JP2009031134A - 超音波流量計 - Google Patents
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Abstract
【課題】ゼロクロス点を決定するアナログコンパレータの内部ゼロ点がドリフトした場合でも、伝播時間の計測結果に生ずる誤差を小さく留めることができる超音波流量計を提供する。
【解決手段】 ゼロクロス点を検出するアナログコンパレータ回路91へのゼロ点基準電圧の入力レベルV0を可変に構成する。アナログコンパレータ回路91の内部ゼロ点がドリフトした場合も、入力されるゼロ点基準電圧を、そのドリフト量をキャンセルする向きに変更設定することで、当該内部ゼロ点ドリフトの影響を補償することができ、伝播時間の計測結果に生ずる誤差を小さく留めることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 ゼロクロス点を検出するアナログコンパレータ回路91へのゼロ点基準電圧の入力レベルV0を可変に構成する。アナログコンパレータ回路91の内部ゼロ点がドリフトした場合も、入力されるゼロ点基準電圧を、そのドリフト量をキャンセルする向きに変更設定することで、当該内部ゼロ点ドリフトの影響を補償することができ、伝播時間の計測結果に生ずる誤差を小さく留めることができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は超音波流量計に関する。
従来、都市ガスや水などの流量を計測するための超音波流量計が知られている。その際の測定原理として、一般には「伝搬時間差法」が用いられる。これは、流路の流体流れ方向上流側及び下流側に一対の超音波送受信素子を設け、それら超音波送受信素子間の超音波送受信方向を交互に切り替えるとともに、上流側超音波送受信素子から発信された超音波ビームが下流側超音波送受信素子に到達するまでの時間(順方向伝播時間)と、下流側超音波送受信素子から発信された超音波ビームが上流側超音波送受信素子に到達するまでの時間(逆方向伝播時間)とを計測して、両者の時間差から流路を流れる流体の平均流速度及び流量を求めるものである(特許文献1)。受信側に到達する超音波ビームの波形はアナログコンパレータによりゼロ点基準電圧と比較され、所定順位のゼロクロス点を、波形到達時刻として特定することにより伝播時間計測が行なわれる。
上記特許文献に開示された流量計においては、ゼロクロス点を演算するアナログコンパレータの、温度特性や経時劣化によるゼロ点ドリフトの影響が全く考慮されておらず、位相が同一の入力波形においても、その振幅レベルによってゼロクロス点にずれを生じてしまう問題がある。すなわち、図5に示すように、入力波形の位相が同一であれば、コンパレータに入力されるゼロ点基準電圧(例えばGND)がアナログコンパレータ内部で正確に保持されている限り、振幅の異なる2つの受信信号1及び2の波形は、ゼロ点基準電圧と同一の交点で交わる。つまり、波形振幅が変化してもゼロクロス点は不変のはずである。しかし、アナログコンパレータのゼロ点がドリフトすると、接地等により入力端子の電圧をゼロ点レベルに保持したとき、内部では実際のゼロ点がドリフトしている分だけ、波形比較の基準となるゼロ点入力が相対的にシフトし、結果的にはアナログコンパレータ出力は、ゼロ点レベルからシフトした基準レベルとの交点にて変化することになる。その結果、アナログコンパレータ出力に基づくゼロクロス点は、正しいゼロクロス点位置からずれて認識され、誤差の要因となる。このゼロクロス点の誤差(Δtd1、Δtd2)は、振幅の大きい受信信号ほど大きく現れる傾向にある。
本発明の課題は、ゼロクロス点を決定するアナログコンパレータの内部ゼロ点がドリフトした場合でも、伝播時間の計測結果に生ずる誤差を小さく留めることができる超音波流量計を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の超音波流量計は、
被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
流路形成部に対し被測定流体の流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が被測定流体への測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波を送出可能な対をなす超音波送受信素子と、
