JP2009031041A - 測位誤差発生判定方法、測位位置出力制御方法、測位方法、プログラム、記憶媒体及び測位装置 - Google Patents

測位誤差発生判定方法、測位位置出力制御方法、測位方法、プログラム、記憶媒体及び測位装置 Download PDF

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Abstract

【課題】測位演算において測位誤差が発生したか否かをより正確に判定すること。
【解決手段】GPS衛星SからのGPS衛星信号に基づいて測位演算により測位された測位位置の変化と、各測位演算時点で無線LAN基地局であるアクセスポイントAPから受信されたビーコン信号の変化とに基づいて、測位誤差の発生が判定される。具体的には、同一のアクセスポイントAPからのビーコン信号の連続受信が検出され、且つ、前回測位位置と最新測位位置間の距離が無線LAN信号到達距離より大きい場合に、測位誤差が発生していると判定され、最新測位位置ではなく前回測位位置が出力される。
【選択図】図1

Description

本発明は、測位誤差発生判定方法、測位位置出力制御方法、測位方法、プログラム、記憶媒体及び測位装置に関する。
人工衛星を利用した測位システムとしては、GPS(Global Positioning System)が広く知られており、ノート型パソコンや携帯型電話機等に内蔵された測位装置に利用されている。GPSでは、自機の位置を示す3次元の座標値と、時計誤差との4つのパラメータの値を、複数のGPS衛星の位置や各GPS衛星から自機までの擬似距離等の情報に基づいて求める測位演算を行うことで、自機の現在位置を測位する。
測位演算では、複数のGPS衛星の擬似距離についての連立方程式に対して逐次計算法(ニュートン法)等に基づく収束計算を行って測位位置とする解を算出する。この測位演算に関連する技術として、例えば特許文献1には、携帯型電話機の基地局の位置及び通信可能範囲の情報に基づいて、測位演算の収束計算時の初期位置とするための位置を求める技術が開示されている。
特開2004−279314号公報
しかし、特許文献1に開示されている技術を検討するに、携帯型電話機の基地局は、1つの基地局で数キロ〜数十キロメートルのエリアをカバーしているため、測位装置が基地局から大きく離れた場所に位置しているような場合には現在位置が正しく求められず、測位演算において解が誤収束したり、初回測位時間(TTFF:Time To First Fix)が増大するといった問題が生じ得た。
また、測位演算においては、今回の測位演算で求めた測位位置に基づいて次回の測位演算を行う場合が一般的であり、この場合には、測位演算を繰り返す過程で誤った測位位置が算出されると、測位誤差が徐々に累積してしまうといった問題が生じ得た。本発明は、上述した課題に鑑みて為されたものである。
以上の課題を解決するための第1の発明は、測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算することと、無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信することと、測位位置の変化と各測位演算時点で受信されたビーコン信号の変化とに基づいて、測位誤差の発生を判定することと、を含む測位誤差発生判定方法である。
この第1の発明によれば、測位用衛星からの衛星信号に基づいて測位演算により測位された測位位置の変化と、各測位演算時点で無線LAN基地局から発信されたビーコン信号の受信状況の変化とに基づいて、測位誤差の発生が判定される。
近年の無線データ通信事業の隆盛に伴い、無線LANに接続するための無線LAN基地局の高密度化が図られており、無線LAN基地局が街中の各所に設置されている。また、携帯型電話機の基地局の通信可能範囲が数キロ〜数十キロメートルと広範であるのに対し、無線LAN基地局の通信可能範囲は数十〜数百メートルと狭小である。このため、測位位置の変化と無線LAN基地局から発信されたビーコン信号の受信状況の変化とを対比するといったことにより、測位誤差の発生を正確に判定することが可能となる。
第2の発明は、第1の発明の測位誤差発生判定方法であって、ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、前回の測位位置と今回の測位位置間の距離が所定の無線LAN信号到達距離より大きい場合に、測位誤差が発生していると判定する測位誤差発生判定方法である。
また、第12の発明として、第11の発明の測位装置における前記測位誤差発生判定部は、前記各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、前回の測位位置と今回の測位位置間の距離が所定の無線LAN信号到達距離より大きい場合に、測位誤差が発生していると判定する測位装置を構成してもよい。
この第2の発明等によれば、同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、前回の測位位置と今回の測位位置間の距離が所定の無線LAN信号到達距離より大きい場合に、測位誤差が発生していると判定される。
同一の無線LAN基地局からのビーコン信号を連続受信しているということは、測位装置が少なくとも当該無線LAN基地局の通信エリア内に位置していることを意味している。それにも関わらず、今回の測位位置が前回の測位位置から無線LAN信号到達距離よりも離れたということは、今回の測位位置は位置飛びしたものである可能性が高い。第2の発明等によれば、前回の測位位置と今回の測位位置間の距離と、無線LAN信号到達距離とを比較するといった簡便な方法により、測位誤差の発生を判定することができる。
第3の発明は、第1の発明の測位誤差発生判定方法であって、ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であり、更に、前回の測位位置に対する今回の測位位置が所定の位置変動条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する測位誤差発生判定方法である。
また、第13の発明として、第11の発明の測位装置における前記測位誤差発生判定部は、前記各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であり、更に、前回の測位位置に対する今回の測位位置が所定の位置変動条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する測位装置を構成してもよい。
この第3の発明等によれば、同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であり、更に、前回の測位位置に対する今回の測位位置が所定の位置変動条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定される。
同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出しており、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であるということは、前回の測位時から測位装置は停止しているか、ほとんど移動していないことを意味している。それにも関わらず、前回の測位位置に対して今回の測位位置が大きく変動したような場合は、今回の測位位置に位置飛びが発生した可能性が極めて高い。第3の発明等によれば、連続受信したビーコン信号の信号強度の同等性を判断材料に加えることで、測位誤差発生の判定の確実性を一層高めることができる。
第4の発明は、第1の発明の測位誤差発生判定方法であって、前記無線LAN基地局それぞれの設置位置を記憶した設置位置記憶部から、受信したビーコン信号を発信した無線LAN基地局の設置位置を取得することを更に含み、1)ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、2)連続受信した当該ビーコン信号の信号強度の変化と、前記取得された設置位置と、前回の測位位置から今回の測位位置への変位との相関関係が所定の相反条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する測位誤差発生判定方法である。
