JP2009038841A - Ofdm伝送方式におけるキャリアの配置方法 - Google Patents

Ofdm伝送方式におけるキャリアの配置方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明の課題は、高い周波数帯の電波を用いて、あるいは高速で移動する場合、または、その両方の条件下でのMIMO伝搬環境においても、OFDM信号を伝送することのできるOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法を提供することである。
【解決手段】復調基準となる既知のパイロットキャリアが周期的に挿入されたOFDM信号を伝送するOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法であって、前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップと、前記複数の送信アンテナの数をm_tとし、m_t以上の整数をWと定義して、シンボル数W毎の時間連続する伝送シンボルに対して、該複数の送信アンテナの各系統から送信される前記パイロットキャリアを識別するビット長Wの直交符号を割り当て、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタル信号の伝送方式に係わり、特に直交周波数分割多重伝送方式(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)伝送方式)におけるキャリアの配置方法に関する。
地上デジタル放送の伝送方式として、マルチパスやゴーストに対する耐性に優れ、移動受信も可能な方式として注目されているOFDM伝送方式が採用されている。この方式は、周波数方向で互いに直交する多数の搬送波(キャリア)を用いてデータを変調する伝送方式であり、時間方向でみると、各搬送波において伝送速度が抑えられているため、マルチパスによる遅延波の影響を、相対的に長くなる伝送シンボルとの対比で緩和することができる。伝送シンボルは、有効シンボルとガードインターバルとを組み合わせた単位により構成され、有効シンボルは実際にデータ信号を伝送する期間であり、ガードインターバルはマルチパスによる影響を軽減するための期間である。ここで、ガードインターバルは、有効シンボルの信号波形の一部を巡回的に繰り返したものである。
さらに、上記したOFDM伝送方式は、各キャリアが相互に直交しているので、最も伝送効率の高い伝送方式の1つであり、かつFFT(Fast Fourier Transform)回路技術の進展により、比較的簡易なハードウェア構成で実現することが可能となっている。このため、無線LANや第4世代携帯電話をはじめ、近年、通信の分野でも注目を集めている。
一方、広帯域移動通信では、利用できる周波数帯域が制限されていること、マルチメディア通信の需要などにより、高品質かつ固定通信並みの高い周波数利用効率の達成が求められるようになっている。そこで、このような要求を満たすことのできる技術として、MIMO通信技術が注目されている。
図15は、MIMO通信用伝送システム1000の構成を示すブロック図である。同図に示すように、MIMO通信では、複数の送信アンテナ1001〜1001m_tと複数の受信アンテナ1101〜1101m_rを用いて、MIMO伝搬路を構成し、複数の異なるデータ信号(図15の例では、元来1系統のデータを符号化ユニット1010による符号化の過程あるいは直並列変換(S/P)を通じて複数の異なる信号としている)を、同一の周波数上あるいは周波数帯が重なる状態の電波により、複数の伝搬路を経て送受信(送信ユニット1002〜1002m_t、受信ユニット1102〜1102m_rを用いて送受信)する。
各受信ユニット1102〜1102m_rで受信された複数系統の信号に対しては、復号化ユニット1110内の等化器または干渉除去器または軟判定器あるいはそのすべてまたはいずれかの組み合わせにより各伝搬路を分離する操作を行い、復調することにより大容量化あるいはダイバーシティ効果によるロバスト化が図れる。
上記した各伝搬路の分離のためには、各送信アンテナ1001〜1001m_tと各受信アンテナ1101〜1101m_rとの間の伝搬路の応答特性を把握する必要がある。かかる観点から、OFDMシステムの効率化および性能改善を意図して、MIMO伝搬路を適用する技術が開示されている(例えば、特許文献1、非特許文献1、非特許文献2参照)。これら技術によれば、各送信機(i:送信機の番号)は、データ信号のOFDMブロック(キャリア本数K)を送信するに当り、事前にトレーニングシーケンスを設け、離散時間(またはシンボル)nの時にパイロット信号t_i〔n,k〕(k:キャリア番号、k=0,1,・・・,K−1)のOFDMブロック(キャリア本数K)を送信する。
一方、各受信機(j:受信機の番号)は、トレーニングシーケンスの間、伝搬路応答H_ij〔n,k〕を反映した信号r_j〔n,k〕を受信する。ここで、伝搬路の周波数応答H_ij〔n,k〕は、伝搬路の時間応答である遅延プロファイルh_ij〔n,l〕(l=0,1,・・・,K_0−1,K_0<<K)とフーリエ変換の関係にあることを用いて、h_ij〔n,l〕を推定することにより、H_ij〔n,k〕を推定する。
また、受信信号r_j〔n,k〕と送信パイロット信号t_i〔n,k〕に対し、共役パイロット信号t_i〔n,k〕及びt_j〔n,k〕との積を各々求め、その各々の積のフーリエ変換を各々p_ij〔n〕,q_ij〔n〕とすると、遅延プロファイルh_ij〔n,l〕の推定値を成分とする行列h〔n〕と、p_ij〔n〕及びq_ij〔n〕を各々成分とする行列P〔n〕及びQ〔n〕とは、次の関係を持つ。
h〔n〕=Q〔n〕−1P〔n〕 (1)
ここで、Q〔n〕−1はQ〔n〕の逆行列である。よって、トレーニングシーケンスにおいて、伝搬路応答h〔n〕が推定される。この推定された伝搬路応答を基に、データ信号は最尤復号あるいは最小平均二乗誤差(MMSE:Minimum Mean−Square Error)を基準に復号される。
さらに、ある送信機から送信されるデータ信号に対し、他の送信機から送信されるデータ信号は干渉信号となるが、この他の送信機からのデータによる干渉信号を白色化できるように、データ信号に対し、時空間符号化(STC:Space−Time Coding)並びにその他の符号化のプロセスを加える。また、復号精度の高いデータ信号を受信信号から除去し、残るデータ信号の復号精度を高めるプロセスや推定伝搬路応答の平均値を求め、その偏差を基に伝搬路特性の推定値に重み付けするプロセスを加える技術が開示されている。
また、各送信アンテナと各受信アンテナとを結ぶ伝搬路応答を推定するために、各送信機は、トレーニングシーケンスの間、パイロット信号を送信するが、図16に示すように、パイロット信号(図中、P_1,P_2,・・・,P_N)が時間軸上で重なり合わないように、他の送信機がパイロット信号を送信しているときには、自身のパイロット信号を送信しないように、送信機毎に順番に送信する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この技術によれば、各受信機において受信される送信機毎には干渉のない伝搬路応答の推定値に基づき伝達関数が求められ、受信機数対送信機数で表される行列の逆行列が計算される。これにより、各送信機から時間軸上に重なり合わさって送信されるデータ信号の復号を実現している。
また、同期用パイロット信号に続いて、伝搬路推定用のパイロット信号を送信し、それらに続くデータ信号を復号する技術が開示されている(例えば、非特許文献3参照)。この技術によれば、パイロット信号には、送信機単位で異なる直交符号が配置されており、各受信機においては、送信機毎の直交符号のレプリカとの相互相関により伝搬路を分離して、当該送信機の送信アンテナと自身の受信アンテナとの間の伝搬路応答の推定値が求められる。
以上の技術による伝搬路推定は、いずれもパイロット信号とデータ信号の送信時間を変えて行うものであり、特に、キャリア数を多くするか伝送シンボルを長くする必要がある場合、伝搬路推定を行う周期が比較的長くなるため、高速移動を伴う移動通信のようにフェージングなど伝搬路応答の変化が激しい場合には適用が難しくなる。
通常、マイクロ波帯やミリ波帯などのより高い周波数帯を用いる場合や、より高速での移動を伴うデータの送受信を行う場合には、フェージングなどの伝搬路応答も高速で変動する。一対向のOFDM伝送システムに関しては、伝搬路応答が高速変動する上記のような事例に対しても適用可能な、波形等化のためのパイロット信号配置方法ならびに送受信装置に関する技術が、本発明の出願人により開示されている(例えば、特許文献3参照)。
一対向、つまり、1つの送信アンテナから1つの受信アンテナへ伝送する1入力1出力の他の信号による干渉がない環境での伝送であって、かつOFDM信号並びにガードインターバルを用いていても、遅延波の影響により、受信信号には周波数選択性フェージングなど波形ひずみが生じる。従来のOFDM伝送方式の送受信装置では、この波形ひずみを等化するために、パイロット信号を用いて伝搬路応答(周波数特性)を求めている。
図17に、特許文献3で開示された技術による伝送フレームの構成例を示す。この伝送フレームは、各キャリアの変調方式にDQPSK、QPSK、16QAM、64QAMなどを用いる場合に適用されるもので、復調の際の基準となるパイロットキャリアとデータキャリアから構成されている。なお、この伝送フレームにおいて、復調処理に関係しない伝送制御情報のTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)キャリアや付加情報のAC(Auxiliary Channel)キャリアは省略してある。
