JP2009034307A - 衣類乾燥装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低外気温度状態にある乾燥時に、蒸発器の温度を高め、乾燥時間を短縮する。
【解決手段】斜めドラム式洗濯乾燥機の熱源を、蒸発器21と凝縮器23を近接配置したヒートポンプ装置20とし、凝縮器23の凝縮能力を制御する制御装置33を設け、低外気温時には凝縮器23の能力を低下して蒸発器21に流れる冷媒温度を高くし、蒸発器21の温度を上げることによって蒸発器21の結露水による凍結を防止し、蒸発作用、凝縮作用を発揮させて乾燥時間の長期化を抑制する。
【選択図】図2
【解決手段】斜めドラム式洗濯乾燥機の熱源を、蒸発器21と凝縮器23を近接配置したヒートポンプ装置20とし、凝縮器23の凝縮能力を制御する制御装置33を設け、低外気温時には凝縮器23の能力を低下して蒸発器21に流れる冷媒温度を高くし、蒸発器21の温度を上げることによって蒸発器21の結露水による凍結を防止し、蒸発作用、凝縮作用を発揮させて乾燥時間の長期化を抑制する。
【選択図】図2
Description
本発明は、洗濯後の非乾燥状態にある衣類、寝具等の乾燥を行う乾燥装置に関するものである。
従来のこの種乾燥装置において、乾燥手段にヒートポンプ装置を具備した乾燥装置が知られている(特許文献1参照)。
従来例の構成およびその動作を図5に基づいて説明する。
図5は、ドラム式の衣類乾燥機を示すもので、筐体51内に水平軸52を中心軸として回転する回転ドラム53が配置してある。
回転ドラム53の前面に形成された衣類投入口54は筐体51の前面に開口しており、扉55で開閉されるようにしてある。
筐体51内には、回転ドラム53の内部に設定される乾燥室56を含む空気循環路57が構成してある。空気循環路57は、途中に乾燥室56、送風室58、熱交換室59などを有し、乾燥室56の空気がその背壁の回転ドラム側排気口60から送風室58に流れ、次いで熱交換室59を通って乾燥室56の前方に設けた給気口61から再度この乾燥室56に循環するようにしてある。
62はモータで、その回転はベルト63、64を介して回転ドラム53及びファン65に伝達される。
送風室58にはファン65が、熱交換室59の内部には上流側に蒸発器66、下流側に凝縮器67がそれぞれ配置してある。
これら蒸発器66、凝縮器67は圧縮機68、キャピラリチューブ等の膨張機構69でヒートポンプが構成されている。
以上のように構成された洗濯乾燥機について、以下その動作について説明する。
まず、乾燥室56からの高湿空気が蒸発器66で冷却されて除湿され、その後乾燥空気となって凝縮器67に至り、ここで加熱され高温低湿空気となる。
そしてこの高温低湿空気は、給気口61から乾燥室56に供給され、その中の衣類Aの乾燥に供される。
特開平7−178289号公報
しかしながら、上記従来の構成は、冬季のように外気温度(洗濯乾燥機の周辺温度)が比較的低い状態において、前記ヒートポンプを運転し、乾燥運転を開始した場合、蒸発器66の温度が低くなり過ぎ、短時間で循環空気に含まれる水分が蒸発器66に霜となって付着してしまい、その霜の成長に起因して蒸発器66が凍結してしまうことがある。
その結果、回転ドラム53内の衣類より蒸発した水分が蒸発器66に結露し難くなり、乾燥室56内の温度を低下させてしまうことがあった。
かかる状態は、乾燥効率が低下し、乾燥に長時間を要し、必要以上に電力を費やしてしまうという課題を有していた。
上記従来の課題を解決するために、本発明の衣類乾燥装置は、乾燥に供する循環空気の温度あるいは外気温度(洗濯乾燥機の周辺温度)が所定温度より低い、所謂低外気温時に、冷媒循環回路(ヒートポンプサイクル)に設けた凝縮器の凝縮能力を小さくし、凝縮器と蒸発器の圧力差を小さくするようにしたものである。
さらに、前記凝縮器の凝縮能力を小さくする状態を、運転開始から所定時間とすることにより、所定時間経過後は、凝縮器と蒸発器の圧力差を効率のよい状態に戻し、乾燥効率の向上をはかるようにしたものである。
かかることにより、乾燥運転開始時における蒸発器の蒸発温度を比較的高く維持することができ、その結果、蒸発器の凍結を抑制し、蒸発器へ水分が凍結することなく付着する条件を生成することができるものである。
