JP2009034025A - 畜舎消毒システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 畜舎消毒システムにおいて、電解水による畜舎設備の腐食を防ぐと共に設備を低コストにすること。
【解決手段】 原水を電気分解により酸性水とアルカリ水との電解水に分解して分離する電解水生成装置1と、畜舎2内に配管され少なくとも酸性水又はアルカリ水が導入されて畜舎2内に散布可能な散布配管網3と、電解水生成装置1と散布配管網3とに接続され散布配管網3へ導入する酸性水とアルカリ水とを切り替え可能な散布切り替え機構4と、を備えている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、鶏舎等の畜舎を消毒する畜舎消毒システムに関する。
従来より、豚舎、牛舎、鶏舎などの畜舎を消毒する技術が種々提案されている。また、近年、消毒、殺菌に高い効果が得られる電解水を用いた消毒技術の開発が進んでいる。この電解水は、水道水などを電気分解することで生成され、この電解水に存在する酸性水(次亜塩素酸水)により高い消毒、殺菌効果が得られる。
例えば、特許文献1には、豚舎と豚体の洗浄消毒に電解水を使用する技術が提案されている。この技術では、豚舎内部にパイプラインを設け、電解装置で得た電解水をパイプラインにポンプによって供給し、ノズルから豚舎内に全面均一に電解水の散布を行う設備が開示されている。また、特許文献2には、気液接触室を設け、この気液接触室で被処理空気と電解水とを接触させることで、被処理空気の洗浄を行う空気殺菌方式の空気浄化装置が提案されている。
また、近年、問題になっている鳥インフルエンザウイルス対策として、鶏舎の消毒、殺菌が強く要望されていると共に、鳥インフルエンザウイルスに対しても電解水が高い抑制効果を有することが実証されている。
特開2004−97174号公報(特許請求の範囲、図1) 特開2005−7307号公報(特許請求の範囲、図1)
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
従来の電解水による畜舎の消毒技術では、特許文献1の技術のように、単に電解水として次亜塩素酸水を噴霧することで消毒を行っているが、次亜塩素酸は酸性度が強く、畜舎内の設備(飼育箱、給仕設備、ラック等)に付着して腐食させてしまう問題があった。また、特許文献2の技術のように、気液接触室内での電解水による空気殺菌方式を採用した場合、無菌室飼育と同様の考え方となり、換気設備や空調設備を完備させる必要から設備コストが膨大になってしまう不都合がある。さらに、電解水の生成量は、装置の精製能力に制限されてしまうため、畜舎の規模に応じて大型の電解装置が必要になり、やはり設備コストが増大してしまう。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、電解水による畜舎設備の腐食を防ぐと共に設備が低コストな畜舎消毒システムを提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の畜舎消毒システムは、原水を電気分解により酸性水とアルカリ水との電解水に分解して分離する電解水生成装置と、畜舎内に配管され少なくとも前記酸性水又は前記アルカリ水が導入されて前記畜舎内に散布可能な散布配管網と、前記電解水生成装置と前記散布配管網とに接続され前記散布配管網へ導入する前記酸性水と前記アルカリ水とを切り替え可能な散布切り替え機構と、を備えていることを特徴とする。
この畜舎消毒システムでは、散布切り替え機構により、散布配管網へ導入する酸性水とアルカリ水とを切り替えることができるので、次亜塩素酸が含まれる酸性水を畜舎内に散布して殺菌を行った後に、酸性水と共に等分分離生成されOHラジカルを含むアルカリ水に切り替えて散布を行うことで、設備に付着した酸性水を中和することができ、酸性水による設備腐食を防ぐことができる。また、アルカリ水による細菌増殖抑制効果も得ることができる。さらに、散布切り替え機構により、アルカリ水だけを酸性水散布の前に散布することで、アルカリ水の洗浄効果により土壌や糞尿等に浸透し易い環境を得ることができ、酸性水による殺菌散布をより効果的に行うことができる。また、アルカリ水散布後のアルカリ条件下において、酸性水散布により酸性水に含まれる次亜塩素酸ナトリウムとアンモニア等の窒素系ガスとが酸化反応して無臭のクロラミンとなり、空気の脱臭効果を得ることができる。さらに、上記従来の空気殺菌方式ではなく、電解水を畜舎内に直接散布する方式であるため、外部の空気が出入り可能な開放型であって、特殊な換気設備や空調設備を設ける必要が無く、設備コストを低く抑えることができる。また、散布によって電解水を直接振りかけるので、排泄物、土壌、構造物及び動物の体に付着しているウイルスや細菌を直接的に殺菌することができる。
また、本発明の畜舎消毒システムは、前記原水が、塩素を含むものであることを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムでは、塩素を含む原水を用いるので、pH調整が可能で強酸性の酸性水を得ることができ、高い殺菌性能を得ることができる。
また、本発明の畜舎消毒システムは、前記畜舎が複数のブロックに区画され、前記散布配管網が、前記ブロック毎に散布可能に配管され、散布する前記ブロックを任意に切り替え可能とされていることを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムでは、散布するブロックを任意に切り替え可能であるので、電解水の生成量に制限があっても、生成量に応じてブロック毎に消毒を行い、畜舎全体を効率よく消毒することができる。したがって、小型の電解水生成装置であっても、規模の大きい畜舎の消毒が可能になる。また、ブロック毎の散布量、散布回数及び散布時間、散布のブロックローテーション等を適宜設定することも可能になり、ブロック毎の汚れ・汚染度合い等に応じて効率的に電解水を使用することができる。
また、本発明の畜舎消毒システムは、前記散布配管網が、前記畜舎の出入り口にも散布可能に設けられていることを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムでは、畜舎の出入り口にも散布可能に散布配管網が配設されているので、畜舎に出入りする作業者、車両、納入品(但し水に触れて良い物)等を出入り口で殺菌することができる。また、アルカリ水の個別散布によって、出入りする車両等が酸性水により腐食することを出入り口で防ぐことができる。なお、手動により各出入り口の必要箇所の洗浄・消毒ができるようにすることが好ましい。
また、本発明の畜舎消毒システムは、前記散布切り替え機構が、前記散布配管網に前記酸性水及び前記アルカリ水とは別に前記原水を導入可能とされていることを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムでは、散布切り替え機構により、散布配管網に原水を導入可能とされているので、十分な水量の原水散布により、アルカリ水散布後などに一部残存する酸性水を洗い流すことができる。また、原水の散布を別途行うことで、水の気化熱を用いた畜舎内の冷却効果も得ることができる。
