JP2009047881A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光による角度依存性を少なくしながらも比較的小型化することのできるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】第1ダイクロイック層52aにより反射されたR光は、入射角θの値が45°未満であることにより、直接には液晶パネル40aに入射せず、入射面51側に進行し、全反射領域51aにおいて全反射される。全反射領域51aにおいて全反射されたR光は、第1の光射出端面53aに導かれ、光射出端面53aから射出されて、第1の変光変調装置である液晶パネル40aを照明する。これにより、ダイクロイックプリズム50内で光路を重畳させることができる。また、入射角θを小さくすることで、色分離部52での反射・透過特性を良好にする。
【選択図】図2
【解決手段】第1ダイクロイック層52aにより反射されたR光は、入射角θの値が45°未満であることにより、直接には液晶パネル40aに入射せず、入射面51側に進行し、全反射領域51aにおいて全反射される。全反射領域51aにおいて全反射されたR光は、第1の光射出端面53aに導かれ、光射出端面53aから射出されて、第1の変光変調装置である液晶パネル40aを照明する。これにより、ダイクロイックプリズム50内で光路を重畳させることができる。また、入射角θを小さくすることで、色分離部52での反射・透過特性を良好にする。
【選択図】図2
Description
本発明は、反射型の光変調装置と光分離・合成を行うプリズムとを備えるプロジェクタに関する。
例えば、ダイクロイック層を有するプロジェクタとして、投射画像の色むらを低減させるために、ダイクロイックミラーへの入射角度を小さくするものが知られている(特許文献1、2等参照)。さらに、反射型のプロジェクタについて、色光を分離・合成するダイクロイックプリズムでの偏光状態の違いによる角度依存性に起因する光損失を低減させるために、ダイクロイック層であるダイクロイックプリズム内の反射膜への入射角度を小さくするものも知られている(特許文献3参照)。なお、ダイクロイックミラーへの入射角度が45°以外のものとして、入射角度が45°より大きくなるものも知られている(例えば、特許文献4参照。)
特開平10−104763号公報
特開平11−142992号公報
特開2001−174756号公報
特開2000−171620号公報
しかしながら、ダイクロイックミラーやダイクロイックプリズム内の反射膜への入射角度を小さくする構成とすると、ダイクロイックミラー等の配置によって、プロジェクタ全体が大型化してしまう場合があり得る。特に、反射型のプロジェクタにおいて、ダイクロイックプリズム内の反射膜への入射角度を小さくする場合、入射角度が45°となる正方形形状のプリズムを用いる場合よりも偏光状態の違いによる角度依存性を少なくすることはできる。しかしながら、当該反射膜での反射光をそのまま液晶パネル等に入射させるものであると、当該反射膜による反射面から光変調を行う液晶パネル等の入射面までの距離が近くなり、光の角度が限定され、投射画像が暗くなってしまうおそれがある。また、当該反射光がダイクロイックプリズムへの入射光側に折り返され、他の光学部品へ干渉するおそれがある。この場合、他の光学部品への干渉を避ける光学部品の配置を行う必要があり、また、光学部品の配置によってプロジェクタのサイズが大きくなる可能性がある。
そこで、本発明は、偏光による角度依存性を少なくしながらも比較的小型化することのできるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、(a)所定の偏光方向に揃えた照明光を射出する照明光学系と、(b)所定の偏光に対して反射及び透過のいずれか一方を行うことによって光路を分岐する偏光分岐部材と、(c1)偏光分岐部材から射出された照明光を入射させる入射面と、(c2)入射面を経た照明光の照明光軸に対して45度未満の傾斜角度をなすとともに当該照明光のうち所定領域波長帯の光を反射によって分離する少なくとも1つのダイクロイック層を有する色分離部と、(c3)ダイクロイック層で反射によって分離された光を射出する第1の光射出端面と、(c4)第1の光射出端面に導かれる光とは異なる光路に導かれた光を射出する第2の光射出端面とを有するとともに、(c5)入射面により、ダイクロイック層により分離された光を全反射して第1の光射出端面に導くダイクロイックプリズムと、(d)第1及び第2の光射出端面から射出された光のそれぞれを画像情報に応じて変調し、変調された光を第1及び第2の光射出端面にそれぞれ入射させる第1及び第2の光変調装置と、(e)ダイクロイックプリズム及び偏光分岐部材を経た像光を投射する投射光学系とを備える。