JP2009043885A - コモンモードチョークコイル - Google Patents
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Abstract
【課題】コイルの構造をイミュニティ試験時における送信ICや受信ICの誤動作を防止可能な構造にして、イミュニティ特性の改善を図り、しかも自己共振周波数の低下を抑制することができるコモンモードチョークコイルを提供する。
【解決手段】コア2と外部電極3−1〜3−4と1対の巻線4−1,4−2と磁性板5−1,5−2とを備えている。コア2は巻芯部20とその両端の1対の鍔部21,22とで構成され、外部電極3−1〜3−4は鍔部21,22の下部に形成されている。1対の巻線4−1,4−2はコア2の巻芯部20に巻回され、その端部が外部電極3−1〜3−4に接続されている。磁性板5−1の内側面5b及び周面5cが、金属膜6で覆われている。そして、磁性板5−1と磁性板5−2とが接着剤7によって鍔部21,22の側面21c,22cと側面21c,22cとにそれぞれ接合されている。
【選択図】図1
【解決手段】コア2と外部電極3−1〜3−4と1対の巻線4−1,4−2と磁性板5−1,5−2とを備えている。コア2は巻芯部20とその両端の1対の鍔部21,22とで構成され、外部電極3−1〜3−4は鍔部21,22の下部に形成されている。1対の巻線4−1,4−2はコア2の巻芯部20に巻回され、その端部が外部電極3−1〜3−4に接続されている。磁性板5−1の内側面5b及び周面5cが、金属膜6で覆われている。そして、磁性板5−1と磁性板5−2とが接着剤7によって鍔部21,22の側面21c,22cと側面21c,22cとにそれぞれ接合されている。
【選択図】図1
Description
この発明は、伝送線路上のコモンモードノイズを除去するための巻線型のコモンモードチョークコイルに関するものである。
従来、この種のコモンモードチョークコイルとしては、例えば特許文献1や特許文献2に開示の技術がある。
このコモンモードチョークコイルは、2本の巻線を、両端に鍔部を有したコアの巻芯部に巻回し、巻線の両端を鍔部の電極に接続すると共に、フェライト板を、鍔部の上面側に渡した構成をなす。
かかる構成により、差動伝送路等に侵入したコモンモードノイズを除去することができるようになっている。
このコモンモードチョークコイルは、2本の巻線を、両端に鍔部を有したコアの巻芯部に巻回し、巻線の両端を鍔部の電極に接続すると共に、フェライト板を、鍔部の上面側に渡した構成をなす。
かかる構成により、差動伝送路等に侵入したコモンモードノイズを除去することができるようになっている。
しかし、上述した従来のコモンモードチョークコイルでは次のような問題がある。
通常、製品を市販する前に、製品を想定し得る電磁妨害等に曝し、各種電磁妨害に耐えうるかどうかのイミュニティ試験が行われる。
コモンモードチョークコイルのコモンモードノイズに対するイミュニティ試験では、被試験品であるコモンモードチョークコイルを、差動伝送路を通じて送信IC(Integrated Circuit)に接続された受信ICの前段に配する。そして、差動信号を差動伝送路を通じて送信ICから受信ICに送信すると共に、コモンモードノイズを差動伝送路上に発生させて、このコモンモードノイズを差動信号に載せる。かかる状態で、送信ICや受信ICが誤動作を起こすかどうかを確認する。
しかしながら、かかるイミュニティ試験時において、被試験品のコモンモードチョークコイルのインダクタンスと受信ICの入力容量とが共振回路を構成するため、この共振回路の共振周波数及びその近傍の周波数帯域においてコモンモードノイズを抑制する割合が低下する。かかる場合には、送信ICや受信ICが誤動作し、被試験品がイミュニティ試験をパスしないという問題が生じる。
通常、製品を市販する前に、製品を想定し得る電磁妨害等に曝し、各種電磁妨害に耐えうるかどうかのイミュニティ試験が行われる。
コモンモードチョークコイルのコモンモードノイズに対するイミュニティ試験では、被試験品であるコモンモードチョークコイルを、差動伝送路を通じて送信IC(Integrated Circuit)に接続された受信ICの前段に配する。そして、差動信号を差動伝送路を通じて送信ICから受信ICに送信すると共に、コモンモードノイズを差動伝送路上に発生させて、このコモンモードノイズを差動信号に載せる。かかる状態で、送信ICや受信ICが誤動作を起こすかどうかを確認する。
