JP2009047336A - アルミニウム溶解炉 - Google Patents

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勝重 中村
Minoru Nakamura
実 中村
Katsuhiro Miura
勝弘 三浦
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  • Vertical, Hearth, Or Arc Furnaces (AREA)
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Abstract

【課題】必要な量の廃熱を取り出して有効利用することができるアルミニウム溶解炉を提供する。
【解決手段】タワー部3上部に支持した加熱容器11内に、錫、鉛、半田等の低融点金属18を保持したため、投入口2から排出される廃熱で低融点金属を加熱溶融して、所定熱量を有する熱源として利用でき、低融点金属の量を調整することで熱源としてパワーを調整できる。溶解した液状熱源であるため、加熱容器11の形状に応じていかなる形態をとることも可能で、シリコンオイル等の熱媒体26との熱交換も容易であり、熱として取り出し易い。熱変形部により、所定温度で熱交換容器19が加熱容器の平坦部16から離れるため、熱交換容器内の熱媒体の過熱を防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明はアルミニウム溶解炉に関するものである。
アルミニウム溶解炉は、加熱バーナーを備えた溶解室の上部に、筒状のタワー部を備えた構造になっている。タワー部の上端には投入口が上向きに開口形成され、該投入口から溶解材料(アルミニウムの地金、廃材など)を投入できるようになっている。投入された溶解材料は、溶解室内で加熱バーナーの火炎により溶解され、溶解された溶湯は、溶解室の傾斜した床部に沿って移動し、隣接する保持室で高温に保たれた状態で貯留される(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−69581号公報
しかしながら、このような従来の技術にあっては、溶解材料を溶解させるために利用された溶解室内の熱は、上部の投入口から外部へ廃棄されるだけで、有効利用されずにいた。また、有効利用しようとしても、必要な量の熱量だけを取り出すことが困難であった。
本発明は、このような従来の技術に着目してなされたものであり、必要な量の廃熱を取り出して有効利用することができるアルミニウム溶解炉を提供するものである。
請求項1記載の発明は、加熱バーナーを備えた溶解室の上部に、溶解材料を溶解室内に投入する投入口が上向きに開口形成された筒状のタワー部を設けたアルミニウム溶解炉であって、前記タワー部の上部に投入口に沿うリング状の加熱容器を該加熱容器の底面が投入口の内側へ突出した状態で支持する共に、該加熱容器内に低融点金属を保持したことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、低融点金属が、錫、鉛、半田の何れかであることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、加熱容器の外周壁の一部に平坦部を形成し、該平坦部に対して接離方向へ移動自在な熱交換容器を平坦部に接触した状態で支持すると共に、該熱交換容器内に熱媒体を循環し、該熱交換容器と加熱容器との間に熱変形部を加熱容器に対して断熱した状態で設け、該熱変形部が所定の温度で変形して熱交換容器を平坦部から離反する方向へ移動させることを特徴とする。
請求項4記載の発明は、加熱容器内に配管を低融点金属と接触した状態で設けると共に、該配管内に熱媒体を循環し、タワー部の上端に、加熱容器の底面に略相応する形状の加熱板を固定する共に、該加熱板上に加熱容器を熱変形部を介して載置し、該熱変形部が所定の温度で変形して加熱容器を加熱板から離反する方向へ持ち上げることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、熱媒体がシリコンオイルであることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、タワー部の上部に支持した加熱容器内に低融点金属を保持したため、投入口から排出される廃熱により低融点金属を加熱溶融して、所定の熱量を有する熱源をそこに形成することができる。低融点金属の量を調整することにより、熱源としてパワーを調整することができる。溶解した液状の熱源であるため、加熱容器の形状に応じていかなる形態をとることも可能で、熱媒体との熱交換も容易であり、熱として取り出し易い。
請求項2記載の発明によれば、低融点金属が、錫、鉛、半田であるため、コストの面で有利である。