さらに、本発明の畜舎消毒システムは、前記散布切り替え機構が、前記原水に炭酸カリウムを添加可能な炭酸カリウム添加装置を備えていることを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムでは、原水に炭酸カリウムが添加可能であるので、炭酸カリウムにより、残存する酸性水(次亜塩素酸水)の中和と防錆皮膜形成とによる防錆効果を得ることができる。なお、炭酸カリウムは、人畜無害であって食品添加物の一つである。また、原水供給ポンプ以降の原水主管系統内の散布用原水は全て炭酸カリウムが混入されることが好ましい。
また、本発明の畜舎消毒システムは、前記散布切り替え機構が、前記アルカリ水、前記酸性水、前記アルカリ水、前記原水の順で前記散布配管網へ導入し、散布を行うことを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムでは、アルカリ水、酸性水、アルカリ水、原水の順で散布制御が行われるので、最初のアルカリ水散布により殺菌対象の浸透性を高めておき、次に酸性水散布により殺菌処理を行い、さらに2回目のアルカリ水散布により酸性水の中和を行う。そして、最後に原水散布によって残存する酸性水を洗い流すと共に、残留次亜塩素酸の中和と防錆コーティングとを行うことで、畜舎内の殺菌及び腐食防止処理を効率的に行うことができる。
また、本発明の畜舎消毒システムは、前記散布配管網の管内に圧縮空気を注入する管内ブロー機構を備えていることを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムでは、散布配管網の管内に圧縮空気を注入する管内ブロー機構を備えているので、酸性水ライン、アルカリ水ライン等の散布配管網内に残留する酸性水、アルカリ水又は原水を管内ブロー機構による圧縮空気で排除することができ、寒冷地等における管内凍結などを防止することが可能である。
また、本発明の畜舎消毒システムは、前記畜舎が、鶏舎であることを特徴とする。すなわち、この畜舎消毒システムは、鶏舎に適用された鶏舎消毒システムとすることで、鳥インフルエンザウイルス等の効率的かつ低コストな殺菌処理が可能になる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る畜舎消毒システムによれば、散布切り替え機構により、散布配管網へ導入する酸性水とアルカリ水とを切り替えることができるので、設備に付着した酸性水をアルカリ水散布で中和することができ、設備腐食を防ぐことができると共に、アルカリ水事前散布により殺菌対象への浸透性向上を図り、酸性水による殺菌効果をより高めることができる。また、電解水を畜舎内に直接散布する方式であるため、特殊な換気設備や空調設備を設ける必要が無く、設備コストを低く抑えることができる。したがって、本発明の畜舎消毒システムを鶏舎に採用することで、鳥インフルエンザウイルス等を効率的かつ低コストに殺菌処理することが可能になる。
以下、本発明に係る畜舎消毒システムの一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするために縮尺を適宜変更している。
本実施形態の畜舎消毒システムは、図1及び図2に示すように、塩素を含む水を電気分解により酸性水とアルカリ水との電解水に分解して分離する電解水生成装置1と、鶏舎である畜舎2内に配管され少なくとも酸性水又はアルカリ水が導入されて畜舎2内に散布可能な散布配管網3と、電解水生成装置1と散布配管網3とに接続され散布配管網3へ導入する酸性水とアルカリ水とを切り替え可能な散布切り替え機構4と、を備えている。
上記電解水生成装置1は、原水の供給ラインである給水ライン5に水フィルタFを介して接続され、供給された原水を元にした食塩水を電気分解することにより、次亜塩素酸を含む酸性水とOHラジカルを含むアルカリ水とに分解し、等分分離生成する既知の装置である。なお、原水としては、水道水だけでなく、水道水と同じ水質基準に処理された井水又は河川水などが採用可能である。
この電解水生成装置1には、図2に示すように、生成された酸性水を貯留する酸性水貯留タンクT0と、生成されたアルカリ水を貯留するアルカリ水貯留タンクT1と、が接続されている。また、酸性水貯留タンクT0には酸性水を加圧供給する酸性水圧送ポンプP0が接続されていると共に、アルカリ水貯留タンクT1にはアルカリ水を加圧供給するアルカリ水圧送ポンプP1が接続されている。さらに、酸性水圧送ポンプP0は、水フィルタFを介して散布配管網3の酸性水ライン3aに接続されている。また、アルカリ水圧送ポンプP1は、水フィルタFを介して散布配管網3のアルカリ水ライン3bに接続されている。
上記畜舎2は、複数のブロックに区画されている。ここでいうブロックとは、仕切り等で区画されているものだけを示すのではなく、単に畜舎2を複数の領域に分けたものも含むものである。なお、本実施形態では、畜舎2がブロックA〜Hまでの8ブロックに区画されている。
上記散布配管網3は、酸性水を供給する配管系の酸性水ライン3aと、アルカリ水を供給する配管系のアルカリ水ライン3bと、原水を供給する配管系の原水ライン3cと、を備え、これら各ライン3a、3b、3cがブロック毎に散布可能に配管されている。また、散布配管網3は、各ブロックの各ライン3a、3b、3cに複数配設されたスプレーノズル10(以下、単にノズルとも称す)と、を備えている。
また、散布切り替え機構4は、散布配管網3の配管各部に設けられた複数の電動バルブMを備え、各電動バルブMにより散布するブロック及び散布水を任意に切り替え可能とされている。各ブロックにおけるスプレーノズル10は、ブロック内に万遍なく散布可能に所定間隔を空けて複数配設されている。
なお、本実施形態では、例えば1ブロックに20ヶのスプレーノズル10が配設されている。これらスプレーノズル10は、上記各電解水や原水を50μm以上のミスト状にして高圧で噴霧可能である。
また、散布配管網3は、畜舎2の出入り口2aにも散布可能に配設され、出入り口2aにも電動バルブMを介してスプレーノズル10が配されている。
上記散布切り替え機構4は、供給機構の一部として、給水ライン5に水フィルタFを介して接続され原水を貯留する原水貯留タンクT2と、該原水貯留タンクT2に接続され原水を加圧して供給する原水圧送ポンプP2と、を備えている。また、原水圧送ポンプP2は、水フィルタFを介して散布配管網3の原水ライン3cに接続されている。すなわち、散布切り替え機構4は、散布配管網3に酸性水及びアルカリ水とは別に原水を導入可能とされている。
さらに、散布切り替え機構4は、第2水フィルタFを介して散布配管網3に導入される原水に炭酸カリウムを添加する炭酸カリウム添加装置TCを備えている。この炭酸カリウム添加装置TCは、炭酸カリウムを貯留するタンク(図示略)を備え、炭酸カリウムを原水に所定の濃度で添加可能なパルス式薬注装置である。
また、本畜舎消毒システムには、散布配管網3の管内に圧縮空気を注入する管内ブロー機構として空気圧縮機CPが、ブロー用の電動バルブMbを介して酸性水ライン3a、アルカリ水ライン3b及び原水ライン3cに接続されて設けられている。
また、散布切り替え機構4は、電解水生成装置1、各ポンプ、各バルブ、炭酸カリウム添加装置TC、空気圧縮機CP等をそれぞれ制御する制御部Cを備えている。この制御部Cは、自動散布及び手動散布の操作・制御を行うマイクロコンピュータ等の制御機構を有する制御盤12と、各ポンプ、電解水生成装置1、炭酸カリウム添加装置TC、空気圧縮機CP及び各バルブ等に電力を供給する動力盤13と、を備えている。なお、各電動バルブMは、図示しない配線により動力盤13を介して制御盤12に接続され、それぞれ制御盤12により自動又は手動で開閉制御可能とされている。