本発明は、低外気温度時に蒸発器への凍結を防止することにより、回転ドラム内の衣類の温度低下が抑制でき、その結果、乾燥時間の短縮と消費電力量の削減がはかれるものである。
請求項1に記載の発明は、有底筒状の水槽を具備した本体と、前記水槽内に回転可能に配置された回転ドラムと、前記本体に設けられ、前記回転ドラムへの衣類等の投入を可能とする開口部と、前記開口部を開閉する蓋体と、前記水槽内の空気を循環させる空気循環装置を具備した衣類乾燥装置であって、前記空気循環装置を、少なくとも循環空気を冷却、加熱する熱源装置と、前記熱源装置を挟んで設けられ、両端が前記水槽内に開口した循環ダクトと、前記熱源装置または循環ダクトに設けられ、前記熱源装置からの空気を前記水槽内へ循環させる循環送風機より構成し、さらに、前記熱源装置を、圧縮機、凝縮器、減圧手段、蒸発器を具備した冷媒循環回路より構成し、さらに、前記凝縮器の凝縮能力を可変制御する制御装置と、前記本体内もしくは本体外の温度を検出する温度検出手段を具備し、さらに前記温度検出手段が所定値以下の温度を検出したときに、前記凝縮器の凝縮能力を小さくする能力切換え手段を設けたものである。
かかる構成とすることにより、低外気温時は、前記凝縮器の凝縮能力を低下させて凝縮器と蒸発器の圧力差を小さくすることができ、蒸発器の蒸発温度を高めに維持することができる。その結果、循環空気に含まれる水分の蒸発器への凍結を抑制することができ、これによって前記循環空気の過渡の温度低下を抑制し、循環空気に含まれる水分を、凍結を抑えて蒸発器に結露させることができ、循環空気を水分の少ない乾燥空気として効率よく衣類等の被乾燥物の乾燥に供することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記能力切換え手段を、前記凝縮器を通過する冷媒通路の距離を短くする切換え弁装置を具備する構成とし、前記温度検出手段の低温度検出により、前記切換え弁装置を、凝縮器を通過する冷媒通路の距離を短くするように動作させるものである。
かかる構成とすることにより、凝縮器と蒸発器の圧力差を小さくすると共に、蒸発器へ流れる冷媒の温度を高めに維持することができ、蒸発器の凍結が一層抑制できる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記能力切換え手段を、前記圧縮機からの吐出冷媒が前記蒸発器と熱交換した後に減圧手段へ流れるように流路を制御する切換え弁装置を具備する構成とし、前記温度検出手段の低温度検出により、前記切換え弁装置を、前記冷媒が前記蒸発器と熱交換した後に減圧手段へ流れるように流路を制御動作させるものである。
かかる構成とすることにより、高温状態にある吐出冷媒の温度を利用して蒸発器の温度を上昇させることができ、運転開始初期にある蒸発器の凍結を抑制することができるものである。
請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の発明において、前記切換え弁装置の切換え動作を一定時間維持するタイマー装置を設けたものである。
かかることにより、循環空気の温度が低下しない条件になった後に凝縮器と蒸発器の圧力差を効率のよい状態に戻し、乾燥効率の向上をはかることができるものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1から4のいずれか一項に記載の発明において、前記減圧手段を、冷媒の流量を制御する電動式膨張弁としたものである。
かかる構成とすることにより、凝縮器および蒸発器の温度を広範囲に亘って制御することが可能となり、その結果、低外気温度の状況に応じて凝縮器と蒸発器の圧力差を制御することができ、蒸発器の凍結抑制の信頼性を高めることができる。さらに、かかる運転の継続に伴う圧縮機の過渡の温度上昇も減圧度合いを制御することによって抑制できるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参考にしながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における斜めドラム式洗濯乾燥機の断面図である。図2は、同斜めドラム式洗濯乾燥機のシステム概念図である。図3は、同斜めドラム式洗濯乾燥機における低外気温時の制御内容を示す制御パターン図である。
