JP2009033746A - 無線メッシュネットワークにおけるトラフィックロードに基づいて適応的にスループットを高める方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】無線ネットワークにおいて適応的にデータスループットを高める方法を提供する。
【解決手段】該方法は、フレーム毎にタイムウィンドウを予め定義して、ネットワークにおけるアクティブノードがデータ送信前にデフォルトチャネルでシグナリング交換を行うのに使用するステップと、上述アクセスウィンドウ内で、ネットワークにおける全てのノードがデフォルトチャネルにスキップしてセンシングを行うステップと、上述アクセスウィンドウ内で、アクティブノードはデフォルトチャネルにおいてその宛先ノードとの間でアクセスしてデータ通信を行うチャネルに対してネゴシエーションを行うステップと、チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードとのペアは選定した通信チャネルにスキップしてデータ通信を行うステップとを含む。
【選択図】図5
【解決手段】該方法は、フレーム毎にタイムウィンドウを予め定義して、ネットワークにおけるアクティブノードがデータ送信前にデフォルトチャネルでシグナリング交換を行うのに使用するステップと、上述アクセスウィンドウ内で、ネットワークにおける全てのノードがデフォルトチャネルにスキップしてセンシングを行うステップと、上述アクセスウィンドウ内で、アクティブノードはデフォルトチャネルにおいてその宛先ノードとの間でアクセスしてデータ通信を行うチャネルに対してネゴシエーションを行うステップと、チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードとのペアは選定した通信チャネルにスキップしてデータ通信を行うステップとを含む。
【選択図】図5
Description
本発明は、無線メッシュネットワークにおいてデータトラフィックがダイナミックに変動する場合に高いデータスループットを取得する方法に係り、特にメディアアクセス制御(MAC)においてシステムのデータトラフィックによって適応的にネットワークシステムのスループットを高める方法に関する。
近来、無線メッシュネットワーク(WMN)を無線ネットワークのバックボーンにして、無線リンクを通じて各無線LANを一つの統一されたネットワークに接続することが既に提出されている。I.F. AkyildizとX. Wangの発表した「A survey on wireless mesh networks」の論文(IEEE Radio Communications, pp. 23−30, Sep. 2005を参照)ではこれについて記述している。基幹リンクで合成されたデータトラフィックの相似特徴によって、WMN設計において、主な問題の一つはどのようにデータトラフィックのジッタがより高い場合に効率的で確実なデータ伝送を提供するかである。このような高いジッタのデータトラフィックによって無線ネットワークシステムのロードがある場合にはゼロに近くなり、ある場合には非常に大きくなる。そのため、データトラフィックがダイナミックに変動する場合により高いデータスループットを取得する必要がある。
現在、WMNのデータスループットを高める伝統的な方法として、IEEE 802.11標準のad hocモードでマルチチャネル機能を追加することによって実現している。制御情報のシステムにおける伝送方法によって、従来の技術は二種類に分けられる。一つは個別制御チャネルに基づいてシステムデータスループットを高める方法であり、もう一つはアクセスウィンドウに基づいてシステムデータスループットを高める方法である。個別制御チャネルに基づく方法は一つの個別制御チャネルにおいて、シグナリングの伝送を行う。アクセスウィンドウを採用する方法は各フレームにおける一つの予め定義されたタイムウィンドウ内で、一つのデフォルトチャネルを通じてシグナリング交換を行う。後者に対して、該当タイムウィンドウをアクセスウィンドウ(AW)と呼ぶ。伝統のWMNにおけるMACプロトコルは統一に802.11s類プロトコルと呼ばれ、標準化段階にある。
現在既存のMAC方法は主にどのようにマルチチャネルの環境でチャネル間のアクセスを協調するのか、例えば、マルチチャネル状態における隠れ端末問題に関係し、MACプロトコルの動的に変更するトラフィックロードに対する適応能力をどのように高めるかについてはあまり注目してない。実際に、現在のMACプロトコルにおけるトラフィックロードの適応能力の不足によって、高度に動的なトラフィック環境でネットワークスループットの向上が大きく制限されている。具体的には、アクセスウィンドウに基づくプロトコルタイプに対して、AWのサイズはシステムによって定義される、フレーム毎に固定された静的パラメータである。データトラフィックはフレーム毎に動的に変化しているため、該AWのサイズを正確に設定することは難しい。一方、AWの設定が小さ過ぎると、該アクセスウィンドウの長さが足りなくなり、引き続きのデータ伝送ウィンドウにおいて空いている時間があるにもかかわらず、本フレームのアクティブノード全てがチャネルアクセスすることができなくなる。一方、AWの設定が大きすぎると、後に続くデータ伝送ウィンドウの長さが圧縮される。この場合、全てのアクティブノードがチャネルにアクセスできるが、データ伝送に必要な充分の時間が取得できない。
現在のプロトコルにおいて、AWのサイズが静的であるため、これを利用して全てのフレームにおけるアクティブノードのアクセスとデータ伝送のニーズを満足させることができない。これによって、以上の二種類の場合ともシステムのスループットを制限する。
AWのサイズが静的である原因以外に、現在のプロトコルの中でシステムスループットを制約する要素はチャネルアクセスとデータ伝送が時間上順番に行われることである。マルチチャネル隠れノードの問題を解決するために、アクセスウィンドウにおいてチャネルのアクセスはただいずれかデフォルトチャネルだけを占用すればいいが、既にチャネルアクセスを完成したノードもこの場合はその他のアイドルチャネルにスキップして通信することができない。アクセスウィンドウが終わった後に、全ての既にアクセスしたノードは選定されたチャネルにスキップしてデータ伝送を行うことができる。ここから分かるように、該制限によってシステムスループットを直接低減させ、特にアクセスウィンドウがより大きいとき、即ち、システムのトラフィックロードがより大きい時に顕著である。類似する問題は個別制御チャネルに基づくプロトコルにも存在する。例えば、個別制御チャネルではデータ伝送ができなく、シグナリングパケットの長さが小さい場合、制御チャネルは常にアイドル状態である。
