JP2009047064A - 排ガス浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内燃機関20の排気通路21に設けられ、前記内燃機関20から排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集して堆積するフィルタ11を備える排ガス浄化装置10であって、前記フィルタ11に流入する排ガス、前記フィルタ11内を流通している排ガス、又は前記フィルタ11に、発火点及び引火点を有さない陰イオン界面活性剤を含む浄化液を供給する浄化液供給手段12を備えることを特徴とする排ガス浄化装置10によれば、排ガス中に含まれるPMを効率的に浄化できる。
【選択図】図1
Description
第1実施形態に係る排ガス浄化装置10の概略構成図を図1に示す。第1実施形態に係る排ガス浄化装置10は、内燃機関20、好ましくはディーゼルエンジンの排気通路21に設けられ、内燃機関20から排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を浄化するために用いられる。排ガス浄化装置10は、内燃機関20から排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集して堆積するフィルタ11を備え、フィルタ11に流入する排ガス、フィルタ11内を流通している排ガス、又はフィルタ11に、発火点及び引火点を有さない陰イオン界面活性剤を含む浄化液を供給する浄化液供給手段12を備えることを特徴とする。
フィルタ11としては、三次元網目構造を有し、十分なPM捕集機能を有するものであれば特に限定されず、従来公知のフィルタが用いられる。具体的には、発泡金属や発泡セラミックス、金属やセラミックス繊維を重ね合わせた不織布、ウォールフロータイプのフィルタ等が挙げられる。これらのうち、捕集効率、及びPMと触媒との接触性の観点から、ウォールフロータイプのフィルタが好ましく用いられる。
浄化液供給手段12は、後述する浄化液を、フィルタ11に流入する排ガス、フィルタ11内を流通している排ガス、又はフィルタ11に供給できるものであればよく、その構成は特に限定されない。例えば、浄化液が貯蔵された浄化液タンクと、この浄化液タンク内に貯蔵された浄化液を、フィルタ11に流入する排ガス、フィルタ11内を流通している排ガス、又はフィルタ11に供給する供給ポートと、を有するものであってよい。また、本実施形態の変形例として、浄化液供給手段が、フィルタ11を浄化液中に浸漬させることが可能な浄化液槽を有するものであってもよい。
本実施形態で用いられる浄化液は、発火点及び引火点を有さない陰イオン界面活性剤を含むことを特徴とする。陰イオン界面活性剤が発火点及び引火点を有さないことから、排気系中に供給した場合であっても燃焼することがなく、有効に作用する。ここで、「発火点」とは、炎の存在無しに大気中に置かれた物体が継続的に燃焼し始める最低温度を意味し、「引火点」とは、炎の存在下で大気中に置かれた物体が着火する最低温度を意味する。
第2実施形態に係る排ガス浄化装置は、基本構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態と異なる点として、陰イオン界面活性剤を含むウォッシャー液が貯蔵されたウォッシャー液タンクと、陰イオン界面活性剤を含む尿素水が貯蔵された尿素水タンクと、をさらに備える。また、浄化液供給手段が、ウォッシャー液及び尿素水のうち少なくとも一方を浄化液として導入する導入手段を備えることを特徴とする。
第3実施形態に係る排ガス浄化装置も、基本構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態と異なる点として、フィルタに流入する排ガス又はフィルタ内を流通している排ガスの温度を検知する排ガス温度検知手段と、排ガス温度検知手段により検知された排ガス温度が浄化液の沸点以下であるときに、浄化液供給手段を駆動させる第一制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