また、上記制御部Cは、アルカリ水、酸性水、アルカリ水、原水の順で散布配管網3へ導入し、散布を行うプログラムが記憶されており、自動散布制御が可能になっている。
なお、出入り口2aには、出入り口2aにおける散布を手動で行うための手動スイッチSが各散布水毎に設けられている。これら手動スイッチSは、上記制御盤12及び動力盤13を介して対応する電動バルブMに接続され、これらを任意に開閉可能とされている。
また、酸性水ライン3a、アルカリ水ライン3b及び原水ライン3cには、手動用ライン20がそれぞれ各ブロック及び出入り口2aに配設されている。これら手動用ライン20には、それぞれ手動用バルブが設けられており、手動用バルブにホース等を接続可能になっている。すなわち、手動用バルブを開けることで自動散布では死角になる任意の場所にホースによって散布を行うことが可能である。
なお、これらの機器が正常に運転しているかを監視するための警報装置(図示略)も設けられている。また、酸性水ライン3a等の酸性水系統に用いられる機材は、強酸性水に充分耐えられる素材で構成される。
次に、本実施形態の畜舎消毒システムによる消毒方法の概略について、図1及び図2を参照して説明する。
事前に、本実施形態の畜舎消毒システムは、水道水及び、水道水の水質基準に準じた井水、又は河川水をフィルタFを介して配管に通すと共にこれら原水に食塩を混入し、さらに電解水生成装置1で電気分解により酸性水とアルカリ水との電解水に分解生成し、それぞれ酸性水貯留タンクT0、アルカリ水貯留タンクT1に貯留する。なお、原水は、直接原水貯留タンクT2に貯留する。なお、上記各ラインのポンプ類は駆動状態とされているものとする。
まず、制御部Cは、給水ライン5から原水を電解水生成装置1に供給し、この原水を元にした食塩水を電解水生成装置1により電気分解して酸性水及びアルカリ水を分離生成し、さらにこれらを酸性水貯留タンクT0及びアルカリ水貯留タンクT1に別々に貯留する。なお、この電解水生成装置1による電解水生成は、装置の生成能力を考慮しつつ酸性水貯留タンクT0及びアルカリ水貯留タンクT1内の残量及び各電解水の使用量に合わせて逐次行われ、酸性水貯留タンクT0及びアルカリ水貯留タンクT1内が空にならないように制御される。
一方、原水貯留タンクT2にも給水ライン5から原水が供給されて、原水が逐次貯留される。
次に、制御部Cは、各ブロックのうち最初に消毒処理を行うブロック、例えばブロックA内に配されたスプレーノズル10へアルカリ水を流通可能にするため、ブロックAへの配管経路にあるアルカリ水ライン3bの電動バルブMを開く。これにより、ブロックAのみにアルカリ水がスプレーノズル10から洗浄噴霧される。この最初のアルカリ水散布は、例えば10秒間行われ、この散布時間終了後、制御部Cにより上記電動バルブMが閉じられる。
次に、制御部Cは、ブロックAへの配管経路にある酸性水ライン3aを開き、散布配管網3に酸性水を導入する。これにより、ブロックAのみに酸性水がスプレーノズル10から殺菌噴霧される。この酸性水散布は、例えば20秒間行われ、この散布時間終了後、制御部Cにより上記電動バルブMが閉じられる。
次に、制御部Cは、再びブロックAへの配管経路にあるアルカリ水ライン3bの電動バルブMを開き、散布配管網3にアルカリ水を導入する。これにより、ブロックAのみにアルカリ水がスプレーノズル10から中和噴霧される。この2回目のアルカリ水散布は、例えば10秒間行われ、この散布時間終了後、制御部Cにより上記電動バルブMが閉じられる。
さらに、制御部Cは、ブロックAへの配管経路にある原水ライン3cの電動バルブMを開き、散布配管網3に原水を導入する。さらに、制御部Cは、炭酸カリウム添加装置TCにより原水ライン3cに炭酸カリウムを所定濃度で導入する。これにより、ブロックAのみに炭酸カリウムが添加された原水がスプレーノズル10から噴霧される。この原水散布は、例えば20秒間行われ、この散布時間終了後、制御部Cにより上記電動バルブMが閉じられる。これにより、ブロックAの1回目の殺菌消毒処理が終了する。
上記殺菌消毒処理の一連の工程を、他のブロックにおいても順次、同様にして繰り返し行う。すなわち、処理順序が、例えばブロックA〜ブロックHまでアルファベット順に行われるようにプログラムした場合、ブロックAの殺菌消毒処理が終了後、ブロックB内に配されたスプレーノズル10へアルカリ水等を流通可能にするため、ブロックBへの配管経路にある電動バルブMを制御部Cにより開くことで、ブロックBの殺菌消毒処理を行う。
このようにして、所定順序でブロック毎に消毒を行い、全ブロックの殺菌消毒処理を完了する。なお、畜舎2の消毒は、一日に任意の回数で所定時間を空けて行うように設定しても構わず、例えば毎日2〜3回程度の頻度で行うようにプログラムしても構わない。また、各散布処理における散布時間、散布回数、電解水の濃度(pH及び次亜塩素酸濃度の有効殺菌時間)なども任意に設定可能である。
上述したように、この消毒方法では、アルカリ水、酸性水、アルカリ水、原水の順で散布制御が行われるので、最初のアルカリ水散布により殺菌対象の浸透性を高めておき、次に酸性水散布により殺菌処理を行い、さらに2回目のアルカリ水散布により酸性水の中和を行う。そして、最後に原水散布によって残存する次亜塩素酸を洗い流すことで、畜舎2内の殺菌及び腐食防止処理を効率的に行うことができる。
次に、上記畜舎2内の消毒とは別に、畜舎2の出入り口2aにおける消毒方法について説明する。
まず、畜舎2の出入り口2aにおいて車両や納入品を搬入又は搬出する場合、出入り口2aのアルカリ水散布の手動スイッチSを押すことで、散布配管網3にアルカリ水を導入すると共に出入り口2aに配されたスプレーノズル10へアルカリ水を流通可能にするため、出入り口2aへの配管経路にあるアルカリ水ライン3bの電動バルブMを開く。これにより、出入り口2aのみにアルカリ水がスプレーノズル10から洗浄噴霧される。所定散布時間終了後に、手動スイッチSをOFFにして、上記電動バルブMが閉じられる。
続いて、酸性水散布の手動スイッチSを押すことで、出入り口2aへの配管経路にある酸性水ライン3aの電動バルブMを開き、散布配管網3に酸性水を導入し、出入り口2aのみに酸性水がスプレーノズル10から殺菌噴霧される。所定散布時間終了後、手動スイッチSをOFFにして、制御部Cにより上記電動バルブMが閉じられる。
さらに、アルカリ水散布の手動スイッチSを再び押すことで、出入り口2aへの配管経路にあるアルカリ水ライン3bの電動バルブMを開き、散布配管網3にアルカリ水を導入し、出入り口2aのみにアルカリ水がスプレーノズル10から中和噴霧される。所定散布時間終了後、手動スイッチSをOFFにして、制御部Cにより上記電動バルブMが閉じられる。
最後に、原水散布の手動スイッチSを押すことで、出入り口2aへの配管経路にある原水ライン3cの電動バルブMを開き、散布配管網3に原水を導入すると共に、炭酸カリウム添加装置TCにより原水ライン3cに炭酸カリウムを導入する。これにより、出入り口2aのみに炭酸カリウムが添加された原水がスプレーノズル10から噴霧される。所定散布時間終了後、手動スイッチSをOFFにして、上記電動バルブMが閉じられる。これにより、出入り口2aにおける殺菌消毒処理が終了する。
なお、散布される各電解水は、飲用しても無害であり、有機物に触れると時間と共に水に還元されることになる。
