JP2009039428A - 超音波診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の平滑処理を行う超音波診断装置において、被検体の動きの影響を除去し、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる超音波診断装置を提供すること。
【解決手段】動き検出部130は、各メモリ115に記憶されたデータをもとに、送受信間における被検体の動きを検出し、この検出結果に基づいて、被検体の動きに基づく各メモリ115間の画像の差異(ずれ)がなくなるように、各メモリ115からのデータの読み出しを制御する。これにより、各メモリ115に記憶された画像の位置合わせ(つまり、位置の補正)が行われて、被検体の動きの影響が除去される(被検体の動きの補正)。平滑処理部117は、被検体の動きを補正したフレーム間平滑処理を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、振動子により超音波の送受信を行って被検体内の情報を得る超音波診断装置に関する。
直線状、平面状、または曲面状に配列された複数の振動子(以下「配列振動子」という)を用いて音線方向を変化させ、2次元情報を得て表示する超音波診断装置の原理は、すでによく知られている。
ここでは、図12を用いてその原理を簡単に説明する。図12は、配列振動子により超音波を送受信する従来の超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図12に示す超音波診断装置1において、探触子11は、所定の形状に配列された複数の振動子13(ここでは、例えば、16個の振動子T1〜T16)を有する。探触子11には、振動子T1〜T16のうちの一部を選択するスイッチ15(ここでは、4個の4:1のスイッチ15−1〜15−4)が接続されている。スイッチ15−1〜15−4を切り替えることで、振動子T1〜16のうち連続した任意の4個の振動子を選択することができる。例えば、スイッチ15−1〜15−4をすべてa端子に接続すると、振動子T1〜T4が選択される。この状態でスイッチ15−1をb端子に切り替えると、振動子T2〜T5が選択される。このようにスイッチ15−1〜15−4を順次切り替えて開口位置を変えながら超音波の送受信を繰り返すことによって、2次元走査が行われる。
スイッチ15−1〜15−4には送信回路17が接続され、送信回路17からの駆動パルス信号により、選択された振動子13から超音波を送信できるようになっている。選択された振動子13から図示しない被検体に放射された超音波は、インピーダンスが異なる部位で反射し、同じ振動子13に戻って電気信号に変換される。振動子13で電気信号に変換された受信信号は、スイッチ15−1〜15−4を経て、A/D変換器19−1〜19−4でデジタル信号に変換される。ここでは図示しないが、一般にA/D変換器19の前段にはゲインを可変できるアンプが設けられ、A/D変換器19の入力範囲に適合するようにゲインの補正が行なわれる。
A/D変換された受信信号は、ビーム形成器21で遅延加算されて、受信ビームが形成される。すなわち、ビーム形成器21は、各振動子13で得た受信信号を遅延加算して1つの信号(受信ビーム)にまとめる。ビーム形成器21で形成された受信ビームは、検波器23で検波される。一般に検波は包絡線検波により行われる。
検波器23で検波された信号は、複数のメモリ25(ここでは、例えば、3個のメモリ25−1〜25−3)のうちのいずれか1つに記憶される。メモリ25−1〜25−3は、それぞれ、2次元画像を構成するための1枚分(フレーム)に相当する容量を持つ。
メモリ25−1〜25−3に記憶されたデータは、平滑処理部27で平滑化され後、デジタルスキャンコンバータ(DSC)29で走査変換されて、表示部31に表示される。
その際、超音波信号を映像信号として出力する場合の問題は、大別して2つある。1つは、超音波の走査と映像の走査の不一致の問題である。この問題は、走査変換という処理によって解決される。走査変換は、上記のDSC29で行われる。2つ目の問題は、映像出力のフレームレートに対して超音波の走査速度が遅いことである。この不整合を解決する方法としては、複数の超音波画像データ(ここでは、メモリ25−1〜25−3に記憶されたデータ)を平滑化して信号を合成する方法が用いられる。画像データの平滑化は、上記の平滑処理部27で行われる。
画像の平滑化は、既知の技術である。その手法は、例えば、特許文献1に記載されている。
ここで、画像の平滑化について説明する。図12において、メモリ25−1〜25−3にはそれぞれ1フレーム分の超音波画像データが記憶されている。例えば、超音波画像データの1フレーム分のデータがメモリ25−1に記憶された場合、次の1フレーム分のデータはメモリ25−2に記憶され、その次の1フレーム分のデータはメモリ25−3に記憶され、さらにその次の1フレーム分のデータはメモリ25−1に記憶される。このように、メモリ25−1〜25−3には、常に、最新の3フレーム分のデータが記憶されている。
一方で、平滑処理部27は、メモリ25−1〜25−3に記憶されたデータを平滑化して表示用データを作成する。
図13は、時間方向の平滑化の説明図である。ここでは、図13に示すように、超音波データがTm−1、T、Tm+1、Tm+2、…のタイミングで入力され、画像出力がtn−4、tn−3、tn−2、tn−1、t、tn+1、tn+2、tn+3、tn+4、tn+5、tn+6、…のタイミングで行われる場合を考える。このとき、画像出力のタイミングは、ほとんどの場合、超音波データの入力のタイミングと一致しない。この状態で、一番タイミングが近い超音波データをそのまま出力すると、フレームレートが低くなり、ギクシャクした画像になる。そこで、一番近いタイミングの超音波データだけでなく、いくつかの画像を混合して平滑化する。これにより、時間的に滑らかな画像出力が可能になる。図12の例では、3フレーム分のデータを混合して平滑化する。具体的には、例えば、平滑処理部27は、図13におけるtのタイミングで画像を出力するとき、Tm−1、T、Tm+1のタイミングで入力した3フレーム分の超音波データを用いて、次の式(1)により混合/平滑化を行う。
