以下、本発明を適用したノート型の携帯型パーソナルコンピュータについて添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すように、携帯型パーソナルコンピュータ1の本体2には、文字等を入力するとき操作されるキーボード4が設けられている。画像を表示する表示部3は、本体2に対して開閉(折り畳み)自在に取り付けられている。また、図においては示していないが、本体2に対しては、外部のポインティングデバイスとしてマウス等を外付けすることもできる。
本体2は電源ランプPL、電池ランプBL、そしてメッセージランプMLを有し、電源ランプPLは電源オン時に点灯し、電池ランプBLはバッテリパック5の電池残量の程度を示す。これらのランプの内の特にメッセージランプMLは、表示部3を本体2に対して閉じた状態でも外部に表出している。これにより表示部3を閉じていても所定のプログラムの動作は、メッセージランプMLの点灯により利用者に報知することができる。
本体2の側面には、電源をオンまたはオフするとき操作される電源スイッチ6と、ワンタッチ操作用の操作キー7が設けられている。この操作キー7は、所定のアプリケーションを瞬時に立ち上げるとき操作され、その立上げ状態がメッセージランプMLにより表示される。さらに本体2の側面には、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カード(いわゆるPCカード)が装着されるスロット8が設けられている。
本体2の上面のキーボード4の手前には、タッチ操作部9が設けられている。このタッチ操作部9は、タッチパッド11、左ボタン12、および右ボタン13により構成されている。
タッチパッド11は、ユーザにより、指またはペン(図示はしないが、表示部3の左側面に収容されている)で操作される。タッチパッド1は、例えば、表示部3のLCD41(図2)に表示されているポインタを所定の位置に移動させるとき、こするようにして操作される。左ボタン12は、「OK]や「キャンセル」などを選択したり、メニューを選ぶときなどに操作される。タッチパッド11が、指で1回軽く叩かれた場合にも、同様の機能が実行される。左ボタン12は、ダブルクリックするとき、2回続けて操作される。ポインタをドラッグする場合には、左ボタン12を操作したまま、タッチパッド11上でも指が移動される。タッチパッド11上で2回続けて軽く叩いた後、そのままタッチパッド11上で指を動かした場合も、ドラッグの操作となる。右ボタン13は、さまざまな内容のバックアップメニューを表示するときなどに操作される。
また、タッチパッド11の所定の領域(例えば、左側上部または右側上部)から押圧し始めると、後述する所定の機能(例えば、所定のウィンドウを閉じる、または所定のウィンドウを最大化するなど)が実行される。
バッテリパック5の左側には、マイクロフォン14が設けられており、本体2の底面の電源ランプPLの近傍にはスピーカ15が設けられている。
図2は、携帯型パーソナルコンピュータ1の内部の構成例を表している。本体2は、情報の処理を集中して行うCPU(Central Processing Unit)51、および揮発性のメモリであるRAM(Random Access Memory)53を有している。これらCPU51、およびRAM53は、内部バス(PCI(Peripheral Component Interconnect) Bus)55にそれぞれ接続されている。この内部バス55には、スロット8から挿入された、所定の機能を備えたPCカード122も、インタフェース(I/F)52を介して接続される。
CPU51は、各機能を統括するコントローラであり、PCカード122は、内部バス55に対してオプションの機能を付加するためのものである。RAM53の中には、本体2の起動が完了した時点において、オペレーティングシステム(Operating System: OS)91、タッチパッドドライバ92、タッチパッド特殊動作処理プログラム93、特殊動作表示処理プログラム94、および図示せぬ所定のアプリケーション・プログラム等が記憶される。
オペレーティングシステム91は、携帯型パーソナルコンピュータ1の基本的な動作を制御するものであり、例えばWindows(登録商標) 98などの、市販のマルチタスクOSを用いることができる。タッチパッドドライバ92は、タッチパッドコントローラ61から供給された信号を処理し、オペレーティングシステム91またはタッチパッド特殊動作処理プログラム93に所定のメッセージ(所定のデータを含む)を供給する。
タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給された所定のメッセージ(所定のデータを含む)、またはオペレーティングシステム91から供給されたメッセージ(所定のデータを含む)を基に、所定の特殊動作の処理(オペレーティングシステム91でサポートしていない処理)を実行する。特殊動作表示処理プログラム94は、タッチパッド特殊動作処理プログラム93から供給された所定のメッセージ(所定のデータを含む)、またはオペレーティングシステム91から供給されたメッセージ(所定のデータを含む)を基に、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が所定の特殊動作の処理を実行するとき、その特殊動作の処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。
また、本体2は、情報を記録する記録部であるHDD(Hard Disc Drive)57、データの入出力を制御する入出力(in-out:I/O)コントローラ58、実時間時計(Real Time Clock: RTC)59を有している。
HDD57、I/Oコントローラ58、キーボードコントローラ60、タッチパッドコントローラ61、LCDコントローラ62、MODEM63、およびインターフェース64は、外部バス(ISA(Industry Standard Architecture) Bus)56にそれぞれ接続されている。外部バス56は、図示せぬ所定のブリッジを介して、内部バス55に接続されている。
HDD57には、オペレーティングシステム81、タッチパッドドライバ82、タッチパッド特殊動作処理プログラム83、特殊動作表示処理プログラム84、および図示せぬ所定のアプリケーション・プログラム等が記録されている。HDD57内のオペレーティングシステム81、タッチパッドドライバ82、タッチパッド特殊動作処理プログラム83、特殊動作表示処理プログラム84、および図示せぬ所定のアプリケーション・プログラム等は、本体2のブートアップ(boot up:起動)処理の過程で、RAM53内に順次格納される。