また、第14の発明として、第11の発明の測位装置であって、前記無線LAN基地局それぞれの設置位置を記憶した設置位置記憶部と、前記設置位置記憶部から、前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号を発信した無線LAN基地局の設置位置を取得する基地局位置取得部と、を備え、前記測位誤差発生判定部は、1)前記各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、2)連続受信した当該ビーコン信号の信号強度の変化と、前記取得された設置位置と、前回の測位位置から今回の測位位置への変位との相関関係が所定の相反条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する測位装置を構成してもよい。
この第4の発明等によれば、受信されたビーコン信号を発信した無線LAN基地局の設置位置が取得され、1)ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信が検出され、2)連続受信した当該ビーコン信号の信号強度の変化と、取得された設置位置と、前回の測位位置から今回の測位位置への変位との相関関係が所定の相反条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定される。
無線LAN基地局の設置位置が既知であれば、同一の無線LAN基地局から連続受信したビーコン信号の信号強度の変化に基づいて前回の測位位置から今回の測位位置への変位の妥当性を判断することが可能となるため、測位誤差の発生を適確に判定することが可能となる。例えば、前回の測位位置に比べて今回の測位位置の方が無線LAN基地局の設置位置に近いが、ビーコン信号の信号強度が弱くなったのであれば、相関関係が相反していると考えられ、測位誤差が発生していると判定できる。
第5の発明は、第2〜第4の何れかの発明の測位誤差発生判定方法と、前記測位誤差発生判定方法によって測位誤差の発生が判定された場合に、1)今回の測位位置を出力しない、或いは、2)前回の測位位置を今回の測位位置として出力する制御を行うことと、を含む測位位置出力制御方法である。
また、第11の発明として、測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算する測位演算部と、無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信する無線LAN通信部と、前記測位演算部により測位演算された測位位置の変化と各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号の変化とに基づいて、測位誤差の発生を判定する測位誤差発生判定部と、前記測位誤差発生判定部によって測位誤差の発生が判定された場合に、1)今回の測位位置を出力しない、或いは、2)前回の測位位置を今回の測位位置として出力する制御を行う測位誤差発生時出力制御部と、を備えた測位装置を構成してもよい。
この第5の発明等によれば、測位誤差の発生が判定された場合に、今回の測位位置を出力しないか、前回の測位位置を今回の測位位置として出力する制御が行われるため、信頼性の低い測位位置の出力が防止される。
また、第6の発明として、第2〜第4の何れかの発明の測位誤差発生判定方法と、前記測位誤差発生判定方法によって測位誤差の発生が判定された場合に、前回の測位位置を測位演算用の初期位置として次回の測位演算を行うことと、を含む測位方法を構成してもよい。
この第6の発明によれば、測位誤差の発生が判定された場合に、前回の測位位置を測位演算用の初期位置として次回の測位演算が行われるため、信頼性の低い測位位置を初期位置とした測位演算により、解が誤収束したり、初回測位時間(TTFF)が増大するといったことが防止される。
第7の発明は、測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算することと、無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信することと、ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等の場合に、前回の測位位置を今回の測位位置として出力することと、を含む測位位置出力制御方法である。
また、第15の発明として、測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算する測位演算部と、無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信する無線LAN通信部と、前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等の場合に、位置変化していないと判定する停止判定部と、を備えた測位装置を構成してもよい。
この第7の発明等によれば、無線LAN基地局から受信したビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信が検出され、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等の場合に、前回の測位位置が今回の測位位置として出力される。
同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出しており、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であるということは、前回の測位時から測位装置は停止しているか、ほとんど移動していないことを意味している。従って、今回の測位位置ではなく前回の測位位置を出力することで、より確からしい測位結果を提供することが可能となる。
また、第8の発明として、測位装置に内蔵されたコンピュータに、第1〜第4の何れかの発明の測位誤差発生判定方法を実行させるためのプログラムを構成してもよいし、第9の発明として、測位装置に内蔵されたコンピュータに、第5又は第7の発明の測位位置出力制御方法を実行させるためのプログラムを構成してもよい。さらには、第10の発明として、第8又は第9の発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を構成してもよい。
以下、図面を参照して、本発明に好適な実施形態を説明する。尚、以下では、測位機能を有して測位装置の一種でなるノート型パソコン(以下、「ノート型PC」と称す。)を例に挙げて説明するが、本発明を適用可能な実施形態がこれに限定されるわけではない。
1.システム構成
図1は、各実施形態に共通する測位を行うシステムである測位システム1の概略構成を示す図である。測位システム1は、測位用衛星であるGPS衛星S(S1,S2,S3,・・・)と、無線LAN(Local Area Network)基地局であるアクセスポイントAP(Access Point:AP1,AP2,AP3,・・・)と、測位装置であるノート型PC100とを備えて構成される。
GPS衛星Sは、各GPS衛星の軌道情報(エフェメリスデータやアルマナックデータ)等の航法メッセージが重畳された測位用信号としてのGPS衛星信号を発信する測位用衛星である。GPS衛星Sは、6つの周回軌道面それぞれに4機ずつ配置され、原則、地球上のどこからでも常時4機以上の衛星が幾何学的配置のもとで観測できるように運用されている。
アクセスポイントAPは、無線LANの運用事業者等によって、街中の各所に設置される無線通信機器であり、ビーコン(Beacon)信号を周期的に発信している。ビーコン信号は、アクセスポイントAPの通信可能圏内に存在するノート型PC100等の端末機器に対して当該アクセスポイントAPの存在を報知するための公知の信号であり、発信者であるアクセスポイントAPを識別するためのID(以下、「APID」と称す。)を含んでいる。