S=3/2−(xa+xb+xc)/4x …(1)
ここで、xa、xb、xcは、それぞれ、画像の出力タイミングtと超音波データの入力タイミングTm−1、T、Tm+1との時間差である。また、xは超音波データの入力タイミングの時間差である。
特公平7−24660号公報 特開平5−7592号公報
しかしながら、上記した従来の超音波診断装置1においては、被検体が動いている場合、メモリ25−1〜25−3に記憶されたデータは合致せず、平滑化して出力すると画像がぼけてしまうという問題が生ずる。
図14は、1次元方向における動きの影響を示す図である。図14(A)は、被検体の動きがない(または少ない)場合であり、図14(B)は、被検体の動きが大きい場合である。
被検体の動きがない(または少ない)場合は、図14(A)に示すように、各メモリ25−1〜25−3に記憶された信号におけるピークの位置があまり違わないため、その混合信号(平滑化された信号)も1つのピークを有する。したがって、この場合、混合信号は、メモリ25−1〜25−3のデータを正確に反映していると言える。
これに対し、被検体の動きが大きい場合は、図14(B)に示すように、各メモリ25−1〜25−3に記憶された信号におけるピークの位置が大きく異なるため、その混合信号(平滑化された信号)のピークは3つとなってしまっている。したがって、この場合、混合信号は、メモリ25−1〜25−3のデータを正確に反映しているとは言いがたい。
図14の例は1次元の場合であるが、2次元の場合においても同じ問題が生ずる。
なお、この問題を解決する一方法として、例えば、複数のフレームを加算する際の重み付けを変える方式が提案されている(特許文献2参照)。しかし、この方法においては、重み付けを小さくすれば動きがギクシャクしやすくなることは否定できず、画質の改善には一定の限界がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、画像の平滑処理を行う超音波診断装置において、被検体の動きの影響を除去し、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる超音波診断装置を提供することを目的とする。
本発明の超音波診断装置は、配列された複数の振動子と、前記複数の振動子を駆動する送信回路と、前記複数の振動子で受信された信号のうちの一部を選択するスイッチと、前記スイッチにより選択された信号を遅延加算して受信ビームを形成するビーム形成器と、前記ビーム形成器の出力を検波する検波器と、前記検波器の出力を一時的に記憶する複数のメモリと、前記複数のメモリの出力を平滑化する平滑処理部と、前記平滑処理部の出力を走査変換するスキャンコンバータと、前記スキャンコンバータの出力を表示する表示部と、を有する超音波診断装置において、前記複数のメモリに記憶されたデータを用いて、被検体の動きを検出する動き検出部と、前記動き検出部の検出結果を用いて、被検体の動きに基づく前記複数のメモリ間のデータの位置ずれを補正する補正手段と、を有する構成を採る。
本発明によれば、画像の平滑処理(つまり、フレーム間平滑処理)を行う超音波診断装置において、被検体の動きの影響を除去し、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。
図1に示す超音波診断装置100は、図12に示す従来の超音波診断装置と同様に、直線状、平面状、または曲面状に配列された複数の振動子(配列振動子)を用いて音線方向を変化させ、2次元情報を得て表示する超音波診断装置である。配列振動子を用いた超音波診断装置では、複数の振動子の信号を同時に処理する必要があるため、同時に使用する振動子の数だけのA/D変換器や、デジタル化された信号を入力して遅延加算処理を行うビーム形成器が必要である。
具体的には、図1に示す超音波診断装置100は、探触子101、複数のスイッチ105、送信回路107、複数のA/D変換器109、ビーム形成器111、検波器113、複数のメモリ115、平滑処理部117、デジタルスキャンコンバータ(DSC)119、および表示部121に加えて、本実施の形態の特徴的構成要素として、動き検出部130を有する。
探触子101は、所定の形状に配列された複数の振動子103を有する。図1では、簡単化のため、例えば、16個の振動子T1〜T16が設けられている。各振動子103は、パルス電圧が印加されると超音波を送信し、また、被検体内からの反射エコーを電気信号に変換して受信する。各振動子103で電気信号に変換された受信信号は、スイッチ105を経て、A/D変換器109に送られる。
各スイッチ105は、探触子101に接続され、複数の振動子103(T1〜T16)のうちの一部を選択する。図1では、例えば、同時に4個の振動子を選択するため、4個の4:1のスイッチ105−1〜105−4が設けられている。スイッチ105−1〜105−4を切り替えることで、振動子T1〜16のうち連続した任意の4個の振動子を選択することができる。例えば、スイッチ105−1〜105−4をすべてa端子に接続すると、振動子T1〜T4が選択される。この状態でスイッチ105−1をb端子に切り替えると、振動子T2〜T5が選択される。このようにスイッチ105−1〜105−4を順次切り替えて開口位置を変えながら超音波の送受信を繰り返すことによって、2次元走査が行われる。
送信回路107は、各スイッチ105に接続されている。送信回路107は、各振動子103を駆動するパルス信号を発生し、各スイッチ105(スイッチ105−1〜105−4)を介して、所定の個数(ここでは4個)を単位として順番に各振動子103を駆動する。
各A/D変換器109は、対応するスイッチ105に接続されている。各A/D変換器109は、対応するスイッチ105により選択された振動子103で電気信号に変換された受信信号(アナログ信号)を入力して、デジタル信号に変換する。なお、図示しないが、一般にA/D変換器109の前段にはゲインを可変できるアンプが設けられ、A/D変換器109の入力範囲に適合するようにゲインの補正が行なわれる。各A/D変換器109でデジタル信号に変換された受信信号は、ビーム形成器111に送られる。
