JP2009029240A - 電子制御ユニット及び車両挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御基板の面積を大きくすることなく、センサの検査・調整工程における処理効率を向上させることができるとともに、センサの仕様変更に伴うコスト及び作業時間を低減することができる電子制御ユニットを提供することを課題とする。
【解決手段】所定の物理量を検出するセンサ33,34が取り付けられたセンサ基板30と、センサ33,34で検出された物理量に基づいて、電気部品の作動を制御するセンサ基板30と制御基板20及び制御基板20が収容されるハウジング40とを備え、センサ基板30は、両端に圧入部が形成された圧入端子60を介して、制御基板20に階層状態で取り付けられており、圧入端子60の両端がセンサ基板30及び制御基板20に形成された各接続孔27,32にそれぞれ圧入されることで、センサ基板30と制御基板20とが電気的かつ機械的に接続されていることを特徴としている。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気部品の作動を制御する電子制御ユニット、及びその電子制御ユニットを用いた車両挙動制御装置に関する。
自動車などの車両の挙動を安定させるための車両挙動制御装置では、電磁弁、圧力センサ、モータなどの電気部品と、モータの動力によって駆動する往復動ポンプと、リザーバとなるリザーバ構成部品と、電磁弁やモータの作動を制御する電子制御ユニットと、車体の挙動を検出するセンサと、ブレーキ液の液路が内部に形成され、前記した各種部品が組み付けられる基体と、を備えている。
電子制御ユニットは、センサで検出された車体の挙動に基づいて、電磁弁やモータの作動を制御する制御基板と、この制御基板が収容されるハウジングとを備えている。
そして、前記した車両挙動制御装置では、センサによって検出された車体の挙動に基づいて、電子制御ユニットが電磁弁やモータの作動を制御し、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させることで、車輪ブレーキの制動力を制御して車両の挙動を安定させている。
前記したような構成の車両挙動制御装置において、センサを車室側に配置し、電子制御ユニットをエンジンルーム内に配置した場合には、センサと電子制御ユニットとを接続するハーネスなどの部品が増えるとともに、センサと電子制御ユニットとを別々に収めるスペースを車内に確保する必要がある。
そこで、制御基板の面上にセンサを取り付けて、センサを電子制御ユニット内に組み込んだものがある(例えば、特許文献1参照)。
この電子制御ユニットでは、センサと制御基板とをハーネスなどの部材によって接続する必要がなくなるため、部品点数を少なくすることができる。また、センサと電子制御ユニットとを別々に車内に収める必要がないため、車両を小型化及び軽量化することができる。
特許第3201242号公報(段落0015、図2)
しかしながら、車体の挙動を検出する角速度センサや加速度センサなどのセンサを制御基板の面上に取り付ける場合には、制御基板の面上にセンサを取り付けるためのスペースを確保する必要があるため、制御基板の面積が大きくなってしまうという問題がある。
また、センサに対して検査や調整を行うときには、制御基板全体が処理対象となるため、センサの検査・調整工程における処理効率が低くなってしまうという問題がある。
また、センサの仕様を変更する場合には、制御基板の構成を大幅に変更することになるため、センサの仕様変更に伴うコスト及び作業時間が増大してしまうという問題がある。
そこで、本発明では、制御基板の面積を大きくすることなく、センサの検査・調整工程における処理効率を向上させることができるとともに、センサの仕様変更に伴うコスト及び作業時間を低減することができる電子制御ユニット、及びその電子制御ユニットを用いた車両挙動制御装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明は、電子制御ユニットであって、所定の物理量を検出するセンサが取り付けられたセンサ基板と、センサで検出された物理量に基づいて、電気部品の作動を制御する制御基板と、このセンサ基板及び制御基板が収容されるハウジングと、を備え、センサ基板は、両端に圧入部が形成された圧入端子を介して、制御基板に階層状態で取り付けられており、圧入端子の両端がセンサ基板及び制御基板に形成された各接続孔にそれぞれ圧入されることで、センサ基板と制御基板とが電気的かつ機械的に接続されていることを特徴としている。
