JP2009036652A - 光触媒活性定量測定装置及び光触媒活性定量測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、光を照射されたとき光触媒が生成する中間体の生成量を直接測定することができる光触媒活性定量測定装置及び光触媒活性定量測定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の光触媒活性定量測定装置は、(1)内部に光触媒の試料13を装着し光を照射するための石英ガラス窓12を備えた第1電離箱2と、第1電離箱2内に収容され磁気浮上する電極3bを備えて、電界によって光触媒の作用で生成された中間体の電荷とバックグラウンドの電荷とを電極3bに収集する磁気浮上電極電離箱Bと、(2)第1電離箱2と共通の構成を有する第2電離箱2と、電極3bと共通の構成を有し磁気浮上する電極3aとを備えて、電界によってバックグラウンドの電荷を電極3aに収集する磁気浮上電極電離箱Aと、(3)電極3aと電極3bの電位差に基づいて中間体の生成量を測定する制御演算部11を備えたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、光触媒反応によって生成される中間体の電荷を直接測定することができる光触媒活性定量測定装置及び光触媒活性定量測定方法に関する。
光触媒は日本で開発された技術であり、現在も日本の光触媒技術水準やその応用製品の品質の高さは世界的にみて最高水準にある。この光触媒技術を簡単に説明すると、TiOのような光触媒物質に光を照射したときに、TiOは光エネルギーにより電荷分離を起こし励起電子や正孔を生じる。この励起電子や正孔は光触媒物質を取り囲んでいる基質(O、HO)と反応し、活性酸素種(O、O 、O であり、以下反応中間体とも言う)やラジカル種(OH)等を生じる。生成した活性酸素種とOHラジカル等は、すべてを含めて反応中間体または中間体(以下、中間体)と呼ばれる。
活性酸素種やラジカル種等の中間体は強い酸化還元力をもつ。この酸化還元力によって、光触媒物質に接触している気相や液相では、有機物の光酸化、水の光解離、COやNの光還元等が起こる。この光触媒の酸化還元作用は、防汚,セルフクリーニング、抗菌,抗黴、空気浄化、水質浄化等のための技術として、現在広く実用化されている。
そして、今やこの技術は光触媒関連産業とも称すべき広い裾野をもつまでに成長し、空気清浄機、抗菌タイル、ガラスコーティング、塗料などをはじめ、多くの応用製品が上市されるに至っている。この光触媒関連商品の国内市場規模は約400億円と試算されており、将来は環境問題や省エネルギーの観点からその価値が高まり、さらに市場が拡大することが見込まれ、数年後の市場規模数兆円になるとも試算されている。図10は光触媒技術と関連産業分野の関係を示す関係図である。
ところで、光触媒活性の主体は上述した活性酸素種やラジカル種のような中間体であり、活性は中間体の量に依存する。しかし、中間体の生成量あるいは生成効率を直接測定する方法は現時点では存在しない。現在光触媒技術では、可視光対応型光触媒物質や高効率光触媒物質の研究や開発が進められているが、そのためには中間体の発生量を直接定量的に測定する等、新たな活性評価装置や方法の開発が不可欠である。2006年1月20日には経済産業省によって光触媒の試験方法の規格及び性能の規格に関するJISが制定されたが、今後新たな光触媒活性の定量測定・評価方法が確立しJISの制定がなされれば、光触媒関連の新技術の創生や信頼性の向上などの技術面は言うに及ばず、消費者保護、市場拡大においても大いに貢献が期待できる。(非特許文献1参照)。
現在、光触媒の活性を評価するためのいくつかの方法がある。例えば、この1つとして色素脱色法がある。これは光触媒製品にメチレンブルー溶液を塗布し、一定時間光照射後に褪色度を観察する方法である。しかし、この方法は、わずかな着色の差を観ることになるため、精度の良い測定をするためには、検査試料の数を増やす、光源の強度や光源の使用時間、温度や湿度などの環境,条件等々を厳密に設定する必要がある。
次に、ガス分解法がある。この方法は光触媒製品をアセトアルデヒドガスと共に密封し、20時間光照射後に残存ガスを測定する方法である。しかし、残存ガスの測定にはガスクロマトグラフィーやガス検知管を用いるため、試料をパックする材料や、試料そのものからのガスの放出や、逆にガスの吸着が起こる場合があり、こうした要因を取り除く前処理、後処理が必要である。
このほか、電子スピン共鳴装置(ESR)を用いたスピントラップ法がある。この方法は中間体であるOH等のラジカルガスを間接的に測定する方法である。ラジカルガスは寿命が短いので、水溶液中でスピントラップ剤(DMPO)を添加することにより安定化して、DMPOにトラップされたラジカル(DMPO−OH)の量を測定する。つまり、ESRでOHラジカルを直接検出するのではなく、有機物のスピントラップ剤を使って間接的に検出するのである。このとき、スピントラップ剤は酸素原子により酸化され、電荷分離により還元された酸素原子が有機物の水素と反応し、OHラジカルを生成する。従って、スピントラップ法ではスピントラップ剤の影響が避けられず、ラジカルガスの量を正確に測ることはできない。
その他光触媒活性評価に関しては、セルフクリーニング、空気浄化、水質浄化、抗菌性、ハイスループット法、ニューラルネットワーク法など多くの方法がある(非特許文献2参照)。
なお、光触媒反応により発生した中間体は光触媒物質表面に吸着していると言う報告もあるが(非特許文献4参照)、逆に空気中では表面から拡散する可能性がある、とも言われており、いずれの状態であっても中間体の生成量を直接測定する方法は現在のところない。