しかしながら、かかるイミュニティ試験時において、被試験品のコモンモードチョークコイルのインダクタンスと受信ICの入力容量とが共振回路を構成するため、この共振回路の共振周波数及びその近傍の周波数帯域においてコモンモードノイズを抑制する割合が低下する。かかる場合には、送信ICや受信ICが誤動作し、被試験品がイミュニティ試験をパスしないという問題が生じる。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、コイルの構造をイミュニティ試験時における送信ICや受信ICの誤動作を防止可能な構造にして、イミュニティ特性の改善を図り、しかも自己共振周波数の低下を抑制することができるコモンモードチョークコイルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明のコモンモードチョークコイルは、巻芯部及びこの巻芯部の両端部に設けられた1対の鍔部を有して成る磁性コアと、各鍔部の上端部又は下端部に形成された外部電極と、巻芯部に巻回され且つ各端部が外部電極まで引き出されて接合された1対の巻線と、1対の鍔部における一方の側面に架けられて接着剤によりこれらの側面に接合され且つ外部電極とは別体の金属膜が少なくとも当該1対の鍔部との接合部位に形成された第1の磁性板と、1対の鍔部における他方の側面に架けられて接着剤によりこれらの側面に接合された第2の磁性板とを備える構成とした。
かかる構成により、金属膜を、第1の磁性板の少なくとも1対の鍔部との接合部位に形成したので、1対の巻線内の電流による磁力線が、この金属膜を通り、金属膜に渦電流が発生する。したがって、イミュニティ試験時におけるコモンモードチョークコイルのインダクタンスと受信ICの入力部のキャパシタンスとで構成される共振回路の共振周波数及びその近傍の周波数帯域内のノイズに対する抵抗成分が増加し、コモンモードノイズが抑圧される。この結果、イミュニティ試験における全ての周波数帯域のノイズに対して、良好なノイズ抑圧効果を発揮する。
ところで、金属膜が、第1の磁性板における1対の鍔部との接合部位から1対の巻線に対向する面に渡って形成されている場合には、この金属膜と巻線との間に容量結合が生じ、電流が当該容量を通じて金属膜側に流れるおそれがある。かかる現象により、高周波領域でのインピーダンスが下がって、コモンモードチョークコイルの自己共振周波数が低下するおそれがある。
しかし、この発明では、第2の磁性板を、1対の鍔部における他方の側面に架けて接着剤によりこれらの側面に接合した構成をとっているので、コモンモードチョークコイルの高周波領域でのインピーダンスがこの第2の磁性板によって高まり、この結果、上記金属膜による高周波領域でのインピーダンスの低下を抑制することができる。
かかる構成により、金属膜を、第1の磁性板の少なくとも1対の鍔部との接合部位に形成したので、1対の巻線内の電流による磁力線が、この金属膜を通り、金属膜に渦電流が発生する。したがって、イミュニティ試験時におけるコモンモードチョークコイルのインダクタンスと受信ICの入力部のキャパシタンスとで構成される共振回路の共振周波数及びその近傍の周波数帯域内のノイズに対する抵抗成分が増加し、コモンモードノイズが抑圧される。この結果、イミュニティ試験における全ての周波数帯域のノイズに対して、良好なノイズ抑圧効果を発揮する。
ところで、金属膜が、第1の磁性板における1対の鍔部との接合部位から1対の巻線に対向する面に渡って形成されている場合には、この金属膜と巻線との間に容量結合が生じ、電流が当該容量を通じて金属膜側に流れるおそれがある。かかる現象により、高周波領域でのインピーダンスが下がって、コモンモードチョークコイルの自己共振周波数が低下するおそれがある。
しかし、この発明では、第2の磁性板を、1対の鍔部における他方の側面に架けて接着剤によりこれらの側面に接合した構成をとっているので、コモンモードチョークコイルの高周波領域でのインピーダンスがこの第2の磁性板によって高まり、この結果、上記金属膜による高周波領域でのインピーダンスの低下を抑制することができる。
請求項2の発明は、請求項1に記載のコモンモードチョークコイルにおいて、磁性コアと第1及び第2の磁性板とを、それぞれフェライトで形成した構成とする。
かかる構成により、コモンモードチョークコイルの磁気特性を向上させることができる。
かかる構成により、コモンモードチョークコイルの磁気特性を向上させることができる。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のコモンモードチョークコイルにおいて、金属膜を、鉄,コバルト,ニッケル,クロム,マンガン及び銅の内の少なくともいずれかを含む強磁性体で形成した構成とする。
