以下、本発明の最良の実施形態を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
〈遊技台の第1実施形態〉
図1は、本発明の第1実施形態に係る遊技台としてのパチンコ機1000Aの外観を示す正面図である。
パチンコ機1000Aの遊技盤100には、ほぼ円形に配設された外レール210及び内レール220によって遊技領域300が形成され、この遊技領域300の上方には天ランプ410が配置されている。また、遊技領域300の下方には、パチンコ球を溜めておく球皿420が配置され、球抜きレバー430を操作することによって球皿420の球貯留部に貯留された遊技球を抜き出すことができる。更に、球皿420の側方には、パチンコ球を発射し、飛距離を調整する発射ハンドル440が配置してある。
遊技領域300の適所には、遊技球が衝接することで流下方向に変化を与える遊技球衝接体として風車310や障害釘320が適宜配設され、遊技球の流下を予測し難い不規則なものとする。また、遊技領域300には、複数の入賞口330を適所に配置し、これら一般入賞領域としての入賞口330に遊技球が入賞すると、特典として所定数の遊技球が遊技者に与えられる。
遊技領域300には、この他にも種々の遊技具や遊技装置が設けられ、多様な入賞領域が形成されている。遊技領域300の略中央には、比較的大型の遊技装置の第1構成例である中央役物装置500Aが配設され、この中央役物装置500Aは、盤面より後方に窪む凹室構造であり、LCD510が前面に臨み、凹室底部は遊技球が転動可能なステージ520を構成する。
中央役物装置500Aの左右には普通図柄始動ゲート331が配設され、中央役物装置500Aの下方には、特別図柄始動口332、可変入賞口333、第1大入賞口334、アウト口340が、上下に並んで配設されている。更に、遊技領域300の右側下方には、特別図柄表示器350及び特別図柄保留ランプ360、普通図柄表示器370及び普通図柄保留ランプ380、が配設されている。なお、前記特別図柄表示器350及び普通図柄表示器370は、いわゆる7セグメント式表示器やドットマトリクス表示器等によって構成し、数字や記号等を可変表示できるものである。
また、中央役物装置500Aの中央上部には第2大入賞口530を設け、この第2大入賞口530へ入賞した球は、振分装置540へ至り、この振分装置540の振分状態に応じて、誘導通路550もしくは排出通路へ振り分けられる。誘導通路550へ振り分けられた遊技球は、回転振分器560へ導かれ、排出通路へ振り分けられた遊技球は、球回収機構にて回収される。回転振分器560は、中央部に向かってR形状に窪む球転動面の適所に複数の球落下孔を備え、特別落下孔より遊技球が落下した場合に限って、案内装置600A(後に詳述する)の球受入可能領域へ到達できるが、その他の一般落下孔より落下した遊技球はステージ520へ至り、ステージ520の後方に設けた回収口521より球回収機構へ導かれる。
次に、上記構成のパチンコ機1000Aにおける遊技の概略を説明する。遊技者が発射した打球は、外レール210及び内レール220により形成された発射球通路から球戻り防止部材230を押し開いて、遊技領域300へ飛入する。遊技領域300に飛入した打球は、その発射勢や遊技球衝接体への衝接状態に応じて、遊技領域300の下方へ流下して行く。
そして、遊技球が運良く普通図柄始動ゲート331を通過し、この球がセンサによって検出されると、普通図柄表示器370が作動する。この普通図柄表示器370の可変表示が停止したとき、その停止態様が所定の態様、例えば「7」が停止表示されると、当りとなって、可変入賞口333が作動し、球が入賞し易い状態に変化する。なお、普通図柄始動ゲート331の通過は、所定数、例えば4個まで記憶され、普通図柄保留ランプ380によって表示される。
一方、遊技領域300を流下する打球が、特別図柄始動口332へ入球し、この球がセンサによって検出されると、特別図柄表示器350が作動する。なお、特別図柄表示器350の表示動作は、より演出性の高い表示内容として、可変表示装置510に表示させる。そして、特別図柄表示器350の停止表示態様(実質的には、可変表示装置510における停止表示態様)が所定の態様になると、いわゆる大当りとなって、第1大入賞口334が開放され、第1大入賞口334へ入球し易い特定遊技状態(大当り状態)になる。この特定遊技状態においては、第1大入賞口334を一定時間(例えば、29秒)が経過するまで、又は所定個数(例えば、9個)の入賞球が発生するまで開放し(以下、このような開放制御をラウンドという)、このラウンド中に継続権が発生することを条件として所定回数(例えば、15回)のラウンドを繰り返すことで、遊技者は効率良く賞球を獲得できる。
このとき、第1大入賞口334の開放による2ラウンド実行中に継続権が発生して3ラウンドが行われるときには、中央役物装置500Aに設けた第2大入賞口530を開放して3ラウンドを行う。この3ラウンドにおいても、第2大入賞口530を一定時間(例えば、29秒)が経過、又は所定個数(例えば、10個)の入賞球が発生するまで開放し、3ラウンド実行中に継続権が発生して4ラウンドが行われるときには、再び第1大入賞口334を開放し、以降、最終ラウンドまで第1大入賞口334の開放制御を行う。
なお、特別図柄始動口332への入球は、所定数、例えば4個まで記憶され、特別図柄保留ランプ360によって表示されるが、この特別図柄始動口332への入球数の保留記憶は、遊技者にとって関心の高い情報であるから、例えは、遊技者の視認性が高い中央役物装置500Aにも特別図柄保留ランプ570を設け、特別図柄始動口332への入球数の保留記憶を効果的に表示できるようにした。この保留記憶数が上限値(例えば4つ)に達すると、その後に特別図柄始動口332へ入球しても保留記憶には加算されず、入球に対する賞球が与えられるだけになるので、遊技者の判断により、保留記憶が減数されるまで発射操作を中断するような遊技進行を行い易くなる。
次に、第1実施形態のパチンコ機1000Aに採用した第1構成例の中央役物装置500Aおよび第1構成例の案内装置600Aの詳細構造を図2〜図4に基づいて説明する。図2は中央役物装置500Aの一部欠截斜視図、図3は中央役物装置500Aの分解斜視図、図4は案内装置600Aの構造説明図である。
中央役物装置500Aの第2大入賞口530は、入賞室531の天井部に形成された入賞開口531aを開閉板532aにより開閉可能とし、開閉板532aが入賞開口531aを開放するように退くと、遊技領域300を上方から流下してきた遊技球が入賞開口531aから入賞室531へ入賞することとなる。なお、開閉板532aは、リニアソレノイド532のプランジャに連結され、リニアソレノイド532がオフのときに入賞開口531aを閉止する状態にあるが、リニアソレノイド532がONになると、プランジャが引き込まれて入賞開口531aを閉止する位置から退く。なお、入賞開口531aから入賞室531へ入賞した球は、第2入賞口入球センサ533により検出され、入賞に対する賞球が排出される。
上記のようにして第2大入賞口530へ入賞した遊技球が導かれる振分装置540は、振分室541の後方側に形成した誘導口541aから誘導通路550、もしくは振分室541の一側方に形成した排出口541bから排出通路542へ遊技球を振り分けるものである。例えば、ロータリーソレノイド543の回動軸543aに取り付けた可動板543bが排出口541bを閉止している初期位置にあるときは、振分室541に入った遊技球は誘導口541aから誘導通路550へ流下して行き、ロータリーソレノイド543を駆動させて回動軸543aを約90゜回転させ、可動板543bが誘導口541aを閉止する変換位置に移動させると、振分室541に入った遊技球は排出口541bから排出通路542へ流下して行く。なお、振分室541から誘導通路550へ振り分けられた遊技球は、誘導通路センサ544に検出され、振分室541から排出通路542へ振り分けられた遊技球は、排出通路センサ545に検出される。
上記振分装置540から誘導通路550へ振り分けられた遊技球は、回転振分器560の球転動面561上へ誘導される。この球転動面561は、中央部に向かってR形状に窪んでおり、誘導通路550の流下端より飛び出したときの流下勢に応じて、球転動面561上を螺旋状に回転してゆく。球転動面561の適所には、上下に貫通する複数の球落下孔たる特別落下孔562および一般落下孔563を設け、特別落下孔562より落下した遊技球は案内装置600Aの外周面上部である球受入可能領域へ落下し、他の一般落下孔563より落下した遊技球はステージ520へ至り、回収口521より回収されて回収口センサ521aに検出される(図4(a)を参照)。
上記特別落下孔562から落下した遊技球だけが到達可能な球受入領域からのみ遊技球を受け入れる案内装置600Aは、遊技球を特別領域または非特別領域の何れかへ案内する案内手段として機能するもので、駆動源の駆動力により回転する複数の回転部材を備え、各回転部材の回転状況により、遊技球の案内先が変化するものである。
このように、中央役物装置500Aの第2大入賞口530へ入賞した遊技球が案内装置600Aに受け入れるまでには、振分装置540で誘導通路550へ振り分けられ、この誘導通路550により誘導された回転振分器560で特別落下孔562から落下しなければならず、しかも、特別落下孔562から遊技球が落下して球受入可能領域へ到達したタイミングで、案内装置600Aが遊技球を受け入れ可能な状態になっている必要があるため、中央役物装置500Aの第2大入賞口530へ入賞した後の遊技球の流下状況を遊技者に見せることで、興趣を高めることができる。加えて、運良く案内装置600Aに遊技球が受け入れられた後も、案内装置600A内での案内先が特別領域になるか非特別領域になるかが、回転部材の回転状況で様々に変化するので、一層興趣の高いものとなる。
第1構成例の案内装置600Aにおける複数の回転部材は、回転中心からの半径が各々異なる略円環状の周壁体で、最も径が大きい第1回転部材610A,次いで径が大きい第2回転部材620A,次いで径が大きい第3回転部材630A,最も径が小さい第4回転部材640Aである。
これら第1〜第4回転部材610A〜640Aの回転中心が一致するように配置することで、第1〜第4回転部材610A〜640Aは夫々の周壁間隔を一定に保持した状態で回転し、最も外側に位置する第1回転部材610Aとその内側に位置する第2回転部材620Aとの間に遊技球が通過可能な第1球通過領域651Aを、第2回転部材620Aとその内側に位置する第3回転部材630Aとの間に遊技球が通過可能な第2遊技球通過領域652Aを、第3回転部材630Aとその内側に位置する第4回転部材640Aとの間に遊技球が通過可能な第3遊技球通過領域653Aを各々形成する。
上記第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aは、何れも円環状の領域であり、その最下部(自重により自然流下する遊技球が必ず到達する部位)には、それぞれ遊技球が案内され得る非特別領域である第1非特別口661A、第2非特別口662A,第3非特別口663Aを設けてある。一方、最内部に位置する第4回転部材640Aの内側には、遊技球が案内され得る特別領域である昇格確定口664Aを設ける。すなわち、案内装置600Aに受け入れられた遊技球が昇格確定口664Aに案内されるには、遊技球が第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aを通過する過程で第1〜第3非特別口661A〜663Aへ案内されることなく、第4回転部材610Aの内側へ到達する必要がある。
