JP2009046919A - 融雪用地下水槽とその埋設方法 - Google Patents

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俊明 堀川
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Abstract

【課題】 無散水融雪方式の熱エネルギーとして、省エネかつ確実な融雪用地下水槽と、その埋設方法を提供する。
【解決手段】融雪用地下水槽に仕切板と冷水ゲートを設けた水槽と、積雪下においてその水槽を埋設した地表面下に空気層を形成し、その上の地表面にビニールシートを敷いた。
【選択図】 図2

Description

本発明は、地表面下に配設したパイプに地熱による加温水で雪を融かすための融雪用地下水槽の仕組みと、その水槽の埋設方式に関するものである。
道路や駐車場などの雪を融かす方法として地下水の散水方式もあるが、近年は散水せず地表面下にパイプを配設した無散水方式が主流である。雪を融かす熱エネルギーとしては地下水を流したり、温水熱源として電気・ガス・灯油などの熱源機器で加温して循環させる方法がある。又、地熱を利用したコンクリート管方式や浄化槽による融雪装置として下記が公知されている。
特開平11−350445号公報 特開平2000−240029号公報 特開平2006−2539号公報
しかしながら無散水方式としての熱源は、電気・ガス・灯油等を用いるが何れもエネルギー消費が大きいし、地下水方式といえども、どこにでも地下水があるとは限らず不確実である。昨今の地球温暖化の実態を考えるとき、雪国では欠かせない融雪は、環境保全、省エネルギーを考慮すると共に、安価な維持費と確実な方式が求められている。
本発明のその1は、融雪用地下水槽において、図2に示す仕切板2−1・2−2・2−3を適数箇所配設し、図1に示す仕切板端面に交互に冷水ゲート6を設けた水槽に、冷水吐き出し管3と地熱による加温水の吸い込み管4で構成することを特徴とする融雪用地下水槽である。
本発明のその2は、冬期の積雪状態において、上述の水槽を埋設した地表面下に玉砂利などで空気が混在する隙間を作った地表面空気層9を設け、その上の地表面にビニールシート8を敷いた埋設方式である。
上述の水槽とその埋設方法により、地下水や電気・ガス・灯油を使わず、地熱や雪の自然エネルギーを活用した環境保全、省エネルギーに寄与する融雪方式であると共に、安価な維持費と確実な無散水融雪ができるようになる。
本発明の実施形態を図1・図2で詳細説明する。本水槽1の水は、フート弁16より地熱による加温水の吸い込み管4と図示しないが地上ポンプにより地表下面の融雪パイプを通って放熱し冷却される。その後、冷水吐き出し管3より水槽に循環するとき、帰り冷水と加温水が混合せず、帰り冷水が地熱により再加温されて、再び4より吸い上げることができる。
これを図1により詳述すると、3から吐き出された冷水は水槽下面の仕切板と冷水ゲート6を設けることで、水槽下面の冷水順路5に示す通り移動し、水温差により上昇せず、水槽下面に貯留しながら時間をかけて地熱によって昇温する。又、地熱による加温水の吸い込み管4近傍の仕切板には冷水ゲートを設けないので、4は3の冷水を吸い上げることはない。
次に図2により詳述すると、上述の通り冷水は仕切板と冷水ゲート6により、それぞれゲートを通過し水槽底面に貯留すると共に、仕切板上面まで冷水が貯留すると、冷水上面12・13・14をそれぞれ冷水温度T1・T2,T3として仕切板上面を超えて移動する。このとき冷水温度であっても時間と共に地熱により昇温するので、帰り冷水温度Tから地熱による加温水温度T5に至るそれぞれの冷水温度は、低い順にT・T1・T2・T3・T4・T5となる。
このような作用により帰り冷水温度Tは、地熱による加温水温度T5と混合せず、順次昇温され、地熱による加温水温度T5として再び吸い込み管4に吸い上げられる水槽構造である。
次に水槽の埋設方式について詳述する。雪で被われた地表面は氷点下であってもほぼ0℃に近い温度であることは一般に知られている。(雪に学び雪を楽しむ−国交省都市地域整備局発行)その積雪状態において、図2に示すように地表面下に玉砂利などで空気が混在する隙間を作った地表面空気層9を設け、その上の地表面にビニールシート8を敷く構成とする。地表面空気層9内の下部空気は地熱により加温されて上昇し、ビニールシート下の空気は雪温で冷やされるので、9内においては上下の空気対流が行われる。ビニールシートの雪に接する上面空気は0℃前後であっても、その空気を遮断するビニールシート下部の9は、地熱の対流空気により0℃以上の温度となる。
このような埋設方式の作用によって、地熱による加温水温度T5は、地表から冷却されにくい水温を保つことができる。
又、雪とビニールシートと地表面空気層により、断熱材を使わずに地表面の凍結帯を昇温させる埋設方式と前述のその水槽において、融雪する熱量は、時間当りの循環水量と、T5とTの水温差で算出できるし、その状態におけるTからT5に昇温する時間により水槽の大きさ、貯水量も決めることができる。
図1、図2はコンクリート水槽を図示したが、市販の樹脂製の水槽で前述の構成をしてもよい。又、水槽の貯留水は下面は冷たく、上面は加温水であることから、図2に示すように冷水吐き出し管3は水槽の下方に、地熱による加温水の吸い込み管4は水槽水上面11近傍に配設すると共に、冷水上面は12・13・14と加温水の吸い込み管4に向かって順次低く設定する。さらに、水槽水は不凍液であれば凍結防止にもなり、雪の降らない時は循環ポンプの停止もできるので更なる省エネとなる。
平面における水槽下面の冷水流れ図 本水槽の地下埋設立面図と冷水の順路図
符号の説明
1 水槽 T 3 冷水温度
2−1 仕切板 T 4 冷水温度
2−2 仕切板 T 5 地熱による加温水温度
2−3 仕切板
3 冷水吐き出し管
4 地熱による加温水の吸い込み管
5 水槽下面の冷水順路
6 冷水ゲート
7 地表面
8 ビニールシート
9 地表面空気層
10 水槽底面
11 水槽水上面
12 冷水上面
13 冷水上面
14 冷水上面
15 冷水上面
16 フート弁
17 地熱加温層上面
18 雪層
T 帰り冷水温度
T 1 冷水温度
T 2 冷水温度

Claims (2)

  1. 融雪用地下水槽において、図2に示す仕切板を適数箇所配設し、図1に示す仕切板の端面に交互に冷水ゲートを設けた水槽に、冷水吐き出し管と地熱による加温水の吸い込み管で構成することを特徴とする融雪用地下水槽。
  2. 冬期の積雪状態において、請求項1の水槽を埋設した地表面下に玉砂利などで空気が混在する隙間を作った地表面空気層を設け、その上の地表面にビニールシートを敷いたことを特徴とする融雪用地下水槽の埋設方式。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111235986A (zh) * 2020-01-12 2020-06-05 邸帅 环保式公路结构及其施工方法

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