超音波送受信素子に駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
送信側となる超音波送受信素子から送出される超音波ビームを受信側となる超音波送受信素子により受信したときの電圧波形を、アナログコンパレータ回路によりゼロ点基準電圧と比較し、その比較出力に基づいて当該受信電圧波形上の予め定められたゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出部と、
検出されたゼロクロス点に基づいて該超音波ビームの伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、
計測された伝播時間に基づいて被測定流体の流量を算出する流量算出手段と、
ゼロ点基準電圧を変更可能に設定するゼロ点基準電圧変更設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
流路形成部に対し被測定流体の流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が被測定流体への測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波を送出可能な対をなす超音波送受信素子と、
超音波送受信素子に駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
送信側となる超音波送受信素子から送出される超音波ビームを受信側となる超音波送受信素子により受信したときの電圧波形を、アナログコンパレータ回路によりゼロ点基準電圧と比較し、その比較出力に基づいて当該受信電圧波形上の予め定められたゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出部と、
検出されたゼロクロス点に基づいて該超音波ビームの伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、
計測された伝播時間に基づいて被測定流体の流量を算出する流量算出手段と、
ゼロ点基準電圧を変更可能に設定するゼロ点基準電圧変更設定手段と、
を備えたことを特徴とする。
上記本発明の構成によると、ゼロクロス点を検出するアナログコンパレータ回路へのゼロ点基準電圧の入力レベルを可変に構成したので、アナログコンパレータ回路の内部ゼロ点がドリフトした場合も、入力されるゼロ点基準電圧を、そのドリフトをキャンセルする向きに変更設定することで、当該内部ゼロ点ドリフトの影響を補償することができ、伝播時間の計測結果に生ずる誤差を小さく留めることができる。
上記本発明の超音波流量計には、次のような機能を有するゼロ点基準電圧調整手段を設けることができる。すなわち、周波数及び出力開始位相が互いに等しい複数のテスト超音波信号を、アナログコンパレータへの入力レベルが互いに異なるものとなるように調整しつつゼロクロス点検出部に順次送信し、該テスト超音波信号の出力開始タイミングと一定の時間関係を充足する仮想伝播時開始点を基準として、ゼロクロス点検出部がテスト超音波信号毎に検出するゼロクロス点に基づき、伝播時間計測手段により各々仮想伝播時間を計測するテスト測定を、ゼロ点基準電圧を種々に変更して行ない、その測定結果に基づいてゼロ点基準電圧を適正値となるように調整する。
前述のごとく、内部ゼロ点がドリフトすることにより生ずる不具合は、同一位相の受信波形であっても、振幅が大きくなるほどゼロクロス点の計測誤差が大きくなる点にある。従って、位相再現性を有したテスト超音波信号を、アナログコンパレータ回路への入力レベルを変えてゼロクロス点を求めたときの、該入力レベルに対するゼロクロス点の測定ずれ量の変化率が大きいほど、ゼロ点のずれが大きいことを意味する。そこで、上記の構成では、該測定を、アナログコンパレータ回路に入力されるゼロ点基準電圧を種々に変更して行なうことにより、内部ゼロ点ドリフトを補償するのに好都合なゼロ点基準電圧の設定値を容易に見出すことができる。具体的には、ゼロ点基準電圧調整手段は、個々のゼロ点基準電圧について得られる複数のテスト超音波信号毎の仮想伝播時間の変動を解析し、該変動が最小化されるゼロ点基準電圧を適性値として選択するよう構成するとよい。