I/Oコントローラ58は、マイクロコントローラ101を有し、このマイクロコントローラ101はROM102,CPU103、およびRAM104が相互に接続されて構成され、外部バス56を介する、HDD57、キーボードコントローラ60、タッチパッドコントローラ61、LCDコントローラ62、MODEM63、およびインターフェース64などのデータの入出力を制御する。
I/Oコントローラ58は、キーボードコントローラ60、タッチパッドコントローラ61、MODEM63、またはインターフェース64から供給されたデータを、外部バス56、図示せぬブリッジ、および内部バス55を介して、CPU51またはRAM53に供給する。I/Oコントローラ58は、外部バス56、図示せぬブリッジ、および内部バス55を介して、CPU51から供給されたデータを、LCDコントローラ62、MODEM63、またはインターフェース64に供給する。
また、I/Oコントローラ58は、HDD57に所定のデータが記録されるとき、またはHDD57から所定のデータが読み出されるとき、外部バス56の動作を制御する。
ROM102は、例えばフラッシュメモリとも呼ばれる電気的に書き込みまたは消去が可能な読出し専用メモリ(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory:EEPROM)で構成されている。ROM102には、基本入出力システムとしてのBIOS(Basic Input/Output System )111が書き込まれている。このBIOS111は、OSやアプリケーションプログラムと、LCD41、キーボード4、HDD57等の周辺機器の間でのデータの受け渡し(入出力)を制御するソフトウェアプログラムである。ROM102には、更に、メッセージランプMLの点灯を制御するLED制御プログラムなどが記憶されている。
CPU103は、ROM102またはRAM104に記憶されている所定のプログラムおよび所定のパラメータに基づき、マイクロコントローラ101の全体の動作を実際に制御する。
RAM104は、LED制御レジスタ、および設定時刻レジスタなどを有している。LED制御レジスタは、操作キー7が押されて、所定のアプリケーションの瞬時の立ち上げ状態を表示するメッセージランプMLの点灯を制御するものである。設定時刻レジスタは、ある時刻を任意に設定することができるものである。
なお、このマイクロコントローラ101には図示せぬバックアップ用のバッテリが設けられており、RAM104のデータは、本体2の電源がオフとされている状態においても保持されるようになっている。
さらにマイクロコントローラ101には、常時現在時刻をカウントするRTC59、メッセージランプML、バッテリランプBL、電源ランプPL、電源スイッチ6、および操作キー7が接続されている。
外部バス56に接続されているキーボードコントローラ60は、キーボード4からの入力し、入力された信号に対応するデータを、外部バス56を介して、I/Oコントローラ58に供給する。
タッチパッドコントローラ61は、タッチパッド11、左ボタン12、および右ボタン13から所定の信号を入力し、入力された信号に対応するデータ(タッチパッド11が押圧されているか否か、押圧タッチパッド11の押圧されている位置、左ボタン12が押されたなどを示す)を、外部バス56を介して、I/Oコントローラ58に供給する。
LCDコントローラ62は、表示部3のLCD41と、その後方に配置されているバックライト42とを制御する。
モデム63は、本体2と外部のネットワーク121とを接続して、通信を行うために情報信号のフォーマットを変換する処理を行う。
インターフェース64は、内部マイクロフォン14からの入力を取り込み、あるいは内蔵スピーカ15に対して音声信号を供給する。
タッチパッド11は、キーボード4の手前側に配設され、LCD41の画面上の位置を特定するポインティングデバイスとして用いることにより、ポイントの軌跡の入力を行うものである。すなわち、ポインティングデバイスは、LCD41の表示画面に表示され、入力操作に応じて移動される指標(ポインタ)について、その指標の移動軌跡を入力するのに用いられる。タッチパッド11は、指またはペンなどで押圧されているか否か、および押圧されている位置に対応する信号をタッチパッドコントローラ61に出力する。
また、タッチパッド11には、点の位置のみならず押圧された強さをも同時に検出することができる感圧式のタッチパッドも利用することができる。
図3は、タッチパッド11を操作して、特殊動作を行わせるときの、ハードウェアおよびソフトウェア(プログラム)の構成を説明するブロック図である。
この図において、既に起動しているアプリケーションプログラム201は、所定のウィンドウを表示させるメッセージをオペレーティングシステム91に供給する。オペレーティングシステム91は、アプリケーションプログラム201から入力されたメッセージに基づき、LCDコントローラ62を動作させ、アプリケーションプログラム201の動作の状態に対応するウィンドウの画像をLCD41に表示させる。
タッチパッド11を指若しくは所定のペンなどで押圧し、または指若しくは所定のペンなどをタッチパッド11から離すと、タッチパッド11は、押圧されているか否か、およびタッチパッド11上の押圧されている位置を示す信号をタッチパッドコントローラ61に出力する。タッチパッドコントローラ61は、押圧されているか否か、およびタッチパッド11上の押圧されている位置を示すデータを、CPU51に実行されているタッチパッドドライバ92に供給する。
タッチパッドドライバ92は、タッチパッドコントローラ61から供給された、タッチパッド11が押圧されているか否か、およびタッチパッド11上の押圧されている位置を示すデータを基に、LCD41に表示されているポインタを移動させるためのデータなどをオペレーティングシステム91に供給するとともに、特殊動作が要求されたか否かを判定し、特殊動作が要求されたと判定された場合、要求された特殊動作に対応する、所定のメッセージをタッチパッド特殊動作処理プログラム93に出力する。
タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91から供給される所定のメッセージ(操作の対象となるウィンドウの状態などを示す)、およびタッチパッドドライバ92から入力されたメッセージを基に、所定の処理を実行させるメッセージをオペレーティングシステム91に供給するとともに、実行しようとする処理または実行している処理を示すメッセージを特殊動作表示処理プログラム94に出力する。オペレーティングシステム91は、タッチパッド特殊動作処理プログラム93から供給されたメッセージに対応する処理(例えば、所定のウィンドウを閉じる、または所定のウィンドウを最大化するなど)を実行し、所定の処理をLCDコントローラ62に実行させ、所定の画像をLCD41に表示させる。