このように本実施形態では、散布切り替え機構4により、散布配管網3へ導入する酸性水とアルカリ水とを切り替えることができるので、次亜塩素酸が含まれる酸性水を畜舎2内に散布して殺菌を行った後に、酸性水と共に等分分離生成されOHラジカルを含むアルカリ水に切り替えて散布を行うことで、設備に付着した酸性水を中和することができ、酸性水による設備腐食を防ぐことができる。また、アルカリ水による細菌増殖抑制効果も得ることができる。
さらに、散布切り替え機構4により、アルカリ水だけを酸性水散布の前に散布することで、アルカリ水の洗浄効果により土壌や糞尿等に浸透し易い環境を得ることができ、酸性水による殺菌散布をより効果的に行うことができる。また、アルカリ水散布後のアルカリ条件下において、酸性水散布により酸性水に含まれる次亜塩素酸ナトリウムとアンモニア等の窒素系ガスとが酸化反応して無臭のクロラミンとなり、空気の脱臭効果を得ることができる。さらに、特殊な換気設備や空調設備を設ける必要が無く、設備コストを低く抑えることができる。また、散布によって電解水を直接振りかけるので、排泄物、土壌、構造物及び動物の体に付着しているウイルスや細菌を直接的に殺菌することができる。
また、散布するブロックを任意に切り替え可能であるので、電解水の生成量に制限があっても、生成量に応じてブロック毎に消毒を行い、畜舎2全体を効率よく消毒することができる。小型の電解水生成装置1であっても、規模の大きい畜舎2の消毒が可能になる。また、ブロック毎の散布量、散布回数及び散布時間、散布のブロックローテーション等を適宜設定することも可能になり、ブロック毎の汚れ・汚染度合い等に応じて効率的に電解水を使用することができる。
さらに、畜舎2の出入り口2aにも散布可能に散布配管網3が配設されているので、畜舎2に出入りする作業者、車両、納入品(但し水に触れて良い物)等を出入り口2aで殺菌することができる。また、アルカリ水の個別散布によって、出入りする車両等が酸性水により腐食することを出入り口2aで防ぐことができる。
また、散布配管網3に原水を導入可能とされているので、十分な水量の原水散布により、アルカリ水散布後などに一部残存する酸性水を洗い流すことができる。また、原水の散布を別途行うことで、水の気化熱を用いた畜舎内の冷却効果も得ることができる。さらに、原水に炭酸カリウムを添加可能であるので、飲料、接触等による障害は一切なく人畜無害の炭酸カリウムにより、残存する次亜塩素酸の中和と防錆皮膜形成とによる防錆効果を得ることができる。
また、散布配管網3の管内に圧縮空気を注入する管内ブロー機構として空気圧縮機CPを備えているので、酸性水ライン、アルカリ水ライン等の散布配管網3内に残留する酸性水、アルカリ水又は原水を圧縮空気で排除することができ、寒冷地等における管内凍結などを防止することが可能である。
このように、本畜舎消毒システムを、鶏舎に適用された鶏舎消毒システムとすることで、鳥インフルエンザウィルス等の効率的かつ低コストな殺菌処理が可能になる。
なお、上記酸性水、アルカリ水、原水散布による殺菌・消毒・防錆効果を維持するための散布粒子の大きさを、50μm以上とすることで、自然通風による粒子の拡散を防止し、所定の箇所での散布効果を維持することができる。また、1日の散布回数を5〜10回の範囲内で散布することが可能で、ある程度の浮遊ウイルス、細菌を空気中で補足し、さらに、床、土壌、糞尿、生体、建造物、設備等に付着して増殖・繁殖しようとするウイルス・細菌については、殺菌、消毒効果を高め、残存するウイルス、細菌に対して増殖の環境を与えない効果が得られる。
さらに、本畜舎消毒システムは、上述した電解水生成装置精製機能、貯留タンク、圧送ポンプ等を含む供給機能を持つ基本キットがあれば、後はブロックを増設し、各ブロック毎に電解水を畜舎2内に直接散布する方式であるため、特殊な換気設備や空調設備を設ける必要が無く、設備コストを低く抑えることができる。
また、本畜舎消毒システムでは、寒冷地において、酸性水ライン3aの配管、アルカリ水ライン3bの配管、原水ライン3cの配管及びブロック枝管内の残留水、微細な穴のノズル10に付着する水滴など、これらの凍結による事故防止、さらに管内残留水の凍結による噴霧不可の状態を防止するため、前記各系統水の噴霧終了後、各管内に空気圧縮機CPによるブロー用の圧縮空気を送り、各ライン3a、3b、3cの管末に取り付けたブロー用の電動バルブMa介して管内の残留水を排除することで凍結を防止することができる。
次に、上述した各部の機能、目的及び動作について、さらに詳述する。
{本畜舎消毒システムの基本フロー機構}
本実施形態の畜舎消毒システムでは、上述したように、図1及び図2に示すように、原水を給水ライン5の配管によりフィルタFを介し、電解水生成装置1に導入し、当該装置により少量の食塩を添加した原水を電気分解し、酸性水(次亜塩素酸含有)とアルカリ水との電解水に分離し、それぞれ、酸性水貯留タンクT0、アルカリ水貯留タンクT1に貯留する。また、原水は、直接給水ライン5の配管より原水貯留タンクT2に貯留する。
貯留された酸性水は、耐酸製の酸性水圧送ポンプP0によりフィルタFを介して畜舎2内に配された酸性水ライン3aの主管に、またアルカリ水は、アルカリ水圧送ポンプP1により、フィルタFを介し畜舎2内に配されたアルカリ水ライン3bの主管に、原水は原水圧送ポンプP2によりフィルタFを介し畜舎2内に配された原水ライン3cの主管に、それぞれ供給される。
上記原水ライン3cの主管には、炭酸カリウム添加のための薬注ポンプである炭酸カリウム添加装置TCの配管が接続されている。また、凍結防止ブロー用の空気圧縮機CPは、電動バルブMb群を介して各ライン3a、3b、3cの主管に接続されている。さらに、各ライン3a、3b、3cには、各ポンプへの逆流防止電動バルブMcが設けられている。そして、各ライン3a、3b、3cの主管の管末には、ブロー用電動バルブMaが設けられている。また、各ライン3a、3b、3cの主管は、鶏舎である畜舎2内の各ブロック毎にノズル付き横主管等の供給用の配管がなされている。そして、各ライン3a、3b、3cの各管末に設置した供給機構の電動バルブMのバルブ群の開閉により、酸性水、アルカリ水、原水のいずれかを選択して、ノズル付き横枝管24に供給し、畜舎2内のブロック毎に噴霧が行われる。
ブロック内には、畜舎2内の任意の箇所を手動で清掃、消毒を行うことのできる消毒機構として手動用ライン20が設けられている。ブロック内の上記横主管及び手動用ライン20の管末には、管内残留水ブロー用の電動バルブMaが設けられている。この管内残留水ブロー用の電動バルブMaは、凍結防止及び次の噴霧条件を容易にするため、たとえばアルカリ水噴霧から酸性水噴霧に切り替わった時に時間をおかずに酸性水が噴霧できる状態を作るため、前回噴霧の管内に残留するアルカリ水を排除する装置として用いられる。
{原水、フィルタ、電解水生成装置、貯留タンクの機構}
本システムに使用する原水は、水道水を含む、水道水の水質基準に適合する井水及び、河川水で水道水の水質基準に適合しない場合は、前処理を行うものとし、給水ライン5の配管よりフィルタFを介し、原水中のゴミが除去される。なお、フィルタFの濾過程度は、200メッシュとする。また、フィルタFは、2個並列設置し、汚れの程度により切り替え清掃可能な機構を有し、交互に使用可能である。さらに、フィルタFの濾材はカートリッジ方式で、清掃して長時間使用に耐えるものとする。