かかる構成により、良好な磁気特性を保持しつつノイズに対する抵抗成分をさらに増加させることができる。
かかる構成により、良好な磁気特性を保持しつつノイズに対する抵抗成分をさらに増加させることができる。
請求項4の発明は、請求項3に記載のコモンモードチョークコイルにおいて、金属膜を、ニッケルとクロムの合金又はニッケルと銅の合金を主成分とする強磁性体の合金で形成した構成とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルにおいて、接着剤に、磁粉を混入した構成とする。
かかる構成により、コモンモードチョークコイルの磁気特性をさらに向上させることができる。
かかる構成により、コモンモードチョークコイルの磁気特性をさらに向上させることができる。
以上詳しく説明したように、この発明のコモンモードチョークコイルによれば、金属膜を磁性板の少なくとも1対の巻線に対向する面に形成したので、イミュニティ特性の改善が図られ、この結果、イミュニティ試験における全ての周波数帯域のノイズに対する良好なノイズ抑圧効果を実現することができるという効果がある。さらに、第2の磁性板により、高周波領域でのインピーダンスの低下を抑制して、コモンモードチョークコイルの自己共振周波数の低下を防止することができるという効果もある。
また、請求項2及び請求項5の発明に係るコモンモードチョークコイルによれば、コイルの磁気特性を向上させることができるという効果がある。
また、請求項3及び請求項4の発明に係るコモンモードチョークコイルによれば、ノイズに対する抵抗成分をさらに増加させることができるという効果がある。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施例に係るコモンモードチョークコイルを示す分解斜視図であり、図2は、実施例のコモンモードチョークコイルの正面図であり、図3は、コモンモードチョークコイルの底面を示す斜視図である。
コモンモードチョークコイル1は、表面実装型の巻線コイルであり、図1及び図2に示すように、磁性コアとしてのコア2と、4つの外部電極3−1〜3−4と、1対の巻線4−1,4−2と、第1の磁性板として磁性板5−1と、第2の磁性板としての磁性板5−2とを備えている。
コア2は、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されており、中央の巻芯部20とその両端の1対の鍔部21,22とで構成されている。
外部電極3−1〜3−4は、鍔部21,22の下部に形成されている。
具体的には、図3に示すように、外部電極3−1,3−2が鍔部21の脚部21a,21bにそれぞれ形成され、外部電極3−3,3−4が鍔部22の脚部22a,22bにそれぞれ形成されている。
具体的には、図3に示すように、外部電極3−1,3−2が鍔部21の脚部21a,21bにそれぞれ形成され、外部電極3−3,3−4が鍔部22の脚部22a,22bにそれぞれ形成されている。
1対の巻線4−1,4−2は、それぞれ銅線を絶縁膜で被覆して成るラインであり、コア2の巻芯部20に巻回されている。そして、巻線4−1,4−2の端部4−1a,4−2aが外部電極3−1,3−2側に引き出されて、外部電極3−1,3−2にそれぞれ接合されると共に、巻線4−1,4−2の端部4−1b,4−2bが外部電極3−3,3−4側に引き出されて、外部電極3−3,3−4にそれぞれ接合されている。
図1に示す磁性板5−1は、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されており、その外側面5aを除く、内側面5b及び周側面5cが、金属膜6で覆われている。
金属膜6は、鉄,コバルト,ニッケル,クロム,マンガン及び銅の内の少なくともいずれかを含む強磁性体で形成する。但し、ニッケルとクロムの合金又はニッケルと銅の合金を主成分とする強磁性体で形成することが好ましい。また、金属膜6の膜厚は、約0.3μm〜約5μmが好ましく、より好ましくは、約0.5μm〜3μmの範囲内の厚さである。
このような磁性板5−1は、その内側面5b側を鍔部21,22の一方の側面である側面21c,22cに向けている。そして、かかる状態で、磁性板5−1は、側面21c,22cに架けられ、接着剤7でこれら側面21c,22cに接合されている。
なお、この接着剤7には、磁粉を混入することもできる。磁粉の混入により、コア2と天板5−1とを接合するだけでなく、これらの間の磁気特性をも向上させることができる。
