JP2009036727A - 試料堆積方法、試料堆積装置 - Google Patents

試料堆積方法、試料堆積装置 Download PDF

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Abstract

【課題】マスクを用いることなくマイクロアレイを製造する。
【解決手段】複数の電極202を備え、絶縁体からなる基板201の前記電極202に対応する領域に試料を堆積する試料堆積装置100であって、前記試料を噴霧するキャピラリ101と、前記試料を帯電させる電荷付与手段110と、前記帯電している試料の極性と逆の極性の電位を印加する第1電源102と、前記帯電している試料の極性と同じ極性の直流電位、または、交流電位を印加する第2電源103と、前記各電極と前記第1電源102とを接続するか、前記第2電源103と接続するかを選択する接続選択手段120とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、生化学的検査に供される微量の試料を基板上に堆積しうる試料堆積方法、試料堆積装置に関し、特に、マスク部材を使用することなく、種類の異なる試料を同一基板上に多数堆積することのできる試料堆積方法、試料堆積装置に関する。
近年、マイクロアレイ、DNAチップ、蛋白質チップ、有機化合物チップ等(以下、代表して「マイクロアレイ」と記す)と称されるものが、DNAの解析やゲノム創薬の分野で注目を集めている。このマイクロアレイは、光学顕微鏡用スライドガラス程度の大きさの基板上に、相互に種類や特性の異なる微量の試料(蛋白質など)をマトリクス状に配置したものである。従って、このマイクロアレイ全体に対し何らかの薬品などを作用させることで、前記薬品に反応する試料を検出することが可能となる。以上のように、マイクロアレイは、大量の試験を一度に行い、その結果を一目で確認することができるものである。
特に、DNAに関するマイクロアレイなどを製造する場合、多くの種類の試料を一枚の基板上に配置する必要があるため、一つの試料(DNAの一部)が基板上で占める領域は、ミクロンオーダーとなる場合もある。
上記マイクロアレイを製造する場合、つまり、基板上に複数種類の試料を堆積させ配置するには、所定の微小な領域に目的の種類の試料のみを堆積する必要がある。
従来のマイクロアレイの製造装置は、図9(a)に示すように、噴霧手段で帯電した試料1を噴霧し、微小な孔を備えたマスク2に電位を与え、当該マスク2の孔を通過した試料を基板上3に堆積させることによって、基板上の微小な領域にのみ目的とする試料1を堆積するものである。そして、噴霧する試料1の種類を変更し、マスク2と基板3との相対位置を変更することで、異なる種類の試料1をマトリクス状に配置している(特許文献1参照)。
特開2001−281252号公報
ところが、従来のマイクロアレイの製造装置のように、微小な孔を備えたマスク2を用い、帯電させた(または自然に帯電した)マスク2の孔に試料1を通過させて基板上3に堆積させると、図9(b)に示すように、堆積した試料1の周縁が立ち上がったようになる場合がある。これは、マスク2の微小孔の外側に到達してきた試料1が、帯電したマスク2と反発しあって微小孔に集まり、そのまま微小孔を通過して堆積するためと考えられる。
以上のように均一に堆積されない試料が配置されたマイクロアレイは、何らかの試験に供された場合に、適正な反応を示さない場合があり、マイクロアレイとしての性能が保証できない状態となる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、マスクを用いることなく試料を基板上の微小領域に均一に堆積させることができる試料堆積方法、及び、試料堆積装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本願発明にかかる試料堆積方法は、複数の電極を備え、絶縁体からなる基板上の所定の領域に試料を堆積させる試料堆積方法であって、前記試料を噴霧する噴霧ステップと、前記試料を帯電させる帯電ステップと、前記基板上の所定の領域に対応する電極に、前記帯電している試料の極性と逆の極性の電位を印加する逆極性電位印加ステップと、所定の領域に対応する前記電極と隣り合う電極に、前記帯電している試料の極性と同極性、または交流の電位を印加する忌避電位印加ステップとを含むことを特徴とする。
また、本願発明にかかる試料堆積装置は、複数の電極を備え、絶縁体からなる基板の前記電極に対応する領域に試料を堆積する試料堆積装置であって、前記試料を噴霧する噴霧手段と、前記試料を帯電させる電荷付与手段と、前記帯電している試料の極性と逆の極性の電位を印加する第1電源と、前記帯電している試料の極性と同じ極性の直流電位、または、交流電位を印加する第2電源と、前記各電極と前記第1電源とを接続するか、前記第2電源と接続するかを選択する選択接続手段とを備えることを特徴とする。