濾過した原水は、2方向に分離され、1方向は、原水貯留タンクT2に導入される。原水貯留タンクT2は、当該タンクに付随する自動水位維持機能を備えたボールタップ原水装置(図示略)によって常時満水状態が維持されている。濾過した原水は、もう1方向として、電解水生成装置1に導入される。この電解水生成装置1において、少量の食塩(0.1%以下)が原水に混入され、電気分解により、この原水は次亜鉛素を含む酸性水とアルカリ水とに等分分離される。電解水生成装置1は、本システムの規模により、例えば毎分5L/min生成能力と、毎分10L/minのいずれかを選択可能である。
分離した酸性水は、上述したように、酸性水貯留タンクT0に貯留されると共に、アルカリ水は、アルカリ水貯留タンクT1に貯留される。各タンクに付随する液面制御機器(図示略)が、当該いずれかのタンク内の減水を感知し、補給のための運転指示により自動的に電解水生成装置1を稼働し、酸性水貯留タンクT0及びアルカリ水貯留タンクT1に等分の割合で供給する。なお、酸性水、アルカリ水いずれかの要求で稼働するため、バランスの関係で片方のタンクが満水状態にある場合は、満水状態のタンクは、自然にオーバーブローを行う。また、各タンクが減水した場合は、制御盤12に減水表示を行い、警報ブザーを発するように設定されている。なお、電解水生成装置1の故障の場合も前記同様の警報を発するように設定されている。
{酸性水圧送ポンプ、アルカリ水圧送ポンプ、原水圧送ポンプの供給機構}
酸性水貯留タンクT0と、アルカリ水貯留タンクT1と、原水貯留タンクT2とは、それぞれ供給に必要な耐酸性用酸性水自動原水圧送ポンプである酸性水圧送ポンプP0、アルカリ水自動原水圧送ポンプであるアルカリ水圧送ポンプP1、原水自動原水圧送ポンプである原水圧送ポンプP2に接続され、個々の要求に基づき自動運転が行われる。なお、これらポンプは、ノズル目詰まり防止のための上記フィルタFと同等仕様のフィルタFを介して、酸性水ライン3aの主管、アルカリ水ライン3bの主管、原水ライン3cの主管に、例えば常時0.6MPaの圧力を維持しながら供給するように設定されている。
上記各ラインの主管には、おのおの凍結防止機構に伴う圧縮空気の逆流防止のため、圧縮空気の逆流防止電動バルブMcが設けられている。上記各ポンプは、制御盤12の指示より、選択された酸性水電動バルブM、アルカリ水電動バルブM、原水電動バルブMのバルブ群の開閉に応じて自動運転される。
すなわち、散布が開始されたとすれば、アルカリ水ライン3bの主管内の圧力が低下し、圧力低下を感知したアルカリ水圧送ポンプP1は圧力を0.6MPaに維持するため、自動で運転を開始する。また、他の各ポンプの運転も同様におこなわれる。酸性水圧送ポンプP0、アルカリ水圧送ポンプP1、原水圧送ポンプP2が故障した場合は、制御盤12が、故障表示、警報ブザーを発するように設定されている。
{酸性水、アルカリ水、原水の選択機構}
酸性水、アルカリ水、原水のいずれかが制御盤12の指示により選択されると、所定の電動バルブM(酸性水電動バルブM、アルカリ水電動バルブM、原水電動バルブMのうち選択された水に対応するもの)のバルブ群の開閉が行われ、枝主管に導入された水は横枝管24のノズル10から噴霧される。
{畜舎の各ブロックにおける噴霧機構}
本システムにおける各ブロック内の散布機構の目的の一つは、アルカリ水を噴霧することにより、殺菌消毒の対象物、例えば細菌を保護している外膜をアルカリ水の強力な洗浄力で破壊することである。土壌及び糞尿の奥に潜むウイルス、細菌に対し、アルカリ水の洗浄力を生かした浸透性で道を開き、次に殺菌能力のある酸性水を噴霧することにより有効に殺菌、消毒を行うことができる。
二つめの目的は、建造物、飼育箱、飼育に必要な設備等で金属製で構成される部分が酸性水噴霧で腐食することを防止するため、酸性水噴霧の後、アルカリ水を噴霧して酸性水の影響を中和し金属製の腐食を防止し、さらにアルカリ水での中和後も残存する次亜塩素酸が金属を腐食することを防止するため、炭酸カリウムを含有する原水を噴霧し、次亜塩素酸を中和し、酸化防止皮膜を形成することである。
そのための散布の選択機構として電動バルブMのバルブ群のうち、酸性水、アルカリ水、原水のいずれかの電動バルブMを選択して開き、選択した酸性水、アルカリ水、原水のいずれかは、畜舎2の各ブロックの枝主管を通してノズル付き横枝管24に分岐され、それぞれのノズル10から噴霧される。
このシステムでは、開放形畜舎で自然通風の多い環境を考慮し、空気中の浮遊ウイルスや細菌を補足することが重点では無く、直接噴霧された環境、例えば飼育されている生体や飼育環境(建造物、土壌、糞尿等)を消毒することが主な目的であって、噴霧粒子も気流の影響を受けにくい50μm以上とし、ある程度浮遊するウイルスや細菌も補足できる限界を選定している。
ノズル10の間隔は、2〜3mの間隔で配置され、噴霧範囲に均等に噴霧するよう畜舎2の配置、規模等を考慮して複数個設計の上、設置している。
噴霧する水として、仮にアルカリ水とすればアルカリ水を噴霧した後、次の種別の異なる水として、仮に酸性水を噴霧しようとする場合、前回の残留したアルカリ水が全て噴霧により消滅した後、次の酸性水の噴霧が始まるのでは、ノズル10の1個当たりの噴霧用水量が平均0.3L/minであれば、管内の残留アルカリ水量を設置したノズル個数が複数あってもアルカリ水の管内残留水のパージに多大な時間を要し、本来の切り替えによる散布効果が達成できない恐れと、散布に要する時間が長くなる弊害がある。
このため、アルカリ水噴霧後に、各ライン3a、3b、3cにおける各ブロックの枝主管の管末に設置したブロー用の電動バルブMaを開放し、次の酸性水の圧送により管内のブローを行い、酸性水が充満した時間を見計らいブロー用の電動バルブMaを閉じ散布条件を維持する。なお、図1には図示されていないが、横枝管24は、当該配管の下に、管末の排水を容易にするためのループ配管がなされ、各枝横管24のループが統合され、ブロー用の電動バルブMaに接続されている。
畜舎2のブロック内自動噴霧以外に、床、建造物、設備等の特定箇所を清掃及び消毒できるよう、直接取り出し配管で、酸性水ライン3aの主管、アルカリ水ライン3bの主管、原水ライン3cの主管に清掃及び消毒のための消毒機構として枝管の手動用ライン20を各ブロックに設けると共に、各手動用ライン20に手動用バルブを設けている。
なお、各ブロックの選定、アルカリ水噴霧、酸性水噴霧、アルカリ水噴霧、原水噴霧のローテーション、各ノズル10の噴霧時間の設定、一日の噴霧回数、噴霧曜日、噴霧日の設定等は、制御盤12で行い、設定後は自動運転で行う。
{畜舎の出入り口の消毒システム機構}
畜舎2の出入り口2aには、その上部にも散布機構を設けている。この散布機構は、手動スイッチSで、酸性水、アルカリ水、原水の各選択用の電動バルブMのバルブ群を開閉し、出入り口2aでの噴霧水を選択するものである。なお、次工程散布に必要な管内残留水の排水は、手動バルブ操作により行う。
なお、人、車両、物品(濡れても良い物)等の洗浄消毒は、散布により消毒するには、死角が多く、完全に消毒するには難しい箇所が多い。したがって、本システムでは、酸性水ライン3a、アルカリ水ライン3b及び原水ライン3cより直接枝管(図示略)で酸性水、アルカリ水及び原水を導入し、洗浄、消毒できる消毒機構として手動用バルブが出入り口2aにも設置されている。
{散布ノズル機構}
各ブロックのノズル10は、図1においては、ブロック内に20個のノズル10を配置しているが、あくまで散布形態を例示したもので、実施にあたっては、畜舎2の建築構造、散布可能な散布配管の高さ、開放空間の状態、自然通風条件等を考慮して、ノズル10の能力や配置を選定する。なお、ノズル10は、強酸性水に腐食されるSUS製以外のセラミック製及び樹脂製の耐酸性ノズルを使用することが好ましい。
