JP2009036181A - ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置 Download PDF

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茂孝 川口
Hideo Shiomi
秀雄 塩見
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裕之 藤井
Kunihiko Hanebuchi
邦彦 羽淵
Takeshi Fujii
武志 藤居
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Abstract

【課題】冷態(燃料温度低下)時でも、加速時の黒煙排出を抑えることができるディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置を提供する。
【解決手段】加速時には燃料噴射量の最大値を通常時における第1の制限値よりも低い第2の制限値に抑える加速時制御を行うようにしたディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、上記加速時制御の開始必要性を判定するために、最大回転数より低く、アイドル回転数よりも高い開始判定回転数と、非作業状態における燃料噴射量よりも大きく、上記第2の制限値よりも小さい判定噴射量と、があらかじめ設定されており、機関回転数の目標値と実際値との差が設定された開始判定回転数よりも大きく、かつ燃料噴射量の実際値が上記判定噴射量より低い場合に、上記加速時制御を実施するように構成した。
【選択図】図2

Description

本発明はディーゼルエンジンの改良技術に関し、詳しくは、加速時に燃料噴射量を制限して黒煙の発生を防止するようにしたディーゼルエンジンの改良技術に関する。
従来、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止に関する技術が公知となっている(例えば、「特許文献1」参照)。
特許第3493045号公報
しかし前記の従来技術等では、燃料温度低下時(冷態時)は燃料の粘性が高いため、同一のラック位置でも実際に噴射する燃料の量が増えるために加速時の黒煙が悪化するという問題があった。
本発明は上記の課題を解決するために、冷態(燃料温度低下)時でも、加速時の黒煙排出を抑えることができるディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置を提供するものである。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、機関回転数の実際値と目標値、及び燃料噴射量の実際値を検出し、所定の出力特性に対応した機関回転数の実際値を得るべく燃料噴射量の設定値を算出して燃料噴射量を制御すると共に、加速時には燃料噴射量の最大値を通常時における第1の制限値よりも低い第2の制限値に抑える加速時制御を行うようにしたディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、上記加速時制御の開始必要性を判定するために、機関回転数の目標値に対応した開始判定回転数と、非作業状態における燃料噴射量よりも大きく、上記第2の制限値よりも小さい判定噴射量と、があらかじめ設定されており、機関回転数の目標値と実際値との差が設定された開始判定回転数よりも大きく、かつ燃料噴射量の実際値が上記判定噴射量より低い場合に、上記加速時制御を実施するように構成されたものである。
請求項2においては、機関回転数の実際値と目標値、及び燃料噴射量の実際値を検出し、所定の出力特性に対応した機関回転数の実際値を得るべく燃料噴射量の設定値を算出して燃料噴射量を制御すると共に、加速時には燃料噴射量の最大値を通常時における第1の制限値よりも低い第2の制限値に抑える加速時制御を行うようにしたディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、上記加速時制御の開始必要性を判定するために、所定時間内の機関回転数の開始判定増加量と、非作業状態における燃料噴射量よりも大きく、上記第2の制限値よりも小さい判定噴射量と、があらかじめ設定されており、機関回転数の目標値の変化量が設定された開始判定増加量よりも大きく、かつ燃料噴射量の実際値が上記判定噴射量より低い場合に、上記加速時制御を実施するように構成されたものである。
請求項3においては、請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、上記加速時制御の解除必要性を判定するために、機関回転数の目標値に対応した解除判定回転数があらかじめ設定されており、機関回転数の目標値と実際値との差が設定された解除判定回転数よりも小さい場合に、上記加速時制御を解除するように構成されたものである。
請求項4においては、請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、上記加速時制御の解除必要性を判定するために、所定時間内の機関回転数の解除判定増加量があらかじめ設定されており、機関回転数の実際値の変化量が設定された解除判定増加量よりも小さい場合に、上記加速時制御を解除するように構成されたものである。
