JP2009035707A - カチオンポリマー含有水性エマルジョン、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末、及び、それを用いたセメントモルタル混和剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂[I]により、合成樹脂が分散安定化されてなる水性合成樹脂エマルジョン、及び、分子量3,000〜500,000の水溶性カチオンポリマーを含有してなるカチオンポリマー含有水性エマルジョン、及び、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末。
【選択図】なし
Description
本発明は、水性合成樹脂エマルジョンまたは水性合成樹脂エマルジョン粉末に、水溶性カチオンポリマーを含有させるものであり、この水性合成樹脂エマルジョンまたは水性合成樹脂エマルジョン粉末は、合成樹脂が、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA系樹脂[I]により、分散安定化されてなるものである。まず、このPVA系樹脂[I]について、説明する。
この水溶液におけるPVA系樹脂[I]の量(不揮発分)については特に限定されないが、取り扱いの容易性の観点からは、5〜30重量%、特には5〜20重量%であることが望ましい。
(ア)グリシジル基含有モノマー。
(イ)アリル基含有モノマー。
(ウ)加水分解性シリル基含有モノマー。
(エ)アセトアセチル基含有モノマー。
(オ)分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー。
(カ)ヒドロキシル基含有モノマー。
ただし、これら界面活性剤を乳化剤として多く使用すると、グラフト率が低下する傾向がある。このため、界面活性剤を使用する場合には、その使用量はPVA系樹脂に対して補助的な量であること、すなわち、できる限り少なくすることが望ましい。
これら他の成分の使用量は、本発明の目的を阻害しない限りにおいて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記したように、本発明による水性合成樹脂エマルジョンは、特定のPVA系樹脂[I]を保護コロイド剤として用いて、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と特定の官能基含有モノマー(B)とを含む共重合性モノマーを乳化重合することによって製造することができる。
まず、反応缶に水、PVA系樹脂[I]、必要に応じて補助乳化剤を仕込み、これを昇温(通常65〜90℃)した後、共重合性モノマー成分の一部と重合開始剤をこの反応缶に添加して、初期重合を実施する。次いで、残りの共重合性モノマー成分を、一括または滴下しながら反応缶に添加し、必要に応じてさらに重合開始剤を添加しながら重合を進行させる。重合反応が完了したと判断されたところで、反応缶を冷却し、目的とする水性合成樹脂エマルジョンを取り出すことができる。
なお、ここで、平均粒子径は、慣用の方法、例えばレーザー解析/散乱式粒度分布測定装置「LA−910」(株式会社堀場製作所製)により測定することができる。
本発明における合成樹脂のガラス転移温度とは、共重合モノマー成分として官能基含有モノマー(B)を除いた主要モノマー成分に基づき、Foxの式により計算される値のことである。
即ち、対象となるエマルジョン等を、40℃×16時間乾燥して、厚さが約0.5mmの皮膜を作製し、それを23℃×65%RH下に2日間放置する。その皮膜を、沸騰水中で8時間抽出を行った後、アセトン中で8時間抽出を行い、グラフト化していない樹脂等を除去する。この場合の、抽出前の皮膜絶乾重量をw1(g)、抽出後の皮膜絶乾重量をw2(g)とし、下記の式より求める。
w1:抽出前の皮膜絶乾重量(g)
w2:抽出後の皮膜絶乾重量(g)
なお、抽出前の皮膜絶乾重量(w1)は、予め、抽出試験サンプルとは別のサンプルを105℃×1時間乾燥させ、抽出前サンプルの皮膜絶乾重量を算出したものであり、抽出後の皮膜絶乾重量(w2)は、抽出後のサンプルを105℃×1時間乾燥させた時の重量である。これらw1とw2の重量の算出は、それぞれ別のサンプルを用いたものであるため、同一条件下での取り扱いとすべく、両サンプルの乾燥にともなう揮発分割合により補正して、両サンプルの皮膜絶乾重量を算出した。
得られた再乳化性水性合成樹脂エマルジョン粉末は、粉末のまま、または水に再乳化して水性合成樹脂エマルジョンとして水溶性カチオンポリマーと混合することができる。
水への溶解性が容易でないものは、再乳化性に悪影響を与える場合があるので、事前に水への溶解性を確認した上で使用することが望ましい。
尚、例中「部」、「%」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔実施例1/カチオンポリマー含有水性エマルジョン1〕
攪拌機と還流冷却器とを備えた2Lサイズのステンレス製反応缶に、670部の水、保護コロイドとして、側鎖に1,2−ジオール結合を有するPVA(平均重合度300、平均ケン化度99.1モル%、側鎖の1,2−ジオール結合の含有量8モル%/日本合成化学工業株式会社製)の46部、酢酸ナトリウムの2g、酸性亜硫酸ナトリウムの1gを仕込み、反応缶を85℃に加熱して、このPVAを溶解させた。次に、この反応缶の温度を80℃に保ち、ここに、予め混合しておいた混合モノマー〔ブチルアクリレート358部/メチルメタクリレート293部/アセトアセトキシエチルメタクリレート6.5部=54.4/44.6/1(重量比)〕の66部を添加し、重合開始剤として過硫酸アンモニウム1.6gを水30gに溶解した過硫酸アンモニウム水溶液の30%を加えて、初期重合反応を1時間行った。次いで、残りの混合モノマーと重合開始剤として前記過硫酸アンモニウム水溶液の60%とを、反応缶に4時間にわたって滴下して重合を進行させた。滴下終了後に前記過硫酸アンモニウム水溶液の10%を加え、同温度で1時間熟成させ、不揮発分50.1%の水性合成樹脂エマルジョン1を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記(2)で算出される値(W)は、80重量%であった。
