ここで開示している超音波切開および凝血システムの好ましい実施形態について、図面に基づいて詳しく説明するが、同様な参照番号は、幾つかの図の中で示す同一あるいは相当する要素を表している。
図1から図5は、ここで開示されている、図1では、全体が10で表されている超音波組織切開器の1つの実施形態を表している。簡単に説明すると、超音波組織切開器10は、可動ハンドル部材14と固定グリップ部材16とを含むハンドル組立体12を有する。ハウジング部分18は、かん子部材16と一体構造になっている。ハウジング部18分と固定グリップ部材16は、2つの成型部分から単一体として構成されているのが好ましい。ほぼ筒状の細長い本体部分20は、ハンドル組立体12から延びており、その遠位端部22には、開口部を有する。
図2から図3によると、変換器24は、ハウジング部分18内で支持部材23によって支持されており、電源ケーブルを介して超音波発生器25(線図で示してある)に接続できるように構成されている。振動カップラまたはホーン28が変換器24と係合して取り付けられており、細長い本体部分20の中を通って延びている。振動カップラ28は、その遠位端部が切断面32を有する刃部材30にしっかりと接続されている先細型の部分28aを有する。刃部材30は、細長い本体部分20の開口した遠位端部22から延びている。あるいは、刃部材30と振動カップラ28は、一体構造をなしていてもよい。刃部材30は、カップラ28(および細長い本体部分20)の長手方向軸線から離れる方向に角度をなしている真っ直ぐな切断面32を有しており、切断面32は、細長い本体部分20の横方向の軸線Yと鈍角をなしている。また、横方向の軸線Yは、振動カップラ28の横方向の軸線Rと平行である。図示した実施形態で示しているように、切断面32は、細長い本体部分20の中心を通る長手方向軸線から、そしてかん子と作動ロッド34から下方向外向きに離れる方向に角度をなしている。切断面32は、さらに、細長い本体部分20の長手方向軸線に対して固定した鋭角θを形成し、この角度は、好ましくは、約15度から約70度までの間である。切断面32に隣接する刃30の基礎部分33は、手術中の患部の組織や器官に誤って損傷を与えないよう、円滑な表面を形成する湾曲部分を有している。基礎部分33は、内視鏡処置中にカニューラの中を通りやすくするため、細長い本体部分20の外側表面より下に出ていてはならない。基礎部分33は、振動カプラ28の最も外側の直径と並ぶ位置まで外側方向に向って延びているのが好ましい。
図3Aは、刃の断面図で、ほぼ平面の切断面を有する刃を表している。図3Bは、刃のもう1つの実施形態を表したものであり、刃30aは、上部の断面が三角形になっている。刃30aの上面の壁30bは、切断面32aを形成する直線状の縁部に向って集束している。あるいは、一連の直線状の縁部が切断面を形成していてもよい。
図2および図3によると、超音波発生器25は、超可聴周波数を有する電気エネルギーを変換器24に送り、周知の方法で変換器24に振動を起こさせる。変換器24は、電気力学式、圧電式、磁わい式などのような各種電気機械型のうちの1つでよく、振動カップラ28と終端間で接続され、振動カップラの振動を引き起こし、それに相応じて角度のついた刃部材30の振動も引き起こす。
作動ロッド34は、ハウジング部18内に可動式に支持されている近位の端部を有している。作動ロッド34は、細長い本体部分20を通して延びており、その遠位の端部は、細長い本体部分20の遠位端部に隣接して位置する。作動ロッド34と振動カップラ28は、作動ロッドが直線状動作ができるような従来の支持構造でもよいが、支持スペーサ36によって本体20の中に支持されているのが好ましい。支持スペーサ36は、振動カップラ28と振動カップラ28上の節に隣接する作動ロッド34のそれぞれの端部に取り付けられている。振動カップラ28上の他の節に隣接して追加のスペーサ36を取り付けてもよい。固定面40を有するかん子38は、ピボットピン42によって作動ロッド34の遠位端部に連結されている。また、かん子38は、ピボットピン44によって細長い本体部分20の遠位の端部に旋回式に連結され、刃30に隣接して位置しており、作動ロッド34が直線状に前進した時に、固定面40が切断面32と並列に並ぶように構成されている。固定面40と切断面32の角度により、締め付けられると、組織は近位の方向に切断面32に向って引っ張られる。
作動ロッド34の近位の端部は、ハウジング部18内に位置するスライド式カップリング46の中に摩擦受容されている。カップリング46は、ハウジング部18の壁48によって直線状の動きを制限されている。可動ハンドル14はピン52によってカップリング46の一端に旋回式に連結され、ピン54によって可動ハンドル14の反対側端部に旋回式に連結されているリンク50によってカップリング46に作動的に連結されている。可動ハンドル14は、ピボットピン56によってハウジング部18に旋回式に連結されている。ハウジング内には、偏向部材58が取り付けられており、可動ハンドル14を遠位の方向に(反時計回りに)偏向し、それによって、カップリング46をハウジング部18の中の近位に維持し、作動ロッド34を引込んだ位置に維持する。作動ロッド34が引込んだ位置にあるときは、かん子38は、開放位置にくる(図3参照)。また、かん子38を固定(閉じた)位置に偏向させることもできる。
