JP2007040185A - 作業機械の出力制御装置及び出力制御方法 - Google Patents

作業機械の出力制御装置及び出力制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 作業機械の出力制御装置及び出力制御方法に関し、簡素な構成で、エンジンの出力状態を反映でき、良好な操作性及び制御性が得られるようにする。
【解決手段】 エンジン1と流体圧ポンプ2とを有し、エンジン1の回転数に応じて流体圧ポンプ2の出力域を制御する作業機械の出力制御装置であって、エンジン1が出力可能なエンジントルクの大きさを算出するエンジントルク算出手段3bと、エンジン回転数の変動に先立って流体圧ポンプ2の吸収トルクをエンジントルク算出手段3bで算出された該エンジントルク以下に制限する出力制限制御を実施するポンプ出力制御手段3cとを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、作業機械に搭載される流体圧ポンプの出力制御を行う制御装置及び制御方法に関する。
油圧ショベルに代表される一般的な作業機械では、ブームやスティック,旋回装置といった油圧装置が油圧ポンプによって駆動され、その油圧ポンプは全駆動源としてのエンジンによって駆動されている。エンジンには、その出力を設定する手段として、回転式のアクセルダイヤルスイッチが設けられており、オペレータによってアクセルダイヤルスイッチが操作されると、その操作位置に応じた目標回転数が設定され、エンジン及び油圧ポンプの出力トルクを制御する電子制御ユニットへ入力される。
電子制御ユニットでは、エンジン回転数が目標回転数と等しくなるように燃料噴射量を調節するガバナ制御が実施される。つまり、エンジン出力トルクを油圧ポンプへ安定供給すべく、目標回転数に対応するエンジン出力トルクを維持する制御がなされる。一方、油圧ポンプの出力トルクは、油圧装置から油圧ポンプ側へ働く負荷圧力やオペレータによるレバー操作量に応じて設定される。また、電子制御ユニットには、油圧装置へ負荷が投入された場合に、エンジン回転数に基づいて油圧ポンプの出力を抑制する制御を実施するコントローラが設けられている。
このような作業機械におけるエンジン及び油圧ポンプの制御順序は以下の通りとなる。すなわち、油圧装置の負荷圧力が増大すると、それに伴って油圧ポンプの出力トルクが大きくなり、エンジンに対する負荷が大きくなってエンジン回転数が低下する。そこで、低下したエンジン回転数を目標回転数まで上昇させるように燃料噴射量が増量される。一方油圧ポンプの出力は、エンジン回転数の低下に応じて抑制される。油圧ポンプ出力が抑制されると、油圧ポンプの吸収トルク(すなわち、エンジンに対する負荷トルク)が減少することになるため、エンジン回転数は徐々に上昇し、エンジン出力トルクと油圧ポンプの出力トルクとがつり合った状態、すなわち、エンジン回転数が目標回転数と等しくなるように制御される。
このように、従来の作業機械におけるエンジン及び油圧ポンプの出力トルク制御では、油圧装置の負荷が変動した場合に、その負荷変動に起因するエンジン回転数の変動後でなければ燃料噴射量を変化させることができず、後追いでエンジントルクを発生させる制御となってしまう。このため、油圧装置の負荷圧力が急激に増大するような操作,作業がなされた場合には、エンジン回転数が一時的に大きく低下して油圧ポンプの出力トルクも低下するとともに、それらの回復に時間を要し、油圧装置の良好な操作性が得られないおそれがある。
上述のような課題に対して、油圧装置の負荷圧力の急増時に、エンジンの燃料噴射量を増加させて、エンジン出力トルクの立ち上がりを改善する方法が検討されている。つまり、負荷圧力変動に対してエンジン回転数の低下を待たずに燃料噴射量を増加させて、エンジン出力トルクの落ち込みを抑制する制御である。
また、特許文献1には、エンジン回転数が低下しない負荷特性に対応した油圧ポンプの出力トルクの変動勾配を予め設定しておき、この変動勾配を油圧ポンプの出力トルクの変動勾配の予測値が超えないように、油圧ポンプの作動油吐出量を制限する方法が記載されている。
特開2005−61298号公報