第4実施形態に係る排ガス浄化装置も、基本構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態と異なる点として、フィルタの温度を検知するフィルタ温度検知手段と、浄化液の供給により粒子状物質が燃焼を開始する燃焼開始温度が予め記憶された記憶手段と、フィルタ温度検知手段により検知されたフィルタ温度が、記憶手段により記憶された燃焼開始温度を超えたときに、浄化液供給手段を駆動させる第二制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
第5実施形態に係る排ガス浄化装置も、基本構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態と異なる点として、フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ除去手段と、フィルタの粒子状物質堆積量を推定する推定手段と、推定手段により推定された粒子状物質堆積量が所定値を超えたときに、浄化液供給手段を駆動させてからフィルタ除去手段を駆動させる第三制御手段と、をさらに備えることを特徴とする。
第6実施形態に係る排ガス浄化装置も、基本構成は第1実施形態と同様である。第1実施形態と異なる点として、フィルタの流入口壁面に多孔質層をさらに備えることを特徴とする。多孔質層は、フィルタの気孔率よりも高い気孔率を有するものであればよく、特に限定されない。フィルタの流入口壁面にこの多孔質層が存在することにより、フィルタ内に流入する排ガスの拡散性が良好となり、排ガス中の酸素がPMに効率的に供給される。その結果、PMの燃焼が促進され、上記陰イオン界面活性剤との相乗効果により、PM燃焼性能が著しく向上する。このため、フィルタの流入口壁面に触媒を塗布するまでもなく、優れたPM燃焼性能が得られる。
07MYCR−V2.2Lディーゼルエンジンを用い、定常状態(2500rpm 110N.m)にて排出されたPMを、図2に示すような単体評価装置(堀場製作所製)を用いて、気孔率42.3%、平均気孔径10.7μmのイビデン社製SiC DPF 44ccに2g/L堆積させた。
その後、窒素雰囲気(21.31/min)まで昇温させた後、酸素15%、及び窒素85%の混合ガス(25.11/min)を流通させた。発生したCO及びCO2濃度を、堀場製作所製「MEXA−7500D」により計測し、下記の式(1)によりPM残存率(%)を算出した。なお、式(1)中、PM堆積量とは、PM堆積テストにて堆積したPM量を表し、単位はいずれもgである。
上記PM堆積テストに従って、DPFにPMを堆積させた。次いで、堆積したPMに、関東化学株式会社製鹿1級n−ドデシル硫酸ナトリウム1000ppmを溶解させた水溶液6gを滴下した後、上記PM燃焼テストに供した。
n−ドデシル硫酸ナトリウムの濃度を100ppmとした以外は、実施例1と同様の処理を行い、上記PM燃焼テストに供した。
n−ドデシル硫酸ナトリウムの濃度を10ppmとした以外は、実施例1と同様の処理を行い、上記PM燃焼テストに供した。
n−ドデシル硫酸ナトリウム1000ppmの代わりに、アルキル(C12−15)エーテル硫酸エステルナトリウム1000ppmを用いた以外は、実施例1と同様の処理を行い、上記PM燃焼テストに供した。
n−ドデシル硫酸ナトリウム1000ppmの代わりに、関東化学株式会社製鹿1級ラウリルベンゼンスルホン硫酸ナトリウム1000ppmを用いた以外は、実施例1と同様の処理を行い、上記PM燃焼テストに供した。
比表面積130m2/gを有するアルミナ40gを秤量し、水と湿式粉砕してスラリー化し、上記イビデン社製SiC DPF(径:34mm、長さ:40mm)をスラリーに浸漬し、余分なスラリーを取除き、200℃で3時間乾燥後、800℃で4時間焼成して、アルミナを担持した構造体を得た。
DPFにPMを堆積させた後、軽油6gを滴下させた後、上記PM燃焼テストに供した。
DPFにPMを堆積させた後、蒸留水6gを滴下させた後、上記PM燃焼テストに供した。
DPFにPMを堆積させた後、日本エマルジョン株式会社製ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油「EMALEX HC−40」1000ppmを溶解させた水溶液6gを滴下させた後、上記PM燃焼テストに供した。
DPFにPMを堆積させた後、関東化学株式会社製(純度90%以上)N,N−ジメチル−n−ドデシルアミン1000ppmを溶解させた水溶液6gを滴下させた後、上記PM燃焼テストに供した。