ビーム形成器111は、各A/D変換器109でA/D変換された受信信号を遅延加算して、受信ビームを形成する。すなわち、ビーム形成器111は、各振動子103で得た受信信号を遅延加算して1つの信号(受信ビーム)にまとめる機能を有する。図示しないが、ビーム形成器111は、例えば、各振動子103で得た受信信号を遅延させる可変遅延手段と、この可変遅延手段により遅延された信号を加算する加算器とで構成されている。ビーム形成器111で形成された受信ビームは、検波器113に送られる。
検波器113は、ビーム形成器111で形成された受信ビームを検波する。検波は、例えば、包絡線検波により行われる。検波器113で検波された信号は、メモリ115に送られる。
各メモリ115は、検波器113で検波された信号を記憶する。図1では、例えば、3個のメモリ115−1〜115−3が設けられている。検波器113で検波された信号は、複数のメモリ115(メモリ115−1〜115−3)のうちのいずれか1つに記憶される。各メモリ115は、2次元画像を構成するための1枚分(フレーム)に相当する容量を持つ。すなわち、メモリ115−1〜115−3にはそれぞれ1フレーム分の超音波画像データが記憶されている。例えば、超音波画像データの1フレーム分のデータがメモリ115−1に記憶された場合、次の1フレーム分のデータはメモリ115−2に記憶され、その次の1フレーム分のデータはメモリ115−3に記憶され、さらにその次の1フレーム分のデータはメモリ115−1に戻ってここに記憶(上書き)される。このように、メモリ115−1〜115−3には、合計で、常に、最新の3フレーム分のデータが記憶されている。各メモリ115に記憶されたデータ(1フレーム分の超音波画像データ)は、平滑処理部117に送られる。
平滑処理部117は、各メモリ115に記憶されたデータ(複数の超音波画像データ)を平滑化する。図1の例では、3フレーム分のデータを混合して平滑化する。具体的には、例えば、図13を用いて上述したように、tのタイミングで画像を出力するときは、Tm−1、T、Tm+1のタイミングで入力した3フレーム分の超音波データを用いて、上記の式(1)により混合/平滑化を行う。この平滑化処理により、映像出力のフレームレートと超音波の走査速度との不整合を解消することができ、時間的に滑らかな画像出力を得ることができる。平滑処理部117で平滑化されたデータは、DSC119に送られる。
DSC119は、平滑処理部117で平滑化されたデータを走査変換する。すなわち、DSC119は、超音波の音線方向の信号を表示器121の走査線方向に変換する機能を有する。この機能は、入力データを一旦2次元メモリ(図示せず)に記憶して走査線方向に読み出すことによって実現される。図示しないが、例えば、DSC119において、2次元メモリへの記憶および読み出しのアドレス制御はアドレス制御器で行われ、また、超音波の走査線密度の過不足を補正して均等な画質を得るために補間フィルタが用いられている。DSC119で走査変換されたデータは、表示部121に送られる。
表示部121は、DSC119で走査変換されたデータ(超音波画像)を表示する。表示部121は、例えば、モニタ(ディスプレイ)で構成されている。
本発明は、画像の平滑処理(つまり、フレーム間平滑処理)を行う超音波診断装置において、被検体の動きを加味して複数のメモリ間のデータの位置ずれを補正する(またはこれと同等の処理を行う)ことにより、被検体の動きを補正し、画質の優れた超音波診断装置を実現するものである。より具体的には、本発明は、画像の平滑処理(フレーム間平滑処理)を行う超音波診断装置において、被検体の動きを検出し、この検出結果に基づいて、複数のメモリに記憶された(または記憶される)画像の位置合わせを行う(またはこれと同等の処理を行う)ことにより、被検体の動きを補正し、良好な画質を得ることができる超音波診断装置を実現するものである。このため、本実施の形態に係る超音波診断装置100は、上記の構成に加えて、被検体の動きの影響を除去するための特徴的な構成を有する。具体的には、超音波診断装置100は、被検体の動きを検出する動き検出部130を有する。
図2は、その動き検出部130の構成の一例を示す図である。
動き検出部130は、被検体の動きを検出するとともに、この検出結果に基づいて各メモリ115から平滑処理部117へのデータの読み出しを制御する。被検体の動きの検出は、例えば、メモリ115−1〜115−3に記憶されたデータを入力してメモリ115−1〜115−3間における画像の差異を検出することによって行われる。ここで、画像の差異の検出は、例えば、メモリ115−1〜115−3に記憶されたデータに対して相関処理を行うことによって実現される。
このため、動き検出部130は、図2に示すように、例えば、相関処理演算器131とアドレス制御器133で構成されている。相関処理演算器131は、メモリ115−1〜115−3に記憶されたデータに対して相関処理を行う。また、アドレス制御器133は、相関処理演算器131の相関処理結果に基づいて、メモリ115−1〜115−3に対する読み出しのアドレス制御を行う。
図3は、動き検出部130の動作を説明するための図である。特に、図3(A)は、1つのメモリの領域の一部(切り出し部分)を示し、図3(B)は、他のメモリの領域の一部(切り出し部分)を示している。ここでは、一例として、例えば、図3(A)に示すメモリは、メモリ115−1であり、図3(B)に示すメモリは、メモリ115−2であるとして説明を行う。
図3(A)に示すように、メモリ115−1に対する切り出し部分は、3×3の構成要素からなる配列(以下「配列A」という)を有する。また、図3(B)に示すように、メモリ115−2に対する切り出し部分は、メモリ115−1における3×3の構成要素に対して上下左右に1ずつ多く構成要素を切り出した5×5の構成要素からなる配列(以下「配列B」という)を有する。
動き検出部130は、相関処理演算器131で、配列Aと配列Bの一部とを用いた3×3の配列について相関演算を行う。被検体に動きがない場合、つまり、メモリ115−1、115−2間の画像にずれがない場合には、配列Bにおいて配列Aと最も相関が多い部分は、配列Aに対応する部分、つまり、配列B(i,j)〜B(i+2,j+2)の3×3の構成要素の部分(図3(B)中の斜線を引いた領域140)となる。これに対し、被検体に動きがある場合には、動きがある方向について相関演算結果(相関値)が最も大きくなる。したがって、相関演算結果に基づいて被検体の動き(移動量と移動方向)を特定することができる。