上述の前者の改善方法では、油圧装置の負荷圧力の急増時に、一時的に燃料噴射量を増加させる必要がある。しかし、近年ではエンジンの排気ガス規制等により、一度に噴射できる燃料量が厳しく制限されているため、エンジンの状態によっては燃料噴射量を十分に増加させることができない場合がある。このような場合には、負荷圧力の急増に対して、エンジン出力トルクの立ち上がりに遅れが生じ、良好な操作性が得られない。
また、後者の特許文献1に記載の方法は、油圧ポンプにおける出力トルクの予測値と予め設定された基準値とを比較して油圧ポンプの実際の出力トルクを制御するものであるため、制御内容に実際のエンジンの出力状態を反映させることができない。つまり、実際のエンジンの特性と予め設定された出力トルクの変化勾配の特性との間に何らかの差異が生じた場合に、その差異を補償する手だてがなく制御のロバスト性が低い。
また、特許文献1に記載の方法は、エンジンの負荷トルクの立ち上がり時(負荷投入時)の制御であり、負荷変動に依存した制御であるため、徐々に負荷が増加する場合や定常時には適用できない。
さらに、この方法は、油圧ポンプ出力トルクの変動勾配が予め設定された勾配よりも緩慢となるように制御するものであるため、実際のエンジン出力トルクの状態やエンジン回転数に応じたきめの細かい制御を実施することができず、良好な制御性が得られないという課題もある。
本発明は、これらのような課題に鑑みなされたもので、簡素な構成で、エンジンの出力状態を反映でき、良好な操作性及び制御性が得られるようにした、作業機械の出力制御装置及び出力制御方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の作業機械の出力制御装置(請求項1)は、エンジンと該エンジンによって駆動される流体圧ポンプとを有し、該エンジンの回転数に応じて該流体圧ポンプの出力域を制御する作業機械の出力制御装置であって、該エンジンが出力可能なエンジントルクの大きさを算出するエンジントルク算出手段と、エンジン回転数の変動に先立って該流体圧ポンプの吸収トルクを該エンジントルク算出手段で算出された該エンジントルク以下に制限する出力制限制御を実施するポンプ出力制御手段とを備えたことを特徴としている。
なお、ここでいう流体圧ポンプは、油圧ポンプ,水圧ポンプ,空気圧ポンプ等を含む。
また、所定単位時間内に該エンジンが噴射可能な燃料の最大量(燃料リミッタ値)を推定する燃料噴射量推定手段を備え、該エンジントルク算出手段は、該燃料噴射量推定手段で推定された該最大量の燃料噴射によって該所定単位時間後に該エンジンから出力されうるエンジントルクを算出することが好ましい(請求項2)。
また、該燃料噴射量推定手段は、該エンジンの過給圧と該エンジン回転数とに基づいて、該エンジンが噴射可能な燃料の最大値を推定することが好ましい(請求項3)。つまりこの場合、排気ガス規制によって規定される単位燃焼サイクル毎の該燃料噴射の最大量を推定することが好ましい。
また、該流体圧ポンプの出力を制御する電子制御装置(EPUC)を備え、該電子制御装置が、該燃料噴射量推定手段と、該エンジントルク算出手段と、該ポンプ出力制御手段とを有することが好ましく(請求項4)、或いは、該流体圧ポンプの出力を制御する第1電子制御装置(EPUC)と、該エンジンの燃料噴射量を制御する第2電子制御装置(電子ガバナコントローラ)とを備え、該第1電子制御装置が、該ポンプ出力制御手段を有するとともに、該第2電子制御装置が、該燃料噴射量推定手段と該エンジントルク算出手段とを有することが好ましい(請求項5)。
本発明の作業機械の出力制御方法(請求項6)は、エンジンと該エンジンによって駆動される流体圧ポンプとを有し、該エンジンの回転数に応じて該流体圧ポンプの出力域を制御する作業機械の出力制御方法であって、該エンジンが出力可能なトルクの大きさを算出し、エンジン回転数の変動に先立って該流体圧ポンプの吸収トルクを該エンジントルク算出手段で算出された該エンジントルク以下に制限する出力制限制御を実施することを特徴としている。
