JP2009039757A - 線材圧延方法及びタンデム圧延装置 - Google Patents

線材圧延方法及びタンデム圧延装置 Download PDF

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Abstract

【課題】線材を圧延するものであって、圧延ロールを駆動する駆動モータに対して多大な過負荷をかけることなく可及的に線速を向上させることができるようにする。
【解決手段】複数の圧延スタンド12を有するタンデム圧延装置で線材を圧延する線材圧延方法において、前記各圧延スタンド12毎に、当該圧延スタンド12の圧延ロール13を駆動する駆動モータ14の負荷の実績値P1を求め、前記負荷の実績値P1と駆動モータ14の出力特性に基づいて、駆動モータ14が定格負荷であるときの線速の推定値V1を求め、当該線速の推定値V1に基づいて圧延ロール13の回転数を制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えば、線材圧延方法及びタンデム圧延装置に関する。
従来より、線材や棒鋼を圧延するタンデム圧延においては、1本の鋼材を複数台(例えば、10台)の圧延機(圧延スタンド)によって連続的に圧延することが一般的に行われている。
タンデム圧延では、様々な鋼材を圧延するため、その鋼材の種類に応じて圧延する圧延条件(圧延ロールの径、カリバーの大きさ及び圧延荷重など)を変更することがあり、その度にタンデム圧延した際の圧延ロールを回転駆動させる電動機にかかる負荷は色々と変化することになる。
また、圧延ロールの径やカリバーの大きさは、圧延を行うにつれて次第に摩耗して小さくなるため、このような圧延ロールの径やカリバーの大きさの経年変化によっても、各圧延機の電動機にかかる負荷は色々と変化する。
即ち、タンデム圧延においては、鋼種変更等による圧延条件の変化や圧延ロールの経年変化によって、各圧延機の電動機にかかる負荷は色々と変化することが実情である。
さて、タンデム圧延においては、可及的に圧延速度(以降、線速ということがある)を最大にして圧延することが好ましいため、線速が最大となるように各圧延機の圧延ロールの回転数を適宜設定することが行われている。
しかしながら、線速が最大となるように各圧延機の圧延ロールの回転数を設定しようとしても、圧延条件の変化や圧延ロールの経年変化によって各圧延機の電動機にかかる負荷が色々と変化することから、線速の最大値を設定する際に電動機の負荷が定格以上となってしまう電動機(言い換えれば、ネックとなる圧延機)が色々と変わり、線速を上げた際に定格負荷以上となる電動機を複数の電動機の中から確実に特定することは非常に困難であった。
そこで、従来では、過去のタンデム圧延での実績データや圧延機を取り扱うオペレータの経験に基づき、ネックとなる圧延機を予測して、ネックの圧延機での電動機の負荷が定格を超えないように、線速を最大にするという線速の調整を行っていた。
例えば、予め鋼種毎に各圧延機での線速(圧延速度)を記録しておき、タンデム圧延を行う際には、この記録をベースにネックとなりそうな圧延機の電動機を予測して、当該電動機が過負荷にならないように、他の圧延機での線速を設定していた。
しかしながら、上述した線速の調整では、ネックとなる圧延機を予測するには、過去の記録やオペレータの経験に基づいていており、確実であるものではなかったため、ミスロールなどの操業トラブルを誘発し易く、不用意に電動機に多大な負荷をかけて当該電動機の寿命を低下させてしまう虞があった。
このような問題に鑑みて、トラブルの回避と電動機の保護を実現することが提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献3)。
特許文献1におけるタンデム圧延機の速度制御方法では、圧延スタンドに定格電流を超えるトルクが発生した時に当該電動機の電流を制限し、当該電流制限圧延スタンドで電流制限に基づいて発生する速度変化率を計測し、他の全圧延スタンドの速度を電流制限スタンドの速度変化率分、もしくは一義的な定数分だけ下げることが開示されている。
特許文献2における圧延ミルモータの回転数制御装置では、電動機が過負荷となった場合に回転速度を規制する電動機回転数調整手段が設けられていることが開示されている。