この構成では、センサ基板と制御基板とが階層状態でハウジング内に収められており、制御基板の面上にセンサを取り付ける必要がないため、制御基板の面積を大きくする必要がなくなる。
また、センサ基板と制御基板とは別々の基板となっており、センサに対して検査や調整を行うときには、センサ基板のみが処理対象となるため、センサの検査・調整工程における処理効率を向上させることができる。
また、センサの仕様を変更する場合には、センサ基板の構成を変更すればよく、制御基板の構成を変更する必要がないため、センサの仕様変更に伴うコスト及び作業時間を低減することができる。
また、センサ基板及び制御基板の接続孔に圧入端子の両端を圧入することで、センサ基板と制御基板とを階層状態に配置するとともに、センサ基板と制御基板とを電気的かつ機械的に接続することができるため、センサ基板及び制御基板の組み付け効率を向上させることができる。
前記した電子制御ユニットにおいて、ハウジングの内面には、制御基板に係合する係合部を形成してもよい。
この構成では、制御基板をハウジングの係合部に係合させることで、制御基板に取り付けられたセンサ基板をハウジングに対して位置決めすることができる。これにより、センサの検出軸と、ハウジングに設定された基準軸とを簡単に一致させることができるため、センサ基板及び制御基板の組み付け効率を向上させることができる。
前記した電子制御ユニットのハウジングの内面には、制御基板において圧入端子が取り付けられる部位を支持する受け部が形成されているように構成することができる。
この構成では、圧入端子を制御基板に取り付けるときに、制御基板に作用した押圧力を受け部が受けることになるため、制御基板の変形を防ぐことができる。
前記した電子制御ユニットにおいて、圧入端子は、両端に圧入部が形成された接続部材と、この接続部材を囲繞する筒状部材と、を備え、筒状部材の一端が制御基板に当接し、他端がセンサ基板に当接するように構成することができる。
この構成では、接続部材を囲繞する筒状部材がセンサ基板及び制御基板の間に介設されることで、センサ基板と制御基板とを階層状態に配置しても、制御基板に対してセンサ基板を安定させることができる。
前記した電子制御ユニットにおいて、制御基板の面上には、センサ基板が階層される階層領域が設定されており、制御基板の面上に取り付けられた複数の電子部品のうち、高さが最も大きい電子部品は階層領域以外の領域に取り付けられているように構成することができる。
この構成では、複数の電子部品のうち、高さが最も大きい電子部品と、この電子部品に近い高さの電子部品とを階層領域以外に取り付け、複数の電子部品のうち、比較的高さが小さい電子部品を階層領域に取り付けることにより、センサ基板と制御基板との間を狭くすることができるため、電子制御ユニットをより小型化することができる。
また、センサ基板において制御基板に対向する面は、比較的高さが小さい電子部品が取り付けられた階層領域に対向していることから、センサ基板の両面にセンサや電子部品を取り付けた場合であっても、センサ基板と制御基板との間隔を抑えることができるため、ハウジング内のスペースを有効に利用することができる。さらに、センサ基板の各面に取り付けられる部品が少なくなるため、センサ基板の面積を小さくすることができ、センサ基板を小型化することができる。
前記した電子制御ユニットにおいて、センサに角速度センサ及び加速度センサを用いることができる。
この構成では、車体の挙動を検出する場合などに用いられる角速度センサや加速度センサが組み込まれた電子制御ユニットを小型化することができるとともに、センサの検査・調整工程の処理効率を向上させることができ、さらには、センサの仕様変更に係るコストを低減することができる。
前記した電子制御ユニットを用いた車両挙動制御装置であって、車両のブレーキ液路が形成された基体と、この基体に設けられた電気部品と、を備え、電子制御ユニットは、センサによって検出された車体の挙動に基づいて、電気部品の作動を制御することで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を制御するように構成されていることを特徴とすることができる。
