JP2009036730A - 蒸気漏洩検査器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蒸気の漏洩を容易かつ適正に発見することが可能な蒸気漏洩検査器を提供する。
【解決手段】 棒状で変形・伸縮自在な把持柄2の先端部に、鏡板3を配設した蒸気漏洩検査器1とする。被検査体の形状や配設位置、検査位置などに応じて、把持柄2の伸縮変形部22を変形、伸縮させ、鏡板3を被検査体に近づける。被検査体から蒸気の漏洩があると、漏洩した蒸気が鏡板3の表面に付着し、この蒸気の付着を目視確認することで、蒸気の漏洩を発見できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 棒状で変形・伸縮自在な把持柄2の先端部に、鏡板3を配設した蒸気漏洩検査器1とする。被検査体の形状や配設位置、検査位置などに応じて、把持柄2の伸縮変形部22を変形、伸縮させ、鏡板3を被検査体に近づける。被検査体から蒸気の漏洩があると、漏洩した蒸気が鏡板3の表面に付着し、この蒸気の付着を目視確認することで、蒸気の漏洩を発見できる。
【選択図】 図1
Description
この発明は、蒸気の漏洩を発見するための蒸気漏洩検査器に関する。
例えば火力発電所においては、ボイラからの蒸気をタービンに導くための蒸気管など、蒸気が流通する配管やバルブなどが複数配設されている(例えば、特許文献1参照。)。このような配管の継手(フランジ)などから蒸気が漏洩すると、発電に影響を与えたり、周辺設備に影響を与えたりするおそれがある。このため、蒸気の漏洩をできるだけ早く発見する必要があり、目視や聴音による点検が行われている。すなわち、継手などから蒸気が漏洩すると、継手の漏洩部に錆や緑青が発生したり、蒸気が漏れ出る漏洩音が発生したりする。このため、設備の異常をより早期に発見するために設備を巡視する設備パトロールなどにおいて、錆や緑青の有無を直接目視点検したり、漏洩音を聞き取ったりすることで、蒸気の漏洩を発見、確認していた。
特開2001−090507号公報
ところで、発電への影響などを予防、抑制するためには、蒸気の漏洩を早期に発見するとともに、漏洩部(漏洩箇所)を正確に特定する必要がある。しかしながら、従来の目視や聴音による点検では、漏洩の早期発見や漏洩部の正確な特定が困難であった。すなわち、従来の目視点検では、漏洩部に錆や緑青が発生するまで蒸気の漏洩を発見できず、また、点検者から直接見えにくい漏洩部からの錆や緑青を発見することや、暗い環境下で錆や緑青を目視することが困難であった。一方聴音による点検では、わずかな漏洩音を聞きとったり、大きな騒音環境下で漏洩音を聞きとったりすることが困難であるとともに、漏洩部を正確に特定することが困難であった。さらに、高温高圧である蒸気に近づきすぎると危険であるため、被検査体からある程度離れた位置から目視、聴音しなければならず、蒸気の漏洩を適正に発見することが困難であった。
そこでこの発明は、蒸気の漏洩を容易かつ適正に発見することが可能な蒸気漏洩検査器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、蒸気の漏洩を発見するための蒸気漏洩検査器であって、棒状で変形自在な把持柄と、この把持柄の先端部に配設され蒸気を検知する検知手段と、を備えることを特徴とする。
(作用)
被検査体の形状や位置に合わせて把持柄を変形させ、把持柄を把持して検知手段を被検査体に近づけて、走査させる。被検査体から蒸気の漏洩があると、漏洩した蒸気が検知手段によって検知される。
(作用)
被検査体の形状や位置に合わせて把持柄を変形させ、把持柄を把持して検知手段を被検査体に近づけて、走査させる。被検査体から蒸気の漏洩があると、漏洩した蒸気が検知手段によって検知される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の蒸気漏洩検査器において、前記把持柄が伸縮自在であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の蒸気漏洩検査器において、前記検知手段は、蒸気に触れると外観が変化することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の蒸気漏洩検査器において、前記検知手段を照らす照明手段を備えることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の蒸気漏洩検査器において、前記検知手段によって蒸気が検知されたことを知らせる報知手段を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、被検査体の形状や位置に合わせて把持柄を変形させ、検知手段を被検査体に近づけることで漏洩した蒸気を直接検知、発見できる。このため、被検査体の漏洩部に錆や緑青が発生していなくても蒸気の漏洩を発見でき、また、被検査体の背面側など直接目視しにくい部位からの漏洩も発見することができる。しかも、把持柄を長くすることで、高温高圧である蒸気に近づくことなく、漏洩を発見できる。このようにして、蒸気の漏洩を容易かつ適正に発見することが可能となる。
