JP2009042515A - 露光方法および露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光性材料やフォトマスクの表面に異物が付着した場合でも歩留まりを低下させず、高品質な製品を実現するための露光方法を提供する。
【解決手段】ストライプ形状のパターン11が形成されたフォトマスク12に露光光を照射し、感光性材料膜14で覆われた基板16にフォトマスク12のパターン11を転写する露光方法であって、所定の平面を、ストライプ形状のパターン11の長手ラインと平行であり、かつフォトマスク12に垂直な平面とするとき、擬似平行光18a、18bの照射方向が、この所定の平面に平行であり、かつフォトマスク12に対して所定の傾きをなし、照射方向が異なる少なくとも2つの擬似平行光18a、18bを用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、表示装置などの製造における露光方法および露光装置に関し、特に、大型テレビジョンや公衆表示などに用いる平板型の表示装置であるプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)の電極、隔壁の形成を行うための露光方法および露光装置に関する。
表示装置の中でもPDPは、高精細化、大画面化の実現が可能であることから、100インチクラスのテレビジョン受像機や大型公衆表示装置などに向けて製品化が進んでいる。
基本的にPDPは前面板と背面板とで構成されている。前面板は、ガラス基板と、その一方の面上に形成されたストライプ形状の透明電極と金属バス電極とで構成される表示電極と、この表示電極を覆ってコンデンサとしての働きをする誘電体層と、この誘電体層上に形成された酸化マグネシウムからなる保護層とで構成されている。一方、背面板は、ガラス基板と、その一方の面上に形成されたストライプ形状のアドレス電極と、アドレス電極を覆う下地誘電体層と、下地誘電体層上に形成されたストライプ形状の隔壁と、各隔壁間に形成された赤色、緑色および青色それぞれに発光する蛍光体層とで構成されている。前面板と背面板とは、その電極形成面側を対向させてその周囲が封着材によって封着され、隔壁で仕切られた放電空間に放電ガスが所定の圧力で密封されている。完成したPDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印加することによって放電させ、その放電によって発生した紫外線が各色蛍光体層を励起して赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画像表示を実現している。
このようにPDPなどの平板型の表示装置にはストライプ形状の層状部材が多く使用されている。このようなストライプ形状の層状部材を形成する方法としてスクリーン印刷によりストライプ形状にペーストを塗布した後これを焼成するという方法もあるが、精度確保が難しいなどの問題がある。そこで、大型サイズの基板では、ストライプ形状のパターンが形成されたフォトマスクに露光光を照射して感光性材料膜で覆われた基板にフォトマスクのパターンを転写し、現像エッチングしてパターンを形成するフォトリソグラフィ法が多く用いられている。
図5はこのような表示装置に用いられる一般的な露光方法を示す断面図である。ストライプ形状のパターン11が形成されたフォトマスク12がフォトマスク支持部材13によって支持されている。フォトマスク12と対向するように配置され感光性材料膜14で覆われた基板15が基板支持部材16によって支持されている。露光光源17から発せられた平行な露光光18はフォトマスク12に垂直に照射され、感光性材料膜14にフォトマスク12のパターン11が転写される。
このような露光装置において、フォトマスク12に異物19が付着した場合、この異物により露光光18が遮られるため影19aができ、異物19の像が感光性材料膜14に転写されて製品不良が発生するという課題がある。なお、分かりやすく説明するために図5では異物の大きさは実際の大きさより大きく表示している。
このような課題を解決する方法として、露光光源とフォトマスクの間に透明なカバーを設置して異物をこのカバーで受け、これを揺動させることで異物による影の影響を低減する方法が開示されている(例えば、特許文献1)。また、フォトマスクと感光性材料膜の間隔(露光ギャップ)を調整して露光することで異物の影響を低減する方法が開示されている(例えば、特許文献2)。また、線幅や露光パターンの異なる複数のフォトマスクを用い感光性材料膜を複数回露光することによって異物の影響を低減する方法が開示されている(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5)。
