回の反復をも含めた周波数領域繰り返し処理部4の処理を示すフローチャートである。パラメータkは、1回のイタレーション内での何番目の欠落した伝送路推定値に対する処理かを表しており、パラメータjは、何回目のイタレーションかを表している。
パラメータjを初期値1にして、1回目のイタレーションを開始する(ステップ100)。1回目のイタレーション処理では、パラメータkを初期値1にし(ステップ101)、(3)式に示す補間を実行した後(ステップ102)、パラメータkがNlackを越えていないことを確認して(ステップ103)パラメータkを1インクリメントして(ステップ104)、ステップ102に戻る。パラメータkがNlackを越えると、言い換えると、1回目のイタレーションが終了すると、パラメータjがNiterateを越えていないことを確認して(ステップ105)パラメータjを1インクリメントして(ステップ106)、ステップ101に戻る。これにより、2回目のイタレーションを開始する。
2回目〜Niterate回目のイタレーションも上記と同様に実行され、Niterate回目のイタレーション処理が終了すると、一連の処理を終了する。以上のような処理により、不完全であった伝搬路推定値から補間済みの伝搬路推定値H’’(f,t)が形成される。
ここで、伝搬路推定値を補間する補間関数F(n)として、例えば、時間領域の何らかの窓関数W(t)をDFT(離散フーリエ変換)したものを用いる。従って、補間関数F(n)の導出式は、(4)式に示すようになる。(4)式におけるAは任意な値を示しており、NFFTはFFT長を表している。以下では、矩形窓で説明するが、その他の窓関数を適用しても同様な効果が期待できる。時間領域の窓関数W(t)は、(5)式に示すように、遅延パスが存在し得るサンプル時間に1の値を持ち、それ以外の時間では0の値を持つ関数とする。なお、(5)式において、Dは遅延パスが存在し得るサンプル時間の集合を表している。
Figure 2009049882
データシンボル期間では、伝搬路推定値が欠落しているサブキャリアインデックスに、判定誤りと判断した伝搬路推定値を含めて、繰返し処理による伝搬路推定を行うことになる。判定誤りは、例えば、1つ前の伝搬路推定値と現在の伝搬路推定値との二乗誤差を閾値判定することにより判断できる。すなわち、サブキャリアの伝搬路推定値を判定誤りと判断したときには、上述したように、欠落したサブキャリアと同様に、そのサブキャリアの伝搬路推定値の更新を行う。
周波数領域繰返し処理には、伝搬路推定値が欠落しているサブキャリアインデックスの伝搬路推定値(判定誤りと判断した伝搬路推定値を含む)の初期値が必要になる。繰り返し処理を行う際の、補間すべきサブキャリアの初期値として、以下の(a)〜(d)のいずれかの初期値を設定する。
(a)0またはそれ以外の固定値
(b)1つ前の時間の伝搬路推定値
(c)左右のサブキャリアの伝搬路推定値の平均
(d)その他、時間方向・周波数方向で平均化(単純平均、重み付け平均など)を施した伝搬路推定値
周波数領域繰り返し処理部4の構成として、(3)式の途中結果をメモリに保持しておく構成を採用することにより、繰り返し処理の2回目の反復以降の演算量を削減することができる。以下、図3及び図4を参照しながら、このことを説明する。
例として、FFTサイズ=補間関数長=32であり、欠落した推定値の数Nlackが4である場合を考える。ある欠落した推定値H(A)を補間する場合、補間式が上述した(3)式に示すように積和演算であるので、イタレーションの1回目は、図3に示すように、32タップのFIRフィルタリングと等価な処理となる。ここで、既知の推定値は更新されないため、既知の推定値が入力されるタップの出力は、次回以降のイタレーションでも同一である。そこで、既知の推定値が入力されるタップの出力の総和をメモリM1、M2に保持しておくことにより、図4に示すように、イタレーション2回目以降の推定値H(A)の更新処理では、4タップのFIRフィルタリングと等価な処理を行った後、メモリM1、M2の格納内容と合成すれば良いこととなる。以上のように、イタレーション2回目以降の補間関数F(n)を適用する演算量は、1回目のイタレーションのNlack/フィルタ長NFに削減することができる。
さらに、周波数領域繰り返し処理部4において、補間関数F(n)の特徴を生かした演算量削減も可能である。
補間関数F(n)は、その関数の長さNが、時間領域の矩形フィルタの長さNrectの倍数である場合には、周波数領域で0の値を持つタップを有する。値が0のタップは計算する必要がないので、関数長N、矩形フィルタ長Nrectの設定を工夫すれば、演算量を削減することができる。
例えば、N=NFFT=64、Nrect=32の場合、上述した(4)式に従う補間関数F(n)は、図5に示すようになり(但し、図5では、(4)式とは異なり、nを、0を中心として正負の範囲で変化するように表している)、0のタップが31個存在する。この補間関数F(n)を適用し、0のタップの演算を省略するようにした場合、演算量を、本来の演算量の33/64(約1/2)に削減することができる。また、この例の場合、0以外の実数要素Iは、F(0)以外で常に同一の値を持ち、虚数要素Qは、F(0)を中心に対称になっていることを利用し、演算量のさらなる削減も可能である。
補間関数F(n)としては種々のものを適用でき、例えば、(6)式に示すようなsinc関数を適用することもできる。なお、窓関数の形状によっては、(4)式で表される補間関数がsinc関数になることもある。(6)式におけるA、Bは任意の値である。
Figure 2009049882
(A−2−4)時間領域処理部5
時間領域処理部5は、送信アンテナ毎の伝搬路を分離し、雑音及び干渉成分を除去するために、時間領域で処理を行う。(7)式は、時間領域処理部5で行う処理を示したものである。
Figure 2009049882