超音波組織切開器10は、ハンドル組立体12の回りを握って、切断面32を切断や凝血する組織62に隣接して位置させて使用する(図3A参照)。ここで示した実施形態の可動ハンドル14は偏向部材58によって開放位置に偏向されるので、超音波組織切開器10は、可動ハンドル14の操作なしに、開いた状態に位置させることができる。
図4および図5について説明するが、超音波組織切開器10を身体の組織62の近くに適当に位置につけてから、可動ハンドル14を図4の矢印Aで示すように時計回りに旋回させ、スライド式のカップリング46を、リンク50を介して遠位の方向に前進させる。カップリング46の動きにより、作動ロッド34が、図5の矢印Bで表した遠位の方向に進み、かん子38をピボットピン44の回りを時計回りに旋回させ、切断面32と固定面40との間の組織62をはさむ(図5Aを参照)。ここで超音波発生器に通電し、かん子38に対して刃30を直線状に振動させて、組織62の切断や凝血を行なう。
図6から9は、図6の中で全体を100で表した、現在開示している超音波組織切開器のもう1つの実施例を表している。図6および7を参照すると、超音波組織切開器100は、可動ハンドル114と、固定グリップ部材116を含むハンドル組立体112を含む。好ましくは、ハウジング部118と固定グリップ部材16は、二つの成型部分から単一体として構成されている。ほぼ筒状の細長い本体部分120は、ハンドル組立体112から延びており、遠位の端部112は開口している。
図6および7で示すように、変換器124は、ハウジング118の中の支持部材123上に支持されており、電源ケーブル126を介して超音波発生器(図示せず)に接続できるように適合してある。振動カップラ128は、変換器124と係合して取り付けられており、細長い本体部分120の中を通って延びている。振動カップラ128は、先細型の部分128aを有しており、その遠位の端部は、切断面132を有する刃部材130に固定して連結してある。刃部材130は、細長い本体部分120の開口した遠位端部122から延びている。また、刃部材130と振動カップラ128は、一体構造でもよい。刃部材130は、カップラ128の長手方向軸線から離れる方向に角度をなした、ほぼ真っ直ぐな切断面132を有しており、同時に、その切断面132は、細長い本体部分120の横方向の軸線Yに対して鈍角を形成している。また、横方向の軸線Yは、振動カップラ28の横方向の軸線Rに平行である。ここで示す実施形態からわかるように、切断面132は、細長い本体部分120の中心を通る長手方向軸線から下方向外向きに、そして作動ロッド134から離れる方向に角度をなしている。切断面132は、細長い本体部分120の長手方向軸線に対し、好ましくは、約15度から70度の間の固定した鋭角θを形成している。切断面132に隣接する刃130の基礎部133は、手術中の患部の組織や器官に誤って損傷を与えないように円滑な表面を形成する湾曲部分を有している。基礎部分133は、内視鏡処置の間にカニューラを通しやすいように、細長い本体部分120の外側表面より下に出て延びてはならない。基礎部分133は、外側に向って振動カップラ128の最も外側の直径と並ぶ位置まで延びているのが好ましい。
図7Aは、ほぼ平面の切断面132を有する刃の断面図を表したものである。図7Bは、刃130aの上部が三角形の断面を有する、もう1つの実施形態を表している。刃130aの上面の壁130bは、切断面132aを形成する直線状の縁部に向って集束している。代わりに、一連の直線状の縁部が切断面を形成するようにしてもよい。
図7Cは、刃のもう1つの実施形態を表した側断面図である。刃130bは、振動カップラ128b(と本体120b)の長手方向軸線に平行な第1の面131bを有している。真っ直ぐな切断面132bは、カップラ128b(と細長い本体部分120b)の長手方向軸線から離れる方向に角度をなしており、切断面132bが細長い本体部分120の横方向の軸線Yと鈍角を形成している。刃130bは、その遠位の端部に向って厚みがだんだん薄くなっている。図では、直線的に移動可能なかん子138bと共に示しているが、代わりに旋回式のかん子と共に使用してもよい。
図6と図7を見てみると、作動ロッド134は、ハウジング118内に移動可能に支持されている近位の端部を有している。作動ロッド134は、細長い本体部分120を通って延びており、その遠位の端部は、細長い本体部分120の遠位の端部に隣接して位置している。作動ロッド134と振動カップラ128は、作動ロッドを直線的に動かす、どのような従来の支持構造を使用してもよいが、支持スペーサ136によって本体120内に支持されているのが好ましい。支持スペーサ136は、振動カップラ128上の節に隣接する、振動カップラ128と作動ロッド134の各端部に位置している。追加のスペーサを他の節に隣接させて取り付けてもよい。かん子138は、作動ロッド134の遠位の端部に接続されており、その表面140は、刃部材130の切刃132に平行に面している。かん子138は、刃部材130に対し、開放位置から固定位置まで移動して切刃132と固定面140との間で組織を捕らえることができる。固定位置では、切刃132と固定面140は、並んで位置する。代わりに、かん子138は、作動ロッド134と一体構造でもよく、組織をつかみやすくするため、あるいは、凝血作用を高めるために、ぎざぎざやうね模様をつけてもよいが、円滑な素材でできていてもよい。固定面140と切断面132との角度により、組織は、つかんだときに切断面132に向って近位の方向に引っ張られる。