ノート型PC100は、ユーザが携行可能な小型のパーソナルコンピュータであり、GPS衛星Sから発信されるGPS衛星信号を受信し、当該GPS衛星信号に重畳されている航法メッセージ等の情報に基づいて測位演算を行うことで、自機の現在位置を測位する。また、ノート型PC100は、無線LAN通信機能を有しており、通信可能圏内に存在するアクセスポイントAPからのビーコン信号を受信して当該アクセスポイントAPを識別して無線LANに接続することで、無線LAN規格に則った無線通信を行うことができる。
2.機能構成
図2は、ノート型PC100の機能構成を示すブロック図である。ノート型PC100は、GPSアンテナ5と、GPS受信部10と、無線LANアンテナ15と、無線LAN通信部20と、CPU30と、操作部40と、表示部50と、ROM(Read Only Memory)60と、ハードディスク70と、RAM(Random Access Memory)80とを備えて構成される。
GPSアンテナ5は、GPS衛星Sから発信されたGPS衛星信号を含むRF信号を受信するアンテナであり、受信した信号をGPS受信部10に出力する。尚、GPS衛星信号は、C/A(Coarse and Acquisition)コードと呼ばれるスペクトラム拡散変調された信号であり、1.57542[GHz]を搬送波周波数とするL1帯の搬送波に重畳されている。
GPS受信部10は、GPSアンテナ5から出力された信号に基づいてノート型PC100の現在位置を測位する測位部であり、いわゆるGPS受信機に相当する機能ブロックである。GPS受信部10は、GPS用RF(Radio Frequency)受信回路部11と、GPS用ベースバンド処理回路部13とを備えて構成される。尚、GPS用RF受信回路部11と、GPS用ベースバンド処理回路部13とは、それぞれ別のLSI(Large Scale Integration)として製造することも、1チップとして製造することも可能である。
GPS用RF受信回路部11は、高周波信号(RF信号)の回路ブロックであり、所定の発振信号を分周或いは逓倍することで、RF信号乗算用の発振信号を生成する。そして、生成した発振信号を、GPSアンテナ5から出力されたRF信号に乗算することで、RF信号を中間周波数の信号(以下、「IF(Intermediate Frequency)信号」と称す。)にダウンコンバートし、IF信号を増幅等した後、A/D変換器でデジタル信号に変換して、GPS用ベースバンド処理回路部13に出力する。
GPS用ベースバンド処理回路部13は、GPS用RF受信回路部11から出力されたIF信号に対して相関処理等を行ってGPS衛星信号を捕捉・抽出し、データを復号して航法メッセージや時刻情報等を取り出してCPU30に出力する回路部である。GPS用ベースバンド処理回路部13は、相関処理を行う回路や相関処理用の拡散符号を発生させる回路、データを復号する回路の他、プロセッサとしてのCPUと、メモリとしてのROM及びRAMとを備えて構成される。尚、本実施形態においては現在位置の測位演算そのものはCPU30で実行することとして説明するが、このGPS用ベースバンド処理回路部13内のCPUで現在位置を測位演算することとしてもよいのは勿論である。
無線LANアンテナ15は、アクセスポイントAPから発信されるビーコン信号を受信するアンテナであり、受信したビーコン信号を無線LAN通信部20に出力する。
無線LAN通信部20は、無線LANアンテナ15から出力されたビーコン信号に基づいてアクセスポイントAPを識別し、無線LAN規格に則った無線通信を行うための回路部であり、無線LAN用RF受信回路部21と、無線LAN用ベースバンド処理回路部23とを備えて構成される。
勿論、ビーコン信号を受信したとしても、当該ビーコン信号を発信したアクセスポイントAPと通信を行い、当該アクセスポイントAPを介した無線LAN通信を行うか否かは、当該アクセスポイントAPを運営する事業者との契約によるところであり、従来公知の手法と同様である。但し、アクセスポイントAPが発信するビーコン信号を受信すること自体は、無線LAN通信規格に則った機器であれば何れの機器も受信可能である。
本実施形態は、このビーコン信号の受信を利用した実施形態である。以下では、ビーコン信号を受信した場合、そのビーコン信号を発信した相手先のアクセスポイントAPのことを「通信相手先」と称するが、必ずしも通信相手先のアクセスポイントAPとの間で「相互通信(上りと下り双方の通信)」を行っている必要は無く、単にビーコン信号を受信している(下りのみ)状態も含む。
無線LAN用RF受信回路部21及び無線LAN用ベースバンド処理回路部23の回路動作は、無線LAN用の通信処理に関する公知の回路動作であるため、詳細な説明を省略する。尚、アクセスポイントAPから発信されているビーコン信号を受信した場合には、無線LAN用ベースバンド処理回路部23は、ビーコン信号の復調を行ってAPIDを抽出するとともに、ビーコン信号の信号強度を算出し、それらの情報をCPU30に出力する。
CPU30は、ROM60に記憶されているシステムプログラム等の各種プログラムに従ってノート型PC100の各部を統括的に制御するプロセッサである。特に、CPU30は、ROM60に記憶されているGPS制御プログラムに従って、GPS受信部10を制御する処理を行う。
操作部40は、例えばキーボードやタッチパネル等により構成される入力装置であり、押下されたキーやボタンの信号をCPU30に出力する。この操作部40の操作により、ノート型PC100の起動/停止指示や、各種アプリケーションの実行指示等がなされる。
表示部50は、LCD(Liquid Crystal Display)等により構成され、CPU30から入力される表示信号に基づいた各種表示を行う表示装置である。表示部50には、時刻情報や各種アプリケーション画面、測位結果等が表示される。
ROM60は、読み取り専用の記憶装置であり、ノート型PC100を制御するためのシステムプログラムや、GPS受信部10を制御するための制御プログラム等を記憶している。
ハードディスク70は、磁気ヘッド等を用いてデータの読み書きを行う記憶装置であり、ノート型PC100が備える各種機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶している。
RAM80は、読み書き可能な記憶装置であり、CPU30により実行されるシステムプログラム、各種処理プログラム、各種処理の処理中データ、処理結果などを一時的に記憶するワークエリアを形成している。
3.第1実施形態
3−1.データ構成
図3は、第1実施形態におけるROM60に格納されたデータの一例を示す図である。ROM60には、CPU30により読み出され、第1GPS制御処理(図10参照)として実行される第1GPS制御プログラム61と、アクセスポイントAPの設置位置についてのデータであるAP設置位置データ63とが記憶されている。また、第1GPS制御プログラム61には、第1GPS測位処理(図11参照)として実行される第1GPS測位プログラム62がサブルーチンとして含まれている。
第1GPS制御処理とは、CPU30が、GPS受信部10の起動時における無線LAN通信部20の通信相手先のアクセスポイントAP(以下、「起動時AP」と称す。)の組合せと、前回のGPS受信部10の停止時に通信相手先であったアクセスポイントAP(以下、「停止時AP」と称す。)の組合せとを比較判定し、その比較判定結果に基づいて、ノート型PC100の現在位置を決定して出力する処理である。その後、CPU30は、所定の測位間隔(本実施形態では「1秒」とする。)で測位演算を行って測位結果を出力し、測位終了指示を検出した場合には、GPS受信部10を停止させるように制御する。第1GPS制御処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
第1GPS測位処理とは、CPU30が、測位演算を実行するとともに、最新の測位時に通信相手先であったアクセスポイントAPの組合せと、その前の測位時に通信相手先であったアクセスポイントAPの組合せとの一致を比較判定し、同一であると判定した場合であって、最新の測位位置(以下、「最新測位位置」と称す。)とその前の測位位置(以下、「前回測位位置」と称す。)間の距離が無線LANの信号到達距離より大きい場合に、最新測位位置に測位誤差が発生したものと判定し、最新測位位置の代わりに前回測位位置を出力する処理である。第1GPS測位処理についても、フローチャートを用いて詳細に後述する。