使用するテスト超音波信号は、波形再現性(特に、位相再現性)良好でなければ、内部ゼロ点ドリフトよるゼロクロス点測定誤差を正確に把握することができない。そこで、テスト超音波信号の信号源データは、送信側となる超音波送受信素子から送出される超音波ビームを受信側となる超音波送受信素子により受信したときの電圧波形をデジタル波形として取り込むことにより記録作成されたものとすれば、実際の流量測定に関与した特定の波形データを常に再現して用いることができ、内部ゼロ点ドリフト補償を行なう上で好都合である。この場合、仮想伝播時開始点は、送信側となる超音波送受信素子からの超音波ビームの送出開始点として、記録されたデジタル波形データに組み込んでおくようにする。この場合、送信側となる超音波送受信素子からの超音波ビームの送出開始タイミングを、受信側での信号源データ取り込みの時間原点として用い、当該時間原点から超音波波形の到来に至るまでデータ記録を継続すればよい。
テスト超音波信号を発生させるテスト超音波信号発生部は、流量計の外部に設けてもよいが、ゼロ点基準電圧調整手段にこれを組み込んでおけば、アナログコンパレータ回路のゼロ点ドリフト補償をいつでも手軽に行なうことができる。
ゼロ点基準電圧調整手段は、次のいずれかの構成を持つものとして構成しておくと、テスト超音波信号を、アナログコンパレータ回路への入力レベルを変えて入力する上で好都合である。
・ゼロクロス点検出部に送信するテスト超音波信号の出力レベルを可変設定する出力設定部をテスト超音波信号発生部に設ける。
・アナログコンパレータに入力されるテスト超音波信号の増幅率を可変設定する増幅率設定部を設ける。
・ゼロクロス点検出部に送信するテスト超音波信号の出力レベルを可変設定する出力設定部をテスト超音波信号発生部に設ける。
・アナログコンパレータに入力されるテスト超音波信号の増幅率を可変設定する増幅率設定部を設ける。
本発明の超音波出力素子の実施形態を、超音波流量計に適用した場合を例にとり、図面を参照しつつ説明する。図1は、一般住宅用ガスメータ等として用いられる超音波流量計の一実施例の基本構成である。この超音波流量計1には、被測定流体GFの流路を形成する流路形成部3と、流路形成部3に対し被測定流体GFの流通方向Oにおいて互いに異なる位置に設けられ、一方が被測定流体GFへの測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々測定用超音波として、予め定められた向きへの指向性を有する超音波ビームSWを送出可能な対をなす超音波送受信素子2a,2bとを備えている。流路形成部3と超音波送受信素子2a,2bとが流量計本体1Mを構成し、該流量計本体1Mと制御回路部1Eとにより超音波流量計1の全体が構成されている。
流路形成部3は例えば金属製である。測定対象がガスの場合、流路形成部3の軸断面形状は壁部3Jにより閉鎖された空間を形成するものであればよく、例えば、円形状、楕円形状、正方形状、矩形状等のいずれを採用してもよい。本実施形態では、流路形成部3は矩形状の流路断面を有するものとして形成され、上壁部3Jaに上流側超音波送受信素子2aが、また下壁部3jbに下流側超音波送受信素子2bが取り付けられている。つまり、対をなす超音波送受信素子2a,2bが流路を挟む形で振り分けて配置されている。
超音波送受信素子2a,2bは周知の超音波トランスデューサとして構成され、いずれも、駆動電圧の印加により超音波ビームを送出する超音波送出機能と、超音波ビームの受信により電気信号(受信信号)を出力する超音波受信機能とを複合して備える。いずれも全く同一の構造を有するので、その一方で代表させて説明する(以下、符号「2」により代表させる)。
制御回路部1Eには、前述の超音波駆動機構4と周辺回路ブロック7〜11が設けられている。超音波駆動機構4は、送信部5、受信部6及び切り替え部4sを有する。送信部5は、超音波送受信素子2a,2bに対して駆動信号を入力するための回路である。受信部6はスイッチ等から構成され、このスイッチを切り替えることにより、前述の駆動モードの切り替えがなされる。この受信部6の切り替え制御は切り替え部4sにより行われる。増幅部7は、受信部6により受信された超音波を所定の増幅率で増幅し、ゼロクロス点検出部9に入力する。ゼロクロス点検出部9は、図4に示すように、受信した超音波波形に含まれる、閾値を超える特定順位波のゼロクロス点を検出するものである。時間計測部10は、第一駆動モードでの、上流側超音波送受信素子2aから発信された超音波ビームSWが下流側超音波送受信素子2bに到達するまでの順方向伝播時間txと、第二駆動モードにおける下流側超音波送受信素子2bから発信された超音波ビームSWが上流側超音波送受信素子2aに到達するまでの逆方向伝播時間tx’とを、検出された上記ゼロクロス点に基づいて計測するものである。また、マイコン11は、上記の順方向伝播時間と逆方向伝播時間との時間差から、流路を流れる被測定流体の平均流速度及び流量を計算する。