金属膜6は、鉄,コバルト,ニッケル,クロム,マンガン及び銅の内の少なくともいずれかを含む強磁性体で形成する。但し、ニッケルとクロムの合金又はニッケルと銅の合金を主成分とする強磁性体で形成することが好ましい。また、金属膜6の膜厚は、約0.3μm〜約5μmが好ましく、より好ましくは、約0.5μm〜3μmの範囲内の厚さである。
このような磁性板5−1は、その内側面5b側を鍔部21,22の一方の側面である側面21c,22cに向けている。そして、かかる状態で、磁性板5−1は、側面21c,22cに架けられ、接着剤7でこれら側面21c,22cに接合されている。
なお、この接着剤7には、磁粉を混入することもできる。磁粉の混入により、コア2と天板5−1とを接合するだけでなく、これらの間の磁気特性をも向上させることができる。
磁性板5−2も、磁性板5−1と同様に、Mn-Zn系フェライト、Ni-Zn系フェライト等のフェライトで形成されており、その内側面5b側を鍔部21,22の他方の側面である側面21d,22dに向けた状態で、側面21d,22dに架けられ、接着剤7でこれら側面21d,22dに接合されている。
次に、金属膜6と磁性板5−2の機能について説明する。
図4は、金属膜6と磁性板5−2の機能を説明するための断面図であり、図5は、金属膜6に発生する渦電流Iを示す部分拡大断面図である。
コモンモードチョークコイル1が上記構成を採ることにより、所定周波数の信号がコモンモードチョークコイル1に入力されると、図4の矢印で示すように、信号に対応した磁力線Hが、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−1,5−2とに沿って発生する。
具体的には、右回り矢印で示すように、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−1との内部に磁路を形成する磁力線Hと、左回り矢印で示すように、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−2との内部に磁路を形成する磁力線Hとが生じる。
このとき、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−1との内部に磁路を形成する磁力線Hは、金属膜6を必ず通過するので、この金属膜6がコモンモードチョークコイル1の抵抗成分として機能する。
すなわち、図5に示すように、鍔部21(22)から磁性板5−1のに至る磁力線H膜6によって、渦電流Iが、金属膜6の表面に発生する。この結果、1対の巻線4−1,4−2(図4参照)を流れる信号のエネルギーが消耗され、金属膜6が1対の巻線4−1,4−2を流れる信号に対する抵抗として機能することとなる。
また、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−2との内部に磁路を形成する磁力線Hは、磁性板5−2を必ず通過するので、コモンモードチョークコイル1の高周波領域でのインピーダンスがこの磁性板5−2によって高められることとなる。
図4は、金属膜6と磁性板5−2の機能を説明するための断面図であり、図5は、金属膜6に発生する渦電流Iを示す部分拡大断面図である。
コモンモードチョークコイル1が上記構成を採ることにより、所定周波数の信号がコモンモードチョークコイル1に入力されると、図4の矢印で示すように、信号に対応した磁力線Hが、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−1,5−2とに沿って発生する。
具体的には、右回り矢印で示すように、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−1との内部に磁路を形成する磁力線Hと、左回り矢印で示すように、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−2との内部に磁路を形成する磁力線Hとが生じる。
このとき、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−1との内部に磁路を形成する磁力線Hは、金属膜6を必ず通過するので、この金属膜6がコモンモードチョークコイル1の抵抗成分として機能する。
すなわち、図5に示すように、鍔部21(22)から磁性板5−1のに至る磁力線H膜6によって、渦電流Iが、金属膜6の表面に発生する。この結果、1対の巻線4−1,4−2(図4参照)を流れる信号のエネルギーが消耗され、金属膜6が1対の巻線4−1,4−2を流れる信号に対する抵抗として機能することとなる。