{凍結防止に必要とする残留水排除のための圧縮空気供給機構}
空気圧縮機CPは、例えばレシーバータンク内蔵形で、圧力が0.7MPaにセットされ、圧力低下による自動運転とされる。空気圧縮機CPは、酸性水ライン3aの主管、アルカリ水ライン3bの主管、原水ライン3cの主管に空気注入用の電動バルブMbのバルブ群を介して接続され、圧縮空気の注入は制御盤12の指示で空気注入用の電動バルブMbの開閉によって行われる。
{炭酸カリウム添加装置}
炭酸カリウムは、酸性水散布後にアルカリ水で中和した後、残留する次亜鉛素酸による金属類の腐食防止を目的として原水に添加されるものである。原水圧送ポンプP2の稼働と連動し、炭酸カリウム薬注入ポンプである炭酸カリウム添加装置TCが運転される。この際、原水内の炭酸カリウム濃度を一定に保つため、原水の流量に比例して、パルス方式で炭酸カリウムが原水ライン3cの主管に注入される。なお、炭酸カリウム添加装置TCには、炭酸カリウム貯留タンク(図示略)が付随される。
{寒冷地に於ける凍結防止機能}
制御盤12の凍結防止システムを操作により選択・指定すれば、寒冷地における噴霧用ノズル10の凍結防止及び管内残留水の凍結防止作動が起動するように設定されている。すなわち、ブロックのアルカリ水噴霧、酸性水噴霧、アルカリ水噴霧、原水噴霧の一連の噴霧サイクルが終了すると、自動的に、原水圧送ポンプP2の吐出側に設けられた逆流防止の電動バルブMcが閉じた後、原水ライン3cの主管に接続されている圧縮空気注入用の電動バルブMbのバルブ群が開放して、圧縮空気が、空気圧縮機CPより送られる。
同時に連動して、原水ライン3cの主管の管末に設けられた選択機構である電動バルブMが開放され、各ブロックの枝主管の管末に設けられているブロー用の電動バルブMaが噴霧サイクル終了時にすでに開放されているので、管内の残留水は自動的に排水される。次に、上記枝主管系統及び上記横枝管24の管内の残留水が排水完了後、枝主管管末ブロー用の電動バルブMaが閉じられる。
次に、ノズル10のポケット部分の残留水をノズル10から噴霧し、空気がノズル10より噴出するのを待って、上記選択機構の原水の電動バルブMを閉めると、連動してブロー用の電動バルブMaを開放、圧縮空気注入の電動バルブMbを閉め、その後、逆流防止の電動バルブMcを開ける。これにより当該ブロックの凍結防止対策を終了する。
同じサイクルで、各ブロックを一巡し、最後のブロックが終了すれば、次の散布ローテーションが始まるまでの間、長時間に渡り、残留水が凍結するのを防止するため、次の凍結防止工程を行う。すなわち、各ポンプ吐出側逆流防止の電動バルブMcのバルブ群が全て閉止されるのと連動し、各ライン3a、3b、3cの主管の管末、各ブロックの手動ライン20及び出入り口2aに設置したブロー用電動バルブMaが、散布切り替え機構4における各散布水の供給機構に近いブロック順に順次開放される。
開放完了と同時に、空気注入の電動バルブMbが開放され、全ての配管内の残留水が排水される。排水完了後は、空気注入の電動バルブMbが閉じ、次回噴霧開始までこの状態を維持する。次の噴霧工程の指示があると、各ポンプの吐出側の逆流防止用の電動バルブMcのバルブ群が開放され、各ライン3a、3b、3cの主管内に水が充満した時間を見計らって、各主管管末のブロー用の電動バルブMaを閉じ、合わせて各ブロック及び出入り口2aに付随する手動用ライン20におけるブロー用の電動バルブMaを閉じることで、ローテーションによる一連の噴霧が開始する。なお、これらの動作は、制御盤12で「凍結防止」の操作を選択することにより、一連の操作を制御盤12が制御して行う。
{制御盤及び動力盤の機能}
制御盤12は、自動制御の通常噴霧工程を選択すると、次のフロー順位で噴霧工程を開始する。
1)散布日の設定、散布時間の設定。
2)各ブロックの散布箇所の設定、散布開始ブロックの設定。
3)前回噴霧した管内の残留水が排除される時間を設定し、ブロー用電動バルブMaを閉止する。
4)選択機構であるアルカリ水用の電動バルブMは、管内残留水押し出し用に必要な量と噴霧に必要な時間(量)とを設定する。
5)噴霧終了後は、ブロー用電動バルブMaは開放する。
6)次の酸性水の噴霧時間(量)を設定。
7)酸性水の電動バルブM開に連動し、管内の前回散布のアルカリ水が酸性水により押しだされ管内の水が完全に入れ替わる時間を設定して、ブロー用の電動バルブMaを閉じるように設定。
8)2回目アルカリ水の噴霧時間(量)の設定。
9)アルカリ水の電動バルブM開に連動し、次の噴霧に移る準備作業として上記(4)項及び(7)項に記述する動作を繰り返し行う。
10)原水噴霧時間(量)の設定。
11)原水噴霧の電動バルブM閉に連動し、上記(4)項に記述する動作で一連のサイクルの噴霧工程が終了する。
噴霧工程を流れを整理すると次の通りである。
起動ボタンON → 噴霧日稼働 → 一日回数を含む設定時間に噴霧稼働 → アルカリ水の電動バルブM開 → アルカリ水の電動バルブM開に連動し、管内残留水ブロー完了後、ブロー用の電動バルブMa閉 → アルカリ水噴霧停止、アルカリ水の電動バルブM閉 → アルカリ水の電動バルブM閉に連動し、ブロー用の電動バルブMa開く → 同じ動作を、酸性水噴霧、アルカリ巣噴霧、原水噴霧と繰り返し → 最後の原水の電動バルブMが閉じた時点で、ブロー用の電動バルブMaを開放し、次のブロックの噴霧工程に移行する。
これらは設定後、自動的に制御盤12が制御を行う。
次に、制御盤12の凍結防止機能を選択すると次の工程が付加される。
ブロックの一連の噴霧サイクルが終了すると同時に、供給機構の原水圧送ポンプP2の吐出側に設けた逆流防止用の電動バルブMcが閉じられる。そして、逆流防止の電動バルブMcと連動し、選択機構の原水の電動バルブMが開放される。
ブロックのブロー用の電動バルブMaは、通常噴霧終了時点で既に開放されている、原水圧送ポンプP2に接続する原水ライン3cの主管に、空気圧縮機CPから空気注入の電動バルブMbを介して圧縮空気を注入し、原水ライン3cの主管、所定のブロックの枝主管及び横枝管24内の残留水の排水完了の時間を計り、枝主管の管末に設置したブロー用の電動バルブMaを閉じる。
圧縮空気は引き続き送られており、ノズル10のポケット部分の残留水が排除され、ノズル10から空気が吹き出す時間を見計らって、枝主管のブロー用の電動バルブMaを開放、連動して空気注入用の電動バルブMbを閉止し、遅動して、供給機構の原水の電動バルブMを閉止する。最後に、これらの動作が完了した時点で、逆流防止の電動バルブMcを開放し、当該ブロックの噴霧工程が終了し、次のブロックの噴霧工程に移行する。
当該ブロックにおける凍結防止工程の流れを整理すると次の通りである。
上記標準噴霧工程終了後 → 原水圧送ポンプP2の逆流防止用の電動バルブMc閉 → 連動主管選択機構の原水の電動バルブM開 → 原水ライン主管接続の空気挿入用の電動バルブMb開 → 管内残留水排水終了後当該ブロックのブロー用の電動バルブMa閉 → ノズル10より、空気噴出後、当該ブロックのブロー用の電動バルブMa開 → 連動して、原水ライン3c空気注入用の電動バルブMb閉、→ 遅動して供給機構の原水の電動バルブM閉 → 遅動して、供給機構の原水圧送ポンプP2の逆流防止の電動バルブMc開 → 当該ブロックの凍結防止機能終了。
各ブロックを一巡し、次回噴霧まで長時間にわたり休止する場合、各ラインの主管の中の残留水の凍結を防止するため、引き続き次ぎの凍結防止対策を実施する。
