JP2009045071A - 新規表面抗原 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)からの新規表面ポリペプチドと共に、本タンパク質をコードする核酸および核酸配列相同体を提供する。
【解決手段】本発明のポリペプチドおよび核酸を含む薬学的組成物を、髄膜炎菌(N.meningitidis)感染症の治療、予防および診断において有用な方法と共に開示する。
【選択図】なし

Description

(発明の分野)
本発明は、例えば髄膜炎菌から得られる新規ポリペプチド;このようなポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列;診断用薬剤、治療用ワクチン及び予防用ワクチン;並びに薬剤の設計及びスクリーニング或いはそのいずれかの目的で、当該ポリペプチド及びヌクレオチドを使用する方法に関するものである。
(発明の背景)
髄膜炎菌はグラム陰性菌であり、これが髄膜炎菌性髄膜炎及び敗血症を引き起こす原因となっている。この菌に関して、すでに知られている唯一の宿主はヒトであり、集団の約10%がこの菌を無症候状態で保菌している可能性がある(Caugant,D.ら、1994,Journal of Clinical Microbiology,32:323−30)。
髄膜炎菌は多糖カプセルを発現することができ、これにより、当該菌を発現カプセルの性質に従って分類することが可能となる。髄膜炎菌には、少なくとも13種類の漿液グループが存在する。即ち、A,B,C,29−E,H,I,K,L,W135,X,Y及びZである。これらの中で、漿液グループA、B及びCで、90%の髄膜炎菌性の病気が引き起こされている(Poolman,J.T.ら、1995,Infectious Agents and Disease,4:13−28)。漿液グループA及びCを対象としたワクチンがすでに市販されているが、漿液グループBのカプセル状多糖の免疫原性は乏しく、これがヒトの体内で保護効果を誘発することは無い。
従って現在、その他の膜及び細胞外成分について、これらをワクチンに加えることの是非について検討しているところである。これらの例として、クラス1、2及び3の外膜タンパク質(ポリン)、並びにクラス4(Rmp)及び5(混濁タンパク質)が存在する。しかし、現在に至るまで、これらの候補の中で完全な保護効果を、ヒト特に子供の体内で誘発するものは見いだされていない(Romero,J.D.,1994,Clinical Microbiology Review,7:559−575;Poolman,J.T.ら、1995,supra)。
有効なワクチンを創りだすためには、多くの菌株中に存在し、且つ保護免疫反応を誘発できる髄膜炎菌成分(殺菌抗体)が何であるかを突き止めることが必要である。この点に関して、Brodeurら(国際特許公告WO96/29412)が参考になる。彼らは、現在知られている全ての髄膜炎菌株の99%について高度に保全されている22kDaの表面タンパク質について開示を行っている。
精製組み替え22kDa表面タンパク質をネズミに注射したところ、これらのネズミの80%において、髄膜炎菌による致死感染に対して保護効果を発揮した。当該タンパク質が発見されたにも拘わらず、複数の菌株で高度に保全され、且つ髄膜炎菌に対して免疫保護プロフィールを有し、場合によっては髄膜炎菌のその他の成分と組み合わせて、髄膜炎菌に対する保護効果を高めることのできるような髄膜炎菌表面タンパク質を単離する努力をさらに続ける必要がある。
(発明の要約)
本発明者は、髄膜炎菌の試験対象菌株全ての中に存在し、予想分子量約62kDaを有する新規ポリペプチドをコード化するような新しい遺伝子を発見した。その配列特性及び相同性から、このポリペプチドはアドヘシンであると予想された。さらに実験データも考慮に入れると、このポリペプチドは、髄膜炎菌に対する治療及び予防ワクチンの製造に有用な、後述する表面タンパク質を構成していることが示唆される。
従って本発明は、その一側面において、単離ポリペプチド又はそのフラグメント或いはこれらの突然変異株又は誘導体を提供するものであり、当該ポリペプチドは下記で構成されるグループから選択される。
(a)SEQ ID番号2に従うポリペプチド
(b)SEQ ID番号5に従うポリペプチド
(c)SEQ ID番号7に従うポリペプチド
(d)SEQ ID番号9に従うポリペプチド
(e)SEQ ID番号11に従うポリペプチド
(f)SEQ ID番号13に従うポリペプチド
(g)SEQ ID番号15に従うポリペプチド
(h)SEQ ID番号17に従うポリペプチド
(i)SEQ ID番号19に従うポリペプチド
(j)SEQ ID番号21に従うポリペプチド
当該ポリペプチド、フラグメント、突然変異体又は誘導体は、下記で構成されるグループのメンバー1種類又は2種類以上に対して、免疫学的活性を示すものであることが好ましい:−
(i)髄膜炎菌
(ii)当該ポリペプチド
(iii)当該フラグメント
(iv)当該突然変異体
(v)当該誘導体
また他の側面によれば、本発明は、前述した第1の側面に基づくポリペプチド又はそのフラグメントをコード化するような単離核酸配列を提供するものである。当該配列は、下記で構成されるグループから選択されるのが適切である:−
(1)SEQ ID番号1のヌクレオチド配列
(2)SEQ ID番号3のヌクレオチド配列
(3)SEQ ID番号4のヌクレオチド配列
(4)SEQ ID番号6のヌクレオチド配列
(5)SEQ ID番号8のヌクレオチド配列
(6)SEQ ID番号10のヌクレオチド配列
(7)SEQ ID番号12のヌクレオチド配列
(8)SEQ ID番号14のヌクレオチド配列
(9)SEQ ID番号16のヌクレオチド配列
(10)SEQ ID番号18のヌクレオチド配列
(11)SEQ ID番号20のヌクレオチド配列
(12)SEQ ID番号1、3、4、6、8、10、12、14、16、18及び20の中のいずれか一つのヌクレオチド配列フラグメント
(13)上記いずれかのヌクレオチド配列相同体
当該配列は、下記で構成されるグループから選択される1種類又は2種類以上のメンバーに対して免疫学的活性を示す生成物を、コード化するようなものであることが好ましい:−
(i)髄膜炎菌
(ii)第1の側面で述べたポリペプチド
(iii)第1の側面で述べたフラグメント
(iv)第1の側面で述べた突然変異体
(v)第1の側面で述べた誘導体
さらに他の側面において、本発明は、上記第2の側面に基づく核酸配列を構成する発現ベクターであり、当該配列が転写及び翻訳調節核酸に結合することのできるようなベクターを提供するものである。
さらに他の側面において、本発明は、上記第3の側面に基づく発現ベクターを含む、宿主細胞を提供するものである。
さらに他の側面において、本発明は、上記第1の側面に基づく組み替えポリペプチドの製造方法であり、当該方法が下記のステップで構成される製造方法を提供するものである:
(A)上記第3の側面に基づく発現ベクターをを含む宿主細胞を培養し、当該組み替えポリペプチドを当該核酸から発現させ、
(B)当該組み替えポリペプチドを単離する。
さらに他の側面において、本発明は、下記で構成されるグループから選択された、1種類又は2種類以上のメンバーに結合する抗体又はそのフラグメントを提供するものである:−
(1)髄膜炎菌
(2)第1の側面で述べたポリペプチド
(3)第1の側面で述べたフラグメント
(4)第1の側面で述べた突然変異体
(5)第1の側面で述べた誘導体
さらに他の側面において、本発明は、髄膜炎菌の存在が疑われる生物学的サンプルの中から、当該髄膜炎菌を検出する方法を提供するものであり、当該方法は下記のステップで構成される:−
(A)当該生物学的サンプルを患者から単離する。
(B)上記抗体又はフラグメントを、当該生物学的サンプルに混合する。
(C)髄膜炎菌の存在を示す混合物中において、特定の結合を有する抗体又はフラグメントを検出する。
さらに他の側面において、本発明は、髄膜炎菌を含む疑いのある生物学的サンプル中から、当該髄膜炎菌を検出する方法を提供するものであり、当該方法は下記のステップで構成される。
(I)当該生物学的サンプルを患者から単離する。
(II)髄膜炎菌の存在を示すサンプル中において、上記第2の側面に基づく核酸配列を検出する。
本発明は、さらに患者が髄膜炎菌に感染しているかどうかを診断する方法の提供を目論むものであり、当該方法は下記のステップで構成される:−
(1)患者から採取した生物学的サンプルを、本発明のポリペプチド、フラグメント、突然変異体又は誘導体に接触させ、
(2)当該ポリペプチド、フラグメント、突然変異体又は誘導体と、当該サンプル中の髄膜炎菌固有抗体の間で形成された錯体の有無を調べる。ここに、当該錯体が存在すれば、当該感染が発生していることが示される。
本発明は、上記第1の側面に基づく当該ポリペプチドの使用方法、上記第2の側面に基づく当該核酸の使用方法、又は上記キットで述べた、当該抗体又は抗体フラグメントを、生物学的サンプル中に存在する髄膜炎菌を検出する方法にまで拡張するものである。
本発明のさらに他の側面によれば、本発明は、上記第1の側面に基づく単離ポリペプチド又はそのフラグメント或いはこれらの突然変異体又は誘導体で構成される、医薬品組成物を提供するものである。
当該医薬品組成物は、ワクチンとして使用できるものであることが好ましい。
さらに他の側面において、本発明は、髄膜炎菌による患者の感染を予防する方法を提供するものであり、当該方法は、医薬品として有効量の上記ワクチンを投与するステップで構成される。
さらに他の側面において、本発明は、ポリペプチド、その突然変異体又は誘導体中において、その免疫反応フラグメントを同定する方法を提供するものであり、当該方法は下記のステップで構成される:−
(a)当該ポリペプチド、突然変異体又は誘導体のフラグメントを発生させる。
(b)当該フラグメントを哺乳動物に投与する。
(c)当該哺乳動物の体内において、特定様式で結合した髄膜炎菌並びに当該ポリペプチド、突然変異体又は誘導体に結合する要素が生成するなどの免疫反応の全て又は一部、或いは髄膜炎菌の感染に対する保護効果を検出する。
(発明の詳細な説明)
本明細書及びこれに付属する請求範囲を通じて、その文脈が他の要求を行うことが無い限り、「構成する」という言葉は、そこに述べられている単独完全体又は完全体グループを包含することを意味している。しかし、これにより、その他の単独完全体又は完全体グループを排除するものではない。
(ポリペプチド配列)
本発明は、SEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に基づく単離ポリペプチド、又はこれら各々のフラグメントを提供するものである。その優先態様においては、本発明のポリペプチドはフラグメント、突然変異体及び誘導体は、髄膜炎菌、当該ポリペプチド、当該フラグメント、当該突然変異体及び当該誘導体で構成されるグループから選ばれた、いずれか1種類のメンバーに対して免疫学的活性を示すものである。
SEQ ID番号2は、髄膜炎菌株MC58から得られるhiaNm遺伝子において、約62kDaの新規表面ポリペプチドに対応する。このポリペプチドに関しては、後でさらに詳細に説明する。SEQ ID番号5、7、9、11、13、15、17、19及び21は、髄膜炎菌株BZ10、BZ198、EG327、EG329、H15、H38、H41、P20及びPMC21から得られるヌクレオチド配列の相同体ポリペプチドにそれぞれ対応する。
本発明の目的に沿って、「免疫学的活性」という用語は、前述したポリペプチド、フラグメント、突然変異体又は誘導体が、これらを投与した哺乳動物の体内で免疫反応を造りだす能力を意味するものとする。ここに、当該反応とは、特に髄膜炎菌;或いは当該ポリペプチド、フラグメント、突然変異体又は誘導体要素の生成反応;或いは髄膜炎菌の感染に対する保護効果、もしくはこれら全ての反応を含むものとする。
「単離」という言葉は、本来共存する成分を事実上又は本質的に含まない状態で、ある物質を純粋に取り出すことを意味するものとする。
「ポリペプチド」という用語は、タンパク質などの長鎖ポリペプチドを意味するものとする。
本明細書で使用している「フラグメント」という用語は、遺伝子決失突然変異株;及び少なくとも6個のアミノ酸、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも20個のアミノ酸を含む小型ポリペプチドも意味し、当該フラグメントは抗原決定基即ちエピトープを構成するものとする。このようなフラグメントを、5−6個つなげることもできる。このタイプのペプチドは、標準的な組み替え核酸技術或いは従来の液相又は固相合成技術を適用することにより合成することができる。例えば、Nicholson編Blackwell Scientific Publications社刊「合成ワクチン」第9章「ペプチド合成」(Atherton及びShephard共著)で述べられている溶液合成法又は固相合成法が参考になる。これに代わる方法として、ペプチドは、本発明のポリペプチドを、endoLys−C、endoArg−C、endoGlu−C及びブドウ球菌V8プロテアーゼなどのプロテアーゼで消化することにより造ることができる。消化により得られたフラグメントは、例えば高性能液体クロマトグラフ(HPLC)法により、これを精製することができる。