作動ロッド134の近位の端部は、ハウジング部118内に位置するスライド式のカップリング146の中に摩擦受容されている。カップリング146は、ハウジング部118の壁148によって直線状の動きに制限されている。可動ハンドル114は、一端がピン152によってカプリング146に旋回式に連結され、また、もう一端がピン154によって可動ハンドル114に旋回式に連結されたリンク150によってスライド式のカップリング146に作動的に連結されている。可動ハンドル114は、ピボットピン156によってハウジング部118に旋回式に連結されている。偏向部材158がハウジング部118内に取り付けられており、可動ハンドル114を遠位の方向に偏向し、それによって、カップリング146をハウジング部118内の遠位の方向に維持し、また、作動ロッド134を遠位に維持する。作動ロッド134が遠位に位置している時は、固定面140は、切断面132から離れて位置しており、超音波組織切開器100の開放位置を形成する。また、かん子部材を開放位置に偏向させることもできる。
超音波組織切開器100は、ハンドル組立体112の回りを握り、切断面132を切断や凝血を行なう身体の組織162に隣接する位置まで移動(図7および7A参照)して使用する。ここで示す実施形態の可動ハンドルは、偏向部材158によって開放位置に偏向させられているため、かん子は遠位に位置しており、可動ハンドル14を操作せずに、超音波組織切断器械100を組織の近くに位置させることができる。
図8および図9を参照すると、超音波組織切開器100を身体の組織162の近くに適切に位置せしめたら、可動ハンドル114を図8の矢印Cで示したような時計回りに旋回させて、リンク150を介してスライド式のカップリング146を近位の方向に向ってハウジング部118の中に移動させる。カップリング146の動きにより、作動ロッド134が図9の矢印Dで示すように近位の方向に移動し、固定面140を切断面132と整合する位置まで移動させ、その間の組織162をつかむ。ここで超音波発生器に通電し、刃130をかん子138に対して直線状に振動させ、組織162の切断や凝血を行なう。
図10は、超音波組織切開器を内視鏡で使用している様子を表している。図で示すように、超音波組織切開器10(あるいは、切開器100)をカニューラ198を介して身体の組織170を通し、管腔172内に挿入して組織に接近させる。
図11は、超音波器械を図中全体が200で表されている超音波切断および凝血システムとともに使用するもう1つの実施形態を表している。簡単に説明すると、切断および凝血システム200は、超音波器械212、制御モジュール214、および遠隔作動器216を含む。制御モジュール214は、導電性ケーブル218によって超音波器械212に機能的に接続されており、超音波器械212に供給された電流の電力と周波数を制御する機能を有する。電力を超音波器械212に配電することができる適当なコントローラであれば、どのようなものを使用してもよい。制御モジュール214は、この発明の一部をなすものではなく、これに関しては、今後開示することはない。遠隔作動器216、例えば、ペダル作動器などは、導電性ケーブル220によって制御モジュール214に機能的に接続されており、作動させることによって、制御モジュール214を介して超音波器械212への電力の供給を始め、超音波器械212を振動させ、組織を切り、凝血させることができる。
図12に示すように、超音波器械212は、ハウジング222と、そこから遠位の方向に延びる細長い本体部分224を有する。ハウジング222は、好ましくは、成型されたハウジング半部分222aおよび222bとから形成されており、長手方向軸線が本体224の長手方向軸線と整合しているバレル部分226と、前記バレル部分226から斜めに延びる固定ハンドル部分228を含む。超音波変換器230は、ハウジング222の中に支持され、その近位端部から延びており、ケーブル218を介して制御モジュール214に接続されている。クリップ組立体232が細長い本体部分224の遠位の端部に隣接して配設されており、可動ハンドルを固定ハンドル部分228に対して動かすことにより起動する。可動ハンドル236と固定ハンドル部分228は、超音波器械212を握って起動しやすいようにそれぞれ開口部238と240を有している。細長い本体部分224は、回転可能なノブ234の中に支持されており、回転可能なノブ234によってハウジング222に対して選択的に回転させて、クリップ組立体232の方向を変えてもよい。