特殊動作表示処理プログラム94は、タッチパッド特殊動作処理プログラム93から供給された、実行しようとする処理または実行している処理を示すメッセージを基に、所定の静止画像または動画像を表示をさせるメッセージをオペレーティングシステム91に供給する。オペレーティングシステム91は、特殊動作表示処理プログラム94から供給されたメッセージに対応する表示の処理を実行し、所定の処理をLCDコントローラ62に実行させ、所定の画像をLCD41に表示させる。
図4は、押圧され始めたとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が特殊動作を実行する、タッチパッド11の所定の領域を説明する図である。本明細書に係る発明の一実施の形態において、タッチパッド11の所定の領域に対応する、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が実行する処理の内容は、後述する所定の設定画面(図9を参照して説明する)で使用者により設定される。
例えば、タッチパッド11の領域1が、指またはペンなどで押圧され始めたとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が、所定のウィンドウを閉じるための一連の処理を行うように設定することができる。また、タッチパッド11の領域2が押圧され始めたとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が、所定のウィンドウを最大化する、最小化する、または元に戻すのいずれかのための一連の処理を実行するように設定することができる。
タッチパッド11の領域3が押圧され始めたとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が、所定のウィンドウの表示の内容を戻させる、または進ませるように設定することができる。タッチパッド11の領域4が押圧され始めたとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が、所定のウィンドウを上方向または下方向にスクロールさせるように設定することができる。タッチパッド11の領域5が押圧され始めたとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が、所定のウィンドウを左方向または右方向にスクロールさせるように設定することができる。
処理の対象となる、所定のウィンドウの選択は、後述する所定の設定画面(図9を参照して説明する)で使用者により設定される。
図5および図6を参照して、タッチパッド11の領域1が押圧され始め、所定のウィンドウを閉じる処理が実行されるとき、特殊動作表示処理プログラム94が、LCD41に表示させる画像を説明する。この処理の例において、処理の対象となるウィンドウは、アクティブなウィンドウに設定されている。
図5は、タッチパッド11の領域1が押圧され始める前に、LCD41に表示されている画像を示す図である。図5において、アクティブであるウインドウ221、非アクティブであるウィンドウ222、およびポインタ223が、LCD41に表示されている。
図5の状態から、タッチパッド11の領域1が押圧され始めると、ポインタ223の位置に拘わらず、アクティブであるウインドウ221が処理の対象として選択される。図6に示すように、特殊動作表示処理プログラム94は、選択されたウィンドウ221の枠を強調表示させるとともに、ポインタ223の表示を消去し、ウィンドウ221の中央に、ウィンドウ221を閉じることを示す画像231を表示させる。
図6に示す状態で、タッチパッド11から指またはペンが離されると、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、処理の対象であるウィンドウ221を、閉じさせる。
処理の対象となるウィンドウが、ポインタ223の位置に対応するウィンドウに設定されているとき、図5の状態から、同様の操作を実行すると、特殊動作表示処理プログラム94は、ウィンドウ222の枠を強調表示させるとともに、ウィンドウ222の中央に、ウィンドウ222を閉じることを示す画像231を表示させる。その状態で、タッチパッド11から指またはペンが離されると、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、処理の対象であるウィンドウ222を、閉じさせる。
次に、所定のウィンドウを最大化する、最小化する、または元に戻すのいずれかの処理が実行されるとき、LCD41に表示される画像を説明する。例えば、タッチパッド11の領域2が指またはペンで押圧され始めたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図7(A)に示す、所定のウィンドウを最大化する、最小化する、または元に戻す処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。
タッチパッド11の領域2を指またはペンで押圧し始め、タッチパッド11を押圧しまま、図8に示す領域bに指またはペンを移動させたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図7(B)に示す、所定のウィンドウを最大化する、または元に戻す処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。
図7(B)に示す画像が、LCD41に表示された状態(タッチパッド11の領域2を指またはペンで押圧し始め、タッチパッド11を押圧したまま、図8の領域bに指またはペンを移動させた)で、指またはペンをタッチパッド11から離すと、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、処理の対象であるウィンドウの状態に対応して、ウィンドウを最大化させる、または元に戻させる処理をオペレーティングシステム91に実行させる。
より具体的には、例えば、処理の対象であるウィンドウが最大化されているとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、処理の対象であるウィンドウを元に戻させる。処理の対象であるウィンドウが最大化されていないとき、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、処理の対象であるウィンドウを最大化させる。
タッチパッド11の領域2を押圧し始め、指またはペンを、図8の領域aまたは領域cを経由させて、領域bに移動させた後に、指またはペンをタッチパッド11から離しても、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、同様の処理を実行する。