この構成では、センサが電子制御ユニット内に組み込まれているため、車両挙動制御装置を車両に対して組み付けるときに、ハーネスにとらわれることなく簡単に組み付けることができる。また、制御基板の面積を大きくする必要がないため、車両挙動制御装置が必要以上に大型化することがない。
また、センサの検査・調整工程における処理効率を向上させることができるとともに、センサの仕様変更に伴うコスト及び作業時間を低減することができ、また、センサ基板及び制御基板の組み付け効率を向上させることができるため、車両挙動制御装置の製造コストを低減することができる。
本発明の電子制御ユニットによれば、制御基板の面上にセンサを取り付ける必要がないため、制御基板の面積を大きくする必要がなくなる。
また、センサの検査・調整工程では、センサ基板のみが処理対象となるため、処理効率を向上させることができる。
また、センサの仕様を変更する場合には、制御基板の構成を変更する必要がないため、センサの仕様変更に伴うコスト及び作業時間を低減することができる。
また、センサ基板及び制御基板の接続孔に圧入端子の両端を圧入することで、センサ基板と制御基板とを階層状態に配置するとともに電気的かつ機械的に接続することができるため、組み付け効率を向上させることができる。
前記した電子制御ユニットを用いた車両挙動制御装置では、センサが電子制御ユニット内に組み込まれているため、車両に対して組み付けるときに、ハーネスにとらわれることなく簡単に組み付けることができる。また、制御基板の面積を大きくする必要がないため、車両挙動制御装置が必要以上に大型化することがない。
また、センサの検査・調整工程における処理効率の向上、センサの仕様変更に伴うコスト及び作業時間の低減、センサ基板及び制御基板の組み付け効率の向上により、車両挙動制御装置の製造コストを低減することができる。
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施形態では、車輪ブレーキの制動力を制御することで、自動車の挙動を安定させる車両挙動制御装置に適用される電子制御ユニットを例として説明する。
[車両挙動制御装置の構成]
まず、図1を参照して、車両挙動制御装置Uの構成を説明する。
車両挙動制御装置Uは、電磁弁V、圧力センサS、モータ200といった電気部品や往復動ポンプPなどが組み付けられる基体100と、車体の挙動を検出して、電磁弁Vの開閉やモータ200の作動を制御する電子制御ユニット10と、を主に備えている。基体100内にはブレーキ液路が形成されており、電子制御ユニット10が車体の挙動に基づいて、電磁弁Vやモータ200を作動させることで、ブレーキ液路内のブレーキ液圧を変動させるように構成されている。
(基体の構成)
基体100は、図1に示すように、略直方体に形成された金属部品であり、その内部にはブレーキ液路(油路)が形成されている。
基体100の各面のうち、表側の面101には、電磁弁Vや圧力センサSといった電気部品が装着される有底の取付穴151・・・などが複数形成されている。
また、基体100の上面103には、車輪ブレーキ(図示せず)に至る配管が接続される四つの出口ポート152・・・などが形成されている。
また、基体100の下面には、リザーバを構成するリザーバ構成部品Rが組付けられる二つのリザーバ穴153などが形成されている。
また、基体100の側面105には、往復動ポンプPが装着されるポンプ孔155などが形成されている。
なお、基体100に設けられた穴は、直接に、或いは基体100の内部に形成された図示せぬブレーキ液路を介して互いに連通している。
(モータの構成)
モータ200は、往復動ポンプPの動力源となるものであり、図2に示すように、基体100の裏側の面102側に一体的に固着されている。なお、モータ200と基体100の裏側の面102との間には、モータ200と基体100の裏側の面102との間を液密にシールする無端状のシール部材214が介設されている。