時間領域処理部5は、周波数領域繰り返し処理部4で得られた伝搬路推定値H’’(f,t)をIFFTにより時間領域に変換し、時間領域において窓関数W(k)をかけることにより送信アンテナ毎の伝搬路の分離と雑音及び干渉成分の除去を同時に行う。ここでは、窓関数W(k)として、周波数領域繰り返し処理部4で用いた矩形窓を用いることにするが、1の値と0の値を持つサンプルが異なっていても良いし、ハミング窓、カイザー窓、ブラックマン窓などの他の窓関数を用いても良い。CSDを用いて多重されている伝搬路を分離する場合、CSDでシフトされたサンプルだけ時間シフトした前記窓関数W(k),shiftを用いる必要がある。その後、CSDの時間シフト(shift)を補償し((6)式におけるROT{}はかかる処理を表している)、FFTにより再度周波数領域に変換することにより、H’’’(f,t)を得る。
しかしながら、周波数領域繰り返し処理部4において、伝搬路推定値が欠落しているサブキャリアを十分に復元できない環境(低SINR(信号対干渉雑音電力比)環境など)においては、時間領域処理により特性を劣化させる可能性がある。このことから、時間領域処理部5は、時間領域の処理を行わず、周波数領域繰り返し処理部4で得られた伝搬路推定値H’’(f,t)をそのまま、当該時間領域処理部5からの出力H’’’(f,t)とする時間領域処理OFFの機能をも有する。例えば、時間領域処理部5は、図示しないSINR測定部の測定結果が低い場合に、時間領域処理をOFFしたり、利用者の該当する操作子に対する操作に応じて時間領域処理をOFFしたりする。
(A−2−5)伝搬路平滑化部6
伝搬路平滑化部6は、時間領域処理部5により得られた伝搬路推定値H’’’(f,t)と、1シンボル前の伝搬路推定値^H(f,t−1)とを用いて、(8)式により時間方向に平滑化された伝搬路推定値^H(f,t)を得る。(8)式において、αは忘却係数である。
Figure 2009049882
(8)式では、忘却平均により時間方向に平滑化された伝搬路推定値を得たが、区間平均や移動平均などによる平滑化手段を用いたとしても、(8)式を適用した場合と同様の効果が期待できる。
(A−3)実施形態の効果
上記実施形態によれば、データシンボル期間においても、トレーニングシンボル期間から連続して伝搬路を推定するようにしたので、移動機の移動速度が速い場合や、人などの反射物体が移動した場合や、送信機及び受信機間の周波数誤差が大きい場合などでも、データシンボル期間で正確な伝搬路推定値が得られ、良好な通信(データ復調)を提供することが可能となる。
以下、IEEE802.11nに適用した場合の効果(シミュレーションの結果)を説明する。図6に、効果を確認した具体例システムのパラメータを示す。送信アンテナを2本(Tx1、Tx2)とし、一方の送信アンテナTx1に対して他方の送信アンテナTx2からは、送信信号を400ns(8サンプル)だけシフトしたシンボルが送信されている。
図7は、上述した具体例システムにおける特性を示している。横軸は、追従回数(伝搬路推定に用いたデータOFDMシンボル数/2)を示している。なお、図7は、トレーニングシンボル期間での状態を省略している。縦軸は、伝搬路推定値の二乗平均誤差(MSE)を示している。
図7におけるholdが従来技術を適用した場合であり、トレーニングシンボル期間終了時の伝搬路推定値をホールドしてデータシンボル期間に適用した場合には、MSEは徐々に大きくなっている。一方、実施形態では、特性劣化を抑圧できている。
また、図7からは、忘却係数αが小さいほどMSEが時間経過(追従回数)と共に良好になっていることが分かり、また、イタレーションが多いほど、早期にMSEが良好になることが分かる。特に、忘却係数αが0.2の場合、追従回数1000の位置においては(追従回数1000の位置ではイタレーションの回数の相違は関係なくなっている)、従来技術に比較して、MSEを97%以上も改善できていることが分かる。
(B)他の実施形態
上記実施形態の説明においても、種々変形実施形態に言及したが、さらに、以下に例示する様な変形実施形態を挙げることができる。
上記実施形態の説明では言及しなかったが、ビット硬判定部2、伝搬路仮判定部3、周波数領域繰り返し処理部4、時間領域処理部5及び伝搬路平滑化部6の全て又は一部を、専用のICチップで構成しても良く、また、ディスクリート部品などでハードウェア的に構成しても良く、さらには、DSPで実現するようにしても良い。また、CPUと、CPUが実行するプログラムとして、ビット硬判定部2、伝搬路仮判定部3、周波数領域繰り返し処理部4、時間領域処理部5及び伝搬路平滑化部6の全て又は一部を実現するようにしても良い。
図1では、伝搬路推定装置1の伝搬路推定値を後段回路(データ復調部など)に与えるように記載しているが、伝搬路推定装置1におけるビット硬判定部2を、データ復調部としてそのまま利用するようにしても良い。
また、上記実施形態では、トレーニングシンボルの処理系と、データシンボルの処理系とが一部共通しているものを示したが、トレーニングシンボルの処理系と、データシンボルの処理系とを分けて構成するようにしても良い。
上記実施形態の説明では、IEEE802.11nにおけるMIMO通信に本発明を提要した場合を説明したが、他の無線通信システムに対しても、本発明を適用することができる。すなわち、MIMO通信以外でも本発明を適用でき、しかも、マルチキャリアシステムに限定されない。また、データ変調方式なども限定されるものではない。例えば、WLAN、WPAN、WiMAX、MBWA、3GPP、3GPP2、及びデジタルテレビ放送で標準化されている通信方式であるOFDM、OFDMA、SC−FDMA、SC−CDMA、MC−CDMAなどに対しても本発明を適用可能である。
実施形態に係る伝搬路推定装置の全体構成を示すブロック図である。 実施形態の周波数領域繰り返し処理部における処理を示すフローチャートである。 実施形態の周波数領域繰り返し処理部における演算量の削減方法の説明図(1−1)である。 実施形態の周波数領域繰り返し処理部における演算量の削減方法の説明図(1−2)である。 実施形態の周波数領域繰り返し処理部における演算量の削減方法の説明図(2)である。 実施形態の具体例システムにおける効果を説明するために適用したシステムのパラメータの説明図である。 図6での具体例システムにおける効果を示すグラフである。
符号の説明
1…伝搬路推定装置、2…ビット硬判定部、3…伝搬路仮判定部、4…周波数領域繰り返し処理部、5…時間領域処理部、6…伝搬路平滑化部。