図6は、AP設置位置データ63のデータ構成例を示す図である。AP設置位置データ63には、アクセスポイントAPの発信者IDであるAPID631と、当該アクセスポイントAPの設置位置633とが対応付けて記憶されている。設置位置633は、例えば地球基準座標系における3次元の座標値で表される。
例えば、APID631が「BSS1」であるアクセスポイントAPは、位置「(XBSS1,YBSS1,ZBSS1)」に設置されているとして記憶されている。第1GPS制御処理において、CPU30は、起動時APのAPIDの組合せが停止時APのAPIDの組合せと同一ではないと判定した場合に、当該起動時APの設置位置633に基づいてノート型PC100の現在位置を決定して出力する。
図4は、第1実施形態におけるハードディスク70に格納されたデータの一例を示す図である。ハードディスク70には、GPS受信部10による測位結果の履歴についてのデータである第1測位履歴データ71と、停止時APを示すデータである第1停止時APデータ73とが記憶されている。
図7は、第1測位履歴データ71のデータ構成例を示す図である。第1測位履歴データ71はいわゆるリングバッファとして構成され、時刻711と、当該時刻711において測位された測位位置713と、当該時刻711において無線LAN通信部20により通信が行われていたアクセスポイントAPのAPID715とが対応付けて、新しい順に5秒分記憶されている。
以下では、第1測位履歴データ71のうち、最も新しい1レコード分の時刻711、測位位置713及びAPID715の組合せを「最新測位情報」、次に新しい1レコード分の時刻711、測位位置713及びAPID715の組合せを「前回測位情報」と称する。また、最新測位情報のうちの測位位置713を「最新測位位置」、前回測位情報のうちの測位位置713を「前回測位位置」と称する。
例えば、時刻「t」における測位位置は「(X1,Y1,Z1)」であり、当該時刻に無線LAN通信部20により通信が行われていたアクセスポイントAPのAPIDは「BSS1」及び「BSS2」である。第1GPS制御処理において、CPU30は、GPS起動時に決定・出力した測位結果で第1測位履歴データ71を更新するとともに、その後は1秒間隔で測位演算を行い、当該測位結果で第1測位履歴データ71を更新する。
図8は、第1停止時APデータ73のデータ構成例を示す図である。第1停止時APデータ73には、停止時APのAPIDが記憶される。第1GPS制御処理において、CPU30は、操作部40を介して測位終了指示がなされたと判定した場合に、無線LAN通信部20により通信が行われているアクセスポイントAPを停止時APとし、当該停止時APのAPIDで第1停止時APデータ73を更新する。
図5は、第1実施形態におけるRAM80に格納されたデータの一例を示す図である。RAM80には、起動時APを示すデータである第1起動時APデータ81が記憶される。
図9は、第1起動時APデータ81のデータ構成例を示す図である。第1起動時APデータ81には、起動時APのAPIDが記憶される。第1GPS制御処理において、CPU30は、GPS受信部10の起動時に無線LAN通信部20により通信可能となったアクセスポイントAPを起動時APとし、当該起動時APのAPIDで第1起動時APデータ81を更新する。
3−2.処理の流れ
図10は、CPU30によりROM60に記憶されている第1GPS制御プログラム61が読み出されて実行されることで、ノート型PC100において実行される第1GPS制御処理の流れを示すフローチャートである。第1GPS制御処理は、CPU30が、操作部40に測位開始指示の操作がなされたことを検出した場合に実行を開始する処理であり、各種アプリケーションの実行といった各種の処理と並行して行われる処理である。尚、ノート型PC100の電源のON/OFFとGPSの起動/停止とを連動させ、ノート型PC100の電源投入操作を検出した場合に処理の実行を開始させることにしてもよい。
尚、第1GPS制御処理においてGPS受信部10の起動後は、GPSアンテナ5によるRF信号の受信や、GPS用RF受信回路部11によるIF信号へのダウンコンバート、GPS用ベースバンド処理回路部13によるGPS衛星の捕捉・追尾、GPS衛星信号の復調等が随時行われ、時刻情報や航法メッセージ等がCPU30に出力される状態にあるものとする。また、無線LANアンテナ15によるビーコン信号の受信や、無線LAN通信部20によるビーコン信号の復調等を経て、アクセスポイントAPのAPIDがCPU30に随時出力される状態にあるものとする。
先ず、CPU30は、GPS受信部10を起動する(ステップA1)。次いで、CPU30は、無線LAN通信部20によりアクセスポイントAPから発信されるビーコン信号が受信されている場合にはそのビーコン信号に含まれるAPIDを取得した後(ステップA3)、取得したAPIDのアクセスポイントAPを起動時APとし、そのAPIDをRAM80の第1起動時APデータ81に記憶させる(ステップA5)。
次いで、CPU30は、起動時APのAPIDの組合せが、ハードディスク70に記憶されている第1停止時APデータ73の停止時APのAPIDの組合せと同一であるか否かを判定し(ステップA7)、同一であると判定した場合は(ステップA7;Yes)、ハードディスク70の第1測位履歴データ71に記憶されている最新測位位置を現在位置として出力する(ステップA9)。
一方、ステップA7においてAPIDの組合せが同一ではないと判定した場合は(ステップA7;No)、CPU30は、ROM60に記憶されているAP設置位置データ63を参照し、起動時APの設置位置633に基づいて現在位置を決定して出力する(ステップA11)。具体的には、例えば、起動時APが1個である場合は、当該起動時APの設置位置を現在位置に決定し、起動時APが複数存在する場合は、全ての起動時APの平均位置を算出して現在位置に決定する。
ステップA9又はA11において現在位置を出力した後、CPU30は、現在の時刻、出力した現在位置及び起動時APのAPIDの組合せを最新測位情報とし、ハードディスク70の第1測位履歴データ71を更新する(ステップA13)。その後、CPU30は、ROM60に記憶されている第1GPS測位プログラム62を読み出して実行することで、第1GPS測位処理を行う(ステップA15)。
図11は、第1GPS測位処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU30は、第1測位履歴データ71に記憶されている最新測位位置に基づいて測位演算を実行する(ステップB1)。尚、測位演算は、擬似距離の算出や逐次計算法等に基づく収束計算を行うことで実現されるが、その詳細については公知であるため、説明を省略する。
次いで、CPU30は、無線LAN通信部20により受信されているビーコン信号に含まれるAPIDを取得し(ステップB3)、現在の時刻、測位演算により求めた測位位置及び取得したAPIDの組合せを最新測位情報として、第1測位履歴データ71を更新する(ステップB5)。
その後、CPU30は、第1測位履歴データ71の最新測位情報に含まれるAPIDの組合せが、前回測位情報に含まれるAPIDの組合せと同一であるか否かを判定し(ステップB7)、同一ではないと判定した場合は(ステップB7;No)、ステップB15へと処理を移行する。
一方、ステップB7においてAPIDの組合せが同一であると判定した場合は(ステップB7;Yes)、CPU30は、第1測位履歴データ71に記憶されている最新測位位置と前回測位位置間の距離を算出する(ステップB9)。
そして、CPU30は、ステップB9で算出した距離が、予め定められた第1閾値距離よりも大きいか否かを判定し(ステップB11)、第1閾値距離以下であると判定した場合は(ステップB11;No)、ステップB15へと処理を移行する。