モータ200の出力軸210には、偏心軸部211が設けられており、この偏心軸部211には、ボールベアリング212が嵌め込まれている。偏心軸部211及びボールベアリング212は、モータ装着穴154に挿入されている。出力軸210の上方には、図示せぬロータに電力を供給するためのモータバスバー220が接続されている。モータバスバー220は、端子孔140に挿通されており、端子孔140内に設けられたターミナルTを介して、制御基板20に接続されている。
[電子制御ユニットの構成]
電子制御ユニット10は、図1に示すように、基体100から突出した電気部品や、センサ基板30及び制御基板20などを収容するハウジング40と、このハウジング40の開口部を塞ぐカバー50と、を備えている。
(ハウジングの構成)
ハウジング40は、図2に示すように、基体100の表側の面101から突出する電磁弁Vや圧力センサSなどの電気部品を覆った状態で、基体100の表側の面101に一体的に固着される合成樹脂製の箱体である。
このハウジング40は、表側の面(図2の右側の面)及び裏側の面(図2の左側の面)が開口しており、その内部空間の裏側には 電磁弁V、電磁コイルV1、圧力センサSなどの電気部品を収納する第一収容室41が形成され、内部空間の表側には、センサ基板30や制御基板20を収容する第二収容室42が形成されている。
ハウジング40は、第一収容室41を形成する第一周壁部41aと、この第一周壁部41aの側方に配置されたコネクタ接続部43(図3(a)参照)と、第二収容室42を形成する第二周壁部42aと、第一収容室41と第二収容室42とを仕切る仕切部44(図3(a)参照)と、を備えている。
第一周壁部41aは、電気部品を取り囲む部位であり、基体100の表側の面101の外周縁に当接するフランジ41bを備えている。このフランジ41bの適所には取付孔41cが形成されている(図3(a)参照)。
なお、フランジ41bの基体100側の端面には、フランジ41bの内周に沿って、無端状のシール部材41dが装着されている。このシール部材41dは、基体100の表側の面101に密着して、基体100とハウジング40との間をシールする部材である。
第二周壁部42aは、センサ基板30及び制御基板20を取り囲む部位であり、第一周壁部41a及びコネクタ接続部43(図3(a)参照)の表側に配置されている。
図3(b)に示すように、第二周壁部42aの外周形状は略長方形となっており、長手方向の二辺(図3(b)の上下二辺)には外側に膨らんだ部位が形成されている。この第二周壁部42aの膨らんだ部位の内側にはターミナル集約部45が形成されている。
ターミナル集約部45では、金属部品である複数のターミナル45a・・・の表側の面(第二収容室42側の面)が制御基板20の外周側で露出している。図2に示すように、各ターミナル45a・・・から延びる導電部材45bは、仕切部44に埋設されており、仕切部44の裏側(第一収容室41側)で電磁コイルV1の端子、圧力センサSの端子、モータ200のモータバスバー220にそれぞれ電気的に接続されている。
図3(a)に示すコネクタ接続部43は、図示しない外部配線ケーブルの端部に設けられたコネクタが接続される部位であり、第二収容室42からコネクタ接続部43の底壁を通って外面(外部に露出している面)に導出される複数の接続端子43a・・・(図3(b)参照)と、この接続端子43a・・・を取り囲む側壁43bと、を備えている。
仕切部44は、図3(b)に示すように、略長方形に形成されており、第二収容室42側の面の四隅には基板保持部44a・・・がそれぞれ突設されている。
基板保持部44aは、制御基板20(図4(a)参照)を支持する部位であり、各基板保持部44a・・・の突端面は制御基板20の裏側の面に当接する。また、基板保持部44aの突端面には取付穴44bが形成されており、取付穴44bの内周面にはねじ溝が形成されている。
仕切部44の第二収容室42側の面の中央付近には、二体の基準ピン46,46が図3(b)の上下方向に所定間隔を離して突設されている。なお、本実施形態の「基準ピン」は、特許請求の範囲における「係合部」に相当するものであり、本実施形態では円形断面の突起部となっている。
また、仕切部44の第二収容室42側の面には、制御基板20において圧入端子60が取り付けられる部位を支持する円筒状の受け部47が五箇所に突設されている。各受け部47・・・は、仕切部44の第二収容室42側の面において図3(b)の左側となる領域に、左右二列に配置されており、左側の列には二つの受け部47,47が並設され、右側の列には三つの受け部47・・・が等間隔に並設されている。また、各受け部47・・・の突端面には取付穴47aが形成されている。