ここで、上記のように、メモリ115−1〜115−3には、時系列に従って、メモリ115−1→メモリ115−2→メモリ115−3→メモリ115−1(以下同様)の順番で1フレーム分のデータが順次記憶される。そこで、本実施の形態では、例えば、上記の相関演算を、時系列上連続する2つのメモリ間(つまり、メモリ115−1とメモリ115−2の間、メモリ115−2とメモリ115−3の間、およびメモリ115−3とメモリ115−1の間)において順次実行する。このとき、1対のメモリのうち前者のメモリからは配列Aが切り出され(図3(A)参照)、後者のメモリからは配列Bが切り出される(図3(B)参照)。
図4は、動き検出部130における動き検出アルゴリズムの一例を示すフローチャートである。なお、簡単化のため、この動き検出アルゴリズムは、相関処理の対象として1対のメモリが選択された場合における当該1対のメモリに対する相関処理の手順のみを示している。ここでは、便宜上、相関処理の対象として選択された1対のメモリのうち、前者のメモリを「メモリA」、後者のメモリを「メモリB」とそれぞれ呼ぶことにする。
まず、ステップS1000では、メモリAの切り出し部分を設定する。上記のように、メモリAの切り出し部分は、3×3の構成要素からなる配列Aを有する。
そして、ステップS1100では、メモリAの全体画像(1フレーム分のデータ)から、ステップS1000で設定した切り出し部分のデータ(以下「データf」という)を切り出す(図3(A)参照)。
そして、ステップS1200では、メモリBの切り出し部分を設定する。上記のように、メモリBの切り出し部分は、5×5の構成要素からなる配列Bを有する。
そして、ステップS1300では、メモリBの全体画像(1フレーム分のデータ)から、ステップS1200で設定した切り出し部分のデータ(以下「データg」という)を切り出す(図3(B)参照)。
そして、ステップS1400では、ステップS1100で切り出したデータfとステップS1300で切り出したデータgとの間で相関を取る。相関演算は、例えば、次の式(2)を用いて行われる。この式(2)は、一般的な画像相関演算の式であり、これに限定されるわけではない。
Figure 2009039428
ここで、Rは相関値、f[k][l]はデータfの座標(k,l)における画素の値、g[k][l]はデータgの座標(k,l)における画素の値、fアッパーバーはデータfにおける平均輝度値、gアッパーバーはデータgにおける平均輝度値、Nは座標k方向の画素の数、Mは座標l方向の画素の数である。図3に示す例の場合、式(2)におけるN、Mは、N=M=3となる。
そして、ステップS1500では、メモリBについてすべての切り出しを行ったか否かを判断する。この判断の結果として、すべての切り出しを行っていない場合は(S1500:NO)、ステップS1600に進み、すべての切り出しを行った場合は(S1500:YES)、ステップS1700に進む。
ステップS1600では、メモリBの切り出し部分を再設定した後、ステップS1300に戻る。再設定は、メモリBの領域のうち、まだ切り出されていない部分を含むように行われる。
ステップS1000〜ステップS1600の一連の処理を通じて、メモリBについてすべての切り出しが完了すると、メモリBから切り出された全データgとメモリAのデータfとの間におけるすべての相関値Rの算出が完了する。
ステップS1700では、得られたすべての相関値Rの中から、相関値Rが最大となるメモリBの切り出し部分を抽出する。
そして、ステップS1800では、ステップS1700で抽出したメモリBの切り出し部分を、ステップS1000で設定したメモリAの切り出し部分と比較して、画像の差異(ずれ)の量と方向、つまり、被検体の移動量と移動方向を特定する。
なお、ここでは、便宜上、メモリAにおいてある切り出し部分が設定された場合について説明したが、必要に応じて、メモリAにおいて別の切り出し部分を再設定してステップS1100〜ステップS1800の処理を繰り返すことも可能である。例えば、被検体の動きについては、画像全体が一定の方向に一定の大きさでずれている場合(正確には、そのようにみなしてもよい場合)と、画像の部位によりずれの方向や大きさが異なる場合とがある。このうち、後者の場合には、メモリAにおいて切り出し部分を再設定して、同様の相関演算を行う必要が生じる。これに対し、前者の場合、つまり、画像全体が一定の方向に一定の大きさで動いているとみなした場合には、超音波画像の精度から見て、画像全体について相関演算を行うほどの精度を取る必要は現実問題として生じないため、原則として、全体画像を考慮する必要はないと考えられる。
動き検出部130は、相関処理演算器131での相関処理(つまり、被検体の動きの検出処理)が終了すると、その結果をアドレス制御器133に送る。アドレス制御器133は、相関処理の結果(被検体の移動量と移動方向)に基づいて、メモリ115−1〜115−3からのデータの読み出しを制御する。すなわち、アドレス制御器133は、メモリ115−1〜115−3に対して、相関処理の結果(被検体の動き)に基づいてデータの読み出しを行う。具体的には、例えば、被検体の動きが横方向に存在した場合は、読み出すアドレスの横方向の成分を増減することによって、被検体の動きを加味したデータの読み出しを行う。これにより、被検体の動きに応じて、複数のメモリ115に記憶された画像の位置合わせ(つまり、位置の補正)を行うことができる。その結果、送受信間における被検体の動きの影響を除去することができる。
被検体の動きを加味したデータの読み出し方法の具体例、つまり、検出した動き(移動量と移動方向)とアドレスの読み出し方法との関係の具体例は、次のとおりである。例えば、メモリ115−1の内容がf(x,y)、メモリ115−2の内容がg(x,y)であり、また、xが横方向位置で右にいくにつれ増加、yが縦方向位置で下にいくにつれ増加とした場合、画像の移動が左下方向であったときには、メモリ115−2のデータgの読み出しにおいて、xを移動量だけ大きく、yを移動量だけ小さく読み出す。なお、移動方向が横方向の場合は開口位置のずれを意味し、移動方向が縦方向の場合は深さ方向のずれを意味している。
