JP2009037509A - 車両の設計支援システム、方法、及びプログラム - Google Patents

車両の設計支援システム、方法、及びプログラム Download PDF

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正則 小平
Teruhisa Yamamoto
照久 山本
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亮 伏見
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Abstract

【課題】コンピュータを用いて、入力された諸元値に基づいて他の関連する諸元値を算出する場合に、設計効率を向上させることができる設計支援システム、方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】設計支援システムは、車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造を記憶し、この階層構造における上位階層から順に、同一階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値について、ユーザによる入力を実行可能とし、入力された前記所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元の値を算出し、入力された諸元値及び算出された関連諸元値を記憶する。
【選択図】図10

Description

本発明は、コンピュータにより車両の設計を支援するシステム、方法、及びコンピュータに設計支援機能を実現させるプログラムに関し、コンピュータを用いた設計支援の技術分野に属する。
車両の設計においては、予め設定された基本コンセプトにしたがって、車体形状や、部品の位置・形状等の多数の諸元を決定していく作業が行われる。これらの諸元は、互いに関連しており、ある一つの諸元を変更すると、これに関連する他の諸元も見直さなければならないという関係にあるが、設計を確定させるまでには通常種々の要因により何度も諸元の変更が発生するので、設計者にとっては関連する他の諸元の見直しが大きな負担となっていた。
そこで、コンピュータを用いて車両の設計を行うことが考えられ、例えば、特許文献1には、コンピュータの記憶装置に部品の位置・形状情報を記憶させておき、入力装置から設計対象の第1、第2部品を入力すると、記憶装置からこれらの部品に関する位置・形状情報を読み出し、これらの情報に基づいて当該部品間の距離を自動的に算出するものが開示されている。
特開2006−53631号公報
ところで、入力装置から例えば乗員のヒップポイント位置、ヒール位置、ヘッド位置等の入力諸元値を入力すると、所定の算出式にしたがって車両のルーフ高やトルソー角等の多数の関連諸元値を自動的に算出可能な設計支援システムを構築することが考えられる。
しかし、このような設計支援システムにおいては以下のような問題が考えられる。すなわち、車両の形状等の設計においては、満足の得られる形状が得られるまで入力諸元値を繰り返し変更することとなるが、このとき、この入力諸元値に基づいて算出される関連諸元値も自動的に変更されることとなる。したがって、入力諸元値を変更した場合、関連諸元値の適否についても確認を行う必要が生じるが、前述のように関連諸元は多数存在しているので、変更した入力諸元値に関連する関連諸元値がどれかを設計者が十分に把握できていない場合、全ての関連諸元値について適否を確認することとなる。
そこで、本発明は、コンピュータを用いて、入力された諸元値に基づいて他の関連する諸元値を算出する場合に、設計効率を向上させることができる設計支援システム、方法、及びプログラムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するために、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車両の設計を支援する車両設計支援システムであって、車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造を記憶する階層構造記憶手段と、該階層構造記憶手段で記憶されている階層構造における上位階層から順に、同一階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値について、ユーザによる入力を実行可能とする入力手段と、該入力手段で入力された前記所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元の値を算出する関連諸元値算出手段と、前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値を記憶する諸元値記憶手段とを有していることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記階層構造記憶手段は、前記車両に関する複数の諸元についての階層構造を複数タイプ記憶していると共に、これらの階層構造の中から一の階層構造を選択する階層構造選択手段が備えられており、前記入力手段は、該階層構造選択手段で選択された階層構造にしたがってユーザによる諸元の値の入力を実行可能とし、前記関連諸元値算出手段は、該階層構造選択手段で選択された階層構造にしたがって関連諸元値を算出することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記諸元の値についての許容範囲を記憶する許容範囲記憶手段と、該許容範囲記憶手段から許容範囲を読み出して表示する許容範囲表示手段とを有していることを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記入力手段で諸元値としてヒール位置、ヘッド位置、ヒップポイント位置が入力され、前記関連諸元値算出手段で関連諸元値としてトルソー角、乗員上部ルーフ位置が算出されることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、設計対象の車両が前後に複数列の座席を有している場合に、前記階層は、座席に対応して設定されており、前記階層は、車両前側の座席ほど上位となるように設定されていることを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値に基づいて、車両形状を表示する車両形状表示手段が備えられていることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、前記請求項6に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記車両形状表示手段は、車両形状を3D表示と2D表示とに切替表示可能に構成されていることを特徴とする。
また、請求項8に記載の発明は、前記請求項7に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記車両形状表示手段は、所定の平面での2D表示を行う場合に、該平面に直行する方向に存在する部品を含めて表示することを特徴とする。
また、請求項9に記載の発明は、前記請求項8に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記関連諸元値算出手段は、前記特定の部品間のクリアランスを算出可能に構成されており、前記特定の部品間のクリアランスの基準値を予め記憶しているクリアランス基準値記憶手段と、前記関連諸元値算出手段で算出されたクリアランスが、前記クリアランス基準値記憶手段に記憶されているクリアランスの基準値よりも小さいときに警告出力を行う警告手段とが備えられていることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、当該設計支援システムが一のCADシステムを対象として構築されている場合に、前記入力手段で入力された諸元値のデータ及び関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値のデータを、異なるタイプのCADシステムで利用可能な形式に変換したファイルを作成するファイル作成手段が備えられていることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、前記請求項10に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記ファイル作成手段は、前記各諸元毎に、その値及び種類を示すファイル名でファイルを作成することを特徴とする。