各ブロック一巡の噴霧サイクル終了と同時に、供給機構の各ポンプP0、P1、P2の吐出側に設けられた逆流防止用の電動バルブMcのバルブ群が閉止後、連動して、各ライン3a、3b、3cの主管の管末及び出入り口2aに設けられている手動用ライン20の供給機構に近いブロックからそれぞれに付随するブロー用電動バルブMaのバルブ群(但し、各ブロック横主管のブロー用電動バルブMaを除く)を同時に開放し、遅動して、各ラインの主管に接続した圧縮空気注入の電動バルブMbのバルブ群を同時に開き、残留水を排水する。これらは、供給機構に近い順から順次選択して行われる。
全ての管内の排水の終了する時間を設定して圧縮空気注入の電動バルブMbのバルブ群を閉じ、次の噴霧要求の時間まで待機する。次の噴霧要求指示で噴霧が開始した場合は、供給機構の各ポンプ逆流防止用の電動バルブMcのバルブ群が開き、各ラインの主管内に各水量が充満する時間を設定し、上記要求のあったブロー用の電動バルブMaのバルブ群が閉じられ、満水の状態から凍結防止機能を維持した噴霧サイクルが開始される。
以上の凍結防止の流れを整理すると次の通りである。
ブロック群の一巡噴霧サイクル終了後、選択順の各ブロック、出入り口の主管管末に付随する全てのブロー用の電動バルブMa(但し、各ブロック横主管のブロー用電動バルブMaを除く)を開放 → 連動して各ポンプの吐出側の逆流防止用の電動バルブMc群を全て閉 → 遅動して圧縮空気注入の電動バルブMb全て開 → 管内残留水ブロー完了と共に圧縮空気注入の電動バルブMb全て閉 → 全てのブロック、出入り口が順次完了した時点で次の散布サイクル開始まで待機 → 次の散布サイクル開始の指示と共に上記各ポンプの逆流防止用の電動バルブMc全て開 → 送水開始 → 各ラインの主管内に水が充満完了 → 充満後上記指定した全てのブロー用の電動バルブMa群が閉 → 各ブロックの凍結防止機構に伴う噴霧サイクルを開始する。
{各ブロックの構成}
図1に示す各ブロックA〜Hは、あくまでブロックの形態を例示するもので、畜舎2の建築の形状、規模、及び別棟を含む設置条件に合わせ設計され決定される。なお、噴霧したいブロックは、任意に制御盤12で指定することができる。また、指定したブロック内のアルカリ水噴霧、酸性水噴霧、アルカリ水噴霧、酸性水噴霧、原水噴霧の1工程を終了すると、自動的に指定した次のブロックに移動し、各噴霧を繰り返すように設定されている。
指定したブロックを一巡すると、指定した次の噴霧時間まで待機状態を維持する。なお、ブロックを形成することで、以下の利点がある。
1)大機規模畜舎を一度に噴霧消毒する設備と比べ、範囲を限定し小規模の噴霧消毒設備で済み供給設備が低コストで済む。
2)ブロックの供給配管網を追加するだけで、大規模畜舎の対応ができ、合わせてブロックの増設に要した費用のみを追加するだけで、大規模畜舎ほど設備単価が安くなる。なお、ブロック内の清掃、消毒を手動で行う手動用ライン20は、各ブロック毎に設置されており、図示されていない手動用バルブを介して任意に使用することが出来る。
次に、本実施形態の畜舎消毒システムを構成する機材及び機器の特性について説明する。
{配管材料、及び支持金物}
全ての配管材料は、使用する継ぎ手類を含め、腐食性及び衝撃性に優れた耐衝撃塩化ビニル管(HIVP)などを使用する。なお、直管部分の接続を除き、分岐部分の加工、ノズル取り付け部加工、バルブ取り付け加工等は、工場における部材加工とし、加工後は管内をクリーニングし、異物の無いように及び異物が混入しないように養生を行い、現場での組み立て作業が短時間で行えることを特色としている。同じく、支持金物も工場での部材加工を重点に行い、現地加工は建築構造物の取り合い部分の支持用金物取り付け作業のみに限定し、短期工程で施工できるよう考慮している。
{電動バルブ}
酸性水ライン3aに接続する電動バルブMとしては、例えば耐酸性ケミカル玉型バルブが採用される。また、アルカリ水ライン3b及び原水ライン3cに接続する電動バルブMとしては、例えばSUS製玉型電動バルブが採用される。さらに、各ブロックの管末に設けられたブロー用の電動バルブMaは、アルカリ水、酸性水混合の水を排出するため、例えばケミカル玉型電動バルブが採用される。なお、電動バルブを採用する理由は、比較的高圧の水、空気を使用するため、バルブ開閉の遅動性を利用し、関係設備の衝撃による破損を防止するためである。
{手動バルブ}
酸性水ライン3aに使用する手動バルブは、例えばケミカルボールバルブを使用し、アルカリ水ライン3b及び原水ライン3cに使用する手動バルブは、例えばSUS製ボールバルブを使用する。
{水フィルタ}
電解水生成装置1及び原水貯留タンクT2に接続する原水ライン3cの供給系統の配管には、水フィルタFが途中に設けられている。また、各供給ポンプ以降の酸性水ライン3aの主管、アルカリ水ライン3bの主管及び原水ライン3cの主管にもそれぞれ水フィルタFが途中に設けられている。これら水フィルタFのケーシングは、耐酸性の塩化ビニル製で耐圧1MPaとされ、内部の濾材としては、例えば200メッシュ以上のゴミを捕集する能力を持つ樹脂製濾材のフィレドン(登録商標)を使用し、洗浄、再使用に耐えるものである。
水フィルタFの設置箇所は、2個単位で設置し、当該設備が稼働中であっても、これらを交互に切り替えて使用可能で、濾材の洗浄及び交換を容易にしている。原水ライン3cの導入系統に設置する水フィルタFは、電解水生成装置1を保護する目的で設置するが、酸性水ライン3a、アルカリ水ライン3b及び原水ライン3cの供給系統に設置する水フィルタFは、畜舎2の横枝管24のノズル10の詰まりを保護する目的で設置する。
{電解水生成装置}
水道水の水質基準を満たした原水は、水フィルタFを介して、電解水生成装置1に導入され、さらに食塩が混入されて0.1%以下の食塩水とされ、電気分解により酸性水とアルカリ水に等分に分離される。この際、食塩水の濃度を任意に変更することにより、強酸性水、強アルカリ水から弱酸性水、弱アルカリ水までpH調整されて生成することが可能である。
本システムに使用する電解水の生成能力は、通常、毎分5Lで酸性水、アルカリ水を等分に生成可能である。なお、畜舎2の規模及び、顧客の要望により毎分10L生成の装置も選択可能となっている。電解水生成装置1は、上述したように、酸性水貯留タンクT0、アルカリ水貯留タンクT1のいずれかの液面制御装置の減水指示により自動運転を行う。また、電解水生成装置1は、故障した場合は、故障の警報を制御盤12に送る監視機能を具備する。なお、電解水生成装置1は、雨水を防ぐ屋根付きの場所にコンクリート基礎の上、アンカーボルトにより固定する。
{酸性水貯留タンク、アルカリ水貯留タンク、原水貯留タンク}
各貯留タンクは、例えばFRP製タンクで実貯留容量は3tonである。また、酸性水貯留タンクT0内の液面制御装置は、例えば外面をビニル系のコーティングした水銀接点内蔵型のフロ−トを使用し、同じく減水警報もフロートスイッチで行う。また、アルカリ水貯留タンクT1の液面制御は、例えば4Pの電極棒で制御し、合わせて減水警報も行う。
原水貯留タンクT2は、例えばボールタップ原水装置で液面制御を行い、減水警報は、2P電極棒で行う。これらの貯留タンクには、鍵付き点検口、昇降ハシゴ、オーバーブロー管、バルブ付き排水管、原水口、供給口がそれぞれ設けられている。また、これら貯留タンクは、例えば亜鉛どぶ付けのアングルL=75×5mm製の架台上に設置し、屋外、屋内を問わずコンクリート基礎の上に堅固に固定されている。また、架台の中にはそれぞれの供給ポンプ、フィルタ、逆流防止電動バルブ、圧縮空気注入電動バルブ等がセットされている。