特許文献3におけるタンデムミルの電流荷重配分制御装置では、各圧延スタンドにおける電動機回転数および電流値、圧延荷重を計測し、圧延スタンド間の圧下配分比率を評価し、過負荷スタンドの負荷軽減を達成しつつ目標とする圧延寸法求めることが開示されている。
特開平04−46621号公報 特開平05−56677号公報 特開昭60−166112号公報
特許文献1及び特許文献2の技術では、電動機における過負荷が発生した場合に圧延ロールの回転を制御することによって電動機に過負荷がかからないようにしたもので、未然に電動機に過負荷がかからない状況下で線速を可及的に速くすることができない問題がある。
特許文献3の技術においては、電動機に過負荷がかからないようにしてものであるが、この技術は圧延ロールのギャップを変更することにより薄板の圧延を行うもので、本願発明のように線材の圧延を行うものではなく、圧延条件や電動機が過負荷となる状況が線材の圧延のものとは全く行っている。そのため、薄板を圧延する技術を線材の圧延を行うものには適用することは不可能である。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、線材を圧延するものであって、圧延ロールを駆動する駆動モータに対して多大な過負荷をかけることなく可及的に線速を向上させることができる線材圧延方法及びタンデム圧延装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明における課題解決のための技術的手段は、複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延装置で線材を圧延する線材圧延方法において、前記各圧延スタンド毎に、当該圧延スタンドの圧延ロールを駆動する駆動モータの負荷の実績値を求め、前記負荷の実績値と圧延ロール径と圧延ロールの回転数及び駆動モータの出力特性に基づいて、駆動モータが定格負荷であるときの線速の推定値を求め、当該線速の推定値に基づいて圧延ロールの回転数を制御する点にある。
発明者は、圧延ロールを駆動する駆動モータに対して多大な過負荷をかけることなく可及的に線速を向上させることができる方法について様々な角度から検証を行った。
まず、発明者は、圧延中に駆動モータにかかっている負荷を把握するために、圧延スタンドの圧延ロールを駆動する駆動モータの負荷の実績値を求めることにした。その上で、圧延スタンドの駆動モータの負荷を定格負荷にした場合の線速の推定値を求め、圧延ロールの回転数を制御する際に、線速の推定値を用いることにした。
このように、圧延中に駆動モータを定格負荷にした場合の線速を推定して、その上で圧延ロールの回転数を制御するようにしているため、駆動モータに対して定格負荷を大幅に超えるような過負荷を加えることを防止しつつ、駆動モータの能力を最大に生かして線速を出来るだけ速くすることが可能となった。
前記圧延ロールの回転数を制御するにあたっては、前記線速の実績値と推定値とに基づいて上昇させることのできる上昇線速量を圧延スタンド毎に求め、圧延スタンドの中で上昇線速量が最も小さいものを選択し、選択された上昇線速量に基づいて圧延ロールの回転数を制御することが好ましい。
前記圧延ロールの回転数を制御するにあたっては、駆動モータの負荷の実績値が当該駆動モータの定格負荷に最も近い圧延スタンドを選定し、当該圧延スタンドでの線速の実績値と推定値とから上昇させることのできる上昇線速量を求め、上昇線速量に基づいて圧延ロールの回転数を制御することが好ましい。
前記上昇線速量の算出にあたっては、圧延中の線材を切断した際の駆動モータの負荷の実績値を採用しないことが好ましい。
本発明における課題解決のための他の技術的手段は、複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延装置で線材を圧延するタンデム圧延装置において、前記各圧延スタンド毎に、当該圧延スタンドの圧延ロールを駆動する駆動モータの負荷の実績値を求める負荷実績値算出手段と、前記負荷実績値算出手段で求められた負荷の実績値と圧延ロール径と圧延ロールの回転数及び駆動モータの出力特性に基づいて、駆動モータが定格負荷であるときの線速の推定値を求める線速推定値算出手段と、前記線速推定値算出手段で求められた線速の推定値に基づいて各圧延ロールの回転数を制御する圧延スタンド制御手段とを備えている点にある。