これにより、マスクを用いることなく基板上の所定の領域に均一に試料を堆積することが可能となる。
さらに、噴霧された試料を所定の方向に誘導する誘導部材と、前記帯電している試料の極性と同じ極性の電位、または、接地電位を前記誘導部材に印加する第3電源とを備えることが好ましい。
これにより、噴霧された試料を所定の方向に誘導することが可能となり、試料の噴霧量に対する基板上の堆積量を向上させることが可能となる。
前記誘導部材は、試料が堆積される領域との距離が一定となる誘導面を備えることが好ましい。
これにより、基板上の所定の領域に向かうように噴霧された試料を誘導することが可能となる。
さらに、噴霧された試料を所定の範囲に収束するよう誘導する環状の収束部材と、前記帯電している試料の極性と同じ極性の電位、または、接地電位を前記収束部材に印加する第4電源とを備えることが好ましい。
これにより、噴霧された試料を微小な領域に収束させることができ、基板上の微小な領域に試料を堆積することが可能となる。従って、多くの試料が堆積された基板を製造することが可能となる。
さらに、噴霧された前記試料を吸着する吸着部材と、前記帯電している試料の極性と逆の極性の電位を印加する吸着電源とを備えることが好ましい。
これにより、同一の試料堆積装置でことなる試料を連続して堆積させる場合、試料の変わり目で試料の噴霧空間を清浄にすることができ、次に堆積する試料の汚染を防止することが可能となる。
本願発明によれば、基板上の所定の領域に試料を均一に堆積させることが可能となる。
次に、本発明に係る試料堆積装置について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、試料堆積装置を概略的に示す、一部破断して示す断面図である。
同図に示すように、試料堆積装置100は、試料を噴霧し、噴霧した試料を所定の領域にのみ堆積させる装置であり、噴霧手段としてのキャピラリ101と、電荷付与手段110と、第1電源102と、第2電源103と、接続選択手段(図示せず)と、誘導部材104と、第3電源105と、収束部材106と、第4電源107と、チャンバ108と、第5電源109と、ポンプ131と、圧力調整手段132と、開閉弁133と、XYステージ135とを備えている。また、XYステージ135上にはサンプルチップ200が載置されている。
キャピラリ101は、内部に貯留された試料を噴霧することのできる装置であり、テーパ形状の先端に噴霧用の微小な孔が設けられたノズル部と、試料を貯留し前記ノズル部と連通する円筒状の貯留部とを備えている。キャピラリ101は、チャンバ108の天井から垂れ下がるL字状の取り付け部材に着脱可能に取り付けられている。キャピラリ101は、キャピラリ101の先端とXYステージ135上に載置されるサンプルチップ200との距離が10mm以上500mm以下の範囲に入るように配置されることが好ましい。サンプルチップ200とキャピラリ101との距離が10mm未満であれば、キャピラリ101から噴霧した試料が収束しきれずに所定の領域に試料を堆積するのが困難となる。一方、前記距離が500mmよりも長くなれば、噴霧された試料を収束させるために必要な電圧が非常に大きくなり、異常放電などが発生する。設備自体が大型化するため、コストが上昇する。これらにより、現実的な設備を構築するのが困難になる。なお、前記距離の好適な範囲は、100mm以上、300mm以下である。このキャピラリ101は、ロボット(図示せず)または手動により、他の種類の試料が貯留されたキャピラリなどと容易に交換することが可能となっている。
電荷付与手段110は、試料に電荷を付与するための装置であり、本実施の形態ではキャピラリ101に貯留される試料に対し電荷を付与するものとなっている。電荷付与手段110は、棒電極111と、第6電源112とを備えている。
棒電極111は、試料と直接接触し、直接試料に電荷を付与するものであり、キャピラリ101の内部の試料に浸漬される棒形状の金属電極である。
第6電源112は、試料に電荷を供給するための直流電源であり、本実施の形態の場合、試料に対し負の電荷を供給する、つまり、試料を負に帯電させるものとなっている。なお、第6電源112は、棒電極111を接地電位(0V)に維持すると共に棒電極111に電荷を供給し続ける機能も備えている。
第1電源102は、前記帯電している試料の極性と逆の極性、本実施の形態の場合、正の極性の電位をサンプルチップ200が備える複数の電極に印加する直流電源である。第1電源102がサンプルチップ200のいずれの電極に電位を印加するかは接続選択手段により決定される。なお、接続選択手段については後述する。