以下、現在無線メッシュネットワークにおけるマルチチャネルMACプロトコルの現状について説明する。該分野の初期作業は主に制御チャネルのアクセス機制に集中されている。S. L. Wu, C. Y. Lin, Y. C. TsengとJ. P. Sheuの発表した「A new multi−channel MAC protocol with on−demand channel assignment for multi−hop mobile ad hoc networks」の論文(in Proc. International Symposium on Parallel Architectures, Algorithms and Networks (ISPAN), 2000を参照)における動的チャネル割当プロトコル(DCA)では一種のオンデマンドに基づくチャネル動的割当方法を提出した。該方法は一つの専用のシグナリングチャネルを要求する。又、マルチチャネルの隠れノード問題を解決するために、各ノードは二セットの送受信機を具備することが要求され、一セットの送受信機はデータチャネルのデータ通信に使用され、もう一セットの送受信機は常にシグナリングチャネルをモニタリングする。M. BenvenisteとZ. Taoの発表した「Performance evaluation of a medium access control protocol for IEEE 802.11s mesh networks」の論文(in Proc. IEEE Sarnoff Symposium, 2007を参照)では共通制御チャネル(CCC)プロトコルを提出した。該プロトコルでは一種の柔軟なメディアアクセス制御構造を定義し、あらゆるセットを有する送受信機(例えば、一セット、1.5セット、或いは2セット及び以上)のノードと通信するためのである。CCCプロトコルとDCAプロトコルは類似するところがあるが、CCCプロトコルはシングルチャネルの環境では802.11eにおけるEDCAモードに退化される。
近年来、該分野の研究重点は既にアクセスウィンドウに基づくメディア制御プロトコルに遷移し、これは該タイプのプロトコルは各ノードが一セットの送受信機を具備することのみを要求するからである。J. Soと N. Vaidyaの発表した「Multi−channel MAC for ad hoc networks: handling multi−channel hidden terminals using a single transceiver」の文章(in Proc. ACM MobiHoc’04, Roppongi, Japan, May 24−26, 2004)ではマルチチャネルメディアアクセス制御(MMAC:Multi−channel MAC)方法を提出している。該方法で、各フレームにおいて一段の固定されたアクセスウィンドウを利用して、各アクティブノード間のチャネル割当を協調する。マルチチャネルの隠れノードの問題を避けるために、データ伝送はAWの終わった後に発生する。このタイプの方法に対して、H. Woesner, J. Ebert, M. SchlagerとA. Woliszの発表した「Power−saving mechanisms in emerging standards for wireless LANs: the MAC level perspective」の文章(IEEE Personal Communications, June 1998を参照)ではシミュレーションを通じてアクセスウィンドウのサイズの設定がシステムスループットに影響するキーとなる一つの要素だということを指摘している。
このような静的のアクセスウィンドウ問題を解決するために、J. M. Choi,Y. B. KoとJ. H. Kimの発表した「Enhanced power saving schemes for IEEE 802.11 DCF based wireless networks」(in Proc. IFIP Personal Wireless Communications (PWC03)), 2003を参照) ではTIPSプロトコルを提出し、該プロトコルによって、AWのネットワークにおけるデータトラフィックに対する一定の適応性を提供できる。TIPSプロトコルで、AWウィンドウは二段に分けられる。若し、第一段でいずれかチャネルアクセス請求が提出された場合、AWウィンドウは自動的に第二段の終わりまで延長され、更に多くのノードがチャネルアクセスできるようにする。逆に、若し、第一段でチャネルサクセス請求を受信しなかった場合、TIPSは現在フレームにチャネルアクセスを必要とするアクティブノードが無いとし、AWは第一段が終わったあと停止する。該プロトコルはON/OFFタイプのデータトラフィックしか区分できないため、それの提供するトラフィック適応性は限られている。
E. JungとN. Vaidyaの発表した「An energy efficient MAC protocol for wireless LANs」の論文(in Proc. IEEE INFOCOM, 2002を参照)では時間を検出・センシングすることによって動的にAWのサイズを変更させ、更によいデータスループットの適応性能を提供する。しかし、該方法はシングルホップ、シングルチャネルのシステム、即ちWLANだけに適用される。動的にAWのサイズを調整する方法とは違って、J. Wang, Y. Fang,とD. Wuの発表した「A power−saving multi−radio multi−channel MAC protocol for wireless local area networks」の論文(in Proc. IEEE INFOCOM’06, 2006を参照)では一種のPSM−MMAC方法を提出している。該方法において、AWはリアルタイムにアクティブノードに対して推定を行い、推定によってパラメータを調整して、システムのデータスループットとエネルギー利用効率を高める。
本発明は、無線メッシュネットワークにおいて、データスループットが動的に変動する場合、高いデータスループットを取得する方法を提供し、適応的にAWのサイズを調整することによって、システムデータスループットを高めることを目的とする。
本発明の一つの側面によると、無線ネットワークにおいて適応的にデータスループットを高める方法であって、
フレーム毎にタイムウィンドウを予め定義して、ネットワークにおけるアクティブノードがデータ送信前にデフォルトチャネルでシグナリング交換を行うのに使用するステップと、
上述アクセスウィンドウ内で、ネットワークにおける全てのノードがデフォルトチャネルにスキップしてセンシングを行うステップと、
上述アクセスウィンドウ内で、アクティブノードはデフォルトチャネルにおいてその宛先ノードとの間でアクセスしてデータ通信を行うチャネルに対してネゴシエーションを行うステップと、
チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードとのペアは選定した通信チャネルにスキップしてデータ通信を行うステップとを含む。
フレーム毎にタイムウィンドウを予め定義して、ネットワークにおけるアクティブノードがデータ送信前にデフォルトチャネルでシグナリング交換を行うのに使用するステップと、
上述アクセスウィンドウ内で、ネットワークにおける全てのノードがデフォルトチャネルにスキップしてセンシングを行うステップと、
上述アクセスウィンドウ内で、アクティブノードはデフォルトチャネルにおいてその宛先ノードとの間でアクセスしてデータ通信を行うチャネルに対してネゴシエーションを行うステップと、
チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードとのペアは選定した通信チャネルにスキップしてデータ通信を行うステップとを含む。
本発明によれば、動的アクセスウィンドウに基づくマルチチャネルMAC方法MMAC−DAWN(DAWN:動的アクセスウィンドウ)を提出している。各フレームにおけるAWサイズと該フレームにおけるアクティブノード数とを関連付ける。アクセス遅延タイマーを採用することによって、AWのサイズがフレームにおけるアクティブノード数と正比例に増える。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、以下に示す実施形態の説明を、以下のような添付図面と照らし合わせて読むと、より完全に明らかとなるであろう。
次に、本発明の実施例を図面を参照しながら詳しく説明する。本発明に対する理解を混乱させないために、本発明にとって必要でない細部及び機能を省略する。
本発明において、マルチチャネルに基づくMAC(MMAC)方法であって、無線ネットワークにおけるデータスループットによって、動的にアクセスウィンドウを変更する方法(MMAC−DAWN)を提出した。
タイムウィンドウAWは、フレームごとに予め定義されたものであって、データ送信前にデフォルトチャネルでシグナリング交換を行うことに使用される。本実施例によって、先ず、AWの効率を高めるために、適応的にAWのサイズを変更して、各フレームにおけるAWのサイズと該フレームにおけるアクティブノードの数とを関連付ける。アクセス遅延タイマーを採用することで、AWのサイズがフレームにおけるアクティブノードの数と正比例に増える。データトラフィックが非常に大きい極端の状況において、AWはデフォルトチャネルで全体フレームの時間を占用することができる。これによって、個別制御チャネルに基づくMACは本発明のMMAC−DAWNの高ロード状況での一つの特例になる。
又、MMAC−DAWN方法は、AW期間にデフォルトチャネルにおけるアクティブノードがチャネルアクセスすることと、その他のチャネルでデータ送信を行うこととをサポートする。このようなパラレルに発生するアクセス/伝送操作はチャネルの利用率を直接向上させることによって、システムスループットを高めた。この効果を実現するために、バックワードデフォルトチャネルセンシング技術を採用してマルチチャネルの隠れノード問題を解決する必要がある(後で記述する)。
マルチホップタイプの業務に対して、本実施例では滞留量に基づくアクセス優先度方法により異なるアクティブノードのAWに対するアクセス継続を制御する。該方法はマルチホップ業務における公平性を向上し、システム性能を高める。本実施例によって、マルチホップマルチチャネルWMNの環境で先ずデータトラフィックに対する適応性性能のプロトコルを考慮する。
以下、図1を参照しながら本発明の実施例によるマルチチャネルMAC方法のMMAC−DAWNのタイミング図について説明する。図1に示すように、本発明による方法で、等間隔の指示標識(beacon:ビーコン)によって時間を等長の間隔に分割し、該間隔は又フレームと呼ばれる。本発明において、若しノードaがノードbの信号を受信できれば、ノードaをノードbの隣接ノードと呼ぶ。隣接ノードは同じ時刻に同期される。
図2(a)、図2(b)に示すように、各フレームの開始は一段のアクセスウィンドウ(AW)と呼ばれる時間帯であり、該時間帯内で、ネットワークにおける全てのノードはあるチャネルにスキップしてセンシングを行う。簡略化するために、デフォルトチャネルをチャネル1とし(図1を参照)、普遍性を失わない。該アクセスウィンドウ内で、アクティブノード即ち送信しようとするパケットのあるノードはチャネル1でそれの宛先ノード即ちパケットを受信するノードとのデータチャネルのネゴシエーションを行う。そのネゴシエーションの結果、ソースノードと宛先ノードがあるチャネルを選定して、それをデータ通信を行う通信チャネルとする。
該目的を実現するために、ネゴシエーションが始まる時、ソースノードがARTSパケットを送信する。ARTSパケットを受信した宛先ノードは送信ソースノードにACTSフレームを送信する。ARTSフレームには宛先ノードの識別子、及びチャネルネゴシエーションのためのソースノード側の一部の情報(該情報内容については後で更に詳しく説明する)が含まれている。ACTSフレームにはソースノードの識別子及びチャネルネゴシエーションで選定されたチャネル番号が含まれている。チャネルネゴシエーションが完成されたら、該ソースノードと宛先ノードはすぐそれらによって選定されたチャネルにスキップしてデータ通信を開始する。各データパケットの伝送は送信要求パケット/受信準備完了パケット(RTS/CTS)仮想チャネル検出から開始し、一つの宛先ノードから送信した、データパケットに対するACK確認で終わる。
図1で示すように、第一ペアソースノードと宛先ノードはそれぞれのARTS1とACTS1を受信した後相応する通信チャネルを選定し(例えば、通信チャネルとしてチャネル2を選択)、チャネルネゴシエーションを完成する。その後、該ペアのソースノードと宛先ノードは選定した通信チャネル2で送信要求パケット/受信準備完了パケット(RST/CTS)を送信し、仮想チャネル検出を行う。ソースノードは宛先ノードにデータDATA1を送信する。宛先ノードはデータDATA1を受信した後、データパケット受信に対する確認(ACK)を送信する。