次に、動き検出のためにメモリから切り出す対象領域(以下「ゾーン」という)と動き検出結果の画面全体への適用方法との関係(組み合わせ)について説明する。
例えば、被検体の体動について大まかな検出を行う場合には、1つの画面(1フレーム分の画像)に対して1つのゾーンのみの動きを検出して、その画面全体に適用すればよい。また、被検体の各部位における動きを補正するためには、1つの画面に対して複数のゾーンを取り、各部位で補正を行った後、画像を合成する作業が必要となる。
このとき、1つのゾーンで画面全体の動きを代表させるか、あるいは、複数のゾーンを設定するか(さらには、この場合、何個のゾーンを設定するか)は、操作者が手動で選択してもよいし、一般的な装置において診断前に設定する部位別のプリセット(診断する部位を選択肢から選択すること)と連動させるようにしてもよい。ゾーンの選択をプリセットと連動させる場合には、例えば、腹部を診断する場合は、呼吸による体動が支配的であるため、1つのゾーンで代表させ、心臓などを診断する場合は、臓器そのものが収縮するため、複数のゾーンを用いるようにする。例えば、1つのゾーンで画面全体の動きを代表させる場合としては、上記のように、画像全体が一定の方向に一定の大きさでずれている場合(正確には、そのようにみなしてもよい場合)であり、複数のゾーンを設定する場合としては、上記のように、画像の部位によりずれの方向や大きさが異なる場合である。
ここでは、例えば、複数のゾーンを用いて動き検出を行った場合の、画面全体への適用例について、図5および図6を用いて説明する。図5は、4つのゾーンにおける動きの検出結果の一例を示す図である。図6は、図5の動き検出結果に基づく補正値の分布の一例を示す等高線図であり、同図(A)は、水平方向の分布を示し、同図(B)は、垂直方向の分布を示している。
例えば、図5に示すように、4つのゾーンで動きを検出した場合には、動きを水平方向と垂直方向に分け、かつ、位置の差による増加減少がなだらかで一様であると仮定することにより、補正値の分布を、水平方向と垂直方向について、それぞれ図6(A)および図6(B)の等高線図に示すように決定することができる。そして、図6(A)および図6(B)の等高線図に示す補正値(水平方向と垂直方向)を、画像上の各位置における移動量として、補正を行う。なお、図5の外側の四角形は、図6(A)および図6(B)の四角形GHIJに該当する。
具体的には、図6(A)および図6(B)の四角形GHIJ内の任意の座標を選んだとき、それぞれの座標の移動量を図6(A)および図6(B)から求める。例えば、図6(A)においてその座標の補正値が+3の場合は、水平方向に+3移動し、図6(B)においてその座標の補正値が−2の場合は、垂直方向に−2移動させる。
このように、本実施の形態によれば、送受信間における被検体の動きを検出し、この検出結果に基づいて、被検体の動きに基づく複数のメモリ115間の画像の差異(ずれ)がなくなるように、各メモリ115からのデータの読み出しを制御する。これにより、各メモリ115に記憶された画像の位置合わせ(つまり、位置の補正)が行われて、被検体の動きの影響が除去される(被検体の動きの補正)。したがって、被検体の動きを補正したフレーム間平滑処理により、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、ビーム形成器を2系統設け、一方の系統における動き検出結果をもとに、もう一方の系統のビーム形成において絶対遅延量を変えることにより、深さ方向の位置ずれを補正する場合である。
図7は、本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。なお、この超音波診断装置200は、図1に示す実施の形態1に対応する超音波診断装置100と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図7に示す超音波診断装置200は、ビーム形成器を2系統有する。ここでは、2系統のうち、一方の系統210を「表示系」、もう一方の系統220を「検出系」とそれぞれ呼ぶことにする。
表示系210は、図1に示す超音波診断装置100と同様に、ビーム形成器111a、検波器113、複数のメモリ115(ここでは、3個のメモリ115−1〜115−3)、平滑処理部117a、DSC119、および表示部121で構成されている。また、検出系220は、ビーム形成器221、検波器223、複数のメモリ225(ここでは、3個のメモリ225−1〜225−3)、および動き検出部230で構成されている。2系統の対応する構成要素(ビーム形成器111a、221、検波器113、223、および複数のメモリ115、225)は、それぞれ互いに同一の機能を有する。ただし、後述するように、表示系210のビーム形成器111aには、動き検出部230の検出結果が与えられるようになっている。
本実施の形態では、超音波診断装置200は、上記のように、2系統のビーム形成器111a、221を有し、一方の系統(検出系220)において被検体の動きを検出し、この検出結果をもう一方の系統(表示系210)にフィードバックするようにしている。
具体的には、超音波診断装置200は、検出系220において、ビーム形成器221で遅延加算した信号を、検波器223を経て、メモリ225−1〜225−3に記憶し、動き検出部230で被検体の動きを検出する。動き検出部230は、例えば、図1に示す超音波診断装置100における動き検出部130と同様に、相関処理演算器(図示せず)を有する。この相関処理演算器で上記の相関処理を行うことによって、被検体の動き(移動量と移動方向)が検出される。このとき、被検体の動き(移動量と移動方向)は、上記のように、水平方向(横方向)と垂直方向(深さ方向)に分けることができる。動き検出部230の検出結果は、表示系210のビーム形成器111aと平滑処理部117aにそれぞれ送られる。
本実施の形態では、深さ方向の動き補正はビーム形成器111aで、横方向の動き補正は平滑処理部117aでそれぞれ行う。そのため、動き検出部230は、ビーム形成器111aに対しては、垂直方向(深さ方向)の動き検出結果(移動量と移動方向)を送り、平滑処理部117aに対しては、水平方向(横方向)の動き検出結果(移動量と移動方向)を送る。