(カバーの構成)
カバー50は、図1に示すように、ハウジング40の表側の開口部を密閉する合成樹脂製の蓋体であり、溶着や接着等の手段によりハウジング40の表側の端面に固着される。
(制御基板の構成)
制御基板20は、図4(a)及び(b)に示すように、電子回路(導電部材)がプリントされた長方形の基板本体21に、半導体チップなどの電子部品26a,26b,26cを取り付けたものであり、基板本体21がハウジング40の仕切部44の第二収容室42側の面に取り付けられることで、制御基板20は第二収容室42内に固定される(図2参照)。
この制御基板20では、図2に示すセンサ基板30や圧力センサSといった各種センサから得られた情報や、予め記憶させておいたプログラム等に基づいて、電磁弁Vの開閉やモータ200の作動を制御するように構成されている。
また、制御基板20では、図4(b)に示すように、基板本体21の四隅近傍に挿通孔22がそれぞれ形成されている。制御基板20を仕切部44(図3(b)参照)の第二収容室42側の面に取り付けたときには、挿通孔22が基板保持部44aの取付穴44bに連通する。そして、制御基板20の表側から挿通孔22に挿通させた固定ボルト23の先端部を、基板保持部44aの取付穴44b内に螺着させることで、制御基板20が仕切部44の第二収容室42側の面に平行状態で取り付けられる。
また、制御基板20には、仕切部44(図3(b)参照)に突設された基準ピン46,46が挿通される位置決め孔24,24が形成されている。したがって、制御基板20を仕切部44に取り付けるときには、各位置決め孔24,24に各基準ピン46,46を挿通させることで、制御基板20を仕切部44の第二収容室42側の面上に位置決めすることができる。
また、制御基板20の表側の面には、センサ基板30が階層状態で取り付けられる階層領域25が設定されている。
本実施形態では、制御基板20の表側の面に取り付けられた各種の電子部品のうち、高さが最も大きい電子部品26a、及びこの電子部品26aの高さに近い電子部品26bは階層領域25以外の領域に取り付けられ、階層領域25には比較的高さが小さい電子部品26cが揃えられている。
制御基板20の階層領域25内には、圧入端子60(図5(a)参照)が取り付けられる接続孔27が五箇所に形成されている。各接続孔27・・・は、図4(b)の左右二列に配置されており、左側の列には二つの接続孔27,27が並設され、右側の列には三つの接続孔27・・・が並設されている。接続孔27の内周面には、円筒状の導電部材が設けられており、制御基板20の電子回路と各接続孔27・・・とは電気的に接続されている。
また、制御基板20を仕切部44(図3(b)参照)の第二収容室42側の面に取り付けたときには、制御基板20の裏側の面に仕切部44の各受け部47・・・の突端面が当接し、各接続孔27・・・が各受け部47・・・の取付穴47aにそれぞれ連通する(図6(b)参照)。すなわち、制御基板20の裏側の面において接続孔27の外周に、受け部47の突端面の周縁部が当接した状態となる。
仕切部44(図3(b)参照)の第二収容室42側の面に取り付けられた制御基板20では、制御基板20の電子回路と、ターミナル集約部45の各ターミナル45a・・・とが、ボンディングワイヤ45cによって電気的に接続される。これにより、制御基板20に取り付けられた各種の電子部品と、基体100(図2参照)に取り付けられた電気部品とが電気的に接続される。
(センサ基板の構成)
センサ基板30は、図5(a)及び(b)に示すように、電子回路(導電部材)がプリントされた矩形の基板本体31に、角速度センサ33や加速度センサ34などの電子部品を取り付けたものである。センサ基板30の基板本体31は、五個の圧入端子60・・・を介して、制御基板20の表側の面に設定された階層領域25(図4(b)参照)に取り付けられている。
このセンサ基板30では、角速度センサ33及び加速度センサ34によって、車体の挙動(所定の物理量)を検出するように構成されている。
センサ基板30には、圧入端子60が取り付けられる接続孔32が、図5(b)の左右縁部に形成されており、左縁部の各隅部に二つの接続孔32,32が形成され、右縁部には三つの接続孔32・・・が等間隔で形成されている。