なお、第1遊技球通過領域651Aの第1非特別口661Aに案内された遊技球は第1非特別球センサ571aを備える第1回収路571から、第2遊技球通過領域652Aの第2非特別口662Aに案内された遊技球は第2非特別球センサ572aを備える第2回収路572から、第3遊技球通過領域653Aの第3非特別口663Aに案内された遊技球は第3非特別球センサ573aを備える第3回収路573から、昇格確定口664Aに案内された遊技球は昇格確定球センサ574aを備える第4回収路574から各々回収される。また、案内装置600Aにおいて、遊技球が第1〜第3非特別口661A〜663Aに案内された場合には以後の遊技展開に変化はないが、遊技球が昇格確定口664Aに案内された場合には以後の遊技展開が変化する(後に詳述)ので、案内装置600A内における遊技球の案内状況は、遊技者にとって非常に関心の高いものとなる。
上記第1〜第4回転部材610A〜640Aの回転周期や回転方向は特に限定されるものではないし、その回転周期や回転方向が不規則に変化するようにしても構わないが、本構成例の案内装置600Aにおいては、一つの駆動源たる回転部材用モータ671Aの駆動力によって、第1〜第4回転部材610A〜640Aを回転駆動させる構成とした。
具体的には、図4(b)に示すように、回転部材用モータ671Aの駆動軸に嵌着されて定方向へ回転する駆動ギア672Aと第1回転部材610Aの後部外周面に形成した外周ギア部611Aを歯合し、第1回転部材610Aの後部内周面に形成した内周ギア部612Aと第1従動ギア673Aおよび第2従動ギア674Aを歯合し、これら第1,第2従動ギア673A,674Aと第2回転部材620Aの後部外周面に形成した外周ギア部621Aを歯合し、第2回転部材620Aの後部内周面に形成した内周ギア部622Aと第3従動ギア675Aおよび第4従動ギア676Aを歯合し、これら第3,第4従動ギア675A,676Aと第3回転部材630Aの後部外周面に形成した外周ギア部631Aを歯合し、第3回転部材630Aの後部内周面に形成した内周ギア部632Aと第5従動ギア677Aおよび第6従動ギア678Aを歯合し、これら第5,第6従動ギア677A,678Aと第4回転部材640Aの後部外周面に形成した外周ギア部641Aを歯合し、第1回転部材610Aと第3回転部材630Aが同一方向に、第2回転部材620Aと第4回転部材640Aが上記第1,第3回転部材610A,630Aとは逆方向へ回転するものとした。
このように、外側に位置する第1回転部材610Aと内側に位置する第2回転部材620Aの回転方向が異なり、外側に位置する第2回転部材620Aと内側に位置する第3回転部材630Aの回転方向が異なり、外側に位置する第3回転部材630Aと内側に位置する回転部材640Aの回転方向が異なるようにすると、第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aにおける遊技球の通過態様が不規則となって興趣の高いものとなる。加えて、本構成例の案内装置600Aにおいては、一つの駆動源である回転部材用モータ671Aによって第1〜第4回転部材610A〜640Aを回転駆動させることができ、駆動源の配設スペースを抑制できるという利点もある。なお、第1〜第4回転部材610A〜640Aが全て同一方向へ回転するように構成しても構わない。また、第1〜第4回転部材610A〜640Aの回転周期は、内側に位置する第4回転部材640が一番短く、外側に位置する第1回転部材610が一番長いが、ギア比を適宜に設定することで微調整可能である。
案内装置600Aにおける第1〜第3回転部材610A〜630Aには、各々遊技球を内側へ流入させる流入部613A,623A,633Aと、これら流入部613A,623A,633Aより入った遊技球を受け止めて移送可能な移送部614A,624A,634Aを設けた。移送部614A,624A,634Aは、夫々第1〜第3回転部材610A〜630Aの内周面適所から回転中心方向へ演出する板状体であり、第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aに入った遊技球が第1〜第3非特別口661A〜663Aに入る前に移送部614A〜634Aに当たって止められると、移送部614A〜634Aの移送方向に応じて、上方もしくは下方へ移送されて行く。なお、第4回転部材640Aには、遊技球を内側へ流入させる流入部643Aだけを設けてある。
また、最外周に位置する第1回転部材610Aの前側端には、略円形状の透明な前面カバー601Aを取り付けてあり、遊技球が第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aを移動する過程で前方へこぼれ落ちることがないようにしてある。なお、第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aの前面側および昇格確定口664Aの前面側に、各々個別のカバーを設けるようにしても構わない。
また、本構成例の案内装置600Aにおいては、第1〜第4回転部材610A〜640Aの回転軸が中央役物装置500Aの凹室後壁に直交するように配置し、第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aが略々鉛直方向に形成されるようにしので、遊技球は重力の影響を強く受けて、速やかに下方へ流下して行き、第1〜第3非特別口661A〜663Aに入るか、もしくは移送部614A〜634Aに当接するかが短時間で決まってしまう。そこで、第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aを傾斜状にすることで、案内装置600A内に受け入れられた遊技球の滞留時間が長くなるようにしても良い。このとき、第1〜第3遊技球通過領域651A〜653Aは水平方向に極めて近い緩い傾斜でも構わないが、案内装置600A内で球止まりすることなく、第1〜第3非特別口661A〜663A又は確定昇格口664Aの何れかへ確実に案内されるように、5゜以上の傾斜に設定しておくことが望ましい。
ここで、案内装置600Aに受け入れられた遊技球が昇格確定口643Aへ案内される過程の一例を、図5に基づいて説明する。なお、駆動源である671Aが定速で一定方向(例えば、パチンコ機1000Aの正面に向かって時計回り方向)へ回転することにより、第1〜第4回転部材610A〜640Aは、各々の回転周期で一定方向(例えば、第1,第3回転部材610A,630Aはパチンコ機1000Aの正面に向かって反時計回り方向、第2,第4回転部材620A,640Aはパチンコ機1000Aの正面に向かって時計回り方向)へ常時回転しているものとする。
先ず、回転振分器560の特別落下孔563を抜けて遊技球が案内装置600Aの上部へ落下したタイミングで、第1回転部材610Aの流入部613Aが特別落下孔563の直下方に位置していれば、高い確率で遊技球は流入部第1遊技球通過領域651Aに招じ入れられるが、流入部613Aが特別落下孔563の直下方に位置していなければ、第1回転部材610Aの外周面に衝接してステージ520上へ落下し、回収口521より回収される可能性が高い。
運良く第1回転部材610Aの流入部613Aより第1遊技球通過領域651Aへ招じ入れられた遊技球は、第2回転部材620Aの外周面に沿って時計回り方向(図5(a1)中、実線で示す方向)もしくは反時計回り方向(図5(a1)中、破線で示す方向)へ自然流下して行くこととなる。第1回転部材610Aは反時計回り方向へ回転しているため、遊技球が反時計回り方向へ流下した場合、第1回転部材610Aの移送部614Aに受け止められて上方へ移送されることはないので、第1遊技球通過領域651Aの最下部である第1非特別口661Aへ案内されて、第1回収路571より回収され、第1非特別球センサ571aに検出されることとなる。
一方、第1回転部材610Aの流入部613Aより第1遊技球通過領域651Aへ招じ入れられた遊技球が第2回転部材620Aの外周面に沿って時計回り方向へ流下した場合は、必ず第1回転部材610Aの移送部614Aに受け止められるので、第1回転部材610Aの回転に伴って、反時計回りで上方に移送されて行くのである。
上記のようにして、第1回転部材610Aの移送部614Aに受け止められた遊技球が反時計回り方向へ移送されてゆき、第2回転部材620Aの最上部近傍まで移送されたタイミングで、時計回り方向に回転している第2回転部材620Aの流入部623Aに到達し、遊技球は自重により第2回転部材620Aの流入部623Aから第2回転部材620Aの内側に形成された第2遊技球通過領域652Aへ流入する。
なお、第1回転部材610Aと第2回転部材620Aの回転周期が不一致であることから、遊技球が第1回転部材610Aの移送部614Aによって第2回転部材620Aの最上部へ移送されるまでに流入部623Aに到達できるとは限らず、流入部623Aから第2回転部材620Aの内側へ流入できなかった遊技球がそのまま第2回転部材620Aの外周面に沿って反時計回り方向へ自重で転動流下し、第1非特別口661Aに案内される可能性もある。このような予測困難性は遊技上の醍醐味でもあるが、遊技者にとっては大きな不満となるので、例えば、第1回転部材610Aの回転周期を第2回転部材620Aの回転周期の整数倍とすることにより、第1回転部材610Aの移送部614Aが最上部近傍に至るタイミングで第2回転部材620Aの流入部623Aが最上部近傍へ至るように調整し、遊技球が第1回転部材610Aの移送部614Aに移送された場合には、高い確率で第2遊技球通過領域652Aへ流入できるようにしても良い。
運良く第2回転部材620Aの流入部623Aより第2遊技球通過領域652Aへ招じ入れられた遊技球は、第3回転部材630Aの外周面に沿って反時計回り方向(図5(a2)中、実線で示す方向)もしくは時計回り方向(図5(a2)中、破線で示す方向)へ自然流下して行くこととなる。第2回転部材620Aは時計回り方向へ回転しているため、遊技球が時計回り方向へ流下した場合、第2回転部材620Aの移送部624Aに受け止められて上方へ移送されることはないので、第2遊技球通過領域652Aの最下部である第2非特別口662Aへ案内されて、第1回収路572より回収され、第2非特別球センサ572aに検出されることとなる。
一方、第2回転部材620Aの流入部623Aより第2遊技球通過領域652Aへ招じ入れられた遊技球が第3回転部材630Aの外周面に沿って反時計回り方向へ流下した場合は、必ず第2回転部材620Aの移送部624Aに受け止められるので、第2回転部材620Aの回転に伴って、時計回りで上方に移送されて行くのである。
上記のようにして、第2回転部材620Aの移送部624Aに受け止められた遊技球が時計回り方向へ移送されてゆき、第3回転部材630Aの最上部近傍まで移送されたタイミングで、反時計回り方向に回転している第3回転部材630Aの流入部633Aに到達し、遊技球は自重により第3回転部材630Aの流入部633Aから第3回転部材630Aの内側に形成された第3遊技球通過領域653Aへ流入する。
なお、第2回転部材620Aと第3回転部材630Aの回転周期が不一致であることから、遊技球が第2回転部材620Aの移送部624Aによって第3回転部材630Aの最上部へ移送されるまでに流入部633Aに到達できるとは限らず、流入部633Aから第3回転部材630Aの内側へ流入できなかった遊技球がそのまま第3回転部材630Aの外周面に沿って時計回り方向へ自重で転動流下し、第2非特別口662Aに案内される可能性もある。このような予測困難性は遊技上の醍醐味でもあるが、遊技者にとっては大きな不満となるので、例えば、第2回転部材620Aの回転周期を第3回転部材630Aの回転周期の整数倍とすることにより、第2回転部材620Aの移送部624Aが最上部近傍に至るタイミングで第3回転部材630Aの流入部633Aが最上部近傍へ至るように調整し、遊技球が第2回転部材620Aの移送部624Aに移送された場合には、高い確率で第3遊技球通過領域652Aへ流入できるようにしても良い。