また、本発明の作業機械の出力制御方法(請求項7)は、エンジンと該エンジンによって駆動される流体圧ポンプとを有し、該エンジンの回転数に応じて該流体圧ポンプの出力域を制御する作業機械の出力制御方法であって、所定単位時間内に該エンジンが噴射可能な燃料の最大量を推定して、該最大量の燃料噴射によって該所定単位時間後に該エンジンから出力されうるエンジントルクを算出し、エンジン回転数の変動に先立って、該流体圧ポンプの吸収トルクを該エンジントルク以下に制限する出力制限制御を実施することを特徴としている。
本発明の作業機械の出力制御装置(請求項1)及び出力制御方法(請求項6)によれば、エンジン回転数の変動に先立ってエンジンから出力されうるエンジントルクを算出し、流体圧ポンプの吸収トルクをそのエンジントルク以下に制限するため、流体圧ポンプの吸収トルク変動を抑制できるとともに、エンジン回転数の変動を抑制できる。つまり、急激な負荷変動に対するエンジン回転数の変動を抑制でき、流体圧ポンプの出力変動も抑えることができ、操作性をより向上させることができる。
また、エンジンの作動状態に応じてエンジンへ与えられる負荷自体の大きさをコントロールする制御であるため、負荷変動に依らず常時実施が可能であり、汎用性が高い。
本発明の作業機械の出力制御装置(請求項2)及び出力制御方法(請求項7)によれば、エンジンが噴射可能な燃料の最大量に基づいてエンジントルクを正確に算出できる。
また、本発明の作業機械の出力制御装置(請求項3)によれば、エンジンが噴射可能な燃料の最大値を正確に推定できる。これにより、例えば排気ガス規制によって急激な負荷変動に対する燃料噴射の増加量が制限されている場合であっても、正確にエンジントルクが算出されて流体圧ポンプの出力域をエンジン出力以下に制限されるため、エンジンに対する流体圧ポンプの負荷を減少させることができる。つまり、エンジン回転数の低下を抑制でき、エンジントルク及び流体圧ポンプのトルクの立ち上がりを改善できる。
また、本発明の作業機械の出力制御装置(請求項4)によれば、機械式ガバナを備えたエンジンを搭載する作業機械において、流体圧ポンプの出力制限制御を実施できる。
また、本発明の作業機械の出力制御装置(請求項5)によれば、電子式ガバナを備えたエンジンを搭載する作業機械において、電子式ガバナのコントローラにおける燃料噴射量の演算結果を利用して、より簡便に流体圧ポンプの出力制限制御を実施できる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図5は本発明の一実施形態としての作業機械の出力制御装置を説明する図であり、図1は本装置の構成図、図2は本装置の制御ブロック図、図3は本装置の制御内容を示すフローチャート、図4は図1のEPUCに設定された油圧ポンプ出力の特性グラフ、図5は本装置による急負荷投入時の制御作用を示すグラフであり、(a)は燃料噴射量の経時変化を示し、(b)はエンジン回転数の経時変化を示す。
[全体構成]
図1に示すように、本出力制御装置10は、過給機を備えたエンジン1,流体圧ポンプとしての油圧ポンプ2,EPUC3(電子パワーユニットコントローラ),エンジン回転数センサ4,及び過給圧センサ5を備えて構成される。
エンジン1は、油圧ポンプ2を駆動する駆動源としての過給機付きエンジンである。エンジン1の回転数は、オペレータの回転操作によってアクセルダイヤルスイッチ(図示せず)で設定される。ここで設定された目標回転数はEPUC3へ入力される。
また、実際のエンジン回転数Neは、エンジン1に付設されたエンジン回転数センサ6によって検出されてEPUC3へ入力される。EPUC3は、エンジン回転数Neが目標回転数と等しくなるように機械式ガバナを制御し、燃料噴射量を調節する。また、EPUC3は、油圧ポンプ2のレギュレータへ入力される作動油圧であるPS圧(パワーシフト圧)を制御して、油圧ポンプ2の出力を制御する。なお、過給圧センサ8は、エンジン1の過給圧PBを検出してEPUC3へ入力する圧力センサである。
[EPUC構成]
EPUC3の内部には、制御部として、燃料噴射量推定部(燃料噴射量推定手段)3a,エンジントルク算出部(エンジントルク算出手段)3b及びポンプ出力制御部(ポンプ出力制御手段)3cが設けられる。