前記圧延スタンド制御手段は、前記線速の実績値と推定値とから上昇させることのできる上昇線速量を求める上昇線速量算出部を備えていることが好ましい。
圧延スタンド制御手段は、前記上昇線速量算出部で求めた上昇線速量が圧延スタンドの中で最も小さいものに基づいて各圧延ロールの回転数を上昇させることが好ましい。
圧延スタンド制御手段は、駆動モータの負荷の実績値が当該駆動モータの定格負荷に最も近い圧延スタンドでの上昇線速量に基づいて各圧延ロールの回転数を上昇させることが好ましい。
本発明によれば、線材を圧延するものであって、圧延ロールを駆動する駆動モータに対して多大な過負荷をかけることなく可及的に線速を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1は本発明のタンデム圧延装置の全体図を示している。
図1に示すように、このタンデム圧延装置1は加熱炉2から移送された圧延材3を線材に圧延するもので、粗圧延機4、中間圧延機5、仕上げ圧延機6、巻き取り機8、これらを制御する制御装置9を備えている。
加熱炉2の下流側には粗圧延機4が配置されており、粗圧延機4から下流側に向けて順に中間圧延機5、仕上げ圧延機6、巻き取り機8が配置されている。粗圧延機4と中間圧延機5との間には、圧延材3を切断する第1切断装置10が設けられており、中間圧延機5と仕上圧延機6との間には圧延材3を切断する第2切断装置11が設けられている。
各圧延機4,5,6は、複数の圧延スタンド12を有している。各圧延スタンド12は圧延ロール13を有していて、各圧延スタンド12には、当該圧延ロール13を駆動させるための駆動モータ(電動機)14が接続されている。
制御装置9は、例えば、圧延ロール13の圧延荷重を制御したり、駆動モータ14の回転数を調整することで圧延ロール13の回転数(線速)を制御するもので、例えば、プロセスコンピュータで構成されている。
この制御装置9には、図示省略のドライブ装置を介して各駆動モータ14の電流値が入力されると共に、圧延ロール13の回転数(言い換えれば、駆動モータ14の回転数)が入力されるようになっている。
制御装置9は、負荷実績値算出手段15と、線速推定値算出手段16と、圧延スタンド制御手段17とを有している。
負荷実績値算出手段15は、圧延スタンド12の圧延ロール13を駆動する駆動モータ14の負荷の実績値P1を求めるもので、具体的には、圧延中においての駆動モータ14の電流値を用いて、前記実績値P1を圧延スタンド12毎に求めるようになっている。
線速推定値算出手段16は、負荷実績値算出手段15で求めた負荷の実績値P1とこのときの線速(圧延ロール径と圧延ロール13の回転数から求める線速)と駆動モータ14の出力特性に基づいて、駆動モータ14が定格負荷であるときの線速の推定値V1を求めるものである。
図2、3に示すように、線速推定値算出手段16は、圧延スタンド12毎、即ち、駆動モータ14毎に、当該駆動モータ14の負荷(出力)と駆動モータ14の回転数との関係を示す出力特性マップをデータとして有している。
なお、出力特性マップにおいて、駆動モータ14の回転数は線材の線速と関連性があり、駆動モータ14の回転数を計算により線速に置き換えることが可能であるため、説明の便宜上、以降、駆動モータ14の回転数を線速に置き換えて説明することがある。
線速推定値算出手段16は、圧延中において、駆動モータ14の負荷の実績値P1と、線材の線速(実際には、圧延ロール径と圧延ロール13の回転数及び駆動モータ14の回転数から求める)の実績値V2とから出力特性マップでの現在位置Aを求め、当該現在位置Aと出力特性マップ(データ)とを用いて駆動モータ14を定格負荷まで上昇させた際の線速の推定値V1を求める。
線速の推定値V1の算出にあたっては、例えば、線速推定値算出手段16は、駆動モータ14の負荷を現在位置Aから上昇させた場合、当該現在位置Aから一定の割合(出力特性マップの傾斜線Lに沿って)で線速が上昇するものとし、負荷が定格位置Bに達したときの線速V1を、定格負荷ときの推定値としている。