従来の技術におけるMMAC方法と違って、本発明によるMMAC−DAWN方法はメディアアクセス制御で二つの基本的な変更を行い、MACレイヤーのトラフィックに対する適応性を強化した。先ず、MMAC−DAWNにおけるアクセスウィンドウ(AW)の長さは各フレーム中のアクティブノードの数と関連つけられた変数である。アクセス遅延タイマーを導入することによって、AWのサイズはアクセスメディアの数と正比例する。該適応性は既存のMMAC方法におけるAWのサイズを設定する問題を避けた。又、本発明によるMMAC−DAWN方法で、AWは全てのアクティブノードが既にチャネルアクセスを完成したことを検出した後、停止する。そのため、チャネル1は該フレームの残り時間においてデータパケットの伝送に用いられる。例えば、図1に示すように、あるソースノードと宛先ノードとのペアがARTS4とACTS4を送信した後、ある所定の時間内でチャネルネゴシエーション情報を受信しなければ、データ通信を行っていいし、例えば、チャネルでデータDATA4を送信する。尚、本発明によるMMAC−DAWNにおけるアクセスウィンドウはデフォルトチャネルだけに作用する。即ち、伝統のMMAC方法でデータ通信はAWが終わった後になってから開始できることと違って、本発明のMMAC−DAWNにおいて、チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードとのペアはすぐ選定したチャネルにスキップしてデータ通信を行うことができる。このとき、その他のソースノードと宛先ノードとのペアはデフォルトチャネルでパラレルにチャネルネゴシエーションを行う。
本発明のMMAC−DAWN方法はバックワードのデフォルトチャネルセンシングを採用して、マルチチャネル隠れノード問題を解決した。即ち、後でチャネルにアクセスするノードが選定した通信チャネルにスキップしてデータ通信を行う時に主動的に先に該チャネルにアクセスしたノードと衝突することを避ける。該内容は後で更に詳しく説明する。
図2(a)と図2(b)は、従来のMMAC方法と本発明のMMAC−DAWN方法のチャネル利用率に対する模式図を示している。その中、図2(a)は、従来のMMACでのチャネルに対する利用状況を示している。図2(b)は本発明のMMAC−DAWNのチャネルに対する利用状況を示している。図2(a)において、各フレーム中のAWの長さは一定であり、ソースノードと宛先ノードとのペアが図2(a)に示すAW時間帯におけるシャドウ部分の時間帯でチャネルネゴシエーションを完成した後、AW時間帯の終わりまで待ってデータ通信を開始しなければならない。しかし、図2(b)で示す本発明のチャネルに対する利用状況では、チャネルネゴシエーションが終わったあと、予定時間が過ぎた後、ソースノードと宛先ノードのネゴシエーションが無いことさえ確定すれば、該チャネルを利用してデータ通信を行うことができる。このように、本発明のMMAC−DAWN方法はチャネル利用率を顕著に高めることができる。
本発明の実施例によって、各フレームで一つの完全なメディアアクセスプロセスにはAWでデフォルトチャネルにアクセスする;ソースノードと宛先ノードがデフォルトチャネルでチャネルネゴシエーションを行って、データ通信を行うチャネルを確定する;選定したチャネルにアクセスしてデータ伝送を行う。以下でこのプロセスを詳細に説明する。
1.デフォルトチャネルへのアクセス
トラフィック適応のアクセスウィンドウを実現するために、ネットワークにおける各アクティブノードはデフォルトチャネルへのアクセスに対してタイマーに基づく優先順位付きのCSMA(timer−based prioritized CSMA)方法を遵守する。該方法によって、AW期間において、各デフォルトチャネルでセンシングするアクティブノードはそれぞれアクセス遅延タイマーをメンテナンスしている。ネットワークにおけるあるアクティブノードiにとって、それのアクセス遅延タイマーの初期値は一つのランダムな正数
で、
は一つの定数であり、チャネルアイドル時の最大アクセス遅延を表す。ノードはチャネルアイドルを検出した時、タイマーが計時を開始し、チャネルビジーを検出した時タイマーは初期値
に設置される。
トラフィック適応のアクセスウィンドウを実現するために、ネットワークにおける各アクティブノードはデフォルトチャネルへのアクセスに対してタイマーに基づく優先順位付きのCSMA(timer−based prioritized CSMA)方法を遵守する。該方法によって、AW期間において、各デフォルトチャネルでセンシングするアクティブノードはそれぞれアクセス遅延タイマーをメンテナンスしている。ネットワークにおけるあるアクティブノードiにとって、それのアクセス遅延タイマーの初期値は一つのランダムな正数
実例として、タイマーはカウントダウン計時の方法を採用してもいいが、本発明はそれに限られない。具体的には、あるタイマーが0までカウントダウンした時、その相応するアクティブノードはチャネル1でARTSパケットを送信する。このような方法を通じて、各アクティブノードは各自の
のサイズ順番にデフォルトチャネルにアクセスする。若しチャネルアイドル後の
にARTSパケットがデフォルトチャネルで現れなかったら、全てのアクティブノードがデフォルトチャネルに対するアクセスを完成したと見なす。そのため、アクセスウィンドウは停止される。各アクティブノードのアクセス順番を制御するために、
のサイズは該ソースノードと宛先ノードで構成されるリンクの滞留パケット数
と反比例になるようにオフセットされ、以下の式(1)によって
を決定する。
ここで
はリンクバッファのサイズを表し、パケットを計量単位とする。
である。該設定を通じて、滞留パケット数がより多いリンクがより小さいアクセス遅延
を取得する。そのため、更に早くアイドルのデフォルトチャネルに反応し、ARTSパケット送信する。尚、
によるランダム効果は滞留パケット数が近いリンク間アクセスチャネルの衝突を減少することができる。
2.チャネルネゴシエーション
アクセスウィンドウで、バックワードデフォルトチャネルセンシング方法によってチャネルネゴシエーションができる。即ち、ARTS/ACTSパケットを遅く送信したノードは全ての前のその他のノードが送信したARTS/ACTSパケットをセンシングすることができる。前のノードのチャネルネゴシエーション結果がACTSパケットに含まれているため、前のノードのチャネル選択結果について後のノードは既知である。これらの前のノードのチャネル選択情報は後続のノードのチャネル選択の根拠になり、トラフィックロードの各チャネルでのバランシングを実現する。具体的には、ARTSパケットに含まれているソースノード側情報によって、二つの方法でチャネル間のロードバランシング、即ちノードバランシングとパケットバランシングを実現することができる。ノードバランシングはARTSパケットに何のトラフィック情報も含まれてない(例えば、現在フレームにおいて送信しようとするパケットの数)場合に適用される。この時、前のノードに最も少なく選択されたチャネルが、現在ノードにとって最高の選好性(preference)を持っている。一方、若し、ARTSパケットにロード情報が含まれていれば、ベアリングした前のノードのパケット数が最も少ないチャネルが現在ノードにとって最高の選好性を持っている。