ビーム形成器111aは、動き検出部230で検出した垂直方向(深さ方向)の動きを加味して遅延加算を行う。具体的には、各受信チャンネルの遅延時間の差はそのままで、絶対遅延量(遅延時間の絶対値)を変化させる。ビーム形成は遅延時間の差が問題であるため、遅延時間の差を維持する限り、遅延量を変化させてもビーム形成の結果には影響しない。一方で、遅延時間そのものは深さに関係するため、遅延量を変化させることにより、深さ方向の動きを調整することができる。したがって、ビーム形成器111aにおいて、遅延時間の差はそのままで、絶対遅延量を変化させることによって、深さ方向の動き補正を行うことができる。この結果、ビーム形成器111aで深さ方向の動きが補正されたデータが、検波器113を経て、メモリ115−1〜115−3に記憶されることになる。すなわち、メモリ115−1〜115−3には、被検体の深さ方向の動きに対して画像の位置合わせ(位置の補正)が行われたデータが記憶されることになる。
例えば、メモリ115−1よりもメモリ115−2のほうに新しいデータが記憶され、被検体が深い方向に移動しているとした場合は、メモリ115−2のための受信において、ビーム形成器111aの各チャンネルの遅延データを短くすることによって、深さ方向の動きの補正を行う。
また、平滑処理部117aは、動き検出部230で検出した水平方向(横方向)の動きを加味して平滑化処理を行う。具体的には、実施の形態1におけるアドレス制御と同様に、動きの検出結果(横方向の動き)に基づいて、各メモリ115から平滑処理部117aへのデータの読み出しを制御する。これにより、横方向の動き補正が行われる。なお、図7では、便宜上、動き検出部230から平滑処理部117aへの矢印をもって、当該処理を表している。
こうして、ビーム形成器111aで得た遅延加算信号は、検波器113で検波され、メモリ115−1〜115−3に記憶された後、平滑処理部117aおよびDSC119を経て、表示部121に表示される。このとき、上記のように、動き検出部230の検出結果に基づいて、深さ方向の動き補正はビーム形成器111aで行われ、横方向の動き補正は平滑処理部117a(メモリ115へのアドレス制御)で行われる。
このように、本実施の形態によれば、ビーム形成器を2系統設け、一方の系統における動き検出結果をもとに、もう一方の系統のビーム形成において絶対遅延量を変えて深さ方向の位置ずれを補正するとともに、メモリ115へのアドレス制御に基づく平滑処理において横方向の位置ずれを補正する。これにより、被検体の動きの影響が除去され、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3は、ビーム形成器を2系統設け、一方の系統における動き検出結果をもとに、もう一方の系統のビーム形成において絶対遅延量およびビーム方向を変えることにより、深さ方向および横方向の位置ずれを補正する場合である。
図8は、本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。この超音波診断装置300は、図7に示す実施の形態2に対応する超音波診断装置200と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、深さ方向と横方向の両方について表示系210のビーム形成器111bで動き補正を行う。ビーム形成器111bにおける深さ方向の動き補正については、実施の形態2におけるビーム形成器111aの動作と同様であるため、その説明を省略する。
ビーム形成器111bにおける横方向の動き補正は、ビームを偏向させることによって実現可能である。ビームを偏向させる方法は、電子セクタ走査などでよく知られた技術を用いることができる。電子セクタ走査では、隣り合うチャンネルの遅延時間を少しずつ変えていくことによりビームを偏向させることが可能であり、この原理を用いて横方向(正確には、角度方向)の補正を行う。具体的には、定められた偏向角度のための遅延量よりも少し小さめの遅延量を与えることで偏向角度を小さくし、少し大きめの遅延量を与えることで偏向角度を大きくする。この遅延時間の調整は、受信信号を得ながら遅延時間を変更することが可能であるため、浅い部位と深い部位で別個の偏向角度に設定することも可能である。
こうして、ビーム形成器111bで得た遅延加算信号は、検波器113で検波され、メモリ115−1〜115−3に記憶された後、平滑処理部117およびDSC119を経て、表示部121に表示される。このとき、上記のように、動き検出部230の検出結果に基づいて、ビーム形成器111bで深さ方向および横方向の動き補正が行われる。
このように、本実施の形態によれば、ビーム形成器を2系統設け、一方の系統における動き検出結果をもとに、もう一方の系統のビーム形成において絶対遅延量およびビーム方向を変えることにより、深さ方向および横方向の位置ずれを補正する。これにより、被検体の動きの影響が除去され、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、ビーム形成器を2系統設け、一方の系統における動き検出結果をもとに、もう一方の系統において信号の重み付けを可能にすることで音線の位置をずらすことにより、位置ずれを補正する場合である。
図9は、本発明の実施の形態4に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。なお、この超音波診断装置400は、図7に示す実施の形態2に対応する超音波診断装置200と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態においても、ビームの形成を2系統のビーム形成器111a、221で行い、検出系220aのビーム形成のデータをもとに、つまり、検出系220aの動き検出結果をもとに、表示系210aのビーム形成にフィードバックをかける点は、実施の形態2と同様である。しかし、本実施の形態では、表示系210aと検出系220aとで、ビーム形成器111a、221への入力を供給するA/D変換器が分かれており、表示系210aのビーム形成器111aへの入力を供給するA/D変換器401−1〜401−4の前段にゲイン可変アンプ403−1〜403−4が付加されている。動き検出部230のゲイン可変アンプ403−1〜403−4へのフィードバックは、このゲイン可変アンプ403−1〜403−4のゲイン制御となる。