また、請求項12に記載の発明は、前記請求項11に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記ファイル作成手段は、前記各諸元値に基づいて作成された画像データを含めて保存することを特徴とする。
また、請求項13に記載の発明は、前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、前記関連諸元値算出手段により関連諸元値が算出された後、当該階層に属する諸元値について、ユーザによる諸元の再入力を可能とする修正手段が備えられていることを特徴とする。
また、請求項14に記載の発明は、コンピュータを用いて車両の設計を支援する設計支援方法であって、コンピュータに、車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造を記憶する階層構造記憶工程と、該階層構造記憶工程で記憶されている階層構造における上位階層から順に、同一階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値について、ユーザによる入力を実行可能とする入力工程と、該入力手段で入力された前記所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元の値を算出する関連諸元値算出工程と、前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値を記憶する諸元値記憶工程手段とを実行させることを特徴とする。
また、請求項15に記載の発明は、車両の設計を支援する車両設計支援プログラムであって、コンピュータに、車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造を記憶する階層構造記憶工程と、該階層構造記憶工程で記憶されている階層構造における上位階層から順に、同一階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値について、ユーザによる入力を実行可能とする入力工程と、該入力手段で入力された前記所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元の値を算出する関連諸元値算出工程と、前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値を記憶する諸元値記憶工程手段とを実行させることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造が記憶され、上位階層から順に該階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値についてユーザによる入力が可能となる。そして、入力された所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元(関連諸元)の値が算出される。また、入力された諸元値及び算出された関連諸元値が記憶される。
その場合に、本発明においては、前記複数の諸元は、て下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように複数の階層に階層化されているから、前記複数の階層が、例えば、上位階層から順に、車両を前部側から後部側に複数に分割したものに対応するように設定されている場合に、最も前部側(最上位階層)の形状はOKだが、それよりも後部側(2番目以後の階層)の形状について再検討が必要な場合、2番目以後の階層に属する諸元についてのみ再検討すればよくなる。したがって、従来のように全ての諸元について再検討する必要がなくなり、その結果、車両の設計が効率化することとなる。
ところで、前記複数の階層が、前述のように、上位階層から順に、車両を前部側から後部側に複数に分割したものに対応して設定されている場合、車両の前後方向中間部分は変更は不要だが、車両の前部側について繰り返し検討が必要なときに、車両の中間部分についても諸元値を何度も入力する必要がある。
しかし、請求項2に記載の発明によれば、階層構造が複数タイプ設けられていると共に、その中から設計に際して最適な一の階層構造を選択することができるようになり、重要部位等を考慮した柔軟な設計が可能となる。
また、請求項3に記載の発明によれば、諸元値の許容範囲が表示されるので、不適切な諸元値を入力するのが抑制され、設計時の無駄作業が防止される。また、算出された関連諸元値が許容範囲内にあるか否かを即座に確認することができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、入力諸元値としてヒール位置、ヘッド位置、ヒップポイント位置が入力されると、関連諸元値としてトルソー角、乗員上部ルーフ位置が算出されることとなる。すなわち、入力諸元値として乗員に関するパラメータを入力することにより、車体形状に関する諸元値が自動的に算出されることとなり、車体設計の効率が向上する。
また、請求項5に記載の発明によれば、設計対象の車両が前後に複数列の座席を有している場合に、前記階層は座席に対応して設定されており、前記階層は車両前側の座席ほど上位となるように設定されているから、車両形状において一般に最も重要な部位である車両前部側から順に効率よく設計することができる。
また、請求項6に記載の発明によれば、前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値に基づいて、車両形状が表示されるから、設計中の車両の形状のイメージを視覚的に把握することができ、設計が効率化する。
また、請求項7に記載の発明によれば、車両形状を3D表示と2D表示とに切替表示可能とされているから、設計中の車両の形状のイメージを視覚的により良好に把握することができる。
また、請求項8に記載の発明によれば、所定の平面での2D表示を行う場合に、該平面に直行する方向に存在する部品を含んで表示されるので、部品のレイアウトの良否を容易に判断することができる。
また、請求項9に記載の発明によれば、前記関連諸元値算出手段で算出されたクリアランスが、クリアランスの基準値よりも小さいときに警告が行われるので、設計がOKか否かを容易に認識することができる。
また、請求項10に記載の発明によれば、当該設計支援システムが一のCADシステムを対象として構築されている場合に、前記入力手段で入力された諸元値のデータ及び関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値のデータを、異なるタイプのCADシステムで利用することが可能となる。
また、請求項11に記載の発明によれば、前記各諸元毎に、その値及び種類を示すファイル名でファイルを作成されるので、該ファイルの内容を容易に把握することができる。特に、あまり関係のないファイルを無駄に開くことが抑制され、その結果、設計効率が一層向上することとなる。特に、前記諸元値が寸法データである場合には、ファイル名から寸法を把握することができ、ファイルリストを寸法リストとして利用することができる。
また、請求項12に記載の発明によれば、前記ファイルには、前記諸元値に基づいて作成された画像データが含まれるので、画像データを他のCADシステムで利用することができる。
また、請求項13に記載の発明によれば、関連諸元値が算出された後、当該階層に属する諸元値について、ユーザによる諸元の再入力が可能となる。すなわち、最下位の階層まで諸元値を入力した後でなくても、上位階層の諸元値から繰り返し検討しつつ順に確定していくことが可能となる。また、当該階層の限定されたデータのみを見直せばよく、設計が効率化することとなる。
また、請求項14、15に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果が得られることとなる。
以下、本発明の実施の形態に係る車両の設計支援システム、方法、及びプログラムについて説明する。なお、このシステムの動作は、本発明に係る車両の設計支援方法の実施の形態を構成し、また、該システムにおける車両の設計支援処理を実行するプログラムは本発明に係る車両の設計支援プログラムの実施の形態を構成する。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る車両の設計支援システムのシステム構成図であり、この図に示すように、設計支援システム1は、サーバコンピュータ10と、基本設計部門に配設されたクライアントコンピュータ20…20と、これらのクラインアントコンピュータ20…20と前記サーバコンピュータ10とを接続するLAN30とにより構成されている(点線で囲まれている部分)。これらのコンピュータ10,20…20は、CAD−Aシステムも構成している。
