JP2009029640A - 吹付けコンクリートの製造方法、吹付けコンクリート、吹付けコンクリートを用いた断面修復方法 - Google Patents

吹付けコンクリートの製造方法、吹付けコンクリート、吹付けコンクリートを用いた断面修復方法 Download PDF

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Abstract

【課題】再生骨材を吹付けコンクリートに利用する技術を提供する。
【解決手段】吹付けコンクリートの製造方法であって、普通骨材の物性値と該普通骨材の絶対容積の積と、再生骨材の物性値と該再生骨材の絶対容積の積との和を、前記普通骨材の絶対容積と前記再生骨材の絶対容積との和で除すことで、該普通骨材と該再生骨材とを含む骨材の品質の評価指標としての相対品質値を算出する相対品質値算出工程と、前記相対品質値算出工程において算出される相対品質値と、前記普通骨材と前記再生骨材とを含む骨材の所定の物性であって、該骨材の付着強度を少なくとも含む所定の物性との相関関係に基づいて、前記吹付けコンクリートを構成する水と、セメントと、普通骨材と、再生骨材の配合調整を行う配合調整工程と、前記配合調整工程で調整された配合に応じた水とセメントと普通骨材と再生骨材とを混練する混練工程と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、吹付けコンクリートの製造方法、吹付けコンクリート、吹付けコンクリートを用いた断面修復方法の技術に関する。
建設廃棄物の再資源化が進められている。コンクリート塊の再資源化の手法としては、路盤材等へ適用することが知られている。しかしながら、新設道路工事等は減少傾向にあり、今後の大幅な需要増加は期待できない。また、コンクリート塊には、解体前の原コンクリート中のセメント分に含まれている六価クロム等の有害物質が含まれていることがあり、土壌汚染等への影響が懸念されている。このような事情に鑑みて、コンクリート塊をコンクリート用骨材(再生骨材)として利用することが行われている。但し、再生骨材をコンクリートに用いる場合には普通骨材と同等の品質を確保する必要があることから、従来においては、骨材の製造段階において、再生骨材中の原モルタルを除去することが一般的であった。
しかしながら、再生骨材中の原モルタルを除去するためには、原モルタルを除去するための専用設備を用いた高度な処理が必要となる。従って、再生骨材のコスト及び環境負荷が高くなることが懸念されていた。そこで、原モルタルの除去を行わずに再生骨材を利用できるいくつかの技術が開発されている。例えば特許文献1には、建設現場から排出されるコンクリートを粗骨材として利用可能な寸法のコンクリート塊に粉砕し、粉砕することで製造される再生粗骨材を建設現場に到着したコンクリートミキサー車のアジデータ内に投入し、混練する技術が開示されている。また、特許文献2には、相対品質値に基づいて普通骨材の一部を再生骨材に置換することで、再生骨材を含むコンクリート二次製品を製造する技術が開示されている。
特許第3820017号公報 特開2006−334946号公報
原モルタルの除去を行わずに再生骨材を利用できる技術がいくつか開示されており、コンクリートを再利用可能な用途は徐々に広がりつつある。しかし、コンクリートの再利用の要求は大きく、更なる用途の拡大が求められている。
一方、コンクリートの一つとして、吹付けコンクリートが知られている。吹付けコンクリートとは、圧縮空気を利用して圧送したコンクリートを所定場所に吹付け形成させるものである。このような吹付けコンクリートは、例えば、塩害、中性化、凍結融解等によって損傷を受けたコンクリート構造物の断面修復に用いられている。また、吹付けコンクリートは、コンクリート構造物や部材の耐久性等の回復や向上を目的とする床版の下面増厚や柱部材の増厚等の補強として用いられている。