タッチパッド11の領域2を指またはペンで押圧し始め、タッチパッド11を押圧したまま、図8に示す領域aに指またはペンを移動させたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、LCD41に、図7(C)に示す、所定のウィンドウを最小化する処理に対応する画像を表示させる。
図7(C)に示す画像が、LCD41に表示された状態(タッチパッド11の領域2を指またはペンで押圧し始め、タッチパッド11を押圧したまま、図8の領域aに指またはペンを移動させた)で、指またはペンをタッチパッド11から離すと、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、処理の対象であるウィンドウを最小化させる。
タッチパッド11の領域2を押圧し始め、指またはペンを、図8の領域bまたは領域cを経由させて、領域aに移動させた後に、指またはペンをタッチパッド11から離しても、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、処理の対象であるウィンドウを最小化させる。
図7(A)に示す画像を表示させたまま(指またはペンを移動させないで)、指またはペンをタッチパッド11から離すと、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、処理をキャンセルする。また、タッチパッド11の領域2を指またはペンで押圧し始め、タッチパッド11を押圧したまま、図8に示す領域cに指またはペンを移動させたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、表示を変化させない。タッチパッド11の領域2を指またはペンで押圧し始め、タッチパッド11を押圧したまま、図8に示す領域cに指またはペンを移動させて、指またはペンをタッチパッド11から離すと、特殊動作表示処理プログラム94は、処理をキャンセルする。
図9は、タッチパッド11の領域1を押圧し始めて実行される処理、タッチパッド11の領域2を押圧し始めて実行される処理、および処理の対象となるウィンドウの選択を設定する画面の例を示す図である。フィールド241には、タッチパッド11の領域1を押圧し始めて実行される処理が設定される。設定される処理は、例えば、所定のウィンドウを閉じる、ウィンドウサイズを変更する、ショートカットメニューの表示、ランチャーメニューの表示などである。
フィールド242には、タッチパッド11の領域2を押圧し始めて実行される処理が設定される。設定される処理は、例えば、所定のウィンドウを閉じる、ウィンドウサイズを変更する、ショートカットメニューの表示、またはランチャーメニューの表示などである。
フィールド243には、処理の対象となるウィンドウの選択が設定される。選択されるウィンドウは、例えば、アクティブなウィンドウ、ポインタ223の位置に対応するウィンドウ、または所定のアプリケーションプログラムのウィンドウなどである。
次に、タッチパッド11の領域3が押圧され始めて、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が、所定のウィンドウの表示の内容を戻させる、または進ませる処理を実行するとき、特殊動作表示処理プログラム94が、LCD41に表示させる画像を説明する。
タッチパッド11の領域3が指またはペンで押圧され始めたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図10(A)に示す所定のウィンドウの表示の内容を戻させる、または進ませるのいずれかの処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。
タッチパッド11の領域3を指またはペンで押圧し始めて、タッチパッド11を押圧したまま、指またはペンを所定の範囲で右側に移動させたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図10(B)に示す所定のウィンドウの表示の内容を進ませる処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。図10(B)に示す画像が、LCD41に表示された状態(タッチパッド11の領域3を指またはペンで押圧し始めて、指またはペンを領域3の範囲で右側に移動させた)で、指またはペンをタッチパッド11から離すと、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、所定のウィンドウの表示の内容を進ませる処理を実行させる。
タッチパッド11の領域3を指またはペンで押圧し始めて、タッチパッド11を押圧したまま、指またはペンを左側に移動させたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図10(C)に示す所定のウィンドウの表示の内容を戻させる処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。図10(C)に示す画像が、LCD41に表示された状態(タッチパッド11の領域3を指またはペンで押圧し始めて、指またはペンを領域3の範囲で左側に移動させた)で、指またはペンをタッチパッド11から離すと、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、所定のウィンドウの表示の内容を戻す処理を実行させる。
次に、タッチパッド11の領域4が押圧され始めて、タッチパッド特殊動作処理プログラム93が、所定のウィンドウを上方向または下方向にスクロールさせる処理を実行するとき、特殊動作表示処理プログラム94が、LCD41に表示させる画像を説明する。
タッチパッド11の領域4が指またはペンで押圧され始めたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図11(A)に示す所定のウィンドウを上方向または下方向にスクロールさせる処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。
タッチパッド11の領域4を指またはペンで押圧し始めて、タッチパッド11を押圧したまま、指またはペンを上方向に移動させたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図11(B)に示す所定のウィンドウを上方向にスクロールさせる処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。タッチパッド11の領域4を指またはペンで押圧し始めて、指またはペンを領域4の範囲で上方向に移動させたとき(図11(B)に示す画像が、LCD41に表示されたとき)、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、所定のウィンドウを上にスクロールさせる処理を実行させる。