第2電源103は、第1電源102と接続されている電極以外の電極(例えば第1電極と接続されている電極と隣り合う電極)に交流電位を印加する交流電源である。
なお、第2電源103は、前記帯電している試料の極性と同極性、本実施の形態の場合、負の極性の電位を付与する直流電源であっても構わない。
誘導部材104は、キャピラリ101から噴霧された試料の極性と同じ極性(本実施の形態では負)の電位、または、接地電位が印加されることで、噴霧され乱雑に飛行しようとする試料を電場の形成により所定の方向に誘導する部材である。誘導部材104は、中空の真球の一部の形状であり、いわゆるお椀を伏せた状態でチャンバ108につり下げられた状態で取り付けられている。誘導部材104の上端部には円形の孔が設けられており、当該孔の中心にキャピラリ101が配置されている。換言すれば、前記孔の中心に配置されているキャピラリ101を取り囲むように誘導部材104が配置されている。誘導部材104の内面は、試料が堆積される領域、本実施の形態においては、XYステージ135に載置されたサンプルチップ200の所定の領域と距離が一定となる形状であり、かつ、前記所定の領域と距離が一定となる位置に配置されている。そして、誘導部材104の内面は、試料を誘導する電気力線が発生する誘導面として機能する。また、チャンバ108と誘導部材104とは絶縁状態となっている。
この誘導部材104の存在により、噴霧された試料の量に対する堆積した試料の量を向上させることが可能となる。
第3電源105は、前記帯電している試料の極性と同極性、本実施の形態の場合、負の極性の電位を誘導部材104に付与する電源である。なお、第3電源105は、誘導部材104を接地電位(0V)に維持する機能も備えている。
収束部材106は、キャピラリ101から噴霧された試料の極性と同じ極性の電位、または、接地電位が印加されて電場を形成し、誘導部材104により誘導された試料をさらに収束させるための部材である。収束部材106は、円環形状となされ、試料が堆積する領域と誘導部材104の下端縁とを結んだ逆円錐形状(同図中1点鎖線で示す)を取り囲むように配置されている。収束部材106は、チャンバ108の床面に立設される支柱に取り付けられており、チャンバ108とは絶縁状態となっている。なお、本実施の形態では収束部材106の周方向と直交する断面は、矩形が採用されているが、円形や楕円形など任意の形状を選択しうる。また、本実施の形態では収束部材106は、同図中の一点鎖線の外に配置しているが、一点鎖線にかかるように配置しても、一点鎖線の内部に配置しても構わない。また、同図中一点鎖線は仮想的な線である。
この収束部材106の存在により、試料が堆積する領域の大きさを調整することが可能となる。従って、サンプルチップ200の電極(後述)の大きさと、収束部材106により収束させる試料の領域とをほぼ一致させると、試料が堆積する際の均一性をより向上させることが可能となる。また、堆積領域の調整は、サンプルチップ200と収束部材106との距離、収束部材106の径、収束部材106に印加する電位の三つのパラメータを調整することにより行われる。
第4電源107は、前記帯電している試料の極性と同極性、本実施の形態の場合、負の極性の電位を収束部材106に付与する直流電源である。なお、第4電源107は、収束部材106を接地電位(0V)に維持する機能も備えている。
チャンバ108は、試料にほこりなどが混入することを回避するための箱体であり、少なくとも内面は、導電性の物質で構成されている。チャンバ108は、試料を堆積している状態では、試料と同極性の電位、または、接地電位が付与され、試料の堆積に必要な電場の形成に寄与している。また、チャンバ108は、試料の堆積が終了した状態では、試料と逆極性の電位が付与され、チャンバ108内の空間に残存する試料を吸着して、チャンバ108内の清浄度を上昇させる。つまり、チャンバ108が吸着部材として機能する。また、種々の部材が帯電し、コロナ放電など異常な放電の発生が懸念されるときは、チャンバ108に交流電圧が付与され、種々の部材の除電が行われる。
第5電源109は、上記のように、極性を切り替えて直流電圧をチャンバ108に印加したり、交流電圧をチャンバ108に印加したりすることのできる電源である。なお、チャンバ108が吸着部材として機能する際は、第5電源109は、吸着電源として機能する。また、第5電源109は、上述の通り、チャンバ108を接地電位(0V)に維持する機能も備えている。
ポンプ131は、キャピラリ101から試料を噴霧するために必要な圧力を圧縮空気として供給するポンプである。
圧力調整手段132は、ポンプ131から供給される圧縮空気の圧力を調整し、試料の噴霧に最適な圧力とする絞り弁である。