一方、ステップB11において、算出した距離が第1閾値距離よりも大きいと判定した場合は(ステップB11;Yes)、CPU30は、最新測位位置に測位誤差が発生したものと判定し、第1測位履歴データ71に現在記憶されている最新測位位置を前回測位位置として第1測位履歴データ71を更新した後(ステップB13)、最新測位位置を出力する(ステップB15)。
ここで、第1閾値距離としては、アクセスポイントAPの通信圏の直径、すなわち無線LAN信号の到達距離の最大値(例えば100m)を設定することが好適である。最新測位情報に含まれるAPIDと、前回測位情報に含まれるAPIDとが同一の組合せであるにも関わらず、最新測位位置が前回測位位置から無線LAN信号の到達距離よりも大きく変化したということは、最新測位位置は位置飛びしたものである可能性が高い。そこで、この場合は、最新測位位置は出力せずに、代わりに前回測位位置を出力することにしている。
ステップB15において最新測位位置の出力を行った後、CPU30は、第1GPS測位処理を終了する。
図10の第1GPS制御処理に戻って、第1GPS測位処理を行った後、CPU30は、操作部40に対して測位終了指示がなされたか否かを判定し(ステップA17)、なされなかったと判定した場合は(ステップA17;No)、ステップA15に戻って、再度第1GPS測位処理を行う。
一方、ステップA17において測位終了指示がなされたと判定した場合は(ステップA17;Yes)、CPU30は、無線LAN通信部20の現在の通信相手先のアクセスポイントAPを停止時APとし、そのAPIDをハードディスク70の第1停止時APデータ73に記憶させる(ステップA19)。そして、CPU30は、GPS受信部10を停止させた後(ステップA21)、第1GPS制御処理を終了する。
3−3.作用効果
第1実施形態によれば、GPS衛星SからのGPS衛星信号に基づいて測位演算により測位された測位位置の変化と、各測位演算時点で無線LAN基地局であるアクセスポイントAPから受信されたビーコン信号の変化とに基づいて、測位誤差の発生が判定される。具体的には、同一のアクセスポイントAPからのビーコン信号の連続受信が検出され、且つ、前回測位位置と最新測位位置間の距離が無線LAN信号到達距離より大きい場合に、測位誤差が発生していると判定され、最新測位位置ではなく前回測位位置が出力される。
近年の無線LAN通信事業の隆盛に伴い、無線LANに接続するためのアクセスポイントAPの高密度化が図られ、アクセスポイントAPは街中の各所に設置されている。また、携帯型電話機の基地局の通信可能範囲は数キロ〜数十キロメートルと広範であるのに対し、アクセスポイントAPの通信可能範囲は数十〜数百メートルと狭小である。このため、測位位置の変化とアクセスポイントAPから受信されたビーコン信号の変化とを対比することで、測位誤差の発生を正確に判定することが可能となる。
また、同一のアクセスポイントAPからのビーコン信号を連続受信しているということは、ノート型PC100が少なくとも当該アクセスポイントAPの通信エリア内に位置していることを意味している。それにも関わらず、最新測位位置が前回測位位置から無線LAN信号到達距離よりも離れたということは、最新測位位置は位置飛びしたものである可能性が高い。第1実施形態によれば、前回測位位置と最新測位位置間の距離と、無線LAN信号到達距離とを比較するといった簡便な方法によって測位誤差の発生を判定することができるとともに、信頼性の低い測位結果を出力しないように制御することで、より確からしい測位結果をユーザに提供することが可能となる。
4.第2実施形態
4−1.データ構成
第2実施形態は、第1実施形態のROM60をROM65に、ハードディスク70をハードディスク75に、RAM80をRAM85に置き換えた構成であり、他の第1実施形態と同一の構成要素については同一の符号を付して、説明を省略する。
図12は、第2実施形態におけるROM65に格納されたデータの一例を示す図である。ROM65には、CPU30に読み出され、第2GPS制御処理(図18参照)として実行される第2GPS制御プログラム67と、AP設置位置データ63とが記憶されている。また、第2GPS制御プログラム67には、第2GPS測位処理(図19参照)として実行される第2GPS測位プログラム68がサブルーチンとして含まれている。
第2GPS制御処理とは、CPU30が、起動時APの組合せ及び停止時APの組合せと、各起動時AP及び各停止時APそれぞれの受信したビーコン信号の信号強度とに基づいてノート型PC100の現在位置を決定して出力する処理である。そして、CPU30は、決定した現在位置を初期位置として所定の測位間隔で測位演算を実行し、測位終了指示を検出した場合には、GPS受信部10を停止させるように制御する。第2GPS制御処理については、フローチャートを用いて詳細に後述する。
第2GPS測位処理とは、CPU30が、測位演算を実行するととともに、最新測位情報に含まれるAPIDの組合せと、前回測位情報に含まれるAPIDの組合せとの一致を比較判定し、APIDの組合せが同一であり、且つ、ビーコン信号の信号強度が所定の同等条件を満たす場合であって、前回測位位置に対する最新測位位置が所定の位置変動条件を満たす場合に、最新測位位置に測位誤差が発生したものと判定し、最新測位位置の代わりに前回測位位置を出力する処理である。第2GPS測位処理についても、フローチャートを用いて詳細に後述する。
図13は、第2実施形態におけるハードディスク75に格納されるデータの一例を示す図である。ハードディスク75には、第2測位履歴データ77と、第2停止時APデータ79とが記憶される。
図15は、第2測位履歴データ77のデータ構成例を示す図である。第2測位履歴データ77には、時刻771と、測位位置773と、APID775と、信号強度777とが対応付けて記憶されている。時刻771〜APID775は、第1測位履歴データ71の時刻711〜APID715と同一の意味内容である。また、信号強度777は、無線LAN通信部20が各アクセスポイントAPから受信したビーコン信号の信号強度である。
図16は、第2停止時APデータ79のデータ構成例を示す図である。第2停止時APデータ79には、停止時APのAPID791と、信号強度793とが対応付けて記憶される。信号強度793は、無線LAN通信部20が各停止時APから受信したビーコン信号の強度である。
図14は、第2実施形態におけるRAM85に格納されるデータの一例を示す図である。RAM85には、第2起動時APデータ87が記憶される。
図17は、第2起動時APデータ87のデータ構成例を示す図である。第2起動時APデータ87には、起動時APのAPID871と、信号強度873とが対応付けて記憶される。信号強度873は、無線LAN通信部20が各起動時APから受信したビーコン信号の強度である。
4−2.処理の流れ
図18は、CPU30によりROM65に記憶されている第2GPS制御プログラム67が読み出されて実行されることで、ノート型PC100において実行される第2GPS制御処理の流れを示すフローチャートである。尚、第2GPS制御処理では、無線LAN通信部20により算出されたビーコン信号の信号強度が、CPU30に出力される状態にあるものとする。
先ず、CPU30は、GPS受信部10を起動する(ステップC1)。そして、CPU30は、無線LAN通信部20により受信されているビーコン信号に含まれるAPID及び当該ビーコン信号の信号強度を取得する(ステップC3)。そして、CPU30は、取得したAPIDのアクセスポイントAPを起動時APとし、そのAPID871及び取得した信号強度873を、RAM85の第2起動時APデータ87に記憶させる(ステップC5)。
次いで、CPU30は、起動時APのAPIDの組合せが、ハードディスク75の第2停止時APデータ79に記憶されている停止時APのAPID791の組合せと同一であるか否かを判定し(ステップC7)、同一であると判定した場合は(ステップC7;Yes)、信号強度が所定の同等条件を満たすか否かを判定する(ステップC9)。
具体的には、RAM85の第2起動時APデータ87及びハードディスク75の第2停止時APデータ79を参照し、各起動時APそれぞれのビーコン信号の信号強度873が、対応する停止時APのビーコン信号の信号強度793から所定の閾値強度以内であるか否かを判定する。そして、閾値強度以内であると判定した場合に、信号強度が同等条件を満たすと判定する。