タッチパッド11の領域3を指またはペンで押圧し始めて、タッチパッド11を押圧したまま、指またはペンを下方向に移動させたとき、特殊動作表示処理プログラム94は、図11(C)に示す所定のウィンドウを下方向にスクロールさせる処理に対応する画像を、LCD41に表示させる。タッチパッド11の領域4を指またはペンで押圧し始めて、指またはペンを所定の範囲で下方向に移動させたとき(図11(C)に示す画像が、LCD41に表示されたとき)、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、所定のウィンドウを下にスクロールさせる処理を実行させる。
タッチパッド11の領域5が押圧され始めて、所定のウィンドウを右側または左側にスクロールさせる処理も、同様に実行される。
次に、タッチパッド11の領域1を指またはペンで押圧し始めて実行される、所定のウィンドウを閉じる処理を、図12のフローチャートを参照して説明する。ステップS11において、タッチパッドドライバ92は、タッチパッド11の領域1が押圧され始めたか否かを判定し、タッチパッド11の領域1が押圧され始めていないと判定された場合、ステップS11に戻り、タッチパッド11の領域1が押圧され始めるまで処理を繰り返す。
ステップS11において、タッチパッド11の領域1が押圧され始めたと判定された場合、ステップS12に進み、タッチパッドドライバ92は、所定のメッセージをタッチパッド特殊動作処理プログラム93に供給する。タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91から供給された所定のメッセージを基に、対象であるウィンドウにクローズボタンがあるか否かを判定し、対象であるウィンドウにクローズボタンがないと判定された場合、対象であるウィンドウを閉じることはできないので、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。
ステップS12において、対象であるウィンドウにクローズボタンがあると判定された場合、ステップS13に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、特殊動作表示処理プログラム94に所定のメッセージを供給する。特殊動作表示処理プログラム94は、タッチパッド特殊動作処理プログラム93から供給されたメッセージ、および、オペレーティングシステム91から供給された処理の対象となるウィンドウのデータを基に、オペレーティングシステム91に、処理の対象となるウィンドウの枠を強調表示させる。ステップS14において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、ポインタを消去させるとともに、図6に示す、ウィンドウを閉じることを示す画像231を表示させる。
ステップS15において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されるデータを基に、タッチパッド11の領域1が押圧されているか否かを判定し、タッチパッド11の領域1が押圧されていると判定された場合、ステップS16に進み、タッチパッドドライバ92から供給されるデータを基に、タッチパッド11が離されたか否かを判定する。
ステップS16において、タッチパッド11が押圧されたままであると判定された場合、ステップS15に戻り、タッチパッド11が離されるまで、処理を繰り返す。
ステップS16において、タッチパッド11が離されたと判定された場合、ステップS17に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、対象となるウィンドウの枠の表示を元に戻させる。ステップS18において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、ポインタを表示させるとともに、ウィンドウを閉じることを示す画像231を消去させる。
ステップS19において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、対象のウィンドウを閉じさせ、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。
ステップS15において、他の領域が押圧されてると判定された場合、ステップS20に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、ポインタを表示させるとともに、ウィンドウを閉じることを示す画像231を消去させる。ステップS21において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、対象となるウィンドウの枠の表示を元に戻させ、ステップS11に戻り、処理を繰り返す。
このように、携帯型パーソナルコンピュータ1は、タッチパッド11の領域1が押圧され、その後、領域1で離されるだけで、所定のウィンドウを閉じることができる。また、タッチパッド11の領域1を押圧し、その後、タッチパッド11を押圧したまま、他の領域に指またはペンを移動すれば、ウィンドウを閉じる処理はキャンセルされる。
以上のように、簡単な操作で、所定のウィンドウを閉じることができるとともに、所定のウィンドウを閉じる処理を途中でキャンセルすることができる。
次に、タッチパッド11の領域2を指またはペンで押圧し始めて実行される、所定のウィンドウを最大化、最小化、または元に戻すのいずれかの処理を、図13および図14のフローチャートを参照して説明する。ステップS81において、タッチパッドドライバ92は、タッチパッド11の領域2が押圧され始めたか否かを判定し、タッチパッド11の領域2が押圧され始めていないと判定された場合、ステップS81に戻り、タッチパッド11の領域2が押圧され始めるまで処理を繰り返す。
ステップS81において、タッチパッド11の領域2が押圧され始めたと判定された場合、ステップS82に進み、タッチパッドドライバ92は、所定のメッセージをタッチパッド特殊動作処理プログラム93に供給する。タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91から供給された所定のメッセージを基に、対象であるウィンドウに最大化ボタンおよび最小化ボタンがあるか否かを判定し、対象であるウィンドウに最大化ボタンおよび最小化ボタンがないと判定された場合、対象であるウィンドウを変更することはできないので、ステップS81に戻り、処理を繰り返す。