この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=358/293=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+105℃とした場合、約−1℃である。
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/スチレン/アセトアセトキシエチルメタクリレート=54.4/44.6/1(重量比)に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分49.8%の水性合成樹脂エマルジョン2を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記(2)で算出される値(W)は、75重量%であった。
この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/スチレン=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、それぞれのホモポリマーのTgを−52℃、+100℃とした場合、約−2℃である。
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/グリシジルメタクリレート=54.4/44.6/1(重量比)に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分49.9%の水性合成樹脂エマルジョン3を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記(2)で算出される値(W)は、73重量%であった。
この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、実施例1の水性合成樹脂エマルジョン1と同様に、約−1℃であった。
得られた水性合成樹脂エマルジョン3の500gに、実施例1と同様の水溶性カチオンポリマー(PAS−J−81L)5.5gを、水で2倍に希釈して添加し、更に加水して45%品に調整し、カチオンポリマー含有水性エマルジョン3を得た。
混合モノマーの種類と組成比を、ブチルアクリレート/メチルメタクリレート/ビニルトリメトキシシラン=54.4/44.6/1(重量部)に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分50.2%の水性合成樹脂エマルジョン4を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記(2)で算出される値(W)は、75重量%であった。
この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/メチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、実施例1の水性合成樹脂エマルジョン1と同様に、約−1℃であった。
得られた水性合成樹脂エマルジョン4の500gに実施例1と同様の水溶性カチオンポリマー(PAS−J−81L)5.5gを、水で2倍に希釈して添加し、更に加水して45%品に調整し、カチオンポリマー含有水性エマルジョン4を得た。
保護コロイドとして、側鎖に1,2ージオール結合を有するPVA(重合度300、ケン化度99.1モル%、側鎖の1,2ージオール結合の含有量3モル%/日本合成化学工業株式会社製)に変更した以外は、実施例1と同様にして、不揮発分50.1%の水性合成樹脂エマルジョン5を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョンの上記(2)で算出される値(W)は、75重量%であった。
この主要モノマー組成〔ブチルアクリレート/ブチルメタクリレート=55/45(重量比)〕からなる合成樹脂の計算上のガラス転移温度(Tg)は、実施例1記載の水性合成樹脂エマルジョン1と同様に約−1℃である。
得られた水性合成樹脂エマルジョン5の500gに実施例1記載の水溶性カチオンポリマー(PAS−J−81L)5.5gを、水で2倍に希釈して添加し、更に加水して45品に調整し、カチオンポリマー含有水性エマルジョン5を得た。
実施例1で得られた水性合成樹脂エマルジョン1の500gに、水溶性カチオンポリマーとしてジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(Magnafloc 368、分子量:約1,000,000/チバスペシャリテイ・ケミカルズ株式会社製)の2%水溶液の35gを添加したが、添加時にゲル化してしまい、カチオンポリマー含有水性エマルジョン6を得ることができなかった。
〔実施例6/カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末1〕
実施例1で得られたカチオンポリマー含有水性エマルジョン1(不揮発分45%)200部に対して、平均重合度500、平均ケン化度88モル%のPVA(ゴーセノールGL05/日本合成化学工業株式会社製)の20%水溶液を31.5部(カチオンポリマー含有水性エマルジヨンの不揮発分に対しPVA7%)添加し、加水して不揮発分を40%に調整した。抗粘結剤として炭酸カルシウムの存在下において、ノズル式の噴霧乾燥機により熱源を熱風として140℃の温風下にて噴霧乾燥させて、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末1を得た。