図2は、ゼロクロスコンパレータ部9の回路構成例を示すものであり、増幅部7の波形出力の入力信号は、該入力信号をGND基準で二値化する第一コンパレータ91と、同じく下限振幅(振幅下限値Vs)を規制しつつ二値化する第二コンパレータ92とに分配入力される。いずれのコンパレータも、オペアンプICを用いたアナログコンパレータ回路として構成されている。第一コンパレータ91の出力は、セットリセットフリップフロップ(RSFF)回路93のセット端子に、第二コンパレータ92の出力は同じくリセット端子に入力され、該セットリセットフリップフロップ(RSFF)回路93の出力変化エッジをトリガとする形で、単安定回路にて構成されたゼロクロス点パルス発生回路94が、増幅部7からの入力波形のうち振幅Vsを超える半波によるゼロクロス点に対応したパルス波形を出力する。このパルス波形は、クロックパルス発生回路96からのクロック入力と同期して動作するパルスカウンタ回路95にて計測され、規定数のパルス入力を計数することにより伝播時間の検出信号を出力する。
図3は、各部の動作シーケンスを示すタイミング図である。駆動パルス入力により励起された振動波形の増幅出力(Va)は、第一コンパレータ91によりゼロ点基準電圧V0と比較され、その結果が方形波(Vb)として出力される。他方、第二コンパレータ92は、振幅Vsを閾値とした反転波形にて上記振動波形を二値化する。これにより、第一コンパレータ91の方形波出力は、振幅Vsを超える半波が入力された場合にのみRSFF回路93によりラッチされ、ゼロクロス点パルス発生回路94へのパルス出力トリガとなる入力エッジを生ずる。本実施形態では、振幅が漸増する初期振動波形の所定順位波のゼロクロス点(ここでは、第二正半波のゼロクロス点(つまり、波形開始点から3番目のゼロクロス点))から認識されるように、第二コンパレータ92の振幅閾値Vsが定められている。なお、振幅閾値Vsは、可変抵抗RV1の設定値により変更可能とされている。
流量測定時においては、まず、上流側の超音波送受信素子2aが振動励起される。これにより発生する超音波ビームは流体中を通過し、下流側超音波送受信素子2bによる受信される。その受信波形は増幅部7を経てゼロクロスコンパレータ9に入力され、所定順位波のゼロクロス点が特定され、伝播時間検出信号が時間計測回路10に出力される。時間計測回路10は、駆動信号の入力タイミングを起点として、受信波形の上記ゼロクロス点までの時間を順方向伝播時間txとして測定する。続いて、上流側超音波送受信素子2aと下流側超音波送受信素子2bとの送受信関係を入れ替えて同様の測定が行なわれ、逆方向伝播時間tx’を測定する。そして、前述の順方向伝播時間txを合わせ用いて、周知の方法にて流速(あるいは流量)が算出される。
次に、各コンパレータは前述のごとくアナログコンパレータ回路として構成されているので、オペアンプの経時劣化や温度特性により内部ゼロ点がドリフトする。そこで、振動波形の増幅出力(Va)をゼロ点基準電圧V0と比較する第一コンパレータ91の、該ゼロ点基準電圧V0の入力値が可変抵抗RV2により変更設定可能とされている。可変抵抗RV2の両端は正極性電源Vccと負極性電源―Vccとに接続され、可変抵抗RV2の分割比に応じて正負両方向に調整が可能である。
例えば、図5に示すように、第一コンパレータ91の内部ゼロ点が+φVだけドリフトした場合、ゼロ点基準電圧V0の入力値が仮に0Vであっても、振動波形との比較基準電圧は+φVとなる。その結果、第一コンパレータ91が出力するゼロクロス点の認識エッジは、入力される振動波形の振幅に応じ、正しいゼロクロス点位置よりもΔtd1あるいはΔtd2だけ早く発生し、伝播時間計測上の誤差となる。そこで、可変抵抗RV2の調整により、ゼロ点基準電圧V0の入力値を0Vから−φVに変更すれば、内部ゼロ点のドリフト代(+φV)がキャンセルされ、第一コンパレータ91は正しいゼロ点にてゼロクロス点の認識エッジを出力するようになるので、上記誤差の発生を回避できる。
