JP2009039644A - 添加剤の分離方法及び分離設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】TPP(トリフェニルホスフェート)を含む洗浄廃水からTPPを分離する。
【解決手段】TPPを含む洗浄廃水89は、攪拌圧送部102によって攪拌されながら油水分離器103へ圧送される。油水分離器102に圧送された洗浄廃水89は、攪拌圧送部102の攪拌によって添加剤が微細液滴に分散されているため、油水分離フィルタ107によって容易に捕捉される。TPP111は、油水分離フィルタ107に捕捉されて粗大化することにより洗浄廃水102から分離される。TPP111は、抜き出し口106aから回収され、タンク104に貯留される。TPP111が分離された洗浄廃水89は、フィルタ114bによってろ過され、洗浄水88として再利用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、添加剤の分離方法及び分離設備に関する。特に、溶液製膜方法で用いられる溶媒回収ラインの洗浄廃液に含まれる添加剤の分離方法及び分離設備に関する。
ポリマーフイルム(以下、フイルムと称する)は、優れた光透過性や柔軟性および軽量薄膜化が可能であるなどの特長から光学機能性フイルムとして多岐に利用されている。中でも、セルロースアシレートなどを用いたセルロースエステル系フイルムは、強靭性や低複屈折率であることから、写真感光用フイルムをはじめとして、近年市場が拡大している液晶表示装置(LCD)の構成部材である偏光板の保護フイルムまたは光学補償フイルムなどに用いられている。
主なフイルムの製造方法としては、溶液製膜方法が知られている。溶液製膜方法は、ポリマーと溶媒とを含んだポリマー溶液(ドープ)を支持体上に流延して形成した流延膜が自己支持性を有するものとなった後、これを支持体から剥がして湿潤フイルムとし、さらに、この湿潤フイルムを乾燥させてフイルムとする方法である。より具体的には、セルローストリアセテートなどのポリマーをジクロロメタンや酢酸メチルを主溶媒とする混合溶媒に溶解した高分子溶液(以下、ドープと称する)を調製する。更に、このドープに所定の添加剤を混合し、流延ドープを調製する。流延ドープを流延ダイより流延ビードを形成させて、キャスティングドラムやエンドレスバンドなどの支持体上に流延して流延膜を形成する(以下、流延工程と称する)。その流延膜が支持体上で冷却され、自己支持性を有するものとなった後に、支持体から膜(以下、この膜を湿潤フイルムと称する)として剥ぎ取り、この湿潤フイルムを乾燥させた(以下、乾燥工程と称する)ものをフイルムとして巻き取る。
乾燥工程では、乾燥室において湿潤フイルムに含まれる溶媒を蒸発させる。乾燥室内の雰囲気の溶媒除去能力を一定に保つため、乾燥室の雰囲気に含まれる気体の溶媒を定期的に回収する必要がある。そこで、この気体の溶媒を回収するために、乾燥室内の雰囲気に冷却処理を施し、雰囲気に含まれる溶媒を液化して回収する溶媒回収ラインが用いられている。
ところで、セルローストリアセテート製のフイルムの代表的な添加剤であるトリフェニルホスフェート(以下、TPPと称する)は、フイルムに難燃性、透明性、耐水性、柔軟性及び非粘着性を付与する可塑剤としてはたらく。このTPPは高い沸点(399°C)であるにも関わらず、一部が乾燥工程において溶媒と共に蒸発してしまうため溶媒回収ラインにおける冷却処理の際、溶媒の液化と共にTPPの析出が生じてしまう。溶媒回収ラインで析出したTPPは冷却処理を行う冷却設備や配管などに固着し、溶媒回収ラインの処理能力の低下を誘発する恐れがある。そのため、特許文献1では、溶媒回収ラインと共に、温水等を用いてこれら冷却設備や配管を定期的に洗浄する洗浄ラインを用いることにより、溶媒回収ラインに析出した添加剤を除去している。フイルムを連続的且つ大量に製造する場合、上述した溶液製膜方法を実施するとともに、特許文献1記載の洗浄ラインを用いて、溶媒回収ラインの洗浄を連続で行うことが効率的である。
特開2003−165866号公報
さらに、近年では、環境問題を考慮して廃棄物を削減することが重要視されており、溶媒回収ラインの洗浄処理によって生じる洗浄廃水から添加剤を分離して、これを新たな洗浄水として洗浄ラインで再利用するとともに、洗浄廃水から分離された添加剤を十分に精製して溶液製膜工程で再度利用することが望まれている。従来このような洗浄廃水からの添加剤の分離方法としては、比重分離処理方式が用いられることが多い。