「突然変異体」という用語は、1種類又は2種類以上のアミノ酸を他のアミノ酸で置換したポリペプチドを意味している。その性質を変えることなく、ある種のアミノ酸を、当該ポリペプチド活性の性格を変えることなく、これと類似の性質を有する他の広範囲のアミノ酸に変化させ得る(保守的置換できる)ことは、文献から明らかである。ポリペプチドにおける代表的な保守的置換の例を、下表に示す。
Figure 2009045071
表1に示したものより保守性の度合いが低い置換基を選べば、その機能を大きく変えることができる。また、非保守性置換基を選ぶこともできるが、これらの基で許容されるものの数は比較的に少ない。一般に、ポリペプチドの性質に最も大きな変化をつくり出す可能性の高い当該置換には、下記のようなものがある。即ち、(a)親水性残基(例えばSer又はThr)を疎水性残基(例えばAla、Leu、Ile、Phe又はVal)で置換する場合;(b)システイン又はプロリンを他の残基で置換する場合;(c)電気的に陽性の側鎖を有する残基(例えばArg、His又はLys)を電気的に陰性の残基(例えばGlu又はAsp)で置換する場合;又は(d)嵩高い側鎖を有する残基(例えばPhe又はTrp)を小さな側鎖を有する残基(例えばAla、Ser)又は側鎖を有しない残基(例えばGly)で置換する場合。
一般に、突然変異体は、例えばSEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に示されるように、基本配列に対して少なくとも75%が相同であることが適切であり、少なくとも80%が相同であることがより適切であり、少なくとも90%が相同であることが最も適切である。
相同性とは、「表1で定義した保守的置換と同一又はこれを構成するアミノ酸の割合」として定義される。
相同性は、本明細書に参考文献として引用したGAP(Deverauxら、1984,Nucleic Acids Research 12,387−395)のような配列比較プログラムを使用してこれを決定することができる。このようにして、本明細書に引用したのと類似又はこれと事実上異なる長さの配列を、配列の中にギャップを組み入れることにより比較することができる。当該ギャップは、例えばGAPで使用される比較アルゴリズムにより決定することができる。適切な突然変異体の構成成分は、従来の手法によりこれを決定することができる。例えば、SEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に従ってポリペプチドをコード化するような核酸は、ランダム突然変異生成法、例えばトランスポゾン突然変異生成法又はサイト指向突然変異生成法を使用して、これを突然変異させることができる。
その結果得られるDNAフラグメントを、次に従来の手法を使用して、E.coliのような適切な発現宿主の中へクローン化し、所望される活性を保持しているクローンを検出する。
ランダム突然変異生成法を使用してクローンを誘導した場合、当該突然変異を検出するためには、陽性クローンの配列決定を行わなければならない。「突然変異体」という用語には、天然に発生する対立突然変異体も含まれている。
「誘導体」という用語は、当該技術において容易に理解されるように、例えば他の化学基で基礎配列を共役化又は錯体化して修飾し、或いはこれを後翻訳修飾法により修飾して誘導したポリペプチドを意味している。
このような誘導体には、SEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に従うアミノ酸の削除体又はポリペプチドへの付加体又はその免疫反応活性を維持した変異体、或いはこれらの両者が含まれる。ここに、当該誘導体は免疫活性を維持している。
アミノ酸の「付加体」には、ポリペプチド又はその変異体が他のポリペプチド又はタンパク質と融合した融合体を含めることができる。この点において、本発明のポリペプチド又は変異体を、これより大きなポリペプチドの中へ組み込むことができ、またこのような大きなポリペプチドも、例えば髄膜炎菌に対して免疫学的活性を維持できることも容易に理解されよう。前述したポリペプチドを、例えば髄膜炎菌から誘導されないような、さらに他のタンパク質に融合し得ることも期待できる。この他のタンパク質も、一例として、当該タンパク質の精製を助けることができる。例えば、この点において、ポリヒスチジン標識又はマルトース結合タンパク質を使用することができる。これに関しては、後で詳細に説明する。
その他に、髄膜炎菌に対して有効な免疫反応をつくり出すこともできる。或いは、他の病原体に対して免疫反応をつくり出すこともできる。その他に、免疫調節反応をつくり出す融合タンパク質を調製することも可能である。このようなタンパク質の例として、タンパク質A又はグルタチオン Sトランスフェラーゼ(GST)を挙げることができる。さらに、当該ポリペプチドをオリゴ糖を主体とするワクチン成分に融合させることもできる。この場合、当該ポリペプチドは単体タンパク質として作用する。
本発明により考えられるその他の誘導体として、側鎖を修飾したもの;ペプチド、ポリペプチド又はタンパク質の合成過程で天然には存在しないアミノ酸又はその誘導体或いはこれらの両者を組み込んだもの;架橋剤の使用又は本発明のポリペプチド、フラグメント及び変異体に構造的な制約を課したもの、及びその他の方法があるが、本発明で考えられる派生体は、これらに限定されるものではない。
本発明で考えられる側鎖の修飾例として、アミノ基を無水酢酸でアシル化する;アミノ基を無水コハク酸及び無水テトラヒドロフタル酸でアシル化する;メチルアセトイミダートでアミジン化する;シアネートでアミノ基をカルバモイル化する;ピリドキサール−5−ホスフェートでリシンをピリドキシル化し、次にNaBHで還元する;アルデヒドと反応させて還元的にアルキル化し、次にNaBHで還元する;アミノ基を2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)でトリニトロベンジル化するなどの修飾などが考えられる。
o−アシルイソ尿素の形成を経てカルボジイミドを活性化し、次いで一例として対応するアミドに誘導化することにより、カルボキシル基を修飾することもできる。
2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキサール及びグリオキサールなどの試薬で複素環縮合を行わせることにより、アルギニン残基のグアニジン基を修飾することもできる。
スルフィドリル基を過ギ酸でシステイン酸に酸化し;4−クロル水銀フェニルスルホン酸、4−クロル水銀安息香酸、2−クロル水銀−4−ニトロフェノール、塩化フェニル水銀、及びその他の水銀剤を使用して水銀誘導体を生成させ;他のチオール化合物で混合二硫化物を生成させ;マレイミド、無水マレイン酸、又はその他の置換マレイミドと反応させ;ヨード酢酸又はヨードアセトアミドでカルボキシメチル化させ;アルカリ性のpHにおいてシアネートでカルバモイル化するなどの方法により、修飾することもできる。
トリプトファン残基を、例えばインドール環を臭素化2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジル又はハロゲン化スルフォニルでアルキル化し、或いはN−ブロムスクシンイミドで酸化して修飾することもできる。
チロシン残基をテトラニトロメタンでニトロ化して3−ニトロチロシン誘導体として修飾することもできる。
ヒスチジン残基のイミダゾール環を、ジエチルピロカルボネートでN−カルベトキシル化し、又はヨード酢酸誘導体でアルキル化して修飾することもできる。
ペプチド合成の過程において天然には存在しないアミノ酸及び誘導体を組み込む例として、4−アミノ酪酸、6−アミノヘキサノイン酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニルペンタノイン酸、t−ブチルグリシン、ノルロイシン、ノルバリン、フェニルグリシン、オルニチオン、サクロシン、2−チエニルアラニン及びアミノ酸類のD−異性体を使用する場合もある。しかし、当該修飾方法は、これらの例に限定されるものではない。本発明の対象となるような、天然に存在しないアミノ酸のリストを表2に示す。
Figure 2009045071

Figure 2009045071
本発明は、ヒトに免疫性を持たせることを目的として、本発明のポリペプチド、フラグメント又は変異体をジニトロフェノールで共有結合的に修飾する場合についても、これを考慮するものである。
本発明は、SEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に基づくポリペプチドから選ばれたポリペプチドの一つで構成されることが好ましい。
本発明のポリペプチドは、本技術分野に精通している者に良く知られた適切な手順により調製できる。例えば、当該ポリペプチドは、下記のステップを含む手順によりこれを調製することができる:
(a)SEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に基づくポリペプチドの一つをコード化するようなヌクレオチド配列又はそのフラグメント、或いはこれらの変異体又は誘導体を含む組み替え核酸を調製する。ここに、当該ヌクレオチド配列は、転写及び翻訳調節核酸に結合させることもできる。
(b)適切な宿主細胞に、当該組み替え核酸をトランスフェクト又は形質変換する。
(c)当該宿主細胞を培養して、当該組み替え核酸から組み替えポリペプチドを発現させる。
(d)当該組み替えポリペプチドを単離する。
当該ヌクレオチド配列は、SEQ ID番号1、3、4、6、8、11、12、14、16、18及び20で構成されるグループから適切に選択される。
「組み替えポリペプチド」という用語は、遺伝子組み替え手法、即ち遺伝子組み替え核酸を発現させる方法を使用して造られたポリペプチドを意味している。
本明細書で使用する「組み替え核酸」という用語は、通常天然には存在しないような形で核酸を組み込み、生体外で形成させた核酸を意味している。
この点において、組み替え核酸は、プラスミドのような自己複製染色体外ベクターか、又は宿主ゲノムに統合されるようなベクターである発現ベクターで構成されることが好ましい。一般に、このような発現ベクターは、当該ヌクレオチド配列に操作可能な状態で結合した転写調節核酸及び翻訳調節核酸を含んでいる。
「操作可能な状態で結合する」というフレーズは、転写及び翻訳調節核酸が、当該ポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体をコード化するヌクレオチド配列に対して、このような転写が開始できるような位置に配置されていることを意味している。転写及び翻訳調節核酸は、通常、発現に使用される宿主細胞として適している。
当該技術においては、種々の宿主細胞に対して、適切な発現ベクター、及び適切な調節配列が、数多く知られている。
通常、転写及び翻訳調節核酸は、プロモーター配列、リーダー又は信号配列、リボソーム結合サイト、転写開始及び停止配列(訳者注:重複している)、及びエンハンサー又は活性化配列を含むことができるが、これらに限定されるものではない。
当該技術において知られている構造性又は誘発性プロモーターも、本発明の対象となる。当該プロモーターは、天然に存在するプロモーター、ハイブリッド プロモーター、又は2つ以上のプロモーター要素を結合したハイブリッド プロモーターである場合もある。
優先的態様においては、当該発現ベクターが、形質変換した宿主細胞の選択を可能にする選別可能標識遺伝子を含んでいる。選択遺伝子は、当該技術において良く知られており、使用する宿主細胞の種類により変化する。
当該発現ベクターには、融合パートナー(通常、発現ベクターにより与えられる)も含まれている。従って、本発明における組み替えポリペプチドは、当該融合パートナーとの融合ポリペプチドとして発現される。融合パートナーの主な利点は、これらのパートナーが当該融合ポリペプチドの同定及び精製を助けることである。
当該融合ポリペプチドを発現させるためには、本発明に従って、ヌクレオチド配列を発現ベクターの中へ縛り付け、本発明の融合パートナーの翻訳読み枠とヌクレオチド配列を一致させることが必要である。