特開平8−288207号公報 特開2004−265667号公報 特開2004−342348号公報 特開2005−250465号公報 特開2006−253058号公報
しかしながら、従来のように露光光源とフォトマスクの間に透明なカバーを設置し、これを揺動させるという方法では露光装置がかなり複雑となりコストがかかるうえに、カバー設置以前に付着した異物に対しては効果がないという課題がある。また露光ギャップを調整する方法では異物の大きさや感光性材料膜の厚さなどによって微妙に露光ギャップを調整する必要があり、最適な条件を設定するのは容易ではない。また線幅や露光パターンの異なる複数のフォトマスクを用い感光性材料膜を複数回露光する方法では、フォトマスクが複数個必要で露光も複数回必要であるために工程が複雑であるという課題がある。
さらに、異物が付着する箇所はフォトマスクの上面だけでなくフォトマスクの下面や感光性材料膜の上面など多岐に渡るが、フォトマスク以外に異物が付着した場合には従来の方法では効果がない。このように異物の影響によって露光がされない未露光部の感光性材料膜は、ネガ型感光性材料膜の場合は断線系欠陥、ポジ型感光性材料膜の場合はショート系欠陥となってしまい著しく歩留まりを低下させる。
本発明はこれらの課題に鑑みなされたものであり、PDPを始めとする表示装置の製造において、感光性材料やフォトマスクの表面に異物が付着した場合でも歩留まりを低下させず、高品質な製品を実現するための露光方法および露光装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の露光方法は、ストライプ形状のパターンを有するフォトマスクを介して擬似平行光を照射して感光性材料膜を露光する露光方法であって、所定の平面を、ストライプ形状の長手ラインと平行であり、かつフォトマスクに垂直な平面とするとき、擬似平行光の照射方向が、所定の平面に平行であり、かつフォトマスクに対して所定の傾きをなし、照射方向が異なる少なくとも2つの擬似平行光を用いている。
このような方法により、フォトマスクや感光性材料膜の表面に異物が付着している場合でも異物による露光光の遮断(影)を低減することで未露光部の発生をなくし歩留まりの低下を防ぐことができる。
さらに、照射方向が異なる2つの擬似平行光を用い、前記フォトマスクに対して前記2つの擬似平行光の照射方向がなすそれぞれの傾きが同じであることが望ましい。このような方法により、異物による露光光の影の強度を均一に分散することができ、異物の影の影響をより低減することができる。
また、本発明の露光装置は、ストライプ形状のパターンを有するフォトマスクを介して擬似平行光を照射して感光性材料膜を露光する露光装置であって、所定の平面を、ストライプ形状の長手ラインと平行であり、かつフォトマスクに垂直な平面とするとき、擬似平行光を照射する露光光源の照射方向が、所定の平面に平行であり、かつフォトマスクに対して所定の傾きを有し、照射方向が異なる少なくとも2つの擬似平行光を照射している。
このような構成により、フォトマスクや感光性材料膜の表面に異物が付着している場合でも異物による露光光の遮断(影)を低減することで未露光部の発生をなくし歩留まりの低下を防ぐことができる。
本発明の露光方法および露光装置によれば、フォトマスクや感光性材料膜の表面に異物が付着している場合でも、異物による露光不良の発生をなくすことができ、高い歩留まりで高品質な表示装置を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態における露光方法について図面を用いて詳しく説明する。
(実施の形態)
図4は、本発明の露光方法を適用する表示装置の一例であるPDPの構造を示す分解斜視図である。PDPの基本構造は、一般的な交流面放電型PDPと同様である。図4に示すように、PDP20は前面板21と、背面板31とが対向して配置され、その外周部をガラスフリットなどからなる封着材(図示せず)によって気密封着されている。封着されたPDP20内部の放電空間22には、ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガスが400Torr〜600Torr(53kPa〜80kPa)の圧力で封入されている。