Claims (11)

  1. 既知の情報であるトレーニングシンボルに続いて未知の情報であるデータシンボルを有する信号を受信する受信装置に設けられた伝搬路推定装置において、
    トレーニングシンボルを用いて伝搬路を推定する初期伝搬路推定手段と、
    推定された伝搬路推定値を適用し、データシンボルの硬判定値を得、その硬判定値に基づいて、伝搬路の推定をデータシンボル期間においても継続する追従手段と
    を備えたことを特徴とする伝搬路推定装置。
  2. 当該伝搬路推定装置は、複数のサブキャリアに情報が分配された信号が入力されるものであり、
    上記初期伝搬路推定手段が、
    入力されたトレーニングシンボルから、伝搬路の仮判定値を得る第1の伝搬路仮判定部と、
    上記第1の伝搬路仮判定部から、伝搬路の仮判定値が入力され、伝搬路の仮判定値を初期値とし、周波数領域で、特定のサブキャリアに対して、予め定められた補間関数により繰り返し補間処理を行う周波数領域繰り返し処理部と、
    上記周波数領域繰り返し処理部から出力された、周波数領域で補間された伝搬路推定値に対し、時間領域で予め定めた窓関数をかける、処理のON/OFFを切り替えられる時間領域処理部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の伝搬路推定装置。
  3. 上記周波数領域繰り返し処理部が適用する周波数領域の補間関数がsinc関数であることを特徴とする請求項2に記載の伝搬路推定装置。
  4. 上記周波数領域繰り返し処理部が適用する周波数領域の補間関数が、時間領域で予め定められた窓関数を離散フーリエ変換したものであることを特徴とする請求項2に記載の伝搬路推定装置。
  5. 予め定められた時間領域の上記窓関数が、遅延パスが存在し得るサンプル時間に1の値を持ち、それ以外の時間に0の値を持つ関数であることを特徴とする請求項4に記載の伝搬路推定装置。
  6. 上記周波数領域繰り返し処理部は、0若しくは0に近い値を持つ補間関数の係数についての補間演算を省略することを特徴とする請求項5に記載の伝搬路推定装置。
  7. 上記周波数領域繰り返し処理部は、補間対象であるサブキャリア以外の演算結果を保持し、その後の繰り返し演算において、同様な演算を省略し、保持していた演算結果を適用することを特徴とする請求項2に記載の伝搬路推定装置。
  8. 上記追従手段は、
    伝搬路の推定値を用いて、データシンボルを推定し硬判定するビット硬判定部と、
    伝搬路変動を追従する伝搬路追従部とを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の伝搬路推定装置。
  9. 上記伝搬路追従部は、
    上記ビット硬判定部の出力を用いて伝搬路を仮推定する第2の伝搬路仮推定部と、
    上記周波数領域繰り返し処理部及び上記時間領域処理部と同様の構成を有する伝搬路補間部と、
    上記伝搬路補間部の出力を平滑化する伝搬路平滑化部とを有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の伝搬路推定装置。
  10. 上記伝搬路補間部は、上記ビット硬判定部でのデータシンボルの硬判定結果に誤りがあるか否かの確認も行うことを特徴とする請求項9に記載の伝搬路推定装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の伝搬路推定装置を有することを特徴とする受信装置。
JP2007215835A 2007-08-22 2007-08-22 伝搬路推定装置及び受信装置 Expired - Fee Related JP5249541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007215835A JP5249541B2 (ja) 2007-08-22 2007-08-22 伝搬路推定装置及び受信装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007215835A JP5249541B2 (ja) 2007-08-22 2007-08-22 伝搬路推定装置及び受信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009049882A true JP2009049882A (ja) 2009-03-05
JP5249541B2 JP5249541B2 (ja) 2013-07-31