アクセスウィンドウで、バックワードデフォルトチャネルセンシング方法によってチャネルネゴシエーションができる。即ち、ARTS/ACTSパケットを遅く送信したノードは全ての前のその他のノードが送信したARTS/ACTSパケットをセンシングすることができる。前のノードのチャネルネゴシエーション結果がACTSパケットに含まれているため、前のノードのチャネル選択結果について後のノードは既知である。これらの前のノードのチャネル選択情報は後続のノードのチャネル選択の根拠になり、トラフィックロードの各チャネルでのバランシングを実現する。具体的には、ARTSパケットに含まれているソースノード側情報によって、二つの方法でチャネル間のロードバランシング、即ちノードバランシングとパケットバランシングを実現することができる。ノードバランシングはARTSパケットに何のトラフィック情報も含まれてない(例えば、現在フレームにおいて送信しようとするパケットの数)場合に適用される。この時、前のノードに最も少なく選択されたチャネルが、現在ノードにとって最高の選好性(preference)を持っている。一方、若し、ARTSパケットにロード情報が含まれていれば、ベアリングした前のノードのパケット数が最も少ないチャネルが現在ノードにとって最高の選好性を持っている。
いかなる方法において、デフォルトチャネルを用いるノードロード又はパケットロードを、前のフレームの中でAWを減算した残りデータウィンドウが占める割合、即ちデータウィンドウとフレーム長との比で割ることによって、計算する。ソースノードは各チャネルでのロードのノード或いはパケットの数によって各チャネルに対して選好性ソートを行い、該チャネル選択選好性ソートリスト(CPL)はARTSパケットに含まれて宛先ノードに送信される。宛先ノードはARTSパケットを受信した後、J. SoとN. Vaidyaの「Multi−channel MAC for ad hoc networks: handling multi−channel hidden terminals using a single transceiver」(in Proc. ACM MobiHoc’04, Roppongi, Japan, May 24−26,2004を参照)で提出した方法によってソースノードのCPLとローカルのCPLとを比較し、最終的に選択チャネルを確定する。選択されたチャネルの番号はACTSパケットに含まれてソースノードに送信される。
3.選択チャネルへのアクセス
選択チャネルへアクセスする過程において、マルチチャネル隠れノード問題を避ける必要がある。本発明のMMAC−DAWN方法では、バックワードデフォルトチャネルでのARTS/ACTSパケットセンシングとRTS/CTSパケットに基づく仮想チャネル検出とを結合して該問題を解決する。具体的には、ARTSとACTSパケットに該リンクにおける各データパケットの送信時間長の情報、即ちパケット長さを送信レートで割る値を付加する。ソースノードが選択したデータ通信チャネルにスキップする前に、ずっと前のアクセスノードの送信したARTSとACTSパケットをセンシングしたため、それぞれの前のノードのパケット送信時間長はソースノードにとって既知情報である。該ソースノードはセンシングした同じチャネル(例えばチャネルn)にスキップするノード同士の最も長いパケット送信時間長を記録し、
と表記する。該値はチャネルn上の隠れノード保護時間と呼ばれる。ソースノードと宛先ノードがチャネルnにスキップしてから、ソースノードと宛先ノードの本フレームにおけるチャネルnでの停留時間は二つの時間帯に分けられる。第一時間帯は遷移段階(transient phase)と呼ばれ、ノードがチャネルnにスキップしてから該ソースノードがはじめてチャネルnビジーを検出するまで、或いは該ソースノードが継続してチャネルnが
時間長アイドル状態にあることを検出するまでの時間帯を含む。該時間帯の終点は上述の二つの場合のうち、どちらが先に発生するかによって決められる。第二時間帯は静止段階(stationary phase)と呼ばれ、遷移段階の終わりから該フレームの終わりまでの時間帯を含む。マルチチャネル隠れノード問題を避けるために、ソースノードは第一段階で沈黙を保持し、チャネルnを継続してセンシングする。第二段階で該ソースノードは標準的なRTS/CTS仮想チャネル検出方法によってデータパケットの伝送を行う。
選択チャネルへアクセスする過程において、マルチチャネル隠れノード問題を避ける必要がある。本発明のMMAC−DAWN方法では、バックワードデフォルトチャネルでのARTS/ACTSパケットセンシングとRTS/CTSパケットに基づく仮想チャネル検出とを結合して該問題を解決する。具体的には、ARTSとACTSパケットに該リンクにおける各データパケットの送信時間長の情報、即ちパケット長さを送信レートで割る値を付加する。ソースノードが選択したデータ通信チャネルにスキップする前に、ずっと前のアクセスノードの送信したARTSとACTSパケットをセンシングしたため、それぞれの前のノードのパケット送信時間長はソースノードにとって既知情報である。該ソースノードはセンシングした同じチャネル(例えばチャネルn)にスキップするノード同士の最も長いパケット送信時間長を記録し、
図3は、本発明の方法によってマルチチャネル隠れノード問題を効果的に解決することを説明する図である。図3に示すように、該実例において、該ソースノードcと宛先ノードdがチャネル2にスキップしようとするとき、ノードaがチャネル2で一つのデータパケットをノードbに送信している(図1を参照)。ノードcがノードaからより遠いため、aの出す信号をセンシングできない。それで、ノードcのチャネル検出結果はチャネル2がアイドルである。しかし、実際にノードbがノードaから送信した信号を受信しているため、若しノードcがすぐデータを送信し始める場合、ノードcからの信号はノードbでノードaからの信号と衝突が発生し、マルチチャネル隠れノード問題を起こす。しかし、本発明の方法によると、ノードcは自身或いはノードbからのCTSパケットをセンシングするまで、即ち、チャネル2がビジーになるまで、或いはノードcがチャネル2のアイドル状態が一つの隠れノードの保護時間
ずっと継続されることを検出したときまで沈黙を保持する必要がある。該CTSパケットはノードaがノードbに次のデータパケットを送信する前に行うRTS/CTSハンドシェイクプロセスからのものである。該実例において、ノードcの隠れノード保護時間はノードaのシングルパケットの送信時間長である。もう一つの可能性の発生はノードaがノードbに現在パケットを送信完了した後、この二つのノード間は送信しようとするデータパケットがないので、沈黙を保持する。この時、チャネル2は実際に既にアイドルになっている。どの場合にも、隠れノード問題を避けることができる。該実例の第二段階で、ノードcとdとがチャネル2における前のノードのバックオフメカニズムと同期を取っているため、残りの時間内で、標準のRTS/CTS仮想チャネル検出方法によって充分に隠れノード問題を避けることができる。