さて、圧延中に第1切断装置10又は第2切断装置11によって線材を所定の長さ(重量ベースで言えば、2tonの圧延材3を粗圧延機4に導入した際の重量の半分、例えば、1ton)に切断する場合があり、圧延材3を圧延中に切断すると、その直後に圧延スタンド12(圧延ロール13)にかかる負荷が一時的に変化する。そのため、線速推定値算出手段16は、線速の推定値V1の算出にあたって、切断時の駆動モータ14の負荷の実績値P1、即ち、電流値は採用しないようにしている。
詳しくは、第1切断装置10又は第2切断装置11によって圧延中の線材を切断した切断信号が制御装置9に入力されるようになっており、当該切断信号が入力された時には、その後又は前後、数秒間(例えば、10秒)は、駆動モータ14の負荷の実績値P1を用いないようにしている。
圧延スタンド制御手段17は、線速推定値算出手段16で求められた線速の推定値V1に基づいて各圧延ロール13の回転数(線速)を制御するものである。この圧延スタンド制御手段17は、線速の実績値V2と線速の推定値V1とに基づいて上昇することのできる上昇線速量を各圧延スタンド12毎に算出する上昇線速量算出部19を備えている。
具体的には、図3に示すように、上昇線速量算出部19は、圧延中にそれぞれの圧延スタンド12に対して、線速の実績値V2と線速の推定値V1との偏差ΔVを計算して、この偏差ΔVを上昇線速量としている。
そして、圧延スタンド制御手段17は、上昇線速量算出部19で算出した複数の圧延スタンド12の中で上昇線速量ΔVが最も小さいものを選択して、フィードバック制御により、選択した上昇線速量だけ各圧延ロール13の回転数を上昇させる。
制御装置9には、上昇線速量ΔVを表示してオペレータにガイダンスする表示装置20が具備されている。この表示装置20は、例えば、プロセスコンピュータに具備されたモニタで構成されている。
図4は、表示装置20によって表示した画面を示した例である。
図4に示すように、この表示装置20は、粗圧延機4における最初の圧延スタンド12から仕上げ圧延機6の最後の圧延スタンド12までの各圧延スタンド(例えば、1番スタンド〜20番スタンド)において、各駆動モータ14の定格負荷に対する現状の負荷を百分率の棒グラフで表示する。
また、表示装置20は、駆動モータ14の定格負荷に対して最も現状の負荷が大きな圧延スタンド12の番号(最大負荷スタンド、13st)と、定格負荷に対する現状負荷の百分率(例えば、97%)を表示する。さらに、表示装置20は、上昇線速量ΔV算出部19で算出した上昇線速量ΔVうち制御の際に選択される上昇線速量ΔVを表示する。この実施の形態では、表示装置20は、選択された上昇線速量ΔVを線速の実績値からどれだけ上昇できるかという「UP率」という形で表示している。
なお、上昇線速量ΔVの表示は、線速自体の値(m/s)であってもよいし、その他の表示であってもよい。また、表示装置20に、その他の情報を表示させるようにしてもよい(例えば、8番の圧延スタンドの出側の線速、20番の圧延スタンドの出側の線速、1時間当たりの生産性など)。
以下、線材圧延方法及びタンデム圧延装置の動作を説明する。
図5、6に示すように、圧延スタンド12に線材が導入され、当該線材が圧延ロール13に噛み込んでから数秒後(例えば、5秒後)に、制御部9(線速推定手段16)によって、圧延ロール13の径13(圧延ロール径)、圧延ロール13の回転数(駆動モータ14の回転数)から、実質的な線速(線速の実績値V2)を算出する(S1)。なお、圧延ロール13の径については、圧延前に予め各圧延スタンド12毎に設定していてもよいし、圧延中に圧延スタンド12毎に圧延ロール13の径を推定してもよい。
また、駆動モータ14の電流値を測定、即ち、制御装置9に読み込む(S2)。
負荷実績値算出手段15によって、駆動モータ14の電流値の実績値を用いて駆動モータ14の出力、即ち、負荷を算出する(S3)。
線速推定値算出手段16によって、負荷の実績値P1、線速の実績値V2及び駆動モータ14の出力特性を用いて、駆動モータ14を定格負荷としたときの線速の推定値V1(推定回転数)を求める(S4)。
上昇線速量算出部19によって、線速の推定値V1と線速の実績値V2とから上昇線速量ΔVを求める(S5)。