ところで、本発明者らの一人は、以前に、ラドンのような放射性ガスの計測を高感度で行うための測定装置として、磁気浮上している電極とファラデーケージによる磁気浮上電極電離箱を提案した(特許文献1、非特許文献3参照)。磁気浮上電極電離箱は電離箱内部に電荷収集電極が磁気浮上していて、この浮上電極で放射線によって電離した空間電荷を収集して、電極上の電荷はファラデーケージを用いて非接触で読み取る構造である。ここで、磁気浮上電極電離箱を開発した理由と必要性を説明すると、環境放射線(バックグラウンド)が空気を電離する場合、電離気体は10−15A以下の電離電流となることが多いが、それを測定するエレクトロメータや増幅装置のような計測機器のドリフトはこの電離電流以上であるため、バックグラウンドレベルの弱い放射線計測においては、市販の電離箱では有意な計測数値が得られないためである。ただ、この技術は放射線線量の計測を行う技術であった。
特許3061798号 日本工業標準調査会、「光触媒試験方法のJIS制定について−空気浄化性能試験方法のJIS化−」、[online]、2007年6月5日、インターネット<URL:htt://www.jisc.go.jp/newstopics/2004/JISR1701-1.html> 特許庁、「標準技術;集光触媒(基本原理)」、[online]、2007年6月5日、インターネット<URL:http://www.jpo.go.jp/shiryou/s_sonota/hyoujun_gijutsu/hikari_shokubai/4_b_1.htm> 川口俊郎他4名、「大型磁気浮上電極電離箱」、RADIOISOTOPS、Vol.55、No.7、2006年7月 大谷文章他著、「光触媒」、エヌ・ティー・エス出版、2005年5月27日、p.14
以上説明したように、光触媒の試験方法の規格及び性能の規格に関するJISが制定されたが、光触媒反応における中間体の生成量あるいは生成効率を精度良く直接定量的に測定する装置及び方法は現在存在しない。活性酸素種やOHラジカル等の中間体は空気中では有機,無機化合物を分解し、あるいは有害物を無害化し、またこの他の作用によって消耗するため、さらにその寿命も短いため、生成量を知るには凍結測定など特別の装置方法が必要で、簡単に測定することは困難である。従って、光触媒反応による中間体の生成量や生成効率を精度良く直接定量的に測定するためには、新たな光触媒活性定量測定技術が提案される必要がある。
今後、図10で示すように、NO、SO等の除去や排水処理などを行う環境浄化分野、有害物分解を行う家電、建材分野、また抗菌等を行う医療関連分野、さらに光触媒の超親水性機能を利用するセルフクリーニング分野等での光触媒技術の開発が拡大していくと予想される。そして、当面の最大の課題は、可視光応答型光触媒の実用化であり、また光触媒物質への高選択性付与が重要な課題になると考えられる。
将来の光触媒関連産業の発展を推進する技術を車の両輪に例えれば、一方は触媒製造技術であり、他方は触媒評価技術であるといえる。つまり光触媒活性定量測定技術は、光触媒技術の今後の発展の一翼を担っているといえる。例えば上述した可視光応答型光触媒の研究や実用化においても、さらに光触媒物質への高選択性付与においても、光触媒活性の定量測定技術はきわめて有用である。また、光触媒反応の選択性を研究するためには、光の照射の有無、ガスの導入の有無が自在で、その他環境条件の調整が自在に行える測定装置、測定方法が望まれる。
本発明は、光触媒反応で生成する活性酸素種やOHラジカル等の中間体の生成量を直接測定することができる光触媒活性定量測定装置及び光触媒活性定量測定方法を提供することを目的とする。
本発明の光触媒活性定量測定装置は、光触媒反応を起こす材料を内部に装着して該材料に対し光を照射できる第1電離箱と、第1電離箱内に収容され磁気浮上する第1電極と、第1電極を帯電させるための第1静電帯電器と、第1電極に帯電している電荷を測定するための第1非接触電荷読取部とを具備し、第1電極と第1電離箱の間に電圧を印加し材料を装着して光を照射し、光触媒反応によって生成される中間体の電荷とバックグラウンドの電荷を第1電極に収集する第1磁気浮上電極電離箱と、材料を装着する構成及び光を照射するための構成以外は第1電離箱と共通の構成を有する第2電離箱と、第1電極と共通の構成を有し第2電離箱内に収容されて磁気浮上する第2電極と、第2電極を帯電させるための第2静電帯電器と、第2電極に帯電している電荷を測定するための第2非接触電荷読取部とを具備し、第2電極と第2電離箱の間に電圧を印加してバックグラウンドの電荷を第2電極に収集する第2磁気浮上電極電離箱と、第1電極と第2電極で測定した電荷量の差に基づいて光触媒反応によって生成される中間体の電荷を測定する測定部と、を備えたことを主要な特徴とする。
また、本発明の光触媒活性定量測定方法は、磁気浮上している電極がそれぞれ収容された一対の磁気浮上電極電離箱を設け、一方の磁気浮上電極電離箱には光触媒反応を起こす材料を装着しその電極で材料の光触媒反応で生成される中間体の電荷及びバックグラウンドの電荷を収集し、他方の磁気浮上電極電離箱の電極ではバックグラウンドの電荷を収集し、電極間の電荷量の差に基づいて光触媒反応により生じた中間体の電荷を測定することを主要な特徴とする。
本発明の光触媒活性定量測定装置と光触媒活性定量測定方法によれば、従来の技術にはなかった、光触媒反応による活性酸素種やOHラジカル等の中間体の生成量を定量的に直接測定することができる。同様に、光触媒物質のバインダーによる担持や経年変化、ガス選択性等の機能特性を定量的に測定することが可能である。さらに、照射する紫外線や可視光の入射、あるいは波長や光強度の選択を容易に行え、今後の光触媒活性研究や光触媒製造技術の発展に寄与することができる。