図1は、本発明の実施の形態1における斜めドラム式洗濯乾燥機の断面図である。図2は、同斜めドラム式洗濯乾燥機のシステム概念図である。図3は、同斜めドラム式洗濯乾燥機における低外気温時の制御内容を示す制御パターン図である。
図1に示すように、洗濯乾燥機の本体を構成する筐体1の内部には、複数のサスペンション2によって弾性的に支持された有底円筒状の水槽3が設けられ、洗濯・脱水時における水槽3の振動をサスペンション2によって吸収する構成となっている。
水槽3の内部には、周壁に多数の貫通穴5aを有し、衣類4を収容する有底円筒状で横軸型の回転ドラム5が回転可能に設けられており、駆動モータ6により回転駆動される。筐体1の前面には、衣類4を出し入れする開口部1aと、これを開閉する扉7が設けられている。
水槽3および回転ドラム5の前面側にもそれぞれ同様の開口部3a、5bを有し、この水槽3の開口部3aはベローズ8等の適宜手段によって筐体1の開口部1aと水密に連結されている。また、水槽3と回転ドラム5の間には、水槽3と回転ドラム5で形成される空間において開口部3a側と底部側を仕切るシール部材12が設けられている。このシール部材12は、回転ドラム5とは接触しないように微小な間隔を維持して配置されている。また、水槽3の底部には、水槽3内の洗濯水を排出する排水口3bが設けられ、排水弁9を有する排水ホース10に連結されている。
送風手段を構成する送風機11は、ファン11aとこれを駆動するモータ11bを具備しており、筐体1の上面1bと水槽3により形成される隅部空間(筐体1の上部)に位置するように設けられている。筐体1の背面1c下部には、ヒートポンプ装置20(図2)を構成するフィンチューブ式の熱交換器からなる蒸発器(吸熱器)21と凝縮器(放熱器)23を近接して並設し、収納した熱交換風路25が配置されている。
熱交換風路25の内部には、矢印bの方向から蒸発器21へ空気を流す吸熱器風路22と、同様に凝縮器23から矢印cの方向に空気が流れる放熱器風路24が設けられている。
さらに、吸熱器風路22は、送風機11の吐出側に連通した吐出ダクト26と連結され、また放熱器風路24は、水槽3内に開口した給気ダクト27と連結されている。
そして、水槽3と送風機11の吸入側は、排気ダクト28によって連結され、排気ダクト28の途中には、乾燥に伴い飛散する洗濯屑、糸屑等を捕獲するフィルター29が着脱可能に設けられている。
ここで、吐出ダクト26、給気ダクト27、排気ダクト28は、本発明の循環ダクトに相当するものである。
したがって、送風機11で送風される乾燥用空気は、矢印aで示すように、吐出ダクト26から吸熱器風路22へ流れ、蒸発器21および凝縮器23を通過し、矢印cで示すように給気ダクト27へ流れ、矢印dで示すように給気ダクト27を流れ、水槽3に設けた給気口(図示せず)から水槽3内へ流れる。
そして、回転ドラム5の周壁側へ流れ、シール部材12で遮られて矢印eで示すように多数の貫通穴5aから回転ドラム5へ流れ込み、矢印fで示すように水槽3の外部に設けられた排気口(図示せず)から排気ダクト28を通り、送風機11の吸入側へと戻り、以下、上述の流れを所定時間行う。
また、吐出ダクト26には、送風機11を流れる空気の温度を検出する温度検出器30(本発明の温度検出手段に相当)が設けられている。この温度検出器30は、サーミスタ等の温度検出素子を具備したものであり、本体内部の空気温度に限るものではなく、洗濯乾燥機が設置されている周辺の空気温度を検出するようにしてもよい。
図2に示す如く、ヒートポンプ装置20は、圧縮機31と凝縮器23と減圧手段である電動式膨張弁34と蒸発器21を環状に連結した構成である。
