JP2009041306A - 床材およびその製造方法 - Google Patents

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彰 伊東
Takashi Yoshigasako
隆司 芳ヶ迫
Hiroshi Mihashi
広志 三橋
Yumi Okazaki
由美 岡▲崎▼
Tsuguto Hayashi
嗣人 林
Shoichi Urabe
彰一 占部
Kosuke Omae
宏輔 大前
Takenobu Enomoto
豪信 榎本
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Abstract

【課題】過酷な温度環境下においても、スムーズに施工することができる床材を提供する。
【解決手段】本発明は、高比重層2上に木質層3が積層されるとともに、前記木質層3上に化粧層4が積層される床材を対象とする。本床材において、前記木質層3は、比重が0.7以上、厚さが2.0mm以下の木質繊維板により構成され、前記高比重層2は、比重が1.0〜3.0の高比重シートにより構成され、床材全体の厚みが、2.0〜6.0mmに設定され、5〜40℃の範囲内において、1℃の温度変化(℃)に対する床材幅方向における151.5mm当たりの反り変化量(mm)の比率が、±0.15(mm/℃)以下に設定される。
【選択図】図2

Description

この発明は、家屋やマンション等の居住用建造物における屋内の床仕上げ用に好適に用いられる床材およびその製造方法に関する。
一般住宅等における床仕上げ用の床材においては、施工作業性を向上させるために、多数の技術が提案されている。
例えば下記特許文献1に示す床材は、施工現場において、鋸を用いずに、カッターナイフ等で簡単に切断できる上さらに、釘等の固定具を用いずに、両面テープ等を用いて簡単に施工できる床材が提案されている。
特開2003−300203号(特許請求の範囲、図1−3)
しかしながら、上記特許文献1に示すような従来の床材は、過酷な温度環境下例えば、冬季の寒冷地や、夏季の温暖地で施工するような場合、反りが発生して、床下地に正確に沿わせることができず、部分的に床下地から浮き上がってしまうことがあり、スムーズに施工できない場合があった。
この発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、過酷な温度環境下においても、スムーズに施工することができる床材およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は以下の構成を要旨とするものである。
[1] 高比重層上に木質層が積層されるとともに、前記木質層上に化粧層が積層される床材であって、
前記木質層は、比重が0.7以上、厚さが2.0mm以下の木質繊維板により構成され、
前記高比重層は、比重が1.0〜3.0の高比重シートにより構成され、
床材全体の厚みが、2.0〜6.0mmに設定され、
5〜40℃の範囲内において、1℃の温度変化(℃)に対する床材幅方向における151.5mm当たりの反り変化量(mm)の比率が、±0.15(mm/℃)以下に設定されたことを特徴とする床材。
[2] 15〜30℃の範囲内における151.5mm当たりの床材幅方向の反り量が、2.5(mm)以下に設定される前項1に記載の床材。
[3] 20℃での曲げヤング係数が、200〜1500N/mm2 に設定される前項1または2に記載の床材。
[4] 高比重シート上に接着剤を介して木質繊維板が積層された積層体を備え、前項1〜3のいずれかに記載の床材を製造するための床材の製造方法であって、
前記積層体の接着剤を硬化させるに際して、積層体を圧締して加圧する圧締処理を行った後、前記積層体を加圧しつつ接着剤を養生させる養生処理を行うようにしたことを特徴とする床材の製造方法。
[5] 前記養生処理の養生温度を、15〜30℃に設定するようにした前項4に記載の床材の製造方法。
発明[1]の床材によれば、幅反りの対温度変化率が小さいため、高温域および低温域においても反りが発生し難く、過酷な温度環境下でも施工作業をスムーズに行うことができる。
発明[2]の床材によれば、適性温度域を15〜30℃に調整しているため、高温や低温等の過酷な温度環境下であっても、気温が適性温度域から大きく逸脱するのを防止でき、床材の反りも小さくなり、施工作業性をより確実に向上させることができる。
発明[3]の床材によれば、適度な柔軟性を確保でき、床下地により一層確実に沿わせることができ、より一層施工作業性を向上させることができる。
発明[4]の床材の製造方法によれば、上記特有の硬化を有する床材を確実に製造することができる。
発明[5]の床材の製造方法によれば、上記特有の硬化を有する床材をより一層確実に製造することができる。
図1〜3はこの発明の実施形態である床材(1)を示す図である。これらの図に示すように、この床材(1)は、高比重層(2)上に接着剤(11)を介して木質層(3)が積層されるとともに、木質層(3)上に接着剤(12)を介して化粧層(4)が設けられた積層構造を基本的な構成として備えている。
本実施形態において、木質層(3)は、木質繊維板により構成されている。