請求項3記載の発明によれば、所定の温度で熱交換容器が加熱容器の平坦部から離れるため、熱交換容器内の熱媒体の過熱を防止することができる。熱変形部が加熱容器に対して断熱されているため、熱変形部の変形は熱交換容器側の熱でコントロールされることとなり、熱交換容器内の熱媒体の過熱を確実に防止することができる。
請求項4記載の発明によれば、配管を加熱容器内の低融点金属に直接接触させて熱交換するため、熱交換効率が良い。また、所定の温度で加熱容器が加熱板から離れるため、加熱容器内の低融点金属の温度をコントロールして、加熱容器内を循環する熱媒体の過熱を防止することができる。
請求項5記載の発明によれば、熱媒体がシリコンオイルであるため、耐熱性に優れ、温度による粘度変化が小さいため、加熱容器からの効率的な熱の取り出しが可能となる。
(第1実施形態)図1〜図5は、本発明の第1実施形態を示す図である。本実施形態に係るアルミニウム溶解炉1は、上部に投入口2を有する円筒状のタワー部3と、投入口2から投入された溶解材料(アルミニウム地金や廃材など)4を床部5で受ける溶解室6とから構成されている。タワー部3及び溶解室6とも耐火煉瓦により形成されている。
タワー部3の投入口2から溶解材料4を投入した後には、投入口2は排煙口7を有する蓋体8により遮蔽される。溶解室6には加熱バーナー9が設置されていて、この加熱バーナー9の火炎により溶解室6の床部5上に堆積した溶解材料4を表面から溶解させることができる。溶解室6の床部5は傾斜しており、溶けて溶湯となったアルミニウムを隣接する保持室(図示省略)へ続く排出口10に導くことができる。
そして、タワー部3の上端には、タワー部3の投入口2に沿うリング状の加熱容器11が設置されている。加熱容器11は鉄製で、基本的に断面コ型をしており、上部がカバー12により塞がれている。
加熱容器11の内径は投入口2の内径よりも若干小さく、加熱容器11の底面13は投入口2の内側に突出している。加熱容器11の内径が若干小さくても中央が開口しているため、溶解材料4の投入には支障がない。
加熱容器11の外周壁の一部には外側へ張り出した膨出部14が形成されている。膨出部14の上部は別のカバー15により覆われている。膨出部14の先端は鉛直方向に沿った平坦部16となっている。膨出部14の両側にはフランジ17が形成されている。
このような形状をした加熱容器11の内部に、低融点金属18としての錫が保持されている。錫の融点は231°Cである。錫の代わりに融点が327°Cの鉛を利用しても良い。錫と鉛の合金である半田を利用すれば融点を183°Cと更に低くすることができる。錫、鉛、半田以外の合金による低融点金属を使用しても良い。
加熱容器11の底面13は、投入口2の内側に突出しているため、投入口2から排出される熱により加熱される。従って、加熱容器11の内部の低融点金属18は溶けて液状になる。タワー部3の投入口2よりも上部の熱は、その後に排出されるだけの廃熱であり、廃熱により加熱容器11を加熱する構造になっている。
加熱容器11における膨出部14には、基本的に矩形中空構造で鉄製の熱交換容器19が接離自在に支持されている(図4,5)。熱交換容器19は、交差する配管20、21により支持されており、配管20、21の撓みにより膨出部14に対して接離自在である。熱交換容器19を平坦部16へ押付ける付勢力も配管20、21により発生させている。従って、通常時は、熱交換容器19は平坦部16に対して隙間なく接触した状態になっている。また、熱交換容器19には、膨出部14を上下で挟むフランジ22も形成されている(図2,3)。このフランジ22は、セラミック製の断熱材23を介して、膨出部14に対して水平方向にスライド自在に接している。
そして、図4に示すように、膨出部14の両側に張り出し状態で形成したフランジ17の外側面には、断面L形のセラミック製の断熱材24が取付けられている(図4,5)。断熱材24に対向する熱交換容器19側には熱変形部25としての黄銅板が取付けられている。熱変形部25は両端が固定され、長さ方向での熱膨張が規制された状態になっている。
この熱交換容器19には、配管20、21を介して、熱媒体26としてのシリコンオイルが高圧蒸気発生装置27との間で、循環されている。
熱交換容器19から熱媒体26を排出する配管20は、二次加熱室28を経て、高圧蒸気発生装置27の加熱コイル29へ至り、高圧蒸気発生装置27の底部からギアポンプ30を介して、熱交換容器19へ導入される配管21へ連続している。配管20及び二次加熱室28は、ジャケット部31により覆われている。吸引ポンプ32によりジャケット31の内部を減圧して、配管20及び二次加熱室28からの放熱を防止している。