以上、シングルホップ場合にノードがネットワークにアクセスするプロセスについて説明した。マルチホップの無線メッシュネットワークにおいて、シングルホップのソースノードと宛先ノードとのペア以外に、一つのノードは図4(a)から図4(c)で示す三つの状況中の一つに属する。図4(a)は、あるノードを複数のリンクの共同宛先ノードとすることを示している。図4(b)は、あるノードを複数のリンクの共同ソースノードとすることを示す。図4(c)はあるノードを中継ノードとすることを示す。
図4(a)を参照して、あるノードを複数のリンクの共同宛先ノードとする場合を説明する。図4(a)に示すように、ノードaとbは同時にその共同の受信ノードcにデータを送信しようとする。現在のフレームにおいて、ノードaがまずノードcと接続を確立し、すでにチャネルネゴシエーションを完成したと仮定する。例えば、すでにチャネル2を選択してデータ通信を行い、ノードaとcはすでに通信チャネル2に遷移した。ノードbはバックワードARTS/ACTSパケットに対するセンシングによって、ノードcがすでに通信チャネル2に遷移したことをはっきり知っている。前述の方法と一致し、ノードcと接続するために、ノードbはまずデフォルトチャネルで一つのARTSパケットを送信し、引き続きデフォルトチャネルで又一つのACTS−TO−ITSELFパケットを送信することによって本来ノードcから送信すべきのACTSパケットを模擬する。該ACTS−TO−ITSELFパケットのフォーマットはACTSパケットのフォーマットと一致し、チャネル選択領域に含まれたのは現在ノードcの所在チャネル即ちチャネル2である。該パケットをセンシングしたその他のノードは該パケットをACTSパケットとして処理し、例えば、チャネル選択結果記録等の操作を実行する。ACTS−TO−ITSELFパケットを送信した後、ノードbはすぐ通信チャネル2に遷移し、前に説明したMMAC−DAWN方法における選択したチャネルへアクセスするステップによってノードcに対してデータ伝送を行う。この場合、各リンクが全て同じフレームにおいてデータ伝送を行うため、高いデータスループットとより低いパケット遅延が実現できる。
以下、図4(b)を参照して、あるノードを複数のリンクの共同ソースノードとする場合を説明する。図4(b)に示すように、ノードaはノードbとcに同時にデータを送信する必要がある。この場合に簡単な観察を通じて、MMAC−DAWN方法によると、リンクa→bとリンクa→cの通信とは同じフレームで行うことができないことがわかる。一般性を失わないために、リンクa→bが現在のフレームで先ず接続されたと仮定する。この場合、ノードaは現在フレームにおいてノードcと接続できない。説明すべきことは、ノードcは受信ノードであるため、ノードaがcと接続する前に、ノードcはノードaがそれにデータを伝送しようとすることを知らない。しかし、MMAC−DAWN方法で、各アクティブソースノードがAWにアクセスする順番と各リンク上の滞留パケット数が反比例するが、リンクa→bが本フレームでパケットの伝送を行うことにより滞留パケットの数が減少されるため、次のフレームでノードaは先にノードcと接続を確立する可能性があり、即ちリンクa→bでなく、リンクa→cであり、ノードcにパケットを送信することができる。これから分かるように、MMAC−DAWN方法は分散型の方法で共有ソースノードが複数リンク間で交互に行うパケット伝送を実現した。又、このようなリンク間で交互にパケットを伝送する方式はシステムスループットに何の損失も持ってこないが、パケットの平均遅延を増やすことが観察によって実証された。
以下、図4(c)を参照して、あるノードをネットワークにおいて中継ノードとする場合を説明する。図4(c)に示すように、ノードbはノードaとcの中継ノードであり、即ちノードbはリンクa→bの宛先ノードであり、リンクb→cのソースノードである。本発明のMMAC−DAWN方法のこの場合での動作は、前述の二つの場合の総合である。具体的には、若し、現在フレームにおいて、リンクb→cが先にデフォルトチャネルにアクセスすると、ノードaは依然として該フレームでノードbと通信を行うことができ、即ち図4(a)を参照して説明した場合と同様に、リンクa→bは同じフレームでチャネルアクセスすることができる。逆に、若しリンクa→bが先にデフォルトチャネルにアクセスすると、ノードbは本フレームでノードcと接続できない。このような場合、図4(b)を参照して説明した場合と同様に、リンクb→cは次のフレームでパケット伝送を行う。
以上の説明から分かるように、マルチホップアプリケーションシーンでMMAC−DAWN方法は、システムの高いスループットをとてもよく保持できるが、パケットの毎段リンクの平均遅延を増やす。
以下、図5を参照して、無線ネットワークで適応的にデータスループットを高める方法のフローを説明する。該当フローはネットワークにおけるノードがビーコン信号を受信し、新しいフレームを送信することから始まる。先ず、ステップS501において、ネットワークにおけるノードはデフォルトチャネルをセンシングし、シグナリング交換を行う。次に、ステップS502において、本ノードに送信しようとするデータパケットがあるかどうかを判断する。若し、ステップS502で送信しようとするデータパケットがあると判断したら、フローはステップS503に入る。ステップS503において、データパケットを送信しようとするソースノードと宛先ノードとの間でネゴシエーションを行い、ソースノードからチャネルアクセス送信請求(ARTS)パケットを送信する。その後、上述ARTSを受信した宛先ノードはステップS504でソースノードにチャネルアクセス送信許可(ACTS)パケットを送信し、これにより、ソースノードと宛先ノード間でチャネルネゴシエーションを行う。次に、ステップS505において、チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードはネゴシエーションしたチャネルにスキップする。その後、ステップS506において、ソースノードと宛先ノードはRTS/CTS/DATA/ACKのプロセスに基づいてデータ伝送を行う。一方、ステップS502で本ノードに送信しようとするデータパケットがないと判断した場合、フローはステップS507に入り、受信したARTSパケットに含まれている宛先アドレスと自分のアドレスが一致するかを判断することによって、受信しようとするパケットがあるか無いかを判断する。ステップS507で受信しようとするパケットがあると判断した場合、フローはステップS508に入る。ステップS508において、自分がデータパケットを受信すると判断したノードはデータパケットを送信しようとするソースノードとチャネルネゴシエーションを行い、ソースノードにACTSを送信することによって、ソースノードと宛先ノードとの通信チャネルを確定する。ステップS509において、チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードはネゴシエーションしたチャネルにスキップする。その後、ステップS510において、ソースノードと宛先ノードはRTS/CTS/DATA/ACKのプロセスに基づいてデータ伝送を行う。