図17に示す伝送フレームは、周波数方向および時間方向の2次元で表現されている。周波数方向にはキャリアが配置され、キャリア番号は0,1,2,・・・,K−1と表記されている。時間方向には伝送シンボルが配置され、伝送シンボル番号は0,1,2,・・・,L−1と表記されている。よって、この伝送フレームはキャリアがK本、伝送シンボルがL個から構成されている。ここで、伝送シンボルの有効シンボル長をTe、ガードインターバル長をTg、ガードインターバル長と有効シンボル長との比(以下、ガードインターバル比と呼ぶ)をR(R=Tg/Te)とし、さらにガードインターバル比の逆数(1/R)以下の任意の整数をQとすると、キャリア数Kの値が(Qの倍数+1)の条件の下、復調の際の基準となるパイロットキャリアを両端のキャリアからQ本ごとに一定間隔で配置している。これを、パイロットキャリアが伝送される位置(図17の黒丸の位置)のインデックスkとして非負の整数pを用いて表現すると、次式のようになる。
k=Q×p (2)
なお、図17においてはQの値を8としている。
ここで、パイロットキャリアの間隔とガードインターバル比の関係について確認する。一例として、図17に従いガードインターバル比Rが1/8の場合を取り上げると、ガードインターバル比の逆数(1/R)以下の最大整数Mは8である。つまり、パイロットキャリアの間隔を8以下の任意の整数とできる。OFDM伝送方式では、ゴーストの遅延時間がガードインターバル長Tg(ここでは、Tg=Te/8)を越えると、シンボル間干渉が発生して急激に特性が劣化するので、ゴーストの遅延時間がこのTgを超えないように設計される。
ところで、ゴーストが入ったときの伝搬路の周波数応答とゴースト遅延時間には一定の関係があり、ゴースト遅延時間をτとすれば、伝搬路の周波数応答における変化の周期Fはその逆数である1/τとなる。つまり、その変化の周期が最小になるのは、Te/8のゴースト遅延波が存在するときであり、その値Fminは8×(1/Te)である。ここで、(1/Te)は有効シンボル長の逆数であり、OFDM信号のキャリア間隔を表しているので、伝搬路の周波数応答の最小周期Fminは8キャリア間隔に相当する。そこで、パイロットキャリアを8キャリアおきに1本の割合で挿入すると、この伝搬路の周波数応答を内挿によって正確に求めることが可能となる。すなわち、パイロットキャリアの間隔を8以下の任意の整数とすればよいことがわかる。換言すれば、パイロットキャリアを、ガードインターバル比Rの逆数である(1/R)以下の任意の整数間隔で挿入すればよい。
上記のように図17のような伝送フレームを構成することで、OFDM信号の1伝送シンボル単位で、伝搬路の周波数応答を推定可能となる。そこで、パイロットキャリアを時間方向に連続的に配置することによって、伝搬路の周波数応答の変化に追随させるようにしている。このような方式による伝搬路推定は、一対向のOFDM伝送にのみに適用できる。
特開2002−44051号公報 特開2002−374224号公報 特開2002−9724号公報 Ye Li et al, ‘‘Channel Estimation for OFDM Systems with Transmitter Diversity in Mobile Wireless Channels’’, IEEE Journal on Selected Areas in Communications, Vol.17, No.3, pp.461−471, 1999 Ye Li et al, ‘‘Simplified Channel Estimation for OFDM Systems with Multiple Transmit Antennas’’, IEEE Transactions on Wireless Communications, Vol.1, No.1, pp.67−75, 2002 平ほか,‘‘有相関MIMO伝送路におけるマルチキャリアシステムの受信特性’’,2003年電子情報通信学会総合大会B−5−157
複数の送信アンテナと複数の受信アンテナとの間で、同一の周波数帯、あるいは周波数帯が重なる電波を利用するMIMO伝搬環境下において、データを送受信するには、すべての電波が自身の遅延波も含み混信した状態で受信した信号から、各送信アンテナが送信したデータを各々分離あるいは干渉を除去する必要がある。
各送信アンテナから各受信アンテナヘの電波の通路である伝搬路は、時間変化する伝達関数(「従来の技術」では、「伝搬路の周波数応答」あるいは「伝搬路応答」と記載)として理解される。そこで、送信信号に求めるべき伝搬路の伝達関数が乗算されたものが、受信信号であるから、トレーニングシーケンスを設け、その間に送信した既知のパイロット信号から、例えば、上記(1)式の関係を利用して、求めるべき伝搬路の伝達関数を演算処理するものが上記した従来技術である。
しかしながら、上記従来技術では、データ送信とは別にトレーニングシーケンスを設けるため、データの復調に、求めた伝搬路の伝達関数を適用する期間が長くなり、高速のフェージングに対して、伝搬路応答の推定操作が対応していかないという欠点が生じる。さらに、伝搬路の伝達関数の推定精度を高めるために、平均化処理を加えることを想定すると、現状以上の高速フェージングヘの対応は難しい。
一方、従来技術のOFDM伝送方式には、放送素材伝送などの目的で、広帯域な信号を、高速移動を考慮して伝送する目的から、伝送シンボルとガードインターバル比との関係を利用して、データを送信する同一伝送シンボル内に、伝搬路推定のためのパイロットキャリアを合わせて多重する。これにより、単一シンボル内で完結して遅延波による波形ひずみを除去する仕組みを有する技術がある。
しかしながら、この手法では、同時に周波数帯を共有して伝送された電波を区別することができないため、MIMO環境では使用できないといった問題が生じる。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、高い周波数帯の電波を用いて、あるいは高速で移動する場合、または、その両方の条件下でのMIMO伝搬環境においても、OFDM信号を伝送することのできるOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載されるように、複数のアンテナが送信側と、受信側に設けられ、無線によりデータの送受信が行われる多入力多出力伝搬環境下において、復調基準となる既知のパイロットキャリアが周期的に挿入されたOFDM信号を伝送するOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法であって、前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップと、前記複数の送信アンテナの数をm_tとし、m_t以上の整数をWと定義して、シンボル数W毎の時間連続する伝送シンボルに対して、該複数の送信アンテナの各系統から送信される前記パイロットキャリアを識別するビット長Wの直交符号を割り当て、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップと、を備えることを特徴としている。
また、本発明の請求項2によれば、複数のアンテナが送信側と、受信側に設けられ、無線によりデータの送受信が行われる多入力多出力伝搬環境下において、復調基準となる既知のパイロットキャリアが周期的に挿入されたOFDM信号を伝送するOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法であって、前記パイロットキャリアに既知の復調基準として送信アンテナ毎に異なる符号系列を割り当てるステップと、前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップと、前記複数の送信アンテナの数をm_tとし、m_t以上の整数をWと定義して、シンボル数W毎の時間連続する伝送シンボルに対して、該複数の送信アンテナの各系統から送信される前記パイロットキャリアを識別するビット長Wの直交符号を割り当てて、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップと、を備えることを特徴としている。
また、本発明の請求項3によれば、複数のアンテナが送信側と、受信側に設けられ、無線によりデータの送受信が行われる多入力多出力伝搬環境下において、復調基準となる既知のパイロットキャリアが周期的に挿入されたOFDM信号を伝送するOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法であって、前記パイロットキャリアに既知の復調基準として2種類以上の符号系列から1伝送シンボル分単位に切り替えて割り当てるステップと、前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップと、前記複数の送信アンテナの数をm_tとし、m_t以上の整数をWと定義して、シンボル数W毎の時間連続する伝送シンボルに対して、該複数の送信アンテナの各系統から送信される前記パイロットキャリアを識別するビット長Wの直交符号を割り当て、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップと、を備えることを特徴としている。
また、本発明の請求項4によれば、前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップは、伝送するキャリア数をK、伝送シンボルの有効シンボル長をTe、ガードインターバル長をTg、ガードインターバル長と有効シンボル長の比であるガードインターバル比をR=Tg/Teとし、ガードインターバル比の逆数1/R以下の任意の整数をQとすると、前記キャリア数Kの値がQの倍数+1となることを条件に、復調基準となる前記パイロットキャリアを周波数軸上の端となるキャリアからQ本ごとに所定間隔で配置し、かつ時間軸方向には連続で配置することを特徴としている。
また、本発明の請求項5によれば、前記複数の送信アンテナ数m_tを2、及び前記ビット長Wを2とし、
前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップは、前記直交符号を{1,1}及び{1,−1}とし、前記伝送シンボルに対し前記直交符号が各々割り当たるようにOFDM信号の伝送シンボル毎に前記パイロットキャリアを変調することを特徴としている。