運良く第3回転部材630Aの流入部633Aより第3遊技球通過領域653Aへ招じ入れられた遊技球は、第4回転部材640Aの外周面に沿って時計回り方向(図5(a3)中、実線で示す方向)もしくは反時計回り方向(図5(a3)中、破線で示す方向)へ自然流下して行くこととなる。第3回転部材630Aは反時計回り方向へ回転しているため、遊技球が反時計回り方向へ流下した場合、第3回転部材630Aの移送部634Aに受け止められて上方へ移送されることはないので、第3遊技球通過領域653Aの最下部である第3非特別口663Aへ案内されて、第3回収路573より回収され、第3非特別球センサ573aに検出されることとなる。
一方、第3回転部材630Aの流入部633Aより第3遊技球通過領域653Aへ招じ入れられた遊技球が第4回転部材640Aの外周面に沿って時計回り方向へ流下した場合は、必ず第3回転部材630Aの移送部634Aに受け止められるので、第3回転部材630Aの回転に伴って、反時計回りで上方に移送されて行くのである。
上記のようにして、第3回転部材630Aの移送部634Aに受け止められた遊技球が反時計回り方向へ移送されてゆくと、第4回転部材640Aの最上部近傍まで移送されたタイミングで、時計回り方向に回転している第4回転部材640Aの流入部643Aに到達し、遊技球は自重により第4回転部材640Aの流入部643Aから特別領域たる昇格確定口664Aへ案内されて(図5(a4)中、実線で示す)、第4回収路574より回収され、昇格確定球センサ574aに検出されることとなる。
なお、第3回転部材630Aと第4回転部材640Aの回転周期が不一致であることから、遊技球が第3回転部材630Aの移送部634Aによって第4回転部材640Aの最上部へ移送されるまでに流入部643Aに到達できるとは限らず、流入部623Aから第2回転部材620Aの内側へ流入できなかった遊技球がそのまま第4回転部材640Aの外周面に沿って反時計回り方向へ自重で転動流下し(図5(a4)中、破線で示す)、第3非特別口663Aに案内される可能性もある。このような予測困難性は遊技上の醍醐味でもあるが、遊技者にとっては大きな不満となるので、例えば、第3回転部材630Aの回転周期を第4回転部材640Aの回転周期の整数倍とすることにより、第3回転部材630Aの移送部634Aが最上部近傍に至るタイミングで第4回転部材640Aの流入部643Aが最上部近傍へ至るように調整し、遊技球が第3回転部材630Aの移送部634Aに移送された場合には、高い確率で昇格確定口664Aへ案内されようにしても良い。
また、回転装置600Aにおける特別案内形態として、図5(b)に示すように、第1回転部材610Aの流入部614Aと、第2回転部材620Aの流入部624Aと、第3回転部材630Aの流入部634Aと、第4回転部材640Aの流入部644Aが、全て鉛直線上に揃うタイミングが生ずるようにし、この特別案内形態が生じたときに回転振分器560の特別落下孔563から遊技球が回転装置600Aに落下してくると、この遊技球は第1〜第3遊技球案内領域651A〜653Aを通り抜けて、ダイレクトに昇格確定口664Aへ案内されることとなる。このような特別案内形態が一定の頻度で発生するように第1〜第4回転部材610A〜640Aの回転周期を設定しておくと、昇格確定口664Aへ案内されることに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
〈制御ブロック〉
次に、図6を用いて、パチンコ機1000Aの制御部の回路構成について説明する。パチンコ機1000Aの制御部は、遊技の中枢部分を制御する主制御部701と、主制御部701より送信された信号に応じて各種機器を制御する副制御部751と、から構成されている。
主制御部701は、CPU713、ROM714、RAM715、I/O716、カウンタタイマ717を備える基本回路712、水晶発振器711、カウンタ回路718、センサ回路719、表示回路721,723,725、ソレノイド回路727、モータ回路729、情報出力回路737を備えている。そして、この水晶発振器711及びカウンタ回路718により基本回路712の内部クロックを生成している。
副制御部751は、CPU763、ROM764、RAM765、I/O766、カウンタタイマ767を備える基本回路762、水晶発振器761、音源IC770、表示回路772を備えている。
前記した遊技盤100に配置された各種始動口、入賞口、ゲート、可変入賞口、大入賞口等に設けた各種センサ720(本実施形態においては、中央役物装置500Aの誘導通路センサ544,排出通路センサ545、案内装置600Aの第1〜第3非特別球センサ571a〜573aおよび昇格確定球センサ574aを含む)が、センサ回路719を介して基本回路712に接続されている。例えば、特別図柄始動口332に遊技球が入賞した場合であれば、特別図柄始動口332に設けた球検出センサ(各種センサ720の一例)が遊技球の通過を検出し、センサ回路719に信号を出力し、信号を入力したセンサ回路719は基本回路712に信号を出力する。
また、特別図柄表示部722は、表示回路721を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した特別図柄表示器350が制御される。普通図柄表示部724は、表示回路723を介して基本回路712に接続され、CPU713により、前記した普通図柄表示器370が制御される。後述する特図関連処理S205で特別図柄表示部722を変動表示すると決定した場合には、後述するポート出力S208で特別図柄表示器350に出力するべき信号の内容を決定し、基本回路712のCPU713はI/O716及び表示回路721を介して必要な信号を特別図柄表示部722に出力する。
特別図柄保留ランプ360や普通図柄保留ランプ380が内蔵する照明装置等の各種状態表示部726は、表示回路725を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。第1大入賞口334や可変入賞口333等に設けた各種ソレノイド728(本実施形態においては、中央役物装置500Aにおける第2大入賞口530のリニアソレノイド532や振分装置540のロータリーソレノイド543を含む)は、ソレノイド回路727を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。例えば、後述する特図関連処理S205で第1大入賞口334を開放する場合には、後述するポート出力S208で大入賞口を開閉駆動するソレノイド728を開放駆動する信号を生成し、基本回路712のCPU713はI/O716及びソレノイド回路727を介して生成した信号をソレノイド728に出力する。
回転部材用モータ671Aは、モータ回路729を介して基本回路712に接続され、CPU713により制御される。なお、本実施形態においては、パチンコ機1000Aの稼働中、案内装置600Aの第1〜第4回転部材610A〜640Aは、常時一定方向へ一定速度で回転させるものとしたが、遊技状態に応じてモータ回路729を適宜に制御することで、第1〜第4回転部材610A〜640Aの回転速度を変化させたり、第1〜第4回転部材610A〜640Aの回転方向を逆転させたりすることも可能である。
中央役物装置500Aの凹室後壁に臨ませたLCD510を含む装飾図柄表示装置769は、副制御部751とは別基板構成で、液晶制御回路768に接続され、この液晶制御回路768は、更に基本回路762に接続されて、CPU763により制御される。
スピーカ771は、CPU763の制御下に音源IC770に基づいて効果音を発声する。また、遊技盤100に設けた天ランプ410等の各種ランプ773は、表示回路772を介して基本回路762に接続され、CPU763により制御される。
パチンコ機1000Aには、更に、球皿420から供給される球を遊技領域に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられ、球の発射強度を遊技者に調節させる発射ハンドル440、及び該発射ハンドル440からの信号に応じた発射強度で駆動される発射モータ781が、発射制御部782を介して払出制御部791の制御下にある。また、発射制御部782には、球送り装置783が接続され、球皿420の球を打球発射装置へ1発づつ供給する。
また、払出制御部791には、払出装置792、払出センサ793が接続され、主制御部701からの払出個数命令信号により指定された個数の賞球を払出装置792から払い出す。また、過払い出し又は払い出し不足などの異常が発生していないかを確認するために払出センサ793により払い出し数をカウントする。なお、払出制御部791は、発射制御部782に接続され、打球発射装置を停止させる機能を有している。
更に、払出制御部791はインターフェース部794を介してパチンコ機1000Aとは別体のカードユニット1100と接続している。カードユニット1100からインターフェース部794を介して球貸し指令信号を受信した場合には直ちに、所定数(例えば25球)の貸し球を遊技者に払い出す。
主制御部701が備える情報出力回路737は、普通図柄表示部724、特別図柄表示部722に図柄を確定表示するごと、払出センサ803が賞球の通過を確認するごとに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路1200に出力している。
そして、パチンコ機1000Aには、電源制御部795が設けられ、各制御部や諸装置に電源を供給すると共に、電源電圧の低下や電断が発生した場合に、始動記憶や賞球数等の遊技情報をバックアップするために、主制御部701のRAM715及び払出制御部のRAMに主電源がオフの場合に電源を供給するバックアップ電源を備えている。
〈遊技制御処理〉
次に、図7によって、主制御部701による遊技制御処理の概要を説明する。図7(a)は、リセット割り込みに関するフローチャートであり、図7(b)は、タイマ割り込みに関するフローチャートである。
先ず、図7(a)において、パチンコ機1000Aに最初に電源を投入すると、ステップ101(以下、S101と略記する。)で、各ポートの初期化やメモリーのチェック等の初期設定を実行する。また、この初期設定における判定結果に基づく条件分岐により、以降の各処理へすすむ。
S102において、電源断から正常に復帰した場合には、S103で、電源が遮断される前の状態に復帰させる。
S104では、前述の初期化処理S101中に電源制御部871に設けたRAMクリアボタンが操作されていることを検出した場合、又は、電源が遮断される前のRAMに復帰させることが不可能と判断された場合に、RAMを強制的にクリアして、前回のデータを全て消去する。S105では、主制御部701に供給される電源の電圧が特定の値未満にまで低下した場合に、電源監視手段から電源異常信号が発生していないかを検出している。電源異常信号を検知した場合には、電断処理、例えばポートの初期化等を実行する。S106では、ソフト乱数を更新し、これらの処理をループする。
ソフト乱数には、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数カウンタの初期値を決定する、いわゆる初期値乱数のカウンタが含まれる。その他、特別図柄表示装置722において演出表示する時間を決定する乱数の初期値乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数用の乱数カウンタ等が含まれる。
RAMエラーであるS107においては、適正な遊技進行を期せないので、パチンコ機1000Aは非稼働状態のままとなる。
次に、図7(b)におけるタイマ割り込み処理について簡単に説明する。このタイマ割り込み処理は、パチンコ機1000Aにおける遊技の基本的制御を示すものである。
先ず、S201では、レジスタ退避処理として、レジスタの内容をRAMに退避させる。
S202では、入力ポート取得処理として、各入力ポートデータを取得する。例えば、普通図柄始動ゲート331や特別図柄始動口332等に設けたセンサの検出状態を取得するのである。