他方、第一コンパレータ91の内部ゼロ点のドリフト量を、その都度測定把握するのは面倒であるから、次のようなテスト測定により、第一コンパレータ91のゼロ点調整を簡単に行なうことができる。すなわち、図5を援用して示すように、周波数及び出力開始位相が互いに等しい複数のテスト超音波信号(1,2)を、アナログコンパレータへの入力レベルが互いに異なるものとなるように調整しつつゼロクロス点検出部に順次送信する。これら各テスト超音波信号を受信波形とみなし、各送信開始タイミングを基準として、通常測定時と同様に伝播時間(仮想伝播時間)を計測する。ゼロ点基準電圧V0の設定変更も含め、該テスト計測のための各部の制御はマイコン11が行なう。
第一コンパレータ91がゼロクロス点出力のために実際に参照する電圧Vrefは、内部ゼロ点のドリフト量を+φVとし、可変抵抗RV2によるゼロ点基準電圧の入力設定値を+V0とすれば、
Vref=φV−V0
となる。図5に示すように、振幅の異なる入力振動波形のゼロクロス点の認識誤差Δtd1、Δtd2は、Vrefの0Vからのずれが大きいほど開きが大きくなり、逆にずれが小さければゼロに近付く向きに収束する。そこで、上記のテスト測定を、設定するゼロ点基準電圧V0を種々に変更して行ない、Δtd1及びΔtd2が最小化される値をゼロ点基準電圧の適性値として選択する。
Vref=φV−V0
となる。図5に示すように、振幅の異なる入力振動波形のゼロクロス点の認識誤差Δtd1、Δtd2は、Vrefの0Vからのずれが大きいほど開きが大きくなり、逆にずれが小さければゼロに近付く向きに収束する。そこで、上記のテスト測定を、設定するゼロ点基準電圧V0を種々に変更して行ない、Δtd1及びΔtd2が最小化される値をゼロ点基準電圧の適性値として選択する。
なお、テスト超音波信号は、波形再現性(特に、位相再現性)良好でなければ、内部ゼロ点ドリフトよるゼロクロス点測定誤差を正確に把握することができない。そこで、テスト超音波信号の信号源データは、図1にて、例えば超音波送受信素子2aから送出される超音波ビームを超音波送受信素子2bにより受信したときの(逆でもよい)、受信部6の受信電圧波形をデジタル波形として記録して作成したものを使用することができる。この場合、送信側となる超音波送受信素子2aからの超音波ビームの送出開始点を時間基準点として、デジタル波形データを作成することとなる。
テスト超音波信号を発生させるテスト超音波信号発生部は、流量計の外部に設けてもよいが、図1においては制御回路部1Eにテスト超音波信号発生回路12が組み込まれている。テスト測定時においてテスト超音波信号発生回路12は、マイコン11からの指令により信号源データを読み出し、テスト超音波信号にアナログ変換して増幅部7に入力される。テスト超音波信号の第一コンパレータ回路91への入力レベルは、例えばアナログ変換後のテスト超音波信号の出力レベルを出力設定回路13にて変更するか、あるいは、第一コンパレータ回路91へ入力されるテスト超音波信号の増幅部7による増幅率を増幅率設定部14により変更するか、のいずれかにより種々の値に設定できる。出力設定回路13と増幅率設定部14とはどちらか一方だけを設けるようにしてもよいが、テスト超音波信号の増幅部7への出力レベルと、増幅部7による増幅率との双方により、第一コンパレータ回路91への入力レベルを調整するように構成すれば、テスト超音波信号の設定自由度をより高めることが可能となる。図7はテスト超音波信号発生回路12の出力段アナログ増幅回路の一例を示すものであり、ゲイン決定抵抗の一部(ここでは負帰還抵抗)が可変抵抗VR3として構成されている。出力設定回路13は、この可変抵抗VR3の設定値を変更することにより、テスト超音波信号の出力レベルを変更できる。なお、可変抵抗VR3は電圧制御可変抵抗回路として構成しておくとよい。また、図8に示すように、可変抵抗VR3は、各々スイッチが随伴した抵抗器群からなる抵抗アレーで置き換えてもよい。出力設定回路13は、接続される抵抗器の組み合わせをスイッチ制御により変更することで、テスト超音波信号の出力レベルを変更できる。
なお、図6に示すように、テスト超音波信号発生部をマイコン11に兼用させてもよい。この場合、マイコン11は信号源データメモリを有し、ここに前述の信号源データを記憶する。なお、図6においては、受信部6のアナログ受信電圧波形をデジタル波形として記録するためのA/D変換器121が設けられている。マイコン11は、信号源データメモリから信号源データを読み出し、これをD/A変換器122にてテスト超音波信号のアナログ波形に変換し出力する。マイコン11は、元となる信号源データの各波形値に振幅拡大/縮小のための係数を乗じる形で出力設定演算を行ない、種々のレベルの信号源データを出力することが可能である(なお、信号源データメモリに振幅の異なる複数の信号源データを記憶しておき、出力するべき振幅に対応するものを適宜読み出して使用するようにしてもよい)。
