JP2009047421A - ヒートポンプ給湯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯湯タンク内の高温水を例えば浴槽側や蛇口側などで多量に使用した場合に、その使用量に相当する水が貯湯タンク内に供給されることにより、貯湯タンク内の高温水の温度は低くなり、混合弁から設定温度よりも低い温水が出る湯切れを生じ、混合弁からの水温が安定しない。
【解決手段】ヒートポンプ式加熱装置と、ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管と、貯湯タンク内から水を導く配管とを備え、貯湯タンク内から水を導く配管又は記ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管のうちいずれか一方を混合弁に導くようにした。
【選択図】 図2

Description

この発明は、貯湯タンク内の水を沸き上げるヒートポンプ給湯器に関するものである。
図5は、従来のヒートポンプ給湯器を示すシステム構成図である。図5において、発熱体2は、湯水を貯留する貯湯タンク1内に設けられて水を加熱する発熱体、温度検出器3は、貯湯タンク1の下方の外壁部に取り付けられて、その貯湯タンク1内の水の温度を検出する温度検出器である。ヒートポンプ式加熱装置4は、貯湯タンク1内の水を加熱する加熱装置であり、圧縮機5、凝縮器6、減圧装置7、蒸発器8を順次連結した冷媒回路から構成されている。
また、ヒートポンプ式加熱装置4を構成する凝縮器6に接続する配管を介して水を循環する循環ポンプ9および水の循環流量を調整する流量調整弁10が設けられる。さらに、貯湯タンク1の上方に位置する出口部に接続される配管を介して混合弁11が設けられる。12は温度検出器3からの出力に基づいて発熱体2、ヒートポンプ式加熱装置4、循環ポンプ9の動作を断続的に行わせる制御部である。
次に、こうした構成を有するヒートポンプ給湯器の沸き上げ動作について、図5に示すシステム構成図を併用して説明する。貯湯タンク1内にその下部から水を供給して満タン状態に至った後で、沸き上げ動作を開始する。これにより、圧縮機5が運転を開始し、圧縮された一次冷媒ガスは配管を通じて凝縮器6の方に流れる。そして、凝縮器6から出た一次冷媒ガスの圧力は減圧装置7によって低下する状態となり、低圧レベルに維持された二次冷媒ガスは蒸発器8の方へと流れる。こうした冷媒の流れにより、凝縮器6側は高温状態、蒸発器8側が低温状態となる。次に、貯湯タンク1内の水はその下部から抜け出て、循環ポンプ9から流量調整弁10を通過し、さらに高温状態に維持される凝縮器6を経て貯湯タンク1の中央部から入り込む。
そして、貯湯タンク1内の水は再びその下部から抜け出て、循環ポンプ9から凝縮器6を通過して貯湯タンク1の中央部から入り込む。こうした水の循環動作により、貯湯タンク1内の水は凝縮器6を通り所定温度に加熱され、貯湯タンク1内で水との温度差により上部から積層される。なお、発熱体2は圧縮機5などの故障により凝縮器6において加熱できない又は外気温度により所定の高温水が供給できないことを防止するために設けられている。次に、貯湯タンク1内には高温水が作られて、その高温水は混合弁11の高温水側(図5中のA部)へ、さらに水源からの水は混合弁11の低温水側(図5中のB部)にそれぞれ流れていく。そして、混合弁11により適温状態の温水が作られて例えば浴槽側や蛇口側へ供給される。
従来のヒートポンプ給湯器は、前述のように貯湯タンク内に高温水を貯め、必要に応じて混合弁から出た温水を浴槽側および蛇口側へ供給するシステム構成となっている。しかし、貯湯タンク内の高温水を例えば浴槽側や蛇口側などで多量に使用した場合に、その使用量に相当する水が貯湯タンク内に供給される。これにより、貯湯タンク内の高温水の温度は低くなり、混合弁から設定温度よりも低い温水が出る即ち“湯切れ”という問題を生じる。
この発明は、前述のような問題点を解決するためになされたもので、貯湯タンク内の高温水を浴槽側および蛇口側などで多量に使用した場合でも、常に混合弁から設定温度に保たれた温水が出るようにして“湯切れ”を未然に防止することを目的としたものである。
ヒートポンプ式加熱装置と、ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管と、貯湯タンク内から水を導く配管とを備え、貯湯タンク内から水を導く配管又はヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管のうちいずれか一方を混合弁に導くようにした。
ヒートポンプ式加熱装置と、ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管と、貯湯タンクの温度を検出する温度検出器と、貯湯タンク内から水を導く配管とを備え、温度検出器の検出結果に基づいて、貯湯タンク内から水を導く配管又はヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管のうちいずれか一方を混合弁に導くようにした。
この発明のヒートポンプ給湯器は、上述のように構成されているので、“湯切れ”を未然に防止することが可能である。
実施の形態1.