図13と図14は、細長い本体部分224の部品を分解した様子を示したものである。細長い本体部分224は、好ましくは円筒形であり、次に説明するように、回転可能なノブ234(図12)を係合する寸法の管状フランジ244を近位に有する外管242を含む。長手の作動器チューブ246もまた、円筒形であることが好ましく、外管242の中にスライド式に受容されるような形状を有し、ハウジング222(図12)の中に支持され、この後説明するカップリング部材298(図15)を係合する寸法の環状フランジ248を近位に含む。振動カップラ250は、長手の作動器チューブ246を通って延びる寸法を有し、超音波変換器230に作動的に係合するような形状の、直径が小さくなった部分254を有する近位端部252と、切断ジョー258に作動的に連結されるようになっている近位端部256を有する。複数のシリコンリング251は、成型するか、あるいは、振動カップラ250に沿った節点に取り付けて、例えば、振動カップラ250と作動器チューブ246の間からの流入ガスなどのような流体の流れを密閉することもできる。切断ジョー258は、振動カップラ250のねじ山の付いた遠位の端部256に受容される寸法の延長部を近位に含んでいるのが好ましい。あるいは、切断ジョー258は、振動カップラ250と一体構造になっているか、あるいは、その他の取付け装置を使用してもよい。
かん子本体262と、かん子本体に着脱式に固定された組織接触部材264を有するかん子260は、作動器チューブ246の遠位の端部に機能的に連結されている。組織接触部材264は、テフロン(登録商標)からなるのが好ましく、また、他の固定組立体を考えてもよいが、溝型固定組立体(参照番号はそれぞれ261と265)によってかん子本体262に着脱式に固定されているのが好ましい。組織接触部材264は、好ましくは金属製のかん子を、やはり好ましくは金属製のクリップ258から隔離し、金属同士の接触を避ける機能を有する。また、組織接触部材264は、かん子260と切断ジョー258の刃の表面259との間に位置する組織をつかみ、振動中に組織が切断ジョー258と共に動かないように固定する。かん子本体262の近位端部に位置する旋回部材(ピン)266は、外管242の遠位端部に形成された開口部268の中に受容されるような形状を有する。作動器チューブ246の遠位端部に形成された案内溝穴270により、ピン266が案内溝穴270内で移動できるようにすることによって、作動器チューブ246とかん子本体262が相対的に動くように構成されている。また、一対のカム部材272が、かん子本体262上に形成されており、作動器チューブ246の遠位端部に形成されたカム溝274内に受容されるよう位置している。作動器チューブ246とかん子260の動きは、この後詳しく説明する。
切断ジョー258は、遠位端部に向って下方向に角度をなし、細長い本体部分224の長手方向軸線と振動の軸線に対して約10度から20度の固定鋭角θを形成している刃の表面259を有する。角度の付いた刃の表面259は、手術中に患部の視界を妨げない。角度θは、約12度であるのが好ましい。また、20度から30度までのより大きい角度を使用できるようにすることも考えられる。
かん子260は、組織接触部材264が刃の表面259から離れている開放位置(図17および18)から、組織接触部材264が刃の表面259と近接して並んで整合している固定位置(図12および13)まで移動することができる。固定位置では、組織接触部材264の、刃の表面259に対する位置に注目すること。かん子260を開放位置から固定位置まで起動する方法についてはこの後詳しく説明する。
図15と図16を参照しながら、ハンドル組立体と回転組立体について説明する。ハウジング半部分222aおよび222bは、超音波変換器230の一部を受容する形状を有する小室276を形成している。小室276は、ハウジング222の内側と通じている開口部278を有する。超音波変換器230は、振動カップラ250の近位端部254を受容するような形状を有する孔280を含む。組立てた状態では、近位端部254は、開口部278を通って孔280の中まで延びている。可動ハンドル236は、ハウジング半部分222aと222bとの間の、可動ハンドル236の脚286に形成された穴284を通って延びるピボットピン282の回りに旋回式に連結されている。それぞれの脚286に形成されたカム溝288は、カップリング部材298から外側に向って突出した突起部290を受容する形状を有している。
図16に示すように、カップリング部材298は、可動ハンドル236を作動器チューブ246に機能的に接続しており、好ましくは成型された半部分298aおよび298bから形成され、振動カップラ250の近位端部をスライド式に受容するような寸法の通し孔300を形成している。カップリング部材298は、作動器チューブ246の環状フランジ248を受容する寸法を有する、内側の遠位に位置する環状溝302と、外側の近位に位置する環状溝304を有している。溝304は、スイベル部材308の内壁上に形成された環状リブ306を受容するように位置している(図15)。スイベル部材308は、好ましくは、成型二分割形の両側部分308aと308bとから形成され、カップリング部材298が可動ハンドル236に対して回転できるように構成されている。突起部290がスイベル部材308の側壁から外側方向に突出し、可動ハンドル236のカム溝288を通って延びている。