そして、凝縮器23には、その冷媒通路の一部に、冷媒通路を短絡するように流路を切換える三方弁(本発明の切換え弁装置に相当)32が設けられており、この三方弁32は、温度検出器30による検出温度が所定温度値(例えば、5℃)以下の場合に、制御装置33によって矢印X方向に回動し、図2の状態で停止するもので、通常は、反矢印X方向に回動しており、凝縮器23の冷媒通路32が長くなる状態に位置している。以下の説明においては、便宜上図2の状態にある三方弁32の動作を開放動作と称し、反矢印X方向に回動する動作を閉動作と称して説明する。
また、制御装置33は、三方弁32の切換え制御の他に、この切換え制御を所定時間継続させた後に三方弁32を開動作から閉動作へ制御するタイマー制御と、温度検出器30の検出温度等に基づいて電動式膨張弁34の開度も調整する制御を行うもので、かかる制御により、ヒートポンプ装置20の冷媒循環回路内圧力を適正に維持することができ、また電動式膨張弁34の開度調整によって、圧縮機31の過度な温度上昇も抑制することができる。ここでは、本発明に関係する制御内容について説明する。
次に、上記構成における洗濯乾燥機の主な動作について説明する。ここで、以下に説明する動作は、外気温度(洗濯乾燥機の周辺温度あるいは循環空気温度)が、比較的高い状態の場合である。
洗濯(洗浄)工程では、排水弁9を閉じた状態で給水弁(図示せず)を開放することにより、水槽3内への給水が行われる。そして水槽3内に所定の水位に達するまで給水を行い、駆動モータ6を駆動して衣類4と洗濯水の入った回転ドラム5を回転させて洗濯を行う。
また、次の洗濯後の濯ぎ工程においても、前述の洗濯工程と同様に水槽3内に給水を行い、その後回転ドラム5を回転させて衣類4の濯ぎを行う。
さらに次の脱水工程では、排水弁9を開いて排水ホース10より水槽3内の水を洗濯乾燥機の外へ排水した後、駆動モータ6により衣類4の入った回転ドラム5を一方向に高速回転してその遠心力により脱水する。
そして、前述の脱水工程が終了すると、乾燥工程に移る。この乾燥工程では、ヒートポンプ装置20の圧縮機31を作動させる。その結果、冷媒が圧縮され、この圧力により凝縮器23、電動式膨張弁34、蒸発器21を循環する。凝縮器23では冷媒の圧縮で熱が放出され、蒸発器21では電動式膨張弁34で減圧されて低圧となった冷媒により熱が吸収される。これと並行して送風機11が運転され、凝縮器23の放熱により加熱された温風が給気ダクト27を通って給気口から水槽3内に送風される。このとき、回転ドラム5は駆動モータ6により回転駆動され、衣類4は上下に撹拌されている。
したがって、送風機11により、凝縮器23によって加熱された乾燥用空気は、前記給気口から回転ドラム5内に送風される。回転ドラム5内に供給された温風は、衣類4の隙間を通るときに水分を奪い、湿った状態で水槽3の排気口を経て排気ダクト28から送風機11を通り、吐出ダクト26から熱交換風路25へと流れ、蒸発器21に至る。
この湿った温風は、蒸発器21を通過する際に顕熱と潜熱が奪われて除湿され、乾いた空気と結露水に分離される。
乾いた空気は、続いて凝縮器23を通過する際にこの凝縮器23で再び加熱されて温風となり、再び水槽3、回転ドラム5内へ供給され、以下、前述の循環を繰り返す。
一方、結露水は蒸発器21に付着し、飽和して落下する量になると、下部に設けられた貯水室(図示せず)に貯水され、排水ポンプ(図示せず)により汲み上げられて排水ホース10より機外へ排出される。
このように、衣類4等の乾燥にヒートポンプ装置20を用いることにより、蒸発器21で吸熱した熱を冷媒で回収して再び凝縮器23で放熱して、圧縮機31の入力エネルギー以上の熱量を衣類4に与えることができるため、乾燥効率を向上させることができる。したがって、乾燥時間の短縮と省エネルギーを実現することが可能になる。
上記乾燥工程において、外気温度(室内温度あるいは循環空気温度)が所定値以上、例えば5℃以上の温度であると、ヒートポンプ装置20における電動式膨張弁34は、制御装置33によって設定された減圧動作を行い、蒸発器21も所定の低温となるように作用する。
一方、外気温度が所定値以下の温度の場合、所謂低外気温時に、同様の減圧度合いでヒートポンプ装置20を運転すると、蒸発器21が過渡に低温となり、その結果、衣類4等の水分を含んだ乾燥空気は、蒸発器21を通過する際にその水分が凍結して霜となり、運転を継続すると、蒸発器21が凍結し、水分を結露することができなくなる。