また、本発明の請求項6によれば、前記複数の送信アンテナ数m_tを4、及び前記ビット長Wを4とし、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップは、前記直交符号を{1,1,1,1}及び{1,−1,1,−1}及び{1,−1,−1,1}及び{1,1,−1,−1}とし、前記伝送シンボルに対し前記直交符号が各々割り当たるようにOFDM信号の伝送シンボル毎に前記パイロットキャリアを変調することを特徴としている。
本発明によれば、復調基準となる既知のパイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置し、かつ上記パイロットキャリアに対し送信アンテナ毎に異なる直交符号を割り当て、OFDM信号の伝送フレームを構成するので、MIMO伝搬環境において、高い周波数帯の電波を用いて高速で移動するなど伝搬路の環境が高速に変動するような場合であっても、伝搬路応答に追随する速さで、高精度の伝搬路推定を実現することが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1を用いて、本発明に係るキャリア配置方法について説明する。図1は、本発明のOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法が適用される伝送フレームの構成例を示す図である。この伝送フレームは、各キャリアの変調方式にQPSK、16QAM、64QAMなどを用いる場合に適用されるものであり、復調の際の基準となるパイロットキャリアとデータキャリアから構成される。なお、図1の伝送フレームにおいては、復調処理に関係しない伝送制御情報のTMCC(Transmission and Multiplexing Configuration Control)キャリアや付加情報のAC(Auxiliary Channel)キャリアは省略している。ただし、これらの情報を搬送するキャリアは、データキャリアの位置に配置されることを付記しておく。
同図に示されるように、この伝送フレームは、周波数方向および時間方向の2次元で表現されている。横軸の周波数方向にはキャリアが配置され、キャリア番号は0,1,・・・,K−1と表記されている。一方、縦軸の時間方向には伝送シンボルが配置され、伝送シンボル番号は0,1,・・・,L−1と表記されている。よって、この伝送フレームはキャリアがK本、伝送シンボルがL個から構成されている。
ここで、伝送シンボルのガードインターバル比をRとし、ガードインターバル比の逆数(1/R)以下の任意の整数をQとすると、キャリア数Kの値が(Qの倍数+1)となっており、復調の際の基準となるパイロットキャリアが両端のキャリアからQ本ごとに一定間隔で配置されている。ここまでの関係は、前述した特許文献3に開示されているパイロットキャリアの配置方法と同じである(図17参照)。なお、図1においてはQの値を8としている。ここで、パイロットキャリアの間隔とガードインターバル比の関係についても前述の特許文献3に記載の従来技術と同じである。
次に、本発明の特徴となる部分を図1と図17の比較により説明する。
図1を図17と比較すると、図17では、パイロットキャリアの同じ組み合わせが、すべての時間連続した伝送シンボルにわたって利用されているのに対し、図1では、パイロットキャリアの各位相が、伝送シンボル単位で変化(反転または非反転)している。この変化の繰り返し周期、及び反転/非反転の組み合わせは、使用する送信アンテナの数m_t及び割り当てる直交符号によって決まるものとする。図1に示す実施例では、m_tを4とし、ビット長Wが4の直交符号{1,−1,−1,1}が割り当てられた送信アンテナから送信されるOFDM信号のフレーム構成例を示している。
続いて、図1に示すパイロットキャリア配置を用い、m_t(=4)本の送信アンテナからm_r(1以上、例えば4)本の受信アンテナに向けて同時に送信されたOFDM信号から、各送信アンテナ間を結ぶ伝搬路の伝達関数(複素数)が求められる過程を説明する。
図1のフレーム構造をもつOFDM信号は、上記直交符号と直交関係にある他の直交符号{1,1,1,1}、{1,−1,1,−1}、{1,1,−1,−1}を割り当てられた、他の3つの送信アンテナから送信されるOFDM信号と時間同期してMIMO伝搬空間に送信される。ここで、各伝搬路の伝達関数を仮にh_ij(複素数,i::受信アンテナの番号(i=1,2,・・・,m_r),j:送信アンテナの番号(j=1,2,・・・,m_t(=4))とし、図1のフレーム構造をもつOFDM信号が送信されるアンテナの番号を4とすると、当該送信アンテナから送信されるOFDM信号は、h_14の伝達関数をもつ伝搬路を経た結果、番号1の受信アンテナが接続された受信機で受信される。キャリア番号kで送信されるパイロットキャリアを考えると、当該送信アンテナから送信されるパイロットキャリアP_4〔k〕は、他の送信アンテナから同時に送信されるパイロットキャリアP_1〔k〕,P_2〔k〕,P_3〔k〕とともに受信される。例えば、番号1の受信アンテナが接続された受信機では、雑音が無視できる場合、伝送シンボル1においては、h_11〔k〕P_1〔k〕+h_12〔k〕P_2〔k〕+h_13〔k〕P_3〔k〕+h_14〔k〕P_4〔k〕という受信信号となる。次に示す伝送シンボルが受信される期間では、伝搬路の伝達関数が変化しないとすると、同様に、伝送シンボル2では、h_11〔k〕P_1〔k〕−h_12〔k〕P_2〔k〕+h_13〔k〕P_3〔k〕−h_14〔k〕P_4〔k〕、
伝送シンボル3では、
h_11〔k〕P_1〔k〕+h_12〔k〕P_2〔k〕−h_13〔k〕P_3〔k〕−h_14〔k〕P_4〔k〕、
伝送シンボル4では、
h_11〔k〕P_1〔k〕−h_12〔k〕P_2〔k〕−h_13〔k〕P_3〔k〕+h_14〔k〕P_4〔k〕となる。なお、上式において各パイロットキャリアに掛かる符号“+”または“−”は、パイロットキャリアに乗算された直交符号により変化した位相を表し、h_ij〔k〕並びにP_j〔k〕は、キャリアkにおける伝搬路応答並びにパイロット信号を表す。
そして、上記受信信号の伝送シンボル毎に、先の直交符号{1,−1,−1,1}を各々乗算すると、
h_11〔k〕P_1〔k〕+h_12〔k〕P_2〔k〕+h_13〔k〕P_3〔k〕+h_14〔k〕P_4〔k〕、
−h_11〔k〕P_1〔k〕+h_12〔k〕P_2〔k〕−h_13〔k〕P_3〔k〕+h_14〔k〕P_4〔k〕、
−h_11〔k〕P_1〔k〕−h_12〔k〕P_2〔k〕+h_13〔k〕P_3〔k〕+h_14〔k〕P_4〔k〕、
h_11〔k〕P_1〔k〕−h_12〔k〕P_2〔k〕−h_13〔k〕P_3〔k〕+h_14〔k〕P_4〔k〕
となり、さらに、4伝送シンボル分の加算平均を求めると、h_14〔k〕P_4〔k〕が得られる。よって、残る操作としては既知のパイロットキャリアP_4〔k〕による複素除算を行うのみで、必要な伝搬路の伝達関数h_14〔k〕を求めることができる。
他の送信アンテナとの伝搬路の伝達関数も、上記同様に、直交符号の乗算と加算平均、パイロットキャリアによる複素除算を行うことで全て求めることが可能である。また、受信アンテナが異なる場合も同様である。
以上を一般的な表記で表すと、次のようになる。まず、伝送シンボルl、キャリア番号kにおいて、受信アンテナiで受信される信号r_i〔l,k〕は、送信アンテナj(j=1,2,・・・,m_t)で送信されるビット長Wの直交符号w_j〔mod(l,W)〕(ここで、mod(l,W)は、lをWで割った時の余りを表し、0,1,2,・・・,W−1の値を取る)並びに伝搬路応答の伝達関数h_ij〔l,k〕を用いて次式で表せる。
なお、上記(3)式の受信信号は、雑音が0として得られるものである。
また、上記(3)式の結果は、m_t式の送信アンテナから送信される全ての信号が、伝搬路応答に応じた配分で混信した状態で受信されることを示している。この受信信号から特定の伝搬路に対応する応答、例えば、送信アンテナjからこの受信アンテナiへ至る伝達関数を求めるためには、単に、任意のW個の伝送シンボルl’,l’+1,・・・,l’+W−1に含まれるパイロットキャリアを抜き出して、該当する直交符号w_j〔mod(l’+offset,W)〕,w_j〔mod(l’+1+offset,W)〕,・・・,w_j〔mod(l’+W-1+offset,W)〕(ここで、offsetは、送信と受信で直交符号が一致するように調整する整数値である。実際には、タイミング同期回路により決定する)と各伝送シンボルにおいて掛け合わせ、加算平均を求めてやればよい。つまり、
というように、h_ij〔l’+Δ,k〕P_j〔k〕が分離し、P_j〔k〕が既知であることから、必要な伝達関数h_ij〔l’+Δ,k〕が得られる。ここで、Δは(W−1)/2に最も近い整数とし、W個の伝送シンボルの間でh_ij〔l,k〕はほとんど変化しないこととしている。また、offsetは0(零)とした。
以上の説明は、パイロットキャリアを送信アンテナに毎に違えて、j番目の送信アンテナから出力されるk番目のパイロットキャリアをP_j〔k〕としてきたが、これを送信アンテナについては同じものとして、伝送シンボル毎に違える構成としてもよい。具体的には、次の通りである。
まず、伝送シンボルl、キャリア番号kにおいて、送信されるパイロットキャリアをPt〔l,k〕とすると、上記(3)式の受信アンテナiで受信される信号r_i〔l,k〕は、次式のようになる。
なお、上記(5)式の受信信号は、雑音が0として得られるものである。
また、上記(5)式の結果は、上記(3)式と同様に、m_t式の送信アンテナから送信される全ての信号が、伝搬路応答に応じた配分で混信した状態で受信されることを示している。
上記(5)式において、Pt〔l,k〕は送信アンテナに依存しない。つまり、jに依存しない。そこで、伝送シンボルを特定されPt〔l,k〕が既知であることを利用して、各伝送シンボルにおいて、受信信号r_i〔l,k〕を既知のパイロットキャリアPt〔l,k〕で複素除算するプロセス(Pt〔l,k〕をBPSK変調波とすれば、1または−1の掛け算で実現できる。反転/非反転の操作も可)をこの時点で行う。その結果、上記(5)式は、次式に変形される。