本発明の第1の形態は、光触媒反応を起こす材料を内部に装着して該材料に対し光を照射できる第1電離箱と、第1電離箱内に収容され磁気浮上する第1電極と、第1電極を帯電させるための第1静電帯電器と、第1電極に帯電している電荷を測定するための第1非接触電荷読取部とを具備し、第1電極と第1電離箱の間に電圧を印加し、材料を装着して光を照射し、光触媒反応によって生成される中間体の電荷とバックグラウンドの電荷を第1電極に収集する第1磁気浮上電極電離箱と、材料を装着する構成及び光を照射するための構成以外は第1電離箱と共通の構成を有する第2電離箱と、第1電極と共通の構成を有し第2電離箱内に収容されて磁気浮上する第2電極と、第2電極を帯電させるための第2静電帯電器と、第2電極に帯電している電荷を測定するための第2非接触電荷読取部とを具備し、第2電極と第2電離箱の間に電圧を印加してバックグラウンドの電荷を第2電極に収集する第2磁気浮上電極電離箱と、第1電極と第2電極で測定した電荷量の差に基づいて光触媒反応によって生成される中間体の電荷を測定する測定部と、を備えたことを特徴とする光触媒活性定量測定装置である。この構成によって、バックグラウンドの影響を排除して、光触媒反応で発生する活性酸素種やOHラジカル等の中間体の電荷を定量的に直接測定することができる。また、光触媒物質のバインダーによる担持や経年変化等の機能特性を定量的に測定することが可能である。さらに、材料に照射する紫外線や可視光線の選択、あるいは波長や光強度の選択を容易に行うことができる。これにより、今後の光触媒活性研究や光触媒製造技術の発展に寄与することができる。
本発明の第2の形態は、第1の形態に従属する形態であって、第1電離箱には、材料の装着するための構成としての装着部と、光を照射するための構成として外部から光を材料に照射するための窓が設けられたことを特徴とする光触媒活性定量測定装置である。この構成によって、材料は様々な方法で装着部に装着すればよく、窓が設けられているので装着した試料に外部からこの窓を通して紫外線や可視光線を照射することができ、波長や光強度の選択を容易に行うことができる。
本発明の第3の形態は、第1または第2の形態に従属する形態であって、第1電離箱及び第2電離箱には、それぞれガスの影響をみるためのガス流入路とガス排出路が設けられていることを特徴とする光触媒活性定量測定装置である。この構成によって、電離箱内に装着された光触媒物質を取り囲む雰囲気のガスの種類や濃度等を変化させて、光触媒物質及び光触媒反応のガス選択性を研究することができる。
本発明の第4の形態は、磁気浮上している電極がそれぞれ収容された一対の磁気浮上電極電離箱を設け、一方の磁気浮上電極電離箱には光触媒反応を起こす材料を装着しその電極で材料の光触媒反応で生成される中間体の電荷及びバックグラウンドの電荷を収集し、他方の磁気浮上電極電離箱の電極ではバックグラウンドの電荷を収集し、電極間の電荷量の差に基づいて光触媒反応により生じた中間体の電荷を測定することを特徴とする光触媒活性定量測定方法である。この構成によって、バックグラウンドの影響を排除して、光触媒反応による活性酸素種やOHラジカル等の中間体の生成量を定量的に直接測定することができる。また、光触媒物質のバインダーによる担持や経年変化等の機能特性を定量的に測定することが可能である。
本発明の第5の形態は、第4の形態に従属する形態であって、第1電離箱内及び第2電離箱内にそれぞれガスを流入し、光触媒反応で生成される中間体の生成量とガスの種類及び濃度との関係について測定することを特徴とする光触媒活性定量測定方法である。この構成によって、電離箱内に装着された光触媒物質を取り囲む雰囲気のガスの種類や濃度等を変化させて、光触媒物質及び光触媒反応のガス選択性を研究することができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置と光触媒活性定量測定方法について説明する。図1は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の原理図、図2は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の全体構成図、図3は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の第1電離箱の説明図、図4は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の第2電離箱の説明図である。
まず、図1に基づいて、実施の形態1の光触媒活性定量測定装置と光触媒活性定量測定方法の測定原理を説明する。従来存在しない測定装置、測定方法であるため測定原理を最初に説明する。光触媒反応による電荷分離、中間体の生成、中間体の基質(触媒物質を取り囲む物質)との反応、中間体の電極への掃引及び電極への電荷収集等の概要である。
図1に示すように常温、常圧の空気が密閉されている空間において、電荷収集電極(正極)とそれに対置したアース電極(後述する実施の形態1では電離箱の内壁に塗布された導電性の皮膜)の間に電圧を印加する。次にこの電界雰囲気の空間に光触媒物質(酸化チタンなど)を置き、光触媒物質が電界雰囲気に置かれた状態で、必要に応じて光触媒物質に光を照射する。光触媒物質は電界の作用あるいは光の励起によってエネルギーの高い状態になって、電荷分離し、電子(e)と正孔(h)を生じる。そして、この電子(e)と正孔(h)は基質(空気中のO2、O)と反応してこれを活性化し、物質の表面及び表面近傍に中間体(すなわち活性酸素種(O、O 、O )やOHラジカル(OH)等)を生成する。この中間体は、負の電荷をもっているので、電界中に置かれた負電荷粒子に働くクーロン力の作用により光触媒物質表面近傍から引き離されて、アース電極と対置して置かれた電荷収集電極(正極)に掃引され、収集される。電荷収集電極(正極)の正電荷は、収集された負電荷によって減少する。従って、電荷集電極の収集前と収集後の電荷の差を測定することによって、光触媒反応で生じた中間体の電荷を測定することが可能になる。いうまでもないが、収集電荷量の多寡は中間体の生成量の多寡を表している。
ところで、この方法で収集した電荷を測定するに当たって、(1)電極をコンデンサとし、一定時間電荷を蓄積して測定する方法と、(2)電極の収集電荷を直流電流として測定する方法の2種類の方法がある。電荷収集電極(正極)に掃引される中間体の電荷は、空気中を移動するいわゆる空間電荷であり、10−15A以下の電流であってきわめて微弱である。ところが、地上に存在する環境放射線が、空気を電離する際に生じる電離電流は10−15Aのレベルであるため、10−15A以下の微弱な空間電荷を直接測定することは、いかに高感度のエレクトロメータや増幅回路を使ってもきわめて難しい。言い換えれば(2)の方法で中間体の電荷を測定することは事実上できない。