この木質繊維板としては、比重(密度)が0.7(g/cm3 )以上のものを用いる必要があり、好ましくは0.8(g/cm3 )以上のもの、より好ましくは0.85(g/cm3 )以上のものを用いるのが良い。すなわちこの比重が小さ過ぎる場合には、硬度を十分に確保することができず、耐落下傷性の低下を来たし、床面上に物品を落下させてしまった際に、凹み傷が生じるおそれがある。
さらに木質繊維板としては、厚さが、0.8mm〜2.0mmのもの、好ましくは1.5mm以下のものを用いるのが良い。
木質繊維板は、フラット性を保つには厚い方が良いが、高比重シートの柔軟性を阻害せずに、自重による床下地への馴染み性を確保するには薄い方が良い。
高比重シートの柔軟性を阻害しないためには、木質繊維板の厚さを2.0mm以下、好ましくは1.5mm以下に設定するのが良い。
またフラット性を保つためには、木質繊維板の厚さを0.80mm以上、好ましくは0.90mm以上、より好ましくは1.1mm以上に設定するのが良い。下限値をこのように設定する場合には、吸湿し膨潤、伸張しても、施工後に、隣合う床材間の接合部で突き上げが生じることはなく、接合部近傍にも盛り上がりが生じることもない。さらに床下地に段差(線状段差)があっても、それに沿って線状に馴染み変形することはなく、なだらかな傾斜面(床面)を形成することができ、良好な仕上がり具合を得ることができる。
なお厚さが0.8mm未満の木質繊維板を使用した場合、床材が吸湿し、伸張すると、隣合う床材間の接合部自体はフラットであるが、その近傍に盛り上がり現象が生じるおそれがある。
木質繊維板として、厚さが薄過ぎるものは、製作が困難になるとともに、薄過ぎて耐落下傷性の低下等を来すおそれがある。
なお、市販の木質繊維板製品はほとんどが、2.5mm厚程度であるため、市販の木質繊維板製品を用いて本発明の床材を作製する場合には、その厚板の木質繊維板製品の厚さを、1回以上分割して、本発明に対応した木質繊維板を作製するようにすれば良い。
木質繊維板として、上記特定の厚さのものを使用する場合には、床材の温度変化によっても、床材の凸反り(山反り)変形を小さくすることができる。
また木質繊維板は、その引張強さ(10mm幅当たり)が300N以上、好ましくは360N以上、より好ましくは400N以上のものが良い。引張強さが小さ過ぎる場合、耐圧縮性が低下し、施工後に吸湿膨潤により伸張し、隣合う床材間の接合部において、盛り上がり現象が生じるおそれがある。
本実施形態において、高比重層(2)は、高比重シートにより構成されている。
この高比重シートは、例えば合成樹脂、合成ゴム系樹脂等の樹脂に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の無機粉体や金属粉体を混入した組成物より得られるものを好適に用いることができ、例えばポリエチレン樹脂と、エチレン・プロピレン・ラバーと、炭酸カルシウムとが配合された組成物からなるものを好適に用いることができる。
具体的には、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂を10〜40重量部、エチレンプロピレンゴム(EPR、エチレンプロピレンラバー)等の熱可塑性エラストマーを10〜20重量部、炭酸カルシウム等の無機質材を50〜80重量部配合して、所望の調整を行って、所定の比重(密度)や硬度等に調整した組成物を用いることができる。
より具体的には、ポリエチレンを35重量部、エチレンプロピレンゴムを10重量部、炭酸カルシウムや硫酸バリウムを55重量部配合した組成物を好適に用いることができる。
また高比重シートの硬度調整方法としては例えば、塩化ビニル系樹脂や塩化ビニリデン系樹脂等に可塑剤や無機粉体、金属粉体等の添加剤を配合したものにより、所定の比重(密度)や硬度等に調整することができる。
なお熱可塑性樹脂や塩化ビニル系樹脂等は、再生品を用いても良く、また材料の一部として配合しても良い。
高比重シートとしては、比重(密度)が1.0〜3.0(g/cm3 )のものを用いる必要があり、好ましくは1.3〜2.6(g/cm3 )のものを用いるのが良い。すなわちこの比重が小さ過ぎる場合には、敷設施工時の安定性が低下するとともに、谷反り方向の応力を十分に抑制することが困難になるおそれがある。逆に比重が大き過ぎる場合には、床材自体の高重量化を来たし、施工作業性等、取扱性の低下を来すおそれがある。
本実施形態においては、上記高比重シートからなる高比重層(2)上に、後に詳述する接着層(11)を介して、上記木質繊維板からなる木質層(3)が積層されて、床材用の基材としての複合基材が形成される。
化粧層(4)としては、複合基材の木質層(3)に、印刷処理によって形成する方法や、印刷されたシート(印刷シート)を貼り付けて形成する方法や、木質単板を貼り付けて形成する方法等を採用することができる。
印刷処理を用いる方法は、柄模様や無地模様を木質層(3)に印刷(ダイレクト印刷)して化粧層(4)を形成するものである。例えば木目模様を印刷する場合、複合基材の木質層(木質繊維板)の表面に、シーラー処理、目止め処理、隠蔽処理、下地着色塗装を行った後、木目模様を印刷し、その後、下塗り塗装、上塗り塗装を行うという方法等を例示することができるが、本発明は、もちろんこれに限定されるものではない。