融合パートナーの良く知られた例としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、ヒトIgGのFc部分、マルトース結合タンパク質(MBP)及びヘキサヒスチジン(HIS6)などが存在し、これらは融合ポリペプチドをアフィニティクロマトグラフ法で単離する場合に特に有用であるが、これらに限定されるものではない。アフィニティクロマトグラフ法で融合ポリペプチドを精製する場合に使用するマトリックスとしては、グルタチオン、アミロース、及びニッケル又はコバルト共役樹脂がそれぞれ適している。このようなマトリックスが、「キット」の形で数多く市販されている。(HIS6)融合パートナー及びPharmacia GST精製システムとともに使用されるQIAexpressTMシステム(Qiagen社)などがその例である。
当技術において良く知られているその他融合パートナーは緑色蛍光タンパク質(GFP)である。この融合パートナーは、本発明の融合ポリペプチドの同定を蛍光顕微鏡又はフローサイトメトリー(flow cytometry)で行えるようにする「蛍光標識」として役に立つ。本発明における融合ポリペプチドの準細胞局在性を評価する場合、又は本発明における融合ポリペプチドの発現細胞を単離する場合にも、このGFP標識が役に立つ。蛍光活性化細胞分類法(FACS)のようなフローサイトメトリーは、融合ポリペプチド発現細胞を単離する場合において特に有用である。
当該融合パートナーにも、因子Xa又はトロンビンにおけるように、該当プロテアーゼに本発明の融合ポリペプチドを部分消化させ、これにより本発明の組み替えポリペプチドを遊離させるようなプロテアーゼ開裂サイトが存在することが好ましい。次に、この遊離ポリペプチドをクロマトグラフ法により分離して、融合パートナーから単離することができる。
本発明に基づく融合パートナーも、その範囲内に「エピトープ標識」を含んでいる。このエピトープ標識は、通常短いペプチド配列であり、これに対しては特定の抗体だけが作用する。特定のモノクロナール抗体が容易に作用するエピトープ標識の良く知られた例として、c−myc、インフルエンザウィルスのヘマグルチニン、及びFLAG標識がある。
本発明における組換えポリペプチドは、本発明に基づいて、先ず宿主細胞をポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体をコード化する核酸を含む発現ベクターで形質変換し、次にこの宿主細胞を培養することにより調製することができる。タンパク質の発現に適した条件は、選んだ発現ベクター及び宿主細胞の種類により変化する。このことは、当技術に精通する者なら、日常的な実験を行うことにより、誰でも容易に確認することができる。
発現には、宿主細胞としてが原核生物又は真核生物が適しているものと考えられる。本発明に基づくポリペプチド発現用宿主細胞として好ましいものの一つは、バクテリウムである。
良く使用されるバクテリウムは、Escherichia coliである。これに代わる宿主細胞として、例えばSF9細胞などの昆虫細胞を使用することもできる。SF9細胞は、バキュロウィルス発現系とともに使用することが可能である。
組換えタンパク質は、当技術に精通した者であれば、例えば下記の文献に記述されている標準的なプロトコルを使用して、誰でも容易にこれを調製することができる。即ち、Sambrookら、MOLECULAR CLONING,A LABORATORY MANUAL(Cold Spring Harbor Press社、1989;本明細書に引用)の特に第16節及び第17節;Ausubelら、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY(John Wiley & Sons,Inc.,1994−1998;本明細書に引用)の特に第10章及び第16章;及びColiganら、CURRENT PROTOCOLS IN PROTEIN SCIENCE(John Wiley & Sons,Inc.,1995−1997;本明細書に引用)の特に第1章、第5章及び第6章などが参考になる。
(ヌクレオチド配列)
本発明は、さらに、上記で定義したポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体をコード化するヌクレオチド配列を提供するものである。
当該配列は、これを下記で構成するグループから選択するのが適切である:−SEQ ID番号1、3、4、6、8、10、12、14、16、18及び20;SEQ ID番号1、3、4、6、8、10、12、14、16、18及び20の中のいずれか一つのヌクレオチド配列フラグメント;及び上記配列のヌクレオチド配列相同体。
これらの配列は、上記に定義した、免疫活性を示すような生成物をコード化できることが好ましい。
後でさらに詳しく述べるが、SEQ ID番号1は、髄膜炎菌株MC58から得られるhiaNm遺伝子に対応する。この遺伝子は、SEQ ID番号2の新規62−kDa(概略値)表面ポリペプチドをコード化する。SEQ ID番号3は、菌株MC58のhiaNm遺伝子における開放読取枠配列に対応する。SEQ ID番号4、6、8、10、12、14、16、18及び20は、それぞれ髄膜炎菌株BZ10、BZ198、EG327、EG329、H15、H38、H41、P20及びPMC21から得られるhiaNm遺伝子の相同開放読取枠配列に対応する。
本明細書で使用する「ヌクレオチド配列」という用語は、mRNA、RNA、cRNA、cDNA又はPMC21を意味している。
「ヌクレオチド配列相同体」という用語は、一般に、本発明に基づき、厳しい条件下で野性型ヌクレオチド配列によりハイブリッド化したヌクレオチド配列を意味している。その適切なハイブリッド化条件に関しては後述する。
本発明におけるヌクレオチド配列相同体は、下記手順に従って調製することができる:−
(i)適切な宿主から核酸を抽出する。
(ii)任意に縮退し、各々が本発明の野性型ヌクレオチド配列部分で構成されるプライマーを調製する。
(iii)当該プライマーを使用し、核酸増幅手法で、当該核酸抽出物から採取した1種又は2種以上の増幅用生成物を増幅する。
当該宿主としては、バクテリウムが適切である。また当該宿主としては、ナイセリア属のものが好ましく、これが髄膜炎菌であればさらに好ましい。
当該プライマーとしては、下記で構成されるグループから選択したものが好ましい:−
Figure 2009045071
適切な核酸増幅手法としては、当技術に精通した者に良く知られた方法が使用される。これらの手法には、例えばAusubelら(1994−1998,supra,第15章;本明細書に引用)の文献に述べられているポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)、例えば米国特許第5,422,252号に述べられているストランド変位増幅法(SDA;本明細書に引用)、例えばLiuら(1996,J.Am.Chem.Soc.118:1587−1594及び国際特許出願WO92/01813)及びLizardiら(国際特許出願WO97/19193)(いずれも本明細書に引用)に述べられている回転円複写法(RCR)、例えばSooknananら(1994,Biotechniques17:1077−1080;本明細書に引用)に述べられている核酸配列に基づく増幅法(NASBA)、及び例えばTyagiら(1996,Proc.Natl.Acad.Sci.USA93:5395−5400;本明細書に引用)に述べられているQ−βレプリケース増幅法などがある。
本明細書で使用されているように、「増幅生成物」とは、核酸増幅法により発生した核酸生成物を意味する用語である。
「ハイブリッド化する」又は「ハイブリッド化」という用語は、本明細書においては、DNA−DNAハイブリッド、DNA−RNAハイブリッド、又はRNA−RNAハイブリッドを調製する目的で、塩基ペアリング則に基づいて、異なるヌクレオチド配列の相補的塩基をペアリングさせることを意味する用語として使用される。
DNAにおける相補的塩基は次の通りである:
(i)A及びT;並びに
(ii)C及びG。
RNAにおける相補的塩基は次の通りである:
(i)A及びU;並びに
(ii)C及びG。
RNA−DNAハイブリッドにおける相補的塩基は次の通りである:
(i)A及びU;
(ii)A及びT;並びに
(iii)G及びC。
通常、事実上の相補的ヌクレオチド配列は、ブロッティング法によりこれを同定することができる。これらの方法には、ヌクレオチドをマトリックス(好ましくはニトロセルローズなどの合成膜)上で固定するステップ、ハイブリッド化するステップ、及びこれを検出するステップで構成されている。相補的DNA配列の同定にはサザンブロッティング法が、また相補的RNA配列の同定にはノーザンブロッティング法が使用される。相補的DNA/DNA、DNA/RNA又はRNA/RNAポリヌクレオチドの同定には、ドットブロッティング法及びスロットブロッティング法を使用することができる。このような手法は、当技術に精通した者には、良く知られている手法であり、Ausubelら(1994−1998,supra)の第2.9.1−2.9.20に述べられている。
これらの方法において、サザンブロッティング法では、DNA分子をそのサイズに基づいてゲル電気泳動法により分離し、サイズ毎に分離したDNAを合成膜まで運び、膜に結合したDNAを放射能、酵素又は蛍光色素で標識した相補的ヌクレオチド配列にハイブリッド化する。ドットブロッティング法及びスロットブロッティング法では、DNAサンプルを合成膜に直接塗布してから上記のハイブリッド化を行う。
cDNA又はゲノムDNAライブラリの中で相補的ヌクレオチド配列の同定を行うような場合には、これとは異なるプラーク又はコロニーハイブリッド化法によるブロッティングステップなどが使用される。この手順の代表的な例については、Sambrookら(1989,supra)第8−12章に述べられている。
ハイブリッド化条件の決定には、通常、下記の一般手順を使用することができる。即ち、上記のようにしてヌクレオチド配列を合成膜にブロット又は転移させ、本発明の野性型ヌクレオチド配列を上記の方法で標識化し、この標識化したヌクレオチド配列が固定ヌクレオチド配列とハイブリッド化する能力を分析する。
当技術に精通した者であれば、多くの因子がハイブリッド化に影響を与え得ることを認識するであろう。放射能で標識化したポリヌクレオチド配列の検出可能な固有信号活性は、約10dpm/mg以上であるのが普通である。10−10dpm/mgの固有活性を有する放射能標識化ヌクレオチド配列は、約0.5pgのDNAを検出することができる。検出を可能にするためには、充分な量のDNAを膜上に固定しなければならないことは、当技術においては良く知られているところである。固定DNAは、その過剰量(通常は10μg)が存在することが望ましい。10%(w/v)硫酸デキストラン(MW500,000)又はポリエチレングリコール6000のような不活性ポリマーをハイブリッド化の過程で添加することによっても、ハイブリッド化の感度を高めることができる(Ausubel,supra第2.10.10節)。
膜上に固定されたヌクレオチド配列と標識化ヌクレオチド配列の間でハイブリッド化を行わせ、これから意味のある結果を得るためには、固定ヌクレオチド配列を洗浄した後に、これに充分な量の標識化ヌクレオチド配列をハイブリッド化しなければならない。洗浄することにより、標識化ヌクレオチド配列に対して所定の相補度を有する固定ヌクレオチド配列上に、標識化ヌクレオチド配列のハイブリッド化を確実に行わせることができるようになる。
本明細書において、「厳しい(Stringency)」という用語は、ハイブリッド化過程における温度及びイオン強度、及びある種の有機溶媒の存在又は不存在に関して使用される。「厳しさ」が高ければ高い程、固定ヌクレオチド配列と標識化ポリヌクレオチド配列の間における相補性の程度も高くなる。
「厳しい条件(Stringent conditions)」とは、相補的塩基の高頻度を有するヌクレオチド配列だけがハイブリッド化するような条件のことを指す用語である。
代表的な「厳しい条件」とは、例えば、(1)42℃で少なくとも約30分間、0.75M二塩基性燐酸ナトリウム/0.5M一塩基性燐酸ナトリウム/1mM EDTA2ナトリウム/1%ザルコシルで処理する場合、又は(2)約42℃で少なくとも約30分間、6.0M尿素/0.4%硫酸ナトリウムラウリル/0.1xSSCで処理するような場合、又は(3)約68℃で少なくとも20分間、0.1x SSC/0.1%SDSで処理する場合、又は(4)約55℃で約60分間、1x SSC/0.1%SDSで処理する場合、又は(5)約62℃で約60分間、1x SSC/0.1%SDSで処理する場合、又は(6)約68℃で約60分間、1x SSC/0.1%SDSで処理する場合、又は(7)約55℃で約60分間、0.2x SSC/0.1%SDSで処理する場合、又は(8)約62℃で約1時間、0.2x SSC/0.1%SDSで処理する場合、又は(9)約68℃で約60分間、0.2x SSC/0.1%SDSで処理する場合などを指している。