燃料噴射量推定部3aは、所定単位時間内にエンジン1が噴射可能な燃料の最大量FL(すなわち、燃料リミッタ量)を推定する制御部であり、図2に示すように、エンジン回転数Ne及び過給圧PBに基づいて燃料噴射量の最大値をFLとして推定する。推定された最大値FLは、エンジントルク算出部3bへ入力される。ここでいう所定単位時間とは、例えば、1燃焼サイクルに対応する時間である。これにより、エンジン1へ過給される空気量に応じた量の燃料が各燃焼サイクル毎にエンジン4へ供給されて、排気ガス性能の良好な燃焼が得られるようになっている。
なお、ここで推定される燃料の最大量FLは、排気ガス規制等による燃料噴射量の制限が考慮された値となっている。
エンジントルク算出部3bは、燃料噴射量推定部3aで推定された最大量FLの燃料噴射によって、エンジン1から出力されうるエンジントルクTeを算出する。つまりここでは、最大量FLの燃料が噴射されたと仮定した場合にエンジン1から出力されると予測されるエンジントルクTeの大きさを算出する。仮に、所定単位時間が1燃焼サイクルであるとすれば、次の燃焼サイクルが始まる直前に発生していると予測されるエンジントルクTeの大きさが算出されることになる。なお、予測されたエンジントルクTeの大きさは、ポンプ出力制御部3cへ入力される。
ポンプ出力制御部3cは、エンジントルクTe及びエンジンNe回転数に基づき、以下の式1に従って、現時点でエンジン1が出力しうる馬力、すなわちエンジン最大出力Heを算出する。
e=Te×Ne ・・・(式1)
続いて、エンジン回転数Ne及び予め設定されたマップに基づき、目標油圧ポンプ出力Hpを算出する。ここでは、図4に実線で示すような特性が設定されている。なお、破線で示す特性は、アイドル時のエンジン回転数Neに対応する定常時における最大エンジン出力であり、ここでは、目標油圧ポンプ出力Hpが、定常時における最大エンジン出力に所定の割合を乗じた値に設定されている。
さらにポンプ出力制御部3cは、現時点即ち時々刻々のエンジン最大出力Heと目標油圧ポンプ出力Hpとを比較して、エンジン最大出力Heよりも目標油圧ポンプ出力Hpの方が小さい場合には、実際に油圧ポンプ2を制御するための制御出力としてHpを設定する。一方、目標油圧ポンプ出力Hpがエンジン最大出力He以上である場合には、制御出力としてHeを設定する。そして、ここで設定された制御出力を得るためのPS圧を油圧ポンプ2へ出力する。
つまり、従来の出力制御装置においては、エンジン回転数Neに応じて設定される目標油圧ポンプ出力Hpがそのまま油圧ポンプ2の制御出力として用いられるのに比較して、本出力制御装置では、油圧ポンプ2の出力トルク(すなわち、吸収トルク)を過渡即ち時々刻々のエンジントルクTe以下に制限する出力制限制御が実施されることになる。これにより、油圧ポンプ2の制御出力が排ガス規制で制限を受ける過渡時のエンジンの出力能力を超えることがなくなる。
[フローチャート]
本出力制御装置における制御は、図3に示すフローチャートの内容に則って、EPUC3内において所定周期で適宜繰り返し実施される。
ステップA10では、本制御にかかるパラメータとして、エンジン回転数Ne及びエンジン1の過給圧PBが、それぞれエンジン回転数センサ4及び過給圧センサ5から入力される。続くステップA20では、燃料噴射量推定部3aにおいて、エンジン回転数Ne及び過給圧PBに基づいて、所定単位時間内にエンジン1が噴射可能な燃料の最大量FLが推定される。
次に、ステップA30では、エンジントルク算出部3bにおいて前ステップで推定された最大量FLの燃料噴射によって、エンジン1から出力されうるエンジントルクTeが算出される。つまりここでは、最大量FLの燃料噴射がなされたとの仮定に基づいて予測されるエンジントルクTeが算出される。
続くステップA40では、ポンプ出力制御部3cにおいて、現時点でエンジン1が出力しうるエンジン最大出力Heが算出される。一方、続くステップA50では、エンジン1に対する負荷としての目標油圧ポンプ出力Hpが、エンジン回転数Ne及び図4に示すマップに基づいて算出される。
ステップA60では、ポンプ出力制御部3cにおいて、エンジン最大出力Teと目標油圧ポンプ出力Tpとが比較される。ここで、エンジン最大出力Heよりも目標油圧ポンプ出力Hpの方が小さい場合(Hp<He)と判定された場合には、ステップA90へ進んで油圧ポンプ2を制御するための制御出力としてHpが設定される。また、目標油圧ポンプ出力Hpがエンジン最大出力He以上である場合(Hp≧He)には、ステップA70へ進んで制御出力としてHeが設定される。