請求項5においては、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、加速時制御の開始時には第1の制限値から第2の制限値への変更が速やかに行われ、解除時には第2の制限値から第1の制限値への復帰が徐々に行われるように構成されたものである。
請求項6においては、請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、第2の制限値が、アイドル回転数あるいはこれに近い低回転数以下の領域において、第1の制限値と同じ値あるいはほぼ同じ値に設定されたものである。
請求項7においては、請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、ディーゼルエンジンが2台以上の油圧ポンプを駆動するように構成されている作業機用のものであり、第2の制限値が、いずれかの油圧ポンプのリリーフ弁が作動した時のエンジン出力に対応する値よりも大きい値に設定されたものである。
請求項8においては、請求項7に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、判定噴射量が、各油圧ポンプのロス馬力を含んだ非作業状態に対応する燃料噴射量よりも大きく、かつ第2の制限値よりも小さい値に設定されたものである。
請求項9においては、請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、前記第2の制限値は、冷却水温、油温、燃料温度又は燃料ポンプ表面温度の何れかの変化に対応して、第1の制限値よりも小さく設定されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、加速時の黒煙防止と実作業時のエンジン出力を両立した上で、さらに冷態(燃料温度低下)時でも加速時の黒煙排出を抑えることができる。
請求項2においては、加速時の黒煙防止と実作業時のエンジン出力を両立した上で、さらに冷態(燃料温度低下)時でも加速時の黒煙排出を抑えることができる。
請求項3においては、加速時制御を適切に解除するので、必要以上に長時間加速時制御を続けることがなく、作業性が向上する。
請求項4においては、加速時制御を適切に解除するので、必要以上に長時間加速時制御を続けることがなく、作業性が向上する。
請求項5においては、急に燃料噴射量が増加して作業者が衝撃を感じるということがない。
請求項6においては、加速中に大きな負荷がかかっても、エンストを起こすことが少なく、作業性が向上する。
請求項7においては、加速中に大きな負荷がかかっても、エンストを起こすことが少なく、作業性が向上する。
請求項8においては、判定噴射量の設定が適切であるため、必要な加速が行われないという問題が生じることがなく、作業性が向上する。
請求項9においては、冷却水温、油温、燃料温度又は燃料ポンプ表面温度に対応して第2の制限値を設定することで、各温度に適切な加速時制限を実施することができ、作業性が向上する。
[実施例1]
次に、本発明の実施例1に係る実施形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は実施例に限定されるものではなく、本明細書及び図面に記載した事項から明らかになる本発明が真に意図する技術的思想の範囲全体に、広く及ぶものである。
図1はこの発明の一実施例の全体構成を示すブロック図である。
図2は実施例1に係るエンジン回転数とラック位置の関係を示す図である。
図3は実施例1に係る制御手順を示すフローチャートである。
図4は同じく制御手順を示すフローチャートである。
図5は実施例2に係る制御手順を示すフローチャートである。
図6は同じく制御手順を示すフローチャートである。
図7(a)は実施例1における開始判定回転数マップ、(b)は同じく解除判定回転数マップである。
図8は実施例1における噴射量制限値の冷却水温補正マップである。
図1において、1はエンジン、2はエンジン1に付設された燃料噴射ポンプ、3はラック用アクチュエータ、4は回転数センサ、5はラック位置センサ、6はアクセル位置センサ、7は制御部である。エンジン1は例えば掘削作業機に搭載されたもので、複数の油圧ポンプ8を回転駆動し、これらの油圧ポンプ8で走行部のクローラ、旋回部、ブームやアーム、バケット等の作業部、排土板などの機構部分9を適宜分担して操作するように構成されている。
制御部7は主要部にマイクロコンピュータを用いたものであり、入力ポート7a、出力ポート7b、制御演算及び入出力指示を与えるCPU7c、制御プログラムや制御演算に必要な諸データを記憶している記憶手段となるROM7d、演算に使用される記憶手段となるRAM7e等で構成されている。入力ポート7aには上記の各種のセンサが接続され、また出力ポート7bにはラック用アクチュエータ3が接続されている。なお、制御部7はエンジン1の制御全般に用いられるものであり、図示以外にも各種のセンサなどが適宜設けられる。また入力ポート7aの前段には必要に応じてA/D変換器等が挿入され、出力ポート7bの出力側には必要に応じてドライバー回路が挿入される。