次に、低外気温時における乾燥動作について説明する。ここで、洗濯工程から脱水工程については上記と同じであるため、説明を省略してここでは乾燥工程について説明する。また、圧縮機31は、インバータ制御装置により、その回転数(能力)が周知の如く制御されるものとしているが、一定速で運転される圧縮機であってもよい。
低外気温時は、図3に示す如く温度検出器30がその温度を検出しており、三方弁32は開放状態(図2)にある。その結果、凝縮器23の冷媒通路長さが短くなり、凝縮能力は小さくなるため、冷媒は十分熱交換されないまま高い温度で循環することになる。
このとき、電動式膨張弁34の開度を比較的大きめに制御しておくことにより、蒸発器21へ流れる冷媒温度も比較的高い状態となり、蒸発器21の過渡の冷却作用(低温化)が抑制できる。
かかる状態において、送風機11および圧縮機31を運転すると、冷媒は凝縮器23、電動式膨張弁34、蒸発器21と流れ、圧縮機31へ戻る。この冷媒流れの連続により、凝縮器23の温度は徐々に上昇し、また、蒸発器21の温度は徐々に低下する。
しかしながら、減圧手段32による減圧度合いが小さいため、蒸発器21は急激に低温となることがない。
換言すると、蒸発器21の温度は、循環する空気温度よりは低い温度で動作を続けるものの、その低下が鈍い状態にあり、一方では凝縮器23の放熱に伴う加熱が作用している。
その状態において、圧縮機31の運転周波数が徐々に高く制御され、これに伴って圧縮機31の入力エネルギーが徐々に増加することに起因して、凝縮器23の温度が徐々に高くなり、循環する乾燥空気の温度も徐々に高くなる。
そして、制御装置33により所定時間ΔT1が計測されると、三方弁32が閉動作となり、凝縮器23の冷媒通路が長く形成される。その結果、蒸発器21へ流れる冷媒は温度が低くなり、蒸発器21は、循環する乾燥空気に含まれる水分が結露し易い温度に制御される。
これと並行して電動式膨張弁34もその開度が制御され、冷媒回路の圧力は最適値に維持される。かかる状態は、ヒートポンプ装置20が高い効率を発揮できる値に設定され、ヒートポンプ装置20による放熱量、吸熱量が共に増加し、乾燥空気の湿度を低下して乾燥効率を高めることができる。
本実施の形態1においては、制御装置33にタイマー機能を持たせ、所定時間ΔT1を計測した後に凝縮器23の凝縮能力を戻す制御としたが、温度検出器30が検出する温度で凝縮能力を戻す制御とすることもできる。
すなわち、温度検出器30が検出する吐出ダクト26内の乾燥空気温度が、蒸発器21に凍結が発生しない温度となったときに三方弁32を閉動作としても同様の作用効果が期待できるものである。
したがって、本実施の形態1よれば、低外気温時において特に乾燥工程の開始時における蒸発器21の過渡の温度低下に起因する蒸発器21の凍結が防止でき、連続した乾燥工程を形成することができる。その結果、循環する乾燥空気の水分を少なくし、効率よく衣類等の被乾燥物を乾燥することができる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における斜めドラム式洗濯乾燥機のシステム概念図である。
図4は、本発明の実施の形態2における斜めドラム式洗濯乾燥機のシステム概念図である。
本実施の形態2においては、洗濯乾燥機の構成を実施の形態1と同じとしているため、ここでは、相違する部分を中心に説明する。また、実施の形態1と同じ構成要件については、同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態1と特に相違する部分は、図4に示す如く、切換え弁装置である三方弁35を凝縮器23の入口部に設け、圧縮機31からの吐出冷媒を凝縮器23へ流す動作と、蒸発器21の一部に設けた補助凝縮部36へ流す動作の切換えを可能とした点である。そして、補助凝縮部36の他端は、電動式膨張弁34の入口側に接続されている。
また、三方弁35は、矢印Y方向に回動することにより、吐出冷媒が凝縮器23を流れ、反矢印Y方向に回動することにより、吐出冷媒が補助凝縮部36へ流れるように動作する。以下においては、便宜上図4の状態を開動作と称し、矢印Y方向へ回動した状態を閉動作と称して説明する。