このため本発明は上記(1)の方法に拠って測定を行う。しかし、空間電荷の10−15A以下の電流を環境放射線による電離電流10−15A程度の雑音レベルの中で測定する困難は変わらない。これは、電荷集電極(正極)に蓄えられた電荷を読み出すときに、エレクトロメータに繋がれた接点を電荷収集電極に接触しなくてはならないからである。そしてこの場合に限らず、通電状態での接点の接触では必ず不規則電荷が発生し、とりわけ微弱な電流の測定では不規則電荷の大きさは無視できない。また、電荷収集電極を保持する絶縁体からは常に微小のリーク電流が流れる。このように(1)では(2)とは別の問題があり、電荷収集電極の電荷の微弱な変化量を定量的に測定することは簡単ではない。
ところで、時間をt、静電容量をCとすると、電荷Q、電圧v(アース電極との電位差)、電流iとの間には、Q=Cv、dQ/dt=iのよく知られた関係がある。従って、実施の形態1においては、以下、電荷集電極の電荷Q、電荷の減少(増加)量ΔQを測定すると説明する場合が多いが、これは電圧vを測定することとも言えるし、単位時間Δtあたりの電荷の減少(増加)量ΔQを使って平均電流I(=ΔQ/Δt、以下単に電流とも言う)を測定する、と言うこともできる。何れで表現しても実質的に変わりがない。このため、以下、電荷で表現したり、電圧、電流で表現したりもするが、内容的には等価である。そして、これを明示するため括弧により読み換えも行っている。
そこで、実施の形態1の光触媒活性定量測定装置では、光触媒反応により発生した中間体の電荷を磁気浮上した電荷収集電極(正極)に掃引、収集し、この磁気浮上している電荷収集電極の電荷を、静電誘導の原理で、非接触でファラデーケージを用いて読み出す。この方法によれば、電荷収集電極(正極)は磁気浮上しているため電荷収集電極を支える絶縁体が必要でなく、リーク電流は生じない。また非接触で電荷を読み出すために不規則電荷も発生しない。従って、電離電流による雑音の影響を無視できるようにすることができれば、電荷を10−17Aレベルで測定することが可能になる。これゆえに、中間体の電荷を従来測定し得なかった10−17Aレベルで定量的に直接測定することが実現できる。
以下、従来測定し得なかった中間体の生成量を定量的に測定することを可能にする実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の全体構成について説明する。本発明の光触媒活性定量測定装置は図2のように、磁気浮上電極電離箱A,B及び制御演算部とから構成されている。磁気浮上電極電離箱Aはバックグラウンド電流を検出して参照するためのもので、基本的に、磁気浮上する電荷収集電極をもつ電離箱とファラデーケージ(本発明の第2非接触電荷読取部)とで構成され、磁気浮上電極電離箱Bは光触媒反応検出用のもので、同じく磁気浮上する電荷収集電極をもつ電離箱とファラデーケージ(本発明の第1非接触電荷読取部)とで構成される。磁気浮上電極電離箱Bの電離箱には光を透過する石英ガラス窓が設けられると共に、光触媒物質の試料を装着するホルダが設けられている。
図2において、1は磁気浮上電極電離箱A、Bのそれぞれの外部容器、2は電離箱で、OやNなど空気等価の組成をもつアクリル樹脂等で作られている。電離箱2は一端が塞がれた円筒状で内部に導電性の塗料が塗布されて皮膜となり、アースされている。3aは磁気浮上可能な電荷収集電極(本発明の第1電極)で、磁気浮上電極電離箱Aの電離箱2内で磁気浮上して、電離箱内の気体が放射線等により電離して生じたいわゆるバックグラウンド電流(電荷)を収集する。3bは磁気浮上可能な電荷収集電極(本発明の第2電極)で、磁気浮上電極電離箱Bの電離箱2内で磁気浮上して、試料を電界中に置きさらに光を照射した状態において、光触媒反応で発生する中間体の電荷とバックグラウンド電流(電荷)とを収集する。つまり3bで収集されるのは中間体電荷とバックラウンド電流(電荷)の和である。十分近接して置かれた一対の磁気浮上電極電離箱A、Bにおいては、バックグラウンド電流(電荷)にほとんど差がない、との事実に基づく。さらに、4は電磁石で、電荷収集電極3a、3bは電磁石4の作用で空間に浮上する。
5はファラデーケージ(本発明の非接触電荷読取部)であり、10はファラデーケージ5に接続したエレクトロメータである。出力を電荷,電圧,平均電流の何れかにすることができる。ファラデーケージ5を上昇して、電離箱2内にある電荷収集電極3a、3bをファラデーケージの内電極に完全に挿入することによって、エレクトロメータ10は電荷収集電極上の電荷を非接触で読み取る。6はシャッターで、電離箱2の底面に設けられている。7はアクチュエータで、ファラデーケージ5を昇降する。アクチュエータ7の昇降とシャッター6の開閉は連動している。8はギャップセンサで、電離箱2内の電荷収集電極3a,3bの浮上位置を検出する。
ここで、ギャップセンサ8は、図3,4に示すように発光素子とこの発光素子の発光を受光する受光素子とからなり、光ビームの光量で電荷収集電極3a,3bの位置を検出する。図3,4に示す2aは透明ガラス窓で、電離箱2の上部に向かい合って設けられていて、電離箱内の気体と電離箱外の大気を遮断し、ギャップセンサ8の光ビームを透過させる。
さらに図2に戻って、9は浮上装置であって、電荷収集電極3a,3bが遮るギャップセンサ8の光量の電気信号を受けて光量の変化を演算し、電磁石4の励磁力を調節して電荷収集電極3a,3bを目標位置に保持する。11は制御演算部(本発明の測定部)で、いわゆるコンピュータである。エレクトロメータ10は入力側がファラデーケージ5に接続され、出力側は制御演算部11に接続される。エレクトロメータ10の出力値として電荷を選ぶか、電圧若しくは平均電流を選ぶかを指定すれば、指定された出力値を制御演算部11に出力する。制御演算部11は図示しない記憶部からプログラムを読み込んで機能実現手段として制御手段と演算処理手段としてこれらの機能を実行する。図2では制御演算部11はアクチュエータ7の作動を制御し、またエレクトロメータ10からの電荷、電圧、平均電流の何れかの出力値を示す信号に基づいて演算処理してデータの表示、保存を行う。