図2はROM7dに記憶されている燃料噴射量マップを用いて制御した時のエンジン回転数とラック位置の関係を示す図である。CPU7cは回転数センサ4で検出されるエンジン回転数の実際値、アクセル位置センサ6で検出されるエンジン回転数の目標値、及びラック位置センサ5で検出される燃料噴射量の実際値から、図示しないマップを用いて所定の出力特性に対応した回転数が得られるように燃料噴射量を算出し、その結果に応じてラック用アクチュエータ3を駆動するようになっている。このような基本的な制御自体は例えば特開昭64−45937号公報等によって公知であるので詳細な説明は省略し、次にこの発明の制御について述べる。
図2において、実線Aは通常の制御に用いられる最大ラック位置、実線Bはエンジン単体の無負荷相当ラック位置(アイドルラック位置)を示すものであり、これらは従来から周知のものである。この発明では実線Aを第1の制限値として、これより低い位置に破線Cで示すように第2の制限値が設定されている。この第2の制限値は、第1の制限値が最も大きな値となる回転数範囲を含む一定の領域における最大ラック位置を低く抑える形状で設定され、アイドル回転数Ni以下ではほぼ実線Aと一致している。
ここで、前記第1の制限値(RmaxAとする)と、第2の制限値(Rmax downとする)の差(RmaxA−Rmax down=Rack1とする)について、図8に示すように、冷却水温tに対する補正値を冷却水温補正マップとして作成し、該マップに基づいて第2の制限値を補正する構成にすることも可能である。また前記第2の制限値の補正は、冷却水温tに限られず、潤滑油温度、燃料温度又は燃料ポンプ表面温度の何れかの変化に対応したマップを作成し、該マップに基づいて第1の制限値よりも小さく設定することも可能である。
鎖線Dは油圧ポンプ8のいずれかがリリーフした時のエンジン出力に対応するラック位置を示しており、破線Cの第2の制限値はこの鎖線Dよりも大きい値に設定されている。また、鎖線Eは実線Bの無負荷相当ラック位置に各油圧ポンプ8のロス馬力を上乗せした非作業状態における燃料噴射量に対応するラック位置を示している。
ラック位置Rhは、この発明において加速時制御の必要性を判定するために設定された判定噴射量である。図に示すように、判定噴射量Rhは鎖線Eよりも大きく、破線Cの第2の制限値よりも小さい値に設定されている。
開始判定回転数Nhon及び解除判定回転数Nhoffは、この発明において加速時制御開始・解除の必要性を判定するために設定され、アクセル位置センサ6で検出される回転数の目標値Nsetに対応して設定されている。具体的には、図7(a)、(b)に示すように回転数の目標値Nsetに対応した開始判定回転数Nhon及び解除判定回転数Nhoffのマップを作成し、それぞれがROM7dに記憶されているのである。前記判定噴射量Rh、開始判定回転数Nhon及び解除判定回転数Nhoffについては、機関の出力、特性、用途などの条件によって異なるものであり、実際には実験等によって適正な値が選定されることになる。
以下、図3及び図4のフローチャートを参照しながら動作を説明する。まず、加速状態かどうかを判定するために、アクセル位置センサ6で検出される目標回転数(目標値Nset)と、回転数センサ4で検出される実回転数(実際値Nact)と、ラック位置センサ5で検出されるラック位置が所定時間毎に読み込まれており、ステップS1では回転数の目標値を更新し(Nset→Nset1)、更に新しい目標値Nset、実際値Nact及びラック位置の実際値Ractを算出し、前回と今回の目標値の差を加速判定値Naccと比較する。そして差が加速判定値Nacc以上であれば加速されていると判定して次のステップS2に進み、以上でなければステップS3に進む。
ステップS2では、回転数の目標値Nsetと実際値Nactの差が開始判定回転数Nhonより大きく、かつラック位置の実際値Ractが判定噴射量Rhより小さければ、加速時制御を実施する条件で運転されていると判定して加速時制御フラグを1にセットしてステップS3に進む。回転数の目標値Nsetと実際値Nactの差が開始判定回転数Nhonより大きくないか、若しくはラック位置の実際値Ractが判定噴射量Rhより小さくなければそのままステップS3に進む。
ステップS3では、まず加速時制御フラグの状態を判定し、加速時制御フラグが1でなければステップS6に進む。また加速時制御フラグが1であれば更に回転数の目標値Nsetと実際値Nactの差が解除判定回転数Nhoffより小さいか否かを判定し、小さければステップS5に、小さくなければステップS4にそれぞれ進む。
ステップS4とステップS5はこの発明による手順である。ステップS4では回転数の実際値Nactにおける第2の制限値の最大ラック位置Rmax2を図2のマップの破線Cから算出し、これを今回の最大ラック位置RmaxとしてステップS7に進む。
ステップS7は実際の燃料噴射量を決定するステップであり、周知のように、回転数の実際値と目標値の差から所定の速度変動率特性に対応する目標ラック位置Rsetを算出し、これと最大ラック位置Rmaxを比較する。そしてRset≦RmaxであればこのRsetを用いてラック用アクチュエータ3を駆動し、またRset≦RmaxでなければRsetをRmaxに修正した上でラック用アクチュエータ3を駆動し、それぞれ目標ラック位置Rsetに対応する所定量の燃料噴射を行う。