また、このLAN30には、外観設計部門及び室内設計部門に配設されたCAD−Bシステムのクライアントコンピュータ40…40及びサーバコンピュータ50が接続されている。
設計支援システム1を構成するサーバコンピュータ10は、図2(a)に示すように、中央処理装置11、各種データ及びプログラムを記憶した記憶装置(ハードディスク、ROM等)12、プログラムの実行に際して前記各種データ及びプログラムを一時的に記憶するメモリ(RAM)13、キーボードやマウス等の入力装置14、通信回線30を介してクラインアントコンピュータ20との通信を行う通信装置15、表示装置16等を有し、これらがバスを介して接続されている。
また、サーバコンピュータ10の記憶装置12には、図3(a)に示すように、階層構造データベース(DB)、車両形状・諸元値データベース(DB)、車両形状データベースDB、車両諸元値データベースDB、関連諸元値算出式データベース(DB)、部品形状・位置データベース(DB)が記憶されている。
階層構造DBには、ユーザが入力すべき諸元(入力諸元)、及び入力諸元等に基づいて算出される諸元(関連諸元)の階層構造が予め複数タイプ格納されている。
車両形状・諸元値DBには、車両の車体の形状に関する図形データ及び後述する種々の諸元のデータが混在した状態で格納される。
車両形状DBには、車両形状・諸元値DBに格納されるデータのうち、車両の車体形状に関するデータと同一のデータが格納される。
車両諸元値DBには、車両形状・諸元値DBに格納されるデータのうち、諸元値データと同一のデータが格納される。
関連諸元値算出式DBには、関連諸元値を算出するときに用いる算出式が記憶されている。なお、算出式は、前記各階層構造タイプに対応して記憶されている。
部品形状・位置DBには、例えばオーディオ用スピーカやシート等、車体に組み付けられる部品の形状・及び位置データが記憶されている。
次に、クライアントコンピュータ20のハードウエア構成について説明すると、図2(b)に示すように、該クライアントコンピュータ20は、中央処理装置21、各種データ及びプログラムを記憶した記憶装置(ハードディスク、ROM等)22、プログラムの実行に際して前記各種データ及びプログラムを一時的に記憶するメモリ(RAM)23、キーボードやマウス等の入力装置24、通信回線30を介してサーバコンピュータ10との通信を行う通信装置25、表示装置26等を有し、これらがバスを介して接続されている。
クライアントコンピュータ20の記憶装置22には、図3(b)に示すように、設計支援プログラムが記憶されている。この設計支援プログラムは、設計支援用メインプログラム、階層構造設定処理用プログラム、車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理用プログラム、3D表示処理用プログラム、部品間距離検証処理用プログラム、諸元値データ転送処理用プログラムにより構成されている。
なお、これらのプログラムは、CAD−Aシステムを構成するCAD−Aプログラムと連係して作動するようになっている。詳しくは、設計支援用メインプログラムは、CAD−Aプログラム上で起動可能に構成されており、前記階層構造設定処理用プログラム、車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理用プログラム、3D表示処理用プログラム、部品間距離検証処理用プログラム、諸元値データ転送処理用プログラムは、設計支援用メインプログラムの実行中に、このメインプログラムのサブルーチンプログラムとして実行されるように構成されている。なお、新たなCADシステムを構築して、そのプログラム中の機能としてこれらのプログラムの機能を実装するようにしてもよいし、設計支援用プログラムを主として、その中にCAD機能を取り込むことにより実現してもよい。
なお、設計支援プログラムを搭載した設計支援システム1により実現される機能については、後にフローチャート等を参照しつつ具体的に説明する。
本設計支援システム1では、クライアントコンピュータ20の表示装置26上に表示された図4に示すインターフェース画面(なお、図4は一例として全ての諸元の入力が完了し、ボティ形状の作図が完了した状態を示している)上でユーザが車両に関する各種諸元の値を入力装置14を介して入力することにより、関連する諸元の値が自動で算出されると共に、これらの諸元の値に基づいて車両のボティラインが自動で作図されるようになっている。なお、このボティラインは、後述するが、前輪車軸中心(AF)を原点とする座標系上における後述する各ポイント(FH,FC,SC,TC,RH)の座標を算出して、これらのポイントを所定のラインで連結することにより作図される。
ここで、前記各種諸元は、図5、図6に示すように、複数の階層に階層化されている。その場合に、下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように階層化されている。
詳しくは、図5、図6に示すように、各諸元は、第1階層から第5階層に分類されている。第1、第2階層は前席に関連する諸元、第3階層は2nd席に関連する諸元、第4階層は2nd席、3rd席に関連する諸元、第5階層は3rd席に関連する諸元である。
第1階層に属する諸元としては、以下のものがある。これらのうち、1−1〜1−3は、ユーザが入力すべき諸元であり、1−1(OUT)〜1−5(OUT)は、設計支援システム1側の機能により算出される関連諸元である。
1−1:アクセルペダル位置(L10)…前輪車軸中心(AF)と、アクセルペダルと前席乗員の足との当接ポイントAPとの間の前後距離
1−2:前席ヒール位置(WL10)…前輪車軸中心(AF)とフロアパネル(前席部分)との間の上下距離
1−3:前席ヒップポイントフロア高(H30)…前席ヒップポイントHPとフロアパネル(前席部分)との間の上下距離
1−1(OUT):前席SgRP(L40)…アクセルペダルと前席乗員の足との当接ポイントAPと、前席ヒップポイントHPとの間の前後距離)なお、SgRPとは、Seating Referrence Pointの略であり、設計基準ヒップポイントを意味する。諸元1−1〜1−3を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
1−2(OUT):前席トルソー角(K40)…前席乗員の胴体の鉛直方向に対する傾斜角。諸元1−1〜1−3を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
1−3(OUT):前席シートスライド角(A40)…前席シートスライドの水平方向に対する傾斜角。諸元1−1〜1−3を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
1−4(OUT):前席ヒップポイント(HP)…前輪車軸中心(AF)と前席ヒップポイントHP1と間の水平距離(前後距離)。下式により求められる。なお、この式は経験則により導かれたものであり、他の式により構成することもできる。
HP=K1+K2*Z−K3*Z
ここで、K1,K2,K3は所定の定数、Zは入力諸元値1−3のH30(ヒップポントフロア高)である。
1−5(OUT):前席アイポイント(EP)…基準座標系(前輪車軸中心(AF)を原点とする座標系)における前席乗員アイポイント位置(図4にEPで示すポイント)の座標。諸元1−1〜1−3を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
第2階層に属する諸元としては、以下のものがある。これらのうち、2−1〜2−2は、ユーザが入力すべき諸元であり、2−1(OUT)〜2−2(OUT)は設計支援システム1側の機能により算出される関連諸元である。
2−1:フロントヘッダー圧迫感目標(FL10)…前席アイポイント(EP)とフロントヘッダー位置(FH)との間の前後距離。
2−1:フロントヘッダー圧迫感目標(FW10)…前席アイポイント(EP)とフロントヘッダー位置(FH)との間の上下距離。
2−2:前席ヘッドルーム(H61)…前席ヒップポイントHPから前席乗員頭頂位置FTまでの直線距離