請求項2に記載の発明によれば、把持柄が伸縮可能であるため、被検査体の配設位置や検査部位などに応じて把持柄を伸縮させることで、検知手段を被検査体の検査部位に適正に位置させることができる。これにより、被検査体の配設位置や検査部位などが多様であっても、蒸気の漏洩を容易かつ適正に発見することが可能となる。
請求項3に記載の発明によれば、蒸気に触れると検知手段の外観が変化するため、検知手段の外観の変化を目視確認するだけで、蒸気の漏洩を容易に発見することができる。
請求項4に記載の発明によれば、照明手段によって検知手段が照らされるため、発電所内などの暗い環境下でも、蒸気の漏洩を容易かつ適正に発見することが可能となる。しかも、蒸気漏洩検査器に照明手段が備わっているため、別途ライトなどで検知手段を照らす必要がなく、検査が容易となる。
請求項5に記載の発明によれば、検知手段によって蒸気が検知されと、その旨が報知手段によって知らされるため、より容易かつ確実に蒸気の漏洩を知得することができる。
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る蒸気漏洩検査器1を示す斜視図である。この蒸気漏洩検査器1は、蒸気の漏洩を発見するための検査器であり、主として、把持柄2と、鏡板(検知手段)3と、電球(照明手段)4とを備えている。
図1は、この実施の形態に係る蒸気漏洩検査器1を示す斜視図である。この蒸気漏洩検査器1は、蒸気の漏洩を発見するための検査器であり、主として、把持柄2と、鏡板(検知手段)3と、電球(照明手段)4とを備えている。
把持柄2は棒状で、把持部21と伸縮変形部22とを備えている。把持部21は円筒状で、伸縮変形部22は、その外径が把持部21の内径よりもやや小さい円柱状であり、変形自在(折り曲げ自在)で変形後の形状が維持される(可塑性な)材料で構成されている。そして、伸縮変形部22が把持部21内に挿入された状態で配設され、伸縮変形部22を把持部21に対して出し入れすることで、伸縮変形部22(把持柄2)が伸縮自在となっている。また、把持部21には、電球4に電気を供給する電池23が内蔵され、さらに、電球4をオン/オフするためのスイッチ24が配設されている。すなわち、後述のように配設されている電球4と電池23とが、スイッチ24を介して接続され、スイッチ24をオンすると電球4が点灯し、スイッチ24をオフすると電球4が消灯するようになっている。
鏡板3は、表面が鏡の板で、把持柄2の伸縮変形部22の先端部(自由端部)に取り付け板31によって取り付けられている。この鏡板3を蒸気に接触させると、表面に蒸気が付着して外観が変化し、この外観変化によって蒸気を検知できるものである。
電球4は、鏡板3の表面を照らすように把持柄2の伸縮変形部22の先端に配設されている。
このような蒸気漏洩検査器1の大きさと重量は、片手で持てる程度に設定されている。
次に、このような構成の蒸気漏洩検査器1の作用および、この蒸気漏洩検査器1を用いた蒸気漏洩の検査方法について説明する。
まず、被検査体の形状や配設位置、検査位置(検査部位)などに応じて、把持柄2の伸縮変形部22を変形、伸縮させる。例えば、図2に示すように、発電所内で蒸気が流通する配管TのフランジT1が被検査体であり、検査者から直接見えるフランジT1の表面側などを検査する場合には、次のようにする。すなわち、伸縮変形部22の鏡板3側を伸縮変形部22の軸線に対して45度程度曲げ、検査者からフランジT1の検査位置(表面側)までの距離などに応じて伸縮変形部22を伸縮させる。また、検査者から直接見えないフランジT1の背面側などを検査する場合には、次のようにする。すなわち、図3に示すように、伸縮変形部22をフランジT1に沿って湾曲に曲げ、検査者からフランジT1の検査位置(背面側)までの距離などに応じて伸縮変形部22を伸縮させる。