印刷シートを用いる方法は、ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂製のシートや紙製のシートに、柄模様(木目模様、抽象柄模様)や無地模様等が印刷した化粧シートを、複合基材の木質層(3)上に、後に詳述する接着層(12)を介して貼り付けて化粧層(4)を形成するものである。
例えば合成樹脂製印刷シートとしては、接着用プライマー層上に順次、着色ベースポリプロピレン樹脂層、印刷層、透明ポリプロピレン樹脂層、電子線硬化型塗料膜を積層したものを好適に用いることができる。
木質単板を用いる方法は、突板や、ハーフロータリー単板等の木質単板を、複合基材の木質層(3)上に、後に詳述する接着層(12)を介して貼り付けて化粧層(4)を形成するものである。木質単板としては、乾燥単板を用いるのが好ましい。
本実施形態の床材(1)は、5〜40℃の範囲内において、1℃の温度変化(℃)に対する床材幅方向における151.5mm当たりの反り変化量(mm)の比率(幅反りの対温度変化率)を、±0.15(mm/℃)以下に設定する必要があり、好ましくは幅反りの対温度変化率を、±0.13(mm/℃)以下、より好ましくは±0.10(mm/℃)以下に設定するのが良い。
ここで幅反りの対温度変化率は、幅151.5mmの床材の幅方向の反り量(mm)と、床材の温度(材温℃)との相関関係に相当するものであり、例えば図4に示すように、幅151.5mmの床材において、縦軸(Y軸)に幅方向の反り(mm)、横軸(X軸)に材温(℃)を設定した際に、反りと材温との関係式(直線式)の勾配係数に相当するものである。
具体的に、151.5mm幅の床材における幅反りの耐温度変化率を測定する方法としては、所定の温度(材温)毎、例えば10℃、20℃、30℃で幅方向の反り量を測定し、その測定した各温度と反り量との値から、最小二乗法等を用いて、反り量と材温の相関関係式(近似式)を求める。そしてその関係式の勾配係数(Xの係数)に相当するのが、当該床材における幅反りの対温度変化率となる。
反りの測定方法としては、床材をその表面化粧層側を上にして平坦な台(測定台)上に載置した状態において、山反り(凸反り)の場合には、中央部の最も高い矢高を測定し、谷反り(凹反り)の場合には、両端の矢高を測定しその平均値を反り量とする。
なお本発明においては、山反り量を「+(プラス)」、谷反り量を「−(マイナス)」で表示する場合、逆に谷反り量を「+」、山反り量を「−」で表示する場合、さらには山反り量および谷反り量を共に「+」で表示する場合のいずれの場合でも対応できるように、幅反りの対温度変化率を「±(プラスマイナス)」で表示している。本実施形態では、基本的に、山反りを「+」、谷反りを「−」で表示している。
参考までに、背景技術の欄で示した特許文献1(特開2003−300203号)等、従来の床材において、幅反りの対温度変化率は、±0.16(mm/℃)程度以上となるのが一般的である。
ここで幅反りの対温度変化率が大き過ぎる床材の場合には、過酷な温度環境下で施工する際に、有害な反りが発生して、スムーズに施工できないおそれがある。
また本実施形態においては、高比重層(2)の高比重シートとしては、厚さが木質層(3)の木質繊維板の厚さに対し、1倍以上、3倍未満のものを用いるのが良い。
高比重シートの厚さは、後述する「厚さと比重の積(面密度)」が木質繊維板の面密度よりも大きくなるような厚さに設定すれば良い。
高比重シートの比重は木質繊維板の比重よりも大きいので、高比重シートの厚さが木質繊維板と同等の場合には、確実に高比重シートの比重と厚さの積(面密度)が木質繊維板の面密度よりも大きくなる。この場合には、床下地面への馴染み性、敷設安定性を向上させることができる。
高比重シートの厚さが木質繊維板に対し3倍以上の場合には、気温変化、材温変化による床材の形状変化、反り状態の変化が大きくなるおそれがある。
また本実施形態において、高比重シートにおける比重と厚さの積(単位面積当たりの重量「面密度」)が、木質繊維板の比重と厚さの積(面密度)に対する倍率(面密度比)が、1倍以上、6倍未満に設定するのが良く、下限値は好ましくは1.3倍以上、好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.8倍以上、より一層好ましくは2.0倍以上に設定するのが良い。
この面密度比は、大きければ大きいいほど、敷設し易くなる上、吸放湿による木質繊維板の伸縮挙動を抑制できるため、床材として有効に反りを抑制することができるが、6倍以上の場合には、温度変化が大きくなると、形状の変化、反り状態の変化が大きくなるおそれがある。また面密度比が1倍に満たない場合には、床材として床下地への馴染み性が低下するおそれがある。
また本実施形態においては、高比重シートとして、JISK6253「加硫ゴム硬さ試験方法」記載のデュロメーター硬さ試験タイプAに準拠した硬度が、材温20℃において80°以上のものを用いるのが良く、より好ましくは硬度が85°〜95°のものを用いるのが良い。