詳細な例については、CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,supra,第2.10.1−2.10.16頁;MOLECULAR COATING中のSambrookらの記述;A LABORATORY MANUAL(Cold Spring Harbour Press社、1989),第1.101−1.104節を参照のこと。これらは、いずれも本明細書に参考文献として引用した。
通常、約42℃−68℃の温度で厳しい洗浄が行われるが、当技術に精通した者であれば、厳しい条件として、この他の温度も使用できることは容易に理解できる。DNA−DNAハイブリッド化反応における最大ハイブリッド化度は、通常Tmより約20℃−25℃低い温度で得られる。Tmが融解温度、即ち2種類の相補的ポリヌクレオチド配列が解離する温度であることは、当技術において良く知られているところである。Tmの推定方法も、当技術において良く知られているところである(CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY,supra,第2.10.8頁を参照のこと)。DNA−RNAハイブリッドにおける最大ハイブリッド化度は、通常Tmより約10℃−15℃低い温度で得られる。
当技術においては、その他の「厳しい条件」についても知られている。当技術に精通した者であるなら、ハイブリッド化の特異性を最適化するために種々の因子を操作し得ることを認識していることであろう。最終洗浄条件の「厳しさ」を最適化することにより、高ハイブリッド化度を確保することが可能となる。
固定ヌクレオチド配列にハイブリッド化した標識化ヌクレオチド配列を検出する方法は、当技術を実践する者には良く知られているところである。これらの方法には、オートラジオグラフ法、ケミルミネセンス法、蛍光法及び比色法などがある。
(抗体)
本発明においては、前述したポリペプチド、フラグメント、変異体及び誘導体に対する抗体も対象となる。
このような抗体には、本発明におけるポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体に結合し又はこれと共役するのに適した抗体などが含まれる。
例えば、当該抗体はポリクローン性抗体であることが可能である。このような抗体は、例えば本発明によるポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体を、マウス又はウサギなどの製造種の中へ注入して、ポリクローン性抗血清を得ることにより調製することができる。ポリクローン性抗体を調製する方法については、当技術に精通した者には良く知られているところである。使用できる模範的なプロトコルについては、例えば、本明細書に引用したColiganら、CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY(John Wiley & Sons,Inc.,1991)、及びAusubelら、(1994−1998,supra),特に第11章第III節に述べられている。
製造種の体内で得られるポリクローン性抗血清の代わりに、例えばKohler及びMilsteinによる方法(1975,Nature 256,495−497;本明細書に参考文献として引用)、又は例えばColiganら(1991,supra)による最近の修正法の中で述べられているような本発明による1種類又は2種類以上のポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体を接種した製造種から誘導された不滅脾臓又はその他抗体製造細胞による標準的な方法で、モノクローン性抗体を調製することもできる。
本発明は、その適用範囲内に、上記ポリクローン性又はモノクローン性抗体のFc又はFabフラグメントで構成される抗体も包含するものである。或いは当該抗体は、本発明のペプチドに対する一本鎖Fy抗体(scFvs)で構成されることも可能である。このようなscFvsは、例えば米国特許第5,091,513号、欧州特許第239,400号又はWinter及びMilstein(1991,Nature349,293)による記事にそれぞれ述べられている方法で調製することができる。これらの文献はいずれも本明細書に参考文献として引用した。
本発明の抗体は、アフィニティクロマトグラフで天然又は組み替え髄膜炎菌ポリペプチドを単離する場合にも、これを使用することができる。例えば、Coliganら、(1995−1997,supra)の第9.5章に述べられている「免疫アフィニティクロマトグラフ法の手順」を参照すれたい。
本発明の変異体ポリペプチドを発現ライブラリでスクリーニングする場合にも、当該抗体を使用することができる。本発明の抗体は、後述するように、髄膜炎菌による感染を検出する場合にもこれを使用することができる。
(髄膜炎菌の検出)
ある患者の体内に髄膜炎菌が存在するかどうかは、当該患者から生物学的サンプルを採取し、当該生物学的サンプルに前述の抗体又は抗体フラグメントを混合し、当該混合物の中で固有結合を形成した抗体又は抗体フラグメントを検出することにより決定することができる。即ち、当該抗体又は抗体フラグメントが存在すれば、サンプル中に髄膜炎菌が存在したことになる。
本明細書で使用する「生物学的サンプル」という用語は、未処理、処理、希釈又は濃縮状態で患者から抽出できるサンプルを意味している。当該生物学的サンプルは、全血、血清、血漿、唾液、尿、汗、腹液、腹膜液、滑液、羊膜液、脳脊髄液、皮膚生検液などで構成されるグループから選択されるのが適切である。
免疫評価には、適切な錯体形成検出法を使用することもできる。例えば、本発明による標識化抗体又は抗体フラグメントを免疫測定に使用することもできる。このような免疫測定法には、当技術に精通する者には良く知られている放射免疫測定法(RIA)、酵素結合免疫吸着剤測定法(ELISA)及び免疫クロマトグラフ法(ICT)などがあるが、免疫評価に使用できる方法はこれらには限定されない。例えばこれに関しては、本発明に基づいて使用し得る種々の免疫測定法を開示している“CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY”(1994,supra)が参考になる。免疫測定法には、当技術で理解されているような競合測定法も含めることもできる。
当該抗体又は抗体フラグメントの標識方法としては、下記のものがある:
i.標識を抗体又は抗体フラグメントに直接付着させる方法。
ii.標識を抗体又は抗体フラグメントに間接的に付着させる方法:即ち、標識を先ず他の測定試薬に付着させ、次にこの試薬を抗体又は抗体フラグメントに付着させる方法。
iii.抗体又は抗体フラグメントの反応生成物を標識化する方法。
当該標識は、クロモゲン、触媒、酵素、蛍光支持体、化学発光分子、ユーロピウム(Eu34)のようなランタニド イオン、放射性同位元素及び直接可視標識などのグループからこれを選択することができる。
直接可視標識の場合、コロイド状の金属又は非金属粒子、染料粒子、酵素又は基質、有機ポリマー、ラテックス粒子、リポソーム、又はその他信号発信物質を含む小胞などを使用することができる。
標識としての使用に適した多数の酵素が、米国特許第4,366,241号、第4,843,000号、及び第4,849,338号に開示されており、これら全てを本明細書に参考文献として引用した。本発明で使用するのに適した酵素標識として、アルカリ性ホスファターゼ、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、βガラクトシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、リゾチーム、マレートデヒドロジェナーゼなどがある。酵素標識は、単独で又は第2の溶液中酵素と組み合わせて、これを使用することができる。
当該蛍光支持体は、フルオレセイン イソチオシアネート(FITC)、テトラメチルローダミン イソチオシアネート(TRITL)又はR−フィコエリトリン(RPE)を含むグループから選択するのが適切である。
本発明は、患者が髄膜炎菌に感染したことを検出する方法にも拡張されるものであり、当該方法が、患者から採取した生物学的サンプルを本発明のポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体に接触させるステップ;及び当該ポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体と髄膜炎菌固有抗体の間に形成された錯体が当該血清中に存在するかどうかを決定するステップで構成され、当該錯体が存在することにより、当該感染が確認される。
一つの優先態様においては、当技術において良く知られている方法により適切な標識で当該ポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体を修飾し、このような修飾化合物を前記の適切な免疫測定法に使用して、前記錯体を検出する。
他の側面においては、本発明は、髄膜炎菌の存在が疑われる生物学的サンプル中において、当該バクテリアの検出方法を提供するものであり、当該方法は、生物学的サンプルを患者から採取するステップ;及び当該サンプル中で本発明に基づく核酸配列を検出するステップで構成される。当該核酸配列が検出されれば、当該バクテリアの存在が確認される。
当該核酸配列の検出には、これに適切な方法ならどんな方法を使用しても良い。例えば、当技術で良く知られているように、患者から採取した核酸抽出物のサザンブロット法による分析において、本発明に基づく標識化核酸配列をプローブとして使用することもできる。或いは、患者から採取したRNA抽出物のノーザンブロット法による分析において、本発明に基づく標識化核酸配列をプローブとして使用することもできる。例えば国際特許出願第WO89/09385号(本明細書に参考文献として引用)に述べられているようなPCRなどの核酸増幅反応又はリガーゼ連鎖反応(LCR)においては、患者から採取した核酸抽出物を、本発明に基づく核酸のセンス配列及びアンチセンス配列或いはそのフランキング配列に対応して、オリゴヌクレオチドプライマーと組み合わせて使用するのが好ましい。種々の自動固相検出法も、この用途に適している。例えばFodorら(1991,Science251:767−777)及びKazalら(1996,Nature Medicine2:753−759)に述べられているような核酸の検出には、非常に大規模な固定プライマー配列(VLSTPSTM)が使用される。上記の一般的な手法は、当技術に精通した者には良く知られているところである。
(医薬品組成物)
本発明のさらなる特徴は、本発明のポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体を、患者を髄膜炎菌による感染に対して保護する目的で、医薬品組成物の活性成分(「免疫成分」)として使用する方法に関するものである。
当該医薬品組成物には、医薬品に適した担体を使用することが好ましい。
「医薬品に適した担体」というフレーズは、ある固体又は液体の充填剤、希釈剤又はカプセル化物質が、全身投与する場合に安全に使用し得ることを意味するフレーズである。
投与ルートによって、当技術において良く知られている種々の「医薬品として使用し得る担体」を使い分けることができる。
これらの担体は、砂糖、デンプン、セルロース及びその誘導体、麦芽、ゼラチン、タルク、硫酸カルシウム、植物油、合成油、ポリオール、アルギン酸、リン酸塩緩衝液、乳化剤、等浸透圧食塩水、及びピロゲンを含まない水などのグループから、これを選択することができる。
患者に本発明の医薬品組成物を投与するルートは、それが適切なルートでさえあれば、どんなルートでもこれを使用することができる。例えば、経口、直腸、腸管外、舌下、ほお、静脈内、関節内、筋肉内、皮膚内、皮下、吸入、眼内、腹膜内、脳室内、経皮などでこれを投与することができる。例えば免疫付与組成物、ワクチン及びDNAワクチンの投与法としては、筋肉内注射及び皮下注射が適している。
投与形態としては、錠剤、分散液、懸濁液、注射、溶液、シラップ、トローチ、カプセル、座薬、アエロゾル、経皮パッチなどがある。これらの投与形態には、この目的のために放出速度制御装置を特に設計して、これを注入又はインプラントする方法もあり得る。或いは、このようにして追加作用するように修正した、その他の形態のインプラント法もあり得る。治療用薬剤の放出速度を制御する方法としては、例えばアクリル樹脂、ワックス、脂肪族高級アルコール、ポリ乳酸及びポリグリコール酸、並びにヒドロキシプロピルセルロースのような特定のセルロース誘導体など、疎水性ポリマーで当該薬剤をコーティングする方法もあり得る。さらに、放出速度の制御方法として、その他のポリマーマトリックス、リポソーム、及びミクロスフェア或いはこれらのいずれかを使用することも可能である。
