JP2009040347A - 帯状プライ及びそれを用いた空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】石油外資源からなる原材料から主として構成される帯状プライ及びそれを用いた空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】帯状プライ10は、複数本のスチールコード11を引き揃えたコード配列体10aをトッピングゴム10bで被覆することにより形成される。前記スチールコード11は、曲げ剛性が4.7〜30.0g・cm以上かつ100N荷重時の伸びが0.5〜3%である。また、前記トッピングゴム10bは、その全重量の80%以上が石油外資源から構成される。
【選択図】図3

Description

本発明は、石油外資源を効率良く用いて構成された帯状プライ及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、乗用車用の空気入りタイヤには、その高速耐久性や操縦安定性を高めるために、ベルト層の外側にバンド層が設けられる。該バンド層としては、例えば、平行に配列された複数本の有機繊維コードをトッピングゴムで被覆してリボン状とした帯状プライを、ベルト層の外側に螺旋状に巻き付けることにより形成されたジョイントレスバンドが主流となっている。
ところで、前記帯状プライには、多くの石油資源からなる原材料が使用されている。例えば、前記有機繊維コードには、ナイロン、ポリエステル又はアラミド等の石油資源からなる合成繊維が用いられる。同様に、トッピングゴムには、合成ゴム、カーボンブラック及びアロマオイル等の石油資源からなる原材料が用いられる。
しかしながら、地球上に存在する石油資源は有限であり、その供給量も年々減少しつつある。従って、バンド層として求められる性能を損ねることなく、帯状プライにおける石油資源依存率を低減することは、地球環境問題の観点よりきわめて有用である。関連する文献としては、下記のものがある。
特開2003−63206号公報
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、曲げ剛性及び100N荷重時の伸びが一定範囲に限定されたスチールコードを、全重量の80%以上が石油外資源からなるトッピングゴムで被覆することを基本として、バンド層として求められる性能を損ねることなく石油資源依存率を低減しうる帯状プライ及びそれを用いた空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、1本のコード又は複数本のコードを引き揃えたコード配列体をトッピングゴムで被覆することにより形成された空気入りタイヤのバンド層に用いられる帯状プライであって、前記コードは、曲げ剛性が4.7〜30.0g・cmかつ荷重100N時の伸びが0.5〜3%のスチールコードからなり、かつ前記トッピングゴムは、その全重量の80%以上が石油外資源からなることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の帯状プライをベルト層の外側に螺旋状に巻き付けることにより形成されたバンド層を有する空気入りタイヤである。
本発明の帯状プライには、曲げ剛性及び荷重100N時の伸びが一定範囲に限定されたスチールコードが用いられる。このように、石油資源からなる有機繊維コードに代えて、石油外資源であるスチールコードを用いることにより、帯状プライの石油外資源率を高めうる。また、スチールコードであっても、その伸びや曲げ剛性を一定範囲に限定することにより、有機繊維コードを用いたバンド層と同程度の乗り心地を維持しつつベルト層を拘束して操縦安定性を高め得る。また、スチールコードを被覆するトッピングゴムは、その全重量の80%以上が石油外資源からなる。このような前記帯状プライは、バンド層として求められる性能を発揮しつつ石油外資源率を効果的に高め得る。
以下、本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態の空気入りタイヤ1のタイヤ軸を含むタイヤ子午線断面図、図2はその部分拡大図を示す。前記空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されたベルト層7と、このベルト層7のタイヤ半径方向外側に配されたバンド層9とを有し、本実施形態では乗用車用のラジアルタイヤが例示される。