上記(6)式のR_i〔l,k〕に変換された受信信号から特定の伝搬路に対応する応答、例えば、送信アンテナjからこの受信アンテナiへ至る伝達関数を求めるためには、任意のW個の伝送シンボルl´,l´+1,・・・,l´+W−1に含まれる受信信号R_i〔l´,k〕,R_i〔l´+1,k〕,・・・,R_i〔l´+W−1,k〕と、該当する直交符号w_j〔mod(l´+offset,W)〕,w_j〔mod(l´+1+offset,W)〕,・・・,w_j〔mod(l´+W−1+offset,W)〕とを各伝送シンボルにおいて掛け合わせ、加算平均を求めてやればよい。つまり、
というように、h_ij〔l´+Δ,k〕が分離する。
ここで、上記(4)式での処理と同様に、offsetは0とし、h_ij〔l,k〕は、W個の伝送シンボルの間でほとんど変化しないこととしている。
なお、上記では、伝送シンボル毎に、k番目のパイロットキャリアPt〔l,k〕が全て異なるかのように説明してきたが、より好ましくは、1種類あるいは2、3種類のパイロットキャリアの組み合わせ(パイロットキャリアの本数が108本ならば、1種類当たり108個の既知情報の組み合わせ)を適宜繰り返して利用するのが望ましい。
1伝送シンボル分のパイロットキャリアの総数は、有限の値(例えば、108本)を取るため、その組み合わせもまた有限である。
また、多数の組み合わせのパイロットキャリアを送信機および受信機において記憶するのは経済的ではないが、上記のように、数種類のパイロットキャリアの組み合わせを利用すれば、大容量のメモリを必要とせず、装置の小型化、低コスト化が図れるという点で有効である。
なお、具体的な複数組の既知パイロットキャリアPt〔l,k〕の例をいくつかあげると、次のようなものがある。
(例1)生成多項式g(x)=x11+x+1で生成される擬似ランダム系列のうち、初期値の異なる複数組の符号パターンでBPSK変調された信号。
(例2)異なる生成多項式g(x)=x11+x+1,g(x)=x11+x+x+x+1,g(x)=x11+x10+x+x+x+x+x+1,g(x)=x11+x+x+x+x+x+x+x+1などを用いて生成される擬似ランダム系列による符号パターンでBPSK変調された信号。
また、上記(3)式から(4)式または上記(5)式から(7)式において、既に明示的ではあるが、k番目のパイロットキャリアを全ての送信アンテナ、全ての伝送シンボルにおいて同じPt〔k〕としてもよい。
このように本実施形態における上記操作は、単純な位相反転と加算平均のみで実現できるので、装置構成を簡易にすることができる。
また、従来と比して、平均化の効果の分、雑音に対し推定精度が向上するという効果を奏する。
さらに、伝送シンボルがパイロットキャリアとデータキャリアをともに含む分、処理に要する伝送シンボル数が少なくて済むという効果を奏する。このことの効果については後述する。
なお、本実施形態において伝搬路を認識するために、送信アンテナ毎に異なる直交符号を割り当てることは、受信側で各送信端末を認識することをも意味する。このことは、分散して存在する送信端末とそこから送信される情報を受信側で区別できることも意味し、マルチユーザのシステムにおけるユーザの認識など別の応用も期待できる。
次に、伝送シンボルと伝搬路応答のサンプリングについて説明する。図2は、フェージングによる受信電力の変化と伝送シンボルによるサンプリングの関係を模式的に表した図である。ここで、縦軸の受信電力は、一対向、つまり1入力1出力の条件であるものとし、横軸は時間を表す。図2(a)は、時間の変化に対し伝搬路の伝達関数が激しく変化した場合に受信アンテナが受信する電力を表している。以下、この受信信号をOFDM信号の伝送シンボルに多重したパイロットキャリアにより、如何にサンプリングしていくかを説明する。
図2(b)は、パイロットキャリア配置を有するOFDM信号により、フェージングの最大周波数に対し8倍のオーバーサンプリングができている状況を示している。同図に示すように、フェージングによる電力の変化を正確にサンプリングしている様子が確認できる。これに対し、図2(c)は、サンプリングした4伝送シンボル単位で分割して各単位で平均化した点を示している。この場合には、ピークレベルを必ずしも捕まえていないものの、4伝送シンボルの中心位置の単位では、ある程度のサンプリングができていると言える。しかしながら、受信信号から干渉を除くための復号処理を行うためには、各伝送シンボルにおいて各サンプル点を得る必要があり、補間処理が必要となる。
また、変化が緩やかな場合には、単純に0次内挿(時間方向に結果をホールド)しても対応可能だが、同図のような変化がある場合には、FIR(Finite Impulse Response)フィルタを用いた内挿処理を行う。ピーク位置をある程度サンプリングしている場合には、事前にサンプリングの周波数応答を把握してサンプリング結果に重み付けを行えば、サンプリングは有効に機能すると考えられる。
しかしながら、ピーク位置をサンプリングできていない場合には、実際の状況をモニターできているとは言えない。そこで、同じ4伝送シンボル単位で平均化するとしても、平均化を行う4伝送シンボルの組み合わせを伝送シンボル毎にスライドさせながら平均化することで、サンプル点を補間する。図2(d)は、そのようにして平均化した結果を示す図である。同図に示されるように、サンプリングの周波数応答で重み付けを行うことで、ほぼ実際の状態をサンプリングできることがわかる。
なお、上述では、伝送シンボルの周期がフェージングの最大周波数に対し8倍のオーバーサンプリングに相当する場合を想定し説明したが、これを4倍に下げた時点で、伝送シンボル毎のサンプリングそのものがフェージング変動を十分に捉えることができなくなることを考えると、本発明におけるビット長4程度の直交符号によるパイロットキャリアの位相変調並びに復調時の平均化は、伝搬路を推定するための応答速度に対し大きな劣化を与えないと考えられる。一方、従来の技術では、トレーニングシーケンスとデータシーケンスとに分離しており、伝搬路応答をサンプリングしないデータシーケンスの間に変化した分を捕捉できない。このため、本発明のようなスライディング平均によるサンプリングの高速化を保証することは難しい。
次に、上記OFDM伝送方式を採用するシステムに用いられる送信装置及び受信装置について説明する。なお、上記送信装置と受信装置を含んで構成されるシステムは、図15に示すMIMO通信用伝送システムの構成例と同じである。前述したように、このMIMO通信用伝送システムは、複数の送信アンテナ1001〜1001m_tと複数の受信アンテナ1101〜1101m_rを用いて、MIMO伝搬路を構成し、複数の異なるデータ信号を、同一の周波数帯上あるいは周波数帯が重なる状態の電波により、複数の伝搬路を経て送受信する。なお、1系統のデータを符号ユニット1010による符号化あるいは直並列変換(S/P)を通じて複数の異なる信号としてもよい。
また、送信ユニット1002〜1002m_t、受信ユニット1102〜1102m_rを用いて送受信される複数系統のOFDM信号には、各送信アンテナ1001〜1001m_tと各受信アンテナ1101〜1101m_rとの間の各伝搬路を分離するために必要となる伝搬路の応答特性を推定するために、お互いが直交関係にあり送信アンテナ毎に異なる直交符号を用いて位相変調されたパイロットキャリアが各々について多重される。
受信装置の復号化ユニット1110内においては、多重されたパイロットキャリアを抜き出して、図1の説明を通じて示した原理により各伝搬路を推定し、推定された伝搬路応答を基に受信された信号から個々の送信アンテナ1001〜1001m_tから送信された信号を分離する操作がなされる。その後、送信された信号の復調が行われる。
なお、復号化ユニット1110に実装される復号アルゴリズムや符号化ユニット1010に実装される符号アルゴリズムは、大容量化あるいはダイバーシティ効果によるロバスト化を図るかに応じて任意に選択される。図15に示すMIMO通信用伝送システムでは、単方向の態様が例示されているが、送信時の符号化のために、受信装置側からフィードバックが受けられるように双方向のシステムを構成する場合もある。
次に、上記MIMO通信用伝送システムを構成する送信装置及び受信装置の詳細について説明する。その前に、本発明に係る送信装置及び受信装置の動作の理解を助けるために、OFDM伝送方式に使用する送受信装置の基本構成を、図3を参照して説明する。
図3は、OFDM伝送方式に使用する送受信装置の基本構成を示す図である。同図(a)は送信装置の構成を、同図(b)は受信装置の構成を表している。この送受信装置の構成は、例えば、ARIB規格STD−B33「テレビジョン放送番組素材伝送用可搬型OFDM方式デジタル無線伝送システム」に基づくものである。
同図(a)に示す送信装置10は、送信するデータ(ここでは、MPEG2システムのトランスポートストリーム(TS)を想定する)に対し、エネルギー拡散処理や誤り訂正符号の付加、インターリーブなどの符号化処理(符号化回路11)を施した後、各種変調方式(DQPSK、QPSK、16QAM、64QAMなど)でデータキャリア化(マッピング回路12)し、パイロットキャリアなどともに伝送フレームを作成(フレーム構成回路13)する。
その後、その伝送フレームに対しIFFT(Inverse FFT、IFFT回路14)を施し、ガードインターバルを付加(GI付加回路15)してアナログ信号に変換(同図では、デジタル−アナログ変換回路を省略している)した後、送信する周波数帯に変換(周波数変換回路16)し、送信アンテナ17から送信する。