S203では、ソフト乱数更新処理を実行する。このソフト乱数更新は、前記したように、乱数の初期値、乱数のカウンタの更新に加え、普通図柄の当り又は外れを決定する乱数のカウンタ、特別図柄表示装置722の演出表示する時間を決定する乱数のカウンタ、特別図柄を大当りとして停止表示する場合に、停止表示させる図柄の種類を決定するための特図乱数カウンタを更新するものである。また、所定の乱数カウンタが初期値に達した場合には、その所定の乱数カウンタの値を、対応する初期値乱数カウンタの値に置き換えるものである。
S204では、入賞検出処理を実行して、始動口(特別図柄始動口332)や入賞口(入賞口330、可変入賞口333、第1大入賞口334)に入賞があるか否かを監視する。そして、入賞口に入賞があった場合には、賞球数をカウントアップする。具体的には、入賞口に遊技球が入賞したことに基づいて、その入賞口に対して予め定められた賞球数をRAM715に設けた賞球数カウンタに加算する。また、特別図柄始動口332に入賞があり、保留数が4未満の場合には、カウンタ回路718をラッチして、このカウンタ回路718からの出力値を特図大当乱数値として取得し、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる特図乱数カウンタ、特図演出タイマ乱数カウンタから、特図乱数値、特図演出乱数値を取得し、保留する。更に、普通図柄始動ゲート331を球が通過し、保留数が4未満の場合には、前述のソフト乱数更新S203で更新された乱数カウンタに含まれる普図当乱数カウンタから、普図当乱数値を取得し、保留する。
S205では、特図関連処理を実行する。この特図関連処理では、特別図柄表示部722に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また大当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で特図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて特別図柄関連の処理を行なう。まず特図大当乱数値が所定の大当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には大当りフラグを立てる。すなわちRAM715の大当り判定結果記憶領域に、大当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、大当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。もし大当りフラグを立てた場合には、特図乱数値が特定の値である場合には、特別図柄表示部722を停止表示させ、大当り動作を開始・終了した後で、特別図柄表示部722が再度大当りしやすい確率変動状態にすることを示す情報をRAM715に記憶する。これを確変フラグを立てると呼ぶこととする。また特定の値で無い場合には、確率変動状態にしないことを示す情報をRAM715に記憶する。大当りフラグが立っているか否か、確変フラグが立っているか否か、および特図演出乱数値の値に基づいて特別図柄表示部722の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間を決定し、RAM715に記憶する。これを変動時間と呼ぶこととする。また、特図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
S206では、普図関連処理を実行する。この普図関連処理では、普通図柄表示部724に図柄を停止表示してから所定の停止表示時間および所定の抽選間隔時間を経過しており、また当り中ではなく、かつ前述の入賞検出S204で普図に関する乱数を保留した場合に、その保留している乱数を用いて普通図柄関連の処理を行なう。まず普図当乱数値が所定の当り判定値と一致するか否かを判定し、一致する場合には当りフラグを立てる。すなわちRAM715の当り判定結果記憶領域に、当りとなることを示す情報を記憶する。一致しない場合には、当り判定結果記憶領域に、ハズレとなることを示す情報を記憶する。また、普図関連処理は、保留数等の更新作業を行う。
S207では、制御コマンド送信処理を実行する。制御コマンドは、払出コマンド及び演出コマンドを示す。払出コマンドについては、前述のS204の処理で賞球数がカウントアップされていれば、すなわちRAM715に設けた賞球数カウンタがゼロでなければ、その賞球数カウンタの値を払出コマンドに含めて、払出制御部801に送信する。その払出コマンドを受信した払出制御部801は、そのコマンドに含まれる賞球数分払出されるように払出装置802を駆動制御する。演出コマンドは、前述の変動時間などを含むコマンド、変動停止コマンド、副制御部751に送信する。具体的には、主制御部701は大当りフラグ、確変フラグ、および変動時間の値を含む信号を副制御部751に出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することで装飾図柄表示装置769に図柄の変動表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で変動時間を経過したことを示す情報をRAM715に書き込んだ次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、変動停止の処理を開始する。すなわち副制御部751に変動を停止させることを指令する情報を含んだ信号を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することで装飾図柄表示装置769に特別図柄が停止したことを演出する画像の表示を開始する。また、後述するタイマ更新S209で大当りを開始するタイミングに設定された次の割り込み処理における、当該制御コマンド送信処理S207では、大当り処理を開始する。すなわち副制御部751に大当りを開始することを示す情報を出力する。これにより、副制御部751は受信した信号に含まれる情報に基づいて各種ランプ773、スピーカ771を駆動するとともに、液晶制御回路768に制御信号を出力することで装飾図柄表示装置769に大当り開始を演出する画像の表示を開始する。
S208では、ポート出力処理を実行する。このポート出力処理では、各種表示器(例えば、特別図柄表示部724や普通図柄表示部724など)の表示制御信号、第1大入賞口334の扉や可変入賞口333の羽根を開閉駆動するソレノイド728を開駆動または閉駆動するための信号を出力するとともに、遊技店の管理装置が備える情報入力回路1200に外部信号の出力制御をする。
S209では、タイマ更新処理を実行する、このタイマ更新処理では、前述の特図関連処理S205で決定した変動時間の経過を監視し、経過すると所定の停止表示時間の経過の監視を行う。この所定の停止表示時間が経過すると、大当たりフラグが立っている場合には、大当たり動作の各時間(例えば、大当たり開始前インターバル、大入賞口開放時間、大入賞口閉鎖時間、大当たり終了インターバル)の経過の監視を行う。また大当たりフラグが立っていない場合には所定の抽選間隔時間の監視を行い、所定の抽選間隔時間が経過すると次の特別図柄変動開始可能な状態とする。普通図柄表示部、可変入賞口に関しても同様の処理を行なう。
S210では、レジスタ復帰処理を実行する。即ち、前記したS201のレジスタ退避処理で退避させたデータをレジスタに再度書き込む。
ここで、上述したステップS205で行う特図関連処理を示す図8に基づいて、その処理を説明する。先ず、第1大入賞口334または第2大入賞口530が作動中であるか否かを判定し(ステップS301)、第1大入賞口334および第2大入賞口530が作動していない、すなわち特別遊技中ではないと判定した場合は、特別図柄変動表示における結果を決める内部抽選処理を行い(ステップS302)、この抽選結果が当りか外れかの判定を行う(ステップS303)。このステップS303で外れと判定された場合には、その他の処理を行って(ステップS304)、特図関連処理を終了する。一方、ステップS303で当たりと判定された場合には、特別遊技を発生させるべく、大入賞口制御処理305を行う。なお、上記ステップS301で大入賞口が作動中と判定された場合には、既に発生している特別遊技を進行させるべく、大入賞口制御処理305を行う。
大入賞口制御処理の詳細を図9に示す。先ず、ラウンド開始時か否か(第1大入賞口334または第2大入賞口530が未作動か否か)を判定し(ステップS401)、ラウンド開始時と判定された場合には、ラウンド回数を計数するラウンド回数カウンタに“1”を加算することでラウンド数を更新する(ステップS402)。例えば、特別遊技の発生に伴うラウンド開始時には1ラウンドとなり、1ラウンド終了後の新たらラウンド開始時には2ラウンドとなる。続いて、実行中のラウンドが3ラウンド目か否かを判定し、1ラウンド目または2ラウンド目であった場合には、第1大入賞口334の開放制御を行い(ステップS404)、一旦大入賞口制御処理を終了する。
上記ステップS401で0ラウンドではないと判定された場合には、実行中のラウンドが3ラウンド目か否かを判定し(ステップS405)、1ラウンド目または2ラウンド目および4ラウンド〜15ラウンドであった場合には、各ラウンドの終了条件である第1大入賞口334への入賞数が最大入賞数になったか否かを判定し(ステップS406)、未だ最大入賞数に達していなければ、一旦大入賞口制御処理を終了する。一方、ステップS406でラウンド終了条件が達成されたと判定された場合には、第1大入賞口344の閉鎖制御を行い(ステップS407)、終了したラウンドが最終ラウンド(例えば、15ラウンド)であるか否かを判定し(ステップS408)、未だ最終ラウンドでなければ、一旦大入賞口制御処理を終了して次ラウンドへ移行させる。
上記のように2ラウンドが終了した後、ステップS402でラウンド数が加算されて3ラウンド目となった場合、ステップS403で3ラウンド目と判定され、第2大入賞口530の開放制御を行う(ステップS409)。このように3ラウンド目が開始された後には、ステップS405で3ラウンド目と判定され、ラウンド3制御処理(ステップS410)および抽選処理(ステップS411)が実行される。
上記のようにラウンド数が更新されて15ラウンドになると、ステップS408で最終ラウンドと判定され、大当たりが終了する(ステップS412)。
ここで、ラウンド3制御処理を図10に基づいて説明する。先ず、第2大入賞口530の入賞開口531aへ入賞した遊技球を全て検知する第2大入賞口入球センサ533が遊技球を検出してONになったか否かを判定し(ステップS501)、第2大入賞口入球センサ533がONになっていた場合には、第2大入賞口530への入賞球が最大入賞数に達したか否か(第2大入賞口入球センサ533による検出数が最大数に達したか否か)を判定し(ステップS502)、最大入賞数に達していると判定された場合には、リニアソレノイド532をOFにして開閉板532aで入賞開口531aを閉鎖することにより、第2大入賞口530の閉鎖制御を行う(ステップS503)。この第2大入賞口530の閉鎖に伴って特別遊技における3ラウンドが実質的に終了するのであるが、第2大入賞口530へ入賞した遊技球が振分装置540で振り分けられるまで次回ラウンドの開始と判定させないことにより、上記大入賞口制御処理におけるステップS410のラウンド3制御処理が実行される。
上記のように第2大入賞口530の閉鎖制御を行った後、或いは上記ステップS501で第2大入賞口入球センサ533がONになっていないと判定された場合、或いは上記ステップS502で第2大入賞口530の最大入賞数に達していないと判定された場合には、誘導通路センサ544がONになったか否かを判定する(ステップS504)。