つまり、エンジン回転数に基づいて算出される目標油圧ポンプ出力Hpよりも、エンジン1が実際に出力可能な最大出力Heが小さい場合、もしも油圧ポンプ2を出力Hpで動作させると、油圧ポンプ2がエンジン1へ与える負荷(吸収トルク)が過剰となり、エンジン出力トルクの立ち上がりに遅れが生じてしまう。
しかし、このステップA60での判定によって、目標油圧ポンプ出力Hpがエンジンの出力能力以下に制限されるため、油圧ポンプ2がエンジン1へ与える負荷が抑制されることになる。またこれにより、エンジン回転数Neの変動も抑制される。
そして続くステップA80では、ステップA70又はステップA80で設定された制御出力を得るためのPS圧が油圧ポンプ2へ出力され、油圧ポンプ2の出力が制御される。
[制御作用]
図5(a),(b)に太実線で示すように、本出力制御装置を備えた作業機械において、時刻t1に急負荷が投入された場合、エンジン1に対して油圧ポンプ2が負荷として働くため、エンジン回転数Neが低下する。これに対して、エンジン回転数がNe1になるようにエンジン1の燃料噴射量を増加させる制御が行われる。一方、エンジン1には、図5(a)に破線で示すように、エンジン1の過給圧PBやエンジン回転数Neに応じて設定される排気ガス規制による燃料噴射量の制限値が定められている。このため、時刻t2〜t3においては、エンジン回転数をNe1にするべく噴射したい燃料量〔図5(a)中に一点鎖線で示す〕に対して、実際に噴射できる燃料量が制限されており、その結果、図5(b)に破線で示すように、エンジン回転数が大きく落ち込んでしまいかねない。つまり、時刻t2〜t3間では、油圧ポンプ2がエンジン1へ要求する出力が、実際のエンジン1の出力能力を超えた状態となる。
これに対し、本出力制御装置によれば、時刻t2〜t3間における油圧ポンプ2の出力が、実際のエンジン1の出力能力以下となるように制限されることになる。これにより、油圧ポンプ2の吸収トルクが低減され、図5(b)に実線で示すように、エンジン回転数の変動が抑制され、エンジン回転数Neが迅速にNe1へ収束する。
[効果]
以上のような制御により、本実施形態の出力制御装置によれば、負荷投入時におけるエンジン回転数Neの変動に先立ってエンジン1から出力されうるエンジントルクTeを算出し、油圧ポンプ2の吸収トルクをそのエンジントルクTe以下に制限する制御を行うため、エンジン回転数Neの変動を抑制できる。つまり、急激な負荷変動に対するエンジン回転数Neの変動を抑制でき、その結果、油圧ポンプ2の出力変動も抑えることができ、エンジントルクTe及び油圧ポンプトルクの立ち上がりを改善でき、操作性をより向上させることができる。
また、本制御によれば、エンジン1におけるトルクの発生に合わせて油圧ポンプ2のトルクを制御できる。つまり、油圧ポンプ2の制御内容に実際のエンジン1の出力状態を反映させることができ、制御のロバスト性を高めることができる。
また、本装置では、燃料噴射量に基づく演算により、正確にエンジントルクTe及びエンジン出力Heを算出できる。つまり、油圧ポンプ2がエンジン1に対して要求する出力ではなく、その時点においてエンジン1が油圧ポンプ2へ提供しうる最大出力を算出できる。また、排気ガス規制によりエンジン1の燃料噴射量が制限される場合であっても、制限された燃料噴射量に基づく最大出力を算出できる。
なお、本制御は、エンジンの作動状態に応じてエンジンへ与えられる負荷自体の大きさをコントロールする制御であるため、負荷変動に依らず常時実施が可能である。つまり、負荷変動時だけでなく定常時においても本制御を実施することができ、汎用性が高い。
[変形例]
次に、図6及び図7を用いて上述の実施形態の変形例を説明する。上述の実施形態のものと同一の構成要素については同符号を付し、説明を省略する。
本変形例にかかる出力制御装置11では、エンジン1に電子ガバナ6が設けられている。電子ガバナ6は、電子制御によりエンジン1の燃料噴射量を制御する装置であり、図示しない電子ガバナコントローラ(第2電子制御装置)を備えている。電子ガバナコントローラは、エンジン回転数Ne及び過給圧PBに基づいてエンジン1が発生させるトルクTe及び排ガス規制のための燃料制御演算を行い、現時点でエンジン1が出力しうる馬力、すなわちエンジン最大出力Heを算出する。