タンデム圧延装置での全圧延スタンド12に対して上昇線速量ΔVの算出が終了したか否かを判断し(S6)、全圧延スタンド12に対して上昇線速量ΔVの算出が終了していなければ、S1〜S5の作業を繰り返し行い、上昇線速量ΔVの算出が終了していれば次に進む。
圧延スタンド制御手段17によって、上昇線速量算出部19で算出した全圧延スタンド12の中で上昇線速量ΔVの偏差(差)が最も小さいものを選択する(S7)。
各圧延スタンド12に対して、線速が選択された上昇線速量ΔVだけ上昇するように、フィードバック制御により圧延ロール13の回転数を上昇させる(S8)。
なお、圧延スタンド制御手段17によって、上昇線速量ΔVに基づき、圧延ロール13の回転数を自動的に上昇させるようにしてもよいが、これに代え、表示装置20によって、選択された上昇線速量ΔVを表示すると共に、選択された上昇線速量ΔVに対応する圧延スタンド12の番号等を表示するようにしてもよい(S9)。この場合、タンデム圧延装置1を操作するオペレータが、表示装置20に表示された上昇線速量ΔVを見ながら駆動モータ14の電流値を変更することができるボリューム等を操作して圧延ロール13の回転数を上昇させることで、手動でも制御を行うことができる。
図6は、本発明の線材圧延方法を採用した際の1つの圧延スタンド12における駆動モータ14の電流値の変化を示したものである。詳しくは、図6は、3本の圧延材3を導入して圧延した例である。
図6に示すように、圧延スタンド12の圧延ロール13に圧延材が噛み込んだ直後は、駆動モータ14の電流値が安定しないため、所定時間(噛込安定時間T1)を経て駆動モータ14の電流値を読み込む(測定)ようにしている。
駆動モータ14の電流値の測定開始後、圧延材3が圧延ロール13から抜ける数秒前まで測定を継続し、この測定区間(例えば、60秒)T2での電流値を用いて、駆動モータ14の実績値を求めると共に、上昇線速量ΔVを求めた。なお、電流値を読み込むサンプリング時間は200msecとした。
圧延材が圧延ロール13から抜けてから再び噛み込むまでの区間T3では、駆動モータ14の電流値が変動するため、抜けから噛み込むまでの区間での電流値は、駆動モータ14の負荷の実績値の算定、即ち、上昇線速量ΔVの算出には採用しないようにしている。
また、2本目の圧延材を圧延する際には、圧延中に第1切断装置10にて圧延材3を切断(カット)しているため、不採用区間T4での10秒間における駆動モータ14の電流値は、上昇線速量ΔVの算出には採用しないようにしている。不採用区間T4について、圧延材3を切断した後、数秒電流値を採用しないようにしてもよいが、圧延材3を切断した前後数秒、電流値を採用しないようにしてもよい。
以上、本発明によれば、圧延スタンド12毎に、駆動モータ14の負荷の実績値を求め、負荷の実績値と駆動モータ14の出力特性に基づいて、駆動モータ14が定格負荷であるときの線速の推定値V1を求め、この推定値V1に基づいて圧延ロールの回転数を制御しているので、駆動モータ14に対して過剰な負荷をかけることなく線速を出来るだけ高速にすることができる。
本発明は上記の実施の形態に限定されない。
上記の実施の形態では、駆動モータ14が定格負荷であるときの線速の推定値V1を、各圧延スタンド12毎に求めていたが、これに代え、圧延中に最も定格負荷に近い駆動モータ14を選択して、当該駆動モータ14を定格負荷にしたときの上昇線速量ΔVのみを求めるようにしてもよい。
具体的には、図7に示すように、圧延を開始すると、まず、各圧延スタンド12毎の駆動モータ14の電流値を読み込む(S10)。各圧延スタンド12毎に、当該圧延スタンド12の駆動モータ14における電流値から駆動モータ14の定格電流を割ることで負荷率を求める(S11)。各圧延スタンド12における負荷率を求めた上で、その中から最も負荷率が高い圧延スタンド12、即ち、駆動モータ14を選択する(S12)。言い換えれば、駆動モータ14の負荷の実績値が駆動モータ14の定格負荷に最も近い圧延スタンド12を選択する。
次に、最も負荷率の高い圧延スタンド12において、線速の実績値V2と推定値V1とから上昇させることのできる上昇線速量ΔVを求め(S13)、各圧延スタンド12に対して、上昇線速量ΔVだけ上昇するように、圧延ロール13の回転数を上昇させる(S14)。なお、図7に示したフローチャートbにおいても、上昇線速量ΔVだけ上昇するように、圧延ロール13の回転数を上昇させる代わりに、上昇線速量ΔVを表示して、オペレータにガイダンスするようにしてもよい(S15)。