そこで、吹付けコンクリートについても再生骨材を利用することができれば、再生骨材の用途の更なる拡大を図ることが可能となる。しかしながら、吹付けコンクリートは、一般的なコンクリート打設に比べて高い圧力で送り出して吹付けるといった特徴を有する。また、吹付け後の吹付けコンクリートは、一般的なコンクリートに比べて強度が劣るといったことも懸念されていた。従って、再生骨材を吹付けコンクリートに用いる場合には、吹付けコンクリートの特徴に十分配慮した配合調整が必要となる。しかし、従来、吹付け
コンクリートに再生骨材を用いる技術は確立されておらず、吹付けコンクリートに再生骨材を利用する技術の開発が求められていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、再生骨材を吹付けコンクリートに利用する技術を提供することを課題とする。
本発明では、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用した。すなわち、本発明は、吹付けコンクリートの製造方法であって、普通骨材の物性値と該普通骨材の絶対容積の積と、再生骨材の物性値と該再生骨材の絶対容積の積との和を、前記普通骨材の絶対容積と前記再生骨材の絶対容積との和で除すことで、該普通骨材と該再生骨材とを含む骨材の品質の評価指標としての相対品質値を算出する相対品質値算出工程と、前記相対品質値算出工程において算出される相対品質値と、前記普通骨材と前記再生骨材とを含む骨材の所定の物性であって、該骨材の付着強度を少なくとも含む所定の物性との相関関係に基づいて、前記吹付けコンクリートを構成する水と、セメントと、普通骨材と、再生骨材の配合調整を行う配合調整工程と、前記配合調整工程で調整された配合に応じた水とセメントと普通骨材と再生骨材とを混練する混練工程と、を備える。
本発明は、相対品質値に基づいてコンクリートの配合調整を行うことで、再生骨材コンクリートを含む吹付けコンクリートの製造を可能とするものである。相対品質値とは、使用する骨材の品質と使用量(絶対容積)から算出される骨材の品質に関する指標である。このような相対品質値と、強度、弾性、乾燥収縮といったコンクリートの主要な物性、との間には明確な相関関係が認められており、このような明確な相関関係が成立する場合には、相対品質値を用いて所定の要求品質に応じた計画調合を行うことが知られている。なお、このような技術は、相対品質値法と呼ばれている。本発明においても、この相対品質値法をベースとして、従来、再生骨材を利用することが行われていなかった吹付けコンクリートについて、再生骨材を含む吹付けコンクリートを製造するものである。
相対品質値算出工程では、相対品質値が算出される。具体的には、相対品質値は、骨材の品質を評価する指標であり、数1により算出することができる。なお、数1では、普通骨材が普通粗骨材と普通細骨材とに区分けされ、再生骨材が再生粗骨材と再生細骨材とに区分けされている。QvGは普通粗骨材物性値、QrGは再生粗骨材物性値、QvNは普通細骨材物性値、QrNは再生細骨材物性値であり、a、b、c、dは各使用骨材の絶対容積(l/m3)である。
Figure 2009029640
配合調整工程では、相対品質値算出工程において算出される相対品質値に基づいて配合調整(計画調合)が行われる。なお、このような配合調整は、上述したように相対品質値と所定の物性との間に明確な相関関係が必須となる。従来から、一般的なコンクリートの相対品質値と強度等の間には、明確な相関関係が確認されていた。しかしながら、吹付けコンクリートは、打設時(吹付け時)に通常の打設よりも強い圧力で圧送するなど、一般的なコンクリートとは異なる特徴を有している。また、打設後(吹付け後)の吹付けコンクリートは、一般的なコンクリートに比べて強度が劣るといったことが懸念されていた。従って、いわゆる相対品質値法を用いて配合調整を行うに当たっては、これらの吹付けコ