なお、ここで、「照明光軸」とは、照明光の基準となるべき中心軸をいう。また、ここで、「傾斜角度」とは、入射面の照明光に対する傾きを示すものであり、照明光の入射面への入射角度即ち入射面の法線と照明光軸とのなす角度に等しい。
上記プロジェクタでは、ダイクロイックプリズムの色分離部により、照明光を照明光軸に対して45度未満の傾斜角度のダイクロイック層に入射させることができる。これにより、ダイクロイック層による色分離の特性を良好にすることができる。また、例えば偏光状態が異なる光がダイクロイック層に入射する場合において、偏光状態の違いによる角度依存性を小さくすることができる。さらに、上記プロジェクタでは、ダイクロイックプリズムの入射面により、ダイクロイック層により分離された光を全反射して第1の光射出端面に導く。これにより、分離された後の光の光路が折り曲げられて、当該光の入射側に配置されている光学部品への干渉を避けることができる。
また、本発明の具体的な態様として、(a)色分離部が、ダイクロイック層として第1の領域波長帯の光を反射して分離する第1の分離層を有するとともに、第1の領域波長帯とは異なる第2の領域波長帯の光を反射して分離する第2の分離層をさらに有し、(b)第1の分離層と第2の分離層とが、照明光軸に垂直に交わる線を交線として照明光軸について対称に配置され、(c)入射面が、照明光軸に対して垂直に配置され、第2の分離層により分離された光を全反射して第2の光射出端面に導く。この場合、色分離部において、第1の分離層と第2の分離層とにより、異なる領域波長帯の光が分離され、それぞれが第1及び第2の光射出端面から第1及び第2の光変調装置に射出されて変調光が形成される。これにより、第1及び第2の分離層によって分離された色光に対応した複数色の画像形成が可能となる。
また、本発明の具体的な態様として、ダイクロイックプリズムが、色分離部を透過した透過光を第3の光射出端面を介して第3の光変調装置に射出し、第3の光変調装置が、ダイクロイックプリズムから射出された当該透過光を反射に際して変調して変調光を形成し、第3の光射出端面に当該変調光を入射させる。これにより、三色の色光による画像投影が可能となる。
また、本発明の具体的な態様として、ダイクロイック層が、第1の領域波長帯の光を反射して分離するとともに、第1の領域波長帯とは異なる第2の領域波長帯の光を透過光として透過させ、当該透過光を第2の光射出端面を介して第2の光変調装置に射出し、第2の光変調装置が、第2の光射出端面から射出された当該透過光を反射に際して変調して変調光を形成し、第2の光射出端面に当該変調光を入射させる。この場合、ダイクロイック層を反射する色光と透過する色光とによる複数色の画像形成が可能となる。
また、本発明の具体的な態様として、プロジェクタが、ダイクロイックプリズムのダイクロイック層を透過した透過光を射出する光射出端面に光路長調整プリズムをさらに備える。これにより、当該透過光の光路の実際の長さを調整できる。従って、プロジェクタをより小型化することができる。
また、本発明の具体的な態様として、ダイクロイックプリズムが、第1及び第2の光変調装置により形成された変調光を照明光を逆行させる光路によって合成して画像投影のための合成光を形成する。これにより、ダイクロイックプリズムの色分離部によって分離された各色光に対応した複数色の画像を再度ダイクロイックプリズムを用いて合成して、カラー画像による投影を行うことができる。
以下、本発明の一実施形態であるプロジェクタについて図面を参照しつつ説明する。図1は、第1実施形態に係るプロジェクタの構造を説明するための概念図である。本実施形態におけるプロジェクタ100は、光源装置10と、均一化光学系20と、偏光ビームスプリッタ30と、ダイクロイックプリズム50と、反射型の液晶パネル40a、40b、40cと、投射レンズ60とを備える。
上記プロジェクタ100において、光源装置10は、均一化光学系20、ダイクロイックプリズム50等を介して液晶パネル40a、40b、40cを照明するため、略白色の光源光を発生する。光源装置10は、例えば高圧水銀ランプ11、リフレクタ12等で構成される。
均一化光学系20は、光を分割して重畳するためのインテグレータ光学系を構成する第1及び第2フライアイレンズ23a、23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライアイレンズ23a、23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25、26とを備え、これらにより均一化された照明光を形成する。均一化光学系20において、第1及び第2フライアイレンズ23a、23bは、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、第1フライアイレンズ23aを構成する要素レンズによって平行化レンズ12を経た光を分割して個別に集光し、第2フライアイレンズ23bを構成する要素レンズによって第1フライアイレンズ23aからの分割光束を適当な発散角にして射出させる。偏光変換素子24は、PBS、ミラー、位相差板等を一組の要素とするアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23aにより分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光(ここではS偏光)に揃える役割を有する。重畳レンズ25、26は、偏光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各色の光変調装置である液晶パネル40a、40b、40cの被照明領域に対する重畳照明を可能にする。
偏光ビームスプリッタ30は、所定の偏光に対して反射及び透過のいずれか一方を行うことによって光路を分岐する偏光分岐部材であり、例えば入射面32からの入射光のうちS偏光を偏光分離膜31によって反射し入射出面33を介してダイクロイックプリズム50へと入射させる。また、偏光ビームスプリッタ30は、ダイクロイックプリズム50から射出された合成光のうち偏光分離膜31を透過したP偏光を、射出面34を介して投射レンズ60側に射出する。例えば、ダイクロイックプリズム50から射出され入射出面33に逆行して来た合成光がP偏光とS偏光とを含む場合、これらの偏光成分のうち、P偏光のみが偏光ビームスプリッタ30の偏光分離膜31を透過する。
ダイクロイックプリズム50は、2つの四角柱プリズム50a、50bと2つの三角柱プリズム50c、50dとからなる4つの角柱プリズムを貼り合わせて平面視略等脚台形形状をなしている。従って、4つの角柱プリズム50a、50b、50c、50dのうち、貼り合わされない各側面によりダイクロイックプリズム50の外観形状が形成されている。また、当該角柱プリズム50a、50b、50c、50d同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の第1及び第2ダイクロイック層52a、52bが形成されており、これら第1及び第2ダイクロイック層52a、52bにより色分離部52が形成されている。三角柱プリズム50dの側面と、四角柱プリズム50b、50cの側面のうち三角柱プリズム50dの側面を延長した平面上にある側面とは、ダイクロイックプリズム50の入射面51を構成する。また、各四角柱プリズム50a、50bには、それぞれ光射出端面53a、53bが設けられている。また、三角柱プリズム50cの側面には、光射出端面53cが設けられている。以上のような構造により、ダイクロイックプリズム50は、入射面51を介して偏光ビームスプリッタ30からの照明光を入射させると、入射した照明光を色分離部52によって領域波長帯に応じて分離し、色分離部52によって分離されたそれぞれの光を光射出端面53a、53b、53cから射出する。また、ダイクロイックプリズム50は、各液晶パネル40a、40b、40cによって形成された変調光を合成して合成光を形成し、偏光ビームスプリッタ30へ射出する。
以下、照明光の光路を辿ることにより、ダイクロイックプリズム50による各液晶パネル40a、40b、40cの照明について簡単に説明する。偏光ビームスプリッタ30から入射面51に入射したS偏光である照明光の成分のうち、R光は、色分離部52において、第1の分離層である第1ダイクロイック層52aにより反射され、さらに入射面51の全反射領域51aにおいて全反射されて第1の光射出端面である光射出端面53aから射出されて液晶パネル40aを照明する。また、照明光の成分のうち、B光は、第2の分離層である第2ダイクロイック層52bにより反射され、さらに入射面51の全反射領域51bにおいて全反射されて第2の光射出端面である光射出端面53bから射出されて液晶パネル40bを照明する。一方、照明光の成分のうち、G光は、第1ダイクロイック層52a及び第2ダイクロイック層52bのいずれも透過して、第3の光射出端面である光射出端面53cから射出されて液晶パネル40cを照明する。
液晶パネル40a、40b、40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置であり、入射光の偏光方向を入力信号に応じて画素単位で変化させる反射型の液晶パネルである。液晶パネル40a、40b、40cは、入射した照明光の偏光方向の空間的強度分布を変調する。つまり、各液晶パネル40a、40b、40cにそれぞれ入射したR光、B光及びG光の3色の光は、各液晶パネル40a、40b、40cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号(画像情報)に応じて、画素単位で偏光状態を調節される。この際、液晶パネル40a、40b、40cは、例えば内蔵する垂直配向型の液晶で構成される液晶層を挟む一対の基板により、液晶層に対して電圧を印加して、照明光の偏光方向の変調を行なう。なお、変調光の偏光成分は、P偏光とS偏光とを含む状態となるが、ここでは、画像形成に必要となる成分の偏光状態がP偏光となった状態で射出される設計となっているものとする。
変調された各色の変調光は、それぞれ各液晶パネル40a、40b、40cからダイクロイックプリズム50の光射出端面53a、53b、53cに入射し、ダイクロイックプリズム50において、上述と同一の光路を逆に辿ることによって合成され、合成光として偏光ビームスプリッタ30に射出される。この際、ダイクロイックプリズム50から射出された合成光の偏光成分のうち、P偏光となっている画像形成に必要となる成分のみが偏光ビームスプリッタ30を透過する。
投射レンズ60は、投射光学系であり、ダイクロイックプリズム50及び偏光ビームスプリッタ30を経て形成された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
なお、以上の液晶パネル40a、40b、40cは、均一化光学系20や投射レンズ60から見て互いに共役な位置に配置されている。
以下、図2を用いて本実施形態に係るダイクロイックプリズム50における照明光の分離による各色光の形成についてより詳しく説明する。上述のように、ダイクロイックプリズム50において、入射面51は、全反射領域51a、51bを有し、色分離部52は、第1及び第2ダイクロイック層52a、52bを有する。また、ダイクロイックプリズム50は、光射出端面53a、53b、53cを有する。ここで、第1及び第2ダイクロイック層52a、52bの配置について説明すると、第1ダイクロイック層52aと、第2ダイクロイック層52bとは、入射面51から入射する照明光ELの進行方向等の基準となる中心軸である照明光軸AXと垂直に交わる交線OAでクロスし、照明光軸AXについて対称に配置されている。また、照明光軸AXと第1ダイクロイック層52aの法線とのなす角即ち入射面51から入射した照明光ELの第1ダイクロイック層52aへの入射角θの角度は、45°未満である。ここでは、一例として、θの値が約30°となっているものとする。また、この場合、第1ダイクロイック層52aと第2ダイクロイック層52bとの対称性により、入射面51から入射した照明光ELの第2ダイクロイック層52bへの入射角の値もθの値に等しくなる。
偏光ビームスプリッタ30から射出されたS偏光である照明光ELは、照明光軸AXに沿って、ダイクロイックプリズム50の入射面51に垂直に入射する。第1の分離層である第1ダイクロイック層52aは、照明光ELの成分であるR光、G光及びB光の3色のうちR光(図中二重矢印)を反射して分離するとともに、G光及びB光を透過させる。一方、第2の分離層である第2ダイクロイック層52bは、照明光ELの成分のうちB光(図中三重矢印)を反射して分離するとともに、G光及びR光を透過させる。以上のように、色分離部52は、第1ダイクロイック層52aによりR光を反射して分離し、第2ダイクロイック層52bによりB光を反射して分離する。一方、色分離部52において、照明光ELの成分のうちG光(図中通常の矢印)については、第1ダイクロイック層52a及び第2ダイクロイック層52bのいずれについても透過させる。この結果、照明光ELは、色分離部52により、R光、G光及びB光の3色に分離される。
ここで、照明光ELは、S偏光である。従って、第1及び第2ダイクロイック層52a、52bでの各色光の反射・透過特性は良好なものとなっている。さらに、入射角θの値が比較的小さいことにより、各ダイクロイック層52a、52bによる色分離の特性についても良好なものとなっている。
第1ダイクロイック層52aにより反射されたR光は、入射角θの値が45°未満(約30°)に設定されていることにより、直接には液晶パネル40aに入射せず、入射面51側に進行する。この場合、R光の入射面51への入射角αの値は、入射角θの2倍の値となる。つまり、図2の場合、入射角の値は、約60°になる。このように、R光の入射面51への入射角は比較的大きな値となるため、角柱プリズム50a、50b、50c、50dの屈折率を適宜調整すれば、R光を入射面51の全反射領域51aにおいて全反射させることができる。全反射領域51aにおいて全反射されたR光は、第1の光射出端面53aに導かれ、光射出端面53aから射出されて、第1の変光変調装置である液晶パネル40aを照明する。このように、R光を全反射領域51aにおいて全反射させることで、R光の光路を折り曲げることができ、照明光ELの入射側に配置されている偏光ビームスプリッタ30等の光学部品(図1参照)への干渉を避けることができる。
また、ここで、R光は、光射出端面53aから垂直に射出されるべく、R光の進行方向に応じて光射出端面53aの角度が調整されている。より具体的には、四角柱プリズム50aの2つの側面に挟まれる角βの値が入射角θの2倍の値(つまり、図2の場合約60°)となっている。これにより、全反射領域51aで全反射されたR光を、光射出端面53aから垂直に射出させることができる。なお、同様の角度調整は、光射出端面53bについてもなされており、B光についても垂直に射出させることができる。また、三角柱プリズム50cの側面は、入射面51に対して平行であり、当該側面上に形成されている光射出端面53cから透過光であるG光は垂直に射出される。
液晶パネル40aにおいて反射されたR光の変調光は、再び光射出端面53aに入射される。光射出端面53aに入射したR光は、元の光路を逆に進行する。つまり、R光は、図中の矢印RPで示した光路を辿る。
同様に、B光は、矢印BPで示した光路を辿り、G光は、矢印GP光路を辿る。即ち、第2ダイクロイック層52bにより反射されて分離されたB光は、さらに、入射面51の全反射領域51bで全反射されて、第2の光射出端面53bから垂直に射出され、液晶パネル40bを照明する。液晶パネル40bにおいて変調されたB光は、元の光路を逆に進行する。また、色分離部52を透過したG光は、第3の光射出端面53cから射出され、液晶パネル40cを照明し、変調されて元の光路を逆に進行する。
以上のように進行した各液晶パネル40a、40b、40cからの各色の変調光は、図1で説明したように、ダイクロイックプリズム50により合成される。
ここで、各液晶パネル40a、40b、40cで反射された各色光の偏光状態は、ダイクロイックプリズム50での合成においても、P偏光とS偏光とを含むものとなっている。一般に、P偏光は、その反射・透過特性が入射角度に大きく依存し、入射角度が大きくなると反射・透過特性が著しく悪化する。しかし、この場合、第1及び第2ダイクロイック層52a、52bへの入射角度は、いずれも入射角θであり、45°よりも小さなもの(約30°)となっている。このように、入射角度を比較的小さな値とすることで偏光状態の違いによる角度依存性を小さくし、画像投影に必要な各色光のP偏光の色分離部52での反射・透過特性を良好に保つことができる。従って、ダイクロイックプリズム50での合成において、良好な状態のカラー画像による投影を行うための合成光が形成され、形成された合成光は、図1の偏光ビームスプリッタ30を経て、投射レンズ60により所望の拡大率で拡大されてスクリーン(不図示)上に投射される。
以上照明光の光路に沿って説明してきたように、本実施形態におけるプロジェクタ100では、まず、ダイクロイックプリズム50において、第1及び第2ダイクロイック層52a、52bへの入射角θが45°未満の小さな角度で形成されていることで角度依存性を小さくしている。これにより、色分離の特性が良好なものとなっている。また、各色光(上記の場合R光及びB光)が、全反射領域51a、51bでの全反射により光路が折り曲げられる。これにより、照明光の入射側に配置されている光学部品への干渉を容易に避けることができ、各光学部品の配置の自由度を大きくすることができる。さらに、ダイクロイックプリズム50での各色光の合成において、入射角度を小さな値とすることで偏光状態の違いによる角度依存性を小さくしている。これにより、画像投影に必要な各色光の反射・透過特性を良好に保つことができる。以上により、ダイクロイックプリズムでの偏光状態の違いによる角度依存性に起因する光損失を低減させながらもプロジェクタ100の小型化が可能性となる。
図3は、上記実施形態の変形例について説明するための図である。本変形例のプロジェクタは、上記実施形態のダイクロイックプリズム50を変形したものであり、特に説明しない部分は、上記実施形態のプロジェクタと同じである。
本変形例のダイクロイックプリズム150は、第3の光射出端面である光射出端面53cに光路長調整プリズムOPを有している。つまり、この場合、色分離面52を透過したG光の光路上に光路長調整プリズムOPが設置された状態となっている。特に、光路長調整プリズムOPとして、比較的屈折率の高い物質を用いることにより、G光の光路の実際の長さを短くすることができる。
なお、この発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
まず、上記実施形態では、第1及び第2ダイクロイック層52a、52bへの入射角度を約30°としているが、本発明は、これに限らず、第1及び第2ダイクロイック層52a、52bでの反射・透過特性を良好に保ち、かつ、各色光の入射面51での全反射が可能であれば種々の角度に設定可能である。
また、上記実施形態では、各光射出端面53a、53bからの色光が垂直に射出されるものとしているが、垂直以外の角度を有して射出されるものであってもよい。
また、上記実施形態では、各液晶パネル40a、40b、40cにおいて、ダイクロイックプリズム50での分離により、R光を液晶パネル40aに、B光を液晶パネル40bに、G光を液晶パネル40cに照明しているが、各液晶パネル40a、40b、40cのいずれにどの色光を照明させるかは適宜変更可能であり、例えば真ん中の液晶パネル40cをB光の変調に用いるように設計してもよい。また、用いる色光についてもR光、G光及びB光に限らず種々の色光を組み合わせることができる。
また、上記実施形態では、ダイクロイックプリズム50において、3つの色光に分離し、これに応じて3つの液晶パネル40a、40b、40cを設けているが、ダイクロイックプリズム50において、2つの色光に分離するものであっても構わない。例えば、図1等において、色分離部52を透過する光を用いないものであってもよい。この場合、液晶パネル40cを設けず、液晶パネル40a、40bの2つにより画像形成させるものとなる。また、液晶パネル40a又は液晶パネル40bのいずれかを設けない構成であってもよい。つまり、例えば液晶パネル40bを設けないで、液晶パネル40a、40cで構成する態様も可能であり、この場合、併せて第2ダイクロイック層52bも不要としてもよい。
また、上記実施形態において、光源装置10では、ランプとして高圧水銀ランプ11を用いているが、この他にも、光源装置10に用いるランプとして、高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等種々のものが考えられる。
また、上記実施形態のプロジェクタ100では、光源装置10からの光を複数の部分光束に分割するため、一対のフライアイレンズ23a、23bを用いていたが、この発明は、このようなフライアイレンズすなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイレンズ23a、23bをロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記プロジェクタ100において、光源装置10からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子24を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェクタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがあるが、図1に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
10…光源装置、 20…照明光学系、 30…偏光ビームスプリッタ、 40a,40b,40c…液晶パネル、 50…ダイクロイックプリズム、 51…入射面、 51a,51b…全反射領域、 52…色分離部、 52a,52b…第1、第2ダイクロイック層、 53a,53b,53c…光射出端面、 60…投射レンズ、 100…プロジェクタ、 OP…光路長調整プリズム
Claims (6)
- 所定の偏光方向に揃えた照明光を射出する照明光学系と、
前記所定の偏光に対して反射及び透過のいずれか一方を行うことによって光路を分岐する偏光分岐部材と、
前記偏光分岐部材から射出された前記照明光を入射させる入射面と、前記入射面を経た前記照明光の照明光軸に対して45度未満の傾斜角度をなすとともに当該照明光のうち所定領域波長帯の光を反射によって分離する少なくとも1つのダイクロイック層を有する色分離部と、前記ダイクロイック層で反射によって分離された光を射出する第1の光射出端面と、前記第1の光射出端面に導かれる光とは異なる光路に導かれた光を射出する第2の光射出端面とを有するとともに、前記入射面により、前記ダイクロイック層により分離された光を全反射して前記第1の光射出端面に導くダイクロイックプリズムと、
前記第1及び第2の光射出端面から射出された光のそれぞれを画像情報に応じて変調し、変調された光を前記第1及び第2の光射出端面にそれぞれ入射させる第1及び第2の光変調装置と、
前記ダイクロイックプリズム及び前記偏光分岐部材を経た像光を投射する投射光学系と
を備えるプロジェクタ。 - 前記色分離部は、前記ダイクロイック層として第1の領域波長帯の光を反射して分離する第1の分離層を有するとともに、前記第1の領域波長帯とは異なる第2の領域波長帯の光を反射して分離する第2の分離層をさらに有し、
前記第1の分離層と前記第2の分離層とは、前記照明光軸に垂直に交わる線を交線として前記照明光軸について対称に配置され、
前記入射面は、前記照明光軸に対して垂直に配置され、前記第2の分離層により分離された光を全反射して前記第2の光射出端面に導く、請求項1記載のプロジェクタ。 - 前記ダイクロイックプリズムは、前記色分離部を透過した透過光を第3の光射出端面を介して第3の光変調装置に射出し、前記第3の光変調装置は、前記ダイクロイックプリズムから射出された当該透過光を反射に際して変調して変調光を形成し、前記第3の光射出端面に当該変調光を入射させる、請求項1及び請求項2のいずれか一項記載のプロジェクタ。
- 前記ダイクロイック層は、第1の領域波長帯の光を反射して分離するとともに、前記第1の領域波長帯とは異なる第2の領域波長帯の光を透過光として透過させ、当該透過光を前記第2の光射出端面を介して前記第2の光変調装置に射出し、前記第2の光変調装置は、前記第2の光射出端面から射出された当該透過光を反射に際して変調して変調光を形成し、前記第2の光射出端面に当該変調光を入射させる、請求項1記載のプロジェクタ。
- 前記ダイクロイックプリズムの前記ダイクロイック層を透過した前記透過光を射出する光射出端面に光路長調整プリズムをさらに備える、請求項3及び請求項4記載のプロジェクタ。
- 前記ダイクロイックプリズムは、前記第1及び第2の光変調装置により形成された変調光を照明光を逆行させる光路によって合成して画像投影のための合成光を形成する、請求項1から請求項5のいずれか一項記載のプロジェクタ。
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