ステップS5は第2の制限値を用いた加速時制御を解除して通常の制御に戻る際の手順である。すなわち、待ち時間タイマをスタートし、回転数の実際値Nactにおける第1の制限値の最大ラック位置Rmax1を図2のマップの実線Aから算出する。
上記の待ち時間は比較的短い適切な時間に設定されている。続いてこの待ち時間が経過していない時にはステップS4で算出した最大ラック位置Rmaxをそのままで、また待ち時間が経過した時はRmaxを1ステップ増加してこれを今回の最大ラック位置とする。こうしてRmaxの1ステップ増加が待ち時間の経過ごとに繰り返され、ラック位置が徐々に第1の制限値まで増加して通常の制御に戻るのである。
次いでこの最大ラック位置Rmaxを第1の制限値の最大ラック位置Rmaxlと比較する。ここでRmax1>RmaxであればこのRmaxをそのまま用いてステップS7に進み、Rmaxl>RmaxでなければRmaxをRmax1に修正し、加速時制御フラグをリセットした後、ステップS7に進んで所定の燃料噴射が行われるのである。
また、ステップS3からステップS6に進むのは加速時制御が行われない通常の制御の場合であり、第1の制限値の最大ラック位置Rmax1を図2のマップの実線Aから算出し、このRmax1を今回のラック位置としてステップS7に進み、所定の燃料噴射が行われる。
図2の二点鎖線Fは以上の手順による動作点の変化を例示したものである。すなわち、図2のa点で運転されている時にアクセルが操作され、その操作量が加速判定値Naccに対応する量を越えると、ステップSl及び2の手順によって加速時制御が開始される。この場合、ラック位置はアクセルに応じて増加するがその位置はステップS4によって図のb点で制限され、加速につれて動作点は第2の制限値である破線C上を右方向に移動する。こうして黒煙を抑えて回転数が増加される。そしてc点でステップS3によって加速時制御が解除されると、ステップS5によって燃料噴射量が徐々に増加し、第1の制限値である実線A上のd点に達して通常の制御となるのである。
なお、図2に示すようにアイドル回転数Niよりも低い回転数で運転されている時には、第2の制限値が第1の制限値とほぼ同一の値に設定されているため、加速時制御が行われても低回転域では最大ラック位置が低く抑えられることがない。その結果、負荷が急増した場合などにおけるエンストが回避されるのである。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2に係る実施形態を説明する。なお、本実施例における加速時制御の説明において、実施例1と共通する部分については、同符号を付してその説明を省略する。
本実施例における開始判定増加量Ngon及び解除判定増加量Ngoffは、この発明において加速時制御開始・解除の必要性を判定するために設定され、アクセル位置センサ6で検出される回転数の目標値Nsetに対応して設定されている。具体的には、実施例1における開始判定回転数Nhon及び解除判定回転数Nhoffと同様に、回転数の目標値Nsetに対応した開始判定増加量Ngon及び解除判定増加量Ngoffのマップを作成し、それぞれがROM7dに記憶されているのである。開始判定増加量Ngon及び解除判定増加量Ngoffはについては、機関の出力、特性、用途などの条件によって異なるものであり、実際には実験等によって適正な値が選定されることになる。
以下、図5及び図6のフローチャートを参照しながら動作を説明する。まず、ステップS1では回転数の目標値、実際値を更新し(Nset→Nset1、Nact→Nact1)、更に新しい目標値Nset、実際値Nact及びラック位置の実際値Ractを算出し、前回と今回の回転数の目標値の差を加速判定値Naccと比較する。そして差が加速判定値Nacc以上であれば加速されていると判定して次のステップS2に進み、以上でなければステップS3に進む。
ステップS2では、回転数の目標値の変化量(Nset−Nset1)が開始判定増加量Ngonより大きく、かつラック位置の実際値Ractが判定噴射量Rhより小さければ、加速時制御を実施する条件で運転されていると判定して加速時制御フラグを1にセットしてステップS3に進む。回転数の目標値の変化量(Nset−Nset1)が開始判定増加量Ngonより小さいか、若しくはラック位置の実際値Ractが判定噴射量Rhより大きければステップS3に進む。
ステップS3では、まず加速時制御フラグの状態を判定し、1であれば更に回転数の実際値の変化量(Nact−Nact1)が解除判定増加量Ngoffより小さいか否かを判定し、小さくなければステップS4に、小さければステップS5にそれぞれ進む。また加速時制御フラグが1でなければステップS6に進む。ステップS4以降については実施例1と同様であり、本実施例においては説明を省略する。