ステップS82において、対象であるウィンドウに最大化ボタンおよび最小化ボタンがあると判定された場合、ステップS83に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、特殊動作表示処理プログラム94に所定のメッセージを供給する。特殊動作表示処理プログラム94は、タッチパッド特殊動作処理プログラム93から供給されたメッセージ、および、オペレーティングシステム91から供給されたメッセージ(処理の対象となるウィンドウの状態を示す)を基に、オペレーティングシステム91に、処理の対象となるウィンドウの枠を強調表示させる。ステップS84において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、ポインタを消去させるとともに、所定のウィンドウを最大化する、最小化する、または元に戻す旨を示す画像(例えば、図7(A)に示した画像)を表示させる。
ステップS85において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の領域cが押圧されているか否かを判定し、タッチパッド11の領域cが押圧されていると判定された場合、表示は変更されないので、ステップS92に進む。
ステップS85において、タッチパッド11の領域cが押圧されていないと判定された場合、ステップS86に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の領域aが押圧されているか否かを判定し、タッチパッド11の領域aが押圧されていると判定された場合、ステップS87に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、所定のウィンドウを最小化する旨を示す画像(例えば、図7(C)に示した画像)を表示させ、手続きは、ステップS92に進む。
ステップS86において、タッチパッド11の領域aが押圧されていないと判定された場合、ステップS88に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の領域bが押圧されているか否かを判定し、タッチパッド11の領域bが押圧されていると判定された場合、ステップS89に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91から供給される所定のメッセージを基に、対象であるウィンドウが最大化されているか否かを判定する。
ステップS89において、対象であるウィンドウが最大化されていると判定された場合、ステップS90に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、対象であるウィンドウを元に戻す旨を示す画像(例えば、図7(B)に示した画像)を表示させ、ステップS92に進む。
ステップS89において、対象であるウィンドウが最大化されていないと判定された場合、ステップS91に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、対象であるウィンドウを最大化する旨を示す画像(例えば、図7(B)に示した画像の所定の部位を反転させた画像)を表示させ、ステップS92に進む。
ステップS92において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11が離されたか否かを判定し、タッチパッド11が離されていないと判定された場合、対象であるウィンドウに対する処理をまだ実行しないので、ステップS85に戻り、処理に対応する画像の表示の処理を繰り返す。
ステップS92において、タッチパッド11が離されたと判定された場合、ステップS93に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の領域2で離されたか否かを判定し、タッチパッド11の領域2で離されたと判定された場合、対象となるウィンドウに対する処理は実行されないので、ステップS100に進む。
ステップS93において、タッチパッド11の領域2以外で離されたと判定された場合、ステップS94に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたデータを基に、タッチパッド11の領域aで離されたか否かを判定し、タッチパッド11の領域aで離されたと判定された場合、ステップS95に進み、オペレーティングシステム91に、対象であるウィンドウを最小化させ、ステップS101に進む。
ステップS94において、タッチパッド11の領域a以外で離されたと判定された場合、ステップS96に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の領域bで離されたか否かを判定し、タッチパッド11の領域bで離されたと判定された場合、ステップS97に進み、オペレーティングシステム91から供給される所定のメッセージを基に、対象であるウィンドウが最大化されているか否かを判定する。
ステップS97において、対象であるウィンドウが最大化されていると判定された場合、ステップS98に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、対象であるウィンドウを元に戻させ、ステップS101に進む。
ステップS97において、対象であるウィンドウが最大化されていないと判定された場合、ステップS99に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、対象であるウィンドウを最大化させ、ステップS101に進む。
ステップS96において、タッチパッド11の領域b以外で離されたと判定された場合、タッチパッド11の領域cで離されたので、処理は、ステップS100に進む。ステップS100において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、処理をキャンセルし、ステップS101に進む。
ステップS101において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、対象であるウィンドウの枠の表示を元に戻させる。ステップS102において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、ポインタを表示させるとともに、処理に対応する画像の表示を消させ、手続きは、ステップS81に戻り、処理を繰り返す。
以上のように、携帯型パーソナルコンピュータ1は、タッチパッド11の領域2が押圧され、その後、所定の領域で離されるときに、所定のウィンドウを最大化、最小化、または元に戻すのいずれかの処理を実行する。携帯型パーソナルコンピュータ1の使用者は、所定のウィンドウを最大化、最小化、または元に戻すのいずれかの処理を、処理の途中でキャンセルすることもできる。