しかしながら、比重分離処理においては、タンクに洗浄廃水を貯留し、比重の差によって添加剤が自然に沈降したものを回収しているため、洗浄廃水中に溶解している添加剤や不純物の量によって分離するまでの時間がばらつき、また、分離した添加剤の中にも不純物が多く含まれるため、洗浄廃水から効率的且つ十分な精製状態で添加剤を分離することが困難である。
本発明は、上記問題を鑑みて、洗浄廃水から容易に且つ十分な精製状態で添加剤を分離させることが可能な添加剤の分離方法や分離設備を提供することを目的とする。
本発明の添加剤の分離方法は、溶媒と添加剤とを含む分散液であって、前記分散液を油水分離フィルタへ圧送し、前記添加剤を前記油水分離器で捕捉することにより粗大化させて分離させることを特徴とする。なお、前記油水分離器へ圧送するとき、前記分散液を60°C〜95°Cに加温することが好ましい。
また、前記油水分離器へ圧送するとき、前記分散液を攪拌して添加剤を微細液滴に分散した状態とすることが好ましい。さらにまた、前記油水分離器は、孔径が0.5〜50μmに形成されている不織布フィルタからなることが好ましい。
請求項5記載の添加剤の分離設備は、溶媒と添加剤とを含む分散液であって、前記分散液を圧送する圧送手段と、この圧送手段によって圧送されてきた分散液中の前記添加剤を捕捉して粗大化させることにより分離させる油水分離器とを備えることを特徴とする。なお、前記油水分離器へ圧送するとき、前記分散液を60°C〜95°Cに加温する温度調整手段を備えることが好ましい。
また、前記圧送手段は、前記分散液を攪拌しながら圧送して前記添加剤が微細液滴に分散された状態として前記油水分離器へ送り込むことが好ましい。さらにまた、前記油水分離フィルタは、孔径が0.5〜50μmに形成されている不織布フィルタからなることが好ましい。
本発明の添加剤の分離方法及び分離設備によれば、分散液を油水分離フィルタへ圧送し、添加剤を油水分離器で捕捉することにより粗大化させて分離させているため、洗浄廃水から容易に且つ十分な精製状態で添加剤を分離させることができる。
本発明に係る添加剤除去設備を用いたフイルム製造設備10を図1に示し、セルロースアシレートフイルムの製造方法について説明する。
フイルム製造設備10は、流延室11と、テンタ室12と、乾燥室13とに分けられる。ドープ14が仕込まれている仕込みタンク15が、ポンプ16とフィルタ17とを介してフイルム製造設備10に接続している。また、仕込みタンク15には、撹拌棒18が取り付けられ、ドープ14を均一にする。セルローストリアセテート(TAC)と溶媒とを混合し、TACが溶媒へ溶解したものをドープ14とする。ドープ14には、可塑剤及び紫外線吸収剤などの添加剤を混合することもできる。
図1において、流延室11には、ローラ20、21に掛け渡された流延バンド22が設けられており、この流延バンド22は、図示しない駆動装置により回転する。流延バンド22の上には、流延ダイ23が設けられている。ドープ14は、仕込みタンク15からポンプ16により送液され、フィルタ17で不純物が除去された後に流延ダイ23に送られる。流延ダイ23は、ドープ14を流延バンド22上に流延し、流延膜を形成する。流延膜は流延バンド22で搬送されながら徐々に乾燥し、剥ぎ取りローラ24によって流延バンド22から剥ぎ取られフイルム25が形成される。さらに、フイルム25は、テンタ室12へ送られてテンタ26により所定の幅に引き伸ばされ、搬送されながら乾燥される。
流延室11及びテンタ室12には、乾燥風循環装置40が接続されており、乾燥風が循環される。また、流延室11、及び乾燥風循環装置40には、溶媒回収装置41が接続され、流延膜及びフィルム25から蒸発した溶媒を凝縮液化して回収する。この回収した溶媒はドープ調整用として再利用される。
テンタ室12から乾燥室13に送られたフイルム25は、乾燥室13内で、複数のローラ27に巻き掛けられて乾燥する。乾燥後のフイルム25は、巻き取り機28に巻き取られる。乾燥室13内の温度は、50〜150°Cの範囲に制御されていることが、フイルム25の均一な乾燥のために好ましい。
乾燥室13内で蒸発した溶媒を含む熱風であるガス(以下、熱風ガスと称する)50は、熱交換器51に送り込まれた後に、送風器52により冷却器53、及び吸着回収装置54へ順次送風される。この熱風ガス50が、熱交換器51、送風器52、冷却器53を通過する工程(以下、添加剤除去工程と称する)については、後で詳細に説明する。さらに、熱風ガスは、吸着回収装置54内に設けられた吸着層を通過することで熱風ガス50中に含まれていた蒸発した有機溶媒が吸着されるとともに、吸着処理後の熱風ガス50は、温度調節器60により所定の温度に調節され、ガス61となる。その後にガス(以下、冷風ガスと称する)61は、送風器62により熱交換器51に送り込まれ、前述した熱風ガス50と熱交換がなされ加熱された後に、加熱器63によって所定の温度まで加熱され、再度、乾燥室13内に送り込まれ、乾燥風として再利用される。また、吸着回収装置54の吸着層に吸着された蒸発有機溶媒成分は、凝縮液化されて回収される。