前記カーカス6は、カーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80゜〜90゜の角度で配列したラジアル構造の1枚以上(本実施形態では1枚)のカーカスプライ6Aにより構成されている。該カーカスプライ6Aは、トレッド部2からサイドウォール部3を経てビード部4のビードコア5に至るトロイド状の本体部6aと、前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する。なお本体部6aと折返し部6bとの間には、ビード部4の曲げ剛性を高めるために、ビードコア5からタイヤ半径方向外側に先細状でのびる硬質ゴムからなるビードエーペックス8が配される。
図2に示されるように、前記バンド層9は、ベルト層7のタイヤ半径方向外側にリボン状をなす帯状プライ10を、タイヤ周方向に対して小角度(例えば5度以下)で螺旋状に巻き付けることによって形成されたいわゆるジョイントレスバンドである。なお、本実施形態のバンド層9では、帯状プライ10の側縁を互いに重ねながら巻付けられている。しかし、帯状プライ10は、その側縁を離間させた状態で巻き付けられても良く、又はその側縁が互いに接するように巻付けられても良い。
上述のようなバンド層9は、高速走行時におけるベルト層7の外径成長や旋回走行時のベルト層7のバックリング変形などを抑制し、操縦安定性、特に高速耐久性やハンドリング性能を向上させ得る。また、本実施形態のバンド層9は、ベルト層7の外端7e、7e間のベルト全巾を覆ういわゆるフルバンドとして形成されているが、例えばベルト層7の両端部のみを覆うエッジバンドとして形成されても良いし、これをフルバンドと組み合わせたものでも良い。
図3には、前記帯状プライ10の加硫前の状態(ベルト層7の外側に巻き付けられる前の状態)を示す。本実施形態の帯状プライ10は、複数本(例えば5本)のスチールコード11が実質的に平行に引き揃えられたコード配列体10aと、該コード配列体10aを被覆するトッピングゴム10bとで構成され、断面略矩形のリボン状として形成される。
また、本発明の帯状プライ10では、前記スチールコード11の曲げ剛性が4.7〜30.0g・cmかつ荷重100N時の伸びが0.5〜3%であり、かつトッピングゴム10bは、その全重量の80%以上が石油外資源からなることを特徴とする。
帯状プライ10における石油外資源率を高めるために、これまで用いられてきた有機繊維コードに代えてスチールコードを採用することは有効である。しかしながら、スチールコードは、通常、有機繊維コードに比べると、曲げ剛性が高くかつ伸びも小さい傾向がある。このため、バンド層9を構成する帯状プライ10に、単にスチールコードを用いただけでは、トレッド部2の剛性が過大となり、乗り心地が著しく悪化するおそれがある。また、ベルト層7への拘束力が著しく大きくなって、例えばタイヤ加硫成形時、トレッド部2が均一かつ十分に膨張変形できず、ひいては加硫後のトレッド部2が波打つ加硫不良が生じるおそれがある。
発明者らは、鋭意研究を重ねたところ、スチールコード11の曲げ剛性を4.7〜30.0g・cmかつ荷重100N時の伸びを0.5〜3%に限定することにより、上述の不具合を防止しうることを知見した。そして、このようなスチールコード11を、全重量の80%以上が石油外資源からなるトッピングゴム10bで被覆することにより、バンド層9として求められる性能を満足させつつ石油資源依存率の低い帯状プライ10を提供できることを見出した。
ここで、前記スチールコード11の曲げ剛性が30.0g・cmよりも大又は100N荷重時の伸びが0.5%よりも小さい場合、バンド層9として形成されたときにベルト層7への拘束力が大きくなり、ひいてはトレッド部2の衝撃緩和能力が著しく低下して乗り心地が悪化する。また、加硫時に十分にトレッド部2が膨張できず、ひいてはトレッド部2の波打ちといった加硫不良が発生しやすくなる。このような観点より、スチールコード11の前記曲げ剛性は、より好ましくは25.0g・cm以下、さらに好ましくは20.0g・cm以下、特に好ましくは15.0g・cm以下が望ましい。同様に、スチールコード11の荷重100N時の伸びは、より好ましくは0.9%以上、さらに好ましくは1.3%以上、特に好ましくは1.7%以上が望ましい。
また、前記スチールコード11の曲げ剛性が4.7g・cmよりも小又は100N荷重時の伸びが3%よりも大きい場合、スチールコードといえどもベルト層7への拘束力が不足しやすく、ひいては高速耐久性やハンドリング性能を十分に向上させることができない。このような観点により、スチールコード11の前記曲げ剛性は、より好ましくは6.0g・cm以上、さらに好ましくは7.0g・cm以上、特に好ましくは8.0g・cm以上が望ましい。同様に、スチールコード11の荷重100N時の伸びは、より好ましくは2.8%以下、さらに好ましくは2.6%以下、特に好ましくは2.4%以下が望ましい。