前面板21の前面ガラス基板23上には、走査電極24および維持電極25よりなる一対のストライプ形状の表示電極26とブラックストライプ27が互いに平行にそれぞれ複数列配置されている。前面ガラス基板23上には表示電極26とブラックストライプ27とを覆うようにコンデンサとしての働きをする誘電体層28が形成され、さらにその表面に酸化マグネシウム(MgO)などからなる保護層29が形成されている。
また、背面板31の背面ガラス基板32上には、前面板21の表示電極26と直交する方向に、複数のストライプ形状のアドレス電極33が互いに平行に配置され、これを下地誘電体層34が被覆している。さらに、アドレス電極33間の下地誘電体層34上には放電空間22を区切る所定の高さのストライプ形状の隔壁35が形成されている。隔壁35間の溝には紫外線によって赤色、緑色および青色にそれぞれ発光する蛍光体層36R、36G、36Bが順次塗布して形成されている。
表示電極26とアドレス電極33とが交差する位置に放電セルが形成され、カラー表示のための画素になる。上述のストライプ形状の表示電極26およびブラックストライプ27、アドレス電極33、隔壁35などはストライプ形状のパターンが形成されたフォトマスクに露光光を照射してフォトマスクのパターンを転写し、これを現像後、エッチング処理または焼成処理することにより形成される。
本発明の露光方法は、上述のストライプ形状の表示電極26およびブラックストライプ27、アドレス電極33、隔壁35などの製造に適用することができる。図1は本発明の実施の形態における露光装置の概要を示す図であり、ストライプ形状のパターン11の長手ラインと平行でかつフォトマスク12に垂直な平面(所定の平面とする)で切断した断面図である。図2は図1におけるA−A断面図である。
図1および図2に示すように、ストライプ形状のパターン11が形成されたフォトマスク12はフォトマスク支持部材13によって支持されている。フォトマスク12と対向するように配置されて感光性材料膜14で覆われた基板15は基板支持部材16によって支持されている。フォトマスク支持部材13はX−Y−Zの3軸方向に移動可能に構成され(図示せず)、フォトマスク12と基板15との位置合わせをすることができる。
露光光源17からは擬似平行光18a、18bが出射される。露光光源17としては、例えばキセノン・水銀アークランプやエキシマ・レーザなどから出射された光を、公知の反射鏡レンズやコリメータレンズという手段により擬似平行光にする構成が用いられる。
本発明の実施の形態における露光方法では、ストライプ形状のパターン11を有するフォトマスク12を介して擬似平行光18a、18bを照射して感光性材料膜14を露光している。ここで、前述したように所定の平面を、ストライプ形状のパターン11の長手ラインと平行であり、かつフォトマスク12に垂直な平面とするとき、擬似平行光18a、18bの照射方向が、この所定の平面に平行であるようにしている。さらに、照射方向が異なる擬似平行光18a、18bは、それぞれ、フォトマスク12に対して所定の傾きである角度θ1とθ2をなす2方向の光束からなっている。
すなわち、ストライプ形状のパターン11のストライプの長手ラインの2方向から、フォトマスク12に対して角度θ1、θ2を有する擬似平行光を照射するようにしている。さらに、本発明の実施の形態では、擬似平行光18a、18bの角度θ1、θ2をともに45度に設定し、フォトマスク12に対して左右対称な2方向から照射している。すなわち、照射方向が異なる2つの擬似平行光18a、18bを用い、フォトマスク12に対して2つの擬似平行光18a、18bの照射方向がなすそれぞれの傾きが同じであるようにしている。
図3は、本発明の実施の形態における露光方法において、感光性材料膜14の表面に付着した異物19による露光光の影響を模式的に示した図である。図3に示すように、擬似平行光18a、18bが2方向から照射されることにより、異物19の影19bは大幅に低減される。さらに感光性材料膜14と基板15との界面からの反射光18a1、18b1などが異物19の下に回り込むため事実上異物による影による影響をなくすことができる。
この場合、擬似平行光18a、18bがフォトマスク12に対して傾きを持った光束であっても、前述の所定の平面と平行な光束としているため、図2から明らかなようにストライプ形状のパターン11は感光性材料膜14に正確に転写される。本発明はこのようなストライプ形状のパターン11に対する露光の特徴を利用したもので、ストライプ形状のパターン11に対しては前述の光束を用いることによりパターン11に何らの影響を及ぼすことなく異物19の影響を除去できる。