2−1(OUT):フロントヘッダー位置(FH)…基準座標系におけるフロントヘッダー位置((図4にFHで示すポイント))の座標。諸元1−5(OUT)及び2−1〜2−2を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
2−2(OUT):前席乗員上部ルーフ位置(FP,FC)…基準座標系におけるフロントヘッダー位置((図4にFP,FCで示すポイント))の座標。諸元1−1〜1−3、1−1(OUT)、及び2−2を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
第3階層に属する諸元としては、以下のものがある。これらのうち、3−1〜3−3は、ユーザが入力すべき諸元であり、3−1(OUT)〜3−2(OUT)は設計支援システム1側の機能により算出される関連諸元である。
3−1:2nd席ヒール位置(WL11)…前輪車軸中心(AF)とフロアパネル(2nd席部分)との間の上下距離
3−2:2nd席ヒップポイントフロア高(H31)…フロアパネル(2nd席部分)と2nd席ヒップポイントHP2との間の上下距離
3−3:2nd席レッグルーム(L51)…2nd席ヒップポイントHP2と2nd席乗員つま先との間の直線距離
3−1(OUT):2nd席SgRP(L41)…前席ヒップポイントHPと2nd席ヒップポイントHP2と間の前後距離。諸元3−1〜3−3を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
3−2(OUT):2nd席トルソー角(K41)……2nd席乗員の胴体の鉛直方向に対する傾斜角。諸元3−1〜3−3を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
第4階層に属する諸元としては、以下のものがある。これらのうち、4−1〜4−4は、ユーザが入力すべき諸元であり、4−1(OUT)〜4−3(OUT)は設計支援システム1側の機能により算出される関連諸元である。
4−1:ヘッドルーム(H63)…2nd席ヒップポイントHP2から2nd席乗員頭頂位置STまでの直線距離
4−2:3rd席ヒール位置(WL12)…前輪車軸中心(AF)とフロアパネル(3rd席部分)との間の上下距離
4−3:3rd席ヒップポイントフロア高(H32)…フロアパネル(3rd席部分)と3rd席ヒップポイントHP3との間の上下距離
4−4:3rd席レッグルーム(L52)…3rd席ヒップポイントHP3と3rd席乗員つま先との間の直線距離
4−1(OUT):2nd席乗員上部ルーフ位置(SP,SC)…基準座標系における2nd席乗員上部ルーフ位置((図4にSP,SCで示すポイント))の座標。諸元1−1〜1−3、1−1(OUT)、3−1〜3−3、及び4−1を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
4−2(OUT):3rd席SgRP(L42)…2nd席ヒップポイントHP2と3rd席ヒップポイントHP3と間の前後距離。諸元4−2〜4−4を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
4−3(OUT):3rd席トルソー角(K42)…3rd席シートクッションの鉛直方向に対する後方傾斜角。諸元4−2〜4−4を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
第5階層に属する諸元としては、以下のものがある。これらのうち、5−1〜5−2は、ユーザが入力すべき諸元であり、5−1(OUT)〜5−2(OUT)は設計支援システム1側の機能により算出される関連諸元である。
5−1:ヘッドルーム(H86)…3rd席ヒップポイントHP3から3rd席乗員頭頂位置TTまでの直線距離
5−2:リアヘッダー圧迫感目標(RL40)…3rd席乗員上部ルーフ位置(TP)とリアヘッダー位置(RH)との間の前後距離
5−2:リアヘッダー圧迫感目標(RW40)…3rd席乗員上部ルーフ位置(TP)とリアヘッダー位置(RH)との間の上下距離
5−1(OUT):3rd席乗員上部ルーフ位置(TP,TC)…基準座標系における3rd席乗員上部ルーフ位置((図4にTP,TCとして示すポイント))の座標。諸元1−1〜1−3、1−1(OUT)、3−1〜3−3、及び4−2〜4−4、4−2(OUT)、及び5−1を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
5−2(OUT):リアヘッダー位置(RH)…基準座標系における乗員上部ルーフ位置((図4にRHで示すポイント))の座標。諸元1−1〜1−3、1−1(OUT)、3−1〜3−3、及び4−2〜4−4、4−2(OUT)、4−3(OUT)及び5−1を所定の関連諸元算出式に代入することにより算出する。
次に、前記設計支援プログラムが搭載されたクライアントコンピュータ10により実現される機能について説明する。
((メイン処理))
まず、図7に示すフローチャートにより、実現される機能の概要を説明する。なお、図7は、設計支援用メイプログラムの処理の流れを示している。設計支援用メインプログラムのサブルーチンとして機能するプログラムの機能の詳細については後述する。
すなわち、CAD−Aプログラムが実行されているクライアントコンピュータ20上で、ユーザによる設計支援プログラムの起動操作が実行されると、設計支援用メイプログラムが起動する。そして、まず、ステップS1で、記憶装置22から階層構造設定処理用プログラムを読み出して、階層構造設定処理を実行する。これにより、ユーザは、複数の階層構造のうちのいずれかの階層構造を選択することが可能となる。
そして、ユーザによる階層構造の選択が完了すると、次に、ステップS2で、記憶装置22から、車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理用プログラムを読み出して起動する。これにより、ユーザにより選択された階層構造にしたがって、ユーザによる車両の諸元値の入力が可能となり、諸元値が入力されると、関連諸元値の算出処理を実行する。また、これらの諸元値に基づいて、表示装置26に車体のボディライン形状の2D表示を行う。なお、以後、これらの処理をまとめて、車両諸元値決定処理という。
そして、図4の画面(車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理用プログラムによる車両諸元値決定処理における最後の階層時のインターフェース画面)上で最後の階層についてユーザにより「データ確定」ボタンがクリックされると(以後の説明においては、入力装置24としてマウス等のポインティングデバイス及びキーボードが利用されているものする。なお、本発明を実施するに際し、これに限定されるものでない)、ステップS3において、所定の機能への振り分けを行う。
すなわち、図4の画面上でユーザにより「データ修正」ボタンがクリックされた合は、再度前記ステップS2の車両諸元値決定処理に戻る。
一方、図4の画面上でユーザにより「3D表示」ボタンがクリックされた場合は、ステップS4で、記憶装置22から3D表示処理用プログラムを読み出して、3D表示処理を実行する。これにより、図19に示す3D表示画面が表示され、ユーザが立体形状の目視確認を行うことが可能となる。そして、3D表示画面上で、ユーザにより「戻る」ボタンがクリックされると、ステップS3に戻る。
他方、図4の画面上でユーザにより「確定」ボタンがクリックされた場合は、ステップS5において、図20に示す機能選択画面を表示して、所定の機能への振り分けを行う。
すなわち、図20の画面上でユーザにより「部品間クリアランス検証処理」ボタンが選択された場合は、ステップS6で、記憶装置22から部品間クリアランス検証処理用プログラムを読み出して、部品間クリアランス検証処理を実行する。これにより、図23に示す画面が表示され、ユーザが図23の画面を参照しながらクリアランスを検証することが可能となる。
そして、図23に示す画面を表示すると、次に、ステップS7において、所定の機能への振り分けを行う。
すなわち、図23に示す画面上でユーザにより「データ修正」ボタンがクリックされた合は、再度前記ステップS2の車両諸元値決定処理に戻る。
一方、図23の画面上でユーザにより「確定」ボタンがクリックされた場合は、ステップS5に戻る。
そして、図20の画面上でユーザにより「諸元値データ転送処理」がクリックされた場合は、ステップS8で、記憶装置22から諸元値データ転送処理用プログラムを読み出して、諸元値データ転送処理を実行する。