界面活性剤による効果の確認結果を図3に示す。縦軸はPM残存率(%)を表し、横軸は窒素及び酸素混合ガスを流通させた時間(秒)を表す。図3に示されるように、ラウリル硫酸ナトリム1000ppmを添加した場合(実施例1)のPM残存率は、CSF(比較例1)、蒸留水を添加した場合(比較例3)、及び軽油を添加した場合(比較例2)に比して、格段に低く、PM燃焼性が優れていることが確認された。
硝酸セリウム2gを1Lの純水に溶解した後、噴霧熱分解装置を用いて酸化セリウムを調製した。調製した酸化セリウムをキャリアーガスと共にDPFに導入し、酸化セリウムのみを、DPFの流入口壁面に堆積させた。噴霧熱分解装置の炉内の温度は800℃であり、キャリアーガスは1L/min、溶液は0.02L/minにて炉内に滴下させた。これにより、DPFの流入口壁面に、酸化セリウムが堆積することにより多孔質層が形成された。
実施例6のように、DPF流入口壁面に多孔質層が形成されたものについて、界面活性剤を添加することなく、上記PM堆積テスト及びPM燃焼テストに供した。
11 フィルタ
12 浄化液供給手段
20 内燃機関
21 排ガス通路
30 単体評価装置
31 加熱炉
32 DPF
33 N2ボンベ
34 O2ボンベ
Claims (13)
- 内燃機関の排気通路に設けられ、前記内燃機関から排出される排ガス中に含まれる粒子状物質を捕集して堆積するフィルタを備える排ガス浄化装置であって、
前記フィルタに流入する排ガス、前記フィルタ内を流通している排ガス、又は前記フィルタに、発火点及び引火点を有さない陰イオン界面活性剤を含む浄化液を供給する浄化液供給手段を備えることを特徴とする排ガス浄化装置。 - 前記浄化液が、スルホン酸基を有する陰イオン界面活性剤を含む請求項1記載の排ガス浄化装置。
- 前記浄化液が、硫酸基を有する陰イオン界面活性剤を含む請求項1又は2記載の排ガス浄化装置。
- 前記浄化液が、アルキル硫酸ナトリウム及びアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムのうち少なくとも一方を含む請求項1から3いずれか記載の排ガス浄化装置。
- 前記浄化液が、ラウリル硫酸ナトリウムを含む請求項1から4いずれか記載の排ガス浄化装置。
- 前記浄化液に対する前記陰イオン界面活性剤の総含有量が、10ppm以上飽和溶解度以下である請求項1から5いずれか記載の排ガス浄化装置。
- 前記陰イオン界面活性剤を含むウォッシャー液が貯蔵されたウォッシャー液タンクと、前記陰イオン界面活性剤を含む尿素水が貯蔵された尿素水タンクと、をさらに備え、
前記浄化液供給手段は、前記ウォッシャー液及び前記尿素水のうち少なくとも一方を前記浄化液として導入する導入手段を備える請求項1から6いずれか記載の排ガス浄化装置。 - 前記フィルタに流入する排ガス又は前記フィルタ内を流通している排ガスの温度を検知する排ガス温度検知手段と、
前記排ガス温度検知手段により検知された排ガス温度が前記浄化液の沸点以下であるときに、前記浄化液供給手段を駆動させる第一制御手段と、をさらに備える請求項1から7いずれか記載の排ガス浄化装置。 - 前記フィルタの温度を検知するフィルタ温度検知手段と、
前記浄化液の供給により粒子状物質が燃焼を開始する燃焼開始温度が予め記憶された記憶手段と、
前記フィルタ温度検知手段により検知されたフィルタ温度が、前記記憶手段により記憶された燃焼開始温度を超えたときに、前記浄化液供給手段を駆動させる第二制御手段と、をさらに備える請求項1から8いずれか記載の排ガス浄化装置。 - 前記フィルタに堆積した粒子状物質を燃焼除去するフィルタ除去手段と、
前記フィルタの粒子状物質堆積量を推定する推定手段と、
前記推定手段により推定された粒子状物質堆積量が所定値を超えたときに、前記浄化液供給手段を駆動させてから前記フィルタ除去手段を駆動させる第三制御手段と、をさらに備える請求項1から9いずれか記載の排ガス浄化装置。 - 前記フィルタの流入口壁面に形成され、前記フィルタの気孔率よりも高い気孔率を有する多孔質層をさらに備える請求項1から10いずれか記載の排ガス浄化装置。
- 前記多孔質層は、粒径1μm以下の酸化物微粒子が堆積して形成されたものである請求項11記載の排ガス浄化装置。
- 前記多孔質層の厚みが、5μm〜100μmである請求項11又は12記載の排ガス浄化装置。
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