次に、図3,4に基づき磁気浮上電極電離箱A,Bの内部構成について説明する。図3,4において、5aはファラデーケージ5の内部電極であり、7a,7bは絶縁体であって、内部電極5aと外部電極(ファラデーケージ5の最外殻)との間を絶縁する。14は内部電極5aと外部電極との間に設けられたコンデンサで、エレクトロメータ10の読み取りレンジの調整のために適当な静電容量を選択する。15は流入路(本発明のガス流入路)で、電離箱2内に必要に応じ酸素、窒素あるいは他の気体を流入することによって、光触媒反応のガス選択性を測定することができる。16は排出路(本発明のガス排出路)で、電離箱2内から気体を排出する。
流入路15、排出路16は気体流入コネクターを介して電離箱2内と連通され、流入路15にはバルブ、フィルタ、水分トラップ、電荷トラップ、エアポンプが設けられると共に、排出路16にはバルブが設けられている。17は静電帯電器で、電荷収集電極3a,3b上に所定量の電荷を非接触で帯電する。この静電帯電器17で電荷収集電極3a,3bに正電荷を帯電させることにより、電荷収集電極3a,3bと電離箱2の内壁(アース電極)の間に所定の電界が形成される。この電界の作用で電離箱内の放射線による空間電荷や光触媒反応によって生成された中間体の電荷は電荷収集電極3a,3bに掃引,収集される。なお、測定開始前に、静電帯電器17で、電荷収集電極3a、3bへ6×10−9C(1500V)程度印加することにより、バックグラウンドレベル(8×10−15A)の電流であれば、約7日間連続で測定できる。
以上の基本構成は磁気浮上電極電離箱A,Bの双方で共通した構成であるが、磁気浮上電極電離箱Bには光触媒反応による中間体を生成するために次の構成が設けられている。1つは光を透過する窓であり、もう1つは試料を保持するためのホルダである。図4において、12は透明な石英ガラス窓で、電離箱2の外から光を試料に照射することができる。石英ガラス窓12を光の遮蔽体で覆うか否かで光照射の有無を選択し、また照射する光も種類、波長および強度の選択も自在である。13は測定すべき光触媒反応を起こす物質を備えた試料(本発明の材料)であり、試料13は酸化チタンなどの光触媒物質を基板上に直接貼り付けたり、コーティングしたり、あるいはバインダーに練り込んで塗布したりして作成したものを用いる。18は電離箱2の内壁上で試料13をセットする位置に設けられたホルダ(本発明の装着部)で、基板を保持する構成、あるいはコーティングや塗布が行える構成などを有している。何れかの方法で作成された試料13は電離箱2の外から自在に入出して所定位置にセットされる。試料13は検査表面を電荷収集電極3a,3bに対置して装着される。
実施の形態1の光触媒活性定量測定装置を使って行う光触媒活性定量測定方法について説明する。磁気浮上電極電離箱Aの電離箱2内の気体は、各種ガスの光触媒反応に与える影響を調べる場合の他は、特別には電離箱内に導入せず、通常は常温、常圧の空気であって、測定中電離箱2は密閉される。測定開始前に磁気浮上させた電荷収集電極3aに静電帯電器17によって所定量の正電荷Qを帯電し、電荷収集電極3aと電離箱2の内壁(アース電極)との間に電界が生じている状態で、一定時間Δtごとに電荷収集電極3aの電荷Qの減少量ΔQを測定して、バックグラウンド電流(電荷)を測定する。
すなわち、一定時間Δt経過した後シャッター6を開け、制御演算部11によってファラデーケージ5を上げて電荷収集電極3aをファラデーケージ5の内電極の空間に完全に挿入する。ここでファラデーケージ5の静電容量をCとすると、収集電極3aの電荷Qはファラデーケージの内部電極、外電極間の電圧v(電荷)を使って、すなわちCvとしてエレクトロメータ10で読み取られる。ここで、磁気浮上電極電離箱Aで測定したことを“A”、またバックグラウンドを示すために“b”を添え字として表現し直すと、一定時間Δt経過前後のファラデーケージ5の電圧vAbの差ΔvAb(電位差)を求めれば、この時間におけるバックグラウンドの電荷Q=QAbの減少量ΔQAb=CΔvAb、電流IAb=ΔQAb/Δtを求めることができる。
次に、磁気浮上電極電離箱Bについて説明する。磁気浮上電極電離箱Bも、試料の装着や光の照射の部分を除いて、測定方法およびデータの処理方法は磁気浮上電極電離箱Aと同じである。電離箱2内の電離気体は磁気浮上電極電離箱Aと同じである。電荷収集電極3bに適当な所定の正電荷Qを帯電し、電荷収集電極3bと電離箱2の内壁(アース電極)との間に電界が生じている状態で、試料13をホルダ18に入れて密閉し、石英ガラス窓12の外から光(紫外線(以下、UV)や可視光線)を照射する。
電界雰囲気と光照射下において、光触媒反応で生じた中間体は、正に帯電している電荷収集電極3bへ掃引されて電荷収集電極3bに収集される。磁気浮上電極電離箱Aと同様に、一定時間Δtごとに電荷収集電極3bの電荷Qを読み取り、電荷の減少量ΔQを測定する。ここで、磁気浮上電極電離箱Bで測定したことを“B”、またバックグラウンドを示すために“b”、中間体を示すために“m”を添え字として表現し直すと、磁気浮上電極電離箱Aの場合とは異なり、磁気浮上電極電離箱Bにおいては電荷Qとして、バックグラウンド電荷QBb(電流IBb)と光触媒反応による中間体の電荷QBm(電流IBm)との和Q=QBb+QBmが測定される。
磁気浮上電極電離箱A,Bで測定値を取得した後、制御演算部11で磁気浮上電極電離箱Bの測定値(電荷,電流,電圧)と磁気浮上電極電離箱Aの測定値の差ΔQ=Q−Qを計算する。この差ΔQ(クーロン)は、ほぼQAb=QBbと言ってよいから(QAb=QBbにきわめて近いQAb≒QBb)、電荷ΔQは一定の測定時間Δtに収集した中間体による、バックグラウンドの影響を除いた、正味の電荷に相当することになる。そしてこの電荷ΔQを測定時間Δt(秒)で除すれば、その測定時間での平均の電流値I=ΔQ/Δt(アンペア)が得られる。すなわち、この計算で得られた平均の電流値Iは光触媒反応によって生じた中間体の電荷量(=発生量)を示す。