また、本変形例におけるEPUC(第1電子制御装置)7は、通信により電子ガバナコントローラの演算で用いられたエンジン回転数Neを読み取るとともに、燃料制御演算で算出された燃料噴射によってエンジン1から出力されうるエンジン最大出力Heを読み取る。また、EPUC7の内部には、制御部として、ポンプ出力制御部7aが設けられている。
ポンプ出力制御部7aは、エンジン回転数Ne及び予め設定されたマップに基づき、目標油圧ポンプ出力Hpを算出する。ここでは、上述の実施形態と同様に、図4に実線で示すような特性が設定されており、目標油圧ポンプ出力Hpが、定常時における最大エンジン出力(破線で示す)に所定の割合を乗じた値に設定される。
そして、ポンプ出力制御部7aは、現時点即ち時々刻々のエンジン最大出力Heと目標油圧ポンプ出力Hpとを比較し、エンジン最大出力Heよりも目標油圧ポンプ出力Hpの方が小さい場合には、実際に油圧ポンプ2を制御するための制御出力としてHpを設定する。一方、目標油圧ポンプ出力Hpがエンジン最大出力He以上である場合には、制御出力としてHeを設定する。そして、ここで設定された制御出力を得るためのPS圧を油圧ポンプ2へ出力する。
つまり、本変形例では、電子ガバナコントローラが燃料噴射量推定部3a及びエンジントルク算出部3bを有しており、本変形例におけるEPUC7は、上述の実施形態のEPUC3と比較して、燃料噴射量推定部3a及びエンジントルク算出部3bの機能を電子ガバナ6で賄った簡易構成となっている。
次に、図7を用いて、本変形例における制御内容を説明する。
ステップB10では、EPUC7において、電子ガバナコントローラよりエンジン最大出力He及びエンジン回転数Neが受信される。続くステップB20では、ポンプ出力制御部7aにおいて、エンジン1に対する負荷としての目標油圧ポンプ出力Hpが、エンジン回転数Ne及び図4に示すマップに基づいて算出される。
ステップB30では、ポンプ出力制御部7aにおいて、エンジン最大出力Teと目標油圧ポンプ出力Tpとが比較される。ここで、エンジン最大出力Heよりも目標油圧ポンプ出力Hpの方が小さい場合(Hp<He)と判定された場合には、ステップB60へ進んで油圧ポンプ2を制御するための制御出力としてHpが設定される。また、目標油圧ポンプ出力Hpがエンジン最大出力He以上である場合(Hp≧He)には、ステップB40へ進んで制御出力としてHeが設定される。
そして続くステップB50では、ステップB40又はステップB60で設定された制御出力を得るためのPS圧が油圧ポンプ2へ出力され、油圧ポンプ2の出力が制御される。
このように、本変形例によれば、電子式ガバナを備えたエンジンを搭載する作業機械において、電子式ガバナコントローラにおける燃料噴射量の演算結果を利用して油圧ポンプの出力抑制制御を実施することができ、構成をより簡素にすることができる。また、上述の実施形態と同様に、急激な負荷変動に対するエンジン回転数の変動を抑制でき、流体圧ポンプの出力変動も抑えることができ、操作性をより向上させることができる。また、エンジンの作動状態に応じてエンジンへ与えられる負荷自体の大きさをコントロールする制御であるため、負荷変動に依らず常時実施が可能である。
[その他]
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、ポンプ出力制御部3cでの出力制限制御において、Hp及びHeのいずれかの制御出力を得るためのPS圧が油圧ポンプ2へ出力されるようになっているが、油圧ポンプ2の吸収トルクをエンジントルク以下に制限する制御であればこれに限定されない。
また、上述の実施形態では、燃料噴射量推定部3aにおいて、エンジン1の過給圧PB及びエンジン回転数Neに基づいて燃料噴射量の最大値FLを推定するようになっているが、燃料噴射量の算出手法は任意である。
また、上述の実施形態は、油圧ポンプの出力を制御する出力制御装置に本発明を適用したものとなっているが、油圧ポンプ以外の各種流体圧ポンプの出力をコントロールする制御装置に適用可能である。また、ここでは、本発明にかかる流体圧制御装置が作業機械に適用されたものを例示したが、流体圧を利用した様々な機械の制御に適用することができる。