そして、五個の圧入端子60・・・の一端を制御基板20の各接続孔27・・・(図4(b)参照)に取り付け、各圧入端子60・・・の他端をセンサ基板30の各接続孔32・・・に取り付けることで、制御基板20の表側の面上に取り付けられた五個の圧入端子60・・・によってセンサ基板30が支持される。
また、センサ基板30の各接続孔32・・・の内周面には、円筒状の導電部材が設けられており、センサ基板30の電子回路と各接続孔32・・・とは電気的に接続されている。
ここで、仕切部44の第二収容室42側の面に取り付けられた制御基板20は、基準ピン46,46(図4(b)参照)によって、仕切部44の第二収容室42側の面上に位置決めされる。そして、制御基板20が仕切部44の第二収容室42側の面上に位置決めされたときに、その制御基板20に取り付けられたセンサ基板30では、角速度センサ33及び加速度センサ34の検出軸と、車両の前後左右方向を示す基準軸とが一致するように構成されている。
(圧入端子の構成)
圧入端子60は、図5(a)に示すように、センサ基板30と制御基板20との間に介設される部材であり、圧入端子60の一端が制御基板20の表側の面に取り付けられ、他端がセンサ基板30の裏側の面に取り付けられる。
本実施形態では、制御基板20の表側の面に設定された階層領域25(図4(b)参照)内に五個の圧入端子60・・・が配設される。
圧入端子60は、図6(a)に示すように、棒状の接続ピン62と、この接続ピン62を囲繞する筒状部材61と、を備えている。なお、本実施形態の「接続ピン」は、特許請求の範囲における「接続部材」に相当するものである。
筒状部材61は合成樹脂製の部品であり、図6(b)に示すように、中心孔61aの軸方向の中央部には、中心孔61aを塞ぐように支持部61bが形成されている。この支持部61bは接続ピン62を支持する部位であり、その中心部には接続ピン62が挿通される取付孔61cが形成されている。また、取付孔61cの内周面には、接続ピン62の突起部62bが係合する係合溝61dが形成されている。
接続ピン62は、金属製の導電部品であり、その両端部にはリング状に拡幅された圧入部62a,62aが形成されている。
この接続ピン62は、支持部61bの取付孔61cに挿通されており、その両端部が筒状部材61の両端面から突出している。また、接続ピン62の軸方向の中央部に形成された突起部62bが、取付孔61c内の係合溝61dに係合することで、接続ピン62は筒状部材61の中心孔61a内に固定されている。
圧入端子60をセンサ基板30と制御基板20との間に介設するときには、接続ピン62の一端に形成された圧入部62aを制御基板20の接続孔27に圧入し、筒状部材61の一端面を制御基板20の表側の面に当接させる。また、接続ピン62の他端に形成された圧入部62aをセンサ基板30の接続孔32に圧入し、筒状部材61の他端面をセンサ基板30の裏側の面に当接させる。このように、センサ基板30と制御基板20との間に介設された五個の圧入端子60・・・(図5(b)参照)によって、センサ基板30は制御基板20の表側の面上に平行状態で取り付けられ、センサ基板30と制御基板20とが階層状態となっている。
また、圧入端子60の接続ピン62の両端部が、制御基板20の接続孔27及びセンサ基板30の接続孔32にそれぞれ圧入されることで、センサ基板30の電子回路と、制御基板20の電子回路とが、圧入端子60を介して電気的かつ機械的に接続される。これにより、センサ基板30に取り付けられた角速度センサ33及び加速度センサ34で検出された車両の挙動情報を制御基板20に出力することができる。
[電子制御ユニット及び車両挙動制御装置の作用効果]
本実施形態の電子制御ユニット10では、図5(a)に示すように、センサ基板30と制御基板20とが階層状態でハウジング40内に収められており、制御基板20の面上に角速度センサ33及び加速度センサ34を取り付ける必要がないため、制御基板20の面積を大きくする必要がなくなる。
また、センサ基板30と制御基板20とは別々の基板となっており、角速度センサ33及び加速度センサ34に対して検査や調整を行うときには、センサ基板30のみが処理対象となるため、検査・調整工程の処理効率を向上させることができる。