Family

ID=40501630

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007215835A Expired - Fee Related JP5249541B2 (ja) 2007-08-22 2007-08-22 伝搬路推定装置及び受信装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5249541B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014233040A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 日本電信電話株式会社 無線通信装置、チャネル推定方法及び無線通信システム
JP2016149606A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 日本電信電話株式会社 無線通信システム、端末局装置及び無線通信方法

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11355849A (ja) * 1998-06-05 1999-12-24 Fujitsu Ltd パイロット及び仮判定データシンボルを用いた同期検波方法並びに移動体通信用受信装置及び干渉除去装置
JP2000049662A (ja) * 1998-08-03 2000-02-18 Nec Corp Cdma受信装置における復調回路
JP2001352311A (ja) * 2000-06-07 2001-12-21 Mitsubishi Electric Corp 検波方法およびマルチキャリア受信装置
JP2003218827A (ja) * 2002-01-23 2003-07-31 Mitsubishi Electric Corp 受信装置および伝送路推定方法
JP2004266814A (ja) * 2003-02-10 2004-09-24 Mitsubishi Electric Corp 通信装置
JP2004348929A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Sony Corp 信号処理装置及び信号処理方法
JP2005538659A (ja) * 2002-09-04 2005-12-15 クゥアルコム・インコーポレイテッド 通信システムにおけるチャネル推定
WO2006098147A1 (ja) * 2005-03-16 2006-09-21 Fujitsu Limited 多入力システムにおける無線通信装置及びチャンネル推定及び分離方法
JP2007151046A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Mitsubishi Electric Corp 通信装置