一方、図20の画面上でユーザにより「終了」がクリックされた場合は、設計支援プログラムを終了する。
((階層構造設定処理))
次に、前記ステップS1において階層構造設定プログラムにより実行される階層構造設定処理の詳細について、図8のフローチャートを用いて説明する。
すなわち、まず、ステップS11で、表示装置26に、図9に示す画面を表示する。そして、ユーザによるポインティングデバイス等の入力装置24の操作により、階層構造選択ウィンドウでいずれかのTypeが選択されて、「確定」ボタンがクリックされると、ステップS12の判定が満足され、ステップS13において、この選択されたTypeの階層構造について、サーバコンピュータ10の記憶装置12上の階層構造DB(なお、階層構造DBを含めて各DBは、サーバコンピュータ10の記憶装置12上に記憶されていることが前述の説明により明らかとなっているので、煩雑となるのを避けるため、以下、単にDB名のみを記載する)から階層構造データを読み出した後、図7のメインフローチャートに戻る。
なお、階層構造としては、図9に示すようにType1からType3の3タイプの階層構造が記憶されている。詳しくは、Type1では階層は前席→2nd席→3rd席の順に設定され、Type2では2nd席→前席→3rd席の順に設定され、Type3では3rd席→前席→2nd席の順に設定されている。
((車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理))
次に、前記ステップS2において車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理用プログラムにより実行される車両諸元値決定処理の詳細について、図10のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS21で、第1階層について車両諸元値の決定処理を行う。この決定処理は、図11の第1階層諸元値決定処理のフローチャートにしたがって行われる。
すなわち、まず、ステップS41で、図12に示すように、第1階層に属する入力諸元1−1〜1−3の入力窓を表示する。そして、ステップS42で、これらの諸元値の入力窓の全てにデータが入力されたか否かを判定する。この判定は入力されたと判定されるまでの間、ごく短い所定時間周期(例えば数ms周期)で繰り返し行われ、入力窓へのデータの入力があったときは、次に、ステップS43で、入力されたデータが許容範囲内か否かを判定する。すなわち、入力窓の上方に表示されている範囲内に収まっているか否かを判定する。ここで、この入力窓の上部には、各諸元毎にその諸元のとりる値の範囲、すなわち許容範囲(例えば、入力諸元1−1(L10)の場合(300〜500))が表示される。したがって、ユーザはこの許容範囲を参照しながら、データを入力することができ、不適切なデータを投入することによる効率低下を抑制することができる。なお、この許容範囲データは、各諸元に対応してサーバコンピュータ10の記憶装置12に記憶されており、車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理用プログラムの起動時に、メインプログラムによりあわせて読み出される。そして、車両諸元入力・算出・ボティライン作図・表示処理用プログラムが、許容範囲データをサーバコンピュータ10の記憶装置12から読み出して表示させる。
なお、入力ミス等により許容範囲内に収まっていないときは、この入力窓を空欄にして、再度の入力をユーザに促す。このとき、「許容範囲内で入力してください」等のメッセージを表示してもよい。一方、許容範囲内のときは、入力されたデータを、ステップS44で、車両形状・諸元値DBに書き込んで記憶させる。
次に、ステップS45で、第1階層諸元値の全ての入力が完了したか否かを判定し、完了していないときは、前記ステップS42以下を再度実行する。一方、完了したときは、次に、ステップS46で、第1階層の関連諸元値1−1OUT〜1−5OUT算出用の関連諸元値算出式を前記関連諸元値算出式DBから読み出すと共に、該式にステップS45までで入力された諸元値を当てはめて、これらの関連諸元値1−1OUT〜1−5OUTを算出する。なお、ここに表示される算出結果は推奨値であり、後述するステップS49等で修正することができる。
次に、ステップS47で、前記ステップS46において算出された関連諸元値1−1OUT〜1−5OUTを車両形状・諸元値DBに書き込んで記憶させると共に、図13に示すように、1−1OUT〜1−5OUTの算出結果窓を表示する。また、この算出結果窓の上方にその許容範囲(例えば、関連諸元1−1OUT(L40)の場合(650〜750))を表示する。なお、この算出された関連諸元値は推奨値であり、後述するように修正可能である。
次に、ステップS48で、「データ修正」ボタンまたは「データ確定」ボタンがクリックされたか否かを判定する。
そして、データ確定ホタンがクリックされたときは、この階層についての処理を終了して、ステップS22に戻る。一方、「データ修正」ボタンがクリックされたときは、ステップS49で、前記算出結果窓に修正データの入力を可能とする。なお、このとき算出結果窓内には、これまでの算出結果が表示されており、これに上書き入力することにより修正する。
次に、ステップS50で、この入力されたデータが許容範囲内か否かを判定する。そして、許容範囲内に収まっていないときは、この欄を空欄にして、再度の入力をユーザに促す。なお、このとき、「許容範囲内で入力してください」等のメッセージを表示してもよい。一方、許容範囲内のときは、修正入力されたデータを、ステップS51で、車両形状・諸元値DBに書き込んで記憶させる。
次に、前記ステップS48に戻って、「データ修正」ボタンまたは「データ確定」ボタンがクリックされたか否かを判定し、「データ修正」ボタンがクリックされたときは、前記ステップS49以後の処理を再度行う。
一方、「データ確定」ボタンがクリックされたときは、車両諸元値決定処理フローチャートのステップS22に戻り、第1階層の諸元値データ(入力諸元及び関連諸元値の両方)の修正要求の有無について確認する。すなわち、ユーザにより「データ修正」ボタンまたは「データ確定」ボタンがクリックされたか否かを判定する。そして、「データ修正」ボタンがクリックされたことが、このステップS22で確認されたときは、第1階層について、前記図11のフローチャートに従った処理を再度実行する。一方、「データ確定」ボタンがクリックされたときは、第1階層についての処理を終了して、次に、ステップS23で第2階層の処理を行う。
なお、ステップS23では、前記図11のフローチャートに従って処理が実行される(第1階層を第2階層と読み替える)。すなわち、詳しい説明は省略するが、図14(第2階層における最終状態で示している)に示すように、入力諸元2−1,2−2の入力窓及びその許容範囲が表示されると共に、データが入力されてデータ確定ホタンがクリックされると、関連諸元2−1(OUT),2−2(OUT)の算出結果窓及びその許容範囲が表示される。
次に、ステップS24で、図14に示すように、ポイントCW〜ポイントFH(諸元2−1(OUT))間及びポイントFH〜ポイントFC(諸元2−1(OUT))間のボディラインを作図する。このボディラインの形状は、車両形状DBから読み出されたポイントCW〜ポイントFH間用及びポイントFH〜ポイントFC間用のボディラインの雛形(車両形状DBに予め記憶されている)を、ステップS23において算出されたポイントCW,FH,FCの座標に応じて上下及び前後に伸縮させることにより作成される。そして、この作図されたポイントCW〜ポイントFH間及びポイントFH〜ポイントFC間のボディラインのデータを、車両形状・諸元値DBに書き込んで記憶させる。なお、ポイントCWはカウル後端のポイントであり、前輪車軸中心(AF)を基準とする基準座標系においてその座標が予め設定されている。
ここで、このポイントFC(諸元2−1(OUT))は、以下のようにして決定される。すなわち、図15に示すように、まず、1−4OUTのヒップポイント(H61)から入力諸元2−2のヘッドルーム(H61)の距離のポイントFT(内装部材のトップシール面の位置)を決定し、このポイントFTに対して所定のオフセット量を加算して乗員の位置におけるルーフパネル(外装パネル)の位置FPを決定し、この位置FPに対して所定のオフセット量を加算して車両の車幅方向中心位置におけるルーフパネル(外装パネル)の位置をFCと決定する。なお、2nd席におけるポイントST,SP,SC、及び3rd席におけるポイントTT,TP,TCも同様に算出される。