CPU30は、ステップC9において信号強度が同等条件を満たすと判定した場合は(ステップC9;Yes)、ハードディスク75の第2測位履歴データ77に記憶されている最新測位位置を現在位置として出力する(ステップC11)。
一方、ステップC7においてAPIDの組合せが同一ではないと判定した場合は(ステップC7;No)、CPU30は、ROM65のAP設置位置データ63を参照することで、起動時APの設置位置を取得する(ステップC13)。そして、無線LAN通信部20により受信された起動時APについてのビーコン信号の信号強度の比率と、ステップC13で取得した設置位置とに基づいて現在位置を推定して出力する(ステップC15)。
具体的には、例えば起動時APが「AP1」及び「AP2」の2個であり、「AP1」から受信されたビーコン信号の信号強度と、「AP2」から受信されたビーコン信号の信号強度との比率が「1:2」である場合は、「AP1」と「AP2」とを結ぶ線分を「2:1」に内分する位置を現在位置と推定する。尚、説明を省略するが、起動時APが3個以上である場合についても同様である。
また、ステップC9において信号強度が同等条件を満たさないと判定した場合は(ステップC9;No)、CPU30は、ROM65のAP設置位置データ63を参照することで、起動時APの設置位置を取得する(ステップC17)。そして、無線LAN通信部20により受信された起動時AP及び停止時APについての信号強度の差の比率と、ステップC17で取得した起動時APの設置位置とに基づいて最新測位位置を補正することで、現在位置を推定して出力する(ステップC19)。
図20は、ステップC19における最新測位位置補正の原理を説明するための図である。ここでは、起動時APが「AP1」、「AP2」、「AP3」であるものとして説明する。
前回のGPS停止時に各停止時APから受信されたビーコン信号の信号強度がそれぞれ「P1」、「P2」、「P3」であり、今回のGPS起動時に各起動時APから受信されたビーコン信号の信号強度がそれぞれ「P1+Δα」、「P2−Δβ」、「P3+Δγ」にそれぞれ変化したとする。但し、信号強度の差分「Δα」、「Δβ」、「Δγ」はそれぞれ正である。
この場合は、信号強度「P1」、「P2」、「P3」からの増減(±)と、信号強度の差分に基づく比率(Δα/P1):(Δβ/P2):(Δγ/P3)とに基づいて、最新測位位置を補正する。より具体的には、信号強度の増減が「+」となった起動時APの設置位置に近付けるように、所定の比例演算を行って最新測位位置をシフトさせる。この結果、図中においては、信号強度が「Δα」、「Δγ」だけ増加した起動時AP「AP1」、「AP3」の設置位置寄りの位置に、最新測位位置が補正されている。
ステップC11、C15、C19の何れかにおいて現在位置を出力した後、CPU30は、現在の時刻771、出力した現在位置773、起動時APのAPID775及び起動時APについてのビーコン信号の信号強度777の組合せを最新測位情報とし、ハードディスク75の第2測位履歴データ77を更新する(ステップC21)。その後、CPU30は、ROM65に記憶されている第2GPS測位プログラム68を読み出して実行することで、第2GPS測位処理を行う(ステップC23)。
図19は、第2GPS測位処理の流れを示すフローチャートである。
先ず、CPU30は、第2測位履歴データ77に記憶されている最新測位位置に基づいて測位演算を実行する(ステップD1)。そして、CPU30は、無線LAN通信部20により受信されているビーコン信号に含まれるAPID及び当該ビーコン信号の信号強度を取得する(ステップD3)。
次いで、CPU30は、現在の時刻771、測位演算により求めた測位位置773、取得したAPID775及び取得した信号強度777の組合せを最新測位情報として、第2測位履歴データ77を更新する(ステップD5)。
その後、CPU30は、第2測位履歴データ77の最新測位情報に含まれるAPIDの組合せが、前回測位情報に含まれるAPIDの組合せと同一であるか否かを判定し(ステップD7)、同一ではないと判定した場合は(ステップD7;No)、ステップD17へと処理を移行する。
一方、ステップD7においてAPIDの組合せが同一であると判定した場合は(ステップD7;Yes)、CPU30は、信号強度が所定の同等条件を満たすか否かを判定する(ステップD9)。具体的には、第2測位履歴データ77を参照し、各最新測位情報に含まれる信号強度777が、対応する前回測位情報に含まれる信号強度777から所定の閾値以内であるか否かを判定する。そして、閾値以内であると判定した場合に、信号強度が同等条件を満たすと判定する。
そして、ステップD9において信号強度が同等条件を満たさないと判定した場合は(ステップD9;No)、CPU30は、ステップD17へと処理を移行する。また、同等条件を満たすと判定した場合は(ステップD9;Yes)、第2測位履歴データ77に記憶されている最新測位位置と前回測位位置間の距離を算出する(ステップD11)。
そして、CPU30は、ステップD11で算出した距離が、予め定められた第2閾値距離よりも大きいか否かを判定し(ステップD13)、第2閾値距離以下であると判定した場合は(ステップD13;No)、ステップD17へと処理を移行する。
また、第2閾値距離よりも大きいと判定した場合は(ステップD13;Yes)、CPU30は、最新測位位置に測位誤差が発生したものと判定し、第2測位履歴データ77に記憶されている最新測位位置を前回測位位置として第2測位履歴データ77を更新した後(ステップD15)、最新測位位置を出力する(ステップD17)。
ここで、第2閾値距離としては、無線LANの信号到達距離の最大値より小さい値(例えば50m)を設定することが好適である。最新測位情報に含まれるAPID及び前回測位情報に含まれるAPIDの組合せが同一であり、且つ、受信されたビーコン信号の信号強度が同等であれば、ノート型PC100は停止しているか、ほとんど移動していないはずである。
それにも関わらず、最新測位位置が前回測位位置と一致若しくは近接していない場合は、最新測位位置は位置飛びしたものである可能性が極めて高いため、最新測位位置を出力することは適切ではない。そこで、この場合は、測位誤差が発生したものと判定して、最新測位位置の代わりに前回測位位置を出力することにしている。
ステップD17において最新測位位置の出力を行った後、CPU30は、第2GPS測位処理を終了する。
図18の第2GPS制御処理に戻って、第2GPS測位処理を行った後、CPU30は、操作部40を介して測位終了指示がなされたか否かを判定し(ステップC25)、なされなかったと判定した場合は(ステップC25;No)、ステップC23に戻って、再度第2GPS測位処理を行う。
一方、ステップC25において測位終了指示がなされたと判定した場合は(ステップC25;Yes)、CPU30は、無線LAN通信部20の現在の通信相手先のアクセスポイントAPを停止時APとし、そのAPID791をハードディスク75の第2停止時APデータ79に記憶させる(ステップC27)。
また、CPU30は、停止時APから受信されているビーコン信号の信号強度を無線LAN通信部20から取得し、当該信号強度793を当該APID791と対応付けて、第2停止時APデータ79に記憶させる(ステップC29)。そして、CPU30は、GPS受信部10を停止させた後(ステップC31)、第2GPS制御処理を終了する。
4−3.作用効果
第2実施形態によれば、同一のアクセスポイントAPからのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であり、さらに、前回測位位置に対して最新測位位置が所定距離(第2閾値距離)よりも離れている場合に、測位誤差が発生していると判定される。そして、この場合は、最新測位位置ではなく前回測位位置が出力される。