この硬度が80°未満の場合には、床材表面に物品が落下した際に、その荷重を高比重シートによって十分に受け止めることができず、凹み傷が発生するおそれがある。更に硬度が85°〜95°の場合には、床下地に0.5mm程度の段差があろうとも、その段差による影響が床材表面に及ぶことがなく、床材表面に段差による線模様等が表出されず、良好な仕上がり具合を得ることができる。
なお、この硬度が95°を超える場合には、熱による伸びが大きくなり、谷反り発生の要因となるおそれがあり、好ましくない。
本実施形態において、高比重層(2)と木質層(3)とを接着する接着剤(11)や、木質層(3)と化粧シート等の化粧層(4)を接着する接着剤(12)としては、ホットメルト系(反応性ホットメルト系)、エポキシ樹脂系、ウレタン樹脂系等の溶剤や水等の溶媒を含まない接着剤を用いるのが好ましい。
すなわち、接着剤として通常用いられるメラミン系、フェノール系、水性ビニルウレタン系等のものは水分等の溶媒を含むため、その溶媒が木質繊維板に浸透し、接着剤硬化後も溶媒が残留し、有害な反り等の変形を生じる要因となるおそれがあるからである。
また本発明の床材(1)は、床材全体の厚みが、2.0〜6.0mmに設定されてなる構成を採用するのが良く、より好ましくは下限値が2.5mm以上、上限値が5.5mm以下に設定されてなる構成を採用するのが良い。
すなわちこの全体厚みが薄過ぎるものは、製造が困難になる一方、厚過ぎるものは、剛性が高くなり、柔軟性の低下により、谷反り矯正作用が弱くなり、床材端部が浮き上がったり、床材間に隙間が形成される等の不具合が生じるおそれがある。
また本実施形態の床材(1)は、20℃での曲げヤング係数を、200〜1500N/mm2 に設定するのが良く、より好ましくは300〜1200N/mm2 、より一層好ましくは400〜1000N/mm2 に設定するのが良い。すなわち曲げヤング係数が上記の特定範囲を逸脱するものでは、以下の不具合が生じるおそれがある。すなわち曲げヤング係数が大き過ぎて、剛性が高過ぎると、復元力が強くなり過ぎて、床材に反り等の変形が生じている場合、接着剤、粘着剤、両面テープ等で施工する際に、反り矯正作用が弱くなってしまうおそれがある。逆に柔らか過ぎるものでは、床下地に段差があると、そこに接着剤等で施工すると、床材はその後の経時変化によって床下地の段差に沿うように変形してしまい、床材表面に段差による線状模様が表出されるおそれがある。
また本実施形態の床材(1)は、周囲4辺に、隣り合う他の床材との接合用に接合部が形成される構成を採用するのが良い。
すなわちこの構成を採用する場合、床材施工時に、隣り合う床材間を接合することができ、床材端部が浮き上がったり、床材間に隙間が形成されるのを、より一層確実に防止することができる。
本実施形態において、床材(1)は、通常、平面視長方形や正方形等の方形状に形成されるものである。
本実施形態のように平面視長方形の床材(1)においては、例えば短辺側の一方を雄ざね部(21)、他方を雌ざね部(22)として構成し、長辺側の一方を上じゃくり部(23)、他方をしたじゃくり部(24)として構成し、隣り合う床材間において、短辺側同士をさね接合により接合するとともに、長辺側同士を相じゃくり接合により接合している。
床材(1)の接合部の構造としては例えば、上記の本実接合および相じゃくり接合の他に、相じゃくり実はぎ接合、およびこれらの組合せ等、公知の接合構造を採用することができる。
次に本実施形態の床材(1)の製造方法について説明する。本実施形態においては、高比重層(2)としての高比重シートに、接着剤(11)を介して木質層(3)としての木質繊維板を積層して、複合基材(基材積層体)を得る基材積層工程と、複合基材(基材積層体)に、接着剤(12)を介して化粧層用に化粧シートや突板等を積層して床材(床材積層体)を得る床材積層工程とを含むものである。
なお言うまでもなく、化粧層(3)を印刷処理によって形成する場合には、床材積層工程を省略することができる。
基材積層工程または床材積層工程においては共に、接着剤を塗布する接着剤塗布処理と、基材積層体および床材積層体を1枚毎に低温域で圧締加圧する単独圧締冷圧処理と、複数枚堆積した状態で低温域で圧締加圧する堆積圧締冷圧処理と、堆積させた状態で接着剤を養生させる堆積養生処理とを行うものである。なお本実施形態においては、単独圧締冷圧処理および堆積圧締冷圧処理が、圧締処理を構成するものであり、堆積養生処理が、養生処理を構成するものである。
接着剤塗布処理において、基材積層工程では高比重シートの表面、床材積層工程では複合基材(木質繊維板)の表面を加熱した後、接着剤を塗布する。このように接着剤塗布前に接着面を加熱することにより、接着剤の付着性、流動性が高まり、良好な接着性を得ることができる。さらに接着剤塗布後に接着剤表面を加熱すると、接着剤の流動性が上がり、接着性をさらに向上させることができる。
なお接着剤塗布処理において、接着剤塗布前および塗布後の接着面の加熱温度は、40〜50℃に設定するのが好ましい。
さらに接着剤としては、溶融した反応性ウレタン系ホットメルト樹脂接着剤等を好適に用いることができる。
単独圧締冷圧処理は、接着剤塗布処理後に行われるものである。この単独圧締冷圧処理は、例えばロールプレスや、平盤・平板プレスにて行うものであり、基材積層体または床材積層体を1枚毎に低温域で圧締加圧して、各層を確実に密着させるものである。この圧締冷圧処理は、各層を確実に密着させることが目的であるため、プレス時間は短くて良く、通常は60秒以内に設定され、またそのときの圧力は、39〜98N/cm2 (4.0〜10.0kgf/cm2 )に調整される。