1 超音波流量計
2a,2b 超音波送受信素子
3 流路形成部
3P 流路
9 ゼロクロス点検出部
10 時間計測部(伝播時間計測手段)
11 マイコン(流量算出手段、ゼロ点基準電圧調整手段)
12 テスト超音波信号発生回路(テスト超音波信号発生部)
13 出力設定部
14 増幅率設定部
VR1 可変抵抗(ゼロ点基準電圧変更設定手段)
91 第一のコンパレータ(アナログコンパレータ回路)
2a,2b 超音波送受信素子
3 流路形成部
3P 流路
9 ゼロクロス点検出部
10 時間計測部(伝播時間計測手段)
11 マイコン(流量算出手段、ゼロ点基準電圧調整手段)
12 テスト超音波信号発生回路(テスト超音波信号発生部)
13 出力設定部
14 増幅率設定部
VR1 可変抵抗(ゼロ点基準電圧変更設定手段)
91 第一のコンパレータ(アナログコンパレータ回路)
Claims (7)
- 被測定流体の流路を形成する流路形成部と、
前記流路形成部に対し前記被測定流体の流通方向において互いに異なる位置に設けられ、一方が前記被測定流体への測定用超音波の送出側となり、他方が該測定用超音波の受信側となるように機能するとともに、各々前記測定用超音波を送出可能な対をなす超音波送受信素子と、
前記超音波送受信素子に駆動電圧を印加する駆動電圧印加手段と、
送信側となる超音波送受信素子から送出される超音波ビームを受信側となる超音波送受信素子により受信したときの電圧波形を、アナログコンパレータ回路によりゼロ点基準電圧と比較し、その比較出力に基づいて当該受信電圧波形上のゼロクロス点を検出するゼロクロス点検出部と、
検出された前記ゼロクロス点に基づいて該超音波ビームの伝播時間を計測する伝播時間計測手段と、
計測された前記伝播時間に基づいて前記被測定流体の流量を算出する流量算出手段と、
前記ゼロ点基準電圧を変更可能に設定するゼロ点基準電圧変更設定手段と、
を備えたことを特徴とする超音波流量計。 - 周波数及び出力開始位相が互いに等しい複数のテスト超音波信号を、前記アナログコンパレータへの入力レベルが互いに異なるものとなるように調整しつつ前記ゼロクロス点検出部に順次送信し、該テスト超音波信号の出力開始タイミングと一定の時間関係を充足する仮想伝播時開始点を基準として、前記ゼロクロス点検出部がテスト超音波信号毎に検出する前記ゼロクロス点に基づき、前記伝播時間計測手段により各々仮想伝播時間を計測するテスト測定を、前記ゼロ点基準電圧を種々に変更して行ない、その測定結果に基づいて前記ゼロ点基準電圧を適正値となるように調整するゼロ点基準電圧調整手段を備える請求項1記載の超音波流量計。
- 前記ゼロ点基準電圧調整手段は、個々の前記ゼロ点基準電圧について得られる前記複数のテスト超音波信号毎の前記仮想伝播時間の変動を解析し、該変動が最小化されるゼロ点基準電圧を前記適性値として選択する請求項2記載の超音波流量計。
- 前記テスト超音波信号の信号源データは、送信側となる超音波送受信素子から送出される超音波ビームを受信側となる超音波送受信素子により受信したときの電圧波形をデジタル波形として取り込むことにより記録作成されたものであり、前記仮想伝播時開始点は、前記送信側となる超音波送受信素子からの前記超音波ビームの送出開始点として、記録された前記デジタル波形データに組み込まれてなる請求項2又は請求項3に記載の超音波流量計。
- 前記ゼロ点基準電圧調整手段は、前記テスト超音波信号を発生させるテスト超音波信号発生部を有する請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の超音波流量計。
- 前記テスト超音波信号発生部は、前記ゼロクロス点検出部に送信する前記テスト超音波信号の出力レベルを可変設定する出力設定部を有する請求項5記載の超音波流量計。
- 前記ゼロ点基準電圧調整手段は、前記アナログコンパレータに入力されるテスト超音波信号の増幅率を可変設定する増幅率設定部を有する請求項5記載の超音波流量計。
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