実施例1で得られた水溶性カチオンポリマー添加前の水性合成樹脂エマルジョン1(不揮発分50.1%)200部に対して、平均重合度500、平均ケン化度88モル%のPVA(ゴーセノールGL05/日本合成化学工業株式会社製)の20%水溶液を35部(水性合成樹脂エマルジョンの不揮発分に対しPVA7%)添加し、加水して不揮発分を40%に調整した。抗粘結剤として炭酸カルシウムの存在下において、ノズル式の噴霧乾燥機により熱源を熱風として140℃の温風下にて噴霧乾燥させて、水性合成樹脂エマルジョン粉末2を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョン粉末2の500gに、水溶性カチオンポリマーとして、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(Magnafloc 368/微粉末品、分子量:約1,000,000/チバスペシャリテイ・ケミカルズ株式会社製)3g添加し、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末2を得た。
実施例3で得られた水溶性カチオンポリマー添加前の水性合成樹脂エマルジョン3(不揮発分49.9%)を用いて、実施例7と同様にして水性合成樹脂エマルジョン粉末3を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョン粉末3の500gに、水溶性カチオンポリマーとして、実施例7と同様のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(Magnafloc 368)3gを添加し、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末3を得た。
実施例4で得られた水溶性カチオンポリマー添加前の水性合成樹脂エマルジョン4(不揮発分50.2%)を用いて、実施例7と同様にして水性合成樹脂エマルジョン粉末4を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョン粉末4の500gに、水溶性カチオンポリマーとして、実施例7と同様のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(Magnafloc 368)5gを添加し、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末4を得た。
実施例5で得られた水溶性カチオンポリマー添加前の水性合成樹脂エマルジョン5(不揮発分50.1%)を用いて、実施例7と同様にして水性合成樹脂エマルジョン粉末5を得た。
得られた水性合成樹脂エマルジョン粉末5の500gに、水溶性カチオンポリマーとして、実施例7記載のジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体(Magnafloc 368)3gを添加し、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末5を得た。
実施例、比較例で得られた水性合成樹脂エマルジョンに、上記水溶性カチオンポリマーを添加し、ゲル化の有無などの混和安定性を観察した。なお、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末の場合には、45%濃度となるように水に再乳化し、再乳化した時の状態から評価した。評価基準は以下のとおりである。
○・・・ゲル化などの変化は起こらない。
△・・・少し増粘するが、ゲル化などの変化は起こらない。
×・・・ゲル化、著しい粘度上昇。
マイクロテック・ニチメン株式会社製の「ZEECOM IP−120B SYSTEM」を用いてゼータ電位を測定した。なお、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末の場合には、水に再乳化してから測定に供した。
JIS A 6203に準じてセメントモルタル混和試験を行った。普通ポルトランドセメント500g、豊浦硅砂1500g、不揮発分45%のカチオンポリマー含有水性エマルジョン111g(不揮発分50g)および、練り混ぜ水265gを、ホバートミキサーで3分間攪拌して、セメントモルタルを調整した。このセメントモルタルの流動性は、フローテーブルの上に設置した底辺直径100mmのフローコーンに、上記セメントモルタルを詰め込み、フローコーンを抜き取った後、12mmの落下衝撃を15回与えてモルタルセメントの広がり直径を測定した。これを初期フローとして評価した。更に、1時間放置後、ホバートミキサーで30秒間攪拌して同様の測定を行った。これを1時間後のフローとした。
なお、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末の場合には、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末50gとし、水量を340gとして試験した。
カチオンポリマー含有水性エマルジョンのセメント(C)に対する水(W)量、すなわちW/Cは65%、カチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末のセメントに対する水量(W/C)は68%とした。
JIS A 6203に準じてセメントモルタルの常態時接着強さ試験を行い、下記の基準で評価した。
供試体の作製:セメントモルタル基板(70×70×20mm/JIS R 5201準拠)をJIS R 6252に規定の150番研磨紙を用いて研磨した。この基板上に型枠を用いて各テストセメントモルタルを40×40×10mmとなるように充填し、成型・養生して供試体を作製した。