ここで、振分装置540の可動板543bは振分室541の排出口541bを閉塞する初期位置にあることから、第2大入賞口530へ入った最初の入賞球は、必ず誘導口541aを通って誘導通路センサ544に検出されることとなる。すなわち、第2大入賞口530に入賞した最先の入賞球が振分装置540の誘導口541aから誘導通路550へ誘導された場合には、ステップS504で誘導通路センサ544がONになったと判定されるので、振分装置540のロータリーソレノイド543を駆動させて可動板543bを初期位置(排出口541bを閉塞する位置)から変換位置(誘導口541aを閉塞する位置)に移動制御する(ステップS505)。これにより、最先の入賞球1個だけが誘導通路550および回転振分器560を介して案内装置600Aの球受入可能領域へ到達できる可能性があり、後続の入賞球は全て振分装置540において排出口541bから排出通路542へ振り分けられて回収されることとなる。
上記のように振分装置540が変換位置に制御された後、第2入賞口530へ入賞した遊技球は誘導通路センサ544に検出されることはないため、ステップS504で誘導通路センサ544はONではないと判定された後、排出通路センサ545がONになったか否かを判定する(ステップS506)。排出通路センサ545がONになっていると判定された場合は、排出通路542に振り分けられて排出口541bから回収された球数が所定数(例えば、第2大入賞口530の最大入賞数より1個少ない数)に達したか否かを判定し、所定数に達していた場合には、振分装置540のロータリーソレノイド543をOFFにして可動板543bを初期位置に戻す。
これにより、第2大入賞口530へ入賞した遊技球の全てが振分装置540で振り分けられたと看做し得るので、以後は上記大入賞口制御処理におけるステップS401で次回ラウンドの開始と判定され、4ラウンド目へ移行し、最終ラウンドの終了により特別遊技が終了する。なお、最大入賞数分の入賞判定後に第2大入賞口530を閉鎖するタイミングによっては、最大入賞数よりも1〜2個程度多い入賞球が発生する可能性があり、可動板543bが初期位置に復帰した3ラウンド終了後に、これら予定外の入賞球が振分装置540の誘導口541aから誘導通路550および回転振分器560を介して案内装置600Aの球受入可能領域へ到達し、運良く案内装置600A内の特別領域(昇格確定口664A)へ案内された場合、これを有効な昇格確定球として扱っても良いし、無効としても良い。
上述したラウンド3制御処理の後に行う抽選処理を図11に示す。なお、第1実施形態に係るパチンコ機1000Aで行う抽選処理は、乱数の抽出等によって抽選するものではなく、案内装置600A内に導入された遊技球の案内先(特別領域か非特別領域か)を抽選結果として用い、その抽選結果に応じた処理を行うものである。
先ず、案内装置600Aにおける特別領域である昇格確定口664Aへ遊技球が案内されたか否か(昇格確定球センサ574aが遊技球を検出したか否か)を判定し(ステップS601)、昇格確定口664Aへの入球と判定した場合には、確変昇格の処理を行う(ステップS602)。確変昇格の場合は、現在実行中の特別遊技が終了した後に、特別遊技が発生し易いような変動表示ゲームを行うように制御すると共に、副制御部751へ昇格確定口の入球コマンドを送信する。一方、昇格確定口に入球していなければ、確変昇格は行わない。
続いて、案内装置600Aにおける特別領域である昇格確定口664A以外に入球したか否か、すなわち、案内装置600Aにおける非特別領域である第1〜第3非特別口661A〜663Aへ遊技球が案内されたか(第1〜第3非特別球センサ571a〜573aの何れかが遊技球を検出したか)もしくはステージ520の回収口521より回収さたか(回収口センサ521aが遊技球を検出したか)を判定し(ステップS603)、昇格確定口664A以外への入球と判定した場合には、確変昇格なしの処理を行う(ステップS604)。確変昇格なしの場合は、現在実行中の特別遊技が終了した後に、通常の確率で変動表示ゲームを行うように制御すると共に、副制御部751へ昇格確定口以外の入球コマンドを送信する。昇格確定口以外に入球していなければ、確変昇格なしの処理は行わない。
図12に示すのは、上述した主制御部701より昇格確定口への入球コマンドまたは昇格確定口以外への入球コマンドを受けた副制御部751が行うメイン処理である。
先ず、主制御部701より昇格確定口の入球コマンドを受けているか否かを判定し(ステップS701)、昇格確定口の入球コマンドを受けていれば、確変昇格が確定した報知を行い(ステップS702)、その他の処理を行う(ステップS703)。この確変昇格の報知例としては、図13(a)に示すような文字表示をLCD510に表示することで行う。これと併せて、音声によって確変昇格の報知を行っても良い。
一方、ステップS701で昇格確定口の入球コマンドを受けていないと判定された場合には、昇格確定口以外の入球コマンドがあるか否かを判定し(ステップS704)、昇格確定口以外の入球コマンドを受けていれば、外れの報知を行う(ステップS705)。この外れの報知例としては、図13(b)に示すような文字表示をLCD510に表示することで行う。これと併せて、音声によってハズレの報知を行っても良い。
〈遊技台の第2実施形態〉
次に、前述した遊技台の第1実施形態であるパチンコ機1000Aの案内装置600Aとは異なる案内手段を備えた第2実施形態に係るパチンコ機1000Bについて、図14〜図17に基づいて説明する。
図14は、パチンコ機1000Bの正面図で、前述したパチンコ機1000Aと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。第2実施形態に係るパチンコ機1000Bでは、中央役物装置500Bのステージ520上に案内手段として機能する案内装置600Bを設けたものである。なお、中央役物装置500Bは、前述した中央役物装置500Aと同様に、LCD510、ステージ520、第2大入賞口530、振分装置540および誘導通路550を備えるが、この誘導通路550によって遊技球が誘導される回転導入器580は、中央部に向かってR形状に窪む球転動面581の最深部に球落下孔582を設けたもので、回転導入器580へ誘導された遊技球は球転動面581上を螺旋状に転動し、勢いが弱まると球落下孔582より落下し、案内装置600Bへ到達する。
案内装置600Bは、最上部に位置し非特別案内用回転部材として機能する第1回転部材610Bと、その下方に位置し特別案内用回転部材として機能する第2回転部材620Bと、該第2回転部材620と一体に回転する略円筒状の第1球導入部材630Bと、該第1球導入部材630Bの外側で回転する略円環状の第2球導入部材640Bを備える。
第1回転部材610Bは、駆動源たる第1モータ651Bの略鉛直方向の回転軸652Bの上端部に取り付けられた樋形状の部材で、遊技球が転動可能な溝状の案内路611Bを有する。この案内路611Bの上流部(回転軸652Bが取り付けられる回転中心の近傍)に、回転導入器580の球落下孔582を抜けた遊技球が落下するような配置構造とする。
すなわち、回転導入器580の落下孔582より落下した遊技球は第1回転部材610Bの案内路611B上へ落ち、案内路611Bに案内されて流下端へ転動して行くこととなるが、第1回転部材610Bが回転することに伴って案内路611Bの流下端の向きも変化するので、案内路611Bの下流へ転動した遊技球が流下端より放出される方向も変わり、第1回転部材610Bの案内路611Bに案内された遊技球が放出される方向は、第1回転部材610B上への落下タイミング等により不規則となる。しかも、回転導入器580の落下孔582より落下した遊技球の落下勢や落下位置によっては、第1回転部材610Bの案内路611B上に載らないこともあり、案内装置600Bに導入された遊技球の流下方向は、一層予測困難である。
また、案内路611Bの流下端は、概ね第1球導入部材630Bの外周と同程度の位置になるよう、回転中心からの距離を短めに設定してあり(図17(b),(c)を参照)、第1回転部材610Bの案内路611Bの流下端より放出された遊技球は、第1球導入部材630Bの外周と第2球導入部材640Bとの間に形成される円環状の非特別球案内領域である非特別球案内空部660Bへ案内される可能性が高い。よって、非特別案内用回転部材たる第1回転部材610Bの案内路611Bは、非特別案内領域へたる非特別球案内空部611Bへ遊技球を到達させ得る非特別案内路として機能する。なお、第1回転部材610Bの案内路611Bの流下端より放出された遊技球の勢いが強い場合や、案内路611B上で遊技球がバウンドした場合など、非特別球案内空部660Bを越えて行く可能性もある。
上記第1回転部材610Bの下方部に配置される第2回転部材620Bも、遊技球が転動可能な溝状の案内路621Bを有する。この第2回転部材620Bにおける案内路621Bの流下端は、非特別球案内空部660Bの外周端を越えた外側へ位置するように、回転中心からの距離を長めに設定してあり(図17(b),(c)を参照)、第2回転部材620Bの案内路621Bの流下端より放出された遊技球は、特別領域へ案内可能な特別案内領域(後に詳述)の形成された第2球導入部材630Bの上面へ落下する可能性が高い。よって、特別案内用回転部材たる第2回転部材620Bの案内路621Bは、特別案内領域へ遊技球を到達させ得る特別案内路として機能する。
なお、本実施形態に示す第2回転部材620Bには、専用の回転機構を設けず、第1球導入部材630Bの上面に固着する等して、第1球導入部材630Bと一体に回転するものとしたが、別途回転機構を設けて、独立して回転制御できるようにしても良い。
上記第2回転部材620Bが取り付けられる第1球導入部材630Bは、その周面適所に複数(例えば、4箇所)の非特別領域である第1昇格抽選口631Bを備え、非特別球案内空部660Bに案内された遊技球は、これら第1昇格抽選口631Bの何れかに必ず案内される。なお、第1昇格抽選口631Bに案内された遊技球は、図示を省略した非特別球センサにより検出される。
また、第1球導入部材630Bの下部外周にはギア部632Bを設けてあり、駆動源たる第2モータ653Bの略鉛直方向の回転軸654Bの上端部に設けた駆動ギア655Bをギア部632Bへ歯合させることで、第2回転部材620Bと共に第1球導入部材630Bが回転可能となる。
第2球導入部材640Bは、例えば、比較的急峻な環状の傾斜面である上部球受け面641Bと、この上部球受け面641Bの下縁に連なる平坦な中部球受け面642Bと、この中部球受け面642Bの外周縁に連なる比較的傾斜の緩やかな環状の傾斜面である下部球受け面643Bを備え、回転導入器580の球落下孔582を抜けて案内装置600Bへ受け入れられた遊技球が非特別球案内空部660Bを越えて流下してくると、これら球受け面641B〜643Bに受け止められることとなる。
また、第2球導入部材640Bの下部外周にはギア部644Bを設けてあり、駆動源たる第3モータ656Bの略鉛直方向の回転軸657Bの上端部に設けた駆動ギア658Bをギア部644Bへ歯合させることで、第2球導入部材640Bが回転可能となる。
ここで、第2球導入部材640Bの下部球受け面643Bは、特別領域へ案内可能な特別球案内領域として機能させるべく、適所に特別領域として複数(例えば、90゜毎に4箇所)の第2昇格抽選口645Bを設け、この第2昇格抽選口645Bに案内された遊技球は、図示を省略した特別球センサにより検出されるものとした。すなわち、上述した非特別球案内空部660Bを越えて、第2球導入部材640Bにおける下部球受け面643B上へ至った遊技球は、第2昇格抽選口645Bへ案内されて特別球として検出される可能性があるのである。
さらに、第2球導入部材640Bに設けた第2昇格抽選口645Bの何れにも案内されなかった遊技球は、第2球導入部材640Bの外側へ円環状に形成された外れ球回収空部522から回収されて外れ球センサにより検出されることとなる。すなわち、第1昇格抽選口631Bにも第2昇格抽選口645Bにも案内されずに案内装置600Bより出た遊技球は、全て外れ球として処理されるのである。なお、流下勢の強い遊技球や、第2導入部材640B上でバウンドした遊技球が、外れ球回収空部522を越えてステージ520上へ至った場合、これらの遊技球も全て外れ球回収空部522から回収する。