ただし図1においてパターン11の両端近傍の転写像は光量が不足するが、パターン11を感光性材料膜14より長くするか、感光性材料膜14の形成領域をパターン11より短くすれば問題ない。
本発明の実施の形態では、擬似平行光を左右対称な45度の角度に設定した例を示したが、パターン11の形状や露光光源17の種類などによってそれぞれの条件に応じた最適な角度が設定される。また本発明の実施の形態では左右対称な2方向の擬似平行光の光束を照射する例を示したが、必ずしも対称にしなくても効果は得られる。しかし左右対称にすると左右それぞれの影の強度が均一となり影の影響をより効果的に分散させることができる。また擬似平行光は2方向の光束だけではなく、3方向以上の光束を用いてもさらに効果がある。
また本実施の形態では異物19が感光性材料膜14の表面に付着している場合の例を示したが、フォトマスク12の表面、および裏面に付着している場合でも同様の効果が得られる。フォトマスク12に異物19が付着している場合は、多数の感光性材料膜14が露光不良となり製品歩留まりが大幅に低下するという問題がある。しかしながら、本発明の実施の形態によれば、異物19に対して擬似平行光の回り込み(回折)現象などが加わるため、影の影響を一層低減できる効果があり安定した製造品質を保つことができる。また本実施の形態ではPDPのストライプ形状パターンを露光する例を示したが、それ以外のLCD、FED、SEDなどの感光性材料を用いたストライプパターンを有する電極などの工程にも用いることが可能である。
このように本発明の露光方法および露光装置によれば、フォトマスクや感光性材料膜の表面に異物が付着している場合でも、異物による露光不良の発生をなくすことができ、高い歩留まりの製造を実現でき高品質な表示装置を実現することができる。
本発明の露光方法は、フォトマスクや感光性材料膜の表面に異物が付着している場合でも、異物による露光不良の発生をなくすことができるため、大画面の表示装置の製造方法などに特に有用である。
本発明の実施の形態における概要を示す図 図1におけるA−A断面図 本発明の実施の形態における露光方法において、感光性材料膜の表面に付着した異物による露光の影響を模式的に示した図 本発明の露光方法を適用する表示装置の一例であるPDPの構造を示す分解斜視図 一般的な露光方法を示す断面図
符号の説明
11 パターン
12 フォトマスク
13 フォトマスク支持部材
14 感光性材料膜
15 基板
16 基板支持部材
17 露光光源
18 露光光
18a,18b 擬似平行光
19 異物
19a,19b 影
20 PDP
21 前面板
22 放電空間
23 前面ガラス基板
24 走査電極
25 維持電極
26 表示電極
27 ブラックストライプ
28 誘電体層
29 保護層
31 背面板
32 背面ガラス基板
33 アドレス電極
34 下地誘電体層
35 隔壁
36R,36G,36B 蛍光体層

Claims (3)

  1. ストライプ形状のパターンを有するフォトマスクを介して擬似平行光を照射して感光性材料膜を露光する露光方法であって、所定の平面を、前記ストライプ形状の長手ラインと平行であり、かつ前記フォトマスクに垂直な平面とするとき、前記擬似平行光の照射方向が、前記所定の平面に平行であり、かつ前記フォトマスクに対して所定の傾きをなし、前記照射方向が異なる少なくとも2つの前記擬似平行光を用いることを特徴とする露光方法。
  2. 照射方向が異なる2つの擬似平行光を用い、前記フォトマスクに対して前記2つの擬似平行光の照射方向がなすそれぞれの傾きが同じであることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. ストライプ形状のパターンを有するフォトマスクを介して擬似平行光を照射して感光性材料膜を露光する露光装置であって、所定の平面を、前記ストライプ形状の長手ラインと平行であり、かつ前記フォトマスクに垂直な平面とするとき、前記擬似平行光を照射する露光光源の照射方向が、前記所定の平面に平行であり、かつ前記フォトマスクに対して所定の傾きを有し、前記照射方向が異なる少なくとも2つの前記擬似平行光を照射することを特徴とする露光装置。
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