また、押圧されている領域に対応する処理を示す所定の画像が、LCD41に表示されるので、携帯型パーソナルコンピュータ1の使用者は、実行しようとする処理を確実に知ることができる。
なお、ステップS85、ステップS86、ステップS88、ステップS93、ステップS94、およびステップS96において、タッチパッド11が押圧されている領域の判定に代わり、タッチパッド11が押圧されている位置の移動の方向を判定するようにしてもよい。
次に、タッチパッド11の領域4を指またはペンで押圧し始めて実行される、所定のウィンドウを上方向または下方向にスクロールする処理を、図15のフローチャートを参照して説明する。ステップS131において、タッチパッドドライバ92は、タッチパッド11の領域4が押圧され始めたか否かを判定し、タッチパッド11の領域4が押圧され始めていないと判定された場合、ステップS131に戻り、タッチパッド11の領域4が押圧され始めるまで処理を繰り返す。
ステップS131において、タッチパッド11の領域4が押圧され始めたと判定された場合、ステップS132に進み、タッチパッドドライバ92は、所定のメッセージをタッチパッド特殊動作処理プログラム93に供給する。タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91から供給されたメッセージを基に、対象であるウィンドウに上下方向のスクロールバーがあるか否かを判定し、対象であるウィンドウに上下方向のスクロールバーがないと判定された場合、対象であるウィンドウを上下方向にスクロールすることはできないので、ステップS131に戻り、始めから処理を繰り返す。
ステップS132において、対象であるウィンドウに上下方向のスクロールバーがあると判定された場合、ステップS133に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、特殊動作表示処理プログラム94に所定のメッセージを供給する。特殊動作表示処理プログラム94は、タッチパッド特殊動作処理プログラム93から供給されたメッセージ、および、オペレーティングシステム91から供給されたメッセージを基に、オペレーティングシステム91に、処理の対象となるウィンドウの枠を強調表示させる。ステップS134において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、ポインタを消去させるとともに、上方向または下方向にスクロールさせる旨を示す画像(例えば、図11(A)に示した画像)を表示させる。
ステップS135において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の押圧されている位置が図4中の上方向に移動したか否かを判定し、タッチパッド11の押圧されている位置が図4中の上方向に移動したと判定された場合、ステップS136に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、上方向にスクロールさせる旨を示す画像(例えば、図11(B)に示した画像)を表示させる。ステップS137に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、対象となるウィンドウを上方向にスクロールさせ、ステップS135に戻る。
ステップS135において、タッチパッド11の押圧されている位置が図4中の上方向に移動していないと判定された場合、ステップS138に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の押圧されている位置が図4中の下方向に移動したか否かを判定し、タッチパッド11の押圧されている位置が図4中の下方向に移動したと判定された場合、ステップS139に進み、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、下方向にスクロールさせる旨を示す画像(例えば、図11(C)に示した画像)を表示させる。ステップS140に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91に、対象なるウィンドウを下方向にスクロールさせ、ステップS135に戻る。
ステップS138において、タッチパッド11の押圧されている位置が図4中の下方向に移動していないと判定された場合、ステップS141に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッド11が離されたか否かを判定し、タッチパッド11が離されたと判定された場合、処理が中断されたので、手続きは、ステップS143に進む。
ステップS141において、タッチパッド11が離されていないと判定された場合、ステップS142に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11の領域4が押圧されているか否かを判定し、タッチパッド11の領域4が押圧されていると判定された場合、ステップS135に戻り、スクロールの処理を繰り返す。
ステップS142において、タッチパッド11の領域4が押圧されていないと判定された場合、処理が中断されたので、手続きは、ステップS143に進む。
ステップS143において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、対象となるウィンドウの枠の表示を元に戻させる。ステップS144において、特殊動作表示処理プログラム94は、オペレーティングシステム91に、ポインタを表示させるとともに、ウィンドウを上方向または下方向にスクロールさせる旨を示す画像を消去させ、ステップS131に戻り、処理を繰り返す。
以上のように、携帯型パーソナルコンピュータ1は、タッチパッド11の領域4が押圧され、押圧される位置が移動するだけで、所定のウィンドウを上方向または下方向にスクロールする。
また、上方向または下方向にスクロールする処理を示す所定の画像が、LCD41に表示されるので、携帯型パーソナルコンピュータ1の使用者は、実行している処理を確実に知ることができる。
なお、右方向または左方向にスクロールする処理も、同様に実行される。
タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、アイコンまたはボタンなどの所定のオブジェクトを、クリックまたはダブルクリックする処理を実行させるようにすることもできる。図16のフローチャートを参照して、所定のアイコンをクリックまたはダブルクリックする処理を説明する。ステップS171において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11が押圧されているか否かを判定し、タッチパッド11が押圧されていないと判定された場合、手続きは、ステップS171に戻り、タッチパッド11が押圧されるまで、処理を繰り返す。