ここで再び図15と16を参照すると、回転ノブ234は、好ましくは、成型された半部分234aおよび234bから形成され、カップリング部材298をスライド式に支持するための近位の空洞310と、外管242を受容する寸法の遠位の孔312を含んでいる。孔312に形成された環状溝314は、外管242の環状フランジ244を受容するように位置している。ノブ234の外壁は、ハウジング222の開口部320の中に形成された環状溝318の中に回転可能に受容されるような寸法を有する環状リング316を近位に有し、また、回転可能なノブ234を握りやすくするための扇形切り欠き322を有している。環状リング316により、ノブ234は、ハウジング222に対して回転はできるが、軸線方向には動かない。一対の円筒形のロッド324が、ノブの半部分234aと234bとの間を、カップリング部材298に形成された長方形の開口部を通って延びている。ロッド324は、ノブ234の回転により振動カップラ250が回転し、それにより、刃258とかん子260が回転するように、振動カップラ250の回りに固定された取付け具330に形成された一対の凹型のくぼみ328に係合している。あるいは、くぼみ328は、振動カップラと単一体として形成されていてもよい。
図17から図21は、かん子260が開いた状態にある超音波器械212を表している。かん子260と刃258を含む細長い本体部分224と、ハンドル228および236を含むハウジング222は、使用の前に使用者が組立てる必要がないように、一体構造の装置として組立てられている。すなわち、振動カップラ250、かん子260、および刃258は、取り外しができないように連結されている。つまり、使用者は、変換器230をハウジング222に取付けさえすれば、器械212を使用できる状態に準備できるのである。開放位置では、可動ハンドル236は、固定ハンドル部228から後方向に離れており、突起部290がカム溝288の下側の近位に位置している。超音波器械212の遠位の端部では、旋回部材266が案内溝270の遠位の端部近くに位置しており、カム部材272は、カム溝274の上側の遠位に位置している。かん子260の組織接触部材264は、刃の表面259から間隔をおいて位置しており、組織受容領域332を形成している。組織受容領域332の近位の端部は、好ましくはかん子本体262と一体構造を有する、刃の表面259の下に延びる一対の組織受容ストッパ335によって限定される。刃58の遠位端部は、器械212の使用中に誤って組織を損傷しないように、丸みをつけてあるのが好ましい。また、組織接触面264には、その中に組織を受容するための凹みを形成してあるのが好ましい。あるいは、刃258の遠位端部は、特定の外科的処置の目的に適した形状、すなわち、平坦、先細などを有していてもよい。さらに、組織接触面264は、必ずしも凹みを有している必要はなく、平坦でも、あるいは角度がついていてもよい。
図22から図24を参照すると、可動ハンドル236が旋回部材282の回りを、図22の矢印Aで示す方向に、時計回りに、固定ハンドル部228に向って旋回すると、カム溝288がスイベル部材308の突起部290に係合し、カップリング部材298を回転ノブ234の空洞310の中に、遠位の方向に向って前進させる。作動器チューブ246は、環状フランジ248によってカップリング部材298に取り付けられているため、作動器チューブ246も遠位の方向に向って、図23で示す矢印Bの方向に前進する。作動器チューブ246が遠位の方向に動くことによって、カム溝274も移動してカム部材272と係合し、かん子本体262を、図23の矢印Cで示した方向に旋回部材266の回りを旋回せしめ、クランプ部材262と組織接触部材264を固定位置に移動させる。固定位置では、突起部290は、カム溝288の中央部に位置しており、旋回部材266は、案内溝孔270の近位の端部近くに位置しており、カム部材272は、カム溝274の近位の下側部分に位置している。
回転ノブ234を回転させることによって、細長い本体部分224をハウジング222に対して自由に回転させることができる。図25に示すように、ノブ234を矢印Dで示す方向に回転させることにより、クリップ組立体232が矢印Eで示す方向に回転する。ノブ234は、可動ハンドル236と回転ノブ234の両方を片手で操作しやすいように、ハウジング222に隣接して位置している。
ここで、もう一度図11を参照する。細長い本体部分224は、トロカール組立体340を通って延びる寸法を有し、好ましくは、5mmのトロカールを通って延びる寸法を有している。使用中は、細長い本体部分224は、クリップ組立体232を固定位置あるいは閉じた状態でトロカール組立体340を通って切断や凝血を行なう組織(図示せず)に隣接した位置までスライドする。光学装置(図示せず)を手術中の患部に隣接して位置せしめ、処置が見やすいようにすることもできる。クリップ組立体232を開き、切開および凝血をする組織を、組織受容領域332(図19も参照のこと)内に位置させる。組織受容ストッパ335によって、組織が、刃の表面259の近位の端部を超えて移動しないように止める。次に、クリップ組立体232を閉じて、組織を組織接触部材264と刃の表面259との間にはさむ。制御モジュール214を介して超音波器械212に電力を通し、刃258の振動を開始し、組織の切開および凝血を行なう。刃の表面259に角度がついているため、刃の表面259によって切断中の組織にかかる接触圧は、器械212にかかる力が増すに従って強くなる。使用後は、器械212は、高圧蒸気滅菌器にかけて再び使用することができる。