具体的には、ゲイン可変アンプ403−1〜403−4のゲインを制御することにより、開口に非対称な重み付けを行うことができ、音線の位置をずらして、ビームの横方向位置を移動させることができる。例えば、ゲイン可変アンプ403−1のゲインをゼロにすると、開口はゲイン可変アンプ403−2からゲイン可変アンプ403−4の間になり、音線の位置はゲイン可変アンプ403−4側にずれる。ここでは、この原理を利用して横方向の動き補正を行う。これにより、被検体の横方向の動きを補正することが可能となる。なお、横方向の音線(ビームの中心位置をいう)は、厳密には、ビーム形成器111aのビーム形成条件と開口の位置の両方によって決定される。
深さ方向の動き補正は、実施の形態2と同様に、表示系210aのビーム形成器111aで行う。
このように、本実施の形態によれば、ビーム形成器を2系統設け、一方の系統における動き検出結果をもとに、もう一方の系統において信号の重み付けを可能にして横方向の位置ずれを補正するとともに、ビーム形成において絶対遅延量を変えて深さ方向の位置ずれを補正する。これにより、被検体の動きの影響が除去され、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる。
なお、本実施の形態では、深さ方向の動き補正を表示系210aのビーム形成器111aで行うようにしているが、これに限定されない。深さ方向の動き補正は、表示系210aのメモリ115−1〜115−3からの読み出しを制御することによっても実現可能である。
(実施の形態5)
実施の形態5は、開口を切り替えるスイッチを設けて、位置ずれを検出するための開口と位置ずれを補正するための開口とを別々にした場合である。
図10は、本発明の実施の形態5に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。この超音波診断装置500は、図9に示す実施の形態4に対応する超音波診断装置400と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、振動子T1〜T16のうちビーム形成に用いる振動子を選択するスイッチ501−1〜501−4が2系統の出力を供給できるように構成されている。具体的には、スイッチ501−1〜501−4をp端子に接続すると、検出系220aに接続され、q端子に接続すると、表示系210aに接続されるようになっている。前者の場合には、位置ずれを検出するための開口が選択され、スイッチ501−1〜501−4の出力は、A/D変換器109−1〜109−4を経て、検出系220aのビーム形成器221に入力される。後者の場合には、位置ずれを補正するための開口が選択され、スイッチ501−1〜501−4の出力は、ゲイン可変アンプ403−1〜403−4およびA/D変換器401−1〜401−4を経て、表示系210aのビーム形成器111に入力される。スイッチ501−1〜501−4の出力端子の切り替えは、動き検出部230の検出結果に基づいて制御器503によって制御される。
検出系220aの動き検出部230の検出結果は、制御器503を介してスイッチ501−1〜501−4にフィードバックされ、ビーム形成器111の入力選択(入力のオンオフ切り替え)に用いられる。すなわち、スイッチ501−1〜501−4を制御することで、被検体の移動に合わせた開口の切り替えを行う。これにより、横方向の大きな位置ずれに対応することができる。
例えば、最初の送受信においてスイッチ501−1〜501−4のp端子がすべてb端子に接続されていた場合には、使用される振動子はT5〜T8となり、ビームの位置は開口の中心としてT6とT7の中間となる。次に、被検体が振動子T16側に移動した場合において、例えば、移動量が振動子2個分だったときには、スイッチ501−1およびスイッチ501−2についてq端子をc端子に、スイッチ501−3およびスイッチ501−4についてq端子をb端子にそれぞれ接続することで、開口位置はT7〜T10となり、ビームの位置はT8とT9の中間に移動する。これにより、被検体の移動に追従することができる。
この点、他の方法、例えば、ゲインを調整する方法では、開口位置を大きく変化させようとすると、使用できる振動子の数を大きく減らす必要があり、受信信号のゲインが下がったり、ビームの集束状況が変わったりするという問題が発生する。これに対し、本方法では、開口の位置を変化させるため、開口の大きさも変わらず、また、ビーム形状の変化なしに被検体の大きな移動に追従することができるという利点がある。
このように、本実施の形態によれば、開口を切り替えるスイッチを設けて、位置ずれを検出するための開口とは別に、位置ずれ補正のための開口を独自に持たせるようにしたため、横方向の大きな位置ずれに対応することができ、被検体の動きを抑えた画像を得ることができる。
(実施の形態6)
実施の形態6は、2系統のビーム形成器を並列受信にも利用可能にした場合である。
図11は、本発明の実施の形態6に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図である。この超音波診断装置600は、図7に示す実施の形態2に対応する超音波診断装置200と同様の基本的構成を有しており、同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態では、実施の形態2の構成にスイッチ601が付加されている。スイッチ601によって、検出系220のメモリ225−1〜225−3に記憶されたデータを、選択的に平滑処理部117bに送ることができる。
具体的には、動き補正を行う場合は、スイッチ601をオフ状態にする。このときの動作は、実施の形態2と同様である。
一方、動き補正が不要な場合は、スイッチ601をオン状態にする。これにより、検出系220のメモリ225−1〜225−3に記憶されたデータも、平滑処理部117bに送られる。したがって、2つのビーム形成器111a、221は、並列受信として動作する。並列受信は、1本の送信ビームを挟むようにして2本の受信ビームを配置することにより複数の受信信号を得ることで、フレームレートを増加させる技術である。この並列受信は既知の技術であるため、ここでは詳しくは述べない。