図1と図2は、この発明のヒートポンプ給湯器に係る実施の形態1を示すシステム構成図、図3はそのシステム構成の動作の流れを示すフローチャート図である。図1と図2において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。第1の電動切替弁13は貯湯タンク1の中央部と凝縮器6との間に配管を介して接続する電動切換弁、第2の電動切替弁14は貯湯タンク1の出口部と混合弁11の高温水側(図1、図2中のC部)との間に配管を介して接続する電動切換弁、第3の電動切換弁15は水源側と混合弁11の低温水側(図1、図2中のD部)との間に配管を介して接続する電動切換弁である。
次に、ヒートポンプ給湯器の沸き上げ動作を図1と図2に示すシステム構成図および図3に示すフローチャート図を併用して説明する。図1において、貯湯タンク1内の下部から水を供給して満タン状態に至った後で沸き上げ動作を開始した場合に(ステップS100)、凝縮器6は加熱状態になると共に循環ポンプ9は貯湯タンク1内の水を循環させる一連の動作、即ち沸き上げ動作が実行される(ステップS101)。これにより、貯湯タンク1内の水はその下部から第1の流路FP1に抜け出て、循環ポンプ9から流量調整弁10の方へと流れていく。そして、その水は高温状態の凝縮器6を通過して第1の電動切換弁13のIN側からOUT側を通じて貯湯タンク1の中央部から入り込む。それ以降は、前述の動作内容を繰り返す。
次に、こうした貯湯タンク1内の水を循環させて加熱する過程で沸き上げ温度Tsを検出し(ステップS102)、制御部12は沸き上げ温度Tsが所定温度T1例えば90℃になったかどうかを判断する(ステップS103)。ここで、仮にNO即ち沸き上げ温度Tsが所定温度Tに至らない場合は前述の動作を繰り返す。また、仮にYESの場合は沸き上げ温度Tsが所定温度Tに至ったので、その温度Tに保たれるように凝縮器6などを制御すると共に、“湯切れ”防止の動作が開始する(ステップS104)。この過程で、貯湯タンク1内の90℃相当の高温水はその出口部から第2の流路FPに抜け出て、第2の電動切換弁14のIN側からOUT側を通じて混合弁11の高温水側(図1中のC部)へ、水源からの水は第3の流路FPにより第3の電動切換弁15のIN側からOUT側を通じて混合弁11の低温水側(図1中のD部)へ、それぞれ流れていく。
次に、制御部12は沸き上げ温度Tsが所定温度T例えば80℃以下であるかどうかを判断する(ステップS105)。なお、所定温度Tは貯湯タンク1内の残湯が混合弁11に流れ、混合弁11から出た温水が“湯切れ”寸前となることを想定した温度閾値である。ここで、仮にNO即ち沸き上げ温度Tsは80℃以下でないと判定された場合は、凝縮器6による追い沸き上げ動作を開始しない。また、仮にYES即ち沸き上げ温度Tsが80℃以下であると判定された場合は、貯湯タンク1内の高温水を使用者が浴槽側や蛇口側で多量に使用したことにより“湯切れ”を起こす可能性が大きいと判断し、凝縮器6による追い沸き上げ動作が実行される(ステップS106)。なお、この追い沸き上げ動作は高温水の温度を90℃に維持することは無理があり、それ以下の温度に保つことが前提である。
次に、図2に示すように第1の電動切換弁13や第2の電動切換弁14が切り換えられ(ステップS107)、水源からの水は循環ポンプ9から流量調整弁10を通じて高温状態に維持される凝縮器6の方へと流れていく。そして、凝縮器6で加熱された高温水は第1の電動切換弁13のIN側からOUT側を通じて第4aの流路FP4aに、さらには第2の電動切換弁14のIN側からOUT側を通じて混合弁11の高温水側(図2中のC部)に流れる。このとき、水源からの水が第3の電動切換弁15のIN側からOUT側を通じて混合弁11の低温水側(図2中のD部)に流れるので、混合弁11からは設定温度通りの温水が出湯される。