一方、受信装置20は、受信アンテナ21で信号を受信した後、周波数変換により中間周波数帯に変換(周波数変換回路22)し、それをデジタル信号に変換(同図では、アナログ−デジタル変換回路を省略している)する。そして、ガードインターバルを除去(GI除去回路23)した後、FFT(FFT回路24)し、データキャリア並びにパイロットキャリアを抽出(フレーム分離回路25)する。パイロットキャリアは、伝搬路応答の情報を含んでおり、必要な処理により、伝搬路応答の推定値を算出(伝搬路応答推定回路26)する。この結果を利用して、受信したデータキャリアに対し干渉除去や波形等化(波形等価回路27)を行い、送信されたデータに復調(デマッピング回路28)、復号(復号化回路29)する。なお、以上の操作では、周波数/位相同期、サンプリング周波数同期、タイミング同期、クロック変換などの各種同期ならびにその回路については説明を省略したが、実際の回路には組み込まれている。
次に、本発明に係るパイロットキャリアの多重と分離、伝搬路推定と復調に関わる部分について説明する。
図4は、図3に図示の送信装置におけるフレーム構成回路を本発明に適用した場合の回路構成を示すブロック図である。本実施形態におけるフレ一ム構成回路は、信号をMIMO伝搬路において送信アンテナ毎に分離可能とするために図1に示すパイロット配置方法を実現するとともに、配置された各キャリアをIFFT回路へ受け渡す機能を有する。
同図において、このフレーム構成回路は、直交符号化パイロットキャリア生成回路40、フレーム構成パターンメモリ50並びに伝送フレーム多重回路60により構成される。さらに、直交符号化パイロットキャリア生成回路40は、パイロットキャリア生成部41、直交符号生成部42、直交符号化用位相変調回路43を備え、伝送フレーム多重回路60は、スイッチ61とスイッチ制御部62とを備えている。
上記直交符号化パイロットキャリア生成回路40は、図1に示す伝送フレーム構成におけるビット長Wで送信アンテナ毎に固有の直交符号を反映したパイロットキャリアの伝送シンボル毎の位相変化を与える。
パイロットキャリア生成部41は、送受信装置の間で既知となるパイロットキャリアの1伝送シンボル分の組(パイロットキャリアの本数が108本ならば、108個の既知情報の組み合わせ)を1伝送シンボル時間の間に生成する。ここで、上記送受信装置がARIB規格STD−B33に従うとすると、予め規定された初期値の下、生成多項式g(x)=x11+x+1により、パイロットキャリアパターンが生成される。そして、同部41では、擬似ランダム系列の出力ビットをBPSK変調して割り当てる。このような操作を行うことにより、パイロットキャリアは送受信装置間で既知となる。
また、パイロットキャリア生成部41は、既知のパターンを有することから、予めパターンメモリに記憶させておき、所定の読み出し速度で繰り返し読み出すようにしてもよい。
直交符号生成部42は、送信アンテナ毎に固有に割り当てられる直交符号を生成する回路である。例えば、図1の伝送フレーム構成の実施例に対応させるとすると、ビット長Wが4の直交符号{1,−1,−1,1}が、付属するパターンメモリに予め記憶させてあり、その符号列に従って伝送シンボル毎に変化させて、4伝送シンボルで1周期となるように繰り返し出力される。この場合には、送信アンテナの数m_tは4以下の整数である。
また、直交符号生成部42は、予めパターンメモリに記憶させてある既知のパターンを有することから、そのメモリに記憶された内容を所定の読み出し速度で繰り返し読み出すようにしてもよい。
直交符号化用位相変調回路43は、パイロットキャリア生成部41により出力されるパイロットキャリアを直交符号生成部42から出力される直交符号により伝送シンボル単位で位相変調する回路である。ここで、送受信装置間で既知とされるパイロットキャリアを、図1の伝送フレーム構成の実施例にあるように、送受信装置間で既知とされる直交符号に従って伝送シンボル毎に反転または非反転させる。
以上の説明では、直交符号化パイロットキャリア生成回路40をパイロットキャリア生成部41、直交符号生成部42、及び直交符号化用位相変調回路43の組み合わせによる構成としたが、W個の伝送シンボル単位で同じパイロットキャリアの組み合わせを繰り返し送信することから、上記の直交符号化したパイロットキャリアのパターンをパターンメモリ上に記憶しておいて読み出す構成としてもよい。この具体的な方法としては、W伝送シンボル分パイロットキャリアを記憶して有するものと、反転と非反転の2組のパイロットキャリアパターンとその各組を出力するW伝送シンボル分の順番を記憶して有するものが想定される。前者は、単純に、パターンを読み出せばよいので構成が簡単であるメリットがあり、後者は、別途制御回路が必要となるが、メモリ量を少なくできるメリットがある。
なお、直交符号のビット長Wは、図1に示す伝送フレームシンボル数Lの約数とすれば好適であるが、直交符号のビット長Wの連なりが途中で切れることなく繰り返されるのであれば、複数の伝送フレームにわたって配置される場合があっても構わない。
フレーム構成パターンメモリ50は、データキャリア、パイロットキャリア、TMCCキャリア、並びにACキャリアの配置が予め記憶され格納されている記憶素子あるいは回路である。
伝送フレーム多重回路60は、フレーム構成パターンメモリ50に格納されている内容に従って、データキャリア、パイロットキャリア、TMCCキャリア、及びACキャリアを予め決められたキャリア配置位置に挿入する。
スイッチ制御部62は、フレーム構成パターンメモリに格納されている内容に従って、データキャリア、パイロットキャリア、TMCCキャリア、及びACキャリアといった入力信号を切り替えるための制御信号を発生する回路である。
スイッチ61は、上記スイッチ制御部の出力する制御信号を受けて入力信号を切り替え、データキャリア、パイロットキャリア、TMCCキャリア、及びACキャリアを予め決められたキャリア配置位置に挿入し、所望の伝送フレームを構成する。伝送フレーム多重回路の出力は、IFFT回路へ送られる。
なお、上記した伝送フレーム多重回路60は、従来技術を適用することが可能であるが、同様な機能を有すれば、その他の構成例であってもよい。例えば、バッファメモリやレジスタなどの一時記憶回路に、フレーム構成パターンメモリ50に格納されている内容に従ってアドレス割当てして、データキャリア、パイロットキャリア、TMCCキャリア、及びACキャリアを順次配置し、並直列回路を経てあるいはそのままIFFT回路へ向けて伝送シンボルの周期で出力する構成例が考えられる。
また、バッファメモリなどの一時記憶回路及び直並列回路、並びに並直列回路を組み合わせて、フレーム構成パターンメモリ50に格納されている内容に従って接続し、データキャリア、パイロットキャリア、TMCCキャリア、及びACキャリアを多重する構成例も考えられる。
上述した本実施形態におけるフレーム構成回路の構成例では、個々のハードウェアの構成例を示し、各ブロックの動作を説明したが、このフレーム構成回路を含む送信装置の各機能(アナログ回路で構成される部分を除く。除外される回路には、送信アンテナ、周波数変換回路、デジタル−アナログ変換回路などがある)をソフトウェアとして実現するプログラムとしてもよい。例えば、コンピュータやデジタルシグナルプロセッサによるソフトウェア構成やFPGA(Field Programmable Gate Array)などプログラマブルロジックにより動作する回路として実現することが可能である。
次に、図5から図12を用いて、受信装置における伝搬路応答処理回路について説明する。上記伝搬路応答処理回路は、図3に図示の受信装置内の伝搬路応答推定回路に相当する。この伝搬路応答処理回路は、受信アンテナ毎(m_r式)に存在し、m_t本の送信アンテナ各々に対するキャリア本数(K本)分の伝搬路応答h_ij(複素数、i:受信アンテナの番号(i=1,2,・・・,m_r),j:送信アンテナの番号(j=1,2,・・・,m_t))を出力する。なお、伝搬路応答処理回路の出力は、後段の復調処理回路へ入力され、データキャリアの復調に利用される。
最初に、伝搬路応答処理回路の第1実施例を、図5を用いて説明する。
同図において、FFT回路の出力からフレーム分離回路100に入力された受信信号は、ここで、データ抽出部101及びパイロット抽出部102を経てデータキャリア及びパイロットキャリアが各々分離出力される。このうち、パイロットキャリアを処理して、伝搬路応答を出力するものが、伝搬路応答処理回路110である。なお、フレーム分離回路100の出力には、TMCCキャリアやACキャリアなどもあるが、説明の都合上省略している。
図5に示す伝搬路応答処理回路110は、既知パイロット発生部111、複素除算回路112及びキャリア内挿回路113といった波形等化処理を行う部分と、MIMO伝搬路を分離するために付加されたm_t式の既知直交符号生成部114〜114m_t、m_t式の直交復号化用位相変調回路115〜115m_t及びm_t式の平均化演算回路116〜116m_tにより構成される。
図中、既知パイロット発生部111及び既知直交符号生成部114〜114m_tは、送信装置の直交符号化パイロットキャリア生成回路40(図3参照)におけるパイロットキャリア生成部41及び直交符号生成部42(図3参照)と各々同等のものである。
既知パイロット生成部111は、送信装置で発生させるものと対の関係となっている送受信装置の間で既知となるパイロットキャリアの1伝送シンボル分の組(パイロットキャリアの本数が108本ならば、108個の既知情報の組み合わせ)を1伝送シンボル時間の間に生成する。送信装置の場合と同様に、ARIB規格のSTD−B33に従うとすると、パイロットキャリアのパターンとして、予め規定された初期値の下、生成多項式g(x)=x11+x+1で生成される擬似ランダム系列の出力ビットをBPSK変調して割り当てる。
上記した既知パイロットキャリア生成部111は、既知のパターンを有することから、予めパターンメモリに記憶させておき、所定の読み出し速度で繰り返し読み出すように構成してもよい。
一方、既知直交符号生成部114〜114m_tは、各送信アンテナに固有に割り当てられる直交符号を生成する。受信装置では、送信アンテナの個数分、つまり、m_t式のこの回路を有し、各々が該当する直交符号を各々に付属するパターンメモリに予め記憶している。