しかし、磁気浮上電極電離箱Bの電荷収集電極3bにおける減少電荷量がすべて中間体の電荷によるものかあるいは光触媒物質そのものから放出した電子の電荷が含まれているのかを確認する必要がある。その理由は、半導体やガドリニュームのような特殊な金属は光の照射による光電効果で電子が発生するからである。そこで本発明者らは光触媒物質からの電子の放出の有無を確認するため、酸化チタンを練り込んだ試料を、絶縁体基板上に塗布した場合と、金属導体基板上に塗布した場合とで図2の装置を用いて試料から発生する電荷の比較測定を行った。
その結果、絶縁体基板上に塗布した場合と金属導体基板上に塗布した場合とで、測定された電荷量は同一であり、光触媒物質から電子が物質外に出ていないこと、つまり酸化チタンを用いた光触媒反応においては、光電効果の現象は起こっていないことを確認できた。なお、上述した非特許文献4においても、電荷分離によって生じた電子は物質内に留まるという報告がなされている。従って、この光触媒活性定量測定装置で測定される電流は光触媒反応により発生した中間体によるものであるといえる。
そして、光触媒物質を囲む雰囲気ガス、例えば酸素や窒素の濃度の違いにおける光触媒活性の違いや、NO、SO等のいわゆる有害ガスに対する光触媒物質の触媒作用の選択性を定量的に測定する場合には、流入路15と排出路16を使って濃度の異なるガスを電離箱2内に流入し、流入前と排出後の濃度差を測定すればよい。例えば、空気にNO、SO等の微弱な濃度のガスを混入して電離箱2に流入すれば、環境問題の1つとなっている有害ガスに対して、光触媒のガス分解性能を定量的に測定することが可能になる。
続いて、実施の形態1の光触媒活性定量測定装置と光触媒活性定量測定方法を使って具体的に測定を行った実施例について説明する。図5は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共にアナタース型酸化チタンの濃度を変更した場合の光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図であり、図6は図5を基にした酸化チタン濃度(Wt%)と電流の関係図、図7は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共にアナタース40Wt%酸化チタンの有無、電界雰囲気でのUV照射の有無で測定した光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図、図8は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共にルチル型酸化チタンの有無、電界雰囲気でのUV照射の有無で測定した光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図、図9は本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共に酸化チタン入り塗料の有無、電界雰囲気でのUV照射の有無で測定した光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図である。
(実施例1)
次の(ア)(イ)(ウ)(エ)(オ)(カ)の可能性を実証するため実施の形態1の光触媒活性定量測定装置を使って以下の実施例1,2,3,4の測定を行った。ここで、実施例1は(ア)中間体の生成量が定量的に直接測定可能であること、(イ)バインダーによる担持や経年変化等の機能特性が定量的に測定可能であること、また、(ウ)照射する光の種類や強度と光触媒活性の関係が容易に測定可能であることを実証するためのものである。なお、実施例1,2,3,4の光触媒活性定量測定装置の電離箱における電離体積は8Lである。
図5,図6に示す実施例1はアナタース型酸化チタンをバインダーに練り込んだ試料で測定を行ったものである。図5は酸化チタン含有濃度の異なる試料に対する光触媒反応による生成電荷量(電流)とバックグラウンド電流の関係を測定した結果であり、図6はこのときの酸化チタン濃度(Wt%)と電流の関係を示す。
測定試料は、市販のバインダー(スノーテックス(登録商標)、日産化学製)にアナタース型酸化チタン(関東化学製)を練り込み、それをアルミニューム基板に塗布した酸化チタン含有濃度(Wt%)の異なる試料を用いた。この試料を図2に示す光触媒活性定量測定装置のホルダに装着し、電界雰囲気及びUV照射下で光触媒反応による電荷(電流)を測定した。図5の縦軸は電流で単位はA(アンペア)、横軸は測定した月日時で、この月日時の後のカッコ内は、電荷収集電極と電離箱壁との間の電圧である。これは試料が置かれている雰囲気の電界であり、単位はV(ボルト)である。測定時間間隔は30分(=1800秒)である。なお、以下説明する実施例2,3,4の測定においても、測定時間間隔はすべて30分で行っている。
図5において、実線aは光触媒活性定量測定装置の磁気浮上電極電離箱Aで測定した電流で、バックグラウンド電流である。破線bは、磁気浮上電極電離箱Bで測定した電流で、表示の時刻で、濃度の異なる試料を装着して測定したものである。つまり破線bは、試料を装着しない場合はバックグラウンド電流で、試料を装着した場合は、光触媒反応で生じた中間体による電流とバックグラウンド電流との和を表す。
次に、一点鎖線cは実線aと破線bとの差で、光触媒反応で生じた中間体の正味の電荷を示している。濃度40%(Wt%)の場合、矢印の区間での平均電流は1.9fA(ファムトアンペア;1fA=10−15A)である。○印の部分はUV(波長365nm、電力6W)を照射したときの測定値である。各濃度についてもこれに準じている。