高圧蒸気発生装置27内には水Wが溜められており、水Wは加熱コイル29により加熱されて沸騰し、高圧蒸気を発生するようになっている。高圧蒸気発生装置27内の水Wは液面レベルセンサー33により監視することができる。高圧蒸気は、圧力調整弁34を有する蒸気排出口35から、前記熱媒体26による二次加熱室28内に形成された加熱通路36を通過して、蒸気駆動モータ37へ至る。高圧蒸気は、二次加熱室28を通過することにより高温の蒸気とされ、蒸気駆動モータ37に供給される。
蒸気駆動モータ37はロータリーベーン式で、蒸気の圧力により回転する。蒸気駆動モータ37の回転力は発電機38に伝達され、そこで発電をすることができる。蒸気駆動モータ37に代えて蒸気駆動タービンを使用しても良い。
蒸気駆動モータ37を経た蒸気は復水装置39に送られる。復水装置39は上部に冷却コイル40を有する。冷却コイル40に下部の貯水槽41からの水Wをポンプ42により循環して、蒸気を冷却コイル40により凝縮して水Wに戻す。凝縮された水Wは落下する間にファン43により温度が下げられる。冷却コイル40を通過して温度が上がった水Wは、高圧蒸気発生装置27に送られる。
貯水槽41の水Wは液面レベルセンサー44により監視され、水Wの量が減ると、給水部45から給水することができる。尚、高圧蒸気発生装置27の液面と、貯水槽41の液面を合わせると、貯水槽41の液面レベルセンサー44で、高圧蒸気発生装置27の液面も同時制御することができる。
高圧蒸気発生装置27内を循環する熱媒体26としてのシリコンオイルは、250°Cより高温になると粘度が上昇してゲル化する。それを防止するための構造が、前記熱交換容器19と加熱容器11との間に介在させた熱変形部25である。
通常時は、熱交換容器19と加熱容器11とが接しているため、加熱容器11内の低融点金属18から熱交換容器19内の熱媒体26へ伝熱して、熱媒体26を加熱することができる。
熱変形部25と加熱容器11との間には断熱材24が介在してあるため、熱変形部25は熱媒体26(熱交換容器19)だけの温度に影響される。
そして、熱交換容器19の温度が200°C以上になると、その熱を熱変形部25である黄銅で感知して、熱変形部25が熱膨張により湾曲して、熱交換容器19を加熱容器11の平坦部16から離反させる。すなわち、熱変形部25は長手方向に膨張しようとするが、両端が固定されているため、中央部分が湾曲して、熱交換容器19を外側へ押す。交差した配管20、21は撓むことができるため、熱交換容器19は配管20、21の弾性力に抗して加熱容器11から離反する方向へ移動することができる。従って、加熱容器11から熱交換容器19への伝熱が遮断され、熱媒体26の過熱が防止される。このように熱媒体26の温度は余裕をもって200°C以下に保たれるため、熱媒体26が250°Cに達してゲル化することを確実に防止することができる。
また、加熱容器11内の低融点金属18が熱により溶けた液状として存在するため、その低融点金属18の量を予め調整することにより、熱源としての低融点金属18のパワーを調整することができる。すなわち、大きな伝熱量が必要な場合は、加熱容器11の内の低融点金属18の量を多くして、低融点金属18の液面を高く保持する。小さな伝熱量で良い場合は、低融点金属18の量を少なくして、低融点金属18の液面を低く保持すれば良い。
更に、図4及び図5に示すように、膨出部14の平坦部16の裏側に、必要に応じて耐火煉瓦46を入れて、低融点金属18により加温される平坦部16の面積を制御することにより、熱交換容器19への伝熱量を調整しても良い。
いずれにしても、加熱容器11に低融点金属18を保持した構造のため、熱を取り出し易く、また取り出す熱量の調整も容易である。
(第2実施形態)図6〜図11は、本発明の第2実施形態を示す図である。本実施形態は、前記第1実施形態と同様の構成要素を備えている。よって、それら同様の構成要素については共通の符号を付すとともに、重複する説明を省略する。
本実施形態は、加熱容器47から熱媒体26への伝熱量を制御する別の構造を示すものである。この実施形態では、低融点金属48として融点が低い半田が使用されている。この実施形態では、熱媒体26を循環する配管49、50を加熱容器47の内部において一周した状態で一体的に連結してある(図10)。液状の低融点金属48と配管49、50とは直接接触する。
タワー部3の上端には、加熱容器47の底面51に相当するリング形状の加熱板52を投入口2側へ突出させた状態で固定した(図6,7)。この加熱板52は鉄製で、タワー部3内の熱により加熱される。
この加熱板52の上には、同じくリング形状をした熱変形部53としての黄銅板が固定されている。この熱変形部53は所定角度ごとに円周方向で一対の固定点54により固定されている(図8,11)。各固定点54同士の円周方向での範囲には、熱変形部53を変形し易いように、円周方向に沿うスリット55が形成されている(図11)。