並列受信の際は、スイッチ601がオン状態になり、平滑処理部117bにはメモリ115−1〜115−3とメモリ225−1〜225−3からの2系統の受信信号が入力され、処理される。
このように、本実施の形態によれば、動き検出の有無を切り替えるスイッチ601を設けて2系統のビーム形成器を並列受信にも利用可能にしたため、動き補正が不要な場合には、動き検出をオフして並列受信をオンすることにより、フレームレートを増加させることができる。
なお、本実施の形態では、実施の形態2の構成(図7参照)にスイッチ601を付加した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、実施の形態3の構成(図8参照)、実施の形態4の構成(図9参照)、および実施の形態5の構成(図10参照)にも、同様のスイッチを設けることは可能である。
本発明に係る超音波診断装置は、被検体が動いている場合においても良好な画質を得ることができる超音波診断装置として有用である。
本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図 図1の動き検出部の構成の一例を示す図 図1の動き検出部の動作を説明するための図であり、(A)は、1つのメモリの領域の一部(切り出し部分)を示す図、(B)は、他のメモリの領域の一部(切り出し部分)を示す図 図1の動き検出部における動き検出アルゴリズムの一例を示すフローチャート 4つのゾーンにおける動きの検出結果の一例を示す図 図5の動き検出結果に基づく補正値の分布の一例を示す等高線図であり、(A)は、水平方向の分布を示す図、(B)は、垂直方向の分布を示す図 本発明の実施の形態2に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態4に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態5に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図 本発明の実施の形態6に係る超音波診断装置の概略構成を示すブロック図 従来の超音波診断装置の概略構成の一例を示すブロック図 時間方向の平滑化の説明図 1次元方向における動きの影響を示す図
符号の説明
100、200、300、400、500、600 超音波診断装置
101 探触子
103 振動子
105、501、601 スイッチ
107 送信回路
109、401 A/D変換器
111、111a、111b、221 ビーム形成器
113、223 検波器
115、225 メモリ
117、117a、117b 平滑処理部
119 デジタルスキャンコンバータ(DSC)
121 表示部
130、230 動き検出部
131 相関処理演算器
133 アドレス制御器
210 表示系
220 検出系
403 ゲイン可変アンプ
503 制御器

Claims (6)

  1. 配列された複数の振動子と、
    前記複数の振動子を駆動する送信回路と、
    前記複数の振動子で受信された信号のうちの一部を選択するスイッチと、
    前記スイッチにより選択された信号を遅延加算して受信ビームを形成するビーム形成器と、
    前記ビーム形成器の出力を検波する検波器と、
    前記検波器の出力を一時的に記憶する複数のメモリと、
    前記複数のメモリの出力を平滑化する平滑処理部と、
    前記平滑処理部の出力を走査変換するスキャンコンバータと、
    前記スキャンコンバータの出力を表示する表示部と、を有する超音波診断装置において、
    前記複数のメモリに記憶されたデータを用いて、被検体の動きを検出する動き検出部と、
    前記動き検出部の検出結果を用いて、被検体の動きに基づく前記複数のメモリ間のデータの位置ずれを補正する補正手段と、
    を有する超音波診断装置。
  2. 前記補正手段は、
    前記動き検出部の検出結果を用いて、前記複数のメモリからのデータの読み出しを制御することにより、被検体の動きに基づく前記複数のメモリ間のデータの位置ずれを補正する、
    請求項1記載の超音波診断装置。
  3. 2系統の前記ビーム形成器を有し、一方の系統には前記動き検出部が含まれ、他方の系統には前記表示部が含まれ、
    前記補正手段は、
    前記動き検出部の検出結果を用いて、前記他方の系統の前記ビーム形成器におけるビーム形成において絶対遅延量および/またはビーム方向を変えることにより、被検体の深さ方向および/または横方向の動きに基づく前記複数のメモリ間のデータの位置ずれを補正する、
    請求項1記載の超音波診断装置。
  4. 2系統の前記ビーム形成器を有し、一方の系統には前記動き検出部が含まれ、他方の系統には前記表示部が含まれ、かつ、前記他方の系統の前記ビーム形成器の前段にゲイン可変アンプを有し、
    前記補正手段は、
    前記動き検出部の検出結果を用いて、前記他方の系統の前記ビーム形成器におけるビーム形成において前記ゲイン可変アンプにより入力信号に対する重み付けを行って音線位置を変えることにより、被検体の動きに基づく前記複数のメモリ間のデータの位置ずれを補正する、
    請求項1記載の超音波診断装置。
  5. 2系統の前記ビーム形成器を有し、一方の系統には前記動き検出部が含まれ、他方の系統には前記表示部が含まれ、
    前記スイッチは、
    前記複数の振動子を前記一方の系統と前記他方の系統のいずれかに選択的に接続し、
    前記補正手段は、
    前記動き検出部の検出結果を用いて、前記他方の系統の前記ビーム形成器におけるビーム形成において使用される開口の位置を変えることにより、被検体の動きに基づく前記複数のメモリ間のデータの位置ずれを補正する、
    請求項1記載の超音波診断装置。
  6. 前記一方の系統に含まれる前記複数のメモリの出力と、前記他方の系統に含まれる前記平滑処理部の入力とを選択的に接続する第2のスイッチを有し、
    前記補正手段の機能のオンオフに応じて前記第2のスイッチの切り替え制御を行う、
    請求項2から請求項5のいずれかに記載の超音波診断装置。
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