JP2009029271A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】左右車輪速差|ΔV|が所定値ΔVSET以下であるときに操舵トルクTiの平均値Taを演算するトルク平均値演算手段と、車速に応じた車速感応信頼度係数Kvを演算する信頼度演算手段と、車速感応信頼度係数Kvが所定値KvSET以上であるとき、トルク平均値Taをトルクオフセット補正値ΔTとして設定するトルク補正値演算手段と、を備え、操舵トルクTiからトルクオフセット補正値ΔTを減算した操舵トルクTに基づいて電流指令値Itを演算し、当該電流指令値Itに基づいて電動モータ12を駆動制御する。
【選択図】図3
Description
操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、左右輪の車輪速度差を検出する左右車輪速差検出手段と、前記左右車輪速差が所定値以下であるときに前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクの平均値を演算するトルク平均値演算手段と、前記操舵トルク平均値の信頼度を演算する信頼度演算手段と、該信頼度演算手段で演算した信頼度及び前記平均値演算手段で演算した操舵トルク平均値に基づいて、操舵トルク補正値を演算するトルク補正値演算手段と、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク及び前記トルク補正値演算手段で演算した操舵トルク補正値に基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と、を備えることを特徴としている。
さらに、請求項3に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1に係る発明において、前記トルク補正値演算手段は、前記平均値演算手段で演算した操舵トルク平均値に前記信頼度演算手段で演算した信頼度を乗じた値を前記操舵トルク補正値として設定することを特徴としている。
また、請求項6に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1〜5の何れか1項に係る発明において、車速を検出する車速検出手段を有し、前記信頼度演算手段は、前記信頼度として車速に応じた車速感応信頼度を演算する車速感応信頼度演算手段を備えることを特徴としている。
また、請求項8に係る電動パワーステアリング装置は、請求項1〜7の何れか1項に係る発明において、前記信頼度演算手段は、前記信頼度として前記操舵トルク平均値の演算に要した時間内の操舵トルクの最大ばらつき量に応じたばらつき信頼度を演算するばらつき信頼度演算手段を備えることを特徴としている。
図1は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の一実施形態を示す全体構成図である。
図中、符号1は、ステアリングホイールであり、このステアリングホイール1に運転者から作用される操舵力が入力軸2aと出力軸2bとを有するステアリングシャフト2に伝達される。このステアリングシャフト2は、入力軸2aの一端がステアリングホイール1に連結され、他端は操舵トルク検出手段としてのトルクセンサ3を介して出力軸2bの一端に連結されている。
トルクセンサ3は、ステアリングホイール1に付与されて入力軸2aに伝達された操舵トルクを検出するもので、操舵トルクを入力軸2a及び出力軸2b間に介装した図示しないトーションバーの捩れ角変位に変換し、この捩れ角変位を例えばポテンショメータで検出するように構成されている。このトルクセンサ3から出力されるトルク検出値Tiはコントローラ15に入力される。
そして、トルクセンサ3で検出された操舵トルクTiは、操舵トルク補正部30でトルクオフセット補正値ΔTによって補正され、補正後の操舵トルクTがモータ駆動電流演算部40に入力される。
モータ駆動部50は、電流指令値Itと図示しないモータ電流検出器で検出したモータ電流検出値とに基づいて、電動モータ12に供給する駆動電流をフィードバック処理し、電動モータ12を駆動制御するモータ電流を出力する。
ステップS3では、前記ステップS2で算出した左右車輪速差ΔVの絶対値|ΔV|が所定値ΔVSET以下であるか否かを判定し、|ΔV|>ΔVSETであるときにはステップS4に移行し、|ΔV|≦ΔVSETであるときにはステップS5に移行する。ここで、所定値ΔVSETは、車両が直進状態にあると判断できる程度の小さい値に設定する。
ステップS5では、カウント値NをインクリメントしてからステップS6に移行し、車速センサ16で検出された車速Vを読み込んでからステップS7に移行する。
ステップS8では、前回算出されたトルク和ΣTに前記ステップS1で読み込んだ操舵トルクTiを加算することにより、トルク和ΣTを算出し、ステップS9に移行する。
ステップS9では、カウント値Nが設定値Nmax以上であるか否かを判定し、N≧Nmaxであるときには後述するステップS10に移行し、N<Nmaxであるときにはそのままトルクオフセット補正値演算処理を終了する。
Ta=ΣT/N ………(1)
Va=ΣV/N ………(2)
そして、トルク平均値Ta及び車速平均値Vaを算出した後、カウント値Nを“0”にクリアしてステップS11に移行する。
ステップS13では、前記ステップS10で算出したトルク平均値Taをトルクオフセット補正値ΔTとして更新してから、トルクオフセット補正値演算処理を終了する。