ンクリートの特徴を十分に考慮する必要があり、このような特徴を考慮した物性も踏まえ、更にこの要素が相対品質値と明確な相関関係を有していることを確認しなければならない。
そこで、本発明では、吹付けコンクリートにおいて特に重要な物性であると考えられる付着強度に着目した。そして、再生骨材を含む吹付けコンクリートの相対品質値と付着強度との間にも相関関係が成立することを見出した。また、圧縮強度、ヤング係数、促進中性化深さ等のその他の物性についても、相対品質値との間に相関関係が成立することを見出した。以上を踏まえ、本発明によれば、相対品質値に基づく配合調整が実現される。なお、吹付けコンクリートには、水、セメント、普通骨材、再生骨材の他、混和材を含めてもよい。
混練工程では、配合調整工程で配合調整された配合に応じた水とセメントと普通骨材と再生骨材が混練(ミキシング)される。以上により、再生骨材を含む吹付けコンクリートが製造される。
また、本発明において、前記再生骨材には、再生粗骨材と再生細骨材とを含めてもよい。すなわち、本発明によれば、再生粗骨材と再生細骨材とを含む吹付けコンクリートを製造することが可能となる。その結果、本発明によれば、全ての再生骨材の用途を拡大することが可能となる。
また、本発明は、水と、セメントと、骨材と、を含む吹付けコンクリートであって、前記骨材には、コンクリート構造物の解体コンクリート塊から製造される再生粗骨材と、該解体コンクリート塊から製造される再生細骨材と、のうち少なくともいずれか一方が含まれるものとしてもよい。本発明の吹付けコンクリートは、再生骨材が含まれることから、再生骨材の用途を拡大することが可能となる。なお、上記本発明の吹付けコンクリートは、上述した製造方法によって製造することができる。
また、本発明は、吹付けコンクリートを用いた断面修復方法であって、普通骨材の物性値と該普通骨材の絶対容積の積と、再生骨材の物性値と該再生骨材の絶対容積の積との和を、前記普通骨材の絶対容積と前記再生骨材の絶対容積との和で除すことで、該普通骨材と該再生骨材とを含む骨材の品質の評価指標としての相対品質値を算出する相対品質値算出工程と、前記相対品質値算出工程において算出される相対品質値と、前記普通骨材と前記再生骨材とを含む骨材の所定の物性であって、該骨材の付着強度を少なくとも含む所定の物性との相関関係に基づいて、前記吹付けコンクリートを構成する水と、セメントと、普通骨材と、再生骨材の配合調整を行う配合調整工程と、前記配合調整工程で調整された配合に応じた水とセメントと普通骨材と再生骨材とを混練する混練工程と、前記混練工程において混練されることで製造された吹付けコンクリートを所定の断面修復箇所に吹付ける吹付け工程と、を備える。
本発明によれば、再生骨材を含む吹付けコンクリートを用いて、塩害、中性化、凍結融解等によって損傷を受けたコンクリート構造物の断面修復を行うことが可能となる。従って、本発明によれば、再生骨材の更なる用途を拡大すると共に、コンクリートの構造物の断面修復を行うことが可能となる。なお、本発明は、断面修復の他、コンクリート構造物や部材の耐久性等の回復や向上を目的とする床版の下面増厚や柱部材の増厚等の補強として用いてもよい。
本発明によれば、再生骨材を吹付けコンクリートに利用する技術を提供することができる。
次に本発明の吹付けコンクリートの製造方法について図面に基づいて説明する。なお、以下の説明においては、吹付けコンクリートの製造方法について説明すると共に製造された吹付けコンクリートをコンクリート構造物の断面修復に用いる場合を例に説明する。