次に、把持柄2の把持部21を把持して、鏡板3の表面側をフランジT1の検査位置に近づけ、フランジT1に沿って鏡板3を走査させる。この際、配管Tの配設場所である検査環境が暗い場合には、スイッチ24をオンして電球4を点灯させる。これにより、鏡板3および鏡板3が接近したフランジT1の周辺が明るく照らされる。
そして、鏡板3を走査させた際にフランジT1から蒸気の漏洩があると、漏洩した蒸気が鏡板3の表面に付着する。この蒸気の付着を目視確認することで、その検査位置(走査位置)から蒸気が漏洩していることを発見できるものである。
以上のように、この蒸気漏洩検査器1によれば、被検査体の形状や検査位置などに合わせて伸縮変形部22を変形、伸縮させ、鏡板3を被検査体に近づけることで漏洩した蒸気を直接検知、発見できる。このため、被検査体の漏洩部に錆や緑青が発生していなくても蒸気の漏洩を発見でき、しかも、把持柄2を長くすることで、高温高圧である蒸気に近づくことなく、漏洩を発見できる。また、被検査体の背面側など直接目視しにくい部位からの漏洩も発見することができるとともに、形状や配設位置などが多様な被検査体に対して、1つの蒸気漏洩検査器1で検査することができる。
さらに、蒸気が鏡板3に触れると、鏡板3の表面に蒸気が付着して外観が変化するため、鏡板3の外観の変化を目視確認するだけで、蒸気の漏洩を容易に発見、確認することができる。また、電球4を点灯させることで鏡板3とその周辺が照らされるため、暗い環境下でも、鏡板3の外観の変化などを容易に確認できる。さらに、蒸気漏洩検査器1に電球4が備わっているため、別途ライトなどで鏡板3を照らす必要がなく、しかも、蒸気漏洩検査器1を片手で持てるため、両手が塞がらずに作業性、安全性が向上する。
以上のようにして、この蒸気漏洩検査器1によれば、被検査体からの蒸気の漏洩を容易かつ適正に発見することが可能となる。
(実施の形態2)
図4は、この実施の形態に係る蒸気漏洩検査器11を示す斜視図である。この実施の形態では、検知手段が実施の形態1と異なり、また、報知手段としてのブザー6を備えている点で実施の形態1と構成が異なる。以下、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付して説明する。
図4は、この実施の形態に係る蒸気漏洩検査器11を示す斜視図である。この実施の形態では、検知手段が実施の形態1と異なり、また、報知手段としてのブザー6を備えている点で実施の形態1と構成が異なる。以下、実施の形態1と同等の構成については、同一符号を付して説明する。
図中符号5は、検知手段としての温度測定板であり、板状の基盤51に複数の温度センサ52が配設されている。各温度センサ52によって測定された温度は、把持柄2の把持部21に内蔵されたCPU(Central Processing Unit、図示せず)に送信されるようになっている。この温度測定板5を蒸気に接触させると、蒸気に触れた温度センサ52が蒸気の温度を測定し、この測定温度が一定の温度以上であると、CPUが蒸気を検知したと判定するようになっている。つまり、この実施の形態では、温度によって蒸気の存在を検知するようになっている。また、符号25は、各温度センサ52の作動をオン/オフするためのスイッチである。
ブザー6は、蒸気が検知されたことを知らせるものであり、音源とスピーカとを備え、CPUによって起動されるようになっている。すなわち、CPUにおいて上記のようにして蒸気を検知したと判定されると、CPUからブザー6に発信指令が出され、ブザー6からブザー音が発せられる。
このような構成の蒸気漏洩検査器11によれば、温度によって蒸気を検知するため、鏡などに付着しない、あるいは付着してもすぐに蒸発してしまうようなわずかな蒸気の漏洩をも検知することができ、より早期かつ精度高く(微細な)蒸気の漏洩を発見することが可能となる。また、目視によらずに蒸気を検知するため、検査者によるバラツキなどがなく、暗い環境下でも確実に検知し、安定かつより確実に蒸気の漏洩を発見することが可能となる。さらに、蒸気が検知されと、ブザー6からブザー音が発せられるため、より容易かつ確実に蒸気の漏洩を知得することができる。