上述した第1,第2回転部材610B、620Bおよび第1,第2球導入部材630B,640Bの回転中心を全て一致させることで、第1回転部材610Bの流下端は第1非特別球安内空部660Bの内周にほぼ沿った状態で回転するようにし、第2回転部材620Bの流下端は非特別球案内空部660Bよりも若干外側を回転するようにし、第1回転部材610Bの案内路611Bの流下端より放出された遊技球は、その放出方向には依存しないで、非特別球案内空部660Bへ入る可能性が高く、第2回転部材620Bの案内路621Bの流下端より放出された遊技球は、その放出方向には依存しないで、第2球導入部材640B上へ至る可能性が高い。
加えて、特別案内用回転部材たる第2回転部材620Bの上方側で非特別案内用回転部材たる第1回転部材610Bが回転する構造を採用し、且つ、第1回転部材610Bにおける案内路611Bの流路長は、第2回転部材620Bにおける案内路621の流路長よりも短く設定することにより、第1回転部材610Bの案内路611Bと第2回転部材620Bの案内路621Bが上下に重なったときに、第1回転部材610Bにおける案内路611Bの流下端より放出された遊技球は、第2回転部材620Bにおける案内路621Bを介して第2球導入部材640B上へ至る可能性が高い。
すなわち、本構成例の案内装置600Bにおいても、第1回転部材610Bと第2回転部材620Bとの回転状況により、遊技球の案内先(例えば、非特別球案内空部660Bの第1昇格抽選口631Bもしくは第2球導入部材640Bの第2昇格抽選口645B)が変化するのである。さらに、第2昇格抽選口645Bを設けた下部球受け面643Bを有する第2球導入部材640Bの回転状況によっても、遊技球の案内先(例えば、第2昇格抽選口645Bもしくは外れ球回収空部522)が変化するのである。よって、案内手段として機能する案内装置600Bを備えるパチンコ機1000Bにおいても、第1昇格抽選口631Bまたは第2昇格抽選口645Bの何れに遊技球が案内されるか、或いは案内装置600Bへ導入されずに外れ球回収空部522より回収されてしまう過程を遊技者に面白く見せることができ、興趣を高めることができる。
また、第1,第2回転部材610B、620Bおよび第1,第2球導入部材630B,640Bの回転周期や回転方向は特に限定されるものではないが、相対的な回転状況が変化するようにした方が、興趣の高いものとなる。例えば、第1回転部材610Bはパチンコ機上方から見たとき(図17(b)において)反時計回りに回転し、第2回転部材620Bおよび第1球導入部材630Bはパチンコ機上方から見たとき(図17(b)において)時計回りに回転し、第2球導入部材640Bはパチンコ機上方から見たとき(図17(b)において)反時計回りに回転するものとしておけば、第1回転部材610Bと第2回転部材620Bの両案内路611B、621Bが比較的短い周期で重なるようになるし、第2回転部材620Bの案内路621Bの流下端方向に第2昇格抽選口645Bが来る頻度も高くなるので、第2昇格抽選口645Bへ遊技球が案内される可能性に対する遊技者の期待感を高めることができる。
なお、前述した第1実施形態のパチンコ機1000Aにおいては、案内装置600Aの特別領域である昇格確定口664Aに遊技球が案内されると、確変モードへ必ず昇格する反面、昇格確定口644Aに遊技球が案内されなければ、確変モードに昇格することは一切ないものとしたが、本実施形態のパチンコ機1000Bにおいては、案内装置600Bの特別領域である第2昇格抽選口645Bへ遊技球が案内された場合も、非特別領域である第1昇格抽選口631Bへ遊技球が案内された場合も、抽選手段(遊技者に有利な遊技進行である確変モードへ移行させるか否かの当否を、予め設定された確率条件に応じて抽選する手段)を備える主制御装置701によって昇格するか否かの抽選を行うものとし、非特別口へ案内された場合でも、確変モードへ昇格する可能性を残した。
但し、第2昇格抽選口645Bへ遊技球が案内された場合には特別確率として高い確率値(例えば、1/4)を用い、非特別口へ遊技球が案内された場合には非特別確率として低い確率値(例えば、1/12)を用いるものとし、確変モードへの昇格可能性の高い抽選が実行される第2昇格抽選口645Bへ遊技球が案内された方が、有利な遊技進行となるようにした。
ここで、第2実施形態に係るパチンコ機1000Bで行う抽選処理を図18に基づき説明する。なお、本実施形態のパチンコ機1000Bにおいても、前述した第1実施形態に係るパチンコ機1000Aの主制御部701による遊技制御処理と同様な制御を行うものであるから、図7〜図9で説明した処理と同じ制御内容については説明を省略する。以下に説明する抽選処理は、前述した第1実施形態に係るパチンコ機1000Aの大入賞口制御処理のステップS411に代えて実行するものであり、案内装置600Bに導入された遊技球の案内先(特別領域か非特別領域か)に応じた確率値を選択して抽選を行い、外れ球回収空部522から回収された場合には抽選を行わない。
先ず、案内装置600Bにおける特別領域である第2昇格抽選口645Bまたは非特別領域である第1昇格抽選口631Bへ遊技球が案内されたか否か(特別球センサまたは非特別球センサが遊技球を検出したか否か)を判定し(ステップS801)、第1昇格抽選口631Bまたは第2昇格抽選口645Bへの入球と判定した場合には、昇格抽選の処理を行う(ステップS802)。昇格抽選の処理においては、遊技球が案内された昇格抽選口に応じた確率値で抽選を行い、副制御部751へ昇格抽選コマンドと併せて抽選結果(当選またはハズレ)を送信する。一方、昇格抽選口に入球していなければ、昇格抽選は行わない。
続いて、第1,第2昇格抽選口631B,645B以外に入球したか否か、すなわち、案内装置600Bに受け入れられないでステージ520の外れ球回収空部522から回収されて外れ球センサに検出されたか否かを判定し(ステップS803)、昇格抽選口以外への入球と判定した場合には、確変抽選なしの処理を行う(ステップS804)。昇格抽選なしの場合は、副制御部751へ昇格抽選口以外の入球コマンドを送信する。昇格抽選口以外に入球していなければ、昇格抽選なしの処理は行わない。
図19に示すのは、上述した主制御部701より昇格抽選コマンドまたは昇格確定口以外への入球コマンドを受けた副制御部751が行うメイン処理である。
先ず、主制御部701より昇格抽選コマンドを受けているか否かを判定し(ステップS901)、昇格抽選コマンドを受けていれば、昇格抽選の結果が当選かハズレかを判定し(ステップS902)、昇格抽選に当選していた場合には、確変昇格が確定した報知を行い(ステップS903)、その他の処理を行う(ステップS904)。この確変昇格の報知例としては、前述した図13(a)に示す文字表示をLCD510に表示することで行う。これと併せて、音声によって確変昇格の報知を行っても良い。
上記ステップS902で、昇格抽選に外れていると判定された場合には、ハズレの報知を行う(ステップS905)。このハズレの報知例としては、前述した図13(b)に示すような文字表示をLCD510に表示することで行う。これと併せて、音声によってハズレの報知を行っても良い。
一方、上記ステップS901で昇格抽選コマンドを受けていないと判定された場合には、昇格確定口以外の入球コマンドがあるか否かを判定し(ステップS906)、昇格確定口以外の入球コマンドを受けていれば、ハズレの報知を行う(ステップS907)。このハズレの報知例としては、図13(b)に示すような文字表示をLCD510に表示することで行う。これと併せて、音声によってハズレの報知を行っても良い。
〈遊技台の第3実施形態〉
次に、前述した遊技台の第1,第2実施形態であるパチンコ機1000A,1000Bの案内装置600A,600Bとは異なる案内手段を備えた第3実施形態に係るパチンコ機1000Cについて、図20〜図23に基づいて説明する。
図20は、パチンコ機1000Cの正面図で、前述したパチンコ機1000A,1000Bと同一の構成には、同一符号を付して説明を省略する。第3実施形態に係るパチンコ機1000Cでは、中央役物装置500Cのステージ520上に案内手段として機能する案内装置600Cを設けたものである。なお、中央役物装置500Cは、前述した中央役物装置500Bと同様に、LCD510、ステージ520、第2大入賞口530、振分装置540、誘導通路550および回転導入器580を備え、回転導入器580へ誘導された遊技球は球転動面581上を螺旋状に転動し、勢いが弱まると球落下孔582より落下し、案内装置600Cへ到達する。
案内装置600Cは、略円形ドーム形状の第1回転部材610Cと、この第1回転部材610Cよりも小径の略円形ドーム形状の第2回転部材620Cを上下に重ねて配置し、この第2回転部材620Cの内側には略円形の上方に開いた非特別領域である中央非特別球回収口630Cが形成され、この中央非特別球回収口630Cの周囲(第1回転部材610Cの外側となる円環状領域)には、例えば、1つの特別球回収口たる昇格確定口640Cと7つの外周非特別球回収口(第1外周非特別球回収口641C,第2外周非特別球回収口642C,第3外周非特別球回収口643C,第4外周非特別球回収口644C,第5外周非特別球回収口645C,第6外周非特別球回収口646C,第7外周非特別球回収口647C)を等角度(45゜)毎に設けることで特別案内領域が形成されるものとした(図23(b)を参照)。
すなわち、本構成例の案内装置600Cにおいては、回転導入器580より導入された遊技球を、第1回転部材610Cおよび第2回転部材620Cの回転状況により、特別領域たる昇格確定口640Cに案内したり、非特別領域たる中央非特別球回収口630Cおよび第1〜第7外周非特別球回収口641C〜647Cの何れかに案内するものである。なお、昇格確定口640Cに案内された遊技球は昇格確定球センサ650Cにより検出し、中央非特別球回収口630Cに案内された遊技球は図示を省略した中央非特別球センサにより検出し、第1外周非特別球回収口641Cに案内された遊技球は第1外周非特別球センサ651Cにより検出し、第2外周非特別球回収口642Cに案内された遊技球は第2外周非特別球センサ652Cにより検出し、第3外周非特別球回収口643Cに案内された遊技球は第3外周非特別球センサ653Cにより検出し、第4外周非特別球回収口644Cに案内された遊技球は第4外周非特別球センサ654Cにより検出し、第5外周非特別球回収口645Cに案内された遊技球は第5外周非特別球センサ655Cにより検出し、第6外周非特別球回収口646Cに案内された遊技球は第6外周非特別球センサ656Cにより検出し、第7外周非特別球回収口647Cに案内された遊技球は第7外周非特別球センサ657Cにより検出する。
しかして、第1回転部材610Cは、回転導入器580の球落下孔582の直下方に配置される略円盤形状の球受け部611Cと、下部リング612Cとを、複数(例えば、等間隔に4つ)の球誘導傾斜部613Cで接続したもので、球誘導傾斜部613Cが配されていない球受け部611Cと下部リング612Cとの間には、遊技球が上方から下方へ通り抜け可能な球通過部614Cが形成される。なお、下部リング613Cの外周面側には、駆動源たる第1モータ661Cの駆動軸662Cの上部に設けたギア663Cと歯合する歯を形成してあり、第1モータ661Cの駆動力を受けた第1回転部材610Cは、球受け部611Cの略中央を回転中心として一定方向(例えば、図23(b)において反時計回り方向)へ適宜な速度で回転する。