また、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−2との内部に磁路を形成する磁力線Hは、磁性板5−2を必ず通過するので、コモンモードチョークコイル1の高周波領域でのインピーダンスがこの磁性板5−2によって高められることとなる。
図6は、コモンモードチョークコイル1の製造方法の第1工程を示す工程図であり、図7は、コモンモードチョークコイル1の製造方法の第2工程を示す工程図である。
第1工程は、図6に示すように、コモンモードチョークコイル本体を製造する工程である。具体的には、図6(a)に示すように、コア2を形成した後、図6(b)に示すように、外部電極3−1〜3−4をコア2の鍔部21,22下部に塗布する。そして、図6(c)に示すように、巻線4−1,4−2をコア2の巻芯部20に巻回して、端部4−1a,4−2aと端部4−1b,4−2bとを、外部電極3−1,3−2と外部電極3−3,3−4とにそれぞれ接合する。しかる後、図6(d)に示すように、接着剤7を鍔部21,22の側面21c,22c(21d,22d)に塗布する。
第1工程は、図6に示すように、コモンモードチョークコイル本体を製造する工程である。具体的には、図6(a)に示すように、コア2を形成した後、図6(b)に示すように、外部電極3−1〜3−4をコア2の鍔部21,22下部に塗布する。そして、図6(c)に示すように、巻線4−1,4−2をコア2の巻芯部20に巻回して、端部4−1a,4−2aと端部4−1b,4−2bとを、外部電極3−1,3−2と外部電極3−3,3−4とにそれぞれ接合する。しかる後、図6(d)に示すように、接着剤7を鍔部21,22の側面21c,22c(21d,22d)に塗布する。
一方、第2工程は、図7に示すように、磁性板5−1,5−2の部分を製造する工程であり、第1工程と平行して実行される。
具体的には、図7(a)に示すように、磁性板5−1と磁性板5−2とをそれぞれ形成する。そして、図7(b)に示すように、メッキ等の手段により、金属膜6を磁性板5−1の内側面5bと周面5cとに形成する。
具体的には、図7(a)に示すように、磁性板5−1と磁性板5−2とをそれぞれ形成する。そして、図7(b)に示すように、メッキ等の手段により、金属膜6を磁性板5−1の内側面5bと周面5cとに形成する。
上記第1及び第2工程を実行した後、図2に示すように、第1工程で作成された金属膜6付き磁性板5−1と金属膜6が付いていない磁性板5−2とを、第1工程で作成されたコア2の鍔部21,22の側面21c,22cと側面21d,22dとに接着剤7でそろぞれ接着させることにより、コモンモードチョークコイル1を製造することができる。
次に、この実施例のコモンモードチョークコイルが示す作用及び効果について説明する。
図8は、イミュニティ試験におけるコモンモードチョークコイル1の作用及び効果を説明するための概略ブロック図である。
図8において、符号100,101は、送信IC,受信ICであり、これら送信IC100と受信IC101とが差動伝送路111,112で接続されている。そして、コモンモードノイズNを発生させるためのノイズ発生器120が送信IC100側の差動伝送路111,112部位に配置されている。
コモンモードチョークコイル1は、このような差動伝送路111,112上であって、受信IC101側に近い部位に接続した。具体的には、外部電極3−2,3−4を差動伝送路111に接続すると共に、外部電極3−1,3−3を差動伝送路112に接続した。
かかる状態で、差動信号S1,S1′を送信IC100から差動伝送路111,112に出力すると共に、ノイズ発生器120を用いて、所定周波数範囲のコモンモードノイズNを差動伝送路111,112上に発生させる。
すると、コモンモードノイズNが載った差動信号S2,S2′がコモンモードチョークコイル1側に向かって伝送され、外部電極3−1,3−2を通じてコモンモードチョークコイル1内に入力される。そして、この差動信号S2,S2′が巻線4−1,4−2と抵抗R,Rを通り、外部電極3−3,3−4を通じて、差動信号S3,S3′として差動伝送路111,112に出力される。
図8は、イミュニティ試験におけるコモンモードチョークコイル1の作用及び効果を説明するための概略ブロック図である。
図8において、符号100,101は、送信IC,受信ICであり、これら送信IC100と受信IC101とが差動伝送路111,112で接続されている。そして、コモンモードノイズNを発生させるためのノイズ発生器120が送信IC100側の差動伝送路111,112部位に配置されている。