次に、制御部12は使用者が貯湯タンク1内の高温水を殆ど使用しない時間帯、即ち深夜時間帯に入ったかどうかを判断する(ステップS108)。ここで、仮にNO即ち深夜時間帯外の場合は沸き上げ温度Tsが所定温度T以下であるかどうかを判断する(ステップS105)。これ以降は、前述と同様である。また、仮にYES即ち深夜時間帯の場合は第1の電動切換弁13や第2の電動切換弁14が図1に示すような状態に切り換えられる(ステップS109)。そして、深夜時間帯に貯湯タンク1内の“湯切れ”状態の温水を所定の流路を通じて高温状態に維持する凝縮器6を通過させて貯湯タンク1内へ戻すという沸き上げ動作が実行される(ステップS101)。これによって、貯湯タンク1内に再び高温水を貯えることができる。
こうした構成を有するヒートポンプ給湯器は、貯湯タンク1内の高温水を使用者が多量に使用して“湯切れ”を起こす可能性が大きいと判断した場合に、凝縮器6を通過した高温水を貯湯タンク1内に戻すことがなく、混合弁11の高温水側へ直接流すようにしたことで、“湯切れ”の事態を未然に防止することができる。貯湯タンク1を大型化しなくても“湯切れ”を防止し易くなることから、当該ヒートポンプ給湯器では、貯湯タンクを大型化する場合に比べて小型化や省エネルギー化を図り易いと共に、廃棄時の環境への負荷を低減させ易い。
なお、前述の沸き上げ温度Tsが所定温度T2以下であるかどうかを判断する過程で(ステップS105)、仮にYES即ち“湯切れ”を起こす可能性が大きい場合は、図4に示すように第1の電動切換弁13や第3の電動切換弁15を切り換える。そして、凝縮器6を通過した高温水を第1の電動切換弁13のIN側からOUT側を通じて第4bの流路FP4bへ、さらには第3の電動切換弁15のIN側からOUT側へと流す。次に、その高温水を混合弁11の低温水側(図4中のD部)に流し、一方貯湯タンク1内の高温水を第2の電動切換弁14のIN側からOUT側を通過させて混合弁11の高温水側(図4中のC部)へ流すように構成しても良い。
この発明のヒートポンプ給湯器に係る実施の形態1を示すシステム構成図である。 実施の形態1を示す他のシステム構成図である。 実施の形態1におけるシステム構成の動作の流れを示すフローチャート図である。 実施の形態1を示すさらに他のシステム構成図である。 従来のヒートポンプ給湯器のシステム構成図である。
符号の説明
1 貯湯タンク、2 発熱体、3 温度検出器、4 ヒートポンプ式加熱装置、5 圧縮機、6 凝縮器、7 減圧装置、8 蒸発器、9 循環ポンプ、10 流量調整弁、11 混合弁、12 制御部、13 第1の電動切換弁、14 第2の電動切換弁、15 第3の電動切換弁、 FP 第1の流路、 FP 第2の流路、 FP 第3の流路、FP4a 第4aの流路、 FP4b 第4bの流路。

Claims (2)

  1. ヒートポンプ式加熱装置と、
    前記ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管と、
    前記貯湯タンク内から水を導く配管とを備え、
    前記貯湯タンク内から水を導く配管又は前記ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管のうちいずれか一方を混合弁に導くようにしたことを特徴とするヒートポンプ給湯器。
  2. ヒートポンプ式加熱装置と、
    前記ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管と、
    前記貯湯タンクの温度を検出する温度検出器と、
    前記貯湯タンク内から水を導く配管とを備え、
    前記温度検出器の検出結果に基づいて、前記貯湯タンク内から水を導く配管又は前記ヒートポンプ式加熱装置で加熱される機構を介して水を貯湯タンクに導く配管のうちいずれか一方を混合弁に導くようにしたことを特徴とするヒートポンプ給湯器。
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