経口又は腸管外投与を行う場合には、本発明の医薬品組成物をカプセル、サシェイ(プラスチック製小容器)又は錠剤など、予め定めた量の本発明の治療用薬剤1種類又は2種類以上を収めた個別の単位で包装し、或いは粉体又は顆粒、水性液又は非水性液中の溶液又は懸濁液、或いは水中に油を浮かせた乳液又は油中に水を浮かせた乳液として、これを提供することができる。このような組成物は、通常調剤業で使用されている方法で調製することができるが、これらいずれの方法においても、1種類又は2種類以上の上記免疫付与剤を、1種類又は2種類以上の担体と組み合わせるステップを含んでおり、当該担体もまた本組成物の必要成分を構成するものである。一般に、当該組成物は、本発明の免疫付与剤を、液体状担体又は細かく粉砕した固体状担体或いはこれらの両方と均一且つ緊密に混合し、次に、必要なら得られた混合物を希望形態に成形することにより調製される。
上記組成物は、髄膜炎菌による感染から患者を保護するために、当該投与処方に合った方法で免疫付与有効量を当該患者に投与することができる。本組成物の投与量に関して言えば、本発明の目的から、髄膜炎菌の濃度が減少して行く全期間に亘り有益な免疫反応を起こし得るように、又は髄膜炎菌による感染を阻止し得るように、充分な量の組成物を患者に投与することが望ましい。投与すべき免疫付与剤の量は、治療を受ける験体の年齢、性、体重及び一般的な健康状態などによっても変化する。この観点から、免疫付与剤の必要量は、専門医の判断によっても変ってくる。専門医は、血漿中の循環濃度、病気の進行度及び髄膜炎菌抗体の生成量を測定することにより、髄膜炎菌感染症の治療又は予防目的で投与する免疫付与剤の有効量を決定することができる。いずれの場合においても、当技術に精通した者であれば、本発明による免疫付与剤の適切な投与量を容易に決定することができる。このような本発明による免疫付与剤の投与量は、ナノグラムからミリグラムの範囲内にある。
上記組成物は、治療用又は予防用のワクチンとして、これを使用することができる。従って、当該免疫付与剤の1種類又は2種類以上を活性成分として含有するワクチンを製造する方法としても本発明の範囲が拡張される。このようなワクチンの製造方法としては、これに適した手順なら何でも使用することができる。
その例として、例えば、NEW GENERATION VACCINES(1997,Levineら、Marcel Dekker Inc.,New York,Basel Hong Kong)に述べられている方法を例として挙げることができる(本明細書に参考文献として引用)。
本発明に基づく免疫付与剤は、他の抗原のB又はT細胞エピトープなどにより他の抗原と混合し、これと共役させ又は融合させることもできる。さらに下記のようにして、これを担体に共役させることもできる。
本発明のハプテン性ペプチド(即ち、同系の抗体とは反応するが、それ自体が免疫反応を引き出すことのできないペプチド)を使用する場合、これを免疫性付与担体と共役させることができる。この目的で使用できる担体は当技術において良く知られているところであり、これには例えば:サイログロブリン;ヒト血清アルブミンなどのアルブミン;トキシン、トキソイド又は破傷風、ジフテリア、百日咳、シュードモナス、E.coli、ブドウ球菌、及び連鎖球菌から採取したトキシンの突然変異体交差反応性物質(CRM);ポリ(リシン:グルタミン酸)などのポリアミノ酸;インフルエンザ;ロタウィルスVP6、パルボウィルスVP1及びVP2;B型肝炎ウィルス核タンパク質;B型肝炎ウィルス組み替えワクチンなどがある。或いは、担体タンパク質のフラグメント又はエピトープ、或いはその他の免疫性付与タンパク質を使用することもできる。例えば、本発明におけるハプテン性ペプチドをバクテリア性トキシン、トキソイド又はCRMのT細胞エピトープにカップリングさせることもできる。この観点から、米国特許第5,785,973が参考になる。当該特許も、本明細書に参考文献として引用した。
さらに、本発明によるポリペプチド、フラグメント、変異体又は誘導体は、ナイセリア或いはその他バクテリア又はウィルスに対するワクチン組成物の担体タンパク質としてもこれを使用することができる。
本発明による免疫付与剤は、多価サブユニットワクチンとして、髄膜炎菌の抗原、又は病原性バクテリアであるH.influenza,M.catarrhalis,N.gonorrhoeae,E.coli,S.pneumoniaなど、その他微生物の抗原と組み合わせてこれを投与することができる。これに代わり、或いはこれに加えて、本発明による免疫付与剤は、髄膜炎菌のオリゴ糖又は多糖成分と組み合わせて、これを投与することもできる。
当該ワクチンは、水、リン酸塩緩衝食塩水及び生理的食塩水など、生理学的に無害な希釈剤又は添加物を含むこともできる。
当該ワクチン及び免疫付与組成物は、当技術において良く知られているアジュバントを含むこともできる。適切なアジュバントの例として下記を挙げることができるが、適切なアジュバントはこれらだけに限定されるものではない:即ち、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタデシルアミノ酸エステル、リソレシチン、臭素化ジメチルジオクタデシルアンモニウム、N,N−ジオクタデセニル−N’,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル−プロパンジアミン)、メトキシヘキサデシルグリセリン、及び多価ポリオールなどの表面活性物質;ピラン、デキストランサルフェート、ポリICカルボポールなどのポリアミン;ムラミルジペプチド及びその誘導体、ジメチルグリシン、タフトシンなどのペプチド;油性エマルション;及びリン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム又はミョウバンなどの鉱物性ゲル;リンフォカイン、Qui1A及び免疫刺激性錯体(ISCOMS)などである。
本発明による免疫付与剤は、弱毒化したウィルス宿主に発現させることもできる。
「弱毒化したウィルス宿主」とは、自然又は人工的に事実上無毒化されたウィルスベクターを表す言葉である。
ウィルスは、適切な物理的手段(例えば熱処理)又は化学的手段(例えばホルムアルデヒド処理)により事実上無毒化することができる。「事実上無毒」とは、ウィルスの感染性が破壊されたことを示す言葉である。
この場合、ウィルス免疫性を担うタンパク質に何ら影響を与えること無く、ウィルスの感染性を破壊するのが理想である。前述の内容から、弱毒化ウィルスの宿主が生ウィルス又は不活性化ウィルスで構成されることも容易に理解されよう。
本発明によるワクチンに使用できるような弱毒化ウィルスの宿主は、アデノウィルス、シトメガロウィルス、及び好ましくはワクシニアなどの痘症ウィルスを含むウィルスベクター(例えばPaoletti及びPanicali,米国特許第4,603,112号を参照のこと;当該特許は本明細書に参考文献として引用);及び弱毒化サルモネラ菌株(例えばStocker,米国特許第4,550,081号を参照;本明細書に参考文献として引用)で構成される。
生ワクチンは長期間に亘り刺激を維持して永続性のある免疫を与えてくれるので、この場合特に有利である。
多価ワクチンは、髄膜炎菌の異なるエピトープ(例えば他の表面タンパク質又は他の髄膜炎菌エピトープ)を発現する1種類又は2種類以上の微生物から調製することができる。さらに、他の病原体微生物のエピトープを当該ワクチンに組み込むこともできる。
優先態様の1つでは、本発明の核酸配列を発現した組み替えワクシニア症ウィルスを構築する。これを宿主に導入すると、当該組み替えワクシニア症ウィルスは直ちに免疫付与機能を発現し、これにより宿主からCTL反応を引き出す。米国特許第4,722,848号(本明細書に参考文献として引用)にはワクシニアウィルスのベクター及び免疫化プロトコルに使用できる方法が述べられているが、本態様に関しては、例えばこの特許が参考になる。
その他広範囲に亘るベクターで、本発明の免疫付与剤とともに治療投与又は免疫投与に使用できるものとしてどんなものがあるかについては、当技術に精通した者であれば、本開示内容から自ずと明らかであろう。
さらに他の態様においては、当該ヌクレオチド配列を、当技術で知られている「裸DNA」ワクチンの形で使用する。例えば、本発明の発現ベクターを哺乳類に導入すると、当該発現ベクターは生体内でポリペプチドの生成を促すことができる。これに対して当該宿主は、例えばBarry,Mら、(1995,Nature377:632−635;本明細書に参考文献として引用)に述べられているような免疫反応を引き起こす。
(検出キット)
本発明は、生物学的サンプル中における髄膜炎菌検出に使用するようなキットを提供するものでもある。これらのキットは、使用する試験法の性格に従い、1種類又は2種類以上の上記特定試薬を含んでいる。この観点から、当該キットは、本発明に基づく1種類又は2種類以上のポリペプチド、フラグメント、変異体、誘導体、抗体、抗体フラグメント又は核酸を含むことができる。また当該キットはオプションとして、標識、正及び負の比較対照、洗浄液、希釈用緩衝液などの検出に適した試薬を含むこともできる。例えば、核酸を主体とする検出用キットでは、使用する核酸増幅手法により、(i)本発明による核酸(正の比較対照として使用できる)、(ii)本発明によるオリゴヌクレオチドプライマー、及びオプションとしてDNAポリメラーゼ、DNAリガーゼなどを含むことができる。
(免疫反応性フラグメントの調製)
本発明は、また、本発明に基づくポリペプチド、変異体又は誘導体の免疫反応性フラグメントを同定する方法にも拡張される。この方法は、本質的にポリペプチド、変異体又は誘導体のフラグメントを発生させるステップ;当該フラグメントを哺乳類に投与するステップ;及び哺乳類の体内で発生した免疫反応を検出するステップで構成される。当該反応には、特に髄膜炎菌の結合要素及び当該ポリペプチド、変異体又は誘導体の一部或いは全部の生成、並びに髄膜炎菌感染に対する保護効果もしくはこれら生成又は保護効果のいずれかが含まれる。
上記方法において、免疫反応性に対して特定フラグメントの試験を行う場合、その前に種々の予見手段を使用して、天然の抗原と交差反応を行うような抗体を得る目的で、ある特定フラグメントが使用できるかどうかを推定することもできる。これらの予見手段としては、例えばAusubelら、(1994−1998,supra)の第11−14章に述べられているアミノ末端基又はカルボキシ末端基配列に基づく方法を使用することができる。
或いは、これらの予見手段として、例えばKyte及びDoolittle(1982,J.Mol.Biol.157:105−132)並びにHopp及びWoods(1983,Mol.Immunol.20:483−489)に述べられている、親水性の予測値に基づく予見手段を使用することもできる。これらの参考文献は、いずれも本明細書に引用した。
最適の結果を得るには、ペプチドフラグメントのサイズとしては、一般に10−15個の残基で構成されるものが好適である。ペプチドの大きさが6個程度の小さなもの、又は20個程度の大きなものでも良好な結果を得ることは可能であった。このようなペプチドフラグメントを、例えばAusubelら、(1994−1998,supra)の第11.14節及び第11.15節に述べられているように、次にキーホールカサガイのヘモシアニン(KLH)又はウシの血清アルブミン(BSA)などの担体分子に化学的にカップリングすることもできる。
例えば上記で述べたように、当該ペプチドを使用して動物を免疫化することもできる。当該ペプチドの選択に使用した天然又は親ポリペプチドに対する抗体滴定値を、次に例えばAusubelら、(1994−1998,supra)の第11.16節及び第114節に述べられている放射免疫測定法即ちELISAにより測定することができる。
次に抗体は、当技術分野において良く知られているように、適切な動物の生物学的液体から硫酸アンモニウム分画法又はクロマトグラフ法でこれを精製する。抗体精製用の模範プロトコルに関しては、Ausubelら、(1994−1998,supra)の第10.11節及び第11.13節に述べられている。
抗体の天然又は親ポリペプチドに対する免疫反応性は、例えばウェスタンブロット法などの適切な手順で、これを測定することができる。
(機能ブロッカー)
SEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に基づくポリペプチドは、アドヘシンの性質を有するものと信じられている。
事実、これらのポリペプチドは、表面抗原であるHaemophilus influenzaeのアドヘシンといくつかの類似点を有している。