なお接着剤の硬化が完了するまでこの圧締冷圧処理を行うと、1枚毎のプレス時間が長くなり、生産効率が低下するおそれがあり、好ましくない。
堆積圧締冷圧処理は、単独圧締冷圧処理後に行われるものである。この堆積圧締冷圧処理は、複数枚の基材積層体または複数の床材積層体を、フラットな状態に堆積して低温域で圧締加圧して、積層体における各層間の密着状態を安定させるものである。この堆積圧締冷圧処理は通常、圧力が29〜88N/cm2 (3.0〜9.0kgf/cm2 )、処理時間が10分以内に調整される。
なお単独圧締冷圧処理および堆積圧締冷圧処理を行っただけでは、積層体をフラットな状態に維持する困難であり、これらの処理に加えて、堆積養生処理を行うことによって、積層体を確実にフラットな状態に調整することができる。
堆積養生処理は、堆積圧締冷圧処理後に行われるものである。この堆積養生処理は、複数枚の基材積層体または複数の床材積層体を、フラットな状態に積層して養生させるものである。養生時間は8時間程度に設定される。この養生時には、冷圧機により加圧しても良く、重石や重りを載置して加圧しても良い。加圧力は、0.05N/cm2 (0.005kgf/cm2 )程度以上、好ましくは0.098N/cm2 (0.01kgf/cm2 )程度以上である。
無溶媒の接着剤のうち反応型の接着剤は、積層、圧着、圧締を行っても硬化が完了しないので、硬化が完了するまで、積層体をフラットな状態で堆積して養生するのが良い。その養生作業は、年間を通じてほぼ一定の範囲の室温・気温で行い、養生中はその温度に近い材温となって、接着剤の硬化を完了させるのが好ましい。
なお堆積養生処理の前工程である堆積圧締冷圧処理を行う場合には、積層体の各間または適宜の枚数毎に、合板等からなるフラットな板材を挿入して介在させることによって、よりフラットな積層体を得ることが可能となる。
同様に、養生処理においても、フラットな板材を介在させるおくのが好ましい。
また言うまでもなく、板材を介在させた状態で堆積圧締冷圧処理を行った場合には、そのままの状態(板材を介在させたままの状態)で、次に工程(堆積養生処理や加圧堆積養生処理)を行うようにすれば良い。
養生時には、必要に応じて、積層体の各間または適宜数の積層体毎に、合板等からなるフラットな板材を挿入して介在させることによって、養生後に、よりフラットな積層体を得ることが可能となる。
本実施形態においては、こうしてフラット状態で堆積養生して、接着剤の硬化が完了した際に、そのときの材温において、もっとも反りの小さい積層体を得ることができる。ここで、本実施形態においては、この養生時の温度を、15〜30℃、好ましくは20℃以上に設定するのが良い。すなわち、養生温度を高く設定する方が、接着剤を速く硬化させることができるため、接着剤の硬化の点からみると、養生温度は15℃以上、より好ましくは20℃以上が好ましい。しかしながら、30℃を超えると、養生室の温度管理が難しくなるため、養生温度は30℃以下に設定するのが良い。参考までに、従来の床材は、養生温度を40℃以上に設定するのが通例である。
また上記のようにフラットな状態で養生させた場合、その養生時の温度(温度範囲)が、養生後において反りの小さい安定温度域(適性材温域)となる。換言すれば、養生後の積層体において、適性材温域よりも材温が高くなると、高比重シート(高比重層)が伸びて、谷反り(凹反り)となり、逆に材温が低くなると、高比重シートが縮んで、山反り(凸反り)となる。
従って、適性材温域(養生温度範囲)を、自然環境温度に近似した上記本実施形態特有の温度範囲内に設定することによって、高温や低温等の過酷な温度環境下であっても、気温が適性温度域から大きく逸脱するのを防止でき、床材の反りも小さくなり、良好な施工作業性を得ることができる。例えば40℃で養生させた床材では、外気温が、適性材温(40℃)から大きく離れた5℃程度の冬季に施工しようとすると、大きい山反りが発生して、施工が困難になるおそれがある。
以上のように、基材積層工程においては、接着剤塗布処理、単独圧締冷圧処理、堆積圧締冷圧処理および堆積養生処理を行い、これにより、本件特有の性質を備えた所望の基材積層体を得ることができる。
さらに床材積層工程においては、上記と同様に、接着剤塗布処理、単独圧締冷圧処理、堆積圧締冷圧処理および堆積養生処理を行い、これにより、本件特有の性質を備えた所望の床材積層体を得ることができる。
なお床材積層工程においては、化粧層を印刷処理によって形成する場合、化粧層が複合基材に対し悪影響を及ぼすことがなく、基材積層工程でのフラットな状態が維持されるため、堆積養生処理を省略することができ、単に堆積するだけで良い。この堆積処理においても、上記と同様に床材の各間または適宜の枚数毎に、合板等からなるフラットな板材を挿入して介在させるのが望ましい。
さらに化粧層を印刷シート等で形成する場合には、接着剤が完全に硬化するまで、あるいは切断、切削等の加工をしたときに印刷シートの浮き上がり、接着剥離等が生じないような状態にするために、堆積養生処理を行う必要はあるが、化粧層が複合基材に対し悪影響を及ぼすことがないので、堆積養生時に加圧する必要はなく、加圧堆積養生処理を省略することができる。