図1は、再生骨材を含む吹付けコンクリートを使用した断面修復の工程を示す。まず、ステップS01では、再生骨材の製造が行われる。図2は、再生骨材の製造フローの一例を示す。具体的には、コンクリート構造物のコンクリート塊1がホッパ2に投入される。ホッパ2に投入されたコンクリート塊1は、グリズリーフィーダ3によって破砕機としてのジョークラッシャ4に投入される。ジョークラッシャ4に投入されたコンクリート塊1は、直径5mmから20mmあるいは25mmの球石状に粉砕される。すなわち、ジョークラッシャ4によって、再生粗骨材50が製造される。なお、コンクリート塊1の破砕は、ジョークラッシャを搭載した解体コンクリート破砕機(汎用型可動式)によって行ってもよい。また、ジョークラッシャ4に換えてインパクトクラッシャを用いてもよい。ジョークラッシャ4の後段には、鉄筋やボルト等の金属を吸引する磁選機5が設けられている。磁選機5の後段には振動スクリーン6が設けられ、破砕されたコンクリートの粒径が選別される。選別基準は、直径5mmから20mmあるいは25mm(再生粗骨材50)と、直径0mmから5mm(再生細骨材60)と、直径20mmあるいは25mm以上である。直径20mmあるいは25mm以上のものについては、インパクトクラッシャ7にかけられ後、再度ジョークラッシャ4に投入される。以上により、コンクリート塊1から再生粗骨材50及び再生細骨材60が製造される。再生粗骨材50及び再生細骨材60が製造が完了すると次のステップへ進む。なお、上述した再生骨材の製造フローは、あくまで例示すぎない。グリズリーフィーダ、破砕機器、ふるい機器を備えることで、再生骨材が製造できればよい。
ステップS02では、コンクリート塊1から製造された再生粗骨材50と再生細骨材60とを用いて、相対品質値法に基づく配合調整が行われる。ここで、相対品質値法について説明する。相対品質値とは、数1によって求められる骨材品質の評価指標である。なお、QvGは、普通粗骨材物性値、QrGは再生粗骨材物性値、QvNは普通細骨材物性値、QrNは再生細骨材物性値であり、a、b、c、dは各使用骨材の絶対容積(l/m3
)である。相対品質値には、吸水率や密度等を用いることができるが、本実施形態においては吸水率を用いた相対吸水率で評価することとした。相対吸水率とは、再生骨材の混入率を骨材全体の平均的な吸水率で表すものである。
Figure 2009029640
なお、従来から、相対品質値と再生骨材コンクリートの圧縮強度等の主要な性質との間には、明確な相関関係があることが既に知られていた。しかしながら、吹付けコンクリートは、打設時(吹付け時)に通常の打設よりも強い圧力で圧送するなど、一般的なコンクリートとは異なる特徴を有している。また、打設後(吹付け後)の吹付けコンクリートは、一般的なコンクリートに比べて強度が劣るといったことも懸念されていた。従って、いわゆる相対品質値法を用いて配合調整を行うに当たっては、これらの吹付けコンクリートの特徴を十分に考慮する必要があり、このような特徴を考慮した物性も踏まえ、更にこの物性が相対品質値と明確な相関関係を有していることを確認しなければならない。そこで
、本発明では、吹付けコンクリートにおいて特に重要な物性であると考えられる付着強度に着目した。そして、再生骨材を含む吹付けコンクリートの相対品質値と付着強度との間にも相関関係が成立することを見出した。また、圧縮強度、ヤング係数、促進中性化深さ等のその他の物性についても、相対品質値との間に相関関係が成立することを見出した。なお、このような各要素と相対品質値との相関関係は、試験において確認を行った。試験の内容、結果については、後述する。相対品質値法に基づく配合調整が完了すると次のステップへ進む。
ステップS03では、相対品質値法に基づく配合調整に応じて、材料の計量及び混練が行われる。すなわち、配合調整に従ってセメント、水、混和材等がホッパに投入される。続いて再生骨材(再生粗骨材50、再生細骨材60)と普通骨材が軽量され、ホッパに投入され混練される。計量、混練が完了すると次のステップへ進む。ステップS04では、製造された吹付けコンクリートが断面修復箇所といった所定の吹付け箇所に吹付けられる。以上により、再生骨材を含む吹付けコンクリートによる断面修復作業が完了する。