特に、これらのポリペプチドは、H.influennzaeのHiaタンパク質に対して約67%の相同性を有し(Barenkamp,S及びSt.Geme III,J.1996 Molecular Microbiology 19:1215−1233)、また、H.influenzaeのHsfタンパク質に対して74%の相同性を有している(St.Beme III,J.ら、1996,Journal of Bacteriology 178:6281−6287;及び米国特許第5,646,259号)。これらの比較結果から、GAPプログラムを使用し、その間隙ウェイトを3、長さウェイトを0.01とした(Deveraux,1984,supra)。これらタンパク質の配列は図6に示した。この図から、これらポリペプチド機能の中断は治療効果に大きく貢献しているものと考えられる。ポリペプチド機能が中断されていることにより、髄膜炎菌が細胞に付着し、これに侵入する作用が防止されると考えられるからである。当該機能中断に影響を与える方法に関しては、いくつかの方法が考えられる。
例えば、細胞表面はSEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21のポリペプチドと相互作用を有するが、当該細胞表面でレセプターをブロックする化学反応部分又はポリペプチドなどの部分を患者に投与することができる。これらが感染性の微生物とレセプターサイトを求めて競争する。このような細胞表面部分を、例えば本発明のポリペプチド、特にフラグメント、又はこれらと同等な機能を有する成分並びに模倣物で構成させることができる。
「模倣物」という用語は、本明細書において、タンパク質又はペプチドの特定機能領域に似せて設計した化学構造を表す用語である。抗イディオタイプの抗体は、バクテリアが細胞表面に結合する作用をブロックする作用を有しているので、この抗イディオタイプの抗体を上記抗体に対抗して育成し、これを使用することもできる。
或いは、SEQ ID番号2、5、7、9、11、13、15、17、19及び21に基づくポリペプチド中において、レセプター結合サイトと相互作用を有する部分は、細胞の髄膜炎菌による感染を有効に阻止することができる。このような部分を、ブロック性抗体、ペプチド又はその他化学反応部分で構成させることができる。
このような部分、その中で当該部分が医薬品として使用できる担体と結合しているような医薬品組成物、及び髄膜炎菌が感染した患者をこのような部分又は組成物を投与することにより治療する方法は、全て本発明の側面を形成するものである。
本発明のポリペプチドは、上記の方法において、これを化合物のスクリーニングに使用することもできる。例えば、本発明のポリペプチドを標識と結合させ、これを試験対象の反応試薬の存在下で細胞培養物に暴露することができる。次に、当該標識化ポリペプチドの細胞表面結合を阻止する当該反応試薬の能力を観察することができる。このようなスクリーニングにおいて、標識化ポリペプチドを、E.coliのような微生物に対して直接使用することもできる。或いは、髄膜炎菌自体を操作して、ポリペプチドの検出可能な修飾形態を発現させることもできる。当該タンパク質の第3級構造が、野性型菌の中で発現した第3級構造に一層似ている可能性が高いので、操作髄膜炎菌株をこのようにして使用する方法が好ましい。
本発明を容易に理解し且つ実施できるように、いくつかの優先態様について下記に述べることとする。但し、これらの優先態様により、本発明の範囲に限定が加えられるようなことがあってはならない。
(実施例1)
(分子のクローニングおよびサブクローニングならびにhiaNm変異体の構築)
hiaNm遺伝子は当初、標準的な方法を用いたPCR増幅によって単離された。
簡単に説明すると、大腸菌のAIDA−Iタンパク質の相同体に関するわれわれのこれまでの研究により(ジェニングス(Jennings,M.)ら、1995、Microbial Pathogenesis,19:391〜407、ピーク(Peak,I.)ら、Microbial Pathogenesis印刷中)、われわれは相同性研究を行い、MC58C3のゲノムをシークエンシングするためのプロジェクト(ゲノム研究所、(ftp://.tigr.org/pub/data/n meningitidis/)からの予備的なデータにおいて当該配列を同定し、オリゴヌクレオチドA3A(5’−TTTGCAACGGTTCAGGCA−3’、配列番号:28)および3AB(5’−TATTCAGCAGCGTATCGG−3’、配列番号:29)を用いてPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって相同性領域を増幅した。
得られた449塩基対(bp)産物をpT7Blueにクローニングして、プラスミドpNMAIDA3を作製した。
完全長の遺伝子をクローニングするために、さらにオリゴヌクレオチドをデザインして逆PCR反応において用いた。
これらのオリゴヌクレオチドはA3C(配列番号:30)およびA3D(配列番号:31)であり、それぞれ、A3A(配列番号:28)およびA3B(配列番号:31)の相補的配列に相当する。
この反応の鋳型は、EagIで制限酵素消化して自己ライゲーションしたMC58の染色体DNAであった。
得られた3kbpのPCR産物をベクターpCRII(インビトロゲン社)にクローニングし、プラスミドpiEagA3を生じた。これをEagIおよびEcoRIで消化して、クローニングされたDNAを含む1.4kbpおよび1.6kbpの得られた断片をpBluescriptSKII、M13minus(ストラタジーン社)にクローニングすると、piEagA3.8およびpiEagA3.9が得られた。プラスミドpHiaNmは、配列番号:1のそれぞれヌクレオチド113〜133位および2102〜2085位に対応するオリゴヌクレオチドプライマーHiaNmP(5’−TTAGATTCCACGTCCCAGATT−3’、配列番号:22)およびHiaNm:M(5’−CTTCCCTTCAAACCTTCC−3’、配列番号:23)を用いて、hiaNmおよびそれに対する配列5’および3’をPCR増幅し、産物をpT7Blueにクローニングすることによって産生した。プラスミドpHiaNm△Kanは、配列番号:1のヌクレオチド680位に対応するpHiaNmの独自のBglII部位にカナマイシン抵抗性カセットを挿入することによって作製した。カナマイシン抵抗性カセットはBamHIによってpUC4Kan(ファルマシア社)から切り出した。pHiaNm△Kanを、10%加熱処理ウマ血液を加えた(「BHIプレート」)脳心臓輸液寒天(アキュメディア・マニュファクチュアラーズインク)上で細菌をプラスミドDNAと共に37℃で5%COにおいて3時間インキュベートすることによって髄膜炎菌(N.meningtidis)株MC58に形質転換した。単一のコロニーを新鮮な選択培地上に取り出し、増殖させて、今後の研究に用いた。この株においてhiaNm遺伝子が破壊されていることは、配列番号:1のヌクレオチド276〜2054位に対応するプローブを用いてサザンブロットによって確認した。
(実施例2)
(ヌクレオチド配列分析)
ヌクレオチド配列分析は、製造元の説明書(パーキン・エルマー社)に提案されているように、モデル373a自動シークエンサー(アプライド・バイオシステムズ社)と共に、アンプリタックDNAポリメラーゼFSを備えたプリズムダイ・ターミネーター・シークエンシングキットまたはビッグダイ・ターミネーター・シークエンシングキットを用いて実施した。それぞれの株について、図1に示すように、および配列番号:1のヌクレオチド230〜247位および2114〜2097位に対応する、プライマーHiaNm5’A2:5’−CCAAACCCCGATTTAACC−3’(配列番号:26)およびHiaNm3’A:5’−AATCGCCACCCTTCCCTTC−3’(配列番号:27)を用いて、異なる3つの独立したPCR反応においてhiaNmを増幅し、得られた産物を精製してプールした。これを両方の鎖を直接シークエンシングするための鋳型として用いた。データはGCGプログラム(デベロウ(Deveraux)ら、(1984)、Nucleic Acids Research 12,387〜395)およびAssemblyLIGN(オックスフォード・モレキュラー社)を用いて分析した。配列を完成させるために必要に応じて、幾つかのオリゴヌクレオチドを作製した。10株のhiaNmの配列を配列番号:1、3、4、6、8、10、12、14、16、18、および20に示し、それらの遺伝子の導出アミノ酸配列を配列番号:2、5、7、9、11、13、15、17、19および21に示す。
これらの株からのhiaNmを比較すると、それらがMC58のhiaNmと90〜99%同一性を有することが示された。さらに、MC58のhiaNmは、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)のhiaおよびhsfと62%および68%相同である
しかし、調べた株において、hiaNmは1770〜1800bpの長さである。これは、長さがそれぞれ3294および7059bpであるhiaおよびhsfとは著しく異なる。
hiaNmの予想されるポリペプチド、HiaNmはまた、下痢誘発性の大腸菌株2787(O126:H27)の広汎な接着に関係するアドヘシンであるAIDA−I、HMW1、もう一つのヘモフィルス(Haemophilus)アドヘシン、UspA1、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrthalis)の高分子量タンパク質およびフレクスナー赤痢菌(Shigella flexneri)の組織浸潤に関係するSepAを含む幾つかの他の細菌タンパク質とも相同性を示す(ベンズ&シュミット(Benz,I.and Schmidt,M.A.)、1992、Molecular Microbiology6:1539〜1546、バレンカンプス&ライニンガー(Barenkamps,S.J.and Leininger,E.)、1992、Infection and Immunity60:1302〜1313、アエビ(Aebi,C.)ら、1997、Infection and Immunity65:4367〜4377、ベンジェロウン・トウイミ(Benjelloun−Touimi,Z.)ら、1995、Molecular Microbiology17:123〜135)。これら(および他のタンパク質)に対する相同性は、HiaNmの最初のアミノ酸50個に対して起こる。この配列の分析から、予想されるシグナル配列が存在することが判明し、調べた全てのHiaNm配列における切断部位はアミノ酸50位であった。そのような長いシグナル配列はグラム陰性菌の外膜に存在するタンパク質に一般的である(ヘンダーソン(Henderson,I.)ら、1998、Trends in Microbiology6:370〜8)。それに対してHiaNmの最初のアミノ酸50個が相同である上記のタンパク質は全て、「自己輸送型」の外膜タンパク質ファミリーに属する(ヘンダーソン(Henderson,I.)、上記)。このことは、HiaNmが髄膜炎菌(N.meningitidis)の外膜に存在することを強く示唆している。
(実施例3)
(サザンブロット分析)
サザンブロット分析は標準的な技法を用いて実施した(サムブルック(Sambrook)ら、上記、アウスユベール(Ausubel)ら、上記)。簡単に説明すると、ゲノムDNAをいくつかの血清群の髄膜炎菌(N.meningitidis)70株から調製して、制限酵素消化して、アガロースゲル上で電気泳動によって分離した後に、ナイロンメンブレンに毛細管によって移した。これらのメンブレンを標識したプローブとハイブリダイズした。用いたプローブは配列番号:1のヌクレオチド276〜2054位に対応し、株MC58のhiaNmの完全なオープンリーディングフレームを含む。これを、製造元の説明書(ベーリンガー・マンハイム社)に従ってDIG(ジゴキシゲニン)で標識した。ストリンジェントな洗浄を行った(2×SSC/0.1%SDS中で22℃で5分の洗浄を2回行った後、68℃、0.2×SSC/0.1%SDS中で30分の洗浄を2回行った)。ハイブリダイゼーションは、製造元が推奨するように、ニトロブルー・テトラゾリウム/ブロモクロリル・インドリル・フォスフェート(NBT/BCIP)を用いて、比色定量によって検出した。調べた全ての株にシグナルを検出した(例えば、図2)。プロトタイプ株MC58のほかに、以下の株を調べた:
Figure 2009045071

髄膜炎菌に関する世界保健機構基準研究共同研究センター、オスロ、ノルウェー
髄膜炎菌基準研究所公衆衛生研究サービス、マンチェスター、イギリス
ブリスベーン病院、現在はM.P.ジェニングス(M.P.Jennings)の株コレクション、クイーンズランド大学、微生物学、ブリスベーン、オーストラリア。
(実施例4)
(MBP−HiaNmの発現および部分精製)