なお、図5中に示したσ=0.28fAは、この光触媒活性定量測定装置の最小検出限界を評価するために、バックグラウンド電流の測定値から求めた標準偏差σである。誤差論によれば、最小検出限界Lは、L=σならば信頼度68%、L=2σならば信頼度95%である。従って、実施の形態1の光触媒活性定量測定装置では、測定値が0.28fA以上であれば信頼度68%で有意な数値ということができる。図5によれば、この試料を用いた測定においては、UVの照射の有無に係わらず、電界雰囲気だけで、試料の濃度に応じた中間体が生じていると考えられる。このように光触媒物質の種類によっては、光というより電界支配になっており、光を照射しても光触媒活性にあまり影響しないことが定量的に分かる。
図6に基づいて試料に含まれる酸化チタンの含有濃度と電流の関係を説明する。図6において縦軸は電流(fA)で、横軸は濃度(Wt%)である。図6から明らかなように、濃度と電流値は比例している。このことは、酸化チタンの含有量が多いものほど中間体も多く発生し、その結果測定される電流も大きくなることを示している。これは実施の形態1の光触媒活性定量測定装置が光触媒活性を容易に且つ高精度に定量測定できることを示している。図6中の破線は最小検出限界L=σ(信頼度65%)のラインを示す。
(実施例2)
続いて、実施例2はアナタース40Wt%試料によって、電界雰囲気とUV照射下で長時間の測定を行ったものである。図7に示すように実施例2は、(エ)電界雰囲気のみ、(オ)電界雰囲気中でUVを照射、(カ)試料がない状態でのUV照射、と言う条件で測定した結果である。この条件が特性に寄与する程度を測定するものである。
図7で縦軸は電流、横軸は測定月日時である。なお、照射に使ったUVは波長365nm、電力6Wである。図7の実線dはバックグラウンドで、破線eは試料をホルダに入れていない場合(バックグラウンドとほぼ同じレベルの測定個所)と、入れた場合の測定値である。一点差線fは実線dと破線eの測定値の差であり、正味の電流を表す。
ここで、一点差線fを検討すると、試料をホルダに入れて測定したのは4月25日20時から4月27日15時までの区間で、その区間での印加電圧(電界)は、およそ1200V(横軸の4月25日19時の括弧に示す)から800V(横軸の4月27日17時の括弧に示す)の範囲である。UVを照射したのは一点差線fの4月26日8時から4月26日17時、4月27日7時から4月27日18時の矢印の区間である。図7から解るようにUVを照射しても電流は増加していない。このことは、試料を電界雰囲気に置いた状態で、中間体の生成は既に飽和に達していて、光を照射してもそれ以上中間体は生成しない、ということを示唆している。また4月27日15時以降の測定値では、試料がおかれてない場合はUVの照射があっても電流値はゼロである。このことから、UV(波長365nm)は電離箱内の気体、電荷収集電極表面及び電離箱の内壁に対して、電離や励起等の影響を及ぼしていないことがわかる。
(実施例3)
次に、実施例3はルチル型酸化チタンをバインダーに練り込んだ試料で測定を行ったものである。市販のバインダーにルチル型酸化チタン(関東化学製)を50Wt%で練り込み、これをアルミニューム基板に塗布した試料によって、電界雰囲気及びUV照射下での試料からの発生電流を測定した。図8に示すように実施例3は、実施例2と同様の(エ)電界雰囲気のみ、(オ)電界雰囲気中でUVを照射、と言う条件で測定した結果である。この条件が特性に寄与する程度を測定するものである。
図8において縦軸は電流、横軸は測定した月日時である。照射に使ったUVは実施例2と同じ波長365nm、電力6Wである。図8で実線gはバックグラウンド、破線hは試料をホルダに入れないときと、以下説明するようにホルダに入れたとき、さらにUVを照射したときの電流である。一点差線iは実線gと破線hの差で、正味の電流である。一点差線iを検討すると、5月31日23時から6月1日18時までの矢印は試料をホルダに入れていた期間で、6月1日9時から6月1日14時までの矢印は電界雰囲気でUV(365nm、6W)を照射した区間である。
図8で明らかなように、試料を電界雰囲気に置くと電流は増える。電界雰囲気の試料にUVを照射するとさらに電流は増加する。このことから、ルチル型酸化チタンの試料の場合は中間体の生成量は、UV照射によってさらに増加することが分かる。このように光触媒物質の種類によっては、電界雰囲気に加えて光を照射することで中間体の生成量に違い生じることがわかる。
(実施例4)
続いて、実施例4は酸化チタン入り塗料を用いて、電界雰囲気およびUV照射下で長時間測定を行ったものである。ここでは、市販されている酸化チタン含有塗料(アサヒペン製)をアルミニューム基板の上に塗布した試料によって、実施例1,2,3と同様に電界雰囲気とさらにUV照射下の場合について光触媒反応における電流を測定した。実施例4は、図9に示すように実施例2,3と同様の(エ)電界雰囲気のみ、(オ)電界雰囲気中でUVを照射、と言う条件で測定した結果である。この条件が特性に寄与する程度を測定するものである。
図9において、縦軸は電流で、横軸は測定月日時である。照射に使ったUVは波長365nmで、電力は6ワットである。図9で実線jはバックグラウンド、破線kは試料をホルダに入れた場合と、以下説明するように入れていない場合、一点差線lは実線jと破線kの差で、正味の電流を示している。一点差線lを検討すると、5月15日9時から5月16日10時までの矢印は試料をホルダに入れていた期間で、5月15日9時から5月15日14時までの矢印は電界雰囲気のみの期間、5月15日14時30分から5月16日10時までの矢印は電界雰囲気の中でUVを照射した期間で、図9の右端の5月16日10時30分から5月16日11時30分は試料を取り除いた後でUVのみを電離箱内に照射した期間である。