なお、上記の実施形態では、圧延スタンド13毎に圧延ロール13を駆動する駆動モータ14が接続されたものを示したが、これに代え、複数の圧延スタンド13に対して1つの駆動モータ14が接続されるものであってもよい。例えば、ブロックミルやサイジングミルのような仕上げ圧延機6では、複数の圧延スタンド13(圧延ロール12)を1つの駆動モータ14で駆動している場合があるが、このような場合でも、適用してもよい。
本発明のタンデム圧延装置の全体図である。 各駆動モータにおける出力特性(出力特性マップ)を示す図である。 駆動モータの出力特性(出力特性マップ)を示す詳細図である。 表示装置における表示例を示す図である。 タンデム圧延装置の動作及び線材圧延方法を示すフローチャート図である。 駆動モータの電流値の変化を示した図である。 他の線材圧延方法を示すフローチャート図である。
符号の説明
1 タンデム圧延装置
12 圧延スタンド
13 圧延ロール
14 駆動モータ
P1 負荷の実績値
V1 線速の推定値

Claims (8)

  1. 複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延装置で線材を圧延する線材圧延方法において、
    前記各圧延スタンド毎に、当該圧延スタンドの圧延ロールを駆動する駆動モータの負荷の実績値を求め、前記負荷の実績値と圧延ロール径と圧延ロールの回転数及び駆動モータの出力特性に基づいて、駆動モータが定格負荷であるときの線速の推定値を求め、当該線速の推定値に基づいて圧延ロールの回転数を制御することを特徴とする線材圧延方法。
  2. 前記圧延ロールの回転数を制御するにあたっては、前記線速の実績値と推定値とに基づいて上昇させることのできる上昇線速量を圧延スタンド毎に求め、圧延スタンドの中で上昇線速量が最も小さいものを選択し、選択された上昇線速量に基づいて圧延ロールの回転数を制御することを特徴とする請求項1に記載の線材圧延方法。
  3. 前記圧延ロールの回転数を制御するにあたっては、駆動モータの負荷の実績値が当該駆動モータの定格負荷に最も近い圧延スタンドを選定し、当該圧延スタンドでの線速の実績値と推定値とから上昇させることのできる上昇線速量を求め、上昇線速量に基づいて圧延ロールの回転数を制御することを特徴とする請求項1に記載の線材圧延方法。
  4. 前記上昇線速量の算出にあたっては、圧延中の線材を切断した際の駆動モータの負荷の実績値を採用しないことを特徴とする請求項2又は3に記載の線材圧延方法。
  5. 複数の圧延スタンドを有するタンデム圧延装置で線材を圧延するタンデム圧延装置において、
    前記各圧延スタンド毎に、当該圧延スタンドの圧延ロールを駆動する駆動モータの負荷の実績値を求める負荷実績値算出手段と、
    前記負荷実績値算出手段で求められた負荷の実績値と圧延ロール径と圧延ロールの回転数及び駆動モータの出力特性に基づいて、駆動モータが定格負荷であるときの線速の推定値を求める線速推定値算出手段と、
    前記線速推定値算出手段で求められた線速の推定値に基づいて各圧延ロールの回転数を制御する圧延スタンド制御手段とを備えていることを特徴とするタンデム圧延装置。
  6. 前記圧延スタンド制御手段は、前記線速の実績値と推定値とから上昇させることのできる上昇線速量を求める上昇線速量算出部を備えていることを特徴とする請求項5に記載のタンデム圧延装置。
  7. 圧延スタンド制御手段は、前記上昇線速量算出部で求めた上昇線速量が圧延スタンドの中で最も小さいものに基づいて各圧延ロールの回転数を上昇させることを特徴とする請求項6に記載のタンデム圧延装置。
  8. 圧延スタンド制御手段は、駆動モータの負荷の実績値が当該駆動モータの定格負荷に最も近い圧延スタンドでの上昇線速量に基づいて各圧延ロールの回転数を上昇させることを特徴とする請求項6に記載のタンデム圧延装置。
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