また、4つの球誘導傾斜部613Cは、最上部の球受け部611Cと下部リング612Cを含む滑らかな仮想半球面を約45゜毎に8等分した形状にすることで、その外表面は、最上部の球受け部611C(回転中心)から下部リング612C(外周)に向って下り傾斜する球誘導傾斜面として機能する。斯く構成した球誘導傾斜部613Cの外表面には、遊技球を球受け部611C近傍から下部リング612C近傍まで誘導するような窪みは一切無いので、球誘導傾斜部613Cの球誘導傾斜面に沿って下方へ流下して行くか、途中で球誘導傾斜面から脱して球通過部614Cへ落ちるか、予測困難である。
なお、第1回転部材610Cにおいては、複数の球誘導傾斜部613Cによって形成される球誘導傾斜面と球通過部614Cとの相対的な比率で、球誘導傾斜面の比率が高いほど、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下して行く可能性が高くなり、逆に、球通過部614Cの比率が高いほど、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下して行く可能性が低くなるので、球誘導傾斜部613Cの大きさや配設数を変化させることで、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下できる確率を適宜に設定できる。また、球誘導傾斜部613Cの適所に任意形状の球通過孔を形成すると、この球通過孔が球通過部として機能するので、比較的面積の大きい球誘導傾斜部に1つ又は複数の球通過孔を形成することで、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下できる確率を調整するようにしても良い。
一方、第2回転部材620Cは、第1回転部材620Cにおける球受け部611Cの直下方に配置される略円盤形状の軸固定部621Cと、下部リング622Cとを、複数(例えば、対向状に2つ)の球誘導傾斜部623Cで接続したもので、球誘導傾斜部623Cが配されていない軸固定部621Cと下部リング622Cとの間には、遊技球が上方から下方へ通り抜け可能な球通過部624Cが形成される。なお、駆動源たる第2モータ664Cの駆動軸665Cの上端を、軸固定部621Cの略中心に固定することで、第1回転部材620Cの回転中心は、第1回転部材610Cの回転中心と略々一致するため、第1,第2回転部材610C、620Cは互いに阻害されることなく独立して自在に回転可能であるから、上下に重ねて配置した状態で回転方向や回転速度を任意に設定できる。例えば、第2回転部材620Cの回転方向は、第1回転部材610Cと同一方向(図23(b)において反時計回り方向)として、両者の回転周期を異ならせておく設定でも良いし、第1回転部材610Cと反対方向(図23(b)においては時計回り方向)へ適宜な速度で回転させるように設定しても良い。
また、2つの球誘導傾斜部623Cは、最上部の軸固定部621Cと下部リング622Cを含む滑らかな仮想半球面を、回転中心に点対称な位置で約45゜の放射状に下方に向かって広がる形状(上記第1回転部材610Cにおける各球誘導傾斜部613Cと略同一形状)にすることで、その外表面は、最上部の軸固定部621C(回転中心)から下部リング622C(外周)に向って下り傾斜する球誘導傾斜面として機能する。斯く構成した球誘導傾斜部623Cの外表面には、遊技球を軸固定部621C近傍から下部リング622C近傍まで誘導するような窪みは一切無いので、球誘導傾斜部623Cの球誘導傾斜面に沿って下方へ流下して行くか、途中で球誘導傾斜面から脱して球通過部624Cへ落ちるか、予測困難である。
なお、この第2回転部材60Cにおいても、上記第1回転部材610Cと同様に、2つの球誘導傾斜部623Cによって形成される球誘導傾斜面と球通過部624Cとの相対的な比率で、球誘導傾斜面の比率が高いほど、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下して行く可能性が高くなり、逆に、球通過部624Cの比率が高いほど、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下して行く可能性が低くなるので、球誘導傾斜部623Cの大きさや配設数を変化させることで、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下できる確率を適宜に設定できる。また、球誘導傾斜部623Cの適所に任意形状の球通過孔を形成すると、この球通過孔が球通過部として機能するので、比較的面積の大きい球誘導傾斜部に1つ又は複数の球通過孔を形成することで、球誘導傾斜面に沿って遊技球が下方へ流下できる確率を調整するようにしても良い。
上記のように構成した案内装置600Cへ、回転導入器580の落下孔582より遊技球が落下して来ると、この遊技球は第1回転部材610Cの球受け部611Cの上面に当たり、更に下方へ転動流下して行くこととなる。遊技球の流下方向に、たまたま第1回転部材610Cの球誘導傾斜部613Cがあれば、この球誘導傾斜部613Cの球誘導傾斜面に沿って下方へ流下してゆくことができるので、特別案内領域へ到達できる可能性があり、この特別案内領域へ到達したときの位置によっては、第1〜第7外周非特別球回収口641C〜647Cではなく、昇格確定口640Cに案内され、昇格確定球センサ650Cに検出される可能性がある。
また、第1回転部材610Cにおける球誘導傾斜部613Cの上面に沿って下方へ流下してゆく途中で遊技球が球誘導傾斜面より脱し、球通過部614Cに入ってしまったとき、たまたま第2回転部材620Cにおける球誘導傾斜部623Cがあれば、この遊技球は球誘導傾斜部623Cの球誘導傾斜面に沿って下方へ流下して行くことができるので、この球誘導傾斜部613Cの球誘導傾斜面に沿って下方へ流下してゆくことができるので、特別案内領域へ到達できる可能性があり、この特別案内領域へ到達したときの位置によっては、第1〜第7外周非特別球回収口641C〜647Cではなく、昇格確定口640Cに案内され、昇格確定球センサ650Cに検出される可能性がある。
しかしながら、第1回転部材610Cにおける球誘導傾斜部613Cの上面に沿って下方へ流下してゆく途中で遊技球が球誘導傾斜面より脱し、球通過部614Cに入ってしまったとき、そこに第2回転部材620Cにおける球誘導傾斜部623Cがなければ、更に第2回転部材620Cの球通過部624Cを抜けて、中央非特別球回収口630Cより回収され、中央非特別球センサに検出されることとなる。また、回転導入器580の落下孔582より第1回転部材610Cの球受け部611Cの上面に当たった遊技球の流下先に、第1回転部材610Cの球誘導傾斜部613Cも第2回転部材620Cの球誘導傾斜部623Cも無かった場合には、すぐに、第1回転部材610Cの球通過部614Cおよび第2回転部材620Cの球通過部624Cを抜けて、中央非特別球回収口630Cより回収され、中央非特別球センサに検出されることとなる。
なお、特別案内領域における特別領域たる昇格確定口640Cおよび非特別領域たる第1〜第7外周非特別球回収口641C〜647Cの間は、各々板状の区画壁670Cによって区画してあり、各回収口の境界近傍へ流下してきた遊技球をどちらかへ振り分けて案内できるようにしてある。しかし、流下勢の強い遊技球や、区画部材670Cに当たってバウンドした遊技球が、特別案内領域を越えてステージ520上へ至った場合、これらの遊技球を再び特別案内領域へ自然流下させて、昇格確定口640Cまたは第1〜第7外周非特別球回収口641C〜647Cの何れかより回収する。
本構成例の案内装置600Cにおいては、第1回転部材610Cにおける球誘導傾斜部613Cと第2回転部材620Cにおける球誘導傾斜部623Cを略同一形状とし、その配設数を異ならしめ(第1回転部材610Cは4つ、第2回転部材620Cは2つ)、第2回転部材620Cにおける球誘導傾斜部613Cの球誘導傾斜面によって遊技球が特別案内領域へ誘導される可能性の方が、第1回転部材610Cにおける球誘導傾斜部623Cの球誘導傾斜面によって遊技球が特別案内領域へ誘導される可能性よりも低くなるように設定したが、これに限定されるものではなく、例えば第2回転部材620Cにおける球誘導傾斜部623Cの配設数を増やして、第2回転部材620Cにおける球誘導傾斜面によって遊技球が特別案内領域へ誘導される可能性の方が高くなるようにしても良いし、第1,第2回転部材610C,620Cのどちらも同程度の可能性となるように設定しても良い。或いは、第1,第2回転部材610C,620Cにおける各球誘導傾斜部613C,623Cを大きく(軸固定部611C,621Cから下部リング612C,622Cへ向う放射角度を45゜より大きく)したり逆に小さく(軸固定部611C,621Cから下部リング612C,622Cへ向う放射角度を45゜より小さく)したりして球誘導傾斜面と球通過部614C,624Cとの面積比を変えることにより、第1回転部材610Cと第2回転部材620Cとで、球誘導傾斜面によって遊技球が特別案内領域へ誘導される可能性が異なるように構成しても良い。
第3実施形態に係るパチンコ機1000Cは、第1実施形態に係るパチンコ機1000Aと同様な遊技制御を行うもので、遊技球が昇格確定口640Cに案内されて昇格確定球センサ650CがONになると確変モードへ移行できるが、その他の回収口に回収されると、確変モードへ移行しない。
上述したように、本構成例の案内装置600Cにおいても、第1回転部材610Cと第2回転部材620Cとの回転状況により、遊技球の案内先(例えば、昇格確定口640C、中央非特別球回収口630Bもしくは第1〜第7外周非特別球回収口641C〜647C)が変化するのである。さらに、第1回転部材610Cと第2回転部材620Cを上下2重に設けるので、第1回転部材610Cの球誘導傾斜部613Cの誘導傾斜面を流下できずに球通過部614Cから遊技球が抜け落ちた場合でも、第2回転部材620Cの球誘導傾斜部623Cに受け止められた下方へ案内誘導される可能性があるので、案内装置600Cにおける遊技球の案内過程を遊技者に面白く見せることができ、興趣を高めることができる。
なお、上述した第3実施形態に係るパチンコ機1000Cにおいても、図7〜図12に基づいて第1実施形態に係るパチンコ機1000Aの遊技制御処理として説明した処理と同様の遊技制御処理を行う。従って、特別遊技の3ラウンド目において案内装置600Cへ導かれた遊技球が昇格確定口640Cへ案内されて確変モードへの昇格が決まると、図13(a)に示す文字表示をLCD510に表示して確変昇格の報知が行われることとなり、一方、特別遊技の3ラウンド目において案内装置600Cへ導かれた遊技球が中央非特別球回収口630Bもしくは第1〜第7外周非特別球回収口641C〜647Cへ案内されてハズレになると、図13(b)に示す文字表示をLCD510に表示してハズレの報知が行われる。
〈遊技台の第4実施形態〉
第4実施形態に係るパチンコ機2000Aは、図24に示すように、中央役物装置52500Aの下部入賞室内に案内手段としての案内装置2600Aを備えるものである。なお、案内装置2600Aは、前述した第1実施形態に係るパチンコ機1000Aの案内装置600Aと同一の構成である。本実施形態に係るパチンコ機2000Aは「遊技球の入球を検知する始動口と、入球が容易な開放状態または入球が困難な閉鎖状態との一方から他方に可変可能な可変入賞口と、前記始動口が遊技球の入球を検知したことを条件に、前記可変入賞口を前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる遊技制御手段と、前記可変入賞口に入球した遊技球が、特定の領域を通過した場合に、前記可変入賞口を前記閉鎖状態から前記開放状態に複数回可変させる特別遊技を開始する特別遊技開始手段と、を備えたパチンコ機」である。