同一のアクセスポイントAPからのビーコン信号の連続受信を検出しており、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であるということは、前回の測位時からノート型PC100は停止しているか、ほとんど移動していないことを意味している。それにも関わらず、前回測位位置に対して最新測位位置が大きく変動したような場合は、最新測位位置に位置飛びが発生した可能性が極めて高い。第2実施形態によれば、連続受信したビーコン信号の信号強度の同等性を判断材料に加えることで、測位誤差発生の判定の確実性を一層高めることができ、信頼性の低い測位結果を出力しないように制御することで、不確かな測位結果をユーザに提供しないようにすることができる。
5.変形例
5−1.測位装置
本発明は、測位機能及び無線LAN通信機能を有した電子機器であれば何れの電子機器にも適用可能である。例えば、ノート型PCの他、携帯型電話機やPDA(Personal Digital Assistant)、カーナビゲーション装置等についても同様に適用可能である。
5−2.衛星測位システム
上述した実施形態では、衛星測位システムとしてGPSを例に挙げて説明したが、WAAS(Wide Area Augmentation System)、QZSS(Quasi Zenith Satellite System)、GLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、GALILEO等の他の衛星測位システムであってもよい。
5−3.処理の分化
CPU30が行う処理の一部又は全部を、GPS用ベースバンド処理回路部13が行うことにしてもよい。この場合、GPS用ベースバンド処理回路部13のCPUは、無線LAN通信部20により受信されたビーコン信号に基づいて、起動時APと停止時APとの同一性の判定や、ビーコン信号の信号強度の同等性の判定、最新測位位置と前回測位位置間の距離判定等を行い、測位演算を行うことでノート型PC100の現在位置を測位する。そして、測位演算により求めた測位位置をCPU30に出力する。
5−4.測位誤差発生判定
ビーコン信号の信号強度の変化から推定される自機の位置(以下、「信号強度基準推定位置」と称す。)と最新測位位置との位置関係に基づいて、測位誤差発生の判定を行うことにしてもよい。この場合は、第2GPS制御プログラム67のサブルーチンとして第3GPS測位プログラムをROM65に格納しておき、CPU30は、当該プログラムに従って第3GPS測位処理を行う。
図21は、第3GPS測位処理の流れを示すフローチャートである。尚、図19の第2GPS測位処理と同一のステップについては同一の符号を付し、第2GPS測位処理とは異なる部分を中心に説明する。
第3GPS測位処理では、ステップD7において最新測位情報に含まれるAPIDの組合せと、前回測位情報に含まれるAPIDの組合せとが同一であると判定した場合に(ステップD7;Yes)、CPU30は、ROM65のAP設置位置データ63を参照することで、当該APIDのアクセスポイントAPの設置位置を取得する(ステップE1)。
次いで、CPU30は、当該各APIDのAPについて、最新測位情報に含まれる信号強度と前回測位情報に含まれる信号強度との差分を算出し(ステップE3)、当該信号強度の差分に基づく比率を算出する(ステップE5)。
そして、CPU30は、ステップE5で算出した信号強度の差分に基づく比率と、ステップE1で取得したアクセスポイントAPの設置位置とに基づいて前回測位位置を補正して、信号強度基準推定位置とする(ステップE7)。
尚、前回測位位置の補正は、図20で説明した最新測位位置の補正と同様の原理で実現することができる。すなわち、信号強度の差分に基づく比率に従って、信号強度の増減が「+」となったアクセスポイントAPの設置位置に近づけるように、前回測位位置をシフトさせればよい。
その後、CPU30は、最新測位位置と信号強度基準推定位置間の距離を算出する(ステップE9)。そして、算出した距離が第2閾値距離よりも大きいか否かを判定し(ステップE11)、大きいと判定した場合は(ステップE11;Yes)、測位誤差が発生したものと判定して、前回測位位置を出力するように制御する(ステップD15、D17)。
信号強度基準推定位置は、前回測位位置を補正することで得られる位置であり、連続受信したビーコン信号の信号強度の変化から妥当であると想定される位置である。この信号強度基準推定位置が最新測位位置と乖離している場合は、最新測位位置に位置飛びが発生した可能性が高い。
このように、アクセスポイントAPから連続受信したビーコン信号の信号強度の変化と、アクセスポイントAPの設置位置と、前回測位位置から最新測位位置への変位との相関関係が相反する場合に測位誤差が発生したと判定することで、信頼性の低い測位位置が出力されることを適確に防止することができる。
5−5.測位位置の出力
上述した実施形態では、測位誤差が発生したと判定した場合に、前回測位位置を出力するものとして説明したが、測位位置を不定(NoFix)として、最新測位位置の出力を行わないように制御してもよい。
具体的には、図11の第1GPS測位処理では、CPU30は、最新測位位置と前回測位位置間の距離が第1閾値距離よりも大きいと判定した場合に(ステップB11;Yes)、最新測位位置を前回測位位置として第1測位履歴データ71を更新した後(ステップB13)、ステップB15を行わずに処理を終了するようにする。この処理は、図19の第2GPS測位処理や図21の第3GPS測位処理についても同様に適用可能である。
また、前回測位位置を出力する代わりに、測位履歴から推定した位置(以下、「測位履歴基準推定位置」と称す。)を出力するように制御してもよい。
具体的には、図11の第1GPS測位処理では、CPU30は、最新測位位置と前回測位位置間の距離が第1閾値距離よりも大きいと判定した場合は(ステップB11;Yes)、第1測位履歴データ71を参照し、前回測位位置とその前の測位位置(以下、「前々回測位位置」と称す。)とに基づいて、自機の移動方向を算出する。また、CPU30は、前回測位位置と前々回測位位置間の距離を算出し、当該距離と測位間隔(測位時刻の差)とに基づいて自機の速度を算出する。
そして、CPU30は、前回測位位置から当該移動方向に当該速度で移動した位置を求めて測位履歴基準推定位置とし、最新測位位置を測位履歴基準推定位置として第1測位履歴データ71を更新した後、最新測位位置を出力する。この処理は、図19の第2GPS測位処理や図21の第3GPS測位処理についても同様に適用可能である。
尚、測位履歴のみに基づいて現在位置を推定するのではなく、PVフィルター法等の公知の手法に基づいて現在位置を推定してもよい。例えば、測位履歴基準推定位置と測位位置との中点に対応する位置を求め、当該位置を現在位置と推定・出力する。
5−6.第1GPS制御処理
図10の第1GPS制御処理において、初期位置とする現在位置を信号強度に基づいて決定・出力することにしてもよい。
具体的には、起動時APのAPIDと停止時APのAPIDとが同一の組合せであると判定した場合は(ステップA7;Yes)、CPU30は、ステップA9において、最新測位位置を現在位置として出力するのではなく、起動時APと停止時APとのビーコン信号の信号強度の差分に基づく比率に基づいて最新測位位置を補正して出力する。
また、起動時APのAPIDと停止時APのAPIDとが同一の組合せではないと判定した場合は(ステップA7;No)、CPU30は、ステップA11において、各起動時APの設置位置と信号強度の比率との関係に基づいて現在位置を推定して出力する。
5−7.停止モード
最新測位情報に含まれるAPIDと前回測位情報に含まれるAPIDとが同一の組合せであり、且つ、信号強度が同等条件を満たす場合には、ノート型PC100の位置は停止しているか、ほとんど移動していないものと考えられる。そこで、この場合は、例えばGPSの測位モードを停止モードとし、信号強度が同等条件を満たさなくなるまでの間、前回測位位置を常時出力することにしてもよい。
5−8.記憶媒体
ROM60に格納されている第1GPS制御プログラム61やROM65に格納されている第2GPS制御プログラム67を、CD−ROMやDVD−ROM、フラッシュメモリ等の記憶媒体に格納しておき、CPU30が、記憶媒体からプログラムを読み出して実行する構成としてもよい。この場合、さらにAP設置位置データ63を記憶媒体に格納しておいてもよいことは言うまでもない。