次に、ステップS25で、前記ステップS22と同様の判定を行い、「データ修正」ボタンがクリックされたときは、第2階層について、前記図11のフローチャートに従った処理(第1階層を第2階層と読み替える)を再度実行する。一方、データ確定ホタンがクリックされたときは、第2階層についての処理を終了して、次に、ステップS26で第3階層の処理を行う。
なお、ステップS26では、前記図11のフローチャートに従って処理が実行される(第1階層を第3階層と読み替える)。すなわち、詳しい説明は省略するが、図16(第3階層における最終状態で示している)に示すように、入力諸元3−1〜3−3の入力窓及びその許容範囲が表示されると共に、データが入力されてデータ確定ホタンがクリックされると、関連諸元3−1(OUT),3−2(OUT)の算出結果窓及びその許容範囲が表示される。
次に、ステップS27で、前記ステップS22と同様の判定を行い、「データ修正」ボタンがクリックされたときは、第3階層について、前記図11のフローチャートに従った処理(第1階層を第3階層と読み替える)を再度実行する。一方、「データ確定」ホタンがクリックされたときは、第3階層についての処理を終了して、次に、ステップS28で第4階層の処理を行う。
なお、ステップS28では、前記図11のフローチャートに従って処理が実行される(第1階層を第4階層と読み替える)。すなわち、詳しい説明は省略するが、図17(第4階層における最終状態で示している)に示すように、入力諸元4−1〜4−4の入力窓及びその許容範囲が表示されると共に、データが入力されてデータ確定ホタンがクリックされると、関連諸元4−1(OUT)〜4−3(OUT)の算出結果窓及びその許容範囲が表示される。
次に、ステップS29で、この図17に示すように、ポイントFC(諸元2−1(OUT))〜ポイントSC(諸元4−1(OUT))間のボディラインを作図する。これは、車両形状DBから読み出されたポイントFC〜ポイントSC間のボディラインの雛形を、ステップS28において算出されたポイントFC、SCの座標に応じて上下及び前後に伸縮させることにより作図される。そして、この作図されたポイントFC〜ポイントSC間のボディラインのデータを車両形状・諸元値DBに書き込んで記憶させる。ここで、このポイントSCは、前記FC同様にして決定される。
次に、ステップS30で、前記ステップS22と同様の判定を行い、「データ修正」ボタンがクリックされたときは、第4階層について、前記図11のフローチャートに従った処理(第1階層を第4階層と読み替える)を再度実行する。一方、データ確定ホタンがクリックされたときは、第4階層についての処理を終了して、次に、ステップS31で第5階層の処理を行う。
なお、ステップS31では、前記図11のフローチャートに従って処理が実行される(第1階層を第5階層と読み替える)。すなわち、詳しい説明は省略するが、前記図4(第5階層における最終状態で示している)に示すように、入力諸元5−1〜5−2の入力窓及びその許容範囲が表示されると共に、データが入力されてデータ確定ホタンがクリックされると、関連諸元5−1(OUT)〜5−2(OUT)の算出結果窓及びその許容範囲が表示される。
次に、ステップS32で、この図4に示すように、ポイントSC(諸元4−1(OUT))〜ポイントTC(諸元5−1(OUT))間及びポイントTC〜ポイントRH(諸元5−2(OUT))間のボディラインを作図する。これは、車両形状DBから読み出された、ポイントSC〜ポイントTC間及びポイントTC〜ポイントRH間のボディラインの雛形を、ステップS32において算出されたポイントSC,TC,RHの座標に応じて上下及び前後に伸縮させることにより作図される。そして、この作図されたポイントSC〜ポイントTC間及びポイントTC〜ポイントRH間のボディラインのデータを車両形状・諸元値DBに記憶させる。ここで、このポイントSC及びTCは、前記FC同様にして決定される。
次に、ステップS33で、前記ステップS22と同様の判定を行い、「データ修正」ボタンがクリックされたときは、第5階層について、前記図11のフローチャートに従った処理(第1階層を第5階層と読み替える)を再度実行する。一方、データ確定ホタンがクリックされたときは、第5階層についての処理を終了し、メインルーチンのステップS3に戻る。
((3D表示処理))
次に、前記ステップS4において3D表示処理プログラムにより実現される3D表示処理の詳細について、図18のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS61で、前記車両諸元値決定処理により算出された位置座標データ等を読み込んで、3D画像データの生成処理を行う。
次に、ステップS62で、クライアントコンピュータ20の表示装置26に、図19に示すような3D画像データを表示させる。なお、この画面は一例である。
次に、ステップS63で、ユーザにより「戻る」ボタンがクリックされたか否かを判定し、「戻る」ボタンがクリックされたときは、図3のメインフローのステップS3に戻る。このとき、図4の画面が再度表示される。
((部品間クリアランス検証処理))
次に、前記ステップS6において部品間クリアランス検証処理プログラムにより実現される部品間クリアランス検証処理の詳細について、図21のフローチャートを用いて説明する。
すなわち、まず、ステップS71では、車両形状・諸元値DBから、車両諸元値決定処理により決定された車両形状データ及び車両諸元値データを読み込む。
次に、ステップS72で、部品形状・部品位置DBから部品形状データ及び部品位置データを読み込む。ここで、部品位置は、前輪車軸AFを基準とする前記座標系における座標により規定されている。
次に、ステップS73で、ステップS71において読み出された車両形状データに基づいて車両前後方向で所定位置の単一車両断面図を作成する。すなわち、車両形状データと部品形状データとを、前記座標系において重畳させ、その状態を表示させる。
次いで、ステップS74で、全部品を前記断面図上に表示する。すなわち、単一車両断面図と部品形状データとを、前記座標系において重畳させて表示させる。例えば、図22に示す車両前後方向の前席SgRP位置における断面の場合、図23に示す断面図を作成する。その場合に、この断面図には、前席シートや、SgRP位置とは前後にずれているドアパネル内のスピーカも、該断面図に重畳表示される。こうすることにより、部品配置を簡略的に把握することができる。
次に、ステップS75で、各部品間の最短距離Sminを算出した後、ステップS76で、前記最短距離Sminが許容下限値よりも小さいか否かを判定する。ここで、この許容下限値データは、前記部品形状データに含まれている。
そして、前記最短距離Sminが許容下限値よりも小さいときは、ステップS77で、近接部位に警告表示を行う。例えば、スピーカとシートの外端部との最短距離Sminが許容下限値よりも小さいときは、図23に示すように、近接部位を他の部分とは異なる位置に着色して表示し(図23では太線で示している)、許容下限値よりも小さくないときは、警告表示は行わず、ステップS6に戻る。なお、着色表示に代えてあるいはこれと共に、矢印を表示したり、警告音を発生するようにしてもよい。
((諸元値データ転送処理プログラム))
次に、前記ステップS8において諸元値データ転送処理プログラムにより実現される諸元値データ転送処理の詳細について、図24のフローチャートを用いて説明する。
すなわち、まず、ステップS81で、車両形状・車両諸元値DBから車両形状データ及び車両諸元値データを読み込む。ここで、この車両形状データ及び車両諸元値データは、ステップS2において入力された諸元値データ及び算出された関連諸元値データ及びこれらに基づいて作図された車両形状データである。
次に、ステップS82で、前記ステップS81で読み出された前記各データから諸元値データのみを抽出する。
次に、ステップS83で、前記ステップS82で抽出された各諸元値データ毎に転送ファイル用データを作成する。ここで、このデータは、図25に示すようなものであり、諸元値の大きさ(長さ)をあらわす線形状の画像データa1と、この線の始点位置情報をあらわす位置データa2と、ヘッドルームの位置をあらわす3Dコーン形状の画像データa3とで構成されている。
次に、ステップS84で、各諸元値に応じたファイル名を作成する。ここで、このファイル名は、図26に示すように、諸元値の種類をあらわす部分aと、その大きさ(長さ)をあらわす部分bとを有している。これによれば、諸元値データファイルを開くことなく、諸元値の種類及び大きさ(長さ)を知ることができる。