前記スチールコード11は、上述の曲げ剛性及び伸びを充足するものであれば、特に限定されることなく種々のものが採用できる。即ち、1本のフィラメントからなるモノフィラメントであっても良いし、複数のフィラメントを撚り合わせたマルチフィラメントであっても良い。とりわけ、コードの耐屈曲疲労性を向上させるためには、後者のマルチフィラメントコードが望ましい。
図3の実施形態では、5本のスチール製のフィラメント12を撚り合わせたスチールコード11が形成される。前記フィラメント12には、例えば炭素含有量が0.7wt%以上の高炭素鋼や、炭素含有量が0.7wt%未満の中・低炭素鋼、さらには高張力鋼など各種の鋼材を用いることができる。しかし、十分な伸びを確保するためには、高炭素鋼ないし中・低炭素鋼が望ましい。
前記フィラメント12の線径は特に限定されないが、該線径が小さすぎると、曲げ剛性や強力が低下しやすく、ひいてはバンド層9として構成されたときに耐久性が低下するおそれがある。他方、フィラメント12の線径が大きすぎると、曲げ剛性が過度に大きくなり、バンド層9として構成されたときに、乗り心地が悪化するおそれがある。以上の点を考慮すると、前記フィラメント12の線径は、好ましくは0.08mm以上、より好ましくは0.16mm以上が望ましく、また、好ましくは0.27mm以下、より好ましくは0.23mm以下が望ましい。
また、図3には、マルチフィラメントのスチールコードとして、1×5の単撚り構造を示すが、これ以外にも、複撚り構造又は層撚り構造でも良い。単撚り構造の場合、層撚り構造及び複撚り構造に比べて、荷重を受けたときの伸びが小さい傾向があるので、操縦安定性の向上に役立つ。他方、層撚り構造及び複撚り構造は、単撚り構造よりも荷重を受けたときの伸びが大きい傾向にあるので、乗り心地を向上するのに役立つ。
また、スチールコード1本当たりのフィラメント12の本数は、特に限定されるものではないが、該フィラメント12の本数が多くなると、フィラメント12、12間の隙間が少なくなり、ひいてはスチールコード11の内部に十分にゴムが浸透し得ず、ひいては錆や接着不良などが生じやすくなる。逆に、前記フィラメント12の本数が少なくなると、スチールコード11の剛性が低下するおそれがある。このような観点より、スチールコード1本当たりのフィラメント12の本数は、好ましくは2本以上、より好ましくは3本以上が望ましく、また、好ましくは12本以下、より好ましくは9本以下が望ましい。
また、単撚り構造のスチールコードの場合、その撚りピッチが小さすぎると、伸びが大きくなってベルト層7に対する拘束力の低下や生産性の悪化を招くおそれがあり、逆に撚りピッチが大きすぎると十分な伸びが得られにくく、ひいては加硫時にトレッド部2の波打ちなどが生じるおそれがある他、耐疲労性が低下しやすい。このような観点より、前記撚りピッチは、好ましくは6mm以上、より好ましくは8mm以上が望ましく、また、好ましくは14mm以下、より好ましくは12mm以下が望ましい。
また、前記スチールコード11が複撚り構造の場合においても、上撚りピッチが小さすぎると、上記同様、伸びが大きくなってベルト層7に対する拘束力の低下や生産性の悪化を招くおそれがあり、逆に大きすぎると十分な伸び等が得られ難い他、耐疲労性が低下しやすい。このような観点より、前記上撚り撚りピッチは、好ましくは4mm以上、より好ましくは3mm以上が望ましく、また、好ましくは10mm以下、より好ましくは12mm以下が望ましい。
また、前記トッピングゴム10bは、その全重量の80%以上が石油外資源から構成される。ここで石油外資源とは、例えば植物由来の資源、鉱物、石炭、天然ガス、貝殻、卵殻、骨粉及び/又は甲殻類の殻などを実質的な主原料として用いて作られた材料である。
また、前記トッピングゴム10bは、主としてゴムポリマー、補強剤及び伸展油に分けられる。以下それぞれの石油外資源への代替方法について述べる。
帯状プライのトッピングゴムには、従来、スチレン−ブタジエンゴムやブタジエンゴム、ブチルゴムなどの石油資源からなるゴムポリマーが含まれている。本実施形態では、ゴムポリマーとして、上記石油資源に代えて又は少量の上記石油資源とともに、石油外資源からなる天然ゴムが用いられる。好ましくは、ゴムポリマーの全てが天然ゴムで構成されるのが望ましい。また、天然ゴムは、合成ゴムに比べると、石油資源である加硫促進剤の配合量を少なくできる点においても、石油外資源率を高めるのに役立つ。なお、本明細書において、天然ゴムには、その分子構造を改良したいわゆる改質天然ゴムが含まれる。
また、前記補強剤としては、これまでは主として石油資源からなるカーボンブラックが用いられていたが、本実施形態では、カーボンブラックに代えて又は少量のカーボンブラックとともに石油外資源からなる補強剤が用いられる。このような石油外資源の補強剤としては、シリカ、セリサイト、炭酸カルシウム、クレー、アルミナ、タルク、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム若しくは酸化チタン等の無機フィラー、澱粉若しくはセルロースなどの植物多糖、又はキチン若しくはキトサン等の動物多糖などが用いられる。とりわけ、ゴムの補強性に優れるシリカが望ましい。