一方、こうして得られた床材積層体は、所定形状に切断・カットされる。続いて、必要に応じて、着色、塗装等の表面処理が行われる。その後、積層体の周辺に接合部を形成して床材製品(床材)を得るものである。
以上の構成における本実施形態の床材(1)によれば、幅反りの対温度変化率が小さいため、高温域および低温域においても反りが発生し難く、過酷な温度環境下でも施工作業をスムーズに行うことができる。
また、本実施形態の床材(1)において、適性材温域(養生温度範囲)を、自然環境温度に近似した15〜30℃の範囲に設定する場合、換言すれば、15〜30℃での反り量を最も小さくなるように調整した場合、具体的には15〜30℃における151.5mm当たりの幅方向の反り量を2.5mm以下に調整した場合、特に山反り量(凸反り量)を2.0mm以下、谷反り量(凹反り量)を、1.5mm以下に調整した場合には、高温や低温等の過酷な温度環境下であっても、気温が適性温度域から大きく逸脱するのを防止でき、床材の反りも小さくなり、施工作業性をより確実に向上させることができる。
また本実施形態の床材(1)は、繊維方向等の方向性のない高比重シートおよび木質繊維板からなる積層体によって構成されているため、カッターナイフによって、簡単かつ確実に切断することができ、現場等での裁断加工を精度良く簡単に行うことができる。さらにカッターナイフにより切断できるため、鋸を用いる場合とは異なり、切り屑が発生するのを確実に防止でき、現場周辺の環境を良好な雰囲気に維持することができる。
さらに床材表面側の木質層(3)として、硬質の木質繊維板を用いているため、物品等の落下による凹み傷の発生を有効に防止することができる。
また床材裏面側に、高比重シートを積層しているため、反りが生じ難い上、反りに対する矯正作用も強くなり、床材端部の浮き上がりや、隙間の形成を確実に防止することができる。従って本実施形態の床材(1)は後述するように、床下地に確実に馴染ませることができ、両面テープや接着剤のみで敷設施工することも可能となり、より一層施工作業性を向上させることができる。
なお、実施形態の床材(1)においては、必要に応じて、床材表面に、横溝や縦溝等の溝部を形成するようにしても良い。
さらに床材(1)における周辺部上端には、面取り部(30)を形成するのが好ましい。すなわち、面取り部(30)が形成される場合には、床材間の接合部に段差が生じても、その段部が目立たなくなり、良好な仕上がり具合を維持することができる。
また本実施形態では、相じゃくり接合部における下じゃくり部(24)の突出部において、木質繊維板と高比重シートとが存在する構成、およびさね接合部における雌ざね部(22)の上側の突出部において、木質繊維板と高比重シートとが存在する構成を採用するのが好ましい。すなわち、この構成を採用する場合、放湿環境下のとき、高比重シートによる防湿及び補強と、化粧層(4)による補強とにより、上記の各突出部の先端が上方に変形するのを有効に防止することができる。
本実施形態の床材(1)は、隣り合う床材間において相じゃくり接合やさね接合等の接合を行いつつ、床下地に粘着剤を介して粘着施工することにより床構造を形成するものである。
床下地は、平面下地であり、新設施工の場合には、合板、パーティクルボード等によって構成され、リフォームの場合には、上記のもの以外に、既設の床材によって構成される。
リフォームの場合、既設の床面にワックスが塗布されているときには、そのワックスを除去することが望ましい。ワックスの除去はワックス剥離剤やサンドペーパー等で行い、完全な除去が望ましいが、サンドペーパー等でワックスの表面を粗面化する等、適度な除去であっても良い。
本実施形態において、粘着剤としては、水性アクリル樹脂系粘着剤を好適に用いることができる。
さらに本実施形態においては、床材を床下地に接着する際に、必要に応じて、両面テープ(両面粘着テープ)や、接着剤等も併用することができる。
本実施形態において、床材の床下地への接着時に、粘着剤や、両面粘着テープを使用する場合には、床材を床下地からスムーズに剥離することができるため、後日、部分的な貼り替えも容易に行うことができる。さらに粘着剤や、両面粘着テープは、養生の必要がなく、使用当初から所定の粘着強度(接着強度)を得ることができるため、反りのある床材を施工する際に、粘着剤等によって、反りを矯正することができる。このため、反り矯正用の重り等が不要となり、施工作業性を向上させることができる。
また本発明において、床材幅方向における反り変化量の比率は、151.5mm当たりに換算したものである。つまり本発明は、床材の幅寸法そのものが151.5mmに限定されるものでなく、どのような幅寸法の床材にも適用することができる。
Figure 2009041306
<実施例1>
表1に示すように、厚さ1.1mm、比重0.9、10mm幅当たりの引張強度410Nの木質繊維板と、厚さ2.4mm、比重1.7の高比重シート(ポリエチレン、オレフィン系熱可塑性エラストマーおよび無機質粉末等の組成物により形成されたシート)とを、反応性ウレタン系ホットメルト樹脂接着剤を介して積層した。この接着積層時には、表面(接着面)を加熱した高比重シートに接着剤を塗布し、さらに塗布済みの接着剤表面を加熱してから、その接着剤表面に木質繊維板を密着させるようにした。なお木質繊維板に対する高比重シートの厚さの比は、2.18であり、面密度の比は4.12となっている。