次に、ステップS85で、前記ステップS83で作成したファイル用データに、前記ステップS84で作成したファイル名を付与してファイルを作成し、車両諸元値DBに、このファイルを保存する。ここで、このとき車両諸元値DBに保存されているファイルのリストを表示させると、図26に示すように表示されるが、前述のように、諸元値データのファイル名は、諸元値の種類をあらわす部分aと、その大きさ(長さ)をあらわす部分bとを有しているから、このファイルリストを諸元値の寸法(大きさ、長さ)リスト表として利用することができる。
次に、ステップS86で、前記ステップS81で読み出された前記各データから車両形状データのみを抽出し、所定のファイル名を付与してファイルを作成し、た車両形状DBに、このファイルを保存する。
次に、ステップS87で、ステップS85,S86で車両諸元値DB及び車両形状DBに保存された諸元値データファイル及び形状データファイルを読み出す。
次に、ステップS88で、別のCAD−Bシステムのサーバコンピュータ50の記憶装置にこの諸元値データファイル及び形状データファイルを保存する。
以上説明したように、本実施の形態に係る車両の設計支援システム1によれば、車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造が記憶され、上位階層から順に該階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値についてユーザによる入力が可能となる。そして、入力された所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元(関連諸元)の値が算出される。また、入力された諸元値及び算出された関連諸元値が記憶される。
その場合に、前記複数の諸元は、下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように複数の階層に階層化されているから、前記複数の階層が、上位階層から順に、車両を前部側から後部側に複数に分割したものに対応するように設定されている場合に、最も前部側(最上位階層)の形状はOKだが、それよりも後部側(2番目以後の階層)の形状について再検討が必要な場合、2番目以後の階層に属する諸元についてのみ再検討すればよくなる。したがって、従来のように全ての諸元について再検討する必要がなくなり、その結果、車両の設計が効率化することとなる。
また、階層構造が複数タイプ設けられていると共に、その中から設計に際して最適な一の階層構造を選択することができるので、重要部位等を考慮した柔軟な設計が可能となる。
また、諸元値の許容範囲が表示されるので、不適切な諸元値を入力するのが抑制され、設計時の無駄作業が防止される。また、算出された関連諸元値が許容範囲内にあるか否かを即座に確認することができる。
また、入力諸元値としてヒール位置、ヘッド位置(ヘッドルーム)、及びヒップポイント位置(ヒップポイントフロア高)等が入力されると、関連諸元値としてトルソー角、乗員上部ルーフ位置が算出されることとなる。すなわち、入力諸元値として乗員に関するパラメータを入力することにより、車体形状に関する諸元値が自動的に算出されることとなり、車体設計の効率が向上する。
また、階層が座席に対応して設定されており、前記階層は車両前側の座席ほど上位となるように設定されているから、車両形状において一般に最も重要な部位である車両前部側から順に効率よく設計することができる。
また、入力された諸元値及び算出された関連諸元値に基づいて、ボディライン(車両形状)が表示されるから、設計中の車両の形状のイメージを視覚的に把握することができ、設計が効率化する。
また、車両形状を3D表示と2D表示とに切替表示可能とされているから、設計中の車両の形状のイメージを視覚的により良好に把握することができる。
また、所定の平面での2D表示を行う場合に、該平面に直行する方向に存在する部品を含んで表示されるので、部品のレイアウトの良否を容易に判断することができる。
また、算出されたクリアランスが、クリアランスの基準値よりも小さいときに警告が行われるので、設計がOKか否かを容易に認識することができる。
また、当該設計支援システム1が一のCADシステムを対象として構築されている場合に、入力された諸元値のデータ及び関連諸元値のデータを、異なるタイプのCADシステムで利用することが可能となる。
その場合に、各諸元毎に、その値及び種類を示すファイル名でファイルが作成されるので、該ファイルの内容を容易に把握することができる。特に、あまり関係のないファイルを無駄に開くことが抑制され、その結果、設計効率が一層向上することとなる。特に、前記諸元値が寸法データであるので、ファイル名から寸法を把握することができ、ファイルリストを寸法リストとして利用することができる。
また、前記ファイルには、諸元値に基づいて作成された画像データが含まれるので、画像データを他のCADシステムで利用することができる。
また、関連諸元値が算出された後、当該階層に属する諸元値について、諸元の再入力が可能となるので、最下位の階層まで諸元値を入力した後でなくても、上位階層の諸元値から繰り返し検討しつつ順に確定していくことが可能となる。また、当該階層の限定されたデータのみを見直せばよく、設計が効率化することとなる。
なお、本実施の形態においては、3列シート構成のワンボックスタイプの車両を例として説明したが、本発明は、これに限定されるものでなく、2列シート構成のものや、セダンタイプの車両等、種々の車両に広く適用可能である。なお、その場合、それに対応する階層構造及び関連諸元値算出式及びボディラインの雛形を予め作成して記憶させておけばよい。
また、本実施の形態においては、図10に示す車両諸元値決定処理の際、同一階層内の諸元値データのみ修正可能としたが、修正したい上位階層を指定してその階層以降の諸元値データを修正可能にしてもよい。この場合でも、指定した上位階層よりもさらに上位階層の関連諸元の値には影響が及ばないので、見直しの手間が省ける。また、最上位階層から諸元値を全て入力し直す必要がなくなる。
また、本実施の形態に係る設計支援システム1においては、各種データベースはサーバコンピュータ10に記憶されているが、クライアントコンピュータが1台だけの場合は、該クライアントコンピュータの記憶装置に記憶しておき、前記各プログラムにおいてクライアントコンピュータの記憶装置上のデータベースを参照するようにしてもよい。
なお、特許請求の範囲の設計支援システムにおける階層構造記憶手段、及び階層構造選択手段は、階層構造設定処理用プログラム及びクライアントコンピュータ20により、入力手段、関連諸元値算出手段、諸元値記憶手段、許容範囲記憶手段、許容範囲表示手段、及び車両形状表示手段は、車両諸元値決定処理用プログラム及びクライアントコンピュータ20により、クリアランス基準値記憶手段、警告手段は部品間距離検証処理用プログラム及びクライアントコンピュータ20により、ファイル作成手段は、諸元値データ転送処理用プログラム及びクライアントコンピュータ20により構成される。
本発明は、車両の設計を効率化できるものであり、自動車産業に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係る車両の設計支援システムのブロック図である。 サーバコンピュータ及びクライアントコンピュータのブロック図である。 サーバコンピュータ及びクライアントコンピュータの記憶装置に記憶されている内容を示す図である。 車両諸元値決定処理における入出力のインターフェース画面である。 車両に関する諸元の階層構造の説明図である(その1)。 車両に関する諸元の階層構造の説明図である(その2)。 車両の設計支援システムにおけるメインフローチャートである。 階層構造設定処理のフローチャートである。 階層構造設定処理の画面である。 車両諸元値決定処理のフローチャートである。 第1階層諸元値決定処理のフローチャートである。 第1階層の諸元入力時に表示される画面である。 第1階層の関連諸元算出後に表示される画面である。 第2階層の関連諸元算出後に表示される画面である。 ポイントFC算出の説明図である。 第3階層の関連諸元算出後に表示される画面である。 第4階層の関連諸元算出後に表示される画面である。 3D表示処理のフローチャートである。 3D表示の画面である。 車両諸元値決定処理の確定後に表示される機能選択画面である。 部品間クリアランス処理のフローチャートである。 部品間クリアランス処理において対象とする前席SgRP位置を示す図である。 部品間クリアランス検証処理実行により表示される画面である。 諸元値データ転送処理のフローチャートである。 諸元値データ転送処理で作成されるファイルの内容画面である。 諸元値データ転送処理で作成されたファイルのリスト表示を行った状態の画面である。