コモンモードチョークコイル1は、このような差動伝送路111,112上であって、受信IC101側に近い部位に接続した。具体的には、外部電極3−2,3−4を差動伝送路111に接続すると共に、外部電極3−1,3−3を差動伝送路112に接続した。
かかる状態で、差動信号S1,S1′を送信IC100から差動伝送路111,112に出力すると共に、ノイズ発生器120を用いて、所定周波数範囲のコモンモードノイズNを差動伝送路111,112上に発生させる。
すると、コモンモードノイズNが載った差動信号S2,S2′がコモンモードチョークコイル1側に向かって伝送され、外部電極3−1,3−2を通じてコモンモードチョークコイル1内に入力される。そして、この差動信号S2,S2′が巻線4−1,4−2と抵抗R,Rを通り、外部電極3−3,3−4を通じて、差動信号S3,S3′として差動伝送路111,112に出力される。
ところで、受信IC101の終端の容量は終端で生じる多くの容量の総和として生じる。ここでは、理解を容易にするために、これらの容量をキャパシタンス102で表示した。このように、受信IC101の終端には、キャパシタンス102が存在するので、コモンモードチョークコイル1の巻線4−1,4−2のインダクタンスとこのキャパシタンス102とが共振回路を構成する。そして、この共振回路の共振周波数は、ノイズ発生器120で発生させるコモンモードノイズNの周波数範囲内に含まれるおそれがある。かかる状態では、この共振周波数及びその近傍の周波数帯域内のコモンモードノイズNが十分抑圧されず、コモンモードノイズNが載った差動信号S3,S3′が出力されるおそれがある。
しかしながら、この実施例のコモンモードチョークコイル1では、図4及び図5に示したように、金属膜6を磁性板5−1の内側面5bと周面5cとに形成し、磁力線Hがこの金属膜6を必ず通過するようにしたので、金属膜6上における渦電流Iの発生によって、上記共振周波数及びその近傍の周波数帯域内のコモンモードノイズNに対する抵抗成分Rが増加し、この抵抗成分がコモンモードノイズNを抑圧する。この結果、イミュニティ試験における全ての周波数帯域のコモンモードノイズNに対して、良好なノイズ抑圧効果を発揮する。
また、コモンモードチョークコイル1の磁性板5−1の金属膜6が1対の巻線4−1,4−2と対向しているので、電流が金属膜6側に流れて、高周波領域におけるコモンモードチョークコイル1のインピーダンスを下げるおそれがある。しかし、この実施例のコモンモードチョークコイル1では、巻芯部20と鍔部21,22と磁性板5−2との内部に磁路を形成する磁力線Hが、磁性板5−2を必ず通過して、高周波領域でのインピーダンスを高める。したがって、金属膜6によって高周波領域でのインピーダンスが低下されるような事態が生じても、その低下が磁性板5−2によって抑制されることとなる。
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、金属膜6を、磁性板5−1の外側面5aを除いて、内側面5b及び周面5cに形成したが、金属膜6は、磁性板5−1の少なくとも鍔部21,22との接合部位に形成してあればよい。したがって、金属膜6を磁性板5−1の内側面5bにのみ設けたコモンモードチョークコイルや、金属膜6を磁性板5−1の外側面5aをも含めた全面に設けたコモンモードチョークコイルも、この発明の範囲内に含まれる。
また、上記実施例では、コア2と磁性板5−1,5−2とを、それぞれフェライトで形成したが、これらの部材をフェライト以外の磁性体で形成したコモンモードチョークコイルを、この発明の範囲から除外する意ではない。
また、上記実施例では、金属膜6を磁性板5−1に形成したが、磁性板5−1だけでなく、金属膜6を磁性板5−2にも形成したコモンモードチョークコイルもこの発明に範囲内に含まれることは勿論である。
さらに、上記実施例では外部電極3−1〜3−4をコア2の鍔部21,22に直接塗布形成したが、他の形態、例えば金属端子により鍔部2に外部電極を形成したコモンモードチョークコイルをこの発明の範囲から除外する意ではない。
例えば、上記実施例では、金属膜6を、磁性板5−1の外側面5aを除いて、内側面5b及び周面5cに形成したが、金属膜6は、磁性板5−1の少なくとも鍔部21,22との接合部位に形成してあればよい。したがって、金属膜6を磁性板5−1の内側面5bにのみ設けたコモンモードチョークコイルや、金属膜6を磁性板5−1の外側面5aをも含めた全面に設けたコモンモードチョークコイルも、この発明の範囲内に含まれる。