図26は、全体を412で表している超音波器械のもう1つの実施形態を示したものである。超音波器械412は、ハウジング422と、ハウジング422から遠位の方向に延びる細長い本体部分424を含む。ハウジング422は、二分割形成型ハウジングの両側部分422と422bから形成されているのが好ましく、本体424の長手方向軸線と整合する長手方向の軸線を有するバレル部分426と、バレル部分426から斜めに延びる固定ハンドル部428を含む。超音波変換器430は、ハウジング422の中に支持され、その近位端部から延びており、取付け装置に係合するような形状を有する近位の縦溝部431を含み、器械412から変換器430を取り付けたり取り外したりしやすいように構成されている。クリップ組立体432が細長い本体部分424の遠位端部に隣接して配設されており、可動ハンドル436を固定ハンドル部428に対して動かすことによって起動する。可動ハンドル436と固定ハンドル部428は、それぞれ、超音波器械412を掴んで起動しやすいように、開口部438と440を有している。細長い本体部分424は、回転可能なノブ434の中に支持されており、回転ノブ434をハウジング422に対して回転させることによって選択的に回転させ、クリップ組立体432の方向を変えることができる。
図27は、細長い本体部分424の部品を分解した状態を表したものである。細長い本体部分424は、好ましくは円筒形で、回転可能なノブ434に係合する寸法の環状フランジ444を近位に有する外管442を含む(図26)。細長い作動器チューブ446は、やはり円筒形であるのが好ましく、外管442の中にスライド式に受容されるような形状を有しており、ハウジング422(図26)の中に支持されているカップリング部材498(図29)に係合する寸法の環状フランジ448を近位に有する。図示はされていないが、フランジ444に隣接する作動器チューブ46の一部と外管442の一部を外側に向って広げて、振動カップラ450に対して隙間を広げることも考えられる。振動カップラ450は、細長い作動器チューブ446の中を通って延びる寸法を有し、超音波変換器430を作動的に係合するような形状の孔(図示せず)を有する、広がった近位端部452を含む。作動器チューブ446の遠位端部には、遠位に開口部455を有する一対の弾性アーム453が設けられている。開口部455は、アダプタ457上に形成された突起部461を受容する寸法になっている。アーム453は、外向きの動きには柔軟であり、アダプタ457と係合する。切断ジョー458は、振動カップラ450と単一体として形成されている。あるいは、切断ジョー458と振動カップラ450は、別々に形成され、周知のコネクタ、例えば、ねじや、摩擦係合などにより、互いに固定されるようにしてもよい。図示されてはいないが、複数の密閉リングを成型するか、あるいは、振動カップラ450に沿った節点に取り付けて、振動カップラ450と作動器チューブ446との間を密閉してもよい。
図28Aから図28Cを参照すると、かん子460がアダプタ457に作動的に連結されている。かん子460は、切断ジョー458が間に入るように互いに間隔を空けた、長手方向に延びる一対の歯の列462を有しているのが好ましい。歯462は、クリップ組立体432が閉じた状態にあるときに組織をつかんで、切断ジョーが振動している間に、組織が切断ジョー458に対して動かないようにする機能を有する。
旋回部材またはピン466がかん子460の近位端部に形成されており、外管442の遠位端部に形成された片側が開いている溝468の中に受容されるような形状を有している。溝468は、かん子460をその中に保持できるように、片側が開いている。アダプタ457に形成された長手方向に延びる案内溝孔470はピボットピン466をスライド式に受容する寸法になっており、アダプタ457とかん子460とが相対的に動くことができるように構成されている。一対のカム部材472が、かん子462上に形成されており、アダプタ457の中に形成されたカム溝474に受容されるように位置している。
切断ジョー458は、平坦で、その遠位端部に向って下方向に角度がついている刃の表面459を含んでおり、細長い本体部分424の長手方向軸線と、振動の軸線に対して約10度から20度の固定鋭角θを形成している。刃の表面に角度が付いていると、手術中に患部が見やすい。角θは、約12度が好ましいが、20度から30度までの、より大きい角度を考えてもよい。あるいは、刃の表面459は、平坦でなく、尖っていても、丸みをおびていてもよい。
かん子460は、切断ジョー458に相対的に、かん子の組織接触面464が刃の表面459から離れている開放位置(図28C)から、組織接触面464が刃の表面459と近接して並ぶ、閉じた、あるいは固定位置(図35)まで動くことができる。固定位置では、刃の表面459に対する組織接触面464の位置に注目する必要がある。かん子460を開いた状態から固定位置まで起動させる方法についてはこの後詳しく述べる。
図29と図30を参照すると、ハウジング半部分422aおよび422bは、超音波変換器430の一部を収容するように構成された小室476を形成している。小室476は、ハウジング422の内部に通じる開口部478を有している。超音波変換器430は、振動カップラ450の近位端部454の開口部の中に受容されるような形状の円筒形ステム480を含む。組立てた状態では、近位端部454は、開口部478を通って筒状ステム480と係合する。可動ハンドル436は、ハウジング半部分422aとハウジング半部分422bとの間に、ハウジング半部分422aの中に一体構造で形成されたピボットピン部材482の回りを旋回するように連結されている。それぞれの脚486に形成されたカム溝488は、カップリング部材498から外側に向って突出している突起部を受容するような形状を有している。