各既知直交符号生成部114〜114m_tは、その所有する符号列に従って出力を伝送シンボル毎に変化させて、W個の伝送シンボルで1周期となるように繰り返し出力する(図1に示す伝送フレーム構成の場合には、W=4)。また、既知直交符号生成部114〜114m_tは、予めパターンメモリに記憶させてある既知のパターンを有することから、所定の読み出し速度で繰り返し読み出すようにしてもよい。
複素除算回路112は、パイロットキャリア情報及びFFT回路出力並びに伝搬路応答出力がそれぞれ複素数であることに対応し、FFT回路出力から抜き出された受信パイロットキャリアPrを、送信したものと同一の既知のパイロットキャリアPtで複素除算(規格化、Pr/Pt)することにより、伝搬路を経てのパイロットキャリアの変化分を算出する回路である。つまり、この計算を全パイロットキャリアに適用することにより、各パイロットキャリア位置での伝搬路応答を求めることになる。
キャリア内挿回路113は、複素除算回路112において算出された各パイロットキャリア位置での伝搬路応答を基に、各パイロットキャリアの間にあるデータキャリア位置での伝搬路応答を補間(内挿)により算出する回路である。この内挿処理には、例えば、FIRローパスフィルタが用いられる。そして、キャリア内挿回路113を経て、OFDM信号全キャリアに対応する伝搬路応答が算出される。
なお、キャリア内挿回路113出力時点では、各伝搬路応答は、全送信アンテナからの全ての伝搬路の特性を反映し、かつ各送信アンテナに対応する直交符号化が施された状態で混合されたものとなっている。そこで、それに続く直交復号化用位相変調回路115〜115m_tは、該当する送信アンテナからの伝搬路応答を求めるために、復号したい直交符号、つまり、該当する送信アンテナに各々対応する既知直交符号生成部114〜114m_tから出力される直交符号の符号列を用いて伝送シンボル毎に再度位相変調する。これにより、キャリア内挿回路113により出力される全キャリア分の伝搬路応答のうち復号したい送信アンテナからの伝搬路応答のみが復号され、図1に示す伝送フレーム構成の事例のような伝送シンボル毎に反転または非反転された状態から図17のような元のパイロットキャリアの位相状態に戻される。なお、それ以外の送信アンテナからの伝搬路応答は、ビット長Wの間、加算平均がとられ0に保たれるよう動作する。
平均化演算回路116〜116m_tは、直交復号化用位相変調回路115〜115m_tから出力された各キャリア位置における直交復号化された伝搬路応答を、直交符号のビット長Wに対応するOFDM信号の伝送シンボルW個分平均化する。これにより、特定の伝搬路、つまり、復号したい送信アンテナからの伝搬路の周波数応答を分離抽出する。
各受信装置においては、上記した伝搬路応答をm_t組並列計算し、全送信アンテナに対応する推定値を算出する。
なお、キャリア内挿回路を直交復号処理の前に配置する場合、上記説明では、全キャリア分の伝搬路応答に対し、直交復号処理を行っているが、データキャリア位置のみを対象とするもので足りる。
次に、伝搬路応答処理回路で使用される平均化演算回路について説明する。図6から図8は、平均化演算回路の第1実施例〜第3実施例の構成を示すブロック図である。図6〜図8に示す平均化演算回路は、図2で示した伝送シンボルによるフェージングのサンプリングと平均化の影響との対応関係により、使い分けられる。
図6は、比較的緩やかな変化をする伝搬路に対して適用される平均化演算回路の第1実施例の構成を示すブロック図である。同図に示すように、この平均化演算回路は、直交復号化用位相変調回路115〜115m_tからの出力信号を、直並列変換回路(S/P)151により、送信装置で適用した直交符号のビット長Wに対応するW出力で直並列変換を行い、並列化したW系列の各伝送シンボル(シンボル時間は、元の「OFDM伝送シンボル」のW倍)を加算回路152により加算して1系列の信号とし、除算回路153によりWで割る操作を行う。なお、Wで割る除算回路153は、利得1/Wの増幅器でよい。この結果、W個のOFDM伝送シンボル毎に、送信アンテナと受信アンテナが特定された各キャリア位置の伝搬路応答の平均値が算出される。これは、図2(c)で示したフェージングのサンプリングに相当するため、比較的緩やかな伝搬路の変化にのみ対応する。
上記のようにしてOFDM伝送シンボルのW個毎に計算された伝搬路応答は、シンボル内挿回路154により全伝送シンボルに内挿される。シンボル内挿手段としては、0次内挿、直線補間、FIRローパスフィルタの3種類が適宜利用される。本実施形態では、緩やかな伝搬路の変化を対象とするため、回路構成の簡略化を考慮すると、0次内挿か直線補間のどちらかを主に利用する。重み付け回路155は、平均化によるサンプリングの劣化を補償するために、周波数特性による利得調整を行う回路であるが、本実施形態の場合には、省略されることが多い。なお、平均化演算回路の出力は、伝搬路応答処理回路の出力となる。
図7は、平均化演算回路の第2実施例の構成を示すブロック図である。本実施形態における平均化演算回路は、より回路を簡略化することをねらって、図5に示した既知直交符号生成部114〜114m_tと直交復号化用位相変調回路115〜115m_tを組み込んだ整合フィルタ回路161を適用している。
同図に示すように、この平均化演算回路では、キャリア内挿回路からの出力信号は、直交復号化用位相変調回路を経ることなく、直接この回路に入力される。図6と同様に、S/P162で直並列化された信号は、直交符号パターンメモリ163に格納され、並列化されたW系列の各伝送シンボルに各々該当する直交符号により反転または非反転の変換を施された後、加算回路164により出力される。この結果、図5において既知直交符号生成部114〜114m_tと直交復号化用位相変調回路115〜115m_tと平均化演算回路116〜116m_tの3回路で構成された機能が、平均化演算回路1つで実現できる。
なお、除算回路165、シンボル内挿回路166及び重み付け回路167の動作は、図6に示したものにおける動作と同様であるため、その説明は省略する。
図8は、平均化演算回路の第3実施例の構成を示すブロック図である。本実施形態における平均化演算回路は、高速フェージング環境においても、伝搬路応答がその変化に追随することを意識した構成となっている。これは、図2(d)で示したフェージングのサンプリングに相当する。
同図に示すように、本実施形態における平均化演算回路では、OFDM伝送シンボルW個分のスライド平均を得るために、図6において直並列回路とした部分に(W−1)個のシンボル遅延回路172〜172W−1を利用している。これにより、各OFDM伝送シンボルにおいて、最大シンボル差(W−1),W系列の伝搬路応答信号が加算回路173に入力され、図2(d)で示したような応答で、伝搬路応答の平均化出力が得られる。なお、本実施形態の場合には、シンボル内挿回路は不要である。
また、除算回路174及び重み付け回路175の動作は、図6に示した除算回路153及び重み付け回路155の動作と基本的に同様であるが、図8の平均化演算回路では、重み付け回路175の動作は重要である。すなわち、より高速なフェージングを反映した伝搬路応答を求めるためには、実際の周波数応答を正確に再現するように、劣化する高周波数域の特性を持ち上げたり、変化する伝搬路応答により不十分となる伝搬路応答の分離特性(上記(4)または(7)式の右辺を得るためには加算平均を行うWシンボル内で、伝搬路応答がほぼ一定となる必要がある)を補償したりする必要がある。
かかる必要性から、実際にはOFDM伝送シンボルの3個毎の変化量を基準に利得を変化させるアルゴリズムを組み込んだ回路や、この3個毎の伝送シンボルで平均化演算を行う追加のスライド平均化演算回路、あるいはその両方を組み合わせた回路が用いられる。
図9から図12は、図5に示した伝搬路応答処理回路の変形例を示す構成図である。以下、伝搬路応答処理回路の変形例を順次説明するが、図5に示した同一の構成(フレーム分離回路100)には、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
図9は、図6で示した伝搬路応答処理回路の構成において、キャリア内挿回路を最終段に移して接続した第1変形例の構成を示す図である。本実施形態では、キャリア内挿回路216〜216m_tは、m_t式必要となるが、ここまでの処理はパイロットキャリアにのみ適用されるので、このキャリア内挿回路216〜216m_tが実質的にFIRフィルタであることを考慮すると、複雑な信号処理を行う並列数を減らすことが可能となる。
本実施形態の場合、図6から図8に示す平均化演算回路は、その出力がキャリア内挿回路に接続されることを除いて、図5の場合と同様に利用できる。なお、図7の平均化演算回路への入力には、複素除算回路の出力が接続される。
また、本実施形態の伝搬路応答処理回路のように、キャリア内挿回路216〜216m_tを平均化演算回路215〜215m_tの後段に接続する場合には、図7の平均化演算回路における直交符号パターンメモリ163に格納される内容を既知パイロットキャリアの逆数に直交符号を掛け合わせたパターンとすることにより、既知パイロット発生部211と複素除算回路212を省略することも可能である。
図10は、図9の伝搬路応答処理回路の構成から直交復号化用位相変調回路213〜213m_tを省略し、直交符号化既知パイロット生成回路230を組み込んだ伝搬路応答処理回路の第2変形例の構成を示す図である。本実施形態における伝搬路応答処理回路では、既知パイロット発生部221と既知直交符号生成部223〜223m_tとを直交符号化既知パイロット生成回路230内に移動し、直交符号化用位相変調回路222〜222m_tにより、各送信アンテナから送信されるものと同じ直交符号化された既知のパイロットキャリアを再生するものが、直交符号化既知パイロット生成回路230である。
本実施形態の場合、フレーム分離回路100のパイロット抽出部102からの出力Prに対し、複素除算回路224〜224m_tにおいて、各パイロットキャリア位置における直交符号化既知パイロット生成回路230からの出力Pt’を用いて伝送シンボル毎に複素除算を行うことにより、伝搬路応答の算出と直交復号化の処理を同時に行う。