マルトース結合タンパク質とHiaNmとの融合(MBP−HiaNm)を含むタンパク質を発現させるプラスミドベクターを構築した。プラスミドpHiaMBPは、プライマーHianm−MBPA5’−GGTCGCGGATCCATGAACAAAATATACCGCAT−3’(配列番号:24)およびHiaNm−MBPB 5’−TCACCCAAGCTTAAGCCCTTACCACTGATAAC−3’(配列番号:25)を用いて、HiaNmをMC58から増幅することによって作製した。これらのプライマーは、クローニングを容易にするために髄膜炎菌(N.meningitidis)株MC58のHiaNmの開始および停止コドンならびに遺伝子操作された制限部位を含む。プラスミド制限マップおよびオリゴヌクレオチドの位置を図1に示す。得られたPCR産物をBamHI/HindIII制限酵素消化プラスミドpMALC2(ニューイングランド・バイオラブス)にライゲーションし、得られたプラスミドpHiaMBP(図1参照)を大腸菌株DH5αに再度導入した。pHiaMBPを含むこの大腸菌株を、製造元(ニューイングランド・バイオラブス)の推奨条件でHiaNm−MBP融合タンパク質を発現するように誘導した。pHiAMBPを含む培養からの細胞抽出物を10%SDS−PAGEによって分離して、製造元の説明書に従って融合タンパク質をミニゲル・エレクトロエリューター(バイオラド社)を用いた溶出によって部分精製した。ウサギ抗MBP血清を用いたウェスタンブロットによって、HiaNm−MBP融合タンパク質を含む分画を検出した(ニューイングランド・バイオラブス)。HiaNm−MBP融合タンパク質の純度は、SDS−PAGEの後にクーマシー染色を行って決定し、回収されたタンパク質の量をBCAアッセイ(シグマ社)または波長280nmでの吸光度によって推定した。
(実施例5)
(ポリクローナル血清の作製)
実施例4において得られた部分精製したHiaNm−MBP融合タンパク質を用いて、ウサギにおいてポリクローナル血清を作製した。溶出したHiaNmMBP融合タンパク質の試料を滅菌燐酸緩衝生理食塩液、pH7.4(PBS)(シグマ社)に対して透析した。次にこれをアジュバント(MPL+TDM+CWS、シグマ社)と共に混合して、50〜150μg/mlの濃度でニュージーランドホワイトウサギ2羽に2週間間隔で接種した。血液をこれらのウサギから採取した。室温で1時間凝固させた後血清を抽出して、4℃で一晩インキュベートした後、4℃で4000×rpmで遠心した。上清を回収して、再度遠心した。血清をアリコットにして−80℃で保存した。得られた血清を殺細菌アッセイおよびウェスタンブロットに用いた(下記参照)。
得られた血清の特異性を調べるために、ウェスタンブロット分析を行った。簡単に説明すると、髄膜炎菌(N.meningitidis)株MC58のタンパク質およびMC58△HianmをSDS−PAGE上で電気泳動によって分離した後、セミドライ・ブロッター(バイオラド社)を用いてニトロセルロースメンブレンに電気泳動によって移した。
次にこれらを血清およびアルカリフォスファターゼ結合抗ウサギIgG(シグマ社)と共に連続的にインキュベートした後、NBT/BCIP(シグマ社)によって比色定量によって検出した。
これらの実験は、MC58に対して特異的であって、MC58においてバンドを検出するがMC58△HiaNmでは検出されない抗体が、HiaNm−MBP融合タンパク質によって誘発されることを証明した(図4参照)。
HiaNmの導出ポリペプチドの予想される分子量は62.3kDaである。血清によって検出されるバンドは150kDaを超える見かけの分子量に移動する。文献に報告される相同な「自己輸送型」タンパク質の少なくとも3個が同様に、そのような異常な移動を示す:モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)の高分子量の外膜タンパク質UspA1およびUspA2はそれぞれ、予想分子量が62.5kDaおよび88.3kDaであるが、それぞれ85kDaおよび120kDaに移動し、UspA複合体は350kDaと720kDaの間に移動した(アエビ(Aebi,C.)ら、1997、Infection and Immunity,65:4367〜4377、クリングマン&マーフィー(Klingman,K.L.and Murphy,T.F.)、1994、Infection and Immunity,62:1150〜1155)。同様に、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)のHiaは予想分子量116kDaであるが、ファージに発現させると、Hiaは200kDa以上に移動する(バレンカンプ&セントジェムIII(Barenkamp and St.Geme III,J.)、1996、Molecular Microbiology 19:1215〜1233)。
HiaNmが髄膜炎菌(N.meningitidis)の外膜に会合しているか否かを確認するために、本質的にこれまでの記述通りに(ファンデルレイ(van der Ley,P.)ら、1991、Infection and Immunity,59:2963〜71)外膜複合体(omc)を調製した。簡単に説明すると、10%加熱ウマ血液BHIプレートを加えた脳心臓輸液寒天(アキュメディア・マニュファクチャラーズインク)上で、細菌を一晩増殖させ、10mMトリス、pH8.0に再浮遊させ、熱によって殺菌して、超音波処理した後膜を破壊した。細胞の破片を10,000×g(rcf、相対遠心力)での遠心によって除去し、上清を50,000×gで再度遠心した。このペレットを1%サルコシル/10mMトリスpH8.4に再浮遊させ、10,000×gで遠心した。上清を75,000×gで遠心して、ペレットをトリス、pH8.4に再浮遊させた後、波長280nmで分光光度分析によって定量した。外膜タンパク質を含むサルコシル不溶性分画のアリコット(A280=3.75の50μl)に、上記のようにSDS−PAGEおよびウェスタン・ブロットを行った。図4に示す結果は、抗HiaNmMBP抗血清との反応性が野生型MC58について認められるが、hiaNmが不活化されているMC58△HiaNmでは認められないことを証明している。細胞全体の試料と、MC58培養において同量の総タンパク質を含むomc試料との間に認められた抗HiaMBP血清との反応性の増加は、HiaNmが膜に会合していることと一致する。
(実施例6)
(殺細菌アッセイ)
抗HiaMBP抗血清がHiaNmに特異的な殺細菌抗体を含むか否かを調べるために、野生型MC58およびMC58△HiaNmに関して殺細菌アッセイを行った。このアッセイは、ホーゲルホウト(Hoogerhout)(1995、Infection and Immunity,63:3473〜3478)らが記述した方法を改変して実施した。簡単に説明すると、MC58およびMC58△HiaNmをBHIプレート上で37℃で5%COで一晩増殖させた。この一晩培養から得た細菌を同じ条件で4〜6時間サブ培養した後、PBS1mLに浮遊させた。0.2N NaOH/1%SDS中での試料の溶解、およびA260=1=10cfu/mLである、波長260nmでの吸光度によって細菌数を推定した。細菌浮遊液をPBS中で約10cfu/mlに調節した。調べるウサギ血清を56℃で45分熱不活化した。
4週齢のニュージーランドホワイトウサギからの血清をプールして、補体源として用いた(クイーンズランド大学、中央動物飼育施設)。
アッセイは滅菌のポリスチレン平底96ウェルマイクロタイタープレートで実施した。それぞれのウェルの総容積は24μlであった:PBSで2倍連続希釈した血清12μlおよび細菌浮遊液6μl(細菌300〜900個を含む)。血清および細菌を室温で10分インキュベートしてから、80%補体のPBS溶液6μlを加えた(最終濃度20%v/v)。
対照はa)PBS、細菌および補体、b)PBS、細菌および血清であった。
全ての成分を加えて混合した後、各対照ウェルからの7μlアリコットをBHIプレートに分散させた。次にマイクロタイタープレートを5%CO中で37℃で60分インキュベートした。このインキュベーション終了後、各ウェルからの7μlアリコットをBHIプレート上に分散させた。次に、全てのBHIプレートを5%CO中で37℃で14〜18時間インキュベートして、細菌コロニーを計数した。血清の殺細菌作用は少なくとも90%の細菌が殺される最高希釈の逆数として報告される。用いた血清は、上記の実施例5に報告するようにウェスタンブロット実験に関して用いた場合と同じウサギおよび同じ試験から採取した。これらの実験は、野生型株MC58と比較してMC58△HiaNmに対する殺細胞の力価が減少していること(約3倍、表4)を一貫して示し、このことは抗HiaMBP抗血清がHiaNmに対して特異的である殺細菌抗体を含むことを示した。
Figure 2009045071
(考察)
反復DNAは、幾つかの病原性細菌においてビルレンス決定因子に関連している。そのような反復DNAモチーフを用いたサザンブロットにより、髄膜炎菌(N.meningitidis)株MC58にはこのモチーフを含む少なくとも3つの座が存在することが判明した(ピーク(Peak,I.)ら、FEMS Microbiology Letters,137:109〜114)。これらの遺伝子をクローニングして、座に関連するこれらの反復配列の2つの配列分析(nmrep2およびnmrep3)を行ったところ、アミノ酸約670個のオープンリーディングフレームが存在することは判明した(ジェニングス(Jennings)ら、1995、Microbial Pathogenesis,19:391〜407;ピーク(Peak,I.)ら、Microbial Pathogenesis,印刷中)。これらは、互いに相同性を示し、大腸菌のアドヘシンAIDA−1のカルボキシ末端と相同性を示した。AIDA−1は長さがアミノ酸1286個である。カルボキシ末端の領域は推定の外膜輸送ドメインとなり、成熟タンパク質のアミノ末端ドメインはアドヘシンドメインとなる。アミノ末端ドメインは推定の輸送ドメインを通じて膜を通過し、パッセンジャードメインと呼ばれる。
Nmep2およびNmep3はAIDA−1の輸送物質ドメインとの配列相同性を有するため、それらは膜の孔を形成すると考えられる。
Nmrep2およびNmrep3はAIDA−1の大きさの約半分であり、AIDA−1の膜貫通ドメインと相同である。
われわれは、髄膜炎菌(N.meningitidis)にAIDA−1のアミノ末端ドメインとの相同性を有する座が存在するという仮説を立てた。われわれは、髄膜炎菌(N.meningitidis)株MC58C3をシークエンシングするプロジェクトからのデータにおいてそのような相同体を探索し、それが大腸菌のAIDA−1と相同性であることから、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)株Rd(HI1732)においてAIDA−1と呼ばれる遺伝子と相同性を有する一つの領域を発見した(フライシュマン(Fleischmann)ら、1995、Science 269:496〜512)。上記の相同性に関して、出願人はさらに研究することにした。
遺伝子は当初、髄膜炎菌(N.meningitidis)MC58 3のgnmaa84rと呼ばれる471塩基対の断片に対応するDNAのPCR増幅によって単離され、配列が確認された。さらにPCR実験を行うと、より大きい断片を増幅することができた。これらをクローニングして、図1に示すように配列分析を実施した。遺伝子は大腸菌のAIDA−1のアミノ末端領域との相同性を示し、これが髄膜炎菌(N.meningitidis)における第3のAIDA−1相同体を表したことから、われわれは、これをaida3と呼んだ(nmrep2およびnmrep3)。以降、インフルエンザ菌(H.influenzae)からさらに2つの遺伝子hiaおよびhsfの発見が発表され(バレンカンプ&セントジェム(Barenkamp,S.and St.Geme III,J.)ら、1996、Journal of Bacteriology178:6281〜6287)、それに対してaida3はより類似している。したがって、われわれはこの遺伝子をhiaNmと命名した。(HI1732、当初AIDA−1の相同体として同定されたインフルエンザ菌(H.influenzae)遺伝子も、バレンカンプ&セントジェム(Barenkamp,S.and St.Geme III)の報告を考慮してhiaと再度命名されている)。
明細書を通じて、目的は、本発明をいずれか1つの態様または特定の集団の特徴に制限することなく、本発明の好ましい態様を記述することである。したがって、当業者は、本開示を読むことによって、例示した特定の態様において様々な改変および変更を行うことができ、それらも本発明の範囲から逸脱しないことを理解するであろう。そのような改変および変更は全て、添付の請求の範囲内に含まれると解釈される。