補強材としてシリカを用いる場合、該シリカのBET比表面積は、好ましくは150〜250m2/gが望ましい。前記BET比表面積が150m2/g未満の場合、十分なゴム補強効果が得られない傾向があり、逆に250m2/gを超える場合、分散性が低下して凝集し易くなるため、その物性が低下する傾向がある。
またカーボンブラックを前記無機フィラーで代替する場合、シランカップリング剤を併用することが好ましい。前記シランカップリング剤としては、特に限定されるものではないが、例えばビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン及び2−メルカプトエチルトリメトキシシランなどが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、または任意に組み合わせて用い得る。とりわけ、シランカップリング剤の補強性効果と加工性という観点より、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド又は3−メルカプトプロピルトリエトキシシランを用いることが好ましく、さらに加工性という観点より、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドを用いることが特に好ましい。
また、無機フィラーにシランカップリング剤を併用する場合、シランカップリング剤の添加量は、3〜20重量%が望ましい。シランカップリング剤の添加量が3重量%未満のでは添加効果が十分に得られず、逆に20重量%を超えて添加されても、その効果が頭打ちとなる。
前記伸展油としては、これまでアロマオイル、ナフテンオイル及び/又はパラフィンオイルなどの石油資源からなる材料が用いられていたが、これらを代替する石油外資源として、例えばひまし油、綿実油、あまに油、なたね油、大豆油、パーム油、やし油、落花生湯、ロジン、パインオイル、パインタール、トール油、コーン油、こめ油、べに花油、ごま油、オリーブ油、ひまわり油、パーム核油、椿油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、サフラワー油及び/又は桐油などの植物油脂が用いられるのが望ましい。供給量、価格及び軟化効果の観点より、菜種油、パーム油又はやし油が特に望ましい。
また、前記伸展油としては、不飽和度の小さい植物油脂、とりわけヨウ素価(油脂100gに付加させることのできるヨウ素のグラム数)が100〜130の半乾性油、同ヨウ素価が100以下の不乾性油ないし固形脂などが望ましい。油脂のヨウ素価が130を超えると、そのtanδが上昇し、硬さの低下による転がり抵抗の増大を招き、ひいては操縦安定性が低下する傾向がある。また、前記ヨウ素価が100未満では、ゴムを軟化させる効果が小さい他、加硫したゴム組成物から析出しやすく、また熱老化時の物性変化が大きい傾向がある。
以上のように、本実施形態の帯状プライ10は、一定範囲に限定された伸びと曲げ剛性とを有するスチールコード11が、全重量の80%以上が石油外資源から構成されるトッピングゴム10bによって被覆される。このため、これまでのバンド層9の性能を損ねることなく、バンド層9における石油外資源率を高め得る。従って、将来、さらなる石油資源供給量の減少があっても、性能を低下させることなくバンド層9を具えた空気入りタイヤを提供することが可能となる。とりわけ、前記トッピングゴム10bの全重量に占める石油外資源の割合は、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上が望ましい。
なお、前記帯状プライ10の巾PWについては、特に限定されるものではないが、該巾PWが過度に小さくなると、巻き付け回数が増加して生産性が低下するおそれがある。他方、前記巾PWが過度に大きくなると、ベルト層7のタイヤ半径方向外側への螺旋状の巻き付け作業が困難になるおそれがある。このような観点より、前記帯状プライ10の巾PWは、乗用車用のタイヤの場合、好ましくは4mm以上、より好ましくは、6mm以上が望ましく、また、好ましくは15mm以下、より好ましくは、13mm以下が望ましい。
また、本発明の帯状プライ10を用いて形成されたバンド層9において、そのタイヤ軸方向の単位幅当たりに含まれるスチールコード11の打ち込み本数が多くなると、乗り心地の悪化やトレッド部2の重量増加を招くおそれがあり、逆に少なすぎると、操縦安定性の向上が十分に期待できないおそれがある。このような観点より、前記打ち込み本数は、好ましくは30〜60本/5cm程度が望ましい。