この基材積層体に対し、上記したように単独圧締冷圧処理、堆積圧締冷圧処理および堆積養生処理を行った。この養生処理は、20〜30℃(平均25℃)の温度環境下において、0.098N/cm2 (0.01kgf/cm2 )の圧力で8時間養生硬化させた。なおこの養生時、積層体はフラットな状態に維持されていた。
養生後、積層体をカットしさらに、周縁部に相欠き加工を施して、幅151.5mm、長さ909mmの板材を製作した。そしてその板材の表面(木質繊維板の表面)に、木目模様印刷処理を施して、実施例1の床材を製作した。なお木目模様印刷処理を行う前に、シーラー処理、目止め処理、隠蔽処理および下地着色処理を行い、その木目模様印刷処理を行った後、下塗り処理および上塗り処理を行った。
こうして得られた床材は、25℃において、反りがなくほぼフラットな状態であった。
そしてこの床材に対し、材温を5〜40℃の範囲で5℃ずつ変化させて、各温度状態での床材幅方向の反り量(mm)を測定した。その測定結果(実測反り量)を表2に示す。なお反りの測定方法は、山反りについては中央の最も大きい矢高を測定してその測定値を反り量とし、谷反りについては両端の矢高をそれぞれ測定し、両計測値を平均したものを反り量とした。
Figure 2009041306
さらに実測反り量を基に、最小二乗法を用いて近似式(関係式)を求め、その近似式に基づいて、Y軸(縦軸)を幅方向の反り量、X軸(横軸)を材温とするグラフを作成した。その結果を表3および図5に示す。なお表3においては、参考までに、近似式から求めた5℃(材温)および40℃(材温)での予測反り量(mm)を記載している。
さらに反り量に基づいて、過酷な温度環境下(5℃や40℃)での床材の施工作業性について評価した。評価方法は、過酷な温度条件の下であっても、幅反りの影響がほとんどなく(幅反りが小さく)、施工性が良好である場合は「○」、幅反りの影響は多少あるものの(多少の幅反りは生じるものの)、支障なく施工できる場合は「△」、幅反りの影響により(幅反りが大きいことにより)、施工性が困難である場合は「×」とした。その評価結果も表3に併せて示す。
Figure 2009041306
<実施例2>
高比重シートとして厚さが1.6mmのものを用いた以外は、上記実施例1と同様に、床材を製作し、同様の測定を行って同様に評価した。測定結果および評価結果等を表1〜3および図5に示す。
なお得られた床材は、25℃においてほぼフラットな状態であった。また木質繊維板に対する高比重シートの厚さの比、面密度の比は表1に記載される通りである(以下の実施例、比較例においても同じ)。
<比較例1>
木質繊維板として厚さが0.7mm、10mm幅当たりの引張強度が270Nのものを用い、高比重シートとして厚さが2.4mmのものを用いて、上記実施例1と同様に床材を製作した。
その他は、上記実施例1と同様して、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図5に示す。
<実施例3>
高比重シートとして厚さが1.8mmのものを用いた以外は、上記実施例1と同様に、複合基材(基材積層体)を製作した。
続いて、その基材積層体の木質繊維板表面を加熱してから、反応性ウレタン系ホットメルト樹脂接着剤と塗布し、その塗布済みの接着剤表面も加熱してから、木目模様柄が印刷されたポリオレフィン系化粧シート(厚さ0.14mm)を積層した。そしてその積層体(床材積層体)に対し、単独圧締冷圧処理、堆積圧締冷圧処理および堆積養生処理を行った。この養生処理は、上記基材積層工程と同様に、20〜30℃(平均25℃)の温度環境下において8時間養生硬化させた。なおこの養生時、積層体はフラットな状態に維持されていた。
養生後、床材積層体をカットしさらに、周縁部に相欠き加工を施して、幅151.5mm、長さ909mmの床材を製作した。
こうして得られた床材を、上記実施例1と同様にして、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図6に示す。
なお得られた床材は、30℃近辺においてほぼフラットな状態であった(以下の実施例4,5においても同じ)。
<実施例4>
木質繊維板として厚さが1.2、10mm幅当たりの引張強度が417Nのものを用い、高比重シートとして厚さが1.5mmのものを用いた以外は、上記実施例3と同様に床材を製作し、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図6に示す。
<実施例5>
高比重シートとして密度が1.5のものを用いた以外は、上記実施例4と同様に床材を製作し、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図6に示す。
<実施例6>
化粧層としてポリオレフィン系化粧シートに代えて厚さが0.22mmの突板を用い、木質繊維板として厚さが1.2mm、10mm幅当たりの引張用度が417Nのものを用い、高比重シートとして厚さ1.4mmのものを用いた以外は、上記実施例3と同様に床材を製作し、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図7に示す。