測位システムの概略構成図。 ノート型PCの機能構成を示すブロック図。 第1実施形態におけるROMに格納されたデータの一例を示す図。 第1実施形態におけるハードディスクに格納されたデータの一例を示す図。 第1実施形態におけるRAMに格納されたデータの一例を示す図。 AP設置位置データのデータ構成例を示す図。 第1測位履歴データのデータ構成例を示す図。 第1停止時APデータのデータ構成例を示す図。 第2停止時APデータのデータ構成例を示す図。 第1GPS制御処理の流れを示すフローチャート。 第1GPS測位処理の流れを示すフローチャート。 第2実施形態におけるROMに格納されたデータの一例を示す図。 第2実施形態におけるハードディスクに格納されたデータの一例を示す図。 第2実施形態におけるRAMに格納されたデータの一例を示す図。 第2測位履歴データのデータ構成例を示す図。 第2停止時APデータのデータ構成例を示す図。 第2起動時APデータのデータ構成例を示す図。 第2GPS制御処理の流れを示すフローチャート。 第2GPS測位処理の流れを示すフローチャート。 最新測位位置の補正原理の説明図。 第3GPS測位処理の流れを示すフローチャート。
符号の説明
1 測位システム 、 5 GPSアンテナ、 10 GPS受信部、 11 GPS用RF受信回路部、 13 GPS用ベースバンド処理回路部、 15 無線LANアンテナ、 20 無線LAN通信部、 21 無線LAN用RF受信回路部、 23 無線LAN用ベースバンド処理回路部、 30 CPU、 40 操作部、 50 表示部、 60 ROM、 70 ハードディスク、 80 RAM、 100 ノート型PC、 S GPS衛星、 AP アクセスポイント

Claims (15)

  1. 測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算することと、
    無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信することと、
    測位位置の変化と各測位演算時点で受信されたビーコン信号の変化とに基づいて、測位誤差の発生を判定することと、
    を含む測位誤差発生判定方法。
  2. ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、前回の測位位置と今回の測位位置間の距離が所定の無線LAN信号到達距離より大きい場合に、測位誤差が発生していると判定する請求項1に記載の測位誤差発生判定方法。
  3. ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であり、更に、前回の測位位置に対する今回の測位位置が所定の位置変動条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する請求項1に記載の測位誤差発生判定方法。
  4. 前記無線LAN基地局それぞれの設置位置を記憶した設置位置記憶部から、受信したビーコン信号を発信した無線LAN基地局の設置位置を取得することを更に含み、
    1)ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、2)連続受信した当該ビーコン信号の信号強度の変化と、前記取得された設置位置と、前回の測位位置から今回の測位位置への変位との相関関係が所定の相反条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する請求項1に記載の測位誤差発生判定方法。
  5. 請求項2〜4の何れか一項に記載の測位誤差発生判定方法と、
    前記測位誤差発生判定方法によって測位誤差の発生が判定された場合に、1)今回の測位位置を出力しない、或いは、2)前回の測位位置を今回の測位位置として出力する制御を行うことと、
    を含む測位位置出力制御方法。
  6. 請求項2〜4の何れか一項に記載の測位誤差発生判定方法と、
    前記測位誤差発生判定方法によって測位誤差の発生が判定された場合に、前回の測位位置を測位演算用の初期位置として次回の測位演算を行うことと、
    を含む測位方法。
  7. 測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算することと、
    無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信することと、
    ビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等の場合に、前回の測位位置を今回の測位位置として出力することと、
    を含む測位位置出力制御方法。
  8. 測位装置に内蔵されたコンピュータに、請求項1〜4の何れか一項に記載の測位誤差発生判定方法を実行させるためのプログラム。
  9. 測位装置に内蔵されたコンピュータに、請求項5又は7に記載の測位位置出力制御方法を実行させるためのプログラム。
  10. 請求項8又は9に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
  11. 測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算する測位演算部と、
    無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信する無線LAN通信部と、
    前記測位演算部により測位演算された測位位置の変化と各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号の変化とに基づいて、測位誤差の発生を判定する測位誤差発生判定部と、
    前記測位誤差発生判定部によって測位誤差の発生が判定された場合に、1)今回の測位位置を出力しない、或いは、2)前回の測位位置を今回の測位位置として出力する制御を行う測位誤差発生時出力制御部と、
    を備えた測位装置。
  12. 前記測位誤差発生判定部は、前記各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、前回の測位位置と今回の測位位置間の距離が所定の無線LAN信号到達距離より大きい場合に、測位誤差が発生していると判定する請求項11に記載の測位装置。
  13. 前記測位誤差発生判定部は、前記各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等であり、更に、前回の測位位置に対する今回の測位位置が所定の位置変動条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する請求項11に記載の測位装置。
  14. 前記無線LAN基地局それぞれの設置位置を記憶した設置位置記憶部と、
    前記設置位置記憶部から、前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号を発信した無線LAN基地局の設置位置を取得する基地局位置取得部と、
    を備え、
    前記測位誤差発生判定部は、1)前記各測位演算時点に前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、2)連続受信した当該ビーコン信号の信号強度の変化と、前記取得された設置位置と、前回の測位位置から今回の測位位置への変位との相関関係が所定の相反条件を満たす場合に、測位誤差が発生していると判定する請求項11に記載の測位装置。
  15. 測位用衛星からの衛星信号を受信して現在位置を測位演算する測位演算部と、
    無線LAN基地局から発信されるビーコン信号を受信する無線LAN通信部と、
    前記無線LAN通信部によって受信されたビーコン信号に含まれる発信者IDに基づき同一の無線LAN基地局からのビーコン信号の連続受信を検出し、且つ、連続受信した当該ビーコン信号の信号強度が同等の場合に、位置変化していないと判定する停止判定部と、
    を備えた測位装置。
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