また、上記実施例では、コア2と磁性板5−1,5−2とを、それぞれフェライトで形成したが、これらの部材をフェライト以外の磁性体で形成したコモンモードチョークコイルを、この発明の範囲から除外する意ではない。
また、上記実施例では、金属膜6を磁性板5−1に形成したが、磁性板5−1だけでなく、金属膜6を磁性板5−2にも形成したコモンモードチョークコイルもこの発明に範囲内に含まれることは勿論である。
さらに、上記実施例では外部電極3−1〜3−4をコア2の鍔部21,22に直接塗布形成したが、他の形態、例えば金属端子により鍔部2に外部電極を形成したコモンモードチョークコイルをこの発明の範囲から除外する意ではない。
1…コモンモードチョークコイル、 2…コア、 3−1〜3−4…外部電極、 4−1,4−2…巻線、 4−1a,4−1b,4−2a,4−2b…端部、 5−1,5−2…磁性板、 5a…外側面、 5b…内側面、 5c…周面、 6…金属膜、 7…接着剤、 20…巻芯部、 21,22…鍔部、 21a,21b,22a,22b…脚部、 21c,22c,21d,22d…側面、 100…送信IC、 101…受信IC、 102…キャパシタンス、 111,112…差動伝送路、 120…ノイズ発生器。
Claims (5)
- 巻芯部及びこの巻芯部の両端部に設けられた1対の鍔部を有して成る磁性コアと、
上記各鍔部の上端部又は下端部に形成された外部電極と、
上記巻芯部に巻回され且つ各端部が上記外部電極まで引き出されて接合された1対の巻線と、
上記1対の鍔部における一方の側面に架けられて接着剤によりこれらの側面に接合され且つ上記外部電極とは別体の金属膜が少なくとも当該上記1対の鍔部との接合部位に形成された第1の磁性板と、
上記1対の鍔部における他方の側面に架けられて接着剤によりこれらの側面に接合された第2の磁性板と
を備えることを特徴とするコモンモードチョークコイル。 - 請求項1に記載のコモンモードチョークコイルにおいて、
上記磁性コアと上記第1及び第2の磁性板とを、それぞれフェライトで形成した、
ことを特徴とするコモンモードチョークコイル。 - 請求項1又は請求項2に記載のコモンモードチョークコイルにおいて、
上記金属膜を、鉄,コバルト,ニッケル,クロム,マンガン及び銅の内の少なくともいずれかを含む強磁性体で形成した、
ことを特徴とするコモンモードチョークコイル。 - 請求項3に記載のコモンモードチョークコイルにおいて、
上記金属膜を、ニッケルとクロムの合金又はニッケルと銅の合金を主成分とする強磁性体の合金で形成した、
ことを特徴とするコモンモードチョークコイル。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のコモンモードチョークコイルにおいて、
上記接着剤に、磁粉を混入した、
ことを特徴とするコモンモードチョークコイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007206598A JP2009043885A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | コモンモードチョークコイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007206598A JP2009043885A (ja) | 2007-08-08 | 2007-08-08 | コモンモードチョークコイル |
Publications (1)
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JP2009043885A true JP2009043885A (ja) | 2009-02-26 |
Family
ID=40444317
Family Applications (1)
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2009043885A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021019026A (ja) * | 2019-07-18 | 2021-02-15 | Tdk株式会社 | コイル部品 |
-
2007
- 2007-08-08 JP JP2007206598A patent/JP2009043885A/ja active Pending
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