なお得られた床材は、25℃においてほぼフラットな状態であった。
<比較例2>
木質繊維板として厚さが0.4mm、10mm幅当たりの引張強度が170Nのものを用い、高比重シートとして厚さが2.7mmのものを用いて、上記実施例6と同様に床材を製作した。ただし、基材積層体および床材積層体の養生温度は、養生温度は35〜40℃に設定した。
こうして得られた床材に対し、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図7に示す。
<実施例7>
養生温度を35℃超〜40℃に設定した以外は、上記実施例1と同様して、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図5に示す。
なお得られた床材は、40℃においてほぼフラットな状態であった。
<実施例8>
養生温度を10〜15℃未満、養生時間を18時間に設定した以外は、上記実施例1と同様して、同様の測定および同様の評価を行った。その結果等を表1〜3および図5に示す。
なお得られた床材は、10℃においてほぼフラットな状態であった。
<総評>
表3から明らかなように、近似式において勾配係数(幅反りの対温度変化率)が小さい実施例1〜6のものは、高温域および低温域においても反りが発生し難く、過酷な温度環境下でも良好な施工作業性を得ることができる。また適性温度域(反りが最も小さい温度域)が30℃を超える実施例7のものは、低温域では、反りが発生し易く、多少の反りは生じるものの、全般的に作業性に大きく影響することはなく、支障なく施工できると思われる。適性温度域が15℃に満たない実施例8のものは、高温域では、反りが発生し易く、多少の反りは生じるものの、全般的に作業性に大きく影響することはなく、支障なく施工できると思われる。
これに対し、近似式において幅反りの対温度変化率が大きい比較例1のものは、高温域および低温域のいずれの温度域においても、反りが発生し易く、過酷な温度環境下では良好な施工作業性を得ることが困難である。また比較例2のものは、低温域から通常の温度域にかけて、大きな反りが発生するため、その温度域においては、良好な施工作業を得ることは困難である。
なお本発明者によって、さらに綿密な実験を行った結果、幅反りの対温度変化率が、±0.15(mm/℃)以下の床材は、過酷な温度環境下においても反りの発生を有効に抑制することができることが確認でき、好ましくは幅反りの対温度変化率が±0.13(mm/℃)以下の床材は、過酷な温度環境下において反りの発生をより効果的に抑制でき、特に実施例1〜6のように、幅反りの対温度変化率が±0.10(mm/℃)以下の床材は、過酷な温度環境下においても、より一層効果的に床材の反りを抑制できることを確認できた。
この発明の一例としての床材を示す図であって、同図(a)は平面図、同図(b)は裏面図である。 図1のP−P線断面図である。 図1のQ−Q断面図である。 この発明における幅反りの対温度変化率を説明するためのグラフである。 化粧層が印刷処理により製作された床材の幅反り量および材温の関係を示すグラフである。 化粧層が樹脂シートにより製作された床材の幅反り量および材温の関係を示すグラフである。 化粧層が突板により製作された床材の幅反り量および材温の関係を示すグラフである。
符号の説明
1…床材
2…高比重層(高比重シート)
3…木質層(木質繊維板)
4…化粧層
11,12…接着層(接着剤)

Claims (5)

  1. 高比重層上に木質層が積層されるとともに、前記木質層上に化粧層が積層される床材であって、
    前記木質層は、比重が0.7以上、厚さが2.0mm以下の木質繊維板により構成され、
    前記高比重層は、比重が1.0〜3.0の高比重シートにより構成され、
    床材全体の厚みが、2.0〜6.0mmに設定され、
    5〜40℃の範囲内において、1℃の温度変化(℃)に対する床材幅方向における151.5mm当たりの反り変化量(mm)の比率が、±0.15(mm/℃)以下に設定されたことを特徴とする床材。
  2. 15〜30℃の範囲内における151.5mm当たりの床材幅方向の反り量が、2.5(mm)以下に設定される請求項1に記載の床材。
  3. 20℃での曲げヤング係数が、200〜1500N/mm2 に設定される請求項1または2に記載の床材。
  4. 高比重シート上に接着剤を介して木質繊維板が積層された積層体を備え、請求項1〜3のいずれかに記載の床材を製造するための床材の製造方法であって、
    前記積層体の接着剤を硬化させるに際して、積層体を圧締して加圧する圧締処理を行った後、前記積層体を加圧しつつ接着剤を養生させる養生処理を行うようにしたことを特徴とする床材の製造方法。
  5. 前記養生処理の養生温度を、15〜30℃に設定するようにした請求項4に記載の床材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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