又、若しステップS507で自分の受信しようとするデータパケットがないと判断した場合、フローはステップS511に入り、チャネルのアイドル継続時間がチャネルアイドルの最大アクセス遅延
に達したかを判断する。若し、チャネルアイドルが最大アクセス遅延に達してなかったら、フローはステップS501に戻って、デフォルトチャネルについて引き続きセンシングする。若し、ステップS511でチャネルアイドルが既に最大アクセス遅延に達したと判断すると、フローはステップS512に入り、該アクセスウィンドウを終了し、デフォルトチャネルをデータ伝送に使用する。
図6乃至9は、本発明による適応的にデータスループットを高める方法と従来のMMAC方法とを比較した技術効果の比較図である。これらの図は本発明のMMAC−DAWN方法がシングルホップの無線LAN(WLAN)とマルチホップネットワークにおける性能を示している。WLANの場合に、エリア内に50ペアのソースノードと宛先ノードを設け(全体ノード数は100)、且つ任意の一つのノードはその他のノードの送信範囲内にあり、即ち、ノード間でお互いに相手方の送信する信号が受信できると仮定する。システムの利用可能なチャネル数を5とし、各フレーム長さを10msとし、各フレームに100個のタイムスロットが含まれ、遅延タイマーの最大遅延パラメータは
であると仮定する。
データパケットの伝送に対して、一回の見事なRTS+CTS+DATA+ACK交換プロセスが10個タイムスロットを占用すると設定する。AWにおけるデフォルトチャネルへのアクセスに対して、一回の見事なARTS+ACTSハンドシェイクプロセスが2個タイムスロットを占用すると設定する。又、式(1)によってアクティブノードのチャネルアクセス遅延を与える。式(1)の各パラメータ設定は以下のとおりである。
は同じ確率で以下の数値中の任意の一つを取る:0、0.005、0.01、0.015、0.02、0.025、0.03、0.035。該設定は、実際にAWにおいて各タイムスロットを更に200個のサブタイムスロットに細分化したことに相当し、各サブタイムスロットは一つのARTSパケットのアクセス可能な時刻である。一つのARTSフレームが現在のタイムスロットで送信されたら、デフォルトチャネルは次のタイムスロットが終わるまでにビジーチャネルと見なされる。マルチホップネットワーク場合で、エリア内に30個のノードがあると設定し、ランダムに30個のノードから50ペアソースノードと宛先ノードリンクを選出する。このように、あるノードは異なるリンクでのソースノード、宛先ノード、或は中継ノードに繰り返して選択され、前に説明した三種マルチホップアプリケーションにおけるノード状況がランダムに現れる。
WLANのアプリケーションシーンにとって、システム指標はネットワークのスループットとパケットの平均遅延に関連する。マルチホップのアプリケーションシーンにとって、システム性能指標は主にネットワークリンクとスループット(シングルリンクでのスループットの総和)とシングルリンクのパケット平均遅延に関連する。
図6、7は、WLANの場合、本発明のMMAC−DAWN方法と従来のMMAC方法とによるシステムスループットとパケット平均遅延をそれぞれ示している。ここで、単位のトラフィックロードは、リンク毎、フレーム毎に生じる一つのデータパケットと定義されるか、或は50パケット/フレームの集成トラフィックに相当する。一つの所定のトラフィックロードに対して、MMAC方法の性能が主に設定したAWのサイズによるため、全ての可能なAWサイズを走査(traversal)することによって、所定のロードで最大スループットが得られる最適AWサイズを探し、それを該トラフィックでの最適AWと定義する。
図6に示すように、より低いトラフィックロードの場合(0.4単位未満)、二つの方法によるネットワークスループットは類似する。しかし、より高いトラフィックの場合(0.4単位より大きい)で、MMAC−DAWN方法によるスループットは従来のMMAC方法のスループットより遥かに大きい。図6からわかるように、最大スループットゲインが約40%程度(トラフィックが0.6単位より大きくなった後、該ゲインが取得できる)である。トラフィックゲインの顕著な増加はMMAC−DAWNの強いトラフィック適応特性から得たことを、前述の図2から容易に理解できる。又、図6からわかるように、前述したパラメータの場合でトラフィックロードが0.4単位より大きくなった後、MMAC方法の最適AWサイズは約40個タイムスロット程度である。簡単化のために、MMAC方法におけるAWを40個タイムスロットに固定する。図7からわかるように、本発明のMMAC−DAWN方法において、パケットの平均遅延は伝統MMAC方法における遅延より小さく、特にトラフィックロードが大きい場合に更に顕著である。該特性はMMAC−DAWN方法がスループットを高めたことから理解できる。各フレームにおいてMMAC−DAWN方法により更に多くのデータパケットが伝送され、それによってシステム中の滞留パケット数が減少され、各パケットの待ち時間が減少される。
図8、9は、マルチホップアプリケーションシーンでのスループットとパケット平均遅延の性能曲線をそれぞれ示している。図8に示すように、本発明のMMAC−DAWN方法はマルチホップアプリケーションにおいてシングルホップWLANと相当するリンクとスループットを提供できる。これに比べて、マルチホップアプリケーションで従来のMMAC方法のスループットは顕著に劣化される。この効果によってマルチホップ場合におけるMMAC−DAWNのスループットの最大ゲインは50%に近い。又、図9で示すシングルリンクのパケット平均遅延は二つの方法ともWLANアプリケーションより増えた。前のマルチホップアプリケーションに対する検討で提出したように、該遅延の増加は同じソースノードを共有する複数のリンクが異なるフレームで交互にデータ送信を行うことによって起こったのである。一方、図9に示すように、マルチホップアプリケーションでMMAC−DAWN方法のパケット平均遅延はMMAC方法での遅延より顕著に小さく、トラフィックロードがより大きい時、該遅延の改善は更に顕著である。