符号の説明
10 サーバコンピュータ(一のCADシステムを構成するコンピュータ)
20…20 クライアントコンピュータ(一のCADシステムを構成するコンピュータ)
40…40 クライアントコンピュータ(異なるCADシステムを構成するコンピュータ)
50 サーバコンピュータ(異なるCADシステムを構成するコンピュータ)

Claims (15)

  1. 車両の設計を支援する車両設計支援システムであって、
    車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造を記憶する階層構造記憶手段と、
    該階層構造記憶手段で記憶されている階層構造における上位階層から順に、同一階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値について、ユーザによる入力を実行可能とする入力手段と、
    該入力手段で入力された前記所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元の値を算出する関連諸元値算出手段と、
    前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値を記憶する諸元値記憶手段とを有していることを特徴とする車両の設計支援システム。
  2. 前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記階層構造記憶手段は、前記車両に関する複数の諸元についての階層構造を複数タイプ記憶していると共に、
    これらの階層構造の中から一の階層構造を選択する階層構造選択手段が備えられており、
    前記入力手段は、該階層構造選択手段で選択された階層構造にしたがってユーザによる諸元の値の入力を実行可能とし、
    前記関連諸元値算出手段は、該階層構造選択手段で選択された階層構造にしたがって関連諸元値を算出することを特徴とする車両の設計支援システム。
  3. 前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記諸元の値についての許容範囲を記憶する許容範囲記憶手段と、
    該許容範囲記憶手段から許容範囲を読み出して表示する許容範囲表示手段とを有していることを特徴とする車両の設計支援システム。
  4. 前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記入力手段で諸元値としてヒール位置、ヘッド位置、ヒップポイント位置が入力され、
    前記関連諸元値算出手段で関連諸元値としてトルソー角、乗員上部ルーフ位置が算出されることを特徴とする車両の設計支援システム。
  5. 前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    設計対象の車両が前後に複数列の座席を有している場合に、
    前記階層は、座席に対応して設定されており、
    前記階層は、車両前側の座席ほど上位となるように設定されていることを特徴とする車両の設計支援システム。
  6. 前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値に基づいて、車両形状を表示する車両形状表示手段が備えられていることを特徴とする車両の設計支援システム。
  7. 前記請求項6に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記車両形状表示手段は、車両形状を3D表示と2D表示とに切替表示可能に構成されていることを特徴とする車両の設計支援システム。
  8. 前記請求項7に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記車両形状表示手段は、所定の平面での2D表示を行う場合に、該平面に直行する方向に存在する部品を含めて表示することを特徴とする車両の設計支援システム。
  9. 前記請求項8に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記関連諸元値算出手段は、前記特定の部品間のクリアランスを算出可能に構成されており、
    前記特定の部品間のクリアランスの基準値を予め記憶しているクリアランス基準値記憶手段と、
    前記関連諸元値算出手段で算出されたクリアランスが、前記クリアランス基準値記憶手段に記憶されているクリアランスの基準値よりも小さいときに警告出力を行う警告手段とが備えられていることを特徴とする車両の設計支援システム。
  10. 前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    当該設計支援システムが一のCADシステムを対象として構築されている場合に、
    前記入力手段で入力された諸元値のデータ及び関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値のデータを、異なるタイプのCADシステムで利用可能な形式に変換したファイルを作成するファイル作成手段が備えられていることを特徴とする車両の設計支援システム。
  11. 前記請求項10に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記ファイル作成手段は、前記各諸元毎に、その値及び種類を示すファイル名でファイルを作成することを特徴とする車両の設計支援システム。
  12. 前記請求項11に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記ファイル作成手段は、前記各諸元値に基づいて作成された画像データを含めて保存することを特徴とする車両の設計支援システム。
  13. 前記請求項1に記載の車両の設計支援システムにおいて、
    前記関連諸元値算出手段により関連諸元値が算出された後、当該階層に属する諸元値について、ユーザによる諸元の再入力を可能とする修正手段が備えられていることを特徴とする車両の設計支援システム。
  14. コンピュータを用いて車両の設計を支援する設計支援方法であって、
    コンピュータに、
    車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造を記憶する階層構造記憶工程と、
    該階層構造記憶工程で記憶されている階層構造における上位階層から順に、同一階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値について、ユーザによる入力を実行可能とする入力工程と、
    該入力手段で入力された前記所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元の値を算出する関連諸元値算出工程と、
    前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値を記憶する諸元値記憶工程手段とを実行させることを特徴とする車両の設計支援方法。
  15. 車両の設計を支援する車両設計支援プログラムであって、
    コンピュータに、
    車両に関する複数の諸元について下位階層の諸元の値が上位階層の諸元の値に影響しない関係となるように予め複数の階層に階層化された構造を記憶する階層構造記憶工程と、
    該階層構造記憶工程で記憶されている階層構造における上位階層から順に、同一階層に属する諸元のうちの予め設定された所定の諸元の値について、ユーザによる入力を実行可能とする入力工程と、
    該入力手段で入力された前記所定の諸元値と、その諸元の属する階層よりも上位階層に属する諸元値とに基づいて、前記所定の諸元が属する階層の残りの諸元の値を算出する関連諸元値算出工程と、
    前記入力手段で入力された諸元値及び前記関連諸元値算出手段で算出された関連諸元値を記憶する諸元値記憶工程手段とを実行させることを特徴とする車両の設計支援プログラム。
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