以上のように、機関回転数の実際値Nactと目標値Nset、及び燃料噴射量の実際値Ractを検出し、所定の出力特性に対応した機関回転数の実際値を得るべく燃料噴射量の設定値Rsetを算出して燃料噴射量を制御すると共に、加速時には燃料噴射量の最大値Rmaxを通常時における第1の制限値Rmax1よりも低い第2の制限値Rmax2に抑える加速時制御を行うようにしたディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、上記加速時制御の開始必要性を判定するために、機関回転数の目標値Nsetに対応した開始判定回転数Nhonと、非作業状態における燃料噴射量よりも大きく、上記第2の制限値Rmax2よりも小さい判定噴射量Rhと、があらかじめ設定されており、機関回転数の目標値Nsetと実際値Nactとの差が設定された開始判定回転数Nhonよりも大きく、かつ燃料噴射量の実際値Ractが上記判定噴射量Rhより低い場合に、上記加速時制御を実施するように構成した。
これにより、加速時の黒煙防止と実作業時のエンジン出力を両立した上で、さらに冷態(燃料温度低下)時でも加速時の黒煙排出を抑えることができる。
また、機関回転数の実際値Nactと目標値Nset、及び燃料噴射量の実際値Ractを検出し、所定の出力特性に対応した機関回転数の実際値を得るべく燃料噴射量の設定値を算出して燃料噴射量Rsetを制御すると共に、加速時には燃料噴射量の最大値Rmaxを通常時における第1の制限値Rmax1よりも低い第2の制限値Rmax2に抑える加速時制御を行うようにしたディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、上記加速時制御の開始必要性を判定するために、所定時間内の機関回転数の開始判定増加量Ngonと、非作業状態における燃料噴射量よりも大きく、上記第2の制限値よりも小さい判定噴射量Rhと、があらかじめ設定されており、機関回転数の目標値Nsetの変化量が設定された開始判定増加量Ngonよりも大きく、かつ燃料噴射量の実際値Ractが上記判定噴射量Rhより低い場合に、上記加速時制御を実施するように構成した。
これにより、加速時の黒煙防止と実作業時のエンジン出力を両立した上で、さらに冷態(燃料温度低下)時でも加速時の黒煙排出を抑えることができる。
また、上記加速時制御の解除必要性を判定するために、機関回転数の目標値Nsetに対応した解除判定回転数Nhoffがあらかじめ設定されており、機関回転数の目標値Nsetと実際値Nactとの差が設定された解除判定回転数Nhoffよりも小さい場合に、上記加速時制御を解除するように構成した。
これにより、加速時制御を適切に解除するので、必要以上に長時間加速時制御を続けることがなく、作業性が向上する。
また、上記加速時制御の解除必要性を判定するために、所定時間内の機関回転数の解除判定増加量Ngoffがあらかじめ設定されており、機関回転数の実際値Nactの変化量が設定された解除判定増加量Ngoffよりも小さい場合に、上記加速時制御を解除するように構成した。
これにより、加速時制御を適切に解除するので、必要以上に長時間加速時制御を続けることがなく、作業性が向上する。
また、加速時制御の開始時には第1の制限値から第2の制限値への変更が速やかに行われ、解除時には第2の制限値から第1の制限値への復帰が徐々に行われるように構成した。
これにより、急に燃料噴射量が増加して作業者が衝撃を感じるということがない。
また、第2の制限値を、アイドル回転数あるいはこれに近い低回転数以下の領域において、第1の制限値と同じ値あるいはほぼ同じ値に設定した。
これにより、加速中に大きな負荷がかかっても、エンストを起こすことが少なく、作業性が向上する。
また、ディーゼルエンジンが2台以上の油圧ポンプを駆動するように構成されている作業機用のものであり、第2の制限値を、いずれかの油圧ポンプのリリーフ弁が作動した時のエンジン出力に対応する値よりも大きい値に設定した。
これにより、加速中に大きな負荷がかかっても、エンストを起こすことが少なく、作業性が向上する。
また、判定噴射量を、各油圧ポンプのロス馬力を含んだ非作業状態に対応する燃料噴射量よりも大きく、かつ第2の制限値よりも小さい値に設定した。
これにより、判定噴射量の設定が適切であるため、必要な加速が行われないという問題が生じることがなく、作業性が向上する。
また、前記第2の制限値は、冷却水温、油温、燃料温度又は燃料ポンプ表面温度の何れかの変化に対応して、第1の制限値よりも小さく設定されるものとした。
これにより、冷却水温、油温、燃料温度又は燃料ポンプ表面温度に対応して第2の制限値を設定することで、各温度に適切な加速時制限を実施することができ、作業性が向上する。
この発明の一実施例の全体構成を示すブロック図。 実施例1に係るエンジン回転数とラック位置の関係を示す図。 実施例1に係る制御手順を示すフローチャート。 同じく制御手順を示すフローチャート。 実施例2に係る制御手順を示すフローチャート。 同じく制御手順を示すフローチャート。 (a)は実施例1における開始判定回転数マップ、(b)は同じく解除判定回転数マップ。 は実施例1における噴射量制限値の冷却水温補正マップ。
符号の説明
1 エンジン
2 燃料噴射ポンプ
3 ラック用アクチュエータ
4 回転数センサ
5 ラック位置センサ
6 アクセル位置センサ
7 制御部
7C CPU
7D ROM
8 油圧ポンプ