養生条件:成型後、温度20±2℃、相対湿度90%以上で48時間経過した後、脱型してから温度20±2℃の水中で5日間養生し、さらに温度20±2℃、相対湿度60±10%で21日間養生した。
なお、湿潤時接着強さの測定は、前記記載の養生を経た供試体を室温水に24時間浸漬後、ただちに取り出し、湿潤状態のままに接着強さを測定した。
測定は万能測定機(島津製作所株式会社製)にて行った。
(評価基準)
◎・・・ 接着強度1.5 N/mm2以上
○・・・ 接着強度1.0 N/mm2以上、1.5 N/mm2未満
△・・・ 接着強度0.8 N/mm2以上、1.0 N/mm2未満
×・・・ 接着強度0.8 N/mm2未満
Claims (12)
- 側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂[I]により、合成樹脂が分散安定化されてなる水性合成樹脂エマルジョン、及び、分子量3,000〜500,000の水溶性カチオンポリマーを含有してなることを特徴とするカチオンポリマー含有水性エマルジョン。
- 水性合成樹脂エマルジョンが、側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂[I]を保護コロイド剤として用い、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と下記(ア)〜(カ)からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分として乳化重合してなることを特徴とする請求項1記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン。
(ア)グリシジル基含有モノマー。
(イ)アリル基含有モノマー。
(ウ)加水分解性シリル基含有モノマー。
(エ)アセトアセチル基含有モノマー。
(オ)分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー。
(カ)ヒドロキシル基含有モノマー。 - 官能基含有モノマー(B)の使用量が、全モノマー成分の0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項2記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン。
- ポリビニルアルコール系樹脂[I]の使用量が、全モノマー成分100重量部に対して、3〜20重量部であることを特徴とする請求項2または3記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン。
- 分子量3,000〜500,000の水溶性カチオンポリマーが、3級カチオンを有する基及び4級カチオンを有する基の少なくとも一つを含む水溶性カチオンポリマーであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョンを乾燥してなることを特徴とするカチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末。
- 側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂[I]により、合成樹脂が分散安定化されてなる水性合成樹脂エマルジョンを乾燥してなる水性合成樹脂エマルジョン粉末、及び、分子量3,000〜2,000,000の水溶性カチオンポリマーを含有してなることを特徴とするカチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末。
- 水性合成樹脂エマルジョン粉末が、側鎖に1,2−ジオール結合を有するポリビニルアルコール系樹脂[I]を保護コロイド剤として用い、アクリル系モノマー及びスチレン系モノマーの少なくとも1種のモノマー(A)と下記(ア)〜(カ)からなる群から選ばれた少なくとも1種の官能基含有モノマー(B)とを共重合成分として乳化重合してなる水性合成樹脂エマルジョンを乾燥してなることを特徴とする請求項7記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末。
(ア)グリシジル基含有モノマー。
(イ)アリル基含有モノマー。
(ウ)加水分解性シリル基含有モノマー。
(エ)アセトアセチル基含有モノマー。
(オ)分子構造中にビニル基を2個以上有するモノマー。
(カ)ヒドロキシル基含有モノマー。 - 官能基含有モノマー(B)の使用量が、全モノマー成分の0.01〜10重量%であることを特徴とする請求項8記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末。
- ポリビニルアルコール系樹脂[I]の使用量が、全モノマー成分100重量部に対して、3〜20重量部であることを特徴とする請求項8または9記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末。
- 分子量3,000〜2,000,000の水溶性カチオンポリマーが、3級カチオンを有する基及び4級カチオンを有する基の少なくとも一つを含む水溶性カチオンポリマーであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか一項に記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン、または請求項6〜11のいずれか一項に記載のカチオンポリマー含有水性エマルジョン粉末を含有してなることを特徴とするセメントモルタル混和剤。
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