[TPP除去工程]
TPP除去工程について説明する。熱交換器51では、冷風ガス61との熱交換により、熱交換器51内の熱風ガス50の温度が下がる。ここで、熱風ガス50の温度が下がり過ぎると、熱交換器51との接触により熱風ガス50の温度が低下し、結果的に、TPPが液化または固化し、熱交換器51のガスライン(図示しない)を閉塞するおそれがある。また、逆に熱交換器51において熱交換がほとんど行われないままの熱風ガス50を冷却器53に送風すると、冷却器53内で、熱風ガス50からTPPが液化または固化し、冷却器53のラインを閉塞するおそれが生じる。そこで、本発明のTPP除去工程においては、温度調節器60の温度調節器能により、熱交換器51の出口(2次側)51aの温度を制御している。出口51aの温度T0は、熱風ガス50中に含まれる蒸発した添加剤の中で最も固形分率の高い物質の融点Mとしたときに、(M−20)≦T0≦Mの範囲にすることが好ましい。これは、最も固形分率が高い添加剤であるTPPが、TPP除去工程中のラインに固化付着すると、その工程中に与える影響が最も大きいためである。このように最も固形分率が高いTPPの固化付着を抑制することにより、熱交換器51、冷却器53のガスラインの閉塞が抑制される。
冷却器53には、熱風ガス50が通過するガス経路81が備えられ、ガス経路81には、所定の温度に保持される水(以下、冷水と称する)85を通す冷水配管86が取り付けられている。なお、冷水配管86は、1本のみを図示したが冷却効率の点からは、多数の冷水配管86が取り付けられていることが好ましい。なお、冷水85は、クーリングタワー(図示しない)で冷却され、約7°Cの温度になる。ガス50は、冷水配管86により温度が下がり、蒸発していた添加剤の一部が液化し、冷却器53のガス経路81、冷水配管86の表面に付着する。なお、冷水85は、冷水配管86を通った後に、冷水戻り87となってクーリングタワーに送られ、再度クーリングタワーによって冷水として再生される。
冷却器53のガス経路81内に洗浄水88を送液することにより、冷水配管86の表面に付着したTPPを溶解し、除去することができる。TPPを溶解した洗浄水88は、洗浄廃水89(分散液)として、洗浄廃水処理ライン100へ送られる。洗浄廃水処理ライン100へ送られた洗浄廃水89には洗浄廃水処理が施され、洗浄廃水89に含まれる添加剤などの不純物が除去される。この洗浄廃水処理によって、不純物が除去された洗浄廃水89は、洗浄水88として再利用される。
洗浄水88としては、水を用いることが好ましいが、これに限らず、添加剤の種類によっては、各種の有機溶媒、酸、アルカリでも良く、添加剤を溶解或いは分散できるものであればよい。更に、添加剤の析出作用を考慮すると、温度変化に伴う溶媒量の変化が大きいものや、アルコール類、ケトン類を洗浄水88として用いることが好ましく、具体的には、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などがある。また、添加剤としてTPPを用いる場合には、ケトン類を用いることが好ましい。
洗浄廃水処理ライン100(添加剤の分離設備)は、図1に示すように、攪拌圧送部102、油水分離器103、回収タンク104とを備える。攪拌圧送部102は、複数のインラインミキサー105を連結して構成し、洗浄廃水89(分散液)を攪拌しながら油水分離器103へ圧送する。攪拌圧送部102によって攪拌された洗浄廃水89は、溶解されたTPPが微細液滴に分散された状態になる。なお、インラインミキサー105の配管径やエレメント数は、洗浄廃水量や回収するTPP量に応じて適宜決定される。なお、本実施形態では、パイプ内に攪拌用エレメントを複数挿入した静的タイプのインラインミキサー105を用いているが、これに限らず、図2に示すように、パイプ内にモータ駆動による攪拌羽根を設けた動的タイプのものを用いてもよい。
油水分離器103は、周知のコアレッサー方式の油水分離フィルタであり、分離用タンク106、及びコアレッサーカートリッジ107を備える。コアレッサーカートリッジ107は、分離用タンク106の略中央に内蔵される。また、分離用タンク106は、上部及び下部抜き出し口106a,106bを備えている。