また、角速度センサ33及び加速度センサ34の仕様を変更する場合には、センサ基板30の構成を変更すればよく、制御基板20の構成を変更する必要がないため、角速度センサ33及び加速度センサ34の仕様変更に伴うコスト及び作業時間を低減することができる。
また、図6(b)に示すように、センサ基板30及び制御基板20の接続孔27,32に圧入端子60の両端部を圧入することで、センサ基板30と制御基板20とを階層状態に配置するとともに、センサ基板30と制御基板20とを電気的かつ機械的に接続することができるため、センサ基板30及び制御基板20の組み付け効率を向上させることができる。
また、ハウジング40の仕切部44の第二収容室42側の面には、制御基板20において圧入端子60が取り付けられる部位を支持する受け部47が形成されている。これにより、圧入端子60の接続ピン62を制御基板20の表側から接続孔27に圧入するときに、制御基板20に作用した押圧力を受け部47が受けることになるため、制御基板20の変形を防ぐことができる。
また、圧入端子60では、図6(b)に示すように、両端に圧入部62aが形成された接続ピン62を囲繞する筒状部材61がセンサ基板30及び制御基板20の間に介設されることで、センサ基板30と制御基板20とを階層状態に配置しても、制御基板20に対してセンサ基板30を安定させることができる。
また、図4(b)に示すように、制御基板20の位置決め孔24,24にハウジング40の仕切部44に形成された基準ピン46,46を挿通(係合)させることで、制御基板20に取り付けられたセンサ基板30はハウジング40の仕切部44に対して位置決めされる。これにより、角速度センサ33及び加速度センサ34の検出軸と、車両の前後左右方向に設定された基準軸とを簡単に一致させることができるため、センサ基板30及び制御基板20の組み付け効率を向上させることができる。
また、図4(a)に示すように、制御基板20の表側の面に取り付けられた複数の電子部品のうち、高さが最も大きい電子部品26aと、この電子部品26aに近い高さの電子部品26bとを階層領域25以外に取り付け、比較的高さが小さい電子部品26cを階層領域25に取り付けることにより、センサ基板30と制御基板20との間を狭くすることができるため、電子制御ユニット10をより小型化することができる。
前記した電子制御ユニット10を用いた図1の車両挙動制御装置Uでは、角速度センサ33及び加速度センサ34(図5(b)参照)が電子制御ユニット10内に組み込まれているため、車両挙動制御装置Uを車両に対して組み付けるときに、ハーネスにとらわれることなく簡単に組み付けることができる。また、制御基板20の面積を大きくする必要がないため、車両挙動制御装置Uを必要以上に大型化することがない。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
例えば、本実施形態では、図5(b)に示すように、五個の圧入端子60・・・によってセンサ基板30を支持しているが、センサ基板30を安定して支持することができるのであれば、圧入端子60の個数や配置は限定されるものではない。
また、図4(b)に示す制御基板20の表側の面に設定された階層領域25内に、角速度センサ33及び加速度センサ34からの信号を処理する半導体チップを取り付けた場合には、角速度センサ33及び加速度センサ34と半導体チップとの間の配線が短くなり、角速度センサ33及び加速度センサ34からの信号を処理するときに、電気ノイズの影響を受け難くなるため、車体の挙動情報を精度良く検出することができる。
また、図2に示すセンサ基板30の両面にセンサや電子部品を取り付けてもよい。センサ基板30の裏側の面は、比較的高さが小さい電子部品26c(図4(b)参照)が取り付けられた階層領域25に対向していることから、センサ基板30の両面にセンサや電子部品を取り付けた場合であっても、センサ基板30と制御基板20との間隔を抑えることができるため、ハウジング40内のスペースを有効に利用することができる。また、センサ基板30の一面に取り付けられる部品が少なくなるため、センサ基板30の面積を小さくすることができ、センサ基板30を小型化することができる。