ステップS171において、タッチパッド11が押圧されていると判定された場合、ステップS172に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、タッチパッドドライバ92から供給されたメッセージを基に、タッチパッド11が離されたか否かを判定し、タッチパッド11が離されていないと判定された場合、ステップS172に戻り、タッチパッド11が離されるまで、処理を繰り返す。
ステップS172において、タッチパッド11が離されたと判定された場合、ステップS173に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91から供給されるメッセージを基に、ポインタとアイコンとが重なっているか否かを判定し、ポインタとアイコンとが重なっていないと判定された場合、操作の対象となるアイコンが無いので、ステップS171に戻り、処理を最初から繰り返す。
ステップS173において、ポインタとアイコンとが重なっていると判定された場合、ステップS174に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、オペレーティングシステム91から供給されるメッセージを基に、ポインタと重なっているアイコンがボタンであるか否かを判定し、ポインタと重なっているアイコンがボタンであると判定された場合、ステップS175に進む。ステップS175において、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、ポインタと重なっているボタンをシングルクリックし(シングルクリックに対応する所定のメッセージをオペレーティングシステム91に供給する)、ステップS171に戻り、処理を繰り返す。
ステップS174において、ポインタと重なっているアイコンがボタンでないと判定された場合、ステップS176に進み、タッチパッド特殊動作処理プログラム93は、ポインタと重なっているアイコンをダブルクリックし(ダブルクリックに対応する所定のメッセージをオペレーティングシステム91に供給する)、ステップS171に戻り、処理を繰り返す。
このように、携帯型パーソナルコンピュータ1は、タッチパッド11が押圧され、ポインタが所定のボタンまたは所定のアイコンの位置に移動され、タッチパッド11が離されるだけで、所定のボタンをクリックする、または所定のアイコンをダブルクリックする処理を実行させることができる。
また、ポインタが、ボタンまたはアイコンの無い位置に移動され、タッチパッド11が離されれば、クリックまたはダブルクリックの処理はキャンセルされる。
なお、特殊動作表示処理プログラム94は、所定の静止画像または動画像を表示をさせるメッセージをオペレーティングシステム91に供給すると説明したが、画像の表示のみならず、所定の音声を再生させるメッセージをオペレーティングシステム91に供給するようにしてもよい。特殊動作表示処理プログラム94を、画像の表示をさせるとともに、所定の音声を再生させるメッセージをオペレーティングシステム91に供給するようにしてもよいことは、勿論である。
また、一実施の形態として、携帯型パーソナルコンピュータ1に備えられた圧力センサを使用するタッチパッド11を利用すると説明したが、据え置きのコンピュータに接続された、電磁気を利用して位置を検出するグラフィクスタブレットなどを使用するようにしてもよい。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアとしてのデコーダ(実施の形態の装置の名称)に組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどにインストールされる。
次に、図17を参照して、上述した一連の処理を実行するプログラムをコンピュータにインストールし、コンピュータによって実行可能な状態とするために用いられる媒体について、そのコンピュータが汎用のパーソナルコンピュータである場合を例として説明する。
プログラムは、図17(A)に示すように、パーソナルコンピュータ301に内蔵されている記録媒体としてのハードディスク302(図2のハードディスクドライブ57に内蔵されているハードディスクに対応する)や半導体メモリ303に予めインストールした状態でユーザに提供することができる。
あるいはまた、プログラムは、図17(B)に示すように、フロッピー(登録商標)ディスク311、CD−ROM(Compact Disk-Read Only Disk)312、MO(Magneto-Optical)ディスク313、DVD(Digital Versatile Disk)314、磁気ディスク315、半導体メモリ316などの記録媒体に、一時的あるいは永続的に格納し、パッケージソフトウエアとして提供することができる。
さらに、プログラムは、図17(C)に示すように、ダウンロードサイト321から、デジタル衛星放送用の人工衛星322を介して、パーソナルコンピュータ323に無線で転送したり、ローカルエリアネットワーク、インターネットといったネットワーク331を介して、パーソナルコンピュータ323に有線で転送し、パーソナルコンピュータ323において、内蔵するハードディスクなどに格納させることができる。
本明細書における媒体とは、これら全ての媒体を含む広義の概念を意味するものである。
また、本明細書において、媒体により提供されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
なお、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
1 携帯型パーソナルコンピュータ, 3 表示部, 9 タッチ操作部, 11 タッチパッド, 41 LCD, 61 タッチパッドコントローラ, 62 LCDコントローラ, 81 オペレーティングシステム, 82 タッチパッドドライバ, 83 タッチパッド特殊動作処理プログラム, 84 特殊動作表示処理プログラム, 91 オペレーティングシステム, 92 タッチパッドドライバ, 93 タッチパッド特殊動作処理プログラム, 94 特殊動作表示処理プログラム, 302 ハードディスク, 303 半導体メモリ, 311 フロッピー(登録商標)ディスク, 312 CD−ROM, 313 MOディスク, 314 DVD, 315 磁気ディスク, 316 半導体メモリ, 321 ダウンロードサイト, 322 人工衛星, 323 パーソナルコンピュータ, 331 ネットワーク