プラスミドマップおよびクローニング法を表したものである。プライマーA3AおよびA3B(各々、配列番号:28および29)は、初期の配列データからAIDA−Iの相同体として同定されるMC58(後にTIGRによって放出される)から増幅するために用いられた。PCR産物はクローン化され、pNMAIDA3として与えられた。プライマーA3C(配列番号:30)およびA3D(配列番号31)は、インバースPCRで用いられ、hiaNmを含む3kbp EagIフラグメントを増幅した。この産物はクローン化され、piEAGA3を与えた。piEAGA3はサブクローン化され、piEagA3.8およびpiEagA3.9を与えた。プライマーHiaNm:MおよびHiaNm:P(各々、配列番号:22および23)はMC58からの連続領域を増幅し、産物はpHiaNmを造るためにクローン化された。プライマーHia−MBPA(配列番号24)およびHia−MBPB(配列番号25)は、hiaNmのオープンリーディングフレームを増幅するために用いられ、産物はpMBP−HiaNmを造るためにpMALC2にクローン化された。 多くの髄膜炎菌株のゲノムDNAのサザンブロットである。2A:セログループB株。レーン1 PMC28,レーン2 PMC27,レーン3 PMC25,レーン4 PMC24,レーン5 PMC16,レーン6 PMC13,レーン7 PMC12,レーン8分子量スタンダード,レーン9 2970,レーン10 1000,レーン11 528,レーン12 SWZ107,レーン13 H41,レーン14 H38,レーン15 NGH36,レーン16H15,レーン17NGE28 2B:B以外セログループ株。レーン1 PMC3,レーン2 PMC17,レーン3 PMC20,レーン4 PMC23,レーン5 PMC8,レーン6 PMC9,レーン7 PMC11,レーン8 PMC14,レーン9 PMC18,レーン10 PMC21,レーン11 PMC29,レーン12 分子量スタンダード,レーン13 PMC19,レーン14 PMC1,レーン15 PMC6,レーン16 PMC10,レーン17 PMC22,レーン18 PMC26,レーン19 PMC2。分子量マーカーはキロベースペア(kb)を示す。ゲノムDNAは配列番号1のntp276−2054に対応するプローブとハイブリダイズした。 MBP−HiaNmのクーマシー染色ゲルを示す。IPTGでの誘導後のpMALC2(レーン2)またはpMBP−HiaNm(レーン3)含有細胞。レーン1分子量スタンダード(kDa)。矢はMBPおよびMBP−HiaNmを示す。 ウサギ免疫血清とインキュベートしたMC58およびMC58△HiaNmタンパク質のウェスタンブロットである。レーン1;kDaを示す分子量スタンダード,レーン2MC58の全細胞タンパク質,レーン3MC58△HiaNmの全細胞タンパク質,レーン4MC58のOMCプレパレーション,各レーンA280=3.75のタンパク質サスペンジョンの50μLを含む。 図4でウェスタンブロットされたゲルに平行して走らせたクーマシー染色ゲルを示す。レーンは図4と同じである。 HiaNm,Hia,HsfのポリペプチドのPILEUPアラインメントプログラムを用いる配列比較を示す。 髄膜炎菌10株からのHiaNmのポリペプチドのPILEUPプログラムを用いる配列比較を示す。

Claims (34)

  1. ポリペプチドが以下からなる群より選択される、単離ポリペプチド、その断片、またはこれらの変種もしくは誘導体:
    (a) 配列番号:2に記載のポリペプチド;
    (b) 配列番号:5に記載のポリペプチド;
    (c) 配列番号:7に記載のポリペプチド;
    (d) 配列番号:9に記載のポリペプチド;
    (e) 配列番号:11に記載のポリペプチド;
    (f) 配列番号:13に記載のポリペプチド;
    (g) 配列番号:15に記載のポリペプチド;
    (h) 配列番号:17に記載のポリペプチド;
    (i) 配列番号:19に記載のポリペプチド;および
    (j) 配列番号:21に記載のポリペプチド。
  2. 以下からなる群より選択される1つ以上のメンバーに対して免疫活性を示す、請求項1に記載のポリペプチド、断片、変種または誘導体:
    (i)髄膜炎菌(N. meningitidis);
    (ii)該ポリペプチド;
    (iii)該断片;
    (iv)該変種;および
    (v)該誘導体。
  3. 髄膜炎菌(N.meningitidis)に対して免疫活性を示す、請求項1に記載のポリペプチド、断片、変種または誘導体。
  4. ポリペプチドが以下からなる群より選択される、ポリペプチド、その断片、またはこれらの変種もしくは誘導体をコードする単離された核酸配列:
    (a) 配列番号:2に記載のポリペプチド;
    (b) 配列番号:5に記載のポリペプチド;
    (c) 配列番号:7に記載のポリペプチド;
    (d) 配列番号:9に記載のポリペプチド;
    (e) 配列番号:11に記載のポリペプチド;
    (f) 配列番号:13に記載のポリペプチド;
    (g) 配列番号:15に記載のポリペプチド;
    (h) 配列番号:17に記載のポリペプチド;
    (i) 配列番号:19に記載のポリペプチド;および
    (j) 配列番号:21に記載のポリペプチド。
  5. 以下からなる群より選択される1つ以上のメンバーに対して免疫活性を示す産物をコードする、請求項4に記載の単離された核酸配列:
    (i)髄膜炎菌(N.meningitidis);
    (ii)該ポリペプチド;
    (iii)該断片;
    (iv)該変種;および
    (v)該誘導体。
  6. 髄膜炎菌(N.meningitidis)に対して免疫活性を示す産物をコードする、請求項4に記載の単離された核酸配列。
  7. 以下からなる群より選択される、単離された核酸配列:
    (1)配列番号:1に記載のヌクレオチド配列;
    (2)配列番号:3に記載のヌクレオチド配列;
    (3)配列番号:4に記載のヌクレオチド配列;
    (4)配列番号:6に記載のヌクレオチド配列;
    (5)配列番号:8に記載のヌクレオチド配列;
    (6)配列番号:10に記載のヌクレオチド配列;
    (7)配列番号:12に記載のヌクレオチド配列;
    (8)配列番号:14に記載のヌクレオチド配列;
    (9)配列番号:16に記載のヌクレオチド配列;
    (10)配列番号:18に記載のヌクレオチド配列;
    (11)配列番号:20に記載のヌクレオチド配列;
    (12)配列番号:1、3、4、6、8、10、12、14、16、18および20のいずれか一つのヌクレオチド配列断片;および
    (13)前述の配列のいずれかと相同であるヌクレオチド配列。
  8. 以下からなる群より選択される一つ以上のメンバーに対して免疫活性を示す産物をコードする、請求項7に記載の核酸配列:
    (i)髄膜炎菌(N.meningitidis);
    (ii)該ポリペプチド;
    (iii)該断片;
    (iv)該変種;および
    (v)該誘導体。
  9. 髄膜炎菌(N.meningitidis)に対して免疫活性を示す産物をコードする、請求項7に記載の核酸配列。
  10. 相同体がナイセリア(Neisseria)属から得られる、請求項7に記載の核酸配列。
  11. 相同体が髄膜炎菌(N.meningitidis)の株から得られる、請求項5または請求項7に記載の核酸配列。
  12. 以下の段階を含むヌクレオチド配列相同体を得る方法:
    (i)適した宿主から核酸抽出物を得る段階;
    (ii)それぞれが請求項5または請求項7に記載の核酸配列の一部を含む、選択的に縮重しているプライマーを作製する段階;
    (iii)核酸増幅技法を用いて、核酸抽出物から増幅産物一つ以上を増幅するために該プライマーを用いる段階。
  13. 核酸抽出物がナイセリア(Neisseria)属から得られる、請求項12に記載の方法。
  14. 核酸抽出物が髄膜炎菌(N.meningitidis)の株から得られる、請求項12に記載の方法。
  15. プライマーが配列番号:22、23、24、25、26、27、28、29、30および31からなる群より選択される、請求項12に記載の方法。
  16. 核酸増幅技術がPCRである、請求項12に記載の方法。
  17. 配列が転写および翻訳調節核酸に機能的に結合している、請求項4または請求項7に記載の核酸配列を含む発現ベクター。
  18. 配列が転写および翻訳調節核酸に機能的に結合している、請求項4または請求項7に記載の核酸配列を含む発現ベクターをトランスフェクトした、またはこれによって形質転換された宿主細胞。
  19. 以下の段階を含む組換え型ポリペプチドを生成する方法:
    (A)組換え型ポリペプチドが核酸から発現されるように、請求項18に記載の宿主細胞を培養する段階;および
    (B)組換え型ポリペプチドを単離する段階。
  20. 以下からなる群より選択される一つ以上のメンバーに結合する抗体または抗体断片:
    (1)髄膜炎菌(N.meningitidis);
    (2)請求項1に記載のポリペプチド;
    (3)該ポリペプチドの断片;
    (4)該ポリペプチドまたは該断片の変種;および
    (5)該ポリペプチドまたは該断片の誘導体。
  21. 抗体または抗体断片が髄膜炎菌(N.meningitidis)に結合する、請求項20に記載の抗体。
  22. 髄膜炎菌(N.meningitidis)を含むことが疑われる生体試料中に髄膜炎菌(N.meningitidis)を検出する方法であって、以下の段階を含む方法:
    (A)患者から生体試料を単離する段階;
    (B)混合物を形成するために、請求項20または請求項21に記載の抗体または抗体断片を生体試料と混合する段階;
    (C)髄膜炎菌(N.meningitidis)が存在することが示される、混合物中に特異的に結合した抗体または結合断片を検出する段階。
  23. 髄膜炎菌(N.meningitidis)を含むことが疑われる生体試料中に髄膜炎菌(N.meningitidis)検出する方法であって、以下の段階を含む方法:
    (I)患者から生体試料を単離する段階;
    (II)細菌が存在することが示される、試料中に請求項4または請求項7に記載の核酸配列を検出する段階。
  24. 髄膜炎菌(N.meningitidis)による患者の感染症を診断する方法であって、以下の段階を含む方法:
    (1)請求項1に記載のポリペプチド、断片、変種または誘導体を、患者からの生体試料と接触させる段階;および
    (2)複合体が存在すれば感染症であることが示される、試料中におけるポリペプチド、断片、変種または誘導体と、髄膜炎菌(N.meningitidis)特異的抗体との複合体の有無を調べる段階。
  25. ヒトにおける髄膜炎菌(N.meningitidis)感染症を検出または診断するキットを製造するための、請求項1に記載のポリペプチド、断片、変種または誘導体の使用。
  26. ヒトにおける髄膜炎菌(N.meningitidis)感染症を検出または診断するキットを製造するための、請求項4または7に記載の核酸配列の使用。
  27. ヒトにおける髄膜炎菌(N.meningitidis)感染症を検出または診断するキットにおける、配列番号:22、23、24、25、26、27、28、29、30および31からなる群より選択される、1つ以上のオリゴヌクレオチドプライマー、および選択的に熱安定なポリメラーゼの使用。
  28. ヒトにおける髄膜炎菌(N.meningitidis)感染症を検出または診断するキットを製造するための、請求項20または請求項21に記載の抗体または抗体断片の使用。
  29. ヒトにおける髄膜炎菌(N. meningitidis)感染症を予防または治療するための、請求項1に記載のポリペプチド、断片、変種または誘導体の薬学的有効量の使用。
  30. ヒトにおける髄膜炎菌(N.meningitidis)感染症を予防または治療するための、請求項20または請求項21に記載の抗体または抗体断片の薬学的有効量の使用。
  31. 請求項1に記載の単離されたポリペプチド、その断片、またはこれらの変種もしくは誘導体を含む、薬学的組成物。
  32. ワクチンである、請求項31に記載の薬剤。
  33. 請求項32に記載のワクチンの薬学的有効量を投与する段階を含む、髄膜炎菌(N.meningitidis)による患者の感染症の予防または治療法。
  34. 請求項1に記載のポリペプチド、変種、または誘導体の免疫反応性断片を同定する方法であって、以下の段階を含む方法:
    (a)ポリペプチド、変種または誘導体の断片を作製する段階;
    (b)断片を哺乳類に投与する段階;および
    反応が、髄膜炎菌(N.meningitidis)に特異的に結合するエレメントおよび/またはポリペプチド、変種、もしくは誘導体の生成、および/または髄膜炎菌(N.meningitidis)感染症に対する保護作用を含む、哺乳類において免疫応答を検出する段階。
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