コアレッサーカートリッジ107は、不織布フィルタを含む複数のフィルタ材を積層して円筒形状に形成したものである。微細液滴に分散したTPPを粗大化させる不織布フィルタとしては、繊維間に形成される孔径が0.5〜50μmとなっているものが選択される。このコアレッサーカートリッジ107は、分離用タンク106の底面を通過して内部へ延びる配管110を介して攪拌圧送部102と接続されている。なお、本実施形態では、コアレッサーカートリッジを有するコアレッサー方式の油水分離器を用いているが、これに代えて、コアレッサーカートリッジとセパレータカートリッジとをタンク内に配置し、コアレッサーカートリッジを通過して油水分離によりTPPが除去された洗浄廃液をセパレータカートリッジのフィルタ表面でさらに撥水分離して水のみを通過させるフィルタセパレータ方式の油水分離器を用いてもよい。
TPP111が微小に分散して遊離液状態の洗浄廃水89がコアレッサーカートリッジ107の不織布フィルタを通過することにより、TPPが粗大化する。粗大化したTPPは不織布フィルタの表面を伝って沈降することによりさらに粗大化される。このようにして、比重の大きいTPP111は、分離用タンク106の下部に溜まり、TPP111が分離された洗浄廃水89は上部に浮上する。分離用タンク106に溜まったTPP111は、下部抜き出し口106aから排出され、配管113を介して接続された回収タンク104に貯留される。
また、上部抜き出し口106bからはTPP111が分離された洗浄廃水89が排出される。上部抜き出し口106bから排出された洗浄廃水89は、ポンプ114aとフィルタ114bを有する配管114を介して、洗浄水の一部として冷却器53に送られる。なお、分離用タンク106には、抜き出し口106a,106bに開閉弁を設け、初期状態では抜き出し口106aの開閉弁を閉じ状態とし、TPP111の量(レベル)を契機として開閉弁を開閉するようにしてもよい。
次に上記構成の洗浄廃水処理ライン100による洗浄廃水処理の詳細について説明する。冷却器53のガス経路81を通過してTPPを洗浄した後の洗浄廃水89は、攪拌圧送部102に送り込まれ、インラインミキサー105によって攪拌されながら配管110を介して油水分離器103へ圧送される。攪拌圧送部102による圧送によってコアレッサーカートリッジ107に送り込まれた洗浄廃水89は、上述したように微細液滴に分散されたTPP111が不織布フィルタで捕捉されて粗大化することによって洗浄廃水89から分離する。この油水分離器103による分離が行われるとき、洗浄廃水89は、上述したように攪拌圧送部102によってTPP111が微細液滴に分散されているので、不純物は洗浄廃水89中へ溶解されやすくなっている。これにより、油水分離器103で分離されたTPP111には不純物が混入せず、高い精製効果を得ることができる。このようにして、高い精製効果が得られるので、回収タンク104に回収されたTPP111は、精製することにより上記の溶液製膜工程で再度使用することができる。
なお、上記実施形態では、攪拌圧送部によって添加剤が微細液滴になるまで分散するように洗浄廃液の攪拌を行っているが、本発明は、これに限らず、図4に示すように、油水分離器103に固着された温度調整部115を備え、洗浄廃水89を温度調整することによって添加剤を分離しやすい状態にする構成としてもよい。なお、この場合、温度調整部115によって洗浄廃水の温度を60°C〜95°Cに加温することで添加剤の粘性が低くなる。これによって油水分離器103で捕捉される添加剤が洗浄廃水89から分離しやすくなり、さらに洗浄廃水を75°C〜95°Cとしたときに最も分離しやすい状態となる。なお、温度調整部115の構成は上記のものに限らず、油水分離器103に圧送されたときの洗浄廃水を所定の温度に加温できる構成であればよい。
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明はそれに限定されるものではない。説明は本発明に係る実施例1で詳細に行い、本発明に係る実施例2ないし実施例4については、後に実験条件と結果とをまとめて表1に示す。
本発明に係る実施例では先ず、フィルム製造設備10の乾燥室13内で蒸発した溶媒を含む熱風である熱風ガス50が熱交換器51に送り込まれた後に、送風器52により冷却器53に送風した。冷却器53では、7°Cの冷水85が冷水配管86を介して熱風ガス50を冷却した。この冷却により、冷水配管86にはTPPが液化し、冷水配管86の表面にTPPが付着した。これにより、熱風ガス50からTPPが除去された。TPPが除去された熱風ガス50は、冷風ガス61となって加熱器63を介して、乾燥室13へ送られた。また、冷却器53において、TPPが付着した冷水配管86に略95°Cの洗浄水88を送った。この洗浄水88は、冷水配管86に付着したTPPを除去した。そして、除去されたTPPは、洗浄温水とともに洗浄廃水89となって洗浄廃水処理ライン100へ送られた。