9 機構部分

Claims (9)

  1. 機関回転数の実際値と目標値、及び燃料噴射量の実際値を検出し、
    所定の出力特性に対応した機関回転数の実際値を得るべく燃料噴射量の設定値を算出して燃料噴射量を制御すると共に、
    加速時には燃料噴射量の最大値を通常時における第1の制限値よりも低い第2の制限値に抑える加速時制御を行うようにしたディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    上記加速時制御の開始必要性を判定するために、
    機関回転数の目標値に対応した開始判定回転数と、
    非作業状態における燃料噴射量よりも大きく、上記第2の制限値よりも小さい判定噴射量と、があらかじめ設定されており、
    機関回転数の目標値と実際値との差が設定された開始判定回転数よりも大きく、
    かつ燃料噴射量の実際値が上記判定噴射量より低い場合に、
    上記加速時制御を実施するように構成されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  2. 機関回転数の実際値と目標値、及び燃料噴射量の実際値を検出し、
    所定の出力特性に対応した機関回転数の実際値を得るべく燃料噴射量の設定値を算出して燃料噴射量を制御すると共に、
    加速時には燃料噴射量の最大値を通常時における第1の制限値よりも低い第2の制限値に抑える加速時制御を行うようにしたディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    上記加速時制御の開始必要性を判定するために、
    所定時間内の機関回転数の開始判定増加量と、
    非作業状態における燃料噴射量よりも大きく、上記第2の制限値よりも小さい判定噴射量と、があらかじめ設定されており、
    機関回転数の目標値の変化量が設定された開始判定増加量よりも大きく、
    かつ燃料噴射量の実際値が上記判定噴射量より低い場合に、
    上記加速時制御を実施するように構成されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    上記加速時制御の解除必要性を判定するために、
    機関回転数の目標値に対応した解除判定回転数があらかじめ設定されており、
    機関回転数の目標値と実際値との差が設定された解除判定回転数よりも小さい場合に、
    上記加速時制御を解除するように構成されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    上記加速時制御の解除必要性を判定するために、
    所定時間内の機関回転数の解除判定増加量があらかじめ設定されており、
    機関回転数の実際値の変化量が設定された解除判定増加量よりも小さい場合に、
    上記加速時制御を解除するように構成されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    加速時制御の開始時には第1の制限値から第2の制限値への変更が速やかに行われ、
    解除時には第2の制限値から第1の制限値への復帰が徐々に行われるように構成されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    第2の制限値が、アイドル回転数あるいはこれに近い低回転数以下の領域において、
    第1の制限値と同じ値あるいはほぼ同じ値に設定されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  7. 請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    ディーゼルエンジンが2台以上の油圧ポンプを駆動するように構成されている作業機用のものであり、
    第2の制限値が、いずれかの油圧ポンプのリリーフ弁が作動した時のエンジン出力に対応する値よりも大きい値に設定されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  8. 請求項7に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    判定噴射量が、各油圧ポンプのロス馬力を含んだ非作業状態に対応する燃料噴射量よりも大きく、
    かつ第2の制限値よりも小さい値に設定されたことを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
  9. 請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載のディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置であって、
    前記第2の制限値は、冷却水温、油温、燃料温度又は燃料ポンプ表面温度の何れかの変化に対応して、第1の制限値よりも小さく設定されることを特徴とする、ディーゼルエンジンの加速時黒煙防止装置。
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