開閉弁133は、圧縮空気をキャピラリ101に供給するか否かを決定する弁である。なお、開閉弁133、及び、圧力調整手段132は、制御装置(図示せず)により制御されている。
XYステージ135は、サンプルチップ200が載置され、サンプルチップ200を水平方向に移動させることができるテーブルである。
図2は、サンプルチップ200を概念的に示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。
同図に示すように、サンプルチップ200は、複数の試料が堆積される部材であり、基板201と、電極202と、端子203と、接続部204とを備えている。
基板201は、サンプルチップ200の土台となる部材であり、絶縁性を備える透明なガラスで構成されている。
電極202は、試料が堆積される領域を規定する部材であり、導電性を備える透明な材料(例えばITO(Indium Tin Oxide))で構成されている。電極202は、基板201の表面に設けられている。
以上のように、基板201と電極202が透明であれば、堆積した試料を透過型の光学顕微鏡で観察することが可能となる。
端子203は、接続選択手段と接続するための端子であり、電極202と同様ITOで構成されている。
接続部204は、電極202と端子203とを電気的に接続する部分であり、ITOで構成されている。
なお、本実施の形態では基板201、電極202とも透明の材料で構成したが、特に限定されるものではない。本発明にかかる試料堆積装置100は、サンプルチップ200を構成する材質は問わない。
図3は、サンプルチップと接続選択手段とを概念的に示す正面図であり、(a)は外観図、(b)は回路図である。
同図に示すように、サンプルチップ200の端子203と接続選択手段120とは、着脱自在となされ、サンプルチップ200と接続選択手段120とが離れることで、サンプルチップ200を新たなサンプルチップ200と交換することが可能となっている。
接続選択手段120は、接続される電極を第1電源102に接続するか、第2電源103に接続するかを選択することができるスイッチ121を備えた装置である。接続選択手段120は、下方に突出した接続子をサンプルチップ200の端子203に対応した数だけ備えている。また、接続選択手段120は、サンプルチップ200に対し離接することができ、接続選択手段120とサンプルチップ200とが接した状態では、各接続子123と端子203とが電気的に接続される。つまり、接続選択手段120と電極202とが接続される。
スイッチ121は、それぞれの接続子123に対応して設けられており、接続されている接続子123と第1電源102とを接続するか、前記接続子123と第2電源103とを接続するかを選択することが可能となっている。
また、接続選択手段120は、図示しない制御装置と接続されており、制御装置からの命令を受信することでスイッチ121が設定され、接続子123と接続される電源が制御装置によって選択されるものとなっている。
次に、上記試料堆積装置100を用いた試料堆積方法を説明する。
図4は、試料の堆積状態の各段階を、拡大率を変えて一度に示した概念図である。
まず、所定の試料が充填されたキャピラリ101を試料堆積装置100に取り付ける。
次に、第6電源112を駆動し、棒電極111を介して試料を負に帯電させる(帯電ステップ)。
また、試料堆積装置100の各部とサンプルチップ200の電極202に電位を与え、電場を形成する。具体的には、サンプルチップ200の所定の領域に対応する電極202(同図中に示すサンプルチップ200の最も左の電極)に、帯電している試料の極性と逆の極性である正の電位を印加する(逆極性電位印加ステップ)。前記電位の印加は第1電源102を用い、接続選択手段120を介して行われる。付与する電位は接地電位を0Vとした場合、20V以上、3KV以下の範囲から選定する。20V未満だと、電極202が帯電した試料を引き寄せる能力が著しく低下し、所定の領域に試料が堆積しなくなる。3KVより高くすると、異常放電の発生確率が高くなるからである。なお、電極202に印加する電位は、隣り合う電極202に印加される電位と電極間距離に依存する。