以上、本発明の実施形態につい説明したが、本発明は、上記の具体的な実施形態に限定されるものではなく、種々の態様に変形して実施しうるのは言うまでもない。
表1の仕様に基づき、複数種類の帯状プライが試作された。帯状プライは、平行に引き揃えられた10本のコードを未加硫のトッピングゴムで被覆することにより、巾10mm及び厚さ1.2mmのリボン状に形成された。そして、ベルト層の外側に、これらの帯状プライをタイヤ周方向に対して5度以下の角度で螺旋状に巻き付けることにより形成されたフルバンド層を有するサイズ195/70R15の乗用車用ラジアルタイヤがそれぞれ試作され、性能がテストされた。各タイヤにおいて、バンド層におけるコードの打ち込み本数は、49本/5cmに統一した。
また、トッピングゴムの配合については、表2に示される。表2中、(外)と表示されたものは、石油外資源であることを示す。詳細は次の通りである。
(石油外資源からなる原材料)
天然ゴム:RSS#3
シリカ:デグッサ・ヒュルス(株)製のウルトラジルVN3
カップリング剤:デグッサ・ヒュルス(株)製のSi−69
植物油:日清製油(株)製の精製パーム油J(S)
ステアリン酸:日本油脂(株)製のステアリン酸椿
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の酸化亜鉛2種
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
(石油資源からなる原材料)
老化防止剤:住友化学工業(株)製のアンチゲン6C
接着剤[COST]:(株)ジャパンエナジー製のCOST−F
接着剤[S.620]:住友化学工業(株)製のスミカノール620
加硫促進剤:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS
また、テスト方法は次の通りである。
<荷重100N時のコードの伸び>
引張試験機を使用し、引張速度50mm/minにて引張試験を行い、荷重−伸び曲線を得た。そして、この結果から荷重100N時のコードの伸び(%)を求めた。
<コードの曲げ剛性>
TABER社製スティフネステスター(MODEL150−D)を使用し、5本のコードを15°曲げたときの測定値(n=5の平均値)を曲げ剛性とした。数値が大きいほど、曲げ剛性が大きいことを示す。
<トレッド部の波打の有無>
加硫形成時に、テストタイヤのトレッド部などに波打ちが発生しているかどうかを肉眼により観察した。
<操縦安定性能>
各テストタイヤをリム(6インチ)組みしかつ内圧280kPaを充填するとともに、排気量2000ccの乗用車の4輪に装着し、ドライバーのみ乗車してタイヤテストコースのドライアスファルト路面及びウエットアスファルト路面をそれぞれ走行し、ドライバーの官能評価により5点法で評価した。数値が大きいほど、操縦安定性に優れていることを示す。なお、3点以上あれば一般市場の要求レベルに達していることを示す。
<乗り心地>
前記と同様のテスト車両を用いてドライアスファルト路面の段差路、ベルジャン路(石畳の路面)、ビッツマン路(小石を敷き詰めた路面)等を走行させ、ゴツゴツ感、突き上げ、ダンピングに関してドライバーの官能評価により5点法で評価した。数値が大きいほど、乗り心地に優れていることを示す。
テスト結果などを表1及び表2に示す。
Figure 2009040347
Figure 2009040347
テストの結果、実施例のタイヤは、石油外資源からなる原材料を主に使用したが、問題なく加硫形成でき、しかも、操縦安定性及び乗り心地に優れることが確認できた。
本実施形態の空気入りタイヤの断面図である。 その部分拡大図である。 本実施形態の帯状プライの斜視図である。
符号の説明
1 空気入りタイヤ
9 バンド層
10 帯状プライ
10a コード配列体
10b トッピングゴム
11 スチールコード
12 フィラメント

Claims (2)

  1. 1本のコード又は複数本のコードを引き揃えたコード配列体をトッピングゴムで被覆することにより形成された空気入りタイヤのバンド層に用いられる帯状プライであって、
    前記コードは、曲げ剛性が4.7〜30.0g・cmかつ荷重100N時の伸びが0.5〜3%のスチールコードからなり、かつ
    前記トッピングゴムは、その全重量の80%以上が石油外資源からなることを特徴とする帯状プライ。
  2. 請求項1記載の帯状プライをベルト層の外側に螺旋状に巻き付けることにより形成されたバンド層を有する空気入りタイヤ。
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