今、運転者がステアリングホイール1を操作しない状態で車両が直進走行しているものとする。車両は直進走行をしていることから、左右車輪速差|ΔV|≦ΔVSETとなり、図3のトルクオフセット補正値演算処理において、ステップS3からステップS5に移行し、カウント値NがインクリメントされてステップS6に移行する。そして、このときの車速Vを用いて車速和ΣVが算出され、次いでこのときの操舵トルクTiを用いてトルク和ΣTが算出される。すなわち、ここでは、車両が直進走行状態となって|ΔV|≦ΔVSETとなってから現在までの車速V及び操舵トルクTiの総和が算出される。これが、N≧Nmaxとなるまで継続される。
その後、運転者がステアリングホイール1を操作して車両が旋回走行を開始すると、トルクセンサ3で運転者の操舵操作に応じた操舵トルクTiが検出されるため、この操舵トルクTiからトルクオフセット補正値ΔTを減算した操舵トルクT(=Ti−ΔT)がモータ駆動電流演算部40に入力される。したがって、モータ駆動電流演算部40で、上記操舵トルクTに応じた電流指令値Itが算出され、モータ駆動部50で当該電流指令値Itに基づいて電動モータ12が駆動制御されることで、運転者の操舵負担を軽減するような操舵補助制御が実行される。そして、このとき、操舵トルクTiをトルクオフセット補正値ΔTで補正していることから、左右の操舵トルクが均等になるように補正することができ、旋回走行時における操舵フィーリングを向上させることができる。
このように、上記第1の実施形態では、左右車輪速差が、車両が直進走行状態にあると判断できる程度に小さいときに操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクの平均値を演算し、この操舵トルク平均値と当該操舵トルク平均値の信頼度とに基づいて、操舵トルク補正値を演算するので、精度の高いトルク補正値を得ることができ、より微小領域のトルク補正が可能となる。その結果、操舵トルク検出過程上に見えるEPSハードウェア上の左右トルクオフセットを高精度で補正することができ、ステアリングホイール左右操舵時の操舵トルク差を低減して操舵フィーリングを向上させることができる。
また、車速感応信頼度が所定値以上であるとき、操舵トルク平均値を操舵トルク補正値として設定し、車速感応信頼度が所定値より小さいときには操舵トルク補正値の更新を行わないので、操舵トルク平均値の信頼度に応じて適正に操舵トルク補正値の更新を行うことができる。
次に、本発明における第2の実施形態について説明する。
すなわち、第2の実施形態のトルクオフセット補正値出力部35では、図5に示すトルクオフセット演算処理を実行するものとし、第1の実施形態における図3のステップS12及びS13に代えて、トルク平均値Taに車速感応信頼度係数Kvを乗じた値(Ta×Kv)をトルクオフセット補正値ΔTとして更新するステップS21が追加されていることを除いては、図3と同様の処理を実行する。
したがって、車両が高速走行している場合には、ステップS10で算出される車速平均値Vaが比較的大きい値となり、ステップS11で車速感応信頼度係数Kvが例えば“1”に算出される。そして、ステップS21では、前記ステップS10で算出されたトルク平均値Taに車速感応信頼度係数Kvが乗算され、これがトルクオフセット補正値ΔTとして設定される。このとき、車速感応信頼度係数Kv=1であるので、トルク平均値Taをトルクオフセット補正値ΔTとして設定しているのと等価となる。
このように、上記第2の実施形態では、操舵トルク平均値に車速感応信頼度を乗じた値を操舵トルク補正値として設定するので、操舵トルク平均値の信頼度に応じて適正に操舵トルク補正値の更新を行うことができる。
この場合、図3及び図5のステップS11で、最大ばらつき量ΔTiをもとに、ばらつき信頼度係数Kbを算出するようにすればよい。このとき、最大ばらつき量ΔTiが小さいほど、ばらつき信頼度係数Kbを大きく算出する。すなわち、トルク平均値Taの算出に要した時間内における操舵トルクTiが、図7に示すようなばらつき度合いであるものとすると、太線で示す場合の方が細線で示す場合より最大ばらつき量ΔTiが小さく、トルク平均値Taの信頼度が高いものとして、ばらつき信頼度係数Kbが大きく算出される。
この第3の実施形態は、前述した第1の実施形態において、トルク平均値Taの信頼度として車速感応信頼度のみを適用しているのに対し、車速感応信頼度を含む複数の信頼度を適用するようにしたものである。
図8は、第3の実施形態のトルクオフセット補正値出力部35で実行されるトルクオフセット補正値演算処理手順を示すフローチャートである。この図8に示すように、前述した第1の実施形態の図3に示すトルクオフセット補正値演算処理において、ステップS11の後に、時間感応信頼度係数Ktを演算するステップS31と、ばらつき信頼度係数Kbを演算するステップS32とを追加し、ステップS12を、車速感応信頼度係数Kvが所定値KvSET以上、且つ時間感応信頼度係数Ktが所定値KtSET以上、且つばらつき信頼度係数Kbが所定値KbSET以上であるか否かを判定するステップS33に置換したことを除いては、図3と同様の処理を実行する。
ステップS32では、前述した最大ばらつき量ΔTiをもとに、最大ばらつき量ΔTiが小さいほどばらつき信頼度係数Kbが大きくなるように算出し、ステップS33に移行する。
このように、上記第3の実施形態では、操舵トルク平均値の信頼度として演算基準の異なる複数の信頼度を適用し、各信頼度がそれぞれ所定値以上であるときに操舵トルク平均値を操舵トルク補正値として設定するので、より適正に操舵トルク補正値の更新を行うことができる。