熱変形部53の上部に前記加熱容器47が載置され、その底面51が熱変形部53における固定点54の間の中央位置にボルト56で固定されている(図8,9)。加熱板52のボルト56に対応する位置には干渉回避孔57が形成されている。
この実施形態によれば、熱媒体26を循環する配管49、50が加熱容器47内の溶けた低融点金属48に直接接触しているため、低融点金属48と熱媒体26との熱交換効率が良い。
そして、加熱容器47の温度が、内部の低融点金属48と熱交換している熱媒体26の温度を200°Cよりも高くする温度となった場合、すなわち、加熱容器47の温度が、高圧蒸気発生装置27の水Wにより冷やされて循環してきた熱媒体26を加熱容器47の低融点金属48中を循環する間に200°C以上に加熱してしまう程度の温度(例えば300°)となった場合、固定点54の間の熱変形部53が上方へ湾曲して加熱容器47を加熱板52から離反させる。
熱変形部53にスリット55が形成されているため、熱変形部53の剛性が低下し、上方へ湾曲しやすい。熱変形部53の湾曲は熱変形部53の円周方向において複数箇所発生し、加熱容器47は確実に持ち上げられて加熱板52から離間される。加熱容器47に接続されている配管49、50は上下に撓むため、加熱容器47の上方移動を許容する。
このようにすることにより、加熱容器47内の低融点金属48の温度が下がり、低融点金属48内を循環する熱媒体26の過熱を防止することができる。加熱容器47の温度が所定の温度に下がると、熱変形部53が再び平坦状になって加熱板52と接し、加熱板52により加熱容器47を加熱することができる。
以上の実施形態では、熱媒体26としてシリコンオイルを例にしたが、これに限定されず、水Wより沸点の高い液体であれば、他のものを使用することができる。
本発明の第1実施形態に係るアルミニウム溶解炉を示す断面図。 加熱容器に対して熱交換容器が接触している状態を示す縦断面図。 加熱容器に対して熱交換容器が離間している状態を示す縦断面図。 加熱容器に対して熱交換容器が接触している状態を示す横断面図。 加熱容器に対して熱交換容器が離間している状態を示す横断面図。 本発明の第2実施形態に係るアルミニウム溶解炉の加熱容器が加熱板に接触している状態を示す縦断面図。 加熱容器が加熱板から離間している状態を示す縦断面図。 熱変形部の変形前の状態を示す断面図。 熱変形部の変形後の状態を示す断面図。 加熱容器を示す横断面図。 加熱板を示す部分平面図。
符号の説明
1 アルミニウム溶解炉
2 投入口
3 タワー部
4 溶解材料
6 溶解室
9 加熱バーナー
11、47 加熱容器
13、51 底面
16 平坦部
18、48 低融点金属
19 熱交換容器
20、21、49、50 配管
25、53 熱変形部
26 熱媒体
52 加熱板

Claims (5)

  1. 加熱バーナーを備えた溶解室の上部に、溶解材料を溶解室内に投入する投入口が上向きに開口形成された筒状のタワー部を設けたアルミニウム溶解炉であって、
    前記タワー部の上部に投入口に沿うリング状の加熱容器を該加熱容器の底面が投入口の内側へ突出した状態で支持する共に、該加熱容器内に低融点金属を保持したことを特徴とするアルミニウム溶解炉。
  2. 低融点金属が、錫、鉛、半田の何れかであることを特徴とする請求項1記載のアルミニウム溶解炉。
  3. 加熱容器の外周壁の一部に平坦部を形成し、
    該平坦部に対して接離方向へ移動自在な熱交換容器を平坦部に接触した状態で支持すると共に、該熱交換容器内に熱媒体を循環し、
    該熱交換容器と加熱容器との間に熱変形部を加熱容器に対して断熱した状態で設け、
    該熱変形部が所定の温度で変形して熱交換容器を平坦部から離反する方向へ移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアルミニウム溶解炉。
  4. 加熱容器内に配管を低融点金属と接触した状態で設けると共に、該配管内に熱媒体を循環し、
    タワー部の上端に、加熱容器の底面に略相応する形状の加熱板を固定する共に、該加熱板上に加熱容器を熱変形部を介して載置し、
    該熱変形部が所定の温度で変形して加熱容器を加熱板から離反する方向へ持ち上げることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のアルミニウム溶解炉。
  5. 熱媒体がシリコンオイルであることを特徴とする請求項3又は請求項4記載のアルミニウム溶解炉。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105728684A (zh) * 2016-03-25 2016-07-06 湖南中特液力传动机械有限公司 液力偶合器全金属模模具预热方法及应用

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