カップリング部材498は、可動ハンドル436を作動器チューブ446に機能的に連結しており、好ましくは、成型された半部分498aおよび498bから形成され、振動カップラ450の近位端部をスライド式に受容できる寸法の通し孔500を形成している。カップリング部材498は、作動器チューブ446の環状フランジ448を受容できる寸法の環状溝502を内側の遠位に有しており、スイベル部材508の内壁上に形成された環状突出部506を受容できるように位置した環状溝504を外側の近位に有している。スイベル部材508の突出部506は、溝504を通って移動可能であり、カップリング部材498とスイベル部材508を長手方向に相対的に移動させることができる。ばね463が、カップリング部材498とスイベル部材508との間に位置しており、スイベル部材508をカップリング部材498に対して近位の方向に偏向させる。スイベル部材508は、好ましくは成型された半部分508aおよび508bから形成されており、カップリング部材498が可動ハンドル436に対して回転できるように構成されている。突起部490がスイベル部材508の側壁から外向きに突出し、可動ハンドル436のカム溝488を通って延びている。
回転ノブ434は、好ましくは、成型された半部分434aおよび434bから形成されており、カップリング部材498をスライド式に支持するための近位の空洞510と、外管442を受容できる寸法を有する遠位の孔512を含む。孔512の中に形成された環状溝514が、外管442の環状フランジ444を受容できるように位置している。ノブ434の外壁は、ハウジング422の中に形成された環状溝518の中に回転式に受容できるような寸法の環状リング516を近位に有し、さらに回転可能なノブ434をつかみやすいように扇形切り欠きを有している。環状リング516により、ノブ434はハウジング422に対して回転するが、軸線方向には動かない。一対のロッドまたはピン524が、カップリング部材498に形成された長方形の開口部526を通って半部分434aと半部分434bの間に延びている。ロッド524は、振動カップラ450上に形成された、一対の平坦な表面528を係合し、ノブ434の回転により、振動カップラ450の回転を引き起こし、それによって、刃458とかん子460の回転を引き起こすようになっている。代わりに、さらに接触面を増やすため、ピン524の代わりに、図31Aに全体が580で表されているC−クリップを設けている。ピン586で取り付けられているC−クリップ580は、振動カップラ450を受容するための開口部582を有している。振動カップラ450の平坦面がC−クリップ580の四つの平坦な領域590と接触する。
止め輪(図示せず)をハウジング422(図32)のリブ492上に取付け、作動器チューブ446の支持をさらに強めてもよい。この実施形態では、チューブ446は、リブ492を通り越して近位の方向に延びている。
図31から図34では、超音波器械412の、かん子460が開いた状態にあるところを表している。細長い本体部分424は、かん子460と刃458を有しており、ハンドル428と436を含むハウジング422は、使用者が使用する前に組立てる必要がないように、一体構造として組立てられている。すなわち、振動カップラ450、かん子460、および刃458が取り外し不可能に連結されている。開放位置では、可動ハンドル436は、固定ハンドル部428から後方向に間隔をおいて離れており、突起部490は、カム溝488の下側の近位に位置している。超音波器械412の遠位の端部では、ピボット部材46が案内溝孔470の遠位端部の近くに位置しており、カム部材472がカム溝474の上側の遠位に位置している。かん子460の組織接触面464は、刃の表面459から間隔をおいて離れており、組織受容領域542を形成している。組織受容領域532の近位の端部は、好ましくはかん子460と一体構造であり、刃の表面459の下に延びている一対の組織受容ストッパ535によって形成されている。刃458の遠位の端部には、器械412を使用している間に誤って組織を損傷する可能性のある、鋭利な縁部が全くないのが好ましい。あるいは、刃458の遠位の端部は、特定の手術目的に合った形状、例えば、平坦、先細などに形成されていてもよい。
図35および図36を参照すると、可動ハンドル436を、ピボット部材482の回りを時計回りに固定ハンドル部428に向って図35の矢印Gの方向に旋回させると、カム溝488は、スイベル部材508の突出部490に係合し、カップリング部材498を回転ノブ434の空洞510の中で遠位の方向に前進させる。作動器チューブ446が環状フランジ448によってカップリング部材498に取り付けられているため、作動器チューブ446も、図36の矢印Hによって示されている遠位の方向に前進する。作動器チューブ446が遠位の方向に移動することにより、カム溝474は、カム部材472と係合し、それにより、かん子本体462は、ピボット部材466の回りを、図36の矢印Iの方向に旋回し、かん子部材462と組織接触部材464を固定位置に移動する。ばね463により、刃458に対して予め指定した固定圧力をかけてから、スイベル部材508とカップリング部材498が相対的に移動するようにすることによって、組織のつかみすぎを防ぐ。固定位置では、突出部490はカム溝488の中心部分に位置しており、ピボット部材466は、案内溝孔470の近位の端部の近くに位置しており、カム部材472は、カム溝474の下側の近位に位置している。
細長い本体部分424は、回転ノブ434を回転させることによって、ハウジング422に対し、自由に回転させることができる。ノブ434の矢印Jの方向への回転により、クリップ組立体432が、矢印Kで示した方向に回転する。ノブ434は、ハウジング422に隣接して位置しており、可動ハンドル436と回転ノブ434が片手で操作しやすくなっている。
図37では、超音波変換器のもう1つの実施形態を、全体を630として表している。超音波変換器630は、近位のハウジング部分632と遠位のハウジング部分634を有するハウジング631を含む。近位のハウジング部分632は、その近位の端部に隣接して扇形切り欠き部636を有しており、遠位のハウジング部分634は、変換器のホーン638を部分的に覆うために内側方向に延びる放射状の部分635を有する。変換器のホーン638は、遠位のハウジング部分634の放射状の部分635に隣接して位置する肩部637を有し、ワッシャ639を受容するためのくぼみ651を形成している。ワッシャ639は、放射状の部分635と変換器のホーン638との間の空間を密閉し、変換器のホーン638が遠位のハウジング部分634と長手方向に接触するのを防ぐ。変換器ホーン638の肩部637は、遠位のハウジング部分634の内壁と接触し、変換器のホーン638がハウジング631の中で長手方向に並んだ状態に維持するのを助ける。変換器ホーン638の遠位の端部は、振動カップラ650の直径が小さくなった部分に係合するような寸法の、ねじ山付き孔644を含む。一対のスペーサ640が変換器のホーン638と遠位のハウジング部分634との間に位置している。それぞれのスペーサ640は、近位と遠位のハウジング部分632および634の間を音波で溶接され、気密シールされた環状フランジ648を含む。それぞれのスペーサ640の近位の端部は、一対のO−リングのうちの1つのO−リングと係合し、そのO−リングを圧縮して遠位のハウジング部分634と変換器のホーン638との間を密閉し、変換器のホーン638を半径方向に支持する。さらに、スペーサとO−リングの組み合わせにより、変換器のホーン638を、ワッシャ639をくぼみ641の中で圧縮する位置に維持する。圧電結晶650が受け板652と、受け板652の開口部656を通って変換器のホーン638の近位端部に形成されたねじ山付きの孔658の中に挿入されたねじ(図示せず)によって変換器のホーン638の近位端部に接触して固定されている。結晶650からのワイヤ(図示せず)が近位のハウジング部分632の開口部661にねじ込み式に受容できるコネクタ659まで延びている。
図38Aと図38Bは、全体が670として示されているトルクレンチ組立体を表したものである。トルクレンチ組立体670は、外側ハウジング672と内側駆動部材674を有している。内側駆動部材674は、ハウジング631の扇形切り欠き部636とぴったり係合するような形状の、内側扇形切り欠き付き壁677を有する開口部675を有する。また、内側駆動部材674は、内側駆動部材674と外側ハウジング672との間に形成された円筒形のくぼみ678の中に延びる突起または隆起部676(図38D参照)を含む。カム部材682は、くぼみ678の中に位置し、ウレタンリングとワッシャ組立体682によって隆起部676と接触した状態を保つ。カム部材682は、外側ハウジング672の内側リブの問に適合する突起685を含む。カム部材682は、一連の傾斜した表面687と肩689を有する端面を有している(図38C)。使用中、開口部675がハウジング631の扇形切り欠き部636状をスライドし、トルクレンチ組立体670の外側ハウジング672を握って回転すると、カム部材も回転する。カム部材682上の傾斜面687は、それぞれの肩が隆起部676に係合するまで隆起部676上をスライドし、それによって、内側駆動部材674を回転させ、続いて変換器組立体630も回転させる。内側駆動部材674は、変換器組立体630を振動カップラ(図示せず)に対して回転させるのに必要なトルクが、肩689を隆起部676上に乗せるのに必要な力を超えるまで、カム部材682とともに回転する。
ここに示した実施形態には、様々な変更を加えることができるということが理解できよう。例えば、振動カップラ50と刃58は、単一体として形成され、ねじ以外のものを使って取り付けてもよく、また、超音波変換器630の近位の端部は、扇形切り欠き形状を有するものでなくてもよく、むしろ、なにか適当なトルクレンチ組立体と係合するように構成されていてもよい。さらに、装置の細長い本体部分は、必ずしも5mmのトロカール組立体を通って延びるような寸法である必要はなく、むしろ例えば、10mmや、12mmのトロカール組立体を通って延びるような寸法であってもよい。従って、上記の内容は、制約的なものではなく、単に好ましい実施形態の例として挙げたものである。当業者は、ここに添付の特許請求の範囲および精神から逸脱することなく、他の変更を行なうことができるものである。