さらに、送風機11、温度検出器30、圧縮機31、三方弁35の制御内容は、先の実施の形態1と同様に図3に示される制御パターンと同じであるため、本実施の形態2においても図3を流用して説明する。
かかる構成において、洗濯乾燥機の周辺温度、あるいは吐出ダクト26内の温度が所定値以上の場合は、洗濯工程、濯ぎ工程、脱水工程および乾燥工程は、先の実施の形態1と同様に行われる。
次に、低外気温時における乾燥動作について説明する。ここで、洗濯工程から脱水工程については上記と同じであるため、説明を省略してここでは乾燥工程について説明する。また、圧縮機31は、インバータ制御装置により、その回転数(能力)が周知の如く制御されるものとしているが、一定速で運転される圧縮機であってもよい。
低外気温時は、図3に示す如く温度検出器30がその温度を検出しており、三方弁35は開放状態(図4)にある。
かかる状態において、送風機11および圧縮機31を運転すると、圧縮機31から吐出された冷媒は、補助凝縮部36へ流れ、蒸発器21と熱交換しながら電動式膨張弁34の入口側へと流れ、電動式膨張弁34、蒸発器21と流れて圧縮機31へ戻る。
この冷媒流れの連続により、蒸発器21においては温度低下が進むが、上記吐出冷媒との熱交換作用により、その温度低下が抑制され、過渡の低温となることが抑制される。
換言すると、蒸発器21の温度は、循環する空気温度よりは低い温度で動作を続けるものの、その低下が鈍い状態にあり、一方では吐出冷媒との熱交換作用に伴う加熱が作用しているため、結果的には、循環する乾燥空気に含まれる水分を蒸発器21に結露させることができる。
その状態において、圧縮機31の運転周波数が徐々に高く制御され、これに伴って圧縮機31の入力エネルギーが徐々に増加することに起因して、吐出冷媒の温度が徐々に高くなり、循環する乾燥空気の温度も徐々に高くなる。
そして、制御装置33により所定時間ΔT1が計測されると、三方弁35が閉動作となり、吐出冷媒は、凝縮器23を流れ、ここで凝縮される。その結果、蒸発器21へ流れる冷媒は温度が低くなり、蒸発器21は、循環する乾燥空気に含まれる水分が結露し易い温度に制御される。
これと並行して電動式膨張弁34もその開度が制御され、冷媒回路の圧力は最適値に維持される。かかる状態は、ヒートポンプ装置20が高い効率を発揮できる値に設定され、ヒートポンプ装置20による放熱量、吸熱量が共に増加し、乾燥空気の湿度を低下して乾燥効率を高めることができる。
本実施の形態2においては、制御装置33にタイマー機能を持たせ、所定時間ΔT1を計測した後に凝縮器23の凝縮能力を戻す制御としたが、温度検出器30が検出する温度で凝縮能力を戻す制御とすることもできる。
すなわち、温度検出器30が検出する吐出ダクト26内の乾燥空気温度が、蒸発器21に凍結が発生しない温度となったときに三方弁35を閉動作としても同様の作用効果が期待できるものである。
したがって、本実施の形態2よれば、低外気温時において特に乾燥工程の開始時における蒸発器21の過渡の温度低下に起因する蒸発器21の凍結が防止でき、連続した乾燥工程を形成することができる。その結果、循環する乾燥空気の水分を少なくし、効率よく衣類等の被乾燥物を乾燥することができる。
本発明の衣類乾燥装置は、低外気温時における蒸発器の凍結を防止し、乾燥効率の低下を抑制するようにしたもので、衣類等の乾燥の他に低湿度保存を条件とする貯蔵装置等にも応用できるものである。
1 筐体(本体)
1a 開口部
3 水槽
4 衣類
5 回転ドラム
7 扉(蓋体)
11 送風機
20 ヒートポンプ装置
21 蒸発器
23 凝縮器
25 熱交換風路(循環ダクト)
26 吐出ダクト(循環ダクト)
27 給気ダクト(循環ダクト)
28 排気ダクト(循環ダクト)
30 温度検出器(温度検出手段)
31 圧縮機
32 三方弁(切換え弁装置)
33 制御装置
34 電動式膨張弁(減圧手段)
35 三方弁(切換え弁装置)
1a 開口部
3 水槽
4 衣類
5 回転ドラム
7 扉(蓋体)
11 送風機
20 ヒートポンプ装置
21 蒸発器
23 凝縮器
25 熱交換風路(循環ダクト)
26 吐出ダクト(循環ダクト)
27 給気ダクト(循環ダクト)