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11355849A (ja) * 1998-06-05 1999-12-24 Fujitsu Ltd パイロット及び仮判定データシンボルを用いた同期検波方法並びに移動体通信用受信装置及び干渉除去装置
JP2000049662A (ja) * 1998-08-03 2000-02-18 Nec Corp Cdma受信装置における復調回路
JP2001352311A (ja) * 2000-06-07 2001-12-21 Mitsubishi Electric Corp 検波方法およびマルチキャリア受信装置
JP2003218827A (ja) * 2002-01-23 2003-07-31 Mitsubishi Electric Corp 受信装置および伝送路推定方法
JP2005538659A (ja) * 2002-09-04 2005-12-15 クゥアルコム・インコーポレイテッド 通信システムにおけるチャネル推定
JP2004266814A (ja) * 2003-02-10 2004-09-24 Mitsubishi Electric Corp 通信装置
JP2004348929A (ja) * 2003-05-26 2004-12-09 Sony Corp 信号処理装置及び信号処理方法
WO2006098147A1 (ja) * 2005-03-16 2006-09-21 Fujitsu Limited 多入力システムにおける無線通信装置及びチャンネル推定及び分離方法
JP2007151046A (ja) * 2005-11-30 2007-06-14 Mitsubishi Electric Corp 通信装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014233040A (ja) * 2013-05-30 2014-12-11 日本電信電話株式会社 無線通信装置、チャネル推定方法及び無線通信システム
JP2016149606A (ja) * 2015-02-10 2016-08-18 日本電信電話株式会社 無線通信システム、端末局装置及び無線通信方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5249541B2 (ja) 2013-07-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8130852B2 (en) Method for estimating channel in radio communication system and device therefor
US9571305B2 (en) Channel estimation by time-domain parameter extraction
JP4272665B2 (ja) Ofdm伝送システムのチャネルを推定する装置、方法、及びコンピュータプログラム
US7577194B2 (en) Equalizer and equalization method
JP2007089167A (ja) 直交周波数分割多重システムにおけるチャネル推定方法及びチャネル推定器
CN107666451B (zh) 用于lte系统的信道估计方法
WO2010114167A1 (en) Channel estimation for a control channel in an ofdm system
Masmoudi et al. A maximum-likelihood channel estimator in MIMO full-duplex systems
EP1901505A2 (en) Wireless communication apparatus
KR101433112B1 (ko) 단일 반송파 주파수 분할 다중 접속 시스템을 위한 수신장치 및 방법
EP1819116A1 (en) Channel estimator and method for channel estimation
CN113055317A (zh) 一种水声ofdm系统正交匹配追踪信道估计方法
WO2020000613A1 (zh) 信噪比确定方法及装置、信道均衡方法及装置
KR20170096557A (ko) 데이터 보조 반복적 채널 측정 방법 및 장치
JP5249541B2 (ja) 伝搬路推定装置及び受信装置
US20060017613A1 (en) High doppler channel estimation for OFD multiple antenna systems
Huang et al. Improving channel estimation for rapidly time-varying correlated underwater acoustic channels by tracking the signal subspace
US8897354B2 (en) Receiver apparatus, method for processing received signal and computer program product
JP2006245810A (ja) 分数間隔等化器及びそれを用いた受信機
CN107968760B (zh) 滤波多音调制系统中一种基于迭代信道估计的接收算法
JP4223007B2 (ja) チャネルのインパルス応答を処理する装置および方法
KR20130049978A (ko) 채널 추정 장치 및 방법
EP2840745A1 (en) Method and apparatus for channel estimation using an adaptive windowing approach
KR101853184B1 (ko) 하나 이상의 수신된 무선 신호를 처리하는 장치 및 방법
CN109302360B (zh) 信道估计方法及装置、计算机可读存储介质、终端

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130123

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130131

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130409

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130412

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5249541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160419

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees