JP2009047633A - レーダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のレーダモジュールを設けることなく、周囲の物体の有無及び方位を検知するレーダ装置を提供する。
【解決手段】レーダ装置は、車両に設けられ、レーダ信号を送信し、送信されたレーダ信号の反射信号の少なくとも一部を受信信号として受信し、受信信号に基づいて周囲の物体を検知するレーダモジュール2を備える。レーダモジュール2は、中心周波数26GHzを有するレーダ信号と中心周波数29GHzを有するレーダ信号とを発生して送信し、各レーダ信号に対応する受信信号を比較することによって周囲の物体の有無及び方位を検出するレーダ信号送受信部4と、レーダ信号送受信部4を保護するためのレドーム5とを備える。ここで、レーダ信号送受信部4は、中心周波数26GHzを有するレーダ信号と中心周波数29GHzを有するレーダ信号とを時系列的に切り替えて送信する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば車両等の移動体に搭載されて周囲の物体を検知するレーダ装置に関する。
近年、車両が発車、特に後退発車するとき、当該車両に設置されたレーダ装置を利用して車両周囲に存在する物体を検知し、運転者に注意を促したり当該車両の制御を行ったりする運転支援システムが注目されている。このようなシステムには、当該車両のバンパーのコーナー付近を含む周囲5m程度の範囲に存在する自動車、バイク、自転車、人、動物、建造物等の物体を確実に検知し、かつ車両の前後方向だけでなく車両の左右方向をも含む広範囲を検知することが望まれる。
従来例に係るレーダ装置が、例えば特許文献1に開示されている。従来例に係るレーダ装置は、送受信アンテナを保護するレドームに傾斜面を形成し、この傾斜面で電波の一部を屈折させて前方ビームと下方ビームとを得ることで、簡易な構成で車両の前方に存在する物体と路面とを同時に検出する。
特開2000−292537号公報。 吉田孝監修、「改訂レーダ技術 第3版」、第1〜3頁、電子情報通信学会、1996年10月発行。 喜連川隆、「Radomeについて」、三菱電機技報、Vol.29、No.7、P.73−79、1955年発行。
しかしながら、上記従来例に係るレーダ装置は、前方からの受信信号と下方からの受信信号との距離や速度が異なることを利用して2方向を同時に監視している。そのため、従来例に係るレーダ装置を、車両周囲の物体を検知する目的で車両バンパー内に設置したとしても、屈折させた電波方向による受信信号の差が無いので、物体がいずれの方向に存在するかを検出できないという問題点があった。これに対して、互いに異なる方向を検知する複数のレーダモジュールを設けることも考えられるが、車載レーダ用途に割り当てられている準ミリ波帯あるいはミリ波帯のデバイスは依然として高価であるので、複数個のレーダモジュールを設置することはレーダシステム全体が複雑になり、かつ大幅なコストアップに直結する。また、レーダ信号を機械的に走査させる方法を用いた場合、レーダモジュールは1個で済むが、モジュールサイズの大型化及びコストアップを招く。
本発明の目的は、以上の問題点を解決し、複数のレーダモジュールを設けることなく、周囲の物体の有無及び方位を検知できるレーダ装置を提供することにある。
第1の発明に係るレーダ装置は、車両に設けられ、レーダ信号を送信し、前記送信されたレーダ信号の反射信号の少なくとも一部を受信信号として受信し、前記受信信号に基づいて周囲の物体を検知するレーダモジュールを備えたレーダ装置において、前記レーダモジュールは、互いに異なる中心周波数を有する複数のレーダ信号を発生して送信し、前記各レーダ信号に対応する受信信号を比較することによって周囲の物体の有無及び方位を検出するレーダ信号送受信部と、前記レーダ信号送受信部を保護するためのレドームとを備えたことを特徴とする。
上記レーダ装置において、前記レーダ信号送受信部は、前記複数のレーダ信号を時系列的に切り替えて送信することを特徴とする。
また、上記レーダ装置において、前記レドームは、互いに異なるレドームパラメータを有する少なくとも2つの領域を含むことを特徴とする。ここで、前記レドームパラメータは、前記レドームの厚さ又は比誘電率であることを特徴とする。とって代わって、前記レドームは、厚さがそれぞれ4.5mm及び5.0mmでありかつ比誘電率が共に2.3である2つの領域を含み、前記レーダ信号送受信部は、26GHzの中心周波数を有するレーダ信号及び29GHzの中心周波数を有するレーダ信号を発生して送信することを特徴とする。
またさらに、上記レーダ装置において、前記レーダ信号送受信部は、前記各レーダ信号に対応する受信信号の振幅を比較することによって物体の方位を検出することを特徴とする。
本発明に係るレーダ装置によれば、互いに異なる中心周波数を有する複数のレーダ信号を発生して送信し、各レーダ信号に対応する受信信号を比較することによって周囲の物体の有無及び方位を検出するレーダ信号送受信部を備えたので、複数のレーダモジュールを設けることなく、周囲の物体の有無及び方位を検知できる。
以下、本発明に係る一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
実施形態.
図1は本発明の一実施形態に係るレーダ装置を搭載した車両1の平面図である。図1において、車両1の後方中央にレーダモジュール2が設置され、車両1内部のダッシュボード(図示せず。)付近にディスプレイ3が設置されている。レーダモジュール2は、パルス方式でレーダ信号の送受信を行って物体を検知するレーダ信号送受信部4(図2を参照して後述する。)を内蔵し、誘電体で形成されかつレーダ信号を透過させつつレーダ信号送受信部4を物理的又は環境的なダメージから保護するための筐体6及び互いに厚みの異なる2つの領域5a及び5bを有するレドーム5を備えて構成される。
図2は図1のレーダモジュール2に内蔵されるレーダ信号送受信部4の詳細構成を示すブロック図である。レーダ信号送受信部4は、送信回路10と、受信回路11と、アンテナ回路12と、コントローラ13とを備えて構成される。送信回路10は、パルス信号発生器20と、送信混合器21と、送信電力増幅器22と、信号分配器23と、可変局部発振信号発生器24とを備えて構成される。受信回路11は、信号分配器23と、可変局部発振信号発生器24と、信号処理回路25と、受信混合器26と、受信低雑音増幅器27とを備えて構成される。送信回路10及び受信回路11において、信号分配器23及び可変局部発振信号発生器24は共有される。アンテナ回路12は、送信アンテナ28と、受信アンテナ29とを備えて構成される。
送信回路10において、パルス信号発生器20は、コントローラ13から入力されるパルス信号の発生を促すトリガ信号に基づいて、変調用のパルス信号を発生して受信混合器21に出力する。また、可変局部発振信号発生器24は、コントローラ13から入力される中心周波数設定信号に基づく中心周波数を有する連続波である高周波局部発振信号を発生して信号分配器23に出力する。信号分配器23は、高周波局部発振信号を送信用局部発振信号と受信用局部発振信号とに分配してそれぞれ送信混合器21及び受信混合器26に出力する。送信混合器21は、パルス信号発生器20からのパルス信号と信号分配器23からの送信用局部発振信号とを混合することによって周波数変換して高周波パルス信号を発生し、発生された高周波パルス信号を送信電力増幅器22に出力する。送信電力増幅器22は、入力された高周波パルス信号を増幅してアンテナ回路12に出力する。送信回路10は、上記動作を周期的に繰り返す。
アンテナ回路12において、送信アンテナ28は、送信回路10から入力された増幅された高周波パルス信号をさらに増幅して、レーダ信号として空中に放射する。レーダ信号が空中に放射された先に何らかの物体があるとき、レーダ信号はその物体に照射され、照射されたレーダ信号の一部が反射して再びレーダ装置に戻る。受信アンテナ29は、このレーダ信号の反射信号を空中から受信して増幅したあと、受信回路11に出力する。
受信回路11において、受信低雑音増幅器27は、アンテナ回路12から入力された反射信号を増幅して受信混合器26に出力する。受信混合器26は、受信低雑音増幅器27からの増幅された反射信号と、信号分配器23からの受信用局部発振信号とを混合することによって周波数変換し、受信信号として信号処理回路25に出力する。信号処理回路25は、コントローラ13から入力される検波タイミングを与えるタイミング信号に基づいて、受信混合器26からの受信信号を検波し、所定の検知距離までの受信信号の振幅を表す受信信号波形をコントローラ13に出力する。なお、信号処理回路25による、パルス方式レーダにおける物体検知動作の原理については、例えば非特許文献1等に記載されているため、詳細な説明を省略する。
コントローラ13は、可変局部発振信号発生器24により発生される高周波局部発振信号の中心周波数を設定するための中心周波数設定信号と、信号処理回路25での検波タイミングを与えるタイミング信号とを発生して出力するとともに、信号処理回路25からの中心周波数毎の受信信号波形に基づいて、物体の有無、物体までの距離及び物体の方位を検出するための物体検知処理を実行し、物体検出結果をディスプレイ3に表示する(詳細は後述する。)。具体的には、コントローラ13は、高周波局部発振信号の中心周波数を26GHzと29GHzとで時系列的に切り替えるように中心周波数設定信号を発生して出力する。
ここで、再び図1を参照して、レドーム5について説明する。図1に示すように、レドーム5は、車両1の前方方向に向かって右側に設けられかつ5.0mmの厚みを有する領域5aと、車両1の前方方向に向かって左側に設けられかつ4.5mmの厚みを有する領域5bとを有する。各領域5a及び5bの比誘電率は共に2.3である。送信アンテナ28から放射されるレーダ信号がレドーム5に照射された場合、レーダ信号はレドーム5を透過する成分とレドーム5で反射する成分とに分かれる。照射されたレーダ信号のうちどのくらいの成分が透過するかを示す透過係数は、例えば非特許文献2に開示されるように、レドーム5の厚み、比誘電率、レーダ信号の波長、入射角によって決定される。
一般的に、比誘電率ε及び厚みdを有する従来のレドーム(平行平面板)の両面外側の媒質が空気である場合、平面波のレーダ信号がレドームに入射してレドームを透過して空気へ出ていくときの透過係数Tは、次式(1)及び(2)により表される。なお、次式(1)及び(2)において、λはレーダ信号の自由空間波長を示し、θは空気からレドームへのレーダ信号の入射角を示す。γはレーダ信号が空気からレドームへ入射角θで入射するときの反射係数を示し、次式(3)で表され、αは空気からレドームへの入射角がθである場合のレドームの空気に対する実効比誘電率(平行偏波)を示し、次式(4)で表される。
Figure 2009047633
Figure 2009047633
Figure 2009047633
Figure 2009047633
図3はレドーム5の領域5bにおけるレーダ信号の入射角と透過係数との関係を示すグラフである。領域5bにおいてレドーム5の比誘電率εは2.3であり、厚みdは4.5mmである。図3において、レドーム5の領域5bに中心周波数26GHz(つまりλ=11.54mm)を有するレーダ信号と、中心周波数29GHz(つまりλ=10.34mm)を有するレーダ信号とを照射したとき、上記式(1)〜(4)を用いて計算した入射角と透過係数との関係を示す。図3に示すように、レドーム5の厚みdが4.5mmである場合、入射角が70度以上であるとき、中心周波数29GHzのレーダ信号の透過係数は比較的高いが、中心周波数26GHzのレーダ信号の透過係数が著しく低いことが分かる。
一方、図4はレドーム5の領域5aにおけるレーダ信号の入射角と透過係数との関係を示すグラフである。レドーム5の領域5aは、厚みdが5.0mmである点以外は、レドーム5の領域5bと同じである。図4に示すように、レドーム5の厚みdが5.0mmである場合、入射角が70度以上であるとき、図3に示した関係とは逆に、中心周波数26GHzのレーダ信号の透過係数は比較的高いが、中心周波数29GHzのレーダ信号の透過係数が著しく低いことが分かる。本実施形態に係るレーダ装置では、レドーム5の厚みに応じて透過係数が異なることを積極的に利用して、レーダ装置の検知エリアを変化させて、物体の有無及び方位を検出する。
図5は図1のレーダ装置の検知エリアを示す平面図である。図5に示す検知エリアは、あるレーダ断面積を有する物体に対してレーダモジュール2から出力されるレーダ信号を送受信したときの最大検知距離を、車両後退方向を0度として±90度まで5度毎に計算し、その結果をプロットしたものである。最大検知距離Rmaxの計算には次式(5)に示すレーダ方程式を用い、レーダ信号のレドーム5への入射角に伴う減衰を考慮に入れている。なお、次式(5)において、Pは送信電力を示し、σは物体のレーダ断面積を示し、Gtは送信アンテナ利得を示し、Grは受信アンテナ利得を示し、Lrは上記式(1)を用いて(1−|T|)から計算されるレドーム5による減衰率を示し、λはレーダ信号の波長を示し、Sminは最小受信信号の振幅を示す。
Figure 2009047633
具体的には、本実施形態において、送信電力Pを12dBmとし、レーダ断面積σを−10dBsmとし、波長λを11.54mm(即ち、中心周波数26GHz)又は10.34mm(即ち、中心周波数29GHz)とし、受信機雑音電力kTBに10dBのマージンを見込んで最小受信信号の振幅Sminを−67dBmとする。なお、kはボルツマン定数を示し、Tは受信機雑音温度を示し、Bは帯域幅を示し、ボルツマン定数kを1.38×10−23とし、周囲温度290K、アンテナ入力雑音温度100K、受信機雑音5dBを考慮して受信機雑音温度Tを720Kとし、帯域幅Bを2GHzとした。
図5において、車両1の後方右側のコーナー付近(領域A)では、中心周波数が26GHzであるときの検知エリアは中心周波数が29GHzであるときの検知エリアよりも広く、車両1の後方左側のコーナー付近(領域B)では、中心周波数が29GHzであるときの検知エリアは中心周波数が26GHzであるときの検知エリアよりも広い。したがって、中心周波数を26GHzに設定したとき、車両1の後方右側のコーナー付近のエリアを検知するが、車両1の後方左側のコーナー付近のエリアを検知しない。一方、中心周波数を29GHzに設定したとき、車両1の後方左側のコーナー付近のエリアを検知するが、車両1の後方右側のコーナー付近のエリアは検知しない。このように、2つの異なる中心周波数26GHz及び29GHzを時系列的に切り替えることによって、車両後方のバンパー直近部分に物体が存在するとき、その物体が左右いずれの方向に存在するかを検出できる。
また、図5において、車両1の各コーナー部分に描かれた7個のセルは、ISO17386:2004(E)MALSO(Manoeuvring Aids for Low Speed Operation)で規定された検知セルを示す。個々のセルは一辺が100mmの正方形であり、7個のセルからなる検知セルは、車両1の各コーナーから200mmの位置に、車両1の長さ方向の辺に対して外側方向に30度の角度を有するように設けられる。本レーダ装置において、レーダ信号の中心周波数を最適化することにより、中心周波数26GHzに設定したときの検知エリアが、車両1の後方右側コーナー部分における7個の検知セルを含むが車両1の後方左側コーナー部分における7個の検知セルを含まず、中心周波数29GHzに設定したときの検知エリアが、車両1の後方左側コーナー部分における7個の検知セルを含むが車両1の後方右側コーナー部分における7個の検知セルを含まないように設定される。
図6は図2のコントローラ13により実行される物体検知処理を示すフローチャートである。本物体検知処理は、例えば、運転手がレーダ装置の電源を投入した場合や、車両1のエンジンを起動したときに実行される。図6のステップS1において、まず、可変局部発振信号発生器24により発生される高周波局部発振信号の中心周波数を26GHzに設定し、ステップS2において、送信アンテナ28を介してレーダ信号を送信し、その反射信号の一部を、受信アンテナ29を介して受信した後、ステップS3に進む。ステップS3において、所定の検知距離までの受信信号波形が得られたか否かを判断し、YESのときはステップS4に進む一方、NOのときはステップS2に戻って処理を繰り返す。具体的には、ステップS2及びS3において、物体を検知するためには、レーダ信号を1回だけ送受信すればよいわけではなく、レーダ信号を複数回送受信し、それによって得られた複数の受信信号に積分等の処理を施して信号対雑音比を向上させる必要がある。また、詳述しないが検波の方法によっては所定の最大検知距離までの受信信号を得るためにより多くのレーダ信号の送受信を必要とする。これらの一連の処理を終え、所定の最大検知距離までの受信信号が得られた場合に、ステップS4に進む。
ステップS4において、可変局部発振信号発生器24により発生される高周波局部発振信号の中心周波数を29GHzに設定し、ステップS5において、送信アンテナ28を介してレーダ信号を送信し、その反射信号の一部を、受信アンテナ29を介して受信した後、ステップS6に進む。ステップS6において、所定の検知距離までの受信信号波形が得られたか否かを判断し、YESのときはステップS7に進む一方、NOのときはステップS5に戻って処理を繰り返す。
ステップS7において、中心周波数が26GHzであるときの受信信号波形と中心周波数が29GHzであるときの受信信号波形とに基づいて、周囲の物体の有無及び方位とを検出し、ステップS8において、物体検知結果をディスプレイ3に表示することによって車両1の運転者に対して視覚的に注意を促した後、当該処理を終了する。
図7は図2の送信アンテナ28及び受信アンテナ29のアジマス方位角とアンテナ利得との関係を示したグラフである。図7において、アンテナ利得は、アジマス方位角が0度であるときに最大となり、±90度近傍で最少となる。
図8(a)は物体Oが車両後方右側に存在する様子を示す平面図であり、図8(b)は(a)におけるレーダ装置からの距離と各受信信号の振幅との関係を示す波形図である。図8(a)及び(b)において、中心周波数を26GHzに設定したとき、図5に示すように物体Oが検知エリア内に存在するため、受信信号波形に物体Oの反射信号が現れる。一方、中心周波数を29GHzに設定したとき、物体Oが検知エリア内に存在しないため、受信信号波形の中に物体Oの反射信号は現れない。従って、コントローラ13は、車両1の後方右側のコーナー付近であってレーダ装置から距離D1の位置に物体が存在することを検出する。
図9(a)は物体Oが車両後方左側に存在する様子を示す平面図であり、図9(b)は(a)におけるレーダ装置からの距離と各受信信号の振幅との関係を示す波形図である。図9(a)及び(b)において、中心周波数を26GHzに設定したとき、物体Oが検知エリア内に存在しないため、受信信号波形に物体Oの反射信号は現れないが、中心周波数を29GHzに設定したとき、物体Oが検知エリア内に存在するため、受信信号波形に物体Oの反射信号が現れる。従って、コントローラ13は、車両1の後方左側のコーナー付近であってレーダ装置から距離D2の位置に物体が存在することを検出する。
図10(a)は物体Oが車両後方中央に存在する様子を示す平面図であり、図10(b)は(a)におけるレーダ装置からの距離と各受信信号の振幅との関係を示す波形図である。図10(a)及び(b)において、中心周波数を26GHz及び29GHzのいずれに設定した場合でも、物体Oが検知エリア内に存在するため、受信信号波形に物体Oの反射信号が現れる。従って、コントローラ13は、車両1の後方中央付近であってレーダ装置から距離D3の位置に物体が存在することを検出する。
図8〜図10に示すように、物体Oの存在位置に応じて、中心周波数を26GHzに設定したときと中心周波数を29GHzに設定したときの各受信信号波形が互いに異なるため、コントローラ13は、中心周波数を26GHzに設定したときの受信信号波形と、中心周波数を29GHzに設定したときの受信信号波形とを比較することにより、車両1のバンパー付近の物体Oの有無及び方位を検知することができる。
なお、図8〜図10において、レーダ装置からの距離が短い領域ではいずれも振幅の大きな受信信号が検出されているが、これは、送信されたレーダ信号が車両1そのもので反射して受信信号として検出されているためである。このような車両1による反射は、例えば、車両1付近に物体が何も存在しない状態で受信信号を検出し、その受信信号波形を予めメモリ等に格納しておき、メモリに格納された受信信号波形と物体検知処理において検出された受信信号波形との差分を取ることによって、その影響を取り除くことができる。
以上説明したように、本実施形態に係るレーダ装置によれば、中心周波数26GHzを有するレーダ信号と中心周波数29GHzを有するレーダ信号とを発生して送信し、各レーダ信号に対応する受信信号を比較することによって周囲の物体の有無及び方位を検出するレーダ信号送受信部4を備えたので、複数のレーダモジュールを設けることなく、周囲の物体の有無及び方位を検知できる。また、単一のレーダモジュールで車両1のバンパーのコーナー付近を含む広範囲にわたって物体を検知できるため、低コストである。
なお、本実施形態において、コントローラ13は、物体検知結果をディスプレイ3上に表示することによって視覚的に運転者に報知したが、本発明はこれに限らず、ディスプレイ3に代えてあるいはディスプレイ3に加えてスピーカ等を備え、物体検知結果を聴覚的に運転者に報知してもよく、あるいは、物体が検知された方向又は位置毎に異なる位置が振動するようなバイブレータ機能を有するベルトを運転者が着用することによって触覚的に物体検知結果を報知する等、その他種々の方法によって運転者に報知してもよい。
また、図8〜10に示した例では、説明の簡単化のため、一方の中心周波数設定においては物体Oの反射信号が現れ、他方の中心周波数設定においては物体Oの反射信号が全く現れないという場合について説明し、コントローラ13において振幅の有無を比較することによって物体Oの方位を検知した。しかし、本発明はこれに限らず、両方の中心周波数設定において物体Oの反射信号が現れた場合でも、各受信信号の振幅の大小を比較することによって物体Oの方位をより詳細に検知してもよい。
さらに、レーダモジュール2を車両1の後方中央に設置したが、本発明はこれに限らず、レーダモジュール2は車両1の後方中央以外の場所に設置されてもよい。
またさらに、パルス方式のレーダ装置について説明したが、本発明はこれに限らず、パルス方式以外のレーダ方式によるレーダ装置に適用してもよい。
また、レーダ信号の中心周波数を26GHz又は29GHzの2つの中心周波数で時系列的に切り替えたが、本発明はこれに限らず、所望の検知エリアに応じて他の中心周波数又は波長に設定されてもよく、時系列的に切り替えることに代えて同時に2つの中心周波数を有するレーダ信号を送信してもよく、3つ以上の中心周波数で切り替えてもよい。
さらに、レドーム5の領域5a及び5bの比誘電率を共に2.3に設定し、厚みをそれぞれ5.0mm及び4.5mmに設定したが、本発明はこれに限らず、所望の検知エリアに応じて、他の比誘電率又は厚みに設定されてもよい。また、レドーム5の領域5a及び5bとで、レドームの厚みが異なることに代えて、レドームの比誘電率等他のレドームパラメータが異なるように設定されてもよく、若しくは領域5a及び5bに対するレーダ信号の入射角が異なるように設定されてもよい。
本実施形態に係るレーダ装置によれば、互いに異なる中心周波数を有する複数のレーダ信号を発生して送信し、各レーダ信号に対応する受信信号を比較することによって周囲の物体の有無及び方位を検出するレーダ信号送受信部を備えたので、複数のレーダモジュールを設けることなく、周囲の物体の有無及び方位を検知できる。
本発明は、例えば車両等の移動体に搭載されて周囲の物体を検知するレーダ装置に利用することができる。
本発明の実施形態に係るレーダ装置を搭載した車両1の平面図である。 図1のレーダモジュール2に内蔵されたレーダ信号送受信部4の詳細構成を示すブロック図である。 レドーム5の領域5bにおけるレーダ信号の入射角と透過係数との関係を示すグラフである。 レドーム5の領域5aにおけるレーダ信号の入射角と透過係数との関係を示すグラフである。 図1のレーダ装置の検知エリアを示す平面図である。 図2のコントローラ13により実行される物体検知処理を示すフローチャートである。 図2の送信アンテナ28及び受信アンテナ29のアジマス方位角とアンテナ利得との関係を示したグラフである。 (a)は物体Oが車両後方右側に存在する様子を示す平面図であり、(b)は(a)におけるレーダ装置からの距離と各受信信号の振幅との関係を示す波形図である。 (a)は物体Oが車両後方左側に存在する様子を示す平面図であり、(b)は(a)におけるレーダ装置からの距離と各受信信号の振幅との関係を示す波形図である。 (a)は物体Oが車両後方中央に存在する様子を示す平面図であり、(b)は(a)におけるレーダ装置からの距離と各受信信号の振幅との関係を示す波形図である。
符号の説明
1…車両、
2…レーダモジュール、
3…ディスプレイ、
4…レーダ信号送受信部、
5…レドーム、
5a,5b…レドームの領域、
6…筐体、
10…送信回路、
11…受信回路、
12…アンテナ回路、
13…コントローラ、
20…パルス信号発生器、
21…送信混合器、
22…送信電力増幅器、
23…信号分配器、
24…可変局部発振信号発生器、
25…信号処理回路、
26…受信混合器、
27…受信低雑音増幅器、
28…送信アンテナ、
29…受信アンテナ。

Claims (6)

  1. 車両に設けられ、レーダ信号を送信し、前記送信されたレーダ信号の反射信号の少なくとも一部を受信信号として受信し、前記受信信号に基づいて周囲の物体を検知するレーダモジュールを備えたレーダ装置において、
    前記レーダモジュールは、
    互いに異なる中心周波数を有する複数のレーダ信号を発生して送信し、前記各レーダ信号に対応する受信信号を比較することによって周囲の物体の有無及び方位を検出するレーダ信号送受信部と、
    前記レーダ信号送受信部を保護するためのレドームとを備えたことを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記レーダ信号送受信部は、前記複数のレーダ信号を時系列的に切り替えて送信することを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 前記レドームは、互いに異なるレドームパラメータを有する少なくとも2つの領域を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のレーダ装置。
  4. 前記レドームパラメータは、前記レドームの厚さ又は比誘電率であることを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
  5. 前記レドームは、厚さがそれぞれ4.5mm及び5.0mmでありかつ比誘電率が共に2.3である2つの領域を含み、
    前記レーダ信号送受信部は、26GHzの中心周波数を有するレーダ信号及び29GHzの中心周波数を有するレーダ信号を発生して送信することを特徴とする請求項3記載のレーダ装置。
  6. 前記レーダ信号送受信部は、前記各レーダ信号に対応する受信信号の振幅を比較することによって物体の方位を検出することを特徴とする請求項1乃至5のうちのいずれか1つに記載のレーダ装置。
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