28 排気ダクト(循環ダクト)
30 温度検出器(温度検出手段)
31 圧縮機
32 三方弁(切換え弁装置)
33 制御装置
34 電動式膨張弁(減圧手段)
35 三方弁(切換え弁装置)
Claims (5)
- 有底筒状の水槽を具備した本体と、前記水槽内に回転可能に配置された回転ドラムと、前記本体に設けられ、前記回転ドラムへの衣類等の投入を可能とする開口部と、前記開口部を開閉する蓋体と、前記水槽内の空気を循環させる空気循環装置を具備した衣類乾燥装置であって、前記空気循環装置を、少なくとも循環空気を冷却、加熱する熱源装置と、前記熱源装置を挟んで設けられ、両端が前記水槽内に開口した循環ダクトと、前記熱源装置または循環ダクトに設けられ、前記熱源装置からの空気を前記水槽内へ循環させる循環送風機より構成し、さらに、前記熱源装置を、圧縮機、凝縮器、減圧手段、蒸発器を具備した冷媒循環回路より構成し、さらに、前記凝縮器の凝縮能力を可変制御する制御装置と、前記本体内もしくは本体外の温度を検出する温度検出手段を具備し、さらに前記温度検出手段が所定値以下の低温度を検出したときに、前記凝縮器の凝縮能力を小さくする能力切換え手段を設けた衣類乾燥装置。
- 前記能力切換え手段を、前記凝縮器を通過する冷媒通路の距離を短くする切換え弁装置を具備する構成とし、前記温度検出手段の低温度検出により、前記切換え弁装置を、凝縮器を通過する冷媒通路の距離を短くするように動作させる請求項1に記載の衣類乾燥装置。
- 前記能力切換え手段を、前記圧縮機からの吐出冷媒が前記蒸発器と熱交換した後に減圧手段へ流れるように流路を制御する切換え弁装置を具備する構成とし、前記温度検出手段の低温度検出により、前記切換え弁装置を、前記冷媒が前記蒸発器と熱交換した後に減圧手段へ流れるように流路を制御動作させる請求項1に記載の衣類乾燥装置。
- 前記切換え弁装置の切換え動作を一定時間維持するタイマー装置を設けた請求項2または3に記載の衣類乾燥装置。
- 前記減圧手段を、冷媒の流量を制御する電動式膨張弁とした請求項1から4のいずれか一項に記載の衣類乾燥装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007200495A JP2009034307A (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | 衣類乾燥装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007200495A JP2009034307A (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | 衣類乾燥装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2009034307A true JP2009034307A (ja) | 2009-02-19 |
Family
ID=40436803
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2007200495A Pending JP2009034307A (ja) | 2007-08-01 | 2007-08-01 | 衣類乾燥装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2009034307A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014081152A (ja) * | 2012-10-17 | 2014-05-08 | Kihara Seisakusho:Kk | ドラム型乾燥機 |
WO2024080517A1 (ko) * | 2022-10-13 | 2024-04-18 | 삼성전자주식회사 | 건조 장치 |
-
2007
- 2007-08-01 JP JP2007200495A patent/JP2009034307A/ja active Pending
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