この第4の実施形態は、前述した第2の実施形態において、トルク平均値Taの信頼度として車速感応信頼度のみを適用しているのに対し、車速感応信頼度を含む複数の信頼度を適用するようにしたものである。
図9は、第4の実施形態のトルクオフセット補正値出力部35で実行されるトルクオフセット補正値演算処理手順を示すフローチャートである。この図9に示すように、前述した第2の実施形態の図5に示すトルクオフセット補正値演算処理において、ステップS11の後に、時間感応信頼度係数Ktを演算するステップS41と、ばらつき信頼度係数Kbを演算するステップS42とを追加し、ステップS21を、トルク平均値Taに車速感応信頼度係数Kv、時間感応信頼度係数Kt及びばらつき信頼度係数Kbを乗算した値をトルクオフセット補正値ΔTとして更新するステップS43に置換したことを除いては、図5と同様の処理を実行する。
ステップS42では、前述した図8のステップS32と同様の処理を行い、最大ばらつき量ΔTiをもとにばらつき信頼度係数Kbを算出してからステップS43に移行する。
ステップS43では、トルク平均値Taに車速感応信頼度係数Kv、時間感応信頼度係数Kt及びばらつき信頼度係数Kbを乗算した値をトルクオフセット補正値ΔTとして更新し(ΔT=Ta×Kv×Kt×Kb)、トルクオフセット補正値演算処理を終了する。
このように、上記第4の実施形態では、操舵トルク平均値の信頼度として複数の信頼度を適用し、操舵トルク平均値に各信頼度を乗じた値を操舵トルク補正値として設定するので、より適正に操舵トルク補正値の更新を行うことができる。
例えば、車速感応信頼度係数Kv及び時間感応信頼度係数Ktを適用した場合、Kv≧KvSET且つKt≧KtSETであるときにトルク平均値Taをトルクオフセット補正値ΔTとして設定したり、トルク平均値Taに車速感応信頼度係数Kv及び時間感応信頼度係数Ktを乗じた値(Ta×Kv×Kt)をトルクオフセット補正値ΔTとして設定したりすればよい。
Claims (8)
- 操舵系に運転者の操舵負担を軽減する操舵補助力を付与する電動モータを備える電動パワーステアリング装置であって、
操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、左右輪の車輪速度差を検出する左右車輪速差検出手段と、前記左右車輪速差が所定値以下であるときに前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルクの平均値を演算するトルク平均値演算手段と、前記操舵トルク平均値の信頼度を演算する信頼度演算手段と、該信頼度演算手段で演算した信頼度及び前記平均値演算手段で演算した操舵トルク平均値に基づいて、操舵トルク補正値を演算するトルク補正値演算手段と、前記操舵トルク検出手段で検出した操舵トルク及び前記トルク補正値演算手段で演算した操舵トルク補正値に基づいて電流指令値を演算する電流指令値演算手段と、前記電流指令値に基づいて前記電動モータを駆動制御するモータ制御手段と、を備えることを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記トルク補正値演算手段は、前記信頼度演算手段で演算した信頼度が所定値以上であるとき、前記平均値演算手段で演算した操舵トルク平均値を前記操舵トルク補正値として設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記トルク補正値演算手段は、前記平均値演算手段で演算した操舵トルク平均値に前記信頼度演算手段で演算した信頼度を乗じた値を前記操舵トルク補正値として設定することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記信頼度演算手段は、前記信頼度として演算基準の異なる複数の信頼度を演算するものであって、前記トルク補正値演算手段は、前記複数の信頼度の総合値が、前回の総合値より大きいとき、前記操舵トルク平均値を操舵トルク補正値として設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記トルク補正値演算手段は、前記複数の信頼度の総合値が、前回の総合値の所定割合以上であるとき、前記操舵トルク平均値を操舵トルク補正値として設定することを特徴とする請求項4に記載の電動パワーステアリング装置。
- 車速を検出する車速検出手段を有し、前記信頼度演算手段は、前記信頼度として車速に応じた車速感応信頼度を演算する車速感応信頼度演算手段を備えることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記信頼度演算手段は、前記信頼度として前記操舵トルク平均値の演算に要した時間に応じた時間感応信頼度を演算する時間感応信頼度演算手段を備えることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記信頼度演算手段は、前記信頼度として前記操舵トルク平均値の演算に要した時間内の操舵トルクの最大ばらつき量に応じたばらつき信頼度を演算するばらつき信頼度演算手段を備えることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の電動パワーステアリング装置。
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