測定結果から、電界雰囲気のみの電流は平均1.16×10−15Aで、電界雰囲気でUVを照射した期間の電流は平均1.41×10−15Aである。この差0.27×10−15AはUV照射の効果と考えられる。この光触媒活性定量測定装置の最小検出限界Lは図5、図6で示したようにL=0.28fA(信頼度68%)である。従って、この差0.27fAを有意な数値として判定するには多少問題は残るが、図9の全体的な傾向からみてこの差はUV照射の効果を示すものと考えられる。なお、上述したように実施例1,2,3,4で用いた電離箱の電離体積は8Lであったが、電離体積が小さければ最小検出限界はさらに小さくできる。例えば電離体積1Lの装置で、最小検出限界を10−17Aレベル(0.01fAレベル)にすることが可能である。
このように実施の形態1の光触媒活性定量測定装置と光触媒活性定量測定方法によれば、従来なしえなかった光触媒反応による中間体の生成量を定量的に直接測定することができる。同様に、光触媒物質のバインダーによる担持や経年変化等の機能特性を定量的に測定することが可能になる。さらに、照射する紫外線や可視光の波長や光強度の選択を容易に行え、今後の光触媒製造技術の発展、可視光対応型光触媒物質の開発、高機能光触媒物質の開発、新たな光触媒活性評価方法の制定、光触媒活関係商品の品質保障等に寄与することができる。
本発明は、光触媒が生成する中間体の生成量を直接測定することができる光触媒活性定量測定装置に適用できる。
本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の原理図 本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の全体構成図 本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の第1電離箱の説明図 本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置の第2電離箱の説明図 本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共にアナタース型酸化チタンの濃度を変更した場合の光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図 図5を基にした酸化チタン濃度(Wt%)と電流の関係図 本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共にアナタース40Wt%酸化チタンの有無、電界雰囲気でのUV照射の有無で測定した光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図 本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共にルチル型酸化チタンの有無、電界雰囲気でのUV照射の有無で測定した光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図 本発明の実施の形態1における光触媒活性定量測定装置によって時刻変化と共に酸化チタン入り塗料の有無、電界雰囲気でのUV照射の有無で測定した光触媒反応による生成電流とバックグラウンド電流の関係図 光触媒技術と関連産業分野の関係を示す関係図
符号の説明
1 外部容器
2 電離箱
2a 透明ガラス窓
3a,3b 電荷収集電極
4 電磁石
5 ファラデーケージ
5a 内部電極
6 シャッター
7 アクチュエータ
7a,7b 絶縁体
8 ギャップセンサ
9 浮上装置
10 エレクトロメータ
11 制御演算部
12 石英ガラス窓
13 試料
14 コンデンサ
15 流入路
16 排出路
17 静電帯電器
18 ホルダ

Claims (5)

  1. 光触媒反応を起こす材料を内部に装着して該材料に対し光を照射できる第1電離箱と、前記第1電離箱内に収容され磁気浮上する第1電極と、前記第1電極を帯電させるための第1静電帯電器と、前記第1電極に帯電している電荷を測定するための第1非接触電荷読取部とを具備し、前記第1電極と前記第1電離箱の間に電圧を印加し前記材料を装着して光を照射し、光触媒反応によって生成される中間体の電荷とバックグラウンドの電荷を前記第1電極に収集する第1磁気浮上電極電離箱と、
    前記材料を装着する構成及び光を照射するための構成以外は前記第1電離箱と共通の構成を有する第2電離箱と、前記第1電極と共通の構成を有し前記第2電離箱内に収容されて磁気浮上する第2電極と、前記第2電極を帯電させるための第2静電帯電器と、前記第2電極に帯電している電荷を測定するための第2非接触電荷読取部とを具備し、前記第2電極と前記第2電離箱の間に電圧を印加してバックグラウンドの電荷を前記第2電極に収集する第2磁気浮上電極電離箱と、
    前記第1電極と前記第2電極で測定した電荷量の差に基づいて前記光触媒反応によって生成される中間体の電荷を測定する測定部と、を備えたことを特徴とする光触媒活性定量測定装置。
  2. 前記第1電離箱には、前記材料の装着するための構成としての装着部と、前記光を照射するための構成として外部から光を前記材料に照射するための窓が設けられたことを特徴とする請求項1記載の光触媒活性定量測定装置。
  3. 前記第1電離箱及び前記第2電離箱には、それぞれガスの影響をみるためのガス流入路とガス排出路が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の光触媒活性定量測定装置。
  4. 磁気浮上している電極がそれぞれ収容された一対の磁気浮上電極電離箱を設け、一方の磁気浮上電極電離箱には光触媒反応を起こす材料を装着しその電極で前記材料の光触媒反応で生成される中間体の電荷及びバックグラウンドの電荷を収集し、他方の磁気浮上電極電離箱の電極ではバックグラウンドの電荷を収集し、前記電極間の電荷量の差に基づいて前記光触媒反応により生じた中間体の電荷を測定することを特徴とする光触媒活性定量測定方法。
  5. 前記第1電離箱内及び前記第2電離箱内にそれぞれガスを流入し、光触媒反応で生成される中間体の生成量とガスの種類及び濃度との関係について測定することを特徴とする請求項4の光触媒活性定量測定方法。
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