本実施例では、洗浄廃水処理前のTPPの濃度が、8000ppmの洗浄廃水89を処理した。洗浄廃水処理ライン100では、洗浄廃水89は、攪拌圧送部102から油水分離器103へ圧送される。なお、攪拌圧送部102による洗浄廃水89の処理流量は、1〜2L(リットル)/分とした。これらの条件で油水分離器103によるTPPの分離が行われ、回収タンク104にTPPが回収された。また、TPPが分離された洗浄廃水89は、配管114により、冷却器53のガス経路81に送られ、添加剤除去処理用の洗浄水として再利用された。
洗浄廃水処理工程前の洗浄廃水のTPP濃度を2000ppm、攪拌圧送部102による処理流量を1〜3L/分としたこと以外は、実施例1と同様にして、溶液製膜方法、及び洗浄廃水からTPPの分離を行った。
洗浄廃水処理工程前の洗浄廃水のTPP濃度を200ppm、攪拌圧送部102による処理流量を約1L/分としたこと以外は、実施例1と同様にして、溶液製膜方法、及び洗浄廃水からTPPの分離を行った。
洗浄廃水処理工程前の洗浄廃水のTPP濃度を50ppmとしたこと以外は、実施例3と同様にして、溶液製膜方法、及び洗浄廃水から添加剤の分離を行った。
(評価)
上記実施例1ないし4で油水分離器103で分離された洗浄廃水及びTPPについて、回収後の洗浄廃水のTPP濃度、及びTPPの純度を計測した。なお、TPPの純度については、液体クロマトグラフィーを用いて計測した。以下に、これらの評価結果をまとめた表1を示す。
Figure 2009039644
回収後 のTPP濃度は、実施例1及び2では10〜30ppm、実施例3及び4では、10〜20ppmという結果になっており、洗浄水として十分に再利用可能であり、さらに、実施例1〜4において回収後のTPPは、全て純度が95%以上となっており、溶液製膜工程で再度使用することができる。
本発明を適用した洗浄廃水処理ラインの概要を示す説明図である。 本発明を適用した洗浄廃水処理ラインの変形例の概要を示す説明図である。
符号の説明
10 フイルム製造設備
12 乾燥ゾーン
14 ドープ
50 熱風ガス
51 熱交換器
52 送風器
53 冷却器
81 ガス配管
85 冷水
86 冷水配管
88 洗浄水
89 洗浄廃水
100 洗浄廃水処理ライン
102 攪拌搬送部
103 油水分離器
105 インラインミキサー
107 油水分離フィルタ
111 TPP
115 温度調整部

Claims (8)

  1. 溶媒と添加剤とを含む分散液であって、
    前記分散液を油水分離器へ圧送し、前記添加剤を前記油水分離器で捕捉することにより粗大化させて分離させることを特徴とする添加剤の分離方法。
  2. 前記油水分離器へ圧送するとき、前記分散液を60°C〜95°Cに加温することを特徴とする請求項1記載の添加剤の分離方法。
  3. 前記油水分離器へ圧送するとき、前記分散液を攪拌して添加剤を微細液滴に分散した状態とすることを特徴とする請求項1又は2記載の添加剤の分離方法。
  4. 前記油水分離器は、孔径が0.5〜50μmに形成されている不織布フィルタからなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の添加剤の分離方法。
  5. 溶媒と添加剤とを含む分散液であって、
    前記分散液を圧送する圧送手段と、この圧送手段によって圧送されてきた分散液中の前記添加剤を捕捉して粗大化させることにより分離させる油水分離器とを備えたことを特徴とする添加剤の分離設備。
  6. 前記油水分離器へ圧送するとき、前記分散液を60°C〜95°Cに加温する温度調整手段を備えたことを特徴とする請求項5記載の添加剤の分離設備。
  7. 前記圧送手段は、前記分散液を攪拌しながら圧送して前記添加剤が微細液滴に分散された状態として前記油水分離器へ送り込むことを特徴とする請求項5又は6記載の添加剤の分離設備。
  8. 前記油水分離器は、孔径が0.5〜50μmに形成されている不織布フィルタからなることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の添加剤の分離設備。
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