{酸性水圧送ポンプ、アルカリ水圧送ポンプ、原水圧送ポンプ}
酸性水圧送ポンプP0は、例えばダイヤフラム形耐酸性ケミカルポンプで2台一組がセットされ、インバーター制御で交互運転を行う。また、酸性水圧送ポンプP0は、樹脂製の空気糟を持ち、空気糟内の圧力を感知して、ポンプを駆動する一連の自動運転に必要な制御盤を具備している。なお、ポンプに使用する電動機は、全閉外扇型を使用し、雨水に耐えるものである。
アルカリ水圧送ポンプP1及び原水圧送ポンプP2は、一般に使用されている自動原水圧送ポンプユニットで、いずれもインバーター方式、自動交互運転、圧力感知による自運転を行う。また、いずれのポンプも制御盤12による故障警報装置を持ち、制御盤警報を送ることができる。さらに、いずれのポンプも、例えば供給圧力0.6MPa、水量毎分100Lに設定されている。なお、各ポンプはそれぞれの貯留タンクの架台にセットする。
{炭酸カリウム添加装置}
炭酸カリウム添加装置TCは、原水ライン3cの主管であって逆流防止の電動バルブMc以降に注入口を設け、例えばSUS製チャッキバルブを介して接続されている。この炭酸カリウム添加装置TCは、原水圧送ポンプP2の起動に連動し、原水の流量に比例してパルス方式で注入を行う。また、炭酸カリウム添加装置TCは、炭酸カリウム貯留タンク(図示略)を保持している。なお、炭酸カリウム添加装置TCの設置場所は、例えば原水貯留タンクT2の架台の中である。
{凍結防止用の空気圧縮機}
本システムは、水を用いた噴霧システムであるため、寒冷地では管内の水、微細なノズル10の穴に付着する水滴等凍結を防止する機構が必要となる。そこで、本システムでは、上述したように、管内及びノズル10の残留水を圧縮空気を注入し、排水する空気圧縮機CPを備えている。
設置する空気圧縮機CPは、例えばアルカリ水貯留タンクT1の架台内にセットする。また、空気圧縮機CPは、管内残留水のブローに必要する充分な空気量を確保するためレシーバータンク(図示略)を備え、例えば空気供給圧力を常時0.7MPaに保持するように設定されている。なお、空気供給圧力を0.7MPaに保持する理由は、水系統の供給圧力が0.6MPaであることを考慮し、バルブ故障によって生じる水の逆流による空気圧縮機CPへの影響を防止するためである。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、電解水生成装置1で生成したアルカリ水を畜舎2内の家畜に健康維持用の飲用水として与えるため、散布配管網3の一部を家畜用飲用水容器等に配しても構わない。なお、このアルカリ水は、飲用に適したpH7〜9に調整されて提供される。
また、鶏舎の場合、出荷する鶏卵を電解水生成装置1で生成したアルカリ水で洗浄するため、散布配管網3の一部を鶏卵容器等に配しても構わない。これにより、鶏卵に付着した細菌を洗い流すと共に細菌の増殖を抑制することができ、衛生的な鶏卵を出荷することが可能になる。
また、供給する原水として水道水を原料とすることが好ましいが、上述したように、飲料に適する水質基準であれば、井水、河川水などを用いても構わない。
また、上記実施形態の畜舎消毒システムは、上述したように、鶏舎の消毒システムに採用することが好適であるが、他の畜舎に採用しても構わない。例えば、豚舎や牛舎に採用してもよい。
また、上記原水散布の際、上述したように、炭酸カリウム添加装置TCにより原水に炭酸カリウムを添加することが好ましいが、炭酸カリウムを添加しない原水を散布しても構わず、炭酸カリウムの添加の有無は任意に設定可能である。
また、出入り口2aのラインにブロー用のコンプレッサ(空気圧縮機)を別途設けて管内の水を排水するようにしても構わない。
本発明に係る畜舎消毒システムの一実施形態において、システム全体の構成及び配管を示す上面図である。 本実施形態において、主に散布切り替え機構における供給機構を示す配管図である。
符号の説明
1…電解水生成装置、2…畜舎、2a…畜舎の出入り口、3…散布配管網、3a…酸性水ライン、3b…アルカリ水ライン、3c…原水ライン、4…散布切り替え機構、5…給水ライン、10…スプレーノズル、12…制御盤、13…動力盤、C…制御部、CP…空気圧縮機(管内ブロー機構)、A〜H…ブロック、M…各散布水の電動バルブ、Ma…ブロー用の電動バルブ、Mb…圧縮空気注入の電動バルブ、Mc…逆流防止用の電動バルブ、P0…酸性水圧送ポンプ、P1…アルカリ水圧送ポンプ、P2…原水圧送ポンプ、T0…酸性水貯留タンク、T1…アルカリ水貯留タンク、T2…原水貯留タンク、TC…炭酸カリウム添加装置、S…手動スイッチ

Claims (9)

  1. 原水を電気分解により酸性水とアルカリ水との電解水に分解して分離する電解水生成装置と、
    畜舎内に配管され少なくとも前記酸性水又は前記アルカリ水が導入されて前記畜舎内に散布可能な散布配管網と、
    前記電解水生成装置と前記散布配管網とに接続され前記散布配管網へ導入する前記酸性水と前記アルカリ水とを切り替え可能な散布切り替え機構と、を備えていることを特徴とする畜舎消毒システム。
  2. 請求項1に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記原水が、塩素を含むものであることを特徴とする畜舎消毒システム。
  3. 請求項1又は2に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記畜舎が複数のブロックに区画され、
    前記散布配管網が、前記ブロック毎に散布可能に配管され、散布する前記ブロックを任意に切り替え可能とされていることを特徴とする畜舎消毒システム。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記散布配管網が、前記畜舎の出入り口にも散布可能に設けられているを特徴とする畜舎消毒システム。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記散布切り替え機構が、前記散布配管網に前記酸性水及び前記アルカリ水とは別に前記原水を導入可能とされていることを特徴とする畜舎消毒システム。
  6. 請求項5に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記散布切り替え機構が、前記原水に炭酸カリウムを添加可能な炭酸カリウム添加装置を備えていることを特徴とする畜舎消毒システム。
  7. 請求項5又は6に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記散布切り替え機構が、前記アルカリ水、前記酸性水、前記アルカリ水、前記原水の順で前記散布配管網へ導入し、散布を行うことを特徴とする畜舎消毒システム。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記散布配管網の管内に圧縮空気を注入する管内ブロー機構を備えていることを特徴とする畜舎消毒システム。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の畜舎消毒システムにおいて、
    前記畜舎が、鶏舎であることを特徴とする畜舎消毒システム。
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