次に、上述した実施形態について、実験例に基づいて更に詳細に説明する。
<実験例>
[目的]
本試験は、所定の建物から発生したコンクリート塊から製造される再生骨材を断面修復用吹付けコンクリート(以下、単に吹付けコンクリートとする。)に使用することを想定して行うことで、吹付けコンクリートの施工性、各種物性値を評価して、吹付けコンクリートへの適用性を確認することを目的とする。
[使用材料]
本試験では、普通ポルトランドセメント、普通細骨材(静岡県小笠郡浜岡町産)、普通粗骨材(茨城県西茨城郡岩瀬長町産)、経過年数約40年の事務所建物の内壁を用いて製造した再生骨材を用いた。図3は、使用した骨材の物性を示す。なお、再生粗骨材の粒径は、吹付けノズルの径の制限により、5mmから15mmとした。
[配合調整]
吹付けコンクリートの配合検討では、図4に示す四つの配合を用いた。すなわち、四つの配合とは、(1)普通粗骨材100%・普通細骨材100%(GN100−SN100)、(2)再生粗骨材100%・再生細骨材40%・普通細骨材60%(GR100−SR40、SN60)、(3)再生粗骨材100%・再生細骨材70%・普通細骨材30%(GR100−SR70、SN30)、(4)再生粗骨材100%・再生細骨材100%(GR100−SR100)である。
設計基準強度は、一般的な躯体コンクリートと同等の24N/mm2とした。配合強度
は、設計基準強度に安全係数1.3を乗じて設定した。ベースコンクリートの配合強度は、(1)急結剤添加の影響、(2)供試体のばらつき、(3)試験室とプラントの違い等を考慮し、配合強度に割増係数1.4を乗じて設定した。なお、急結剤の量は、セメント量の7%とした。
[ベースコンクリートの性質]
吹付け前のベースモルタルについて施工試験を行ったところ次のような結果を得た。すなわち、フレッシュ性状についてみると、スランプ及び空気量ともに所定の値を満足した。また、目視観測の結果、図4に示すいずれの配合においても適度な流動性、材料分離抵抗性を有しており良好な吹付けが可能であると判断された。また、硬化性状についてみると、再生骨材を用いたものは、普通骨材を用いたものと比較して圧縮強度が低下することが確認された。図5は、ベースコンクリートの材齢と圧縮強度の関係を示す。
[試験方法]
次に上記ベースコンクリートの配合検討結果を踏まえて、新たに配合調整を実施した。図6は、新たな配合を示す。新たな四つの配合とは、(1)普通粗骨材100%・普通細骨材100%(GN100−SN100)、(2)再生粗骨材100%・再生細骨材40%・普通細骨材60%(GR100−SR40、SN60)、(3)製造粗骨材100%・再生細骨材70%・普通細骨材30%(GR100−SR70、SN30)、(4)再生粗骨材100%・再生細骨材100%(GR100−SR100)である。なお、新たな配合では、再生骨材と普通骨材との割合には変更を加えず、水やセメントの単位量を適宜調節している。
次に、上述した新たな配合に基づき、施工性の試験を行った。ここで、図7は、施工性試験の概略構成を示す。同図に示すように、施工性の試験を行う装置として、コンプレッサ11、ドレンセパレータ12、吹付け機(260型)13、除湿機14、急結剤供給機15、ノズル16、型枠17が設けられている。夫々の装置は、エアホースやマテリアルホースによって接続されており、コンプレッサ11から供給される圧送力によって、吹付け機13内の吹付けコンクリートが型枠に対して吹付けられる。施工性の試験では、まず施工性について目視観察により評価した。また、吹付けコンクリートからコア供試体(JIS A 1107及びJSCE−K561)を作成し、圧縮強度(JIS A 1107)、静弾性係数(JIS A 1149)、付着強度(JSCE−K5651)、促進中性化(JIS A 1153)の各種試験を行った。