本実施形態の電子制御ユニットを備えた車両挙動制御装置を示した分解斜視図である。 本実施形態の電子制御ユニットを備えた車両挙動制御装置を示した側断面図である。 本実施形態の電子制御ユニットにおいて、ハウジングにセンサ基板及び制御基板を取り付ける前の状態を示した図で、(a)はハウジングを表側から見た斜視図、(b)はハウジングを表側から見た平面図である。 本実施形態の電子制御ユニットにおいて、ハウジングに制御基板を取り付けた状態を示した図で、(a)はハウジングを表側から見た斜視図、(b)はハウジングを表側から見た平面図である。 本実施形態の電子制御ユニットにおいて、ハウジングにセンサ基板及び制御基板を取り付けた状態を示した図で、(a)はハウジングを表側から見た斜視図、(b)はハウジングを表側から見た平面図である。 本実施形態の電子制御ユニットに用いられる圧入端子を示した図で、(a)は圧入端子の斜視図、(b)は圧入端子をセンサ基板及び制御基板に取り付けた状態の側断面図である。
符号の説明
10 電子制御ユニット
20 制御基板
21 基板本体
22 挿通孔
24 位置決め孔
25 階層領域
26a〜26c 電子部品
27 接続孔
30 センサ基板
31 基板本体
32 接続孔
33 角速度センサ
34 加速度センサ
40 ハウジング
41 第一収容室
42 第二収容室
44 仕切部
44a 基板保持部
44b 取付穴
45 ターミナル集約部
45a ターミナル
45c ボンディングワイヤ
46 基準ピン(係合部)
47 受け部
60 圧入端子
61 筒状部材
61a 中心孔
61b 支持部
61c 取付孔
61d 係合溝
62 接続ピン
62a 圧入部
62b 突起部
100 基体
U 車両挙動制御装置

Claims (7)

  1. 所定の物理量を検出するセンサが取り付けられたセンサ基板と、
    前記センサで検出された物理量に基づいて、電気部品の作動を制御する制御基板と、
    前記センサ基板及び前記制御基板が収容されるハウジングと、を備え、
    前記センサ基板は、両端に圧入部が形成された圧入端子を介して、前記制御基板に階層状態で取り付けられており、
    前記圧入端子の両端が前記センサ基板及び前記制御基板に形成された各接続孔にそれぞれ圧入されることで、前記センサ基板と前記制御基板とが電気的かつ機械的に接続されていることを特徴とする電子制御ユニット。
  2. 前記ハウジングの内面には、前記制御基板に係合する係合部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子制御ユニット。
  3. 前記ハウジングの内面には、前記制御基板において前記圧入端子が取り付けられる部位を支持する受け部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子制御ユニット。
  4. 前記圧入端子は、両端に前記圧入部が形成された接続部材と、前記接続部材を囲繞する筒状部材と、を備え、
    前記筒状部材の一端が前記制御基板に当接し、他端が前記センサ基板に当接するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電子制御ユニット。
  5. 前記制御基板の面上には、前記センサ基板が階層される階層領域が設定されており、
    前記制御基板の面上に取り付けられた複数の電子部品のうち、高さが最も大きい電子部品は、前記階層領域以外の領域に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電子制御ユニット。
  6. 前記センサは、角速度センサ及び加速度センサであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電子制御ユニット。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の電子制御ユニットを用いた車両挙動制御装置であって、
    車両のブレーキ液路が形成された基体と、
    前記基体に設けられた前記電気部品と、を備え、
    前記電子制御ユニットは、前記センサによって検出された車体の挙動に基づいて、前記電気部品の作動を制御することで、前記ブレーキ液路内のブレーキ液圧を制御するように構成されていることを特徴とする車両挙動制御装置。
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