また、要求される伝搬路応答の変動速度に応じて図6と図8の平均化演算回路を選択的に適用する。この場合、平均化演算回路の入力は複素除算回路224〜224m_tの出力であり、平均化演算回路の出力はキャリア内挿回路226〜226m_tに送られる。キャリア内挿回路226〜226m_tの動作は、他の実施例と同じであるので、その説明は省略する。
なお、本実施形態における伝搬路応答処理回路内の直交符号化既知パイロット生成回路230をパターンメモリとその内容を読み出す構成とすることで、回路構成を簡略化できる。
図11は、図9の伝搬路応答処理回路の構成において、直交復号化用位相変調回路251〜251m_tを入力段に移動した第3変形例の構成を示す図である。本実施形態では、複素除算回路253〜253m_tがm_t式となっている。本実施形態の場合、要求される伝搬路応答の変動速度に応じて図6と図8の平均化演算回路が選択的に適用される。また、複素除算回路253〜253m_tの出力を入力して、キャリア内挿回路256〜256m_tに出力する。
本実施形態において、図7に示す平均化演算回路が適用される場合には、その直交符号パターンメモリ163(図7参照)に格納される内容を既知パイロットキャリアの逆数に直交符号を掛け合わせたパターンとする実施例を適用すればよい。その場合には、直交復号化用位相変調回路251〜251m_tと複素除算回路253〜253m_tが省略されるので、当該平均化演算回路は、フレーム分離回路100のパイロット抽出部102出力に直接接続される。
図12は、図11の伝搬路応答処理回路の構成において、平均化演算回路と複素除算回
路の順番を交換した第4変形例の構成を示す図である。同図に示されるように、本実施形態では、複素除算の前に平均化演算を行うことで、雑音の影響を小さくし、ダイナミックレンジを改善した状態で複素除算が行われる。
本実施形態の場合、図6から図8の平均化演算回路は、図9の伝搬路応答処理回路の場合と同様に利用できる。ただし、図7の平均化演算回路の入力はフレーム分離回路のパイロット抽出部出力に直接接続され、図6から図8の平均化演算回路の出力は複素除算回路に接続される。
なお、上記の実施例の伝搬路応答処理回路において、送信アンテナから送信されるパイロットキャリアの取扱いおよび伝搬路応答の伝達関数の分離は、次のようになっている。まず、図5及び図9から図11に記載の伝搬路応答処理回路では、複素除算回路を平均化演算回路の前においている。これは、直交復号の前段で送信したパイロットキャリアにより規格化を行う伝送シンボル毎に全送信アンテナのパイロットキャリアを同じとする上記(5)式から(7)式の操作を用いている。
一方、図12に記載の伝搬路応答処理回路では、複素除算回路を平均化演算回路の後段に置いている。こちらは、送信アンテナ毎には異なってもよいが、伝送シンボルに対しては同一のパイロットキャリアを用いる上記(3)式から(4)式の操作を用いている。なお、全送信アンテナ、全伝送シンボルにわたり、同一のパイロットキャリアを用いる場合には、図5及び図9から図12に記載のいずれの伝搬路応答処理回路を適用してもかまわない。
これまで説明した伝搬路応答処理回路の実施例では、個々のハードウェアの構成で機能を実現する態様を例示したが、上記伝搬路応答処理回路を含む受信装置の各機能(アナログ回路で構成される部分を除く。なお、除外される回路には、受信アンテナ、周波数変換回路、アナログ−デジタル変換回路などがある)をソフトウェアとして実現するプログラムとしてもよい。例えば、コンピュータやデジタルシグナルプロセッサによるソフトウェア構成やFPGAなどプログラマブルロジックにより動作する回路として実現することが可能である。
次に、本実施形態における受信装置において、伝搬路応答の推定処理を利用して、データキャリアの復調処理を行う動作を説明する。
図13及び図14は、各キャリア位置における各送信アンテナからのデータキャリアの復調処理として、推定した各キャリアの伝搬路応答を用いて、逆行列による干渉除去を行って復調するための構成と、受信信号のレプリカを算出して最も受信信号と似ている信号を送信した信号と判定する手法(最尤推定)による復調を行うための構成を、各々実施例としている。
まず、図13に示す実施例を説明する。図13は、本実施形態における受信装置に適用されるMIMO用干渉除去回路の構成を示すブロック図である。ここで、m_t本の送信アンテナから異なるOFDM信号が同時に伝送される場合を想定すると、受信装置は、m_r(m_rはm_t以上の整数)本の受信アンテナと、その受信アンテナにより受信した信号を処理するm_r式の図3に示す各回路を備え、かつこれまで図5及び図9から図12を用いて説明してきた伝搬路応答処理回路のいずれかをm_r式備える。
本実施形態におけるMIMO用干渉除去回路では、m_r式のFFT回路から出力される周波数軸上にマッピングされた各OFDM信号(1OFDM信号当りK本のキャリアが多重されているとする)から、m_r式のフレーム分離回路301〜301m_rにより、各々P本のパイロットキャリアがパイロット抽出部303(代表)より、各々(K−P)本のデータキャリア(TMCCキャリア及びACキャリアなどの制御情報もこの中に含まれる)が、データ抽出部302(代表)より出力される。このうち、パイロットキャリアは、これまで述べてきた伝搬路応答処理回路311〜311m_rにおいて、各伝搬路応答処理回路311〜311m_rの入力でP本のパイロットキャリアから、全キャリア位置(K本)におけるm_t組の各送信アンテナと各受信アンテナを結ぶ各伝搬路の周波数応答の推定値として出力される。この出力h_ij〔k〕(複素数,i:受信アンテナの番号(i=1,2,・・・,m_r),j:送信アンテナの番号(j=1,2,・・・,m_t),k:キャリア番号)を行列化回路312で行列化すると、各キャリア位置においてm_r×m_tの次元を有する伝搬路応答の推定値行列Hが得られる。
なお、ここでは、伝搬路応答の推定値行列Hをm_r×m_tの次元を有し、h_ij〔k〕を成分とするとしたが、これは、送信信号ベクトルをTとしたとき、受信信号ベクトルDが(雑音がない場合)行列積HTに等しいことを背景としている。この転置の行列Hを用いても、Dは行列積(T
を用いて表せることから、h_ij〔k〕ではなく、h_ji〔k〕としてm_t×m_rの次元の伝搬路行列を求めて処理を行っても、結果は同じになる。
一方、データキャリアDr_j〔k〕は、ベクトル化回路321でベクトル化することにより、各キャリア位置においてm_r次元のベクトルDとなる。この時点では、Dは全送信アンテナから送信された信号が、各伝搬路における応答を受けて混信した状態の信号となっている。
そこで、本実施形態では、Dから干渉を除いて元のm_t組の送信信号を再現するために、逆行列演算回路313において伝搬路応答Hの逆行列H−1を算出して、複素行列乗算回路323においてデータベクトルDとの複素行列積を求めている。
なお、遅延時間調整回路322は、伝搬路応答の推定結果を得るのに要する遅延時間をデータ側に付加して、復調すべきデータと伝搬路応答が正しく対応するように調整する回路である。上述した復調処理の結果、キャリア毎にm_t式の復調データが出力され、m_t式のデマッピング回路へ送られる。
続いて、図14に示す実施例を説明する。図14は、本実施形態における受信装置に適用されるMIMO用最尤推定復調回路の構成を示すブロック図である。
本実施形態におけるMIMO用最尤推定復調回路と、上記した図13のMIMO用干渉除去回路との違いは、受信アンテナ数m_rの値が必ずしもm_t以上である必要がないことと、逆行列演算回路の代わりに、送信データキャリア組み合わせパターンメモリ及びレプリカ演算回路が、複素行列乗算回路の代わりに、最尤推定回路が用いられている点である。
本実施形態では、送信データキャリア組み合わせパターンメモリ430は、多値数Mのデータキャリアの場合、Mのm_t乗の送信データキャリアの組み合わせパターンを記憶している。レプリカ演算回路413は、伝搬路応答行列Hと送信データキャリア組み合わせパターンメモリ430に格納されている全てのパターンの送信データキャリアRとの複素行列積(HR)を計算し、その結果を最尤推定回路423に送る。最尤推定回路423では、伝搬路応答を反映してレプリカ演算回路413から出力された全パターンの受信予定データDxと実際に受信したデータDとを比較して、最も近い結果となるレプリカを送信されたデータと判定する。その後、その送信データキャリア組み合わせパターンメモリ430上でのアドレスまたはインデックスを出力し、該当する送信データキャリアの組み合わせを送信データキャリア組み合わせパターンメモリ430から読み出して後段のデマッピング回路へ出力する。
以上の操作を行うことで、本実施形態におけるMIMO用最尤推定復調回路は、m_t本の送信アンテナからm_r本の受信アンテナヘm_t式のOFDM信号を送信するMIMO伝搬による伝送を実現することが可能である。
これまで説明してきたように、本実施形態によれば、復調基準となる既知のパイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置し、かつ上記パイロットキャリアに対し送信アンテナ毎に異なる直交符号を割り当て、OFDM信号の伝送フレームを構成し、データ伝送を行うことで、高い周波数帯の電波を用いて高速で移動するなど伝搬路の環境が高速に変動するような場合であっても、MIMO伝搬を構成する複数の送信アンテナと複数の受信アンテナとの間の伝搬路の応答に追随する速さで、各々伝搬路推定することが可能となる。
これにより、UHF帯のような低い周波数帯だけでなく、移動によるドップラー周波数やフェージング変動速度が大きいマイクロ波帯やミリ波帯のような電波を用いてのより広帯域なMIMO−OFDM伝送方式による無線伝送が可能となる。その結果、ダイバーシティ効果の改善に加えて、より飛躍的な周波数利用効率の向上に寄与することができる。
また、本実施形態によれば、復調のための平均化演算により雑音の影響を減らすことができるので、雑音成分を抑圧した高精度の伝搬路推定を実現することが可能である。