ここまで、本発明について好ましい実施例を合わせて説明した。当業者であれば本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、様々な変更、交換及び追加を行ってもよいことが理解されるはずである。そこで、本発明の範囲は前記特定の実施例に限られるものと理解してはならず、添付した請求項の範囲によって限定されるものである。
Claims (20)
- 無線ネットワークにおいて適応的にデータスループットを高める方法であって、
フレーム毎にタイムウィンドウを予め定義して、ネットワークにおけるアクティブノードがデータ送信前にデフォルトチャネルでシグナリング交換を行うのに使用するステップと、
上述アクセスウィンドウ内で、ネットワークにおける全てのノードがデフォルトチャネルにスキップしてセンシングを行うステップと、
上述アクセスウィンドウ内で、アクティブノードはデフォルトチャネルにおいてその宛先ノードとの間でアクセスしてデータ通信を行うチャネルに対してネゴシエーションを行うステップと、
チャネルネゴシエーションを完成したソースノードと宛先ノードとのペアは選定した通信チャネルにスキップしてデータ通信を行うステップと
を含むことを特徴とする方法。 - ネゴシエーションを開始するとき、ソースノードからチャネルアクセス送信請求(ARTS)パケットを送信するステップと、
上述ARTSパケットを受信した宛先ノードはチャネルアクセス送信許可(ACTS)パケットをソースノードに送信するステップと、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 上述ARTSパケットに宛先ノードの識別子と、チャネルネゴシエーションのためのソースノード側の情報とが含まれ、
上述ACTSパケットにソースノードの識別子と、チャネルネゴシエーションで選定されたチャネルの番号が含まれることを特徴とする請求項2に記載の方法。 - 通信チャネルでデータ通信を行うステップは、データパケット伝送を行う前に送信要求パケット/受信準備完了パケット(RTS/CTS)の仮想チャネル検出を行うステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- アクセスウィンドウの長さと各フレームにおけるアクティブノード数とが関連つけられていることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- アクセスウィンドウの長さはアクセスメディアのノード数と正比例することを特徴とする請求項5に記載の方法。
- 全てのアクティブノードが既にチャネルネゴシエーションを完成したことを検出した後、上述のアクセスウィンドウステップを終了するステップを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- ソースノードと宛先ノードとのペアは、チャネルネゴシエーションを完成した後、所定の時間内でチャネルネゴシエーション情報を受信しなかった場合、上述デフォルトチャネルでデータ通信を行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
- アクセスウィンドウ期間において、各デフォルトチャネルでセンシングするアクティブノードはそれぞれのアクセス遅延タイマーをメンテナンスするステップを更に含み、
アクセス遅延タイマーの初期値は、0より大きく且つチャネルアイドル時の最大アクセス遅延以下であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 相応するアクティブノードはその相応するアクセス遅延タイマーの初期値を経過した後、デフォルトチャネルでARTSパケットを送信することを特徴とする請求項10に記載の方法。
- デフォルトチャネルアイドルを検出した後、ARTSパケットが上記最大アクセス遅延内にデフォルトチャネルで現れなかったら、全てのアクティブノードがデフォルトチャネルに対するアクセスを完成したと判断し、現在のアクセスウィンドウを終了することを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 上述のアクセス遅延タイマーの初期値はソースノードと宛先ノードから構成されるリンクの滞留パケット数と反比例されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 後でARTS/ACTSパケットを送信したノードが前のノードの送信したARTS/ACTSパケットをセンシングするステップを更に含み、
上記ACTSパケットはチャネルネゴシエーション結果を含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。 - ソースノードが選択したデータ通信チャネルにスキップする前に、上記データ通信チャネルの隠れノード保護時間として、センシングした同じチャネルにスキップするノード同士の最長パケットの送信時間長を記録するステップを更に含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
- ソースノードと宛先ノードが上述データ通信チャネルにスキップした後、第一時間帯で沈黙を保持し且引き続き上述データ通信チャネルをセンシングし、第二時間帯内でRTS/CTSパケットを送信して仮想チャネル検出を行って、データパケットを伝送するステップを更に含むことを特徴とする請求項15に記載の方法。
- 上述第一時間帯は、ソースノードから上述データ通信チャネルにスキップしてから、該ソースノードがはじめて上述データ通信チャネルのビジーを検出する場合、或いは該ソースノードが継続して上述データ通信チャネルが最長パケット送信時間長だけアイドル状態にあることを検出する場合の二つの場合で先に発生する場合までの時間帯であり、第二時間帯は上述第一時間帯の終わりから該フレームの終わりまでの時間帯であることを特徴とする請求項16に記載の方法。
- 少なくとも二つのソースノードが一つの共同宛先ノードにデータを送信しようとする場合、上述の少なくとも二つのソースノード中の一つが先にデフォルトチャネルで一つのARTSパケットを送信した後、デフォルトチャネルで又一つのACTS−TO−ITSELFパケットを送信することによって、宛先からノード送信するACTSパケットを模擬することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 上述ACTS−TO−ITSELFパケットとACTSパケットのフォーマットは同じであることを特徴とする請求項18に記載の方法。
- ACTS−TO−ITSELFパケットを送信したソースノードは、ACTS−TO−ITSELFパケットを送信完了した後、すぐ上述データ通信チャネルにスキップし、相応するデータ伝送を行うことを特徴とする請求項18に記載の方法。
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