本発明の一実施形態としての作業機械の出力制御装置の構成図である。 図1の出力制御装置の制御ブロック図である。 図1の出力制御装置の制御内容を示すフローチャートである。 図1のEPUCに設定された油圧ポンプ出力の特性グラフである。 図1の出力制御装置による急負荷投入時の制御作用を示すグラフであり、(a)は燃料噴射量の経時変化を示し、(b)はエンジン回転数の経時変化を示す。 図1の変形例としての出力制御装置の構成図である。 図6の出力制御装置の制御内容を示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン
2 油圧ポンプ(流体圧ポンプ)
3 EPUC
3a 燃料噴射量推定部(燃料噴射量推定手段)
3b エンジントルク算出部(エンジントルク算出手段)
3c ポンプ出力制御部(ポンプ出力制御手段)
4 エンジン回転数センサ
5 過給圧センサ
6 電子ガバナ
10,11 出力制御装置

Claims (7)

  1. エンジンと該エンジンによって駆動される流体圧ポンプとを有し、該エンジンの回転数に応じて該流体圧ポンプの出力域を制御する作業機械の出力制御装置であって、
    該エンジンが出力可能なエンジントルクの大きさを算出するエンジントルク算出手段と、
    エンジン回転数の変動に先立って該流体圧ポンプの吸収トルクを該エンジントルク算出手段で算出された該エンジントルク以下に制限する出力制限制御を実施するポンプ出力制御手段と
    を備えたことを特徴とする、作業機械の出力制御装置。
  2. 所定単位時間内に該エンジンが噴射可能な燃料の最大量を推定する燃料噴射量推定手段を備え、
    該エンジントルク算出手段は、該燃料噴射量推定手段で推定された該最大量の燃料噴射によって該所定単位時間後に該エンジンから出力されうるエンジントルクを算出する
    ことを特徴とする、請求項1記載の作業機械の出力制御装置。
  3. 該燃料噴射量推定手段は、該エンジンの過給圧と該エンジン回転数とに基づいて、該エンジンが噴射可能な燃料の最大値を推定する
    ことを特徴とする、請求項2記載の作業機械の出力制御装置。
  4. 該流体圧ポンプの出力を制御する電子制御装置を備え、
    該電子制御装置が、該燃料噴射量推定手段と、該エンジントルク算出手段と、該ポンプ出力制御手段とを有する
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の作業機械の出力制御装置。
  5. 該流体圧ポンプの出力を制御する第1電子制御装置と、
    該エンジンの燃料噴射量を制御する第2電子制御装置とを備え、
    該第1電子制御装置が、該ポンプ出力制御手段を有するとともに、
    該第2電子制御装置が、該燃料噴射量推定手段と該エンジントルク算出手段とを有する
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載の作業機械の出力制御装置。
  6. エンジンと該エンジンによって駆動される流体圧ポンプとを有し、該エンジンの回転数に応じて該流体圧ポンプの出力域を制御する作業機械の出力制御方法であって、
    該エンジンが出力可能なトルクの大きさを算出し、
    エンジン回転数の変動に先立って該流体圧ポンプの吸収トルクを該エンジントルク算出手段で算出された該エンジントルク以下に制限する出力制限制御を実施する
    ことを特徴とする、作業機械の出力制御方法。
  7. エンジンと該エンジンによって駆動される流体圧ポンプとを有し、該エンジンの回転数に応じて該流体圧ポンプの出力域を制御する作業機械の出力制御方法であって、
    所定単位時間内に該エンジンが噴射可能な燃料の最大量を推定して、該最大量の燃料噴射によって該所定単位時間後に該エンジンから出力されうるエンジントルクを算出し、
    エンジン回転数の変動に先立って、該流体圧ポンプの吸収トルクを該エンジントルク以下に制限する出力制限制御を実施する
    ことを特徴とする、作業機械の出力制御方法。
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