以上、この発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、実施の態様1では、検知手段を鏡板3で構成しているが、蒸気が付着するものであれば金属板などで構成してもよい。また、高温である蒸気に触れると色が変化するサーモテープや、高温である蒸気に触れると形状が変化する形状記憶合金などで検知手段を構成してもよい。同様に、実施の態様2では、温度によって蒸気を検知しているが、その他の測定パラメーラに基づいて蒸気を検知するようにしてもよい。例えば、把持柄2の伸縮変形部22の先端部に湿度センサを配設し、湿度センサによる測定湿度が所定の湿度である場合に、蒸気を検知したと判定するようにしてもよい。また、実施の態様2では、ブザー6を報知手段としているが、その他の報知手段、例えばLED(Light Emitting Diode)などであってもよい。つまり、蒸気が検知されると、LEDが点滅などするようにしてもよい。
1、11 蒸気漏洩検査器
2 把持柄
21 把持部
22 伸縮変形部
23 電池
24、25 スイッチ
3 鏡板(検知手段)
4 電球(照明手段)
5 温度測定板(検知手段)
51 基盤
52 温度センサ
6 ブザー(報知手段)
T 配管(被検査体)
T1 フランジ
2 把持柄
21 把持部
22 伸縮変形部
23 電池
24、25 スイッチ
3 鏡板(検知手段)
4 電球(照明手段)
5 温度測定板(検知手段)
51 基盤
52 温度センサ
6 ブザー(報知手段)
T 配管(被検査体)
T1 フランジ
Claims (5)
- 蒸気の漏洩を発見するための蒸気漏洩検査器であって、
棒状で変形自在な把持柄と、この把持柄の先端部に配設され蒸気を検知する検知手段と、を備えることを特徴とする蒸気漏洩検査器。 - 前記把持柄が伸縮自在であることを特徴とする請求項1に記載の蒸気漏洩検査器。
- 前記検知手段は、蒸気に触れると外観が変化することを特徴とする請求項1に記載の蒸気漏洩検査器。
- 前記検知手段を照らす照明手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気漏洩検査器。
- 前記検知手段によって蒸気が検知されたことを知らせる報知手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の蒸気漏洩検査器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007203458A JP2009036730A (ja) | 2007-08-03 | 2007-08-03 | 蒸気漏洩検査器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007203458A JP2009036730A (ja) | 2007-08-03 | 2007-08-03 | 蒸気漏洩検査器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009036730A true JP2009036730A (ja) | 2009-02-19 |
Family
ID=40438768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007203458A Pending JP2009036730A (ja) | 2007-08-03 | 2007-08-03 | 蒸気漏洩検査器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009036730A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2487930A (en) * | 2011-02-09 | 2012-08-15 | Rolls Royce Plc | Inspection of engine components |
CN107505097A (zh) * | 2017-08-04 | 2017-12-22 | 江苏核电有限公司 | 一种水蒸汽检测指示工具 |
-
2007
- 2007-08-03 JP JP2007203458A patent/JP2009036730A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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GB2487930A (en) * | 2011-02-09 | 2012-08-15 | Rolls Royce Plc | Inspection of engine components |
CN107505097A (zh) * | 2017-08-04 | 2017-12-22 | 江苏核电有限公司 | 一种水蒸汽检测指示工具 |
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