中央役物装置2500Aは、前述した中央役物装置500Aと同様に、盤面より後方に窪む凹室構造であり、LCD2510が前面に臨み、凹室底部は遊技球が転動可能なステージ2520を構成する。また、中央役物装置2500Aの上部左右両側に形成した可変入賞口には、各々可動羽2530,2530を設け、この可動羽2530が可変入賞口を閉鎖している略垂直な閉鎖状態から傾動することで、遊技領域300を流下する遊技球を上部入賞室2540へ招じ入れることが容易な開放状態となる。なお、遊技制御手段として機能する主制御部701からの動作制御によって、中央役物装置2500Aの可動羽2530は、第1始動口2331に遊技球が入賞すると1回だけ所定時間開放状態となり、第2始動口2332に遊技球が入賞すると2回所定時間開放状態となる。
上部入賞室2540へ入賞した遊技球は、各可動羽2530の近傍に設けた入賞球センサ(図示省略)によって1個宛て検出された後、全て回転導入器2550へ誘導されて、球落下孔2551より下部入賞室2560へ抜ける。この球落下孔2551は、案内装置2600Aの球受入可能領域(第1回転部材の回転に伴って流入部が通過可能な領域)へ落下する。案内装置2600Aに受け入れられなかった遊技球は、ステージ2520を転動して、回収口2521より回収される。一方、運良く案内装置2600Aに遊技球が受け入れられると、第1〜第4回転部材の回転状況によって第1〜第3非特別領域または特別領域の何れかに案内される。本実施形態に係るパチンコ2000Aにおいては、この案内装置2600Aにおける特別領域を特定の領域に設定し、案内装置2600Aにおける特別領域に遊技球が案内された場合に、特別遊技開始手段として機能する主制御部701からの動作制御によって、中央役物装置2500Aの可変入賞口を閉鎖状態から開放状態に複数回可変させる特別遊技を開始させるのである。
上記構成の第4実施形態に係るパチンコ機2000Aの遊技内容を説明する。通常の遊技状態において、遊技領域300に打ち込まれた遊技球が、第1始動口2331または第2始動口2332に入賞すると、中央役物装置2500Aの可動羽2530,2530が1回または2回傾動して、上部入賞室2540へ遊技球が入賞可能となるサブ遊技が行われる。このサブ遊技において中央役物装置2500Aの上部入賞室2540へ入賞した遊技球が回転導入器2550の球落下孔2551より落下して案内装置2600Aに受け入れられ、尚かつ、案内装置2600A内の特別領域へ案内されると、特別遊技が開始される。しかしながら、サブ遊技において、遊技球が案内装置2600A内の特別領域へ案内されなかった場合は、通常の遊技状態へ戻る。
上記のようにして開始される特別遊技は、中央役物装置2500Aの可動羽2530,2530が所定回数開くか、所定個数の遊技球が上部入賞室2540へ入賞することをラウンド終了条件として、最大回数(例えば、15回)までラウンド更新する遊技である。すなわち、特別遊技においては、中央役物装置2500Aへの球入賞により、短時間で多くの賞球を遊技者が獲得できる。なお、特別遊技においては、ラウンド終了条件が成立すると自動で次回ラウンドへ更新されるようにしても良いし、ラウンド中に所定のラウンド更新条件(例えば、遊技球が案内装置2600A内の特別領域へ案内されること)が達成されたときだけ次回ラウンドを開始させ、ラウンド更新条件が達成されなければ、そのラウンドを以て特別遊技を終了するようにしても良い。
以上のように、案内手段として機能する案内装置2600Aを備えるパチンコ機2000Aにおいては、案内装置2600A内の特別領域へ遊技球が案内されるか否かのサブ遊技を遊技者に面白く見せることができ、興趣を高めることができる。
〈遊技台の第5実施形態〉
第5実施形態に係るパチンコ機2000Bは、図25に示すように、中央役物装置52500Bの下部入賞室内に案内手段としての案内装置2600Bを備えるものである。なお、案内装置2600Bは、前述した第2実施形態に係るパチンコ機1000Bの案内装置600Bと同一の構成である。本実施形態に係るパチンコ機2000Bは「遊技球の入球を検知する始動口と、入球が容易な開放状態または入球が困難な閉鎖状態との一方から他方に可変可能な可変入賞口と、前記始動口が遊技球の入球を検知したことを条件に、前記可変入賞口を前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる遊技制御手段と、前記可変入賞口に入球した遊技球が、特定の領域を通過した場合に、前記可変入賞口を前記閉鎖状態から前記開放状態に複数回可変させる特別遊技を開始する特別遊技開始手段と、を備えたパチンコ機」である。
中央役物装置2500Bは、第4実施形態に係るパチンコ機2000Aの中央役物装置2500Aと同様に、上部左右両側形成した可変入賞口には、各々可動羽2530,2530を設け、この可動羽2530が可変入賞口を閉鎖している略垂直な閉鎖状態から傾動することで、遊技領域300を流下する遊技球を上部入賞室2540へ招じ入れることが容易な開放状態となる。なお、遊技制御手段として機能する主制御部701からの動作制御によって、中央役物装置2500Aの可動羽2530は、第1始動口2331に遊技球が入賞すると1回だけ所定時間開放状態となり、第2始動口2332に遊技球が入賞すると2回所定時間開放状態となる。
上部入賞室2540へ入賞した遊技球は、各可動羽2530の近傍に設けた入賞球センサ(図示省略)によって1個宛て検出された後、全て回転導入器2550へ誘導されて、球落下孔2551より下部入賞室2560へ抜けて、案内装置2600B上へ落下し、案内装置2600Bにおける第1,第2回転部材および第1,第2球導入部材の回転状況に応じて、特別領域または非特別領域の何れかへ案内される。案内装置2600Bに受け入れられなかった遊技球は、ステージ2520上に設けた外れ球回収空部より回収される。本実施形態に係るパチンコ2000Bにおいては、この案内装置2600Bにおける特別領域を特定の領域に設定し、案内装置2600Bにおける特別領域に遊技球が案内された場合に、特別遊技開始手段として機能する主制御部701からの動作制御によって、中央役物装置2500Bの可変入賞口を閉鎖状態から開放状態に複数回可変させる特別遊技を開始させるのである。
上記構成の第5実施形態に係るパチンコ機2000Bの遊技内容を説明する。通常の遊技状態において、遊技領域300に打ち込まれた遊技球が、第1始動口2331または第2始動口2332に入賞すると、中央役物装置2500Bの可動羽2530,2530が1回または2回傾動して、上部入賞室2540へ遊技球が入賞可能となるサブ遊技が行われる。このサブ遊技において中央役物装置2500Bの上部入賞室2540へ入賞した遊技球が回転導入器2550の球落下孔2551より落下して案内装置2600Bに受け入れられ、尚かつ、案内装置2600B内の特別領域へ案内されると、特別遊技が開始される。しかしながら、サブ遊技において、遊技球が案内装置2600B内の特別領域へ案内されなかった場合は、通常の遊技状態へ戻る。
上記のようにして開始される特別遊技は、中央役物装置2500Bの可動羽2530,2530が所定回数開くか、所定個数の遊技球が上部入賞室2540へ入賞することをラウンド終了条件として、最大回数(例えば、15回)までラウンド更新する遊技である。すなわち、特別遊技においては、中央役物装置2500Bへの球入賞により、短時間で多くの賞球を遊技者が獲得できる。なお、特別遊技においては、ラウンド終了条件が成立すると自動で次回ラウンドへ更新されるようにしても良いし、ラウンド中に所定のラウンド更新条件(例えば、遊技球が案内装置2600B内の特別領域へ案内されること)が達成されたときだけ次回ラウンドを開始させ、ラウンド更新条件が達成されなければ、そのラウンドを以て特別遊技を終了するようにしても良い。
以上のように、案内手段として機能する案内装置2600Bを備えるパチンコ機2000Bにおいては、案内装置2600B内の特別領域へ遊技球が案内されるか否かのサブ遊技を遊技者に面白く見せることができ、興趣を高めることができる。
〈遊技台の第6実施形態〉
第6実施形態に係るパチンコ機2000Cは、図26に示すように、中央役物装置52500Cの下部入賞室内に案内手段としての案内装置2600Cを備えるものである。なお、案内装置2600Cは、前述した第3実施形態に係るパチンコ機1000Cの案内装置600Cと同一の構成である。本実施形態に係るパチンコ機2000Cは「遊技球の入球を検知する始動口と、入球が容易な開放状態または入球が困難な閉鎖状態との一方から他方に可変可能な可変入賞口と、前記始動口が遊技球の入球を検知したことを条件に、前記可変入賞口を前記閉鎖状態から前記開放状態に可変させる遊技制御手段と、前記可変入賞口に入球した遊技球が、特定の領域を通過した場合に、前記可変入賞口を前記閉鎖状態から前記開放状態に複数回可変させる特別遊技を開始する特別遊技開始手段と、を備えたパチンコ機」である。
中央役物装置2500Cは、第4,第5実施形態に係るパチンコ機2000A,2000Bの中央役物装置2500A,2500Bと同様に、上部左右両側に形成した可変入賞口には、この可動羽2530が可変入賞口を閉鎖している略垂直な閉鎖状態から傾動することで、遊技領域300を流下する遊技球を上部入賞室2540へ招じ入れることが容易な開放状態となる。なお、遊技制御手段として機能する主制御部701からの動作制御によって、中央役物装置2500Cの可動羽2530は、第1始動口2331に遊技球が入賞すると1回だけ所定時間開放状態となり、第2始動口2332に遊技球が入賞すると2回所定時間開放状態となる。
上部入賞室2540へ入賞した遊技球は、各可動羽2530の近傍に設けた入賞球センサ(図示省略)によって1個宛て検出された後、全て回転導入器2550へ誘導されて、球落下孔2551より下部入賞室2560へ抜けて、案内装置2600C上へ落下し、案内装置2600Cにおける第1,第2回転部材の回転状況に応じて、特別領域または非特別領域の何れかへ案内される。本実施形態に係るパチンコ2000Cにおいては、この案内装置2600Cにおける特別領域を特定の領域に設定し、案内装置2600Cにおける特別領域に遊技球が案内された場合に、特別遊技開始手段として機能する主制御部701からの動作制御によって、中央役物装置2500Cの可変入賞口を閉鎖状態から開放状態に複数回可変させる特別遊技を開始させるのである。
上記構成の第6実施形態に係るパチンコ機2000Cの遊技内容を説明する。通常の遊技状態において、遊技領域300に打ち込まれた遊技球が、第1始動口2331または第2始動口2332に入賞すると、中央役物装置2500Cの可動羽2530,2530が1回または2回傾動して、上部入賞室2540へ遊技球が入賞可能となるサブ遊技が行われる。このサブ遊技において中央役物装置2500Cの上部入賞室2540へ入賞した遊技球が回転導入器2550の球落下孔2551より案内装置2600C上へ落下し、案内装置2600Cの特別領域へ案内されると、特別遊技が開始される。しかしながら、サブ遊技において、遊技球が案内装置2600Cの特別領域へ案内されなかった場合は、通常の遊技状態へ戻る。
上記のようにして開始される特別遊技は、中央役物装置2500Cの可動羽2530,2530が所定回数開くか、所定個数の遊技球が上部入賞室2540へ入賞することをラウンド終了条件として、最大回数(例えば、15回)までラウンド更新する遊技である。すなわち、特別遊技においては、中央役物装置2500Cへの球入賞により、短時間で多くの賞球を遊技者が獲得できる。なお、特別遊技においては、ラウンド終了条件が成立すると自動で次回ラウンドへ更新されるようにしても良いし、ラウンド中に所定のラウンド更新条件(例えば、遊技球が案内装置2600Cの特別領域へ案内されること)が達成されたときだけ次回ラウンドを開始させ、ラウンド更新条件が達成されなければ、そのラウンドを以て特別遊技を終了するようにしても良い。
以上のように、案内手段として機能する案内装置2600Cを備えるパチンコ機2000Cにおいては、案内装置2600C内の特別領域へ遊技球が案内されるか否かのサブ遊技を遊技者に面白く見せることができ、興趣を高めることができる。