上記の如く、本実施形態では、伝搬路を認識するために、送信アンテナ毎に異なる直交符号を割り当てる。このことは、受信側で各送信端末を認識することをも意味する。すなわち、分散して存在する送信端末とそこから送信される情報を受信側で区別できることも意味し、マルチユーザのシステムにおけるユーザの認識など別の応用も期待できる。
本発明のOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法が適用される伝送フレームの構成例を示す図である。 フェージングによる受信電力の変化と伝送シンボルによるサンプリングの関係を模式的に表した図である。 OFDM伝送方式に使用する送受信装置の基本構成を示す図である。 図3に図示の送信装置におけるフレーム構成回路を本発明に適用した場合の回路構成を示すブロック図である。 伝搬路応答処理回路の第1実施例の構成を示す図である。 平均化演算回路の第1実施例の構成を示すブロック図である。 平均化演算回路の第2実施例の構成を示すブロック図である。 平均化演算回路の第3実施例の構成を示すブロック図である。 伝搬路応答処理回路の第1変形例の構成を示す図である。 伝搬路応答処理回路の第2変形例の構成を示す図である。 伝搬路応答処理回路の第3変形例の構成を示す図である。 伝搬路応答処理回路の第4変形例の構成を示す図である。 本実施形態における受信装置に適用されるMIMO用干渉除去回路の構成を示すブロック図である。 本実施形態における受信装置に適用されるMIMO用最尤推定復調回路の構成を示すブロック図である。 MIMO通信システムの一例を示す図である。 従来のパイロット信号多重例を示す図である。 OFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法が適用される従来の伝送フレームの構成例を示す図である。
符号の説明
10 送信装置
11 符号化回路
12 マッピング回路
13 フレーム構成回路
14 IFFT回路
15 GI付加回路
16、22 周波数変換回路
17 送信アンテナ
20 受信装置
21 受信アンテナ
23 GI除去回路
24 FFT回路
25、100、301〜301m_r、401〜401m_r フレーム分離回路
26 伝搬路応答推定回路
27 波形等化回路
28 デマッピング回路
29 復号化回路
40 直交符号化パイロットキャリア生成回路
41 パイロットキャリア生成部
42 直交符号生成部
43 直交符号化用位相変調回路
50 パターン構成パターンメモリ
60 伝送フレーム多重回路
61 スイッチ
62 スイッチ制御部
101、302、402 データ抽出部
102、303、403 パイロット抽出部
110、210、220、250、270、311〜311m_r、411〜411m_r 伝搬路応答処理回路
111、211、221、254、275 既知パイロット発生部
112、212、224〜224m_t、253〜253m_t、274〜274m_t 複素除算回路
113、216〜216m_t、226〜226m_t、256〜256m_t、276〜276m_t キャリア内挿回路
114〜114m_t、214〜214m_t、223〜223m_t、252〜252m_t、272〜272m_t 既知直交符号生成部
115〜115m_t、213〜213m_t、222〜222m_t、251〜251m_t、271〜271m_t 直交復号化用位相変調回路
116〜116m_t、215〜215m_t、225〜225m_t、255〜255m_t、273〜273m_t 平均化演算回路
151、162 直並列変換回路(S/P)
152、164、173 加算回路
153、165、174 除算回路
154、166 シンボル内挿回路
155、167、175 重み付け回路
161 整合フィルタ回路
163 直交符号パターンメモリ
171 スライディング平均演算回路
172〜172W−1 シンボル遅延回路
312、412 行列化回路
313 逆行列演算回路
321、421 ベクトル化回路
322、422 遅延時間調整回路
323 複素行列乗算回路
413 レプリカ演算回路
423 最尤推定判定回路
430 送信データキャリア組み合わせパターンメモリ
1000 MIMO通信用伝送システム
1001〜1001m_t 送信アンテナ
1002〜1002m_t 送信ユニット
1010 符号化ユニット(またはS/Pユニット)
1101〜1101m_r 受信アンテナ
1102〜1102m_r 受信ユニット
1110 復号化ユニット

Claims (6)

  1. 複数のアンテナが送信側と、受信側に設けられ、無線によりデータの送受信が行われる多入力多出力伝搬環境下において、復調基準となる既知のパイロットキャリアが周期的に挿入されたOFDM信号を伝送するOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法であって、
    前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップと、
    前記複数の送信アンテナの数をm_tとし、m_t以上の整数をWと定義して、シンボル数W毎の時間連続する伝送シンボルに対して、該複数の送信アンテナの各系統から送信される前記パイロットキャリアを識別するビット長Wの直交符号を割り当て、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップと、
    を備えることを特徴とするOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法。
  2. 複数のアンテナが送信側と、受信側に設けられ、無線によりデータの送受信が行われる多入力多出力伝搬環境下において、復調基準となる既知のパイロットキャリアが周期的に挿入されたOFDM信号を伝送するOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法であって、
    前記パイロットキャリアに既知の復調基準として送信アンテナ毎に異なる符号系列を割り当てるステップと、
    前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップと、
    前記複数の送信アンテナの数をm_tとし、m_t以上の整数をWと定義して、シンボル数W毎の時間連続する伝送シンボルに対して、該複数の送信アンテナの各系統から送信される前記パイロットキャリアを識別するビット長Wの直交符号を割り当てて、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップと、
    を備えることを特徴とするOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法。
  3. 複数のアンテナが送信側と、受信側に設けられ、無線によりデータの送受信が行われる多入力多出力伝搬環境下において、復調基準となる既知のパイロットキャリアが周期的に挿入されたOFDM信号を伝送するOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法であって、
    前記パイロットキャリアに既知の復調基準として2種類以上の符号系列から1伝送シンボル分単位に切り替えて割り当てるステップと、
    前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップと、
    前記複数の送信アンテナの数をm_tとし、m_t以上の整数をWと定義して、シンボル数W毎の時間連続する伝送シンボルに対して、該複数の送信アンテナの各系統から送信される前記パイロットキャリアを識別するビット長Wの直交符号を割り当て、前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップと、
    を備えることを特徴とするOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法。
  4. 前記パイロットキャリアを周波数軸上に所定間隔で配置するとともに時間軸上に連続して配置するステップは、伝送するキャリア数をK、伝送シンボルの有効シンボル長をTe、ガードインターバル長をTg、ガードインターバル長と有効シンボル長の比であるガードインターバル比をR=Tg/Teとし、ガードインターバル比の逆数1/R以下の任意の整数をQとすると、前記キャリア数Kの値がQの倍数+1となることを条件に、復調基準となる前記パイロットキャリアを周波数軸上の端となるキャリアからQ本ごとに所定間隔で配置し、かつ時間軸方向には連続で配置することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のOFDM伝送方式におけるキャリアの配置方法。
  5. 前記複数の送信アンテナ数m_tを2、及び前記ビット長Wを2とし、
    前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップは、前記直交符号を{1,1}及び{1,−1}とし、前記伝送シンボルに対し前記直交符号が各々割り当たるようにOFDM信号の伝送シンボル毎に前記パイロットキャリアを変調することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のキャリアの配置方法。
  6. 前記複数の送信アンテナ数m_tを4、及び前記ビット長Wを4とし、
    前記直交符号を前記パイロットキャリアに乗算するステップは、前記直交符号を{1,1,1,1}及び{1,−1,1,−1}及び{1,−1,−1,1}及び{1,1,−1,−1}とし、前記伝送シンボルに対し前記直交符号が各々割り当たるようにOFDM信号の伝送シンボル毎に前記パイロットキャリアを変調することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のキャリアの配置方法。
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