また、サンプルチップ200の前記領域に対応する前記電極202と隣り合う電極202、および、隣り合う電極202の右側にある全ての電極202に、交流の電位を印加する(忌避電位印加ステップ)。前記電位の印加は第2電源103を用い、接続選択手段120を介して行われる。試料を堆積しない領域に存在する電極202に交流の電位を印加することにより、試料の堆積を忌避することが可能となる。これは、試料の空間中の移動速度と交流電位の周波数とを勘案すれば、電極202は交流電位の平均値(電位0V)が印加されているとみなすことができると思われる。従って、正の電位が印加されている電極202と比べると、交流電位が印加されている電極202の電位の方が試料の極性に近くなり、試料の堆積を忌避できるものと考えている。また、交流の電位を印加することで、他の電極との放電を抑止することができる効果も享受することができる。なお、正の電位が印加されている電極202以外の電極202を接地した場合、負の試料が当該電極202に近づくと電極202表面に正の電荷が現れるため、試料の忌避効果に乏しく、放電を抑止することも困難となる。
第2電源が電極202に与える交流電圧は、実効値で5V以上、1KV以下の範囲が望ましい。5V未満であると試料を忌避する効果が望めない。1KVより大きいと、試料を忌避する効果の向上を望めなくなり、絶縁破壊が発生する可能性が高くなる。また、周波数は20Hz以上、50KHz以下が望ましい。20Hz未満であると、試料の付着を完全に忌避することを望めない。50KHzより高いと、忌避効果の向上は望みにくく、ノイズが発生して他への悪影響が懸念されるからである。
なお、第2電源103が印加する電位は試料と同極性の電位、つまり、負の直流電位でも構わない。
さらに、第3電源を用い、誘導部材104に負の電位を与える。第4電源107を用い、収束部材106に負の電位を与える。さらに、第5電源を用い、チャンバ108に負の直流電位を与える。
以上のようにして試料堆積装置100内に電場を形成した後、キャピラリ101に圧縮空気を送って、試料を噴霧する(噴霧ステップ)。
噴霧された試料は、同図の上段に示すように、帯電した小さな粒となって乱雑に散らばるが、誘導部材104が形成する電場(電気力線)によって、サンプルチップ200の所定領域に向かうように誘導される。
誘導された試料の粒は、さらに、収束部材106によって収束される(同図中段)。
最後に、試料は、逆極性の電圧が印加された電極202に吸引されサンプルチップ200の所定領域に堆積する(同図下段)。
ここで、収束部材106とサンプルチップ200との距離は、従来のサンプルチップとマスクとの距離に比べ十分に長い。従って、収束部材106によって収束した試料は、サンプルチップ200に到達するため相当の時間を要する。そしてこの時間に試料は均等に飛翔するようになり、サンプルチップ200へは、均一に堆積することとなる。
以上の装置、方法を採用することにより、サンプルチップ200上の所定の領域に試料を均一に堆積することが可能となる。
次に、他の種類の試料が充填されたキャピラリ101に交換し、XYステージ135でサンプルチップ200を次の試料が堆積される領域が収束部材106の中心に来るように移動する。
以上のような工程を繰り返すことにより、サンプルチップ200上には種類の異なる複数の試料が堆積することになる。
なお、本実施の形態では、誘導部材104と収束部材106とを用いたが、本願発明は、必ずしも誘導部材104と収束部材106とを必要とするわけではない。つまり、キャピラリ101から帯電した試料を噴霧し、サンプルチップ200の所定の領域に対応する電極に帯電した試料と逆極性の電位を付与し、その他の電極に交流、または、同極性の電位を付与することで、サンプルチップ200上の所定の領域に試料を均一に堆積することが可能となる。誘導部材104と収束部材106とは前記効果をより高めるためのものであり、特に所定の領域が微小な場合、その効果を発揮する。
また、図5に示すように、サンプルチップ200が備える電極202が矩形の場合、図6に示すように、誘導部材104、収束部材106を電極202の形状に対応した矩形で構成すれば、電極202の形状に対応した形状で試料を堆積することが可能となる。
また、図7に示すように、複数のキャピラリ101を備えたマルチキャピラリとすれば、キャピラリを交換する手間が減少する。なお、いずれのキャピラリ101から試料を噴霧するかは、開閉弁133を選択することにより実行することができる。また、試料の帯電は、キャピラリ101を導体で構成し、キャピラリ101自体に電位を印加することで行うことが可能である。
また、試料堆積装置100を次のような電位状態とすることが好ましい。
すなわち、サンプルチップ200の電極202に20V以上、3KV以下から選定される電位を印加する。この場合の極性(+、−)はいずれでも良いが、ここでは性の極性(+)を印加するものとして説明する。収束部材106を接地する。誘導部材104を接地する。キャピラリ101を接地する。なお、接地とは、キャピラリ101等を直接アースと接続しても良い。また、電源を介してキャピラリ101等とアースとを接続し、キャピラリ101等を0V(接地電位)に維持するものでも良い。