[試験結果]
図8は、施工試験結果を示す。同図に示すように、再生骨材を用いた場合のフレッシュ性状は、普通骨材を用いたものと大差がないことが確認された。また、目視による施工性評価についても、ホースの脈動がなく急結剤の混合性も良好であることが確認された。
図9は、吹付けコンクリートの材齢と圧縮強度との関係を示す。同図に示すように、再生骨材を用いた吹付けコンクリートの圧縮強度は、材齢に関わらず、普通骨材を用いたものより小さくなることが確認された。また、再生骨材を用いた吹付けコンクリートの圧縮強度は、再生細骨材の混入量の増大に伴い小さくなることが確認された。なお、材齢28日の圧縮強度は、いずれの配合も吹付けコンクリートの配合強度(31.2N/mm2
を満たすことが確認された。
図10は、促進中性化深さ及び中性化速度係数を示す。同図に示すように、再生細骨材の置換率が大きくなるに従って、促進中性化深さ及び中性化速度係数が大きくなる傾向があることが確認された。
[材料設計]
次に、吹付けコンクリートについて相対品質値法に基づく材料設計が可能であるかについて検討した。相対品質値とは、以下に示すように数1によって求められる骨材品質の評価指標であるが、本試験では吸水率を用いた相対吸水率によって評価することとした。なお、QvGは、普通粗骨材物性値、QrGは再生粗骨材物性値、QvNは普通細骨材物性値、QrNは再生細骨材物性値であり、a、b、c、dは各使用骨材の絶対容積(l/m3)である。相対吸水率とは、再生骨材の混入率を骨材全体の平均的な吸水率で表すもの
である。
Figure 2009029640
図11から図14は、吹付けコンクリートの相対吸水率と各物性値との関係を示す。図11は、相対吸水率と4週圧縮強度との関係を示す。図12は、相対吸水率とヤング係数との関係を示す。図13は、相対吸水率と付着強度との関係を示す。図14は、相対吸水率と26週促進中性化深さとの関係を示す。これらの図に示されるように、相対吸水率と各物性値との間には明確な相関関係が認められることが確認された。特に、吹付けコンクリートにおいては、付着強度が所定の要件を満たすことが重要となるが、付着強度についても相対吸水率との間に明確な相関関係が認められた。また、付着強度は、1.31N/mm2以上を示し、土木学会指針の規定値(1〜1.3N/mm2)を満たすことが確認された。
図15は、相対吸水率と相対品質値法に基づく評価方法の概念図を示す。同図には、相対品質値法に基づく品質評価方法の一例として、骨材の相対品質値(本試験における相対吸水率)とコンクリートの品質(促進中性化深さ、長さ変化率、圧縮強度)との関係が示されている。上述したように、本試験によって吹付けコンクリートの相対吸水率と各物性値との間には、明確な相関関係が確認された。従って、図15に示すような相対品質値法に基づく材料設計が可能となる。
<効果>
本実施形態の吹付けコンクリートの製造方法によれば、相対品質値法に基づいて配合調整を行うことで、再生骨材を含む吹付けコンクリートの配合調整を容易に行うことができる。また、本実施形態の吹付けコンクリートの製造方法によれば、原モルタルの除去を行うことなく、施工性及び品質に優れた再生骨材を含む吹付けコンクリートを製造することができる。すなわち、本実施形態の吹付けコンクリートの製造方法によれば、低コストで再生骨材を含む吹付けコンクリートを製造することができる。その結果、再生骨材の用途の拡大が図られる。
また、試験結果より、吹付けコンクリートに再生骨材を含ませた場合において、各配合とも適度な流動性及び材料分離抵抗性を有することが確認された。その結果、吹付け状況(施工状況)も良好であることが確認された。また、はね返り率も普通骨材を用いたコンクリートとそれほど変わらないことが確認された。
更に、吹付けコンクリートの圧縮強度及び付着強度は、設計値を満たすことが確認された。また、再生骨材を100%置換した場合であっても、断面修復用の吹付けコンクリートとして適用可能であることが確認された。