以上により、サンプルチップ200の電極202は正の極性になり、その他の部材は、0V(接地電位)となる。また、キャピラリ101も同様に電位は0Vとなるが、サンプルチップ200の電極202の正の極性に誘導され、キャピラリ101には負の電荷が誘導される。
従って、キャピラリ101から吐出される試料は、負に帯電し、サンプルチップ200の電極202に向かって飛行する。
このような電位状態とすれば、試料堆積装置100の多くの部分が接地電位となるため、異常放電が発生しにくく安定した状態で安全に試料を堆積することが可能となる。
また、図8に示すように、試料堆積装置100が一連に配置され、ローダ211と、アンローダ212とを備えるインライン式堆積装置を構成しても構わない。これにより、サンプルチップ200を製造するスループットを向上させることが可能となる。なお、試料堆積装置100の配置は、一直線ばかりでなく、円形に配置しても構わない。
なお、上記実施の形態では、接地電位を0Vとし、これを基準に極性を決めていたが、本発明はこれに限定されるわけではない。例えば接地電位から所定の電圧分バイアスをかけた電位を基準に極性を決定しても構わない。
本発明は、マイクロアレイの製造に利用可能である。
試料堆積装置を概略的に示す、一部破断して示す断面図である。 サンプルチップを概念的に示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。 サンプルチップと接続選択手段とを概念的に示す正面図であり、(a)は外観図、(b)は回路図である。 試料の堆積状態の各段階を、拡大率を変えて一度に示した概念図である。 他の種類のサンプルチップを概念的に示す図であり、(a)は上面図、(b)は正面図である。 試料堆積装置の他の実施の形態を示す斜視図である。 試料堆積装置の他の実施の形態を概略的に示す、一部破断して示す断面図である。 インライン式の試料堆積装置を概念的に示す正面図である。 従来のマスクを用いた試料の堆積状態を示す概念図である。
符号の説明
100 試料堆積装置
101 キャピラリ
102 第1電源
103 第2電源
104 誘導部材
105 第3電源
106 収束部材
107 第4電源
108 チャンバ
109 第5電源
110 電荷付与手段
111 棒電極
112 第6電源
120 接続選択手段
121 スイッチ
123 接続子
131 ポンプ
132 圧力調整手段
133 開閉弁
135 XYステージ
200 サンプルチップ
201 基板
202 電極
203 端子
204 接続部
211 ローダ
212 アンローダ

Claims (6)

  1. 複数の電極を備え、絶縁体からなる基板上の所定の領域に試料を堆積させる試料堆積方法であって、
    前記試料を噴霧する噴霧ステップと、
    前記試料を帯電させる帯電ステップと、
    前記基板上の所定の領域に対応する電極に、前記帯電している試料の極性と逆の極性の電位を印加する逆極性電位印加ステップと、
    所定の領域に対応する前記電極と隣り合う電極に、前記帯電している試料の極性と同極性、または交流の電位を印加する忌避電位印加ステップと
    を含む試料堆積方法。
  2. 複数の電極を備え、絶縁体からなる基板の前記電極に対応する領域に試料を堆積する試料堆積装置であって、
    前記試料を噴霧する噴霧手段と、
    前記試料を帯電させる電荷付与手段と、
    前記帯電している試料の極性と逆の極性の電位を印加する第1電源と、
    前記帯電している試料の極性と同じ極性の直流電位、または、交流電位を印加する第2電源と、
    前記各電極と前記第1電源とを接続するか、前記第2電源と接続するかを選択する選択接続手段と
    を備える試料堆積装置。
  3. さらに、
    噴霧された試料を所定の方向に誘導する誘導部材と、
    前記帯電している試料の極性と同じ極性の電位、または、接地電位を前記誘導部材に印加する第3電源と
    を備える請求項2に記載の試料堆積装置。
  4. 前記誘導部材は、試料が堆積される領域との距離が一定となる誘導面を備える
    請求項3に記載の試料堆積装置。
  5. さらに、
    噴霧された試料を所定の範囲に収束するよう誘導する環状の収束部材と、
    前記帯電している試料の極性と同じ極性の電位、または、接地電位を前記収束部材に印加する第4電源と
    を備える請求項2に記載の試料堆積装置。
  6. さらに、
    噴霧された前記試料を吸着する吸着部材と、
    前記帯電している試料の極性と逆の極性の電位を印加する吸着電源と
    を備える請求項2に記載の試料堆積装置。
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