再生骨材を含む吹付けコンクリートを使用した断面修復の工程を示す。 再生骨材の製造フローを示す。 使用した骨材の物性を示す。 ベースコンクリートの配合を示す。 ベースコンクリートの材齢と圧縮強度の関係を示す。 ベースコンクリートの新たな配合を示す。 施工性試験の概略構成を示す。 施工性試験結果を示す。 吹付けコンクリートの材齢と圧縮強度との関係を示す。 促進中性化深さ及び中性化速度係数を示す。 相対吸水率と4週圧縮強度との関係を示す。 相対吸水率とヤング係数との関係を示す。 相対吸水率と付着強度との関係を示す。 相対吸水率と26週促進中性化深さとの関係を示す。 相対吸水率と相対品質値法に基づく評価方法の概念図を示す。
符号の説明
1・・・コンクリート塊
2・・・ホッパ
3・・・グリズリーフィーダ
4・・・ジョークラッシャ
5・・・磁選機
6・・・振動スクリーン
7・・・インパクトクラッシャ
11・・・コンプレッサ
12・・・ドレンセパレータ
13・・・吹付け機
14・・・除湿機
15・・・急結剤供給機
16・・・ノズル
17・・・型枠
50・・・再生粗骨材
60・・・再生細骨材

Claims (5)

  1. 吹付けコンクリートの製造方法であって、
    普通骨材の物性値と該普通骨材の絶対容積の積と、再生骨材の物性値と該再生骨材の絶対容積の積との和を、前記普通骨材の絶対容積と前記再生骨材の絶対容積との和で除すことで、該普通骨材と該再生骨材とを含む骨材の品質の評価指標としての相対品質値を算出する相対品質値算出工程と、
    前記相対品質値算出工程において算出される相対品質値と、前記普通骨材と前記再生骨材とを含む骨材の所定の物性であって、該骨材の付着強度を少なくとも含む所定の物性との相関関係に基づいて、前記吹付けコンクリートを構成する水と、セメントと、普通骨材と、再生骨材の配合調整を行う配合調整工程と、
    前記配合調整工程で配合調整された配合に応じた水とセメントと普通骨材と再生骨材とを混練する混練工程と、
    を備える吹付けコンクリートの製造方法。
  2. 前記再生骨材には、再生粗骨材と再生細骨材とが含まれる、請求項1に記載の吹付けコンクリートの製造方法。
  3. 水と、セメントと、骨材と、を含む吹付けコンクリートであって、
    前記骨材には、コンクリート構造物の解体コンクリート塊から製造される再生粗骨材と、該解体コンクリート塊から製造される再生細骨材と、のうち少なくともいずれか一方が含まれる、吹付けコンクリート。
  4. 吹付けコンクリートを用いた断面修復方法であって、
    普通骨材の物性値と該普通骨材の絶対容積の積と、再生骨材の物性値と該再生骨材の絶対容積の積との和を、前記普通骨材の絶対容積と前記再生骨材の絶対容積との和で除すことで、該普通骨材と該再生骨材とを含む骨材の品質の評価指標としての相対品質値を算出する相対品質値算出工程と、
    前記相対品質値算出工程において算出される相対品質値と、前記普通骨材と前記再生骨材とを含む骨材の所定の物性であって、該骨材の付着強度を少なくとも含む所定の物性との相関関係に基づいて、前記吹付けコンクリートを構成する水と、セメントと、普通骨材と、再生骨材の配合調整を行う配合調整工程と、
    前記配合調整工程で調整された配合に応じた水とセメントと普通骨材と再生骨材とを混練する混練工程と、
    前記混練工程において混練されることで製造された吹付けコンクリートを所定の断面修復箇所に吹付ける吹付け工程と、
    を備える吹付けコンクリートを用いた断面修復方法。
  5. 前記再生骨材には、再生粗骨材と再生細骨材とが含まれる